JPH09104773A - 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Info

Publication number
JPH09104773A
JPH09104773A JP7261836A JP26183695A JPH09104773A JP H09104773 A JPH09104773 A JP H09104773A JP 7261836 A JP7261836 A JP 7261836A JP 26183695 A JP26183695 A JP 26183695A JP H09104773 A JPH09104773 A JP H09104773A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
weight
polyolefin resin
coating
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP7261836A
Other languages
English (en)
Inventor
Shunichi Onishi
俊一 大西
Kazuya Kinoshita
一也 木下
Satoru Momohira
覚 桃平
Atsushi Obayashi
厚 大林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical MKV Co
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical MKV Co filed Critical Mitsubishi Chemical MKV Co
Priority to JP7261836A priority Critical patent/JPH09104773A/ja
Publication of JPH09104773A publication Critical patent/JPH09104773A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Protection Of Plants (AREA)
  • Greenhouses (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性が短時間で発現でき、かつ持続性が大
幅に改善された農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの
提供。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
特定構造のヒンダードアミン化合物を0.05〜5重量
部配合してなるフィルムの少なくとも片面に、 (a)シリカゾル及び/またはアルミナゾル (b)疎水性熱可塑性樹脂 (c)重量平均分子量が30万〜150万の範囲の水溶
性セルロースエーテルの3成分を必須成分として含有
し、(c)成分の配合量が、シリカゾル及び/またはア
ルミナゾルの固形分100重量部に対し0.1〜30重
量部の範囲である防曇剤組成物に由来する被膜が形成さ
れていることを特徴とする、農業用ポリオレフィン系樹
脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、農業用フィルムに
関するものである。更に詳しくは、防曇性の発現速さと
持続性の両性能に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂フ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、農業用作物を半促成または抑制栽
培して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化
ビニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル
共重合体、及びポリオレフィン系樹脂を主体とした特殊
フィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用作物を
栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに
行われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体
とした特殊フィルムは、フィルム中に可塑剤を含まず化
学的構造も安定しているため、長期の使用にも光線透過
性は殆ど変わらず、焼却しても有害ガスの発生がなく、
安価であることなどから近年盛んに利用されるようにな
ってきている。
【0003】ハウスまたはトンネルの被覆資材として使
用されるフィルムには、フィルムの内側表面に付着した
凝縮水を、栽培作物に落下させることなく、フィルム内
面に沿って流下させるといういわゆる「防曇性」を有す
ることが要求される。従来、農業用途において、ポリオ
レフィン系フィルムに防曇性を付与する方法として、液
状の防曇剤または防曇剤を含有する溶液を塗布する方
法、あるいは防曇剤を練り込む方法などが提案されてお
り、実用化されている。塗布する方法では、ポリオレフ
ィン系樹脂の疎水性樹脂表面に防曇剤を塗布し、親水性
