JPH09106275A - 電子弦楽器 - Google Patents

電子弦楽器

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Publication number
JPH09106275A
JPH09106275A JP7286472A JP28647295A JPH09106275A JP H09106275 A JPH09106275 A JP H09106275A JP 7286472 A JP7286472 A JP 7286472A JP 28647295 A JP28647295 A JP 28647295A JP H09106275 A JPH09106275 A JP H09106275A
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JP
Japan
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string
vibration
pitch
tone signal
tone
Prior art date
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JP7286472A
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English (en)
Inventor
Shigeru Uchiyama
繁 内山
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Publication date
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  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 弦を弾く位置に応じて楽音の特性を微妙に変
化させる。 【解決手段】 本体に張設された弦が弾かれると、その
弦の両端部の振動がフロントセンサ部22及びリアセン
サ部23により検出され、検出信号が制御部27に与え
られる。制御部27はセンサ部22、23及びフレット
スイッチ部24からの信号に基づいて、楽音データ(音
高、音量)を音源部28に、カットオフ周波数FCをロ
ーパスフィルタ29に出力する。音源28は制御部27
からの楽音データに応じて波形メモリ32から波形デー
タを読み出し、指定された音高のディジタル楽音信号を
出力する。この楽音信号の周波数FC以上の帯域がロー
パスフィルタ29によりカットされることにより音色が
制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子弦楽器に関
し、特に、弦振動検出手段により弦の振動を検出し、こ
れを合図に、音高指定手段により指定された音高の楽音
信号の発生を指示するようになした電子弦楽器に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の急速な発展に伴って、
多種多様な音色の楽音を、生ギターなどの場合と同様な
ピッキング操作によって発音可能な電子弦楽器が開発さ
れている。この種の電子弦楽器として、ネック部の指板
の部分に配設した音高指定手段により、現在押圧操作さ
れているフレット位置を感知して、対応する音高の楽音
を指定するとともに、胴部に設けた弾弦感知部にて弦に
対するピッキング操作の有無を感知し、前記音高指定手
段にて指定されている音高で、所定の音色の楽音の発音
を行うようになした電子弦楽器がある。この種の電子弦
楽器の利点は、その単純化された構成、すなわち、弾弦
感知部により弦の振動開始を感知し、これを合図に楽音
を発生し、音高指定手段からの音高指定信号により、発
生すべき楽音の音高を決めるというシンプルな構成にあ
る。
【0003】ところで、生ギターなどにおいては、弦を
同じフレット位置で押え、同じ強さでピッキングした場
合でも、ブリッジに近いところでピッキングすると硬い
音色の楽音を発し、逆に指板に近いとことでピッキング
すると柔らかい音色の楽音を発するというように、ピッ
