JPH0910801A - 4ロール圧延機における軸ずらし量の決定方法 - Google Patents

4ロール圧延機における軸ずらし量の決定方法

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JPH0910801A
JPH0910801A JP19367695A JP19367695A JPH0910801A JP H0910801 A JPH0910801 A JP H0910801A JP 19367695 A JP19367695 A JP 19367695A JP 19367695 A JP19367695 A JP 19367695A JP H0910801 A JPH0910801 A JP H0910801A
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roll
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shift amount
axial shift
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JP19367695A
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Akira Kano
彰 狩野
Tsuneo Seto
恒雄 瀬戸
Hidenori Kindo
秀範 金堂
Satoru Takeda
了 武田
Kazuo Omori
和郎 大森
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】丸棒材の高精度なサイジング圧延を可能とする
4ロール圧延機の最適軸ずらし量の決定方法を提供す
る。 【解決手段】丸棒材の4ロール圧延において、第一スタ
ンドの駆動ロール1A,1Bに対する非駆動ロール1
C,1Dの圧延方向への軸ずらし量Lの上限を、当該軸
ずらし量Lの増大に応じて増加する圧延トルクの増加量
ΔTの値が、2ロール2スタンド圧延時と軸ずらし無し
4ロール圧延時との圧延トルク差ΔTm の10〜20%
となるように設定する。または、当該軸ずらし量に応じ
て変化する駆動ロールの圧延荷重が最小となるように設
定する。このように、測定容易な圧延トルクまたは圧延
荷重に基づいて軸ずらし量を設定することにより、サイ
ジング精度が良好な丸棒材を、極めて能率よく製造でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4ロール圧延機に
より断面丸型の棒鋼や線材等の条鋼をサイジング圧延す
るに際して設定する4ロール圧延機の軸ずらし量の決定
方法に関し、特に、サイジング精度が良好な(偏径差が
小さい)製品が得られるロール軸ずらし量を、偏径差の
実測によらずに決定することを可能とするものである。
【0002】
【従来の技術】一般に丸棒鋼のサイジング圧延には、2
ロール圧延機や4ロール圧延機などが用いられる。4ロ
ール圧延機によるサイジング圧延の特徴としては、2ロ
ール圧延機による場合に比べて圧延された素材の幅広が
りが小さいため、同一サイズのロールでより高精度の製
品が製造できるという点が挙げられる。すなわち、4ロ
ール圧延法によれば、2対4個のロールで直交する二方
向から素材を圧下する4ロール圧延機を二台直列に配置
し、両圧延機の間で圧下方向を45°ずらして条鋼をサ
イジング圧延するため、圧延による幅寸法変化(幅広が
り変形量)が2ロール法圧延に比べて小さくなり、同一
ロールで丸棒鋼製品の同一断面の最大径d 1 と最小径d
2 との差(偏径差=d1 −d2 )が小さい製品が得られ
る。
【0003】しかし他方、同一断面内で4個のロールで
圧延を行うために噛み出しが発生し易く、サイジング可
能な範囲が2ロール圧延に比べて小さくなる。これにた
いして、本出願人は、4ロール圧延機におけるサイジン