を付与するものであるが、この方法では短期間の防曇性
には優れるものの、防曇剤が水滴によって流出し易く、
防曇持続性が甚だ不十分なものしか得られていない。
【0004】また、防曇剤を練り込む方法においては、
練り込まれた防曇剤が樹脂表面へブリードアウトするこ
とにより、防曇性を発現させるものであるが、この方法
では防曇性は短時間に発現されるものの、フィルムから
の防曇剤のブリードアウトが速く、該フィルムをハウス
に展張後1年も経過すると防曇性の効果が薄れるため、
防曇持続性の改良検討が行われている。このような状況
に鑑み、本発明者らは、ヒンダードアミン系化合物を含
有するポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に防曇剤組
成物を被覆することで防曇性の持続性が改良できること
を見出し提案した(特願平5−204237号)が、防
曇性の発現速さに関しては未だ十分とは言えなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、防曇
性が短時間で発現でき、かつ持続性が大幅に改善された
農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨とす
るところは、ポリオレフィン系樹脂100重量部に、下
記一般式(1)で表される構造単位を1分子中に1個以
上含有するヒンダードアミン系化合物を0.05〜5重
量部配合してなるフィルムの少なくとも片面に (a)シリカゾル及び/またはアルミナゾル (b)疎水性熱可塑性樹脂 (c)重量平均分子量が30万〜150万の範囲の水溶
性セルロースエーテルの3成分を必須成分として含有
し、(c)成分の配合量が、シリカゾル及び/またはア
ルミナゾルの固形分100重量部に対して0.1〜30
重量部の範囲である防曇剤組成物に由来する被膜が形成
されていることを特徴とする、農業用ポリオレフィン系
樹脂フィルムに存する。
【0007】
【化2】 ((1)式において、R1 〜R4 は、炭素数1〜4のア
ルキル基、R5 は、水素または、炭素数1〜4のアルキ
ル基及び、アルキルエステル基を示す)
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明におけるポリオレフィン系樹脂は、α−オレフィ
ン系の単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種
単量体との共重合体であり、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン
−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテ
ン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸共重合体等が挙げられる。これらのうち、
密度が0.910〜0.935の低密度ポリエチレンや
エチレン−α−オレフィン共重合体および酢酸ビニル含
有量が30重量%以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体
が、透明性や耐候性の点から農業用フィルムとして好ま
しい。更に酢酸ビニル含有量が5重量%以上25重量%
以下のエチレン−酢酸ビニル共重合体はこれらのうちで
も特に透明性、柔軟性、耐候性等の点でより好ましい。
【0009】ヒンダードアミン系化合物としては、農業
用フィルムに通常配合される種々の化合物を使用するこ
とができる。具体的には、特公昭62−59745号公
報第5欄第37行〜第16欄第18行目、特開平2−3
0529号明細書第20頁第15行〜第38頁第3行目
に記載されているヒンダードアミン系化合物である。本
発明で使用可能な市販のヒンダードアミン系化合物を例
示すれば、TINUVIN770、TINUVIN78
0、TINUVIN144、TINUVIN622L
D、CHIMASSORB119FL、CHIMASS
ORB944(以上、チバガイギー社製)、サノールL
S−765(三共(株)製)、MARKLA−63、M
ARK LA−68、MARK LA−62、MARK
LA−67、MARK LA−57(以上、アデカ・
アーガス社製)等が挙げられる。
【0010】これらヒンダードアミン系化合物は1種類
で、または2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
その配合量は、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対
して、0.05〜5重量部の範囲内である。配合量が
0.05重量部未満では、基体フィルムと被膜との密着
性が向上しない。また、5重量部を越える場合には、フ
ィルム成形後のブリードアウトが激しく透明性が悪化
し、被膜との密着性が低下すると共に防曇性も悪化す
る。従って、配合量は0.05〜5重量部の範囲であ
り、好ましくは0.1〜2重量部である。ヒンダードア
ミン系化合物は、単層フィルム中に均一に配合しても、
また、多層フィルムに内外層、中間層あるいは全層に配
合してもよい。
【0011】また本発明における農業用ポリオレフィン