キング位置により音色に違いが生じる。これは原理的に
は、弦が支点の近くで弾かれた場合には、倍音が非常に
多く含まれ、基音の割合が少ないためであり、支点から
離れたところで弦が弾かれるとこの逆になる。熟練した
ギタリストは、このようなピッキング位置による微妙な
音色の違いを積極的に利用して表現力の豊かな演奏を行
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述した従来
の電子弦楽器は、弾弦感知部において弦振動を検出する
ことによりピッキングの有無のみしか感知し得なかった
ので、弦を弾く位置をずらしながらピッキングを行った
場合でも、ある一定の音色でしか楽音を発生させること
ができず、生ギターなどに対して不自然な演奏を余儀な
くされていた。
【0005】本発明は、上記従来の技術の欠点を解消す
べく創案されたものであり、その目的は、弦をピッキン
グする位置に応じて、発生される楽音の特性を微妙に変
化させることのできる電子弦楽器を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に本発明に係る電子弦楽器は、本体に張設された弦と、
発生すべき楽音の音高を指定するための音高指定手段
と、前記弦の複数箇所の振動を検出する弦振動検出手段
と、前記弦振動検出手段により検出された振動状態に応
じた音色特性で、前記音高指定手段により指定された音
高の楽音信号の発生を指示する楽音信号発生指示手段と
を備えたことを特徴としている。
【0007】上記のように構成された電子弦楽器では、
本体に張設された弦がピッキングされると、その弦の複
数箇所の振動が弦振動検出手段によりそれぞれ検出さ
れ、その検出信号が楽音信号発生指示手段に与えられ
る。楽音信号発生指示手段は、弦振動検出手段から検出
信号が与えられると、前記複数箇所の弦振動状態に基づ
いて楽音の音色特性を決定し、その音色特性で、前記音
高指定手段により指定された音高の楽音信号を発生する
よう音源等の楽音信号発生手段に指示を与える。したが
って本発明の電子弦楽器によれば、弦のピッキングされ
る位置に応じて、発生される楽音の特性を微妙に変化さ
せることができるので、生ギター等と同様の奏法により
表現力豊かな演奏を行うことができる。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1の弦振動
検出手段が、前記弦の一端側の振動を検出する第1の振
動検出手段と、他端側の振動を検出する第2の振動検出
手段とを有していることを特徴としている。上記構成に
よれば、本体に張設された弦の前記一端側がピッキング
されると、第1の振動検出手段により検出される振動レ
ベルの方が第2の振動検出手段により検出される振動レ
ベルよりも大きくなり、前記他端側がピッキングされる
と、逆に、第2の振動検出手段により検出される振動レ
ベルの方が大きくなる。したがって、第1及び第2の振
動検出手段により検出された振動レベルに応じて楽音信
号発生指示手段により楽音の音色特性を決定し、その音
色特性で、前記音高指定手段により指定された音高の楽
音信号を発生させるよう楽音信号発生手段に指示するこ
とにより、生ギターなどと同様に、弦を弾く位置に応じ
て楽音の音色を変化させることができる。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項2記載の楽
音信号発生指示手段が、前記第1の振動検出手段により
検出された振動レベルと前記第2の振動検出手段により
検出された振動レベルとの比あるいは差に応じた音色特
性で、前記音高指定手段により指定された音高の楽音信
号を発生するよう指示することを特徴としている。上記
構成によれば、本体に張設された弦が弾かれると、楽音
信号発生指示手段は、第1の横振動検出手段により検出
された弦の振動レベルと第2の横振動検出手段により検
出された弦の振動レベルとの比あるいは差に基づいて楽
音の音色特性を決定し、その音色特性で、前記音高指定
手段により指定された音高の楽音信号を発生するよう楽
音信号発生手段に指示する。このように、弦の一端側と