グ可能範囲を大きくするサイジング圧延方法を特開平6
−63601号公報に提案した。このものは、直列に配
列した二台の4ロール圧延機のうち、上流側に配置され
た第一スタンドの圧延機の直交しているロール軸の軸線
を圧延方向に間隔Lだけずらすとともに、その軸ずらし
量Lの大きさを、駆動ロールにおける投影接触長の5倍
以下に設定して圧延を行うものである。これによりサイ
ジング可能な範囲が拡大され、例えば直径19mmから
85mmに及ぶ広範囲の丸棒鋼製品を製造することが可
能になる。
【0004】なお、実際の4ロール圧延機では、四個の
ロールを同時に駆動することは困難であるから、一方の
対向する一対を駆動ロールとし、他方の対向する一対を
非駆動ロールとすることが多い。その場合は、駆動ロー
ルの方を先に素材に噛み込ませるようにしなければなら
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、4ロー
ル圧延機の第一スタンドの直交しているロール軸の軸線
を、圧延方向に所定の範囲でずらす従来の圧延方法にあ
っては、その軸ずらし量Lが駆動ロールの投影接触長の
5倍以下の範囲内であっても、素材径の小さなものでは
丸棒鋼製品の形状精度(偏径差)が十分とはいえない場
合がある。
【0006】この点に関しては、新たに、軸ずらし量L
の範囲の上限値を入側素材径により特定できることが判
明した。しかしながら、素材径を考慮に入れて軸ずらし
量Lを設定するに際し、例えば線材ミルのようにロール
径がかなり小さい圧延機などでは、ロール径が大きく変
わる場合に軸ずらし量Lの上限値が変化する。すなわ
ち、軸ずらし量が入側素材径の0.25倍以下ならば設
定値を縮小しなければならない。一方、0.25倍より
大きい場合は設定値は更に拡大可能ではあるが、そのた
びに圧延実験を行う必要がある。しかも、その圧延実験
にあたって素材の微小な偏径差量を測定する寸法計は高
価なものであり、且つ4ロール圧延機の1パス目の出側
に設置することは困難なため、実圧延において丸棒鋼の
ねじれにより駆動側の直下の寸法が正確に測定できない
ことがあるという問題点を有している。
【0007】また、実際の圧延においては第一スタンド
目の入・出側には少なからず張力が作用するのが普通
で、このような圧延状況の中で正確に駆動側の直下の素
材径寸法を把握して適正な軸ずらし量を求めることは、
実際問題としては非常に困難である。そこで本発明は、
このような従来技術の問題点に着目してなされたもので
あり、その一の発明は、軸ずらし量Lの大きさを、駆動
ロールにおける投影接触長や、あるいは入側素材径によ
り特定する代りに、圧延トルクに基づいて設定するよう
にした4ロール圧延機の軸ずらし量の上限値の決定方法
を提供することを目的としている。
【0008】また、本発明の他の発明は、軸ずらし量L
の上限値を駆動側ロールの圧延荷重の測定値に基づいて
設定するようにした4ロール圧延機の最適軸ずらし量の
決定方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の請求項1の発明は、一対の駆動ロールと一対の非駆
動ロールとにより直交する二方向から丸棒鋼のサイジン
グ圧延を行う4ロール圧延機において、前記駆動ロール
の軸の中心線に対する前記非駆動ロールの軸の中心線の
下流側への軸ずらし量を、当該軸ずらし量に応じて増加
する圧延トルクの増加量ΔTの値が次式 ΔT<αΔTm ここに、 ΔTm :軸ずらし量が0のときの圧延時と軸ずらし量の
変動が圧延トルクの変動を生じさせない程度まで軸ずら
し量を拡大した時の圧延時の圧延トルクの差 α :定数 を満足するように設定することを特徴とするものであ
る。
【0010】また、本発明の請求項2の発明は、一対の
駆動ロールと一対の非駆動ロールとにより直交する二方
向から丸棒鋼のサイジング圧延を行う4ロール圧延機に
おいて、前記駆動ロールの軸の中心線に対する前記非駆
