JPH08301609A - 不定形耐火物用表面処理黒鉛および炭素含有不定形耐火物 - Google Patents

不定形耐火物用表面処理黒鉛および炭素含有不定形耐火物

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JPH08301609A
JPH08301609A JP7343366A JP34336695A JPH08301609A JP H08301609 A JPH08301609 A JP H08301609A JP 7343366 A JP7343366 A JP 7343366A JP 34336695 A JP34336695 A JP 34336695A JP H08301609 A JPH08301609 A JP H08301609A
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treated
refractory
amorphous refractory
powder
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JP7343366A
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Inventor
Masato Takagi
正人 高木
Keiichiro Isomura
敬一郎 磯村
Masato Kumagai
正人 熊谷
Seiji Taguchi
整司 田口
Yasunobu Toritani
恭信 鳥谷
Junichiro Mori
淳一郎 森
Katsufumi Kino
勝文 城野
Seijiro Tanaka
征二郎 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
JFE Refractories Corp
Original Assignee
Kawasaki Refractories Co Ltd
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 黒鉛粒子を、不定形耐火物用原料粉として適
した親水性の表面処理黒鉛に改質するための技術を確立
すること、および耐熱衝撃性, 耐食性, 耐摩耗性(強
度)および耐酸化性に優れた炭素含有不定形耐火物を提
案すること。 【解決手段】 黒鉛粉に対し、衝撃力および/または摩
砕力を付加し、解砕変形することによって球状化させ、
その表面を親水化処理してなる不定形耐火物用表面処理
黒鉛ならびに、この表面処理黒鉛を3〜40wt%含有す
る炭素含有不定形耐火物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐火物の耐熱衝撃性、
耐食性, 耐摩耗性および耐酸化性を改善するのに有効な
作用を担う不定形耐火物用表面処理黒鉛と、この黒鉛を
含有する不定形耐火物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、黒鉛などの炭素原料を含有する不
定形耐火物は、炭素が具える特性, 即ち、耐酸化性の点
では問題はあるものの、高熱伝導性を示し、溶融金属や
スラグに対して濡れにくくかつ反応しにくいために高耐
食性を示し、しかも熱膨張も小さく耐用性に優れている
ことから、各種の冶金用耐火物として広く利用されてい
る。
【0003】ところで、かかる不定形耐火物の使用環境
は、近年ますます苛酷化しているのが実情であり、こう
した背景の下で、上述した特性のより一層の向上を図る
ために炭素含有量をさらに増加させることが検討されて
いる。しかしながら、黒鉛などの炭素原料は一般に、疎
水性を示すために水中への分散性に乏しく、それゆえ
に、流し込み不定形耐火物中に多量に添加すると粒子の
凝集を促進することから、緻密で均質な構造体になりに
くいという欠点があった。このような意味において、不
定形耐火物中への炭素材料の添加については、従来、多
量に添加することは困難とされていたのである。
【0004】これに対し従来、こうした炭素材料とくに
黒鉛のもつ欠点を克服するために、こうした黒鉛等を表
面処理する試みが行われている。例えば、黒鉛表面に界
面活性剤をコーティングする方法(特開平4−12064 号