他端側の振動レベルの比あるいは差に応じた音色特性で
楽音信号を発生させるようにしたことにより、生ギター
などと同様に、弦を弾く位置に応じて楽音の音色をより
効果的に変化させることができる。
【0010】請求項4記載の発明は、請求項3の楽音信
号発生指示手段が、第1の振動検出手段により検出され
た振動レベルと第2の振動検出手段により検出された振
動レベルとの比あるいは差に応じて、基音成分と倍音成
分の比率が様々に異なる楽音信号を発生するよう指示す
ることを特徴としている。このように、弦の一端側と他
端側の振動レベルの比あるいは差に応じて、基音成分と
倍音成分の比率を様々に変化させることにより、生ギタ
ーなどと同様に、ピッキング位置に応じて硬い音色の楽
音や柔らかい音色の楽音を発生させることができる。
【0011】請求項5記載の発明は、前記楽音信号発生
指示手段が、第1の振動検出手段または第2の振動検出
手段により検出された振動レベルが所定のレベルを越え
たときに楽音信号を発生するよう指示することを特徴と
している。上記構成によれば、ノイズレベルの音や、演
奏者が意識しない程度のレベルの音の発生を防止して、
澄んだ音を発生させることができる。
【0012】請求項6記載の発明は、前記弦振動検知手
段が、弦に取り付けられた反射体と、この反射体に向け
て特定波長の光を出射する発光素子と、反射体からの反
射光を検出する受光素子とを備えてなることを特徴とし
ている。上記構成によれば、本体に張設された弦が弾か
れると、弦とともに反射体が振動し、反射体と発光素子
及び受光素子との距離が変動するため、受光素子の出力
信号が弦の振動に応じて変動する。したがって、受光素
子の出力信号を監視することにより弦の振動を検知する
ことができる。このような光学式検出手段は、電磁的な
ノイズの影響を受けにくいので、確実に弦の振動を検出
することができる。
【0013】請求項7記載の発明は、前記弦の少なくと
も一方の端部をスプリングやゴムなどの弾性体を介して
支持してなることを特徴としている。このように、弦を
スプリングなどを介して支持しておくことにより、弦が
延び縮みしやすくできる。したがって、短い弦でも比較
的大きな振幅で振動させることができるので、振動検出
手段により弦振動を確実に検出できる。
【0014】
【発明の実施形態】以下、図面を参照しながら本発明の
実施形態の例について説明する。図1は本発明の電子弦
楽器の一実施形態である電子ギターの全体平面図であ
る。
【0015】この電子ギター1は、ネック部2の指板の
部分に132個のフレットスイッチFSW1(1)〜F
SW22(6)をマトリクス状に配設するともに、ボデ
ィ部3の前面部に、スチール製の6本の弦(第1弦;S
1〜第6弦;S6)を備える弦入力装置6と、ボリュー
ムやトーンなどを調節するためのスイッチ類5と、スピ
ーカ6とを設けてなる。
【0016】フレットスイッチFSW1(1)〜FSW
22(6)は、6弦ギターの各フレットの指位置に対応
させて設けられており、通常のギターのフレットを押さ
える要領でフレットスイッチFSW1(1)〜FSW2
2(6)を押さえて弦S1〜S6を弾くことにより、弾
かれた弦の弦番号(1)〜(6)と押さえられているフ
レットスイッチFSW1(1)〜FSW22(6)のス
イッチ番号とに基づいた音高の音がスピーカ5から放音
されるようになっている。
【0017】図2は上記電子ギター1の弦入力装置6部
分の断面図、図3は同じく斜視断面図である。図2、図
3には、弦入力装置6の第1弦部分の構造のみ示されて
いるが、第2弦〜第6弦の部分の構造も同様として説明
する。
【0018】図2に示すように、ボディ部3の前面には
一対のブリッジ部材7、8と、弦S1〜S6を保持する
ための6対のフック部材9とが設けられている。各弦S
1〜S6は、両端部に環状の引っ掛け部11、12を有
しており、一方の端をネック部2側のフック部材9に引
っ掛け、他方の端をコイルスプリング13を介してフッ
ク部材9に引っ掛けることにより張設されている。
【0019】そして、各弦S1〜S6の振動部分、すな
わち両ブリッジ部材7、8間に張られている部分の両端
近傍には、弦振動を検出するためのフロントセンサ14