動ロールの軸の中心線の下流側への軸ずらし量の上限値
を、当該軸ずらし量に応じて変化する前記駆動ロールの
圧延荷重が最小となるように設定することを特徴とする
ものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。先ず、4ロール圧延機の最適軸ず
らし量を圧延トルクに基づいて設定する請求項1の発明
の実施形態例について説明する。図1に示すように、第
一スタンドの4ロール圧延機と、これに対し圧延方向を
45°ずらした第二スタンドの4ロール圧延機とを直列
に配して丸棒鋼素材Wのサイジング圧延を行う場合につ
いて述べる。第一スタンドの4ロール圧延機では、一対
の駆動ロール1A,1B(図で上下方向から素材Wを圧
下する)に対し、一対の非駆動ロール1C,1Dが直交
方向(図で紙面の垂直方向から素材Wを圧下する方向)
に配設されている。その駆動ロール1A,1Bの中心同
士を結ぶ線O1 に対して、非駆動ロール1C,1Dの中
心線をこの紙面上に投影した線O2を下流側へ間隔Lだ
けずらす。
【0012】いま、軸ずらし量Lを有する第一スタンド
の4ロール圧延機で直径D0 の素材Wをサイジング圧延
する。すると、図2に示すように、駆動ロール1Aの直
下寸法D1 は予め定めたロール1A設定寸法(ロール1
A,1Bの面間距離)D1Aよりも径変化量b=D1 −D
1Aだけ拡大される。これは、ロール1A(1B)で設定
寸法D1Aに圧延された後、軸ずらし量Lだけ下流の位置
で今度は直交方向にロール1C(1D)で圧延されて素
材Wが幅広がり変形したためである。こうして幅広がり
変形した素材Wは、続いて第二スタンドの4ロール圧延
機で圧下されるが、第二スタンドのロール2A,2Cの
圧下位置が第一スタンドのロール1A,1Cに対し45
°回転されているために、寸法D1 に幅広がり変形した
部分は第二スタンドでは圧下されず未圧下部になって、
そのまま製品径に反映されることとなる。
【0013】したがって、偏径差の小さい高寸法精度の
サイジング圧延を行うためには、軸ずらし量Lと上記径
変化量b(=D1 −D1A)との関係を正確に把握してお
く必要がある。そこで本発明者らは、多くの素材径D0
につき圧延実験を行って軸ずらし量Lと素材の径変化量
bの関係を調べた。その結果得られた多くのデータのう
ち、代表例として入側素材径D0 =48mmの場合につ
いてプロットしたものを、サイジング量ΔDをパラメー
タとして図3に示す。また、このとき同時に測定を行っ
た軸ずらし量に対する圧延トルクの測定結果を図4に示
す。なお、この実験では、第一スタンドのロール1A,
1Cのサイジング量を同一に設定した。また、各ロール
対1A,1B及び1C,1Dのロール孔型形状は、図5
に示すものとした。
【0014】図6は、4ロール圧延機における軸ずらし
量と圧延トルクとの典型的な関係を示したもので、軸ず
らし量Lが増加すると、圧延トルクは軸ずらし量が小さ
い領域では増加量が小さく、ある軸ずらし量から増加量
は大きくなり、やがて2ロール2スタンド圧延に要する
圧延トルク値(T2roll-2std)に収束する。ここで、 T4roll :軸ずらし量が0の時の4ロール圧延トルク T2roll-2std:軸ずらし量の変動が圧延トルクの変動を
生じさせない程度まで軸ずらし量を拡大した時の圧延
(以下「2ロール2スタンド圧延」という)時の圧延ト
ルク ΔTm=T2roll-2std−T4roll :4ロール圧延時に対
する2ロール2スタンド圧延時のトルク増加量 ΔT(L/D0 )=T(L/D0 )−T4roll :軸ずら
し量がLの場合のトルク増加量である。
【0015】いま、上記の図3及び図4に示すものにつ
いて、軸ずらし量に対する圧延トルクと径変化量との関
係を図7により比較してみると、径変化量bの非常に小
さい領域(A)と、圧延トルクの増加量が比較的小さい
領域(B)との軸ずらし量の上限値(L/D0 =0.
