JPH09106145A - コロナ放電器の清掃装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コロナ放電器に対する保守・管理のサービス
を不要にし、常に安定かつ均一な放電を可能にして良好
な複写画像を継続的に得ることができる清掃装置を得
る。 【解決手段】 コロナ放電器のチャージワイヤ又はシー
ルド部材を清掃する清掃部材の移動手段を駆動する駆動
手段の作動を開始する前に、前記駆動手段を作動させる
か否かを判断する判断手段を設けて、無駄な清掃作業
や、複写待ち時間の延長が生じないようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機、
プリンタ等において感光体に帯電させるコロナ放電器の
清掃装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】電子写真複写機における複写プロセス
は、一般に、感光体にコロナ放電によって均一に帯電さ
せた後、これに光学系を介して原稿画像を露光して潜像
を形成させ、トナーを用いてその潜像を顕像化してか
ら、そこに転写用紙を当てて後から転写チャージを施し
て、前記のトナー画像を用紙側に転写する一方、トナー
を転写した感光体表面をクリーニングして表面のトナー
残渣を拭取り、さらに光を当てて放電させ、他方、トナ
ー画像を転写された用紙は定着装置に移されて画像の定
着がなされる工程を繰返すことによって行われる。

【０００３】上述工程のうち、感光体のコロナ放電によ
る帯電の均一性は、複写画像の品質に影響することが大
きいので、その放電の特性が安定していることが望まれ
ている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで複写機内の雰
囲気には、トナー、紙粉、塵埃等の汚染物が浮遊してい
て複写操作を重ねるに従って、それらがコロナ放電の電
極およびそのシールド部剤等に付着してきて、放電効率
の低下、放電ムラを生じ、良好な複写画像が得られなく
なる。

【０００５】そこで従来は良好な複写画像を維持するた
め複写機に対して定期的にメンテナンスが必要であっ
て、サービスマンを巡回させて人手によりコロナ放電器
を清掃させている。

【０００６】本出願人会社製型番ＦＴ４０６０複写機等
で実施している放電電極の清掃装置においては、使用者
またはサービスマン等の人手を煩わせるばかりでなく、
シールド部材の汚れに対する清掃について配慮されてい
ないから、結局は放電器ユニットを抜出して清掃するメ
ンテナンスを必要としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、コロ
ナ放電器ユニットの汚れを自動的に清掃する手段を施す
ことによって、機器に対する保守・管理のサービスを不
要にし、常に安定かつ均一な放電を可能にして良好な複
写画像を継続的に得ることができるようにするため、自
動清掃手段の作動開始は複写機の電源をＯＮにしたとき
に行われるが、それに先立ち、清掃を行うかどうかの判
断をするよう構成された清掃装置を提供することにあ
り、以下に記載する構成要件を具備している。チャージ
ワイヤ又はシールド部材を清掃する清掃部材と、該清掃
部材を前記ワイヤ又はシールド部材に当接する手段と、
該当接する手段を前記ワイヤ又はシールド部材に沿って
移動する移動手段と、前記チャージワイヤ又はシールド
部材を清掃する清掃部材の移動手段を駆動する駆動手段
と、所定のタイミングで上記駆動手段を作動させる制御
手段であって、まず、上記駆動手段の作動を禁止するか
否かを判断し、禁止しない場合に上記駆動手段の作動を
開始する制御手段と、を有することを特徴とするコロナ
放電器の清掃装置。

【０００８】

【発明の実施の形態】今、添付図面に沿って本発明清掃
装置の一実施例を説明すると次のとおりである。

【０００９】図１は本発明清掃装置付コロナ放電器の一
部省略平面図、図２は同じく清掃部材がホームポジショ
ンに位置しているときの一部省略平面図、図３は、上記
コロナ放電器の長手軸に対して直角な平面で、放電器お
よび清掃部材を切断して示す断面図である。

【００１０】図中、１は放電電極で、細いワイヤから成
り、前記電極を囲んで配置された断面コ字状（図３参
照）の薄板金（ただし底面には長手方向に大きな窓が穿
設されている。）より成るシールト部材４の前後端に、
それぞれ支持された絶縁材よりなるエンドブロック２、
３の間を結んで張架されている。電極１の断面図上の位
置は、エンドブロック２の係止部とエンドブロック３に
設けたＶ型溝により規制されている。