系樹脂フィルムには、必要に応じて可塑剤、防曇剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、熱安定剤、顔料、染料
等の着色剤、防霧剤、帯電防止剤等を通常の量で配合す
ることができる。可塑剤としては、例えば、フタル酸誘
導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、マレイ
ン酸誘導体、クエン酸誘導体、イタコン酸誘導体、オレ
イン酸誘導体、リシノール酸誘導体、その他トリクレジ
ルホスフェート、エポキシ化大豆油、エポキシ樹脂系可
塑剤等があげられる。防曇剤としては、非イオン系界面
活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤
等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えばベンゾ
トリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、
シアノアクリレート系、フェニルサリシレート系等の紫
外線吸収剤があげられる。中でも、ベンゾフェノン系紫
外線吸収剤及び/又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤が特に好ましい。
【0012】酸化防止剤としては、2,6−ジ−ter
t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレ
ンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノー
ル)、ジラウリルチオジプロピオネート等を挙げること
ができる。滑剤ないし熱安定剤としては、例えばポリエ
チレンワックス、流動パラフィン、ビスアマイド、ステ
アリン酸、ステアリン酸亜鉛、脂肪族アルコール、ステ
アリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、リシノー
ル酸バリウム、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジ
マレート、有機リン酸金属塩、有機ホスファイト化合
物、フェノール類、β−ジケトン化合物等が挙げられ
る。着色剤としては例えば、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、ハンザイエロー、アリザリンレ
ーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネントレッ
ド、キナクリドン、カーボンブラック等を挙げることが
できる。
【0013】防霧剤としては、フッ素系界面活性剤が挙
げられ、具体的には、通常の界面活性剤の疎水基のCに
結合したHの代わりにその一部または全部をFで置換し
た界面活性剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパ
ーフルオロアルケニル基を含有する界面活性剤である。
以上の各種添加剤は、それぞれ1種または2種以上を組
み合わせて使用することができる。上記各種添加剤の配
合量は、フィルムの性能を悪化させない範囲、通常は基
体のオレフィン系樹脂100重量部当り5重量部以下の
範囲で選ぶことができる。
【0014】基体ポリオレフィン系樹脂に、ヒンダード
アミン系化合物及び、各種添加剤を配合するには、各々
必要量秤量し、リボンブレンダー、バンバリーミキサ
ー、スーパーミキサーその他従来から知られている配合
機、混合機が用いられる。このようにして得られた樹脂
組成物をフィルムにするには、それ自体公知の方法、例
えば溶融押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法
を含む)、カレンダー成形法等の従来から知られている
方法が用いられる。かかるフィルムは単層でもよいが、
防塵性や柔軟性及び強度などの点から積層フィルムとし
てもよい。
【0015】本発明に係るフィルムは、透明でも、梨地
でも、半梨地でもよく、その用途は農業用ハウス(温
室)、トンネル等の被覆用に使用できるほか、マルチン
グ用、袋掛用等にも使用できる。また、フィルム厚みに
ついては強度やコストの点で0.03〜0.3mmの範
囲のものが好ましく、0.05〜0.2mmのものがよ
り好ましい。基体フィルムの少なくとも片面に被膜形成
する防曇剤組成物は、 (a)シリカゾル及び/またはアルミナゾル (b)疎水性熱可塑性樹脂 (c)重量平均分子量が30万〜150万の範囲の水溶
性セルロースエーテル の3成分を必須成分として含有している。
【0016】本発明の防曇剤組成物を構成している第一
の必須成分であるシリカゾル及び/又はアルミナゾルは
平均粒子径が5〜100mμの範囲のものが好ましい。
平均粒子径が100mμを超えると塗膜が白く失透し易
くまた、5mμに満たないときは防曇剤組成物の安定性
に欠けるので好ましくない。これらは、それぞれ単独で
使用してもよいし、両者を組み合わせて使用してもよ
い。また、単独又は両者を組み合わせて使用する際に平
均粒子径の異なる2種以上のものを組み合わせて用いて
もよい。両者を組み合わせるときは、重量比でシリカゾ
ル/アルミナゾルが95〜5/5〜95(全体として1
00とする)の割合にするのが好ましい。
【0017】アルミナゾルは、通常市販されている製品