5)が、よく一致していることがわかる。さらに、この
領域はサイジング量ΔDに依存しないことがわかる。
【0016】換言すれば、軸ずらし量Lが0から入側素
材径D0 の50%の範囲内では、幅広がりが小さいとい
う4ロール圧延の特性の影響が大きく効いており(未
だ、2ロール圧延の影響を受けるに至っておらず)、偏
径差が極めて小さく高寸法精度のサイジングが確保さ
れ、且つ圧延トルクについても軸ずらしの無い場合の4
ロール圧延の特性がほぼそのまま維持されている。
【0017】そこで、さらに、図7中のΔT1 〜ΔT3
(径変化量ΔDの非常に小さい領域(A)での軸ずらし
量の上限値L/D0 =0.5における圧延トルクの増加
量)の値をサイジング量ΔD別に測定した結果、当該ト
ルク増加量は、4ロール圧延時のトルクに対する2ロー
ル2スタンド圧延時のトルク増加分ΔTm1 〜ΔTm 3
の10%〜20%(サイジング量に応じて変わる)であ
ることがわかった。
【0018】したがって、いま、この比率を定数α=
0.1〜0.2として用い、軸ずらしのない4ロール圧
延機で圧延したときのトルクT4roll と、2ロール2ス
タンド圧延機で圧延したときのトルクT2roll-2stdとを
測定して、両トルク値の差ΔTm=T2roll-2std−T
4roll を求め、軸ずらしのない4ロール圧延(L/D0
=0.0)からの圧延トルクの増加量ΔT* を、 ΔT* =αΔTm (α=0.1〜0.2) (1) とおくと、軸ずらしの無い4ロール圧延から任意の軸ず
らし量での4ロール圧延を行ったときの圧延トルクの増
加量測定値ΔTが ΔT<ΔT* =αΔTm (2) の範囲内にあれば、偏径差が極めて小さいといえる。
【0019】すなわち、4ロール圧延において、軸ずら
し量の上限値を、(1)式で示される圧延トルク増加量
を満足する値とすることにより、サイジング量に関係な
くサイジング精度が良好な圧延が可能になる。以下に請
求項1の発明をより具体的に説明する。図1に示すよう
に、パスラインPに直列に二台の4ロール圧延機1,2
を配置した。このうち、上流側の第一スタンドP1に配
置された4ロール圧延機1は、2対4個のロール1A,
1B,1C,1Dからなり、被圧延材Wは、一方の対を
なすロール1C,1Dにより図1における上下方向か
ら、他方の対をなすロール1A,1Bにより図1におけ
る紙面垂直方向から圧下される。そして、各ロール対
は、ロール1A(1B)の中心C1 ,C2 同士をロール
端面に平行な面(例えばこの紙面上)において結んだ第
一基準線O1 と、ロール1C(1D)の中心線を前記面
に投影した第二基準線O2 との間に軸ずらし量Lを保持
し得る機能を有して配置してある。
【0020】被圧延材Wは、第一スタンドの第1パスで
ある1A,1Bロールにおいて前記第一基準線O1 で示
される圧下方向に圧延され、続く第2パス1C,1Dロ
ールにおいて前記第一基準線O1 と直交する圧下方向に
圧延された後に、下流側の第二スタンドP2に向かう。
第二スタンドP2に配置された4ロール圧延機2は、2
対4個のロール2A,2B,2C,2Dからなり、一方
の対をなすロール2A,2Bによる圧下方向と第一スタ
ンドP1のロール1A,1Bによる圧下方向O 1 とのな
す角度、および他方の対をなすロール2C,2Dによる
圧下方向と第一スタンドP1のロール1C,1Dによる
圧下方向とのなす角度とが共に45°にしてある。
【0021】このように構成された圧延機列により、上
記(1),(2)式の関係を満足する軸ずらし量を決定
して、その軸ずらし量のもとでサイジング量ΔDが1.