公報参照) があるが、この方法の場合、金属酸化物など
との共存下では、界面活性剤が水に再溶出するために、
製品の流動性に顕著な優位性を見い出すことができなか
った。また、黒鉛表面に金属酸化物や金属耐火物の微粒
子を固着して親水化させる方法( 特開平5−194044号公
報参照) もある。しかし、この方法については、黒鉛表
面に固着させる金属化合物を超微粒子にする必要がある
が、このような金属微粒子の製造は極めて困難で、また
高価になるという問題を抱えていた。さらに、流し込み
成形用不定形耐火物において、その骨格成分中に炭化珪
素と親水処理カーボン( カーボンをリノール酸ソーダ等
で表面処理) を配合した例 (特開平5−330930号公報参
照) も提案されているが、この技術は、カーボンの黒鉛
表面をリノール酸ソーダの薄膜で完全に被覆する方法で
あるから、リノール酸ソーダが再溶出するため、分散が
不完全であるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来技
術、とくに従来の不定形耐火物用表面処理黒鉛は、製造
が難しく高価である他、分散性はなお不十分であるとい
う未解決の課題を残しており、これらの課題解決が必要
であった。そこで、この発明の目的は、従来技術が抱え
ている上述した課題のない表面処理黒鉛を提案するこ
と、即ち、もともと疎水性を示す黒鉛粒子を、不定形耐
火物用原料粉として適した親水性を示す表面処理黒鉛に
改質するための技術を確立することにある。この発明の
第2の目的は、耐熱衝撃性, 耐食性, 耐摩耗性(強度)
および耐酸化性に優れた炭素含有不定形耐火物を提案す
ることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、もともと疎
水性を示す各種の黒鉛の少なくともその表面を親水化さ
せることによって、好ましくは機械力の付加による球状
化によってこの黒鉛を改質すると同時に、耐火物中に占
めるその表面処理黒鉛の含有量が3〜40wt%となるよ
うにすることによって、耐熱衝撃性, 耐食性, 耐摩耗性
(強度)および耐酸化性に優れた炭素含有不定形耐火物
を得ようとするものである。
【0007】こうした要請に応えられる表面処理黒鉛と
して, まず本発明は、 (1) 黒鉛粉に対し強い機械的な外力を付加し、その表面
を親水化してなる不定形耐火物用表面処理黒鉛を提案す
る。 (2) また本発明は、黒鉛粉に対し衝撃力,剪断力および
/または摩砕力を付加して解砕変形させることによって
球状化させ、その表面を親水化したものとすることが望
ましい。 (3) 上記黒鉛粉としては、鱗状黒鉛, 人造黒鉛および土
状黒鉛のいずれか少なくとも1種もしくは2種以上を混
合して用いる。 (4) 上記黒鉛粉どうしの好ましい混合は、鱗状黒鉛およ
び/または人造黒鉛と、土状黒鉛との組合わせである。 (5) また、上記の表面処理黒鉛は、平均粒径が5〜150
μm の大きさを有し、かつ平均アスペクト比が 0.5〜1.
0 を示す形状にしたものであることが好ましい。
【0008】さらに、本発明は、 (6) 骨格成分中に黒鉛を含有する不定形耐火物におい
て、この黒鉛として、上記(1) 〜(5) のいずれかに記載
の表面処理黒鉛を用いることを特徴とする炭素含有不定
形耐火物を提案する。 (7) そして、上記不定形耐火物中には、上記表面処理黒
鉛を3〜40wt%含有させることが好ましい実施の態様
である。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明は、基本的に、疎水性を
示す原料黒鉛粉 (平均粒径10〜500 μm)の少なくともそ
の表面を、強い機械的な外力の付加によって平均粒径で
150 μm 以下の大きさにまで解砕しかつ変形させること
によって球状化させ、このことによって親水化を発現さ
せたものである。この解砕変形によって得られる球状化
の程度は、アスペクト比で 0.5〜1.0 を示す(完全な球
を意味するものではなく表面形状が曲面を形造っている
こと)ように解砕変形させることであり、このような処
理によって親水化させ、黒鉛の表面を改質するものであ
る。即ち、本発明は、黒鉛粉に所要の機械的な外力を加
えることで、少なくともその表面を曲成変形させること
のみによって、親水性を付与できることを知見した点に