Fとリアセンサ14Rとが各弦毎に設けれている。各セ
ンサ14F、14Rは、各弦S1〜S6の振動部分の両
端近傍に固定された反射ブロック15F、15Rと、ボ
ディ本体3前面の反射ブロック15F、15Rと対向す
る箇所に設けられた反射型の赤外線フォトセンサ16
F、16Rとからなる。
【0020】各赤外線フォトセンサ16F、16Rは、
赤外光を出射する発光素子(LED)17と赤外光を検
出する受光素子(フォトトランジスタ)18(図3参
照)を反射ブロック15F、15Rとの対向面部に備え
ている。そして、発光素子17から反射ブロック13、
14に向けて特定波長の光を出射し、反射ブロック1
3、14からの反射光を各受光素子18で検出する。弦
入力装置6の両端部には、受光素子18への外来光の入
射による誤検出を防止するために、遮光カバー19、2
0が取り付けられている。
【0021】図4は上記電子ギター1をブロック図で示
したものであり、フロントセンサ部22、リアセンサ部
23、フレットスイッチ部24、ボディスイッチ部2
5、記憶装置(ROM)26、制御部(CPU)27、
音源28、ローパスフィルタ29、D/A変換器30、
アンプ31、及びスピーカ5からなる装置構成が示され
ている。
【0022】フロントセンサ部22は、前記各弦S1〜
S6毎に設けられた6組のフロントセンサ14Fからな
り、各フロントセンサ14Fの受光素子16Fによる検
出信号FLをそれぞれ制御部27に出力する。
【0023】リアセンサ部23は、前記各弦S1〜S6
毎に設けられた6組のリアセンサ14Rからなり、各リ
アセンサ14Rの受光素子16Fによる検出信号RLを
それぞれ制御部27に出力する。
【0024】フレットスイッチ部24は、前記132個
のフレットスイッチFSW1(1)〜FSW22(6)
からなり、押されたスイッチのスイッチ番号の信号を制
御部27に出力する。
【0025】ボディスイッチ部25は、前記ボリューム
やトーンなどを調節するスイッチ類5からなり、各スイ
ッチの操作状態に応じた信号を制御部27に出力する。
記憶装置(ROM)26には、制御部27での処理に必
要なプログラムやデータが格納されている。
【0026】制御部27は、記憶装置26から読み出し
たプログラムに従って動作し、フロントセンサ部22、
リアセンサ部23、フレットスイッチ部24、及びボデ
ィスイッチ部25からの信号に基づいて、楽音制御信号
を音源28に出力するとともに、カットオフ周波数信号
FC(図7参照)をローパスフィルタ29に出力する。
この制御部27内には、プログラム実行中の命令のアド
レスを一時記憶するプログラムカウンタや、プログラム
実行の際に必要なデータを一時記憶しておくための各種
レジスタが設けられている。各種レジスタには、フロン
トセンサ14Fによる検出信号FLのピーク値を一時記
憶するためのフロント側ピーク値レジスタFP、リアセ
ンサ14Rによる検出信号RLのピーク値を一時記憶す
るためのリア側ピーク値レジスタRP、弦番号とスイッ
チ番号とにより求められた音高の値を記憶するための音
高レジスタPT、計算により得られたカットオフ周波数
を一時記憶するカットオフ周波数レジスタFC、等があ
る。
【0027】音源28は、内部に波形メモリ(PCMR
OM)32を備えており、制御部27からの楽音データ
(PT、RP)に従って波形メモリ32から楽音の波形
データを読み出し、これを基にディジタル楽音信号を生
成してローパスフィルタ29に出力する。
【0028】ローパスフィルタ29は、その内部にフィ
ルタ係数ROMを備えており、制御部27によって指定
されたカットオフ周波数FCに対応するフィルタ係数を
ROMから読み出し、その係数に従って、指定されたカ
ットオフ周波数FCよりも低域のディジタル楽音信号だ
けをD/A変換器30に出力する。D/A変換器30
は、ローパスフィルタ29を通して送られてきたディジ
タル楽音信号をアナログの楽音信号に変換してアンプ3
1に出力する。アンプ31は、D/A変換器30からの
アナログ楽音信号を増幅してスピーカ5に出力する。
【0029】次に、前記制御部27の処理動作を図4の
フローチャートに従って説明する。制御部27は、リア