0mm,2.0mm,3.0mmの各場合につきサイジ
ング圧延実験を実施して、本発明の効果を検証した。 実験条件:被圧延材Wとしては入側素材径D0 =48m
mの丸棒鋼を用いた。
【0022】ロール径は、ロール径400mm及びその
半分の200mmの二種類とした。 実験手順:先ず、(1),(2)式の関係を満足する軸
ずらし量を決定した。次に、その決定した軸ずらし量
を、第一スタンドP1の4ロール圧延機1に設定した。
【0023】その後、当該第一スタンドP1の4ロール
圧延機1と第二スタンドP2の4ロール圧延機2とを通
して圧延し、得られた製品の偏径差を測定した。 軸ずらし量の上限値の決定:式(1),(2)の関係を
満足する軸ずらし量の決定は、以下の通り行った。 軸ずらしのない4ロール圧延機で圧延したときのトル
クT4roll を求める。これは、第一スタンドP1の4ロ
ール圧延機1を軸ずらし量L=0に設定して、被圧延材
Wを通常通りに圧延することにより求めた。
【0024】2ロール2スタンド圧延で圧延したとき
のトルクT2roll-2stdを有限要素法を利用した計算によ
り求める。 4ロールと2ロール2スタンド圧延時のトルク増加量
ΔTmを求める。これは、で求めたトルク値T4rol
で求めたトルク値T2roll-2stdとの差ΔTm=T
2roll-2std−T4roll を計算することにより求めた。
【0025】得られた値は、サシジング量3mmに対し
て、 T4roll =5.5KNm T2roll-2std=7.8KNm ΔTm=2.3KNm スタンドP1の4ロール圧延機1の軸ずらし量を比較
的小さな任意の値に設定して被圧延材Wを圧延し、その
圧延における圧延トルクを測定して、軸ずらし無し圧延
時の圧延トルクからの増加量ΔTを求め、上記圧延トル
ク増加量ΔTmと比較してΔT<αΔTmの関係が成り
立つか否かを検討する。 第一スタンドP1の4ロール圧延機1の軸ずらし量を
次第に大きくしながら、上記の工程を繰り返す。
【0026】こうして、圧延トルクの増加量ΔTがΔT
<αΔTmの関係を満足するような軸ずらし量の上限値
max を決定した。 Lmax =24mm 実験結果:上記実験の結果を図8に示す。
【0027】この結果から、式ΔT<αΔTmの関係を
満足するように決定した軸ずらし量において、非常に寸
法精度の良いサイジング圧延が可能なことが明らかであ
る。すなわち、式(1),(2)に示す本発明の軸ずら
し量設定条件にしたがって、4ロール圧延機の軸ずらし
量Lを設定すれば、サイジング精度が極めて良好な圧延
結果が得られることが確認できた。
【0028】続いて、4ロール圧延機の最適軸ずらし量
を駆動側ロールの圧延荷重の測定値に基づいて設定する
請求項2の発明の実施形態例について説明する。本発明
者らは、図1に示す4ロール圧延機を用いて丸棒の圧延
実験を行ない、軸ずらし量Lとロール1Aの圧下位置で
の素材の径変化量b=D1 −D1A(図2参照)との間に
図3のような関係が見出されたことを先に述べた。この
とき、同時に圧延荷重の測定をも行い軸ずらし量Lとロ
ール圧延荷重との関係を調べた。その結果得られた多く
のデータのうち、代表例として入側素材径D0 =48m
m、サイジング量ΔD=3mmの場合についてプロット
したものを図9に示す。以下、軸ずらし量Lにおける駆
動側の圧延荷重の値をPA(L)と表記する。
【0029】図9に示すように、4ロール圧延機におけ
る圧延荷重は、軸ずらし量Lが増加すると、 (a)駆動側ロール(1A)の圧延荷重は一旦減少し、
その後増加する。 (b)非駆動側ロール(1C)の圧延荷重は単調に増加
する。そして、やがて2ロール2スタンド圧延に要する
圧延荷重に収束する。
【0030】いま、上記の図3に示す径変化量bと軸ず
らし量Lとの関係、及び図9に示す圧延荷重と軸ずらし
量Lとの関係について、それぞれサイジング量ΔD=1
mm,2mmの場合を含めてプロットしたものを図10
のように一図にまとめて表し比較してみる。図10か
ら、軸ずらし量Lに対する圧延荷重と径変化量の関係を
見ると、径変化量bが非常に小さい領域(A1 )と、駆
動側の圧延荷重が一旦減少して極小値に至るまでの領域