特徴がある。
【0010】また、本発明は、上記原料黒鉛粉に対し、
より強い衝撃力,剪断力および/または摩砕力(回転
力)等の機械的外力, 例えばハイブリダイゼーションシ
ステム機(奈良機械製)などによって解砕力 (衝撃力,
磨砕力) を加え、その黒鉛の平均粒径を5〜150 μm の
大きさになるまで解砕すると、原料黒鉛は球状化すると
同時に、その程度として平均アスペクト比が 0.5〜1.0
の範囲内に収まる球形か、球状に近い形となる。このよ
うに処理されると、該黒鉛は親水化するのである。
【0011】発明者らは、親水化の発現というのは、解
砕によって粒子の角がとれ、平均粒径で5〜150 μm の
大きさとなり、かつアスペクト比(基本的に当該粒体の
長径に対する短径の比率を意味し、真球で1 、値が小さ
くなるほど偏平となる) が 0.5〜1.0 、とりわけ0.8 〜
1.0 程度にまで変形された丸形粒体となる結果生じるも
のと考えている。
【0012】なお、上記表面処理黒鉛において、その平
均粒径の下限を5μm にした理由は、5μm よりも小さ
いと黒鉛粒の比表面積が大きくなり、耐酸化性が低下す
るからである。一方、その平均粒径が 150μm を超える
と親水化が生じないことがあると共に、不定形耐火物の
原料粉とした場合、この耐火物の施工に際し、流動性が
低下するようになると共に間隙の多い構造をつくりやす
くなるため、緻密な施工体が得られなくなるからであ
る。
【0013】図1は、原料黒鉛として鱗状黒鉛の粒子構
造を示す顕微鏡写真(×200 倍) である。そして図2
は、この鱗状黒鉛を奈良機械製衝撃処理装置( 型式NH
S−3)を用いて粒径10μm 以下の大きさに解砕した
ものの顕微鏡写真(×200 倍)であり、粒子形状がほぼ
球状に解砕変形されていることが明らかである。
【0014】原料としての鱗状黒鉛は、立体的には厚み
の薄い平面形状を呈しているが、機械的外力を加える
と、この処理により長径方向が破砕されるだけでなく、
厚み方向に折り重なったり、破砕された粉片同士が重な
り合って厚みが増加したりして球状化していくのであ
る。そして、このような表面処理黒鉛を不定形耐火物用
原料粉として用いた場合には、密充填組織が得られやす
いので、耐火物としての耐摩耗性(強度)のみならず、
耐熱衝撃性,耐酸化性や耐食性を著しく向上させること
になる。
【0015】また、下記の表1は、上述した150 μm 以
下に解砕し変形させた本発明にかかる表面処理黒鉛の親
水性を評価した結果を示すものである。その親水性の評
価は、黒鉛粉末を純水中に加え、5分後に表面に浮遊し
ている黒鉛量を添加した黒鉛量に対する重量百分率で示
した。なお、この試験においては、表面改質装置とし
て、ホソカワミクロンオングミルAM−80Fおよび奈
良機械製衝撃処理装置(型式NHS−3)を用いた。
【0016】表1に示すとおり、表面処理黒鉛は未処理
黒鉛に比べ、各原料黒鉛とも水に浮遊する黒鉛量が圧倒
的に減少しており、水に対するぬれ性, 即ち親水性が著
しく向上していることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】本発明において、上記表面処理黒鉛を得る
ために用いられる原料黒鉛粉としては、平均粒径が10〜
500 μmの大きさを有する鱗(片)状黒鉛, 人造黒鉛あ
るいは土状黒鉛のいずれか少なくとも一種以上を被処理
対象粉とする。なかでも鱗状黒鉛というのは、黒鉛原料
のなかでは最も黒鉛化度が大きく、かつ熱伝導率や耐酸
化性に優れている。そのために、一般的な炭素含有定形
耐火物においては、この鱗状黒鉛が広く用いられてい
る。ところが、この鱗状黒鉛は、もともと水に対する親
和性が小さいことに加えてその形状が鱗片状であること
から、間隙の多い不定形耐火物の構造を形成し、緻密な
施工体が得られないため、多量に添加することが困難な
材料とされていた。
【0019】図3に、平均粒径 300μm の鱗状黒鉛を、
奈良機械製衝撃処理装置 (型式NHS−3)を用いて周
速度60 m/sで10分間解砕処理して得られた平均粒径
60μm 以下の表面処理黒鉛の平均アスペクト比と親水
性との関係を示す。親水性は、ホソカワミクロン製ベネ
トアナライザーを用い、Washburnの式から粒子が親水性
であるほど水の浸透時間が大きいことを利用して評価し