【００１１】５は清掃部材を駆動するための可逆回転モ
ータで、エンドブロック２内側に固着し、その出力軸に
ウォームギヤ６が設けてあって、同ギヤ６はブロック２
に回転可能に軸支されたプーリ８と一体のウォームホイ
ール７と噛合わされる。

【００１２】一方、前記プーリ８に対するプーリ９は、
エンドブロック３側に設けた支持部材10に回転可能に軸
支されていて、図１、図２で左、右方向に移動可能にさ
れており、プーリ８および９に巻回、張設された駆動ワ
イヤ11の両端は、同じく左、右方向に摺動できるクリー
ナ支持部材12の側部に設けたフック部12a および12bに
各々固定連結されている。前記駆動ワイヤ11には、プー
リ９の支持部材10にそれぞれ係止したスプリング13およ
び14によりテンションが与えられている。

【００１３】図１、図３に示すように、前記クリーナ支
持部材12の中央部に設けた４個の柱部12c には、放電電
極１を清掃するクリーナパッド15が各一側に接着支持さ
れている。また、クリーナ支持部材12の両端でシールド
部材４内壁と対向する面に立上り部12d を設け、ここに
シールト部材４の内側を清掃するクリーナパッド16が接
着支持されている。

【００１４】したがって支持部材12の断面外形は、ほぼ
シールド部材４の断面内形に等しく、前記部材のコ字状
底辺に穿設した窓の両側辺が支持部材12の底辺下面に突
出した脚部に形成した溝に嵌合し、それらがクリーナ支
持部材12の傾斜したままでの移動を案内する。上記クリ
ーナパッド15および16の材質は、フェルト、発泡ウレタ
ン、クラリーノ（商品名）、植毛材等の弾性体が適して
いる。

【００１５】図２は、クリーナ支持部材12がホームポジ
ションに位置した状体を示しており、図でエンドブロッ
ク２の突出部２a および２b がストッパとして支持部材
12の側面に当接しているが、その際、ストッパの長さが
２a ＞２b となっているため、クリーナ支持部材12が図
示のように傾斜した状態を維持して停止し、放電電極１
とクリーナパッド12c とが完全に非接触状態となる。こ
れは、放電電極１をシールド部材内側の調整された位置
に確実に維持し、感光体への放電を常に均一に、かつ、
安定させるために必要なことである。

【００１６】本発明清掃装置は、上述構成と若干の制御
装置とから成るもので、次にその動作を説明し、併せて
制御装置の機能について述べる。

【００１７】図１において、モータ５の起動によってウ
ォームギヤ６が出力軸側よりみて反時計方向に回転し
て、これに噛合うウォームホイール７およびプーリ８を
反時計方向に回転させると、駆動ワイヤ11に連結された
クリーナ支持部材12が図２に示すホームポジションから
離れ、図で右方向、即ち、往動、移動する。このとき、
駆動ワイヤ11の端部は、クリーナ支持部材の長手方向中
央位置を同方向に lだけ外して（図４参照）突設したフ
ック12a および12b に係止され、その部分で支持部材12
を引張るので、図４において駆動ワイヤ11が矢印Ａ方向
（往動）に引張られると、クリーナ支持部材12にトルク
が働いて反対側に∠θ₁ だけ傾斜し、そのため各クリー
ナパッド15が放電電極１を挾込んだ形で電極１に接触し
ながら摺動し、これを清掃する。

【００１８】また、シールド部材４の内面も同様にクリ
ーナパッド16が摺擦、清掃する。以上のとおり簡単な構
成により、放電電極およびシールド部材の双方を同時に
清掃することが可能となる。

【００１９】かくして、クリーナ支持部材12がエンドブ
ロック３側に到達した後に、モータ５が逆転してクリー
ナ支持部材12が矢印Ｂ方向（図５参照）に、即ち復動す
るが、このときは前述と同じ理由により、同部材が往動
時と逆の傾斜状態となり、図５に示すように∠θ₂ 傾斜
して移動し、クリーナパッド16によってシールド部材４
の内面を摺擦、清掃する一方、クリーナパッド15は放電
電極１と殆んど非接触状態を維持したまま移動する。