センサ部23から入力される検出信号のレベルRLを常
に監視し、レベルRLが、所定のしきい値レベルTLを
越えたかどうかを判断する(ステップS1)。ここでの
判断処理は、低音側の弦から順番に、各弦のリアセンサ
14Rを走査することにより行う。そして、レベルRL
がしきい値レベルTLに満たなければ、なにかしらのノ
イズが検出されたものとみなし、上記判断処理を繰り返
す。
【0030】そして、仮に図6に示すような波形の信号
が入力された場合、入力信号のレベルRLがしきい値レ
ベルTLを越えたと判断し、しきい値レベルTLを越え
た時点から所定時間T内におけるフロントセンサ部22
からの入力信号レベルのピーク値FPと、リアセンサ部
23からの入力信号レベルのピーク値RPを検出して、
それぞれの値をフロント側ピーク値レジスタFPとリア
側ピーク値レジスタRPに記憶する(ステップS2)。
【0031】次に、フレットスイッチ部24を調べ、弾
かれた弦のどのフレットスイッチFSW1(1)〜FS
W22(6)が押されているかを検出する。そして、弦
番号(1〜6)とスイッチ番号(1〜132)とから音
高PTを求め、その値を音高レジスタPTに入れる(ス
テップS3)。
【0032】その後、フロント側ピーク値レジスタFP
の値とリア側ピーク値レジスタRPの値を次の式(1)
に代入してカットオフ周波数を求め、その値をカットオ
フ周波数レジスタFCに記憶する(ステップS4)。 FC=A×RP/FP (1) ここで、Aは予め設定された周波数である。
【0033】その後、音高レジスタPTの値とリア側ピ
ーク値レジスタRPの内容を音源28に転送し(ステッ
プS5)、さらに、カットオフ周波数レジスタFCの内
容をローパスフィルタ29に転送する(ステップS
6)。
【0034】以上の処理が繰り返されることにより、い
ずれかの弦がピッキングされるたびに、音源28には楽
音データ(PT、RP)が、ローパスフィルタ29には
カットオフ周波数FCの値がそれぞれ与えられる。
【0035】楽音データが与えられると、音源28は、
指定された音高PTとリア側の検出信号RLのピーク値
RPに応じた波形データを波形メモリ33から読み出
し、これ基にディジタル楽音信号を生成してローパスフ
ィルタ29に出力する。
【0036】ローパスフィルタ29は、制御部27から
転送されたカットオフ周波数FCに対応するフィルタ係
数をROMから読み出し、指定されたカットオフ周波数
FCよりも低域のディジタル楽音信号だけを通過させ
る。そして、ローパスフィルタ29を通過したディジタ
ル楽音信号がD/A変換器30によりアナログ楽音信号
に変換された後、アンプ31で増幅されることにより、
スピーカ5より楽音が発生される。
【0037】前記式(1)によれば、フロントセンサ部
22により検出された振動レベルのピーク値FPの比率
が大きくなる程、カットオフ周波数FCの値が減少し、
反対に、リアセンサ部23により検出された振動レベル
のピーク値RPの比率が大きくなる程、カットオフ周波
数の値FCが増大する(図7参照)。これは、弦S1〜
S6をフロントセンサ14Fに近い位置でピッキングす
る程、カットオフ周波数の値FCが減少し、反対に、リ
アセンサ14Rに近い位置でピッキングする程、カット
オフ周波数の値FCが増大することを意味している。
【0038】ローパスフィルタ29のカットオフ周波数
の値FCが大きい程、倍音成分を多く含むディジタル楽
音信号がD/A変換器30に送られる。反対に、カット
オフ周波数の値FCが小さい程、基音成分の比率の大き
いディジタル楽音信号がD/A変換器30に送られる。
【0039】したがって、この電子ギター1によれば、
弦S1〜S2をネック部2に近いところでピッキングす
ることにより柔らかい音色の楽音が発生され、反対に、
ネック部2から離れたところでピッキングすることによ
り硬い音色の楽音が発生されるので、生ギターと同様
に、ピッキング位置による微妙な音色の違いを積極的に
利用して表現力の豊かな演奏を行うことができる。
【0040】また、この電子ギター1では、各弦S1〜
S6の一端部がコイルスプリング13を介して支持され