た。すなわち、低面積10.2 cm2のテフロン製円筒に黒鉛
を入れ、タッピングして高さが3cmになるように充填
し、受け皿に入れた純水中に円筒をつけ、接触してから
60秒後の水の浸透量により評価した。このことから、
鱗状黒鉛を解砕し、平均アスペクト比を 0.5〜1.0 とす
ることにより、鱗状黒鉛の親水性が向上することがわか
る。とりわけ、この平均アスペクト比が 0.8〜1.0 にお
いてその効果は大きいことが確かめられた。
【0020】なお、原料黒鉛としては、例えば人造黒鉛
でよく、この黒鉛の場合、形状が鱗片状でないので、間
隙の多い構造とはならないし、黒鉛化度も高く熱伝導率
や耐酸化性に優れるので、解砕力の負荷が鱗状黒鉛に比
べて十分に低いので有利である。しかも、この人造黒鉛
は、親水性についても、鱗状黒鉛の場合と同様に解砕す
ることでその粒径および形状を制御すれば好ましい結果
が得られる。
【0021】また、原料黒鉛としては土状黒鉛もまた、
鱗状黒鉛あるいは人造黒鉛に比べれば、水に対する濡れ
性、すなわち親水性が良好であるが、鱗状黒鉛の場合と
同様、粒径および形状を制御することによりさらに親水
性を付与することができる。
【0022】そこで、人造黒鉛および土状黒鉛の親水性
について、これらの黒鉛を奈良機械製衝撃処理装置 (型
式NHS−3、周速度60 m/s) を用いて表面処理し、
ベネトアナライザーを用いて評価した。その結果を表2
に示す。これら黒鉛に機械的な外力、とりわけ衝撃力お
よび/または磨砕力を付加することによりアスペクト比
が1近くなり、親水性が改善されていることがわかる。
【0023】
【表2】
【0024】また、本発明において、原料黒鉛分の配合
については、黒鉛化度が高く水に濡れにくい性質のある
鱗状黒鉛および/または人造黒鉛と、水濡れ性の高い土
状黒鉛との組合わせて配合し、これらの混合黒鉛粉に対
し機械的外力を付加することにより、親水化と球状化と
を図ることが好ましい。
【0025】表3は、原料黒鉛粉配合種別毎の表面処理
黒鉛の親水性を評価したものである。この親水性の評価
は、黒鉛粉末を純水中に加え、5分後に表面に浮遊して
いる黒鉛量を、添加した黒鉛量の重量百分率で示した。
なお、表面改質装置としては、奈良機械製衝撃処理装置
(型式NHS−3)を用いた。その結果、表3に示すと
おり、まず処理黒鉛は未処理のものにくらべ、水に浮遊
する黒鉛量が圧倒的に減少しており、水に対するぬれ性
が著しく向上していることがわかる。しかも、それは土
状黒鉛の配合をしているケースにおいて顕著である。
【0026】
【表3】
【0027】本発明において、黒鉛の表面の改質処理に
使用する装置としては、粒子に強い衝撃力, 摩砕力, 剪
断力を加えることのできる混合機、例えば、オングミル
(ホソカワミクロン製)、ハイブリダイゼーションシス
テム(奈良機械製)、ハイエックス(日清製粉製)、振
動ボールミル、ヘンシェルミキサー(三井三池機械
製)、スーパーミクロンミル、パルペライザーなどが有
利に用いられる。
【0028】次に、上述した表面処理黒鉛を配合した本
発明にかかる不定形耐火物について説明する。まず、こ
の不定形耐火物の骨格成分を構成する骨材は、塩基性,
中性, 酸性のものから選ばれる一種または二種以上を使
用する。例えば、マグネシア、スピネル、アルミナ、ジ
ルコニア、ジルコン、シリカ、けい石、ろう石、バン土
質岩、炭化珪素、シャモットなどである。これらの骨材
粒度は、密充填組織が得られるように、粗粒、中粒、微
粒、微粉にそれぞれ分けて調整したものを用いることが
好ましい。
【0029】この不定形耐火物中に、上記の骨材ととも
に配合する上記親水性表面処理黒鉛の配合量は、3〜4
0wt%の範囲とする。それは、この配合量が3wt%未満
では黒鉛のもつ高熱伝導性やスラグ浸透防止効果が得に
くく、一方、40wt%を超えると充填性を害して耐火物
がポーラスになると共に、耐熱衝撃性が劣化するからで
ある。好ましくは5〜20wt%の範囲とする。5wt%以
上とすることにより、熱伝導性が十分に確保され、20
wt%以下とすることにより特に緻密な施工体が得られ
る。
【0030】その他の炭素源として本発明では、上記表
面処理黒鉛に加えて、通常のタールピッチ粉末、フェノ
ールレジン粉末, カーボンブラックなども添加すること
ができる。