そのもの、または通常市販されているアルミナ粉末を水
に分散させて水性ゾルとしたもの、いずれであってもよ
い。アルミナゾルは、高濃度で水に分散させようとする
と、分散液の粘度が急激に高まるといういわゆるチキソ
トロピー性を示し、均質な分散液が得にくいが、コロイ
ドミルの様な媒質剪断内部攪拌機を用いると、均質な分
散液を得ることができる。また、この分散液にシリカゾ
ルを混合すると、分散液の粘度を降下させることができ
る。
【0018】シリカゾルは、多くの場合粒子表面は陰電
荷に帯電しているが、アルミナゾルと組み合わせて用い
るときは陰電荷に帯電しているものを用いるのは好まし
くない。これは、シリカゾルとアルミナゾルとを混合す
ると、混合分散液は急激に凝集し、ゲル化し、分散不良
を生起する。従って、コロイダルシリカは、粒子表面に
陽電荷に帯電したものとするのがよい。シリカゾル及び
/又はアルミナゾルは、その配合量が固形分重量比で、
疎水性熱可塑性樹脂の0.5〜40倍の範囲にあるのが
好ましい。40倍を超えるときは、防曇効果が配合量に
比例して向上しないばかりでなく、塗布後に形成される
塗膜が白濁化し光線透過率を低下させる現象があらわれ
る。また塗膜が粗雑で脆弱になり易くなる傾向がある。
一方、0.5倍に満たないときは、十分な防曇効果を発
揮し難くなる。
【0019】本発明の防曇剤組成物を構成している第二
の必須成分である疎水性熱可塑性樹脂は、シリカゾル及
び/またはアルミナゾルのバインダー成分として、エマ
ルジョンまたは溶媒に溶解した溶液の形で用いられる。
疎水性熱可塑性樹脂の例としては、アクリル系樹脂、塩
化ビニル−酢酸ビニル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、塩
化ビニル系樹脂、塩化ビニリデン系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、スチロール系樹脂、
酢酸ビニル系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂等が挙げ
られるが、防曇被膜の耐水性及び防曇持続性の点で、疎
水性アクリル系樹脂が好適である。これらは1種、また
は、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0020】疎水性アクリル系樹脂とは、少なくとも合
計70重量%のアクリル酸の或いはメタクリル酸のアル
キルエステル類(以下これを(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステル類と記す。)、又は(メタ)アクリル酸アル
キルエステル類とアルケニルベンゼン類との単量体から
なる混合物及び0〜30重量%の共重合しうるα,β−
エチレン性不飽和単量体とを通常の重合条件に従って、
例えば界面活性剤の存在下に、重合させて得られる重合
体又は共重合体である。
【0021】本発明の防曇剤組成物を構成している第三
の必須成分である水溶性セルロースエーテルの例として
は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルエチルセルロース、カルボキシメチルエチルセル
ロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース等が挙げられる。これらは1種、または、2種以上
を組み合わせて使用してもよい。水溶性セルロースエー
テルは重量平均分子量が30万〜150万の範囲のもの
が用いられる。重量平均分子量が30万以下では、防曇
性は短時間に発現できないのみならず、良好な持続性を
得ることができない。また、重量平均分子量が150万
以上では、防曇剤組成物を液状に調整する場合に、高粘
度になるため、シリカゲル及び/またはアルミナゾルの
分散が難しく、分散性の良好な防曇剤組成物が得られな
い。その結果、防曇性は短時間に発現できない。かつ、
良好な持続性も得られない。
【0022】水溶性セルロースエーテルの配合量は、シ
リカゾル及び/またはアルミナゾルの固形分100重量
部に対し、0.1〜30重量部必要であり、特に0.1
〜20重量部の範囲から選ぶのが好ましい。シリカゾル
及び/またはアルミナゾルの添加量が0.1重量部より
少ないときには、本発明の目的の一つとするところの防
曇性の発現速さが発揮されない。一方、30重量部より
過剰になると、基体フィルムと被膜との密着性が低下し
本発明の目的の一つである防曇性の持続性が不良とな
る。
【0023】防曇剤組成物には、疎水性熱可塑性樹脂を
架橋させる架橋性化合物を併用してもよい。こうするこ
とにより防曇被膜の耐水性を向上させることができる。
架橋性化合物の使用量は、疎水性熱可塑性樹脂の固形分
に対し0.1〜30重量%の範囲、特に0.5〜10重
量%の範囲が好ましい。また、防曇剤組成物には、必要
に応じ、消泡剤、滑剤、帯電防止剤、その他の各種添加
剤を混合することができる。
【0024】しかして、防曇剤組成物は、通常液状で使
用される。液状分散媒としては、水を含む親和性ないし
水混合性溶媒が含まれ、水:メチルアルコール、エチル
アルコール、イソプロピルアルコール等の一価アルコー
ル類:エチレングリコール、ジエチレングリコール、グ
リセリン等の多価アルコール類:ベンジルアルコール等