(B1 )とがよく一致していることがわかる。また、こ
の領域はサイジング量ΔDに依存しないことがわかる。
【0031】軸ずらし量Lに対する圧延荷重の変化は、
駆動ロールに作用する後方張力と非駆動ロールに作用す
る前方圧縮力とのバランスの結果生じるものである。4
ロール圧延の影響が大きい領域(すなわち径変化量bが
非常に小さい領域A1 )では、駆動ロールに作用する後
方張力が非駆動ロールに作用する圧縮力の反作用で生ず
る駆動ロール後方圧縮力より大きくなるため、軸ずらし
量Lが増加すると圧延荷重が減少する。更に軸ずらし量
が領域A1 を越えて大きくなると、以後は2ロール2ス
タンド圧延の影響が大きくなり、非駆動ロールに作用す
る圧縮力の反作用が大きくなるために圧延荷重は増加に
転ずる。
【0032】即ち、4ロール圧延の特性を維持すること
が可能な領域における最大軸ずらし量L* は、駆動側圧
延荷重の値PA(L)が最小となる PA(L* )=min (3) なる関係を満足する軸ずらし量L* であることがわか
る。軸ずらし量Lが L≦L* (4) の範囲においては、4ロール圧延の影響が大きく、径変
化量は非常に小さい。
【0033】従って、本発明の請求項2の発明にあって
は、4ロール圧延においてサイジング量に関係なくサイ
ジング精度が良好な圧延が可能な軸ずらし量の上限値
を、(3)式で示される圧延荷重値を満足する軸ずらし
量と決定する。この請求項2の発明の効果を検証するた
め、図1に示した直列二台の4ロール圧延機1,2を配
したパスラインPによる圧延実験を行った。
【0034】先に述べた請求項1の実験の場合と同様
に、被圧延材Wとして入側素材径D0=48mmの丸棒
鋼を使用し、ロール径400mm及び200mmの二種
類について、先ず上式(3),(4)式の関係を満たす
軸ずらし量を決定し、次にその決定した軸ずらし量を、
第一スタンドP1の4ロール圧延機1に設定して、その
軸ずらし量のもとでサイジング量ΔDが1.0mm,
2.0mm,3.0mmの各場合について、サイジング
圧延実験を実施し、得られた製品の偏径差を測定したも
のである。
【0035】上式(3),(4)式の関係を満たす最大
軸ずらし量L* 、すなわち駆動ロール1Aの圧延荷重が
最小となる軸ずらし量は、図9,図10から明らかなよ
うにL/D0 =0.25であり、この場合D0 が48m
mであるからL* =12mmとなる。上記の軸ずらし量
に設定してサイジング圧延したところ、先の請求項1の
圧延実験で得られた図8に示すものと同一の結果が得ら
れた。この結果から、PA(L* )=min,L≦L*
を満足する軸ずらし量Lを設定すれば、サイジング精度
が極めて良好な圧延結果が得られることが確認された。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の発明によれば、4ロール圧延機における第一スタンド
の駆動ロールに対する非駆動ロールの軸ずらし量の上限
を、当該軸ずらし量に応じて増加する圧延トルクの増加
量ΔTの値がΔT<αΔTm (α=0.1〜0.2、Δ
m は軸ずらし無し4ロール圧延時と2ロール2スタン
ド圧延時との圧延トルク差)を満足するように設定した
ため、偏径差の極めて良好な高精度のサイジング圧延に
必要な軸ずらし量を偏径差の実測によらずに測定の容易
な圧延トルクから決定することが可能となり、その結
果、広いサイズ範囲にわたる丸棒鋼製品を製造するにあ
たり、従来のように困難な製品偏径差の実測作業を伴わ
ずに適正な軸ずらし量が簡単に設定できて圧延作業効率
が大幅に向上するという効果を奏する。
【0037】また、本発明の請求項2の発明によれば、
4ロール圧延機の一対の駆動ロールと一対の非駆動ロー
ルとにより直交する二方向から丸棒鋼のサイジング圧延
を行う場合に、その駆動ロールに対する非駆動ロールの
軸ずらし量を、当該軸ずらし量に応じて変化する駆動ロ
ールの圧延荷重が最小となるように設定したため、入側
素材の径変化量を非常に小さい範囲内に維持できて、そ
の結果、広いサイズ範囲にわたる丸棒鋼製品を製造する
にあたり、従来のように困難な製品偏径差の実測作業を
伴わずに適正な軸ずらし量が簡単に設定可能となり圧延