ているので、弦長が短い割には比較的大きな振幅で各弦
S1〜S6を振動させることができ、各弦S1〜S6の
両端部に設けたセンサ14F、14Rにより弦振動状態
を確実に検知できる。
【0041】なお、本発明の電子弦楽器は上記実施形態
の例に限定されるものではなく、例えば、コイルスプリ
ング13の代わりにその他のスプリングやゴムなどを使
用してもよい。
【0042】また、上記の例では、弦S1〜S6の両端
部の振動レベルに基づいて楽音の音色特性を制御する場
合について説明したが、さらに他の位置、例えば弦の中
間部にもセンサを設けて弦振動を検出するようにしても
よい。
【0043】また、上記の例では、フロント側の振動レ
ベルのピーク値FPに対するリア側の振動レベルのピー
ク値RPの比率(RP/FP)に応じて楽音の音色特性
を制御する場合について説明したが、両ピーク値の差
(FP−RP)に応じて音色特性を制御するようにして
もよい。
【0044】また、柔らかい音色の波形データと硬い音
色の波形データとを予め音源28内の波形メモリ32に
記憶させておき、制御部27から入力された音高の値P
Tに応じてこれら2種類の音色の波形データを読み出
し、両者をピーク値FP、RPの比率に応じた成分比で
混合することにより楽音信号を生成するようにしてもよ
い。
【0045】その場合、前記ローパスフィルタ29は省
略される。そして、音源28には、制御部27より与え
られた音高PTに応じて柔らかい音色の波形データと硬
い音色の波形データとを読み出し、前者にフロント側の
ピーク値FPを、後者にリア側のピーク値RPをそれぞ
れ乗じた後、両者を混合して出力する回路構成が採用さ
れる。
【0046】また、以上の説明は電子ギターの構成につ
いてのものであるが、本発明は、ピッキング操作を行う
ための弦と、上記フレットスイッチに相当する音高指定
手段とを備える電子弦楽器全般に適用できるものであ
る。したがって、本体に張設される弦の本数は必ずしも
6本である必要はなく、それ以下あるいはそれ以上の本
数でもよい。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば以下のような優れた効果
を発揮することができる。 (1)請求1記載の発明によれば、本体に張設された弦
が弾かれると、弦の複数位置の振動に応じた音色特性
で、指定された音高の楽音信号を発生するよう指示がな
されるので、弦をピッキングする位置を変えることによ
り、楽音の音色特性を微妙に変化させて、生ギターなど
と同じように表現力の豊かな演奏を行うことができる。
【0048】(2)請求項2記載の発明によれば、第1
及び第2の振動検出手段により弦の両端側の振動を検出
することにより、ピッキング位置によって異なる弦の振
動状態を効果的に検出できるので、その振動状態に応じ
た音色特性で楽音信号を発生させることにより、生ギタ
ーなどに近い自然な楽音を効果的に発生させることがで
きる。
【0049】(3)請求項3記載の発明によれば、弦の
一端側の振動レベルと他端側の振動レベルとの比あるい
は差に応じた音色特性で楽音信号を発生させることによ
り、生ギターなどと同様に、弦のピッキング位置に応じ
て楽音の音色を変化させることができる。
【0050】(4)請求項4記載の発明によれば、弦の
一端側と他端側の振動レベルの比あるいは差に応じて、
基音成分と倍音成分の比率の様々に異なる楽音信号を発
生させることにより、生ギターなどと同様に、ピッキン
グ位置に応じて硬い音色の楽音や柔らかい音色の楽音を
発生させることができる。
【0051】(5)請求項5記載の発明によれば、ノイ
ズレベルの音や、演奏者が意識しない程度のレベルの音
の発生を防止して、澄んだ音を発生させることができ
る。
【0052】(6)請求項6記載の発明によれば、弦の
振動を光学的に検出できるので、電磁的なノイズの影響
を受けずに確実に弦の振動を検出することができる。
【0053】(7)請求項7記載の発明によれば、弦を
スプリングを介して支持しておくことにより、弦が延び
縮みしやすくなり、短い弦でも比較的大きな振幅で振動
させることができるので、振動検出手段による振動検出