の環式アルコール類:セロソルブアセテート類:ケトン
類等が挙げられる。これらは単独で用いても併用しても
よいが、用いる防曇剤組成物の分散安定性、フィルム表
面に塗布した後の濡れ性、液状分散媒除去の難易及び経
済性を勘案して決めるのが好ましい。また、基体フィル
ムの表面に形成される防曇剤組成物の被膜は、固形分の
付着量として、一般に0.01〜10g/m2 、特に
0.1〜5g/m2 の範囲であるのが好ましい。
【0025】基体フィルムの表面に防曇剤組成物の被膜
を形成するには、一般に各組成物の溶液または分散液を
ドクターブレードコート法、ロールコート法、ディップ
コート法、スプレーコート法、ロッドコート法、バーコ
ート法、ナイフコート法、ハケ塗り法等それ自体公知の
塗布方法を採用し、塗布後乾燥すればよい。塗布後の乾
燥方法は、自然乾燥及び強制乾燥のいずれの方法を採用
してもよく、強制乾燥方法を採用する場合、通常50〜
250℃、好ましくは70〜200℃の温度範囲で乾燥
すればよい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥
法、遠赤外線乾燥法等適宜方法を採用すればよく、乾燥
速度、安定性を勘案すれば熱風乾燥法を採用するのが有
利である。
【0026】また、基体フィルムと被膜組成物に由来す
る被膜との接着性が十分でない場合には、基体フィルム
の表面を予めアルコールまたは水で洗浄したり、プラズ
マ放電処理、あるいはコロナ放電処理をしたり、他の塗
料あるいはプライマーを下塗りする等の前処理を施して
おいてもよい。本発明に係る農業用ポリオレフィン系樹
脂フィルムを、実際に使用するにあたっては、被膜が片
面のみに形成されているときは、この被膜の設けられた
側をハウスまたはトンネルの内側となるようにして展張
することが必要である。
【0027】
【発明の効果】本発明に係る農業用ポリオレフィン系樹
脂フィルムは、基体フィルム中にヒンダードアミン系化
合物が配合されていることと、表面の防曇剤組成物に由
来する被膜との相乗効果により、防曇性の発現速さと防
曇持続効果が飛躍的に向上するので、農業用被覆資材と
しての利用価値は極めて大きい。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 (1)基体フィルムの調製 三層インフレーション成形装置として三層ダイに100
mmφ((株)プラ工研製)を用い、押出機は外内層を
30mmφ((株)プラ技研製)2台、中間層を40m
mφ((株)プラ技研製)として成形温度160℃、ブ
ロー比2.0、引取速度5m/分にて、0.15mm厚
の表−1及び表−2に示す積層または単層フィルムを得
た。
【0029】(2)防曇剤組成物被膜の形成 表−1に示した主成分(シリカ及び/またはアルミナゾ
ル)と疎水性熱可塑性樹脂と架橋剤及び液状分散媒とを
配合して防曇剤組成物を得た。(1)で調製した基体フ
ィルムの片面に、上記の防曇剤組成物を#5バーコータ
ーを用いて、各々塗布した。塗布したフィルムを80℃
のオーブン中に1分間保持して液状分散媒を揮散させ
た。得られた各フィルムの被膜の量は約1g/m 2 であ
った。得られた各フィルムについて、次のような評価試
験を行った。その結果を表−3に示した。
【0030】 防曇性の発現速さ試験 500ccのビーカーに300ccの水(50℃)を入
れ、防曇剤組成物被膜の形成された面がビーカーの内側
になるように上記フィルムにて被覆した後、恒温水槽
(50℃)にビーカーを地表面から10度傾斜させて低
部から2/3の部分まで水浸させ、25℃の恒温室に所
定時間放置した後のフィルム面の水滴の流れ状況を肉眼
観察した。評価基準は、次の通りである。 ◎:フィルム表面(ハウス内側に面した方、以下同じ)
に付着した水滴同士が合体して薄膜状に広がり、この薄
膜状部分の面積がフィルム表面の1/2以上にわたるも
の。 ○:フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
るが、この薄膜状部分の面積がフィルム表面の1/2未
満のもの。 △:フィルム表面に付着した水滴同士の合体は認められ
るが、薄膜状部分の形状が認められないもの。 ×:フィルム表面に付着した水滴同士の合体が認められ
ないもの。
【0031】 防曇性試験 三重県一志郡の圃場に、間口5.4m、棟高3m,奥行
き15mのパイプハウス6棟を構築し、各棟に上記フィ
ルムの1種を防曇剤組成物被膜の形成された面がハウス
の内側になるように被覆した。評価方法は、展張中のフ
ィルム内側にした面に、水滴の付着する状況を、経時的
に肉眼で観察した。フィルム面の水滴の流れ状態を前記
防曇性の発現速さ試験と同じ基準で評価した。
【0032】 密着性試験 防曇剤組成物の被膜を形成した面にセロハンテープを接
着し、このセロハンテープを剥した時に、塗膜の剥離状
況を肉眼で観察した。 ○: 塗膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○x:塗膜の2/3以上が剥離せず残ったもの。 △: 塗膜の2/3以上が剥離したもの。 ×: 塗膜が完全に剥離したもの。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】
【表3】