作業効率が大幅に向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の4ロール圧延機のロール構成を説明す
る概要図で、(a)はロール配置の側面図、(b)はロ
ール配置の正面図である。
【図2】図1に示すものの、第一スタンドにおける圧延
前後の素材断面形状の変化を説明する概要図である。
【図3】4ロール圧延における軸ずらし量と素材の径変
化量との関係を示すグラフである。
【図4】4ロール圧延における軸ずらし量と圧延トルク
との関係を示すグラフである。
【図5】4ロール圧延機のロール孔型溝形状図である。
【図6】4ロール圧延機における軸ずらし量と圧延トル
クとの典型的な関係を説明する図である。
【図7】4ロール圧延における軸ずらし量と素材の径変
化量及び圧延トルクとの相関を説明する図である。
【図8】軸ずらし量を圧延トルク、または圧延荷重に基
づいて決定した4ロール圧延機による本発明の効果を示
すグラフである。
【図9】4ロール圧延における、軸ずらし量と圧延荷重
との関係を示すグラフである。
【図10】4ロール圧延における軸ずらし量と素材の径
変化量及び圧延荷重との相関を説明する図である。
【符号の説明】
1 4ロール圧延機(第一スタンドの) 1A 駆動ロール 1B 駆動ロール 1C 非駆動ロール 1D 非駆動ロール 2 4ロール圧延機(第二スタンドの) 2A 駆動ロール 2B 駆動ロール 2C 非駆動ロール 2D 非駆動ロール W 被圧延素材 01 駆動ロール軸中心線 02 非駆動ロール軸中心線 L 軸ずらし量 DO 入側素材径
フロントページの続き (72)発明者 金堂 秀範 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 武田 了 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 大森 和郎 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の駆動ロールと一対の非駆動ロール
    とにより直交する二方向から丸棒鋼のサイジング圧延を
    行う4ロール圧延機において、前記駆動ロールの軸の中
    心線に対する前記非駆動ロールの軸の中心線の下流側へ
    の軸ずらし量を、当該軸ずらし量に応じて増加する圧延
    トルクの増加量ΔTの値が次式 ΔT<αΔTm ここに、 ΔTm :軸ずらし量が0のときの圧延時と軸ずらし量の
    変動が圧延トルクの変動を生じさせない程度まで軸ずら
    し量を拡大した時の圧延時の圧延トルクの差 α :定数 を満足するように設定することを特徴とする4ロール圧
    延機における軸ずらし量の決定方法。
  2. 【請求項2】 一対の駆動ロールと一対の非駆動ロール
    とにより直交する二方向から丸棒鋼のサイジング圧延を
    行う4ロール圧延機において、前記駆動ロールの軸の中
    心線に対する前記非駆動ロールの軸の中心線の下流側へ
    の軸ずらし量の上限値を、当該軸ずらし量に応じて変化
    する前記駆動ロールの圧延荷重が最小となるように設定
    することを特徴とする4ロール圧延機における軸ずらし
    量の決定方法。
JP19367695A 1995-04-28 1995-07-28 4ロール圧延機における軸ずらし量の決定方法 Pending JPH0910801A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107921494A (zh) * 2015-08-13 2018-04-17 (株)韩荣机械 圆棒可变成形装置

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CN107921494A (zh) * 2015-08-13 2018-04-17 (株)韩荣机械 圆棒可变成形装置
CN107921494B (zh) * 2015-08-13 2020-01-17 (株)韩荣机械 将圆棒成形为各种形状的装置
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