【0031】本発明においては、上記の骨格成分の他に
助剤として、分散剤(界面活性剤), 硬化剤, 硬化遅延
剤などを用いることができる。例えば、分散剤として
は、トリポリリン酸ソーダ、ヘキサメタリン酸ソーダ、
ウルトラポリリン酸ソーダ、酸性ヘキサメタリン酸ソー
ダ、ホウ酸ソーダ、炭酸ソーダなどの無機塩、クエン酸
ソーダ、酒石酸塩、ポリアクリル酸ソーダ、スルホン酸
ソーダなどの有機塩から選ばれる1種または2種以上が
使用できる。また、硬化剤としては、耐火物に使用する
一般的なアルミナセメントなど、そして、硬化遅延材と
しては、シュウ酸, クエン酸, ポリアクリル酸などが使
用できる。
【0032】本発明にかかる不定形耐火物としては、上
掲の配合物以外に、本発明の本来的な特性を損なわない
かぎりにおいて、既知の焼結助剤やファイバー類、金属
粉などの強化成分, あるいは結合剤などを添加してもよ
い。
【0033】
【実施例】
実施例1 この実施例は、本発明例および比較例を、高炉出銑樋用
流し込み不定形耐火物に適用した例であり、その結果を
表4に示す。表4中の鱗状黒鉛A,Bはそれぞれ本発明
に適合するものであり、C, Dは範囲を外れるものであ
る。これらの表面処理黒鉛は、原料の鱗状黒鉛 (平均粒
径 200μm ) を奈良機械製ハイブリダイゼーションシス
テムNHS−3を用いて60m/s の周速で3〜10分間
処理したものである。また、比較例1は、鱗状黒鉛を全
く含まない従来の高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物
で、比較例2, 3は本発明に適合しない鱗状黒鉛を用い
たもの、比較例4, 5は鱗状黒鉛の添加量が本発明の範
囲を外れている例である。なお、平均粒径はレーザ回折
式粒度分布測定装置により、また、平均アスペクト比は
画像解析により測定した。
【0034】この表4から明らかなように、本発明例は
いずれも、比較例1の従来品にくらべると、鱗状黒鉛の
添加の効果により耐食性が向上している。また、気孔率
や強度も良い。これに対し、比較例2〜4は、本発明の
条件を外れているため気孔率が大幅に上昇し、かつ耐食
性および強度も悪い。さらに、比較例5は、気孔率,強
度の劣化は少ないが、耐食性の向上が見られず鱗状黒鉛
の添加効果が得られていない。
【0035】
【表4】
【0036】実施例2 この実施例は、本発明例および比較例を、高炉出銑樋用
流し込み不定形耐火物に適用した例であり、その結果を
表5に示す。表5中の表面処理黒鉛A,B,Cはそれぞ
れ、本発明の範囲にある。すなわち、原料の鱗状黒鉛、
人造黒鉛または土状黒鉛をAM−80Fを用いて解砕、
球状化したものである。発明例は、これらの表面処理黒
鉛を単独ないし、組合わせて用いたものである。また、
比較例1は、従来の高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物
で、比較例2、3は、表面処理黒鉛の使用量が本発明の
範囲を外れているもの、比較例4は未処理鱗状黒鉛を使
用したものである。この表5から明らかなように、本発
明例は、比較例1の従来品にくらべて気孔率が若干上昇
しているが、親水化処理黒鉛の効果により耐食性が向上
していると共に気孔率や強度も良い。これに対し、比較
例2〜4は、本発明の条件を外れているため、とくに耐
食性が悪く、とくに比較例3, 4は気孔率や強度も悪い
という結果となった。
【0037】
【表5】
【0038】実施例3 この実施例は、原料黒鉛粉として土状黒鉛を用いること
を前提とした本発明例および比較例を、高炉出銑樋用流
し込み不定形耐火物に適用した例であり、その結果を表
6に示す。表中の親水化球状の表面処理黒鉛A,B,C
はいずれも本発明の範囲にあるものである。すなわち、
各黒鉛種の原料を等量づつ奈良機械製ハイブリダイゼー
ションシステムNHS−3に一括して投入し、処理して
これらの混合処理粉としたものである。また、比較例1
は、従来の高炉出銑樋用流し込み不定形耐火物で、比較
例2、3は、本発明の親水化処理黒鉛の使用量が範囲を
外れたもの、比較例4は未処理鱗状黒鉛を使用したもの
である。この表6の記載から明らかなように、本発明例
は、比較例1の従来品にくらべて気孔率が若干上昇し強
度も少し低下しているが、土状黒鉛を含有する処理黒鉛