の確実性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子弦楽器を適用してなる電子ギター
の全体平面図である。
【図2】同上電子ギターの要部断面図である。
【図3】同上電子ギターの要部斜視断面図である。
【図4】同上電子ギターのブロック図である。
【図5】同上電子ギターの制御部における処理動作の内
容を示すフローチャートである。
【図6】同上電子ギターにおけるピッキング及びピーク
レベルの検知方法の説明に用いた信号波形図である。
【図7】同上電子ギターにおけるカットオフ周波数と信
号レベルとの関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電子ギター(電子弦楽器) 2 ネック部 3 ボディ部 4 スイッチ類 5 スピーカ 6 弦入力装置 7、8 ブリッジ部材 13 コイルスプリング 14F フロントセンサ(弦振動検出手段) 14R リアセンサ(弦振動検出手段) 15F 反射ブロック 15R 反射ブロック 16F、16R 赤外線フォトセンサ 17 発光素子(LED) 18 受光素子(フォトトランジスタ) 19、20 遮光カバー 22 フロントセンサ部22 23 リアセンサ部23 24 フレットスイッチ部 25 ボディスイッチ部 26 記憶装置(ROM) 27 制御部(CPU、楽音信号発生指示手段) 28 音源(楽音信号発生手段) 29 ローパスフィルタ 30 D/A変換器 31 アンプ FSW1(1)〜FSW22(6) フレットスイッチ
(音高指定手段) S1〜S6 弦

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】本体に張設された弦と、 発生すべき楽音の音高を指定するための音高指定手段
    と、 前記弦の複数箇所の振動を検出する弦振動検出手段と、 前記弦振動検出手段により検出された振動状態に応じた
    音色特性で、前記音高指定手段により指定された音高の
    楽音信号の発生を指示する楽音信号発生指示手段とを備
    えたことを特徴とする電子弦楽器。
  2. 【請求項2】前記弦振動検出手段は、前記弦の一端側の
    振動を検出する第1の振動検出手段と、他端側の振動を
    検出する第2の振動検出手段とを有することを特徴とす
    る請求項2記載の電子弦楽器。
  3. 【請求項3】前記楽音信号発生指示手段は、前記第1の
    振動検出手段により検出された振動レベルと前記第2の
    振動検出手段により検出された振動レベルとの比あるい
    は差に応じた音色特性で、前記音高指定手段により指定
    された音高の楽音信号の発生を指示することを特徴とす
    る請求項3記載の電子弦楽器。
  4. 【請求項4】前記楽音信号発生指示手段は、前記比ある
    いは差に応じて、基音成分と倍音成分の比率が様々に異
    なる楽音信号の発生を指示することを特徴とする請求項
    4記載の電子弦楽器。
  5. 【請求項5】前記楽音信号発生指示手段は、前記第1の
    振動検出手段または前記第2の振動検出手段により検出
    された振動レベルが所定のレベルを越えたときに前記楽
    音信号の発生を指示することを特徴とする請求項2〜4
    のいずれかに記載の電子弦楽器。
  6. 【請求項6】前記弦振動検知手段は、前記弦に取り付け
    られた反射体と、この反射体に向けて特定波長の光を出
    射する発光素子と、前記反射体からの反射光を検出する
    受光素子とを備えてなることを特徴とする請求項1〜5
    のいずれかに記載の電子弦楽器。
  7. 【請求項7】前記弦の少なくとも一方の端部を弾性体を
    介して支持してなることを特徴とする請求項1〜6のい
    ずれかに記載の電子弦楽器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008070413A (ja) * 2006-09-12 2008-03-27 Casio Comput Co Ltd 電子弦楽器

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