【００２０】上述のクリーニング手段の往復運動に当
り、クリーナ支持部材12の底辺下面に突出した脚部に形
成した溝に、シールド部材４の底辺に穿設した窓の両側
辺が嵌合し、同部分が支持部材12の往復動を円滑に案内
し、クリーナパッドがシールド部材内面に緩やかに摺接
して支えることがないよう誘導する。

【００２１】図２に示すように、ホームポジションに戻
ったクリーナ支持部材12の側面には、エンドブロック２
に設けたストッパ２a および２b が当接して同部材12の
傾斜角度を修正し、支持部材12の各クリーナパッド15と
放電電極１との接触を完全に解除して、電極１の位置を
所定の場所から外れないようにし、コロナ放電が常に同
一条件の許で行われ、感光体の均一な帯電がなされるよ
うに配慮されている。

【００２２】その際、駆動モータ５の一サイクル動作、
すなわちクリーナ支持部材12が往動してから復動するタ
イミングおよびホームポジションで停止するタイミング
は、タイマーによって設定するか、または各終端におい
てモータ５にかかる負荷の増加に基く過電流を検出して
モータの逆転または停止を行わせてもよい。

【００２３】ところで、放電電極１およびシールド部材
４は、複写機を使用することにより急激に汚れるもので
はなく、また、その汚れはひどくなる前から重ねて清掃
する方が除去し易い。それゆえ、清掃装置の作動は、複
写機の電源を０Ｎにするとき（通常一日一回程度）にど
うじに動作させるようにする。この方法は複写機の電源
スイッチをＯＮにすると共に、清掃装置の駆動モータ５
の起動回路に挿入されたスイッチを閉にして、その清掃
動作が一サイクルする迄自己保持回路を働かせておけば
良いので、すべて公知の部品および回路により構成する
ことが可能である。

【００２４】上述方法だと、放電器清掃のための特別な
タイモングを考慮する必要が無いし、また、電極の放電
電流を検出して清掃のタイミングを求めると云ったよう
な複雑無回露の必要も無く、制御が簡単で安価に実施す
ることができる。

【００２５】また、この種の複写機は用紙に転写したト
ナー画像を定着させるプロセスが必要で、それには一般
に熱定着手段が用いられていて、前記熱定着手段が所定
温度に達する迄は、複写機の電源がＯＮであっても、複
写動作は発動しないようにされているので、複写機の電
源をＯＮにしてから実際に複写が可能になる迄に、若干
の待ち時間が存在する。

【００２６】複写機の電源をＯＮにしたときに清掃装置
を作動させると云う技術思想は、電源を入れてから複写
が可能になる迄の待ち時間を利用して、電極およびシー
ルド部材の清掃を行うようにしたものであって、そのた
めの所要時間は定着装置が複写可能になる迄の待ち時間
よりも一般に短かいから、放電器清掃のために前記待ち
時間を延長することは避けられる。

【００２７】上述のように、電源をＯＮすると同時にコ
ロナ放電器の清掃を行わせると云っても、日に複数回も
清掃手段を発動させる必要は無いので、そのために、誤
ってまたは何かの都合で、あるいはサービスメンテナン
ス時に複写器の電源をＯＦＦにした後にも、その定着装
置が温まっている間に再度電源をＯＮにしたときには清
掃装置が作動しないようにされている。すなわち、定着
装置が複写操作可能のように準備されている間は、クリ
ーナ支持部材12の動作を禁止し、放電器清掃のために待
ち時間が延びるとか複写可能時間に影響を及ぼすことが
ないようにすると共に、放電電極に対する過度の清掃動
作が生じないように制御している。

【００２８】その制御のためのフローチャートを図６に
示す。図中、複写機の電源スイッチをＯＮにしたとき、
その定着装置の温度が所定値（制御温度）以上か否かを
検知し、ＹＥＳであればコピー可であって清掃装置は作
動しないが、ＮＯであれば定着装置のヒータをＯＮにす
ると共に清掃用モータを起動させ、定着装置が所定温度
に温まる迄に清掃サイクルを終了させ、次いでコピー可
の回路が閉じる。