の効果により、耐食性が向上している。また、比較例2
〜4は、本発明の条件を外れているため、耐食性が低下
していることがわかる。
【0039】
【表6】
【0040】なお、本発明にかかる不定形耐火物は、上
記各実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内
において種々の応用、変形を加えることが可能であり、
高炉流し込み不定形耐火物だけではなく、溶銑鍋、混銑
車、溶鋼鍋スラグライン用の流し込み耐火物にも応用で
きる。
【0041】
【発明の効果】かくして本発明によれば、不定形耐火物
用黒鉛として有効な親水化球状表面処理黒鉛を有利に得
ることができると共に、この表面処理黒鉛の配合によ
り、耐熱衝撃性、耐食性、耐摩耗性および耐酸化性に優
れた不定形耐火物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、鱗状黒鉛粉の粒子構造を示す顕微鏡写
真である。
【図2】図2は、本発明にかかる球状化鱗状黒鉛の粒子
構造を示す顕微鏡写真である。
【図3】図2は、表面処理鱗状黒鉛のアスペクト比と浸
透量との関係を示すクラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 敬一郎 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 熊谷 正人 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 田口 整司 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社鉄鋼研究所内 (72)発明者 鳥谷 恭信 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 森 淳一郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 城野 勝文 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内 (72)発明者 田中 征二郎 兵庫県赤穂市中広字東沖1576番地の2 川 崎炉材株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛粉に対し機械的な外力を付加し、そ
    の表面を親水化してなる不定形耐火物用表面処理黒鉛。
  2. 【請求項2】 黒鉛粉に対し衝撃力,剪断力および/ま
    たは摩砕力を付加して解砕変形させることによって球状
    化させ、その表面を親水化してなる不定形耐火物用表面
    処理黒鉛。
  3. 【請求項3】 上記黒鉛粉として、鱗状黒鉛, 人造黒鉛
    および土状黒鉛のいずれか少なくとも1種以上を用いる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の不定形耐火
    物用表面処理黒鉛。
  4. 【請求項4】 上記黒鉛粉として、鱗状黒鉛および/ま
    たは人造黒鉛と、土状黒鉛との組合わせにかかる混合粉
    を用いることを特徴とする請求項3に記載の不定形耐火
    物用表面処理黒鉛。
  5. 【請求項5】 平均粒径が5〜150 μm の大きさであ
    り、かつ平均アスペクト比が0.5 〜1.0 を示す形状にし
    たことを特徴とする請求項1または2記載の不定形耐火
    物用表面処理黒鉛。
  6. 【請求項6】 骨格成分中に黒鉛を含有する炭素含有不
    定形耐火物において、この黒鉛として、請求項1〜5の
    いずれか1項に記載の表面処理黒鉛を用いることを特徴
    とする炭素含有不定形耐火物。
  7. 【請求項7】 炭素含有不定形耐火物中に、請求項1〜
    5のいずれか1項に記載の表面処理黒鉛を3〜40wt%
    含有することを特徴とする請求項6に記載の炭素含有不
    定形耐火物。
JP7343366A 1994-12-28 1995-12-28 不定形耐火物用表面処理黒鉛および炭素含有不定形耐火物 Pending JPH08301609A (ja)

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