【0036】*1 LDPE:三菱化学(株)製 商品
名三菱ポリエチLF345M(MFR=1.3g/10
分) EVA−2:三菱化学(株)製 商品名三菱ポリエチ−
EVA LV420 (MFR=0.5g/10分) EVA−1:日本ユニカー(株)製 商品名NUC−3
550(MFR=0.5g/10分) *2 MARK LA−57(商品名):アデカ・アー
ガス社製 ヒンダードアミン化合物 CHIMASSORB 944(商品名):チバ・ガイ
ギー社製 ヒンダードアミン化合物
【0037】*3 カタロイドSI−30 (登録商
標):触媒化成工業(株)製 水分散型コロイダルシリカ アルミナゾル520:日産化学工業(株)製 水分散型
アルミナゾル *4 カヤクリルレジンH−300(登録商標):日本
化薬工業(株)製 アクリルエマルジョン ダイヤナールBR−101(登録商標):三菱レイヨン
(株)製 アクリルエマルジョン *5 メトローズ65SH−1500(商品名):信越
化学工業(株)製 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 重量平均分子量30万 メトローズ65SH−100000(商品名):信越化
学工業(株)製 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 重量平均分子量130万
【0038】メトローズSM−1500(商品名):信
越化学工業(株)製 メチルセルロース 重量平均分子量30万 メトローズ65SH−50(商品名):信越化学工業
(株)製 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 重量平均分子量10万 試作品A メチルセルロース 重量平均分子量200万 *6 エピクロン860(登録商標):大日本インキ化
学工業(株)製 ビスフェノールAタイプ エポキシ化合物
【0039】
【表4】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/36 KEF C08K 3/36 KEF 5/3432 KFB 5/3432 KFB C08L 1/26 LAN C08L 1/26 LAN 23/00 LCA 23/00 LCA 101/00 LSZ 101/00 LSZ (72)発明者 桃平 覚 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内 (72)発明者 大林 厚 愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業 所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂100重量部に、
    下記一般式(1)で表される構造単位を1分子中に1個
    以上含有するヒンダードアミン化合物を0.05〜5重
    量部配合してなるフィルムの少なくとも片面に、 (a)シリカゾル及び/またはアルミナゾル (b)疎水性熱可塑性樹脂 (c)重量平均分子量が30万〜150万の範囲の水溶
    性セルロースエーテルの3成分を必須成分として含有
    し、(c)成分の配合量が、シリカゾル及び/またはア
    ルミナゾルの固形分100重量部に対し0.1〜30重
    量部の範囲である防曇剤組成物に由来する被膜が形成さ
    れていることを特徴とする、農業用ポリオレフィン系樹
    脂フィルム。 【化1】 ((1)式において、R1 〜R4 は、炭素数1〜4のア
    ルキル基、R5 は、水素または、炭素数1〜4のアルキ
    ル基及び、アルキルエステル基を示す)
JP7261836A 1995-10-09 1995-10-09 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム Pending JPH09104773A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7261836A JPH09104773A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7261836A JPH09104773A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09104773A true JPH09104773A (ja) 1997-04-22

Family

ID=17367423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7261836A Pending JPH09104773A (ja) 1995-10-09 1995-10-09 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09104773A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032984A1 (fr) * 2000-10-16 2002-04-25 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Film en polyolefine anti-buee, son procede de production, objet moule obtenu a partir dudit film, film d'emballage alimentaire et objet moule pour emballage alimentaire