【００２９】上述したように、クリーナ支持部材12が作
動中は、そのパッドが放電電極に接触して、その位置を
変位していることと、シールド部材４の一部が絶縁材で
覆われているために放電ムラが発生し、感光体に均一な
帯電をさせることができないから、クリーナ支持部材の
移動中、すなわち駆動モータ５の作動信号発生中は、コ
ピー（放電）を禁止状態にしておく必要がある。勿論、
同状態は清掃動作が終了した直後に解除されることは云
うまでもない。

【００３０】なお、この清掃装置は、駆動モータ５もコ
ロナ放電器と一体的に構成しているため、複写機からの
着脱も容易であり、放電電極１が切れたときの交換も従
来装置と同様の作業性を維持することができる。

【００３１】

【発明の効果】清掃部材をチャージワイヤに沿って移動
させながらチャージャを清掃する場合、複写操作に際
し、清掃部材を均一チャージが行われるよう邪魔になら
ない位置に戻す必要があるため、瞬間的に清掃動作を終
了させることができない。したがって、作動スイッチを
ＯＮして清掃開始後に定着装置の定着温度を検出し、複
写動作が可能になったことを検知して清掃動作を停止さ
せる場合は、清掃部材を元の位置に戻す時間が必要とな
り、待ち時間を増加させることとなる。

【００３２】また、チャージャの清掃においては、清掃
が常にチャージワイヤの端の所定部分から開始されるた
め、清掃開始後に複写可能となり途中で清掃動作を停止
して元の位置に戻した場合、チャージワイヤの端の部分
は毎回清掃されることとなり、当該部分は清掃過多にな
る。

【００３３】これに対し、本発明においては、清掃を行
う前に清掃開始の要否を判断する判断手段を設けたこと
により、清掃前に清掃開始の要否を判断するので、確実
に上記不具合を防止することができる。尤も、清掃開始
が必要と判断されて清掃が開始された後に複写動作が可
能と判断された場合は、複写動作は行なわせることなく
清掃を完了させ、その後で復作動作を可能とするよう制
御されるので、常に良好な複写を行なうことができる。

【００３４】また、加熱定着方式の複写機では、その電
源をＯＮにしてから複写可能になる迄のウォーミングア
ップの時間があり、本発明清掃装置は、その間に動作さ
せれば良いので、清掃動作のために複写機の実質上の使
用時間に影響を及ぼすことはなく、この方式によれば清
掃のタイミングの制御が簡単で、安価に実施できる利点
がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明コロナ放電器の清掃装置の一部省略平面
図である。

【図２】同じく清掃部材がホームポジションにあるとき
の一部省略平面図である。

【図３】上記コロナ放電器の長手軸に対して直角な平面
で、放電器および清掃部材を切断して示す断面図であ
る。

【図４】清掃部材の往動状態を示す各部分平面図であ
る。

【図５】清掃部材の復動状態を示す各部分平面図であ
る。

【図６】清掃部材の動作を制御するときのフローチャー
トである。

【符号の説明】

１ 放電電極（放電ワイヤ） ２ エンドブロック ３ エンドブロック ４ シールド部材 ５ 駆動モータ ８ プーリ ９ プーリ 10 プーリ支持部材 11 駆動ワイヤ 12 クリーナ支持部材 13 引張りスプリング 14 引張りスプリング 15 クリーナパッド 16 クリーナパッド Ａ クリーナ支持部材の往動方向 Ｂ クリーナ支持部材の復動方向 ∠θ₁ クリーナ支持部材の往動傾斜角 ∠θ₂ クリーナ支持部材の復動傾斜角。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 チャージワイヤ又はシールド部材を清掃
   する清掃部材と、 該清掃部材を前記ワイヤ又はシールド部材に当接する手
   段と、 該当接する手段を前記ワイヤ又はシールド部材に沿って
   移動する移動手段と、 前記チャージワイヤ又はシールド部材を清掃する清掃部
   材の移動手段を駆動する駆動手段と、 所定のタイミングで上記駆動手段を作動させる制御手段
   であって、まず、上記駆動手段の作動を禁止するか否か
   を判断し、禁止しない場合に上記駆動手段の作動を開始
   する制御手段と、 を有することを特徴とするコロナ放電器の清掃装置。