JP2015231718A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 出光ユニテック株式会社 防曇性ポリオレフィン系シート、その製造方法、その成形体および食品包装用成形体
CN106519861A (zh) * 2016-11-18 2017-03-22 白山市喜丰塑业有限公司 一种水性防尘涂料、制备方法及其在聚氯乙烯棚膜中的应用
JP2019065178A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 富士フイルム株式会社 防曇塗料及び積層体

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002032984A1 (fr) * 2000-10-16 2002-04-25 Idemitsu Petrochemical Co., Ltd. Film en polyolefine anti-buee, son procede de production, objet moule obtenu a partir dudit film, film d'emballage alimentaire et objet moule pour emballage alimentaire
JP2010180407A (ja) * 2000-10-16 2010-08-19 Idemitsu Kosan Co Ltd 防曇性ポリオレフィン系シートの成形体および食品包装用成形体
JP2015231718A (ja) * 2014-06-10 2015-12-24 出光ユニテック株式会社 防曇性ポリオレフィン系シート、その製造方法、その成形体および食品包装用成形体
CN106519861A (zh) * 2016-11-18 2017-03-22 白山市喜丰塑业有限公司 一种水性防尘涂料、制备方法及其在聚氯乙烯棚膜中的应用
JP2019065178A (ja) * 2017-09-29 2019-04-25 富士フイルム株式会社 防曇塗料及び積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7062492B2 (ja) フィルム、農業用フィルム及び農園芸用施設
JPWO2014010625A1 (ja) 農業用多層フィルム
JPWO2014010626A1 (ja) 農業用多層フィルム
JPH09104773A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP3898771B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP5080438B2 (ja) 農業用多層フィルム
JP2500957B2 (ja) 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2918140B2 (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JPH0624812B2 (ja) 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
KR100201885B1 (ko) 농업용 폴리올레핀계 수지 필름
JPH09111018A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2002370329A (ja) 農業用多層フィルム
JP2003138035A (ja) ポリオレフィン系農業用フィルム
NL2023910B1 (en) Agricultural film and agricultural and horticultural facility
JP2001095395A (ja) 農業用多層フィルム
JP2000324957A (ja) 農業用積層フィルム
JPH04271729A (ja) 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
JPH10114032A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム
JP2003180169A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JPH10119200A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2006315409A (ja) 農業用ポリオレフィン系樹脂フィルム
JP2003253242A (ja) 塗布防曇剤および農業用フィルム
JP2000246852A (ja) 農業用多層フィルム
JPH02113939A (ja) 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
JP2019026823A (ja) 防曇組成物および防曇性フィルム