JPH09103299A - 光学活性アルキルアルコールの製造方法 - Google Patents

光学活性アルキルアルコールの製造方法

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JPH09103299A
JPH09103299A JP26133495A JP26133495A JPH09103299A JP H09103299 A JPH09103299 A JP H09103299A JP 26133495 A JP26133495 A JP 26133495A JP 26133495 A JP26133495 A JP 26133495A JP H09103299 A JPH09103299 A JP H09103299A
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JP
Japan
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alkyl alcohol
mixture
microorganism
act
nocardia
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JP26133495A
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English (en)
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Eiji Yanase
英司 簗瀬
Fumiaki Iwasaki
史哲 岩崎
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Tokuyama Corp
Original Assignee
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光学活性なアルキルアルコールを提供するこ
と。 【解決手段】ノカルディア属またはロドコッカス属に属
し、下記一般式(I) 【化1】 (但しR1及びR2はアルキル基を示す。)で示されるア
ルキルアルコールのR体及びS体の混合物に作用させた
時、そのS体を選択的に分解する能力を有する微生物、
例えばノカルディア エリスロポリス IAM 147
4菌、またはその培養液もしくは菌体処理物を、該アル
キルアルコールのR体とS体の混合物に作用させ、残存
するR体のアルキルアルコールを採取することを特徴と
する光学活性アルキルアルコールの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学活性アルキル
アルコールの製造方法、詳しくは酵素法によってアルキ
ルアルコールのR体とS体の混合物からR体のアルキル
アルコールを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般式(I)
【0003】
【化2】
【0004】(但しR1及びR2はアルキル基を示す。)
で示されるようなアルキルアルコールにおける光学活性
な誘導体は、医薬、農薬、その他の生理活性物質などの
合成原料として極めて重要である。しかして、近年、微
生物が有する酵素活性を利用して、特定の化合物のR体
とS体の混合物から一方の光学異性体を分解し、光学活
性な該化合物を得ることが行われるようになってきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、一般に酵素
は、各々固有の基質特異性を有し、類似の酵素反応を有
する酵素においても、基質の構造が少しでも変われば、
その活性を同様に維持できるかどうかは全く不明であ
る。従って、所望する化合物に対し所望する作用を有す
る酵素を見いだすことは、極めて煩雑な探索作業を要す
ことになる。
【0006】こうした背景にあって、前記一般式(I)
で示されるようなアルキルアルコールにおいて、そのR
体及びS体の混合物に作用させた時、一方のS体を選択
的に分解しR体の該化合物を残存させる酵素は、いまだ
見いだされていない。従って、本発明は、上記作用を有
す酵素を持つ微生物を見いだし、かかる微生物の酵素反
応を利用し、上記アルキルアルコールのR体及びS体の
混合物からR体のアルキルアルコールを採取する方法を
開発することを目的とする。
【0007】
【発明が解決しようとする手段】本発明者らは、上記の
課題に鑑み、光学活性な一般式(I)で示されるアルキ
ルアルコールを効率的に得る方法について鋭意研究を続
けてきた。その結果、特定の微生物の酵素反応を利用す
ることにより、上記の課題が解決できることを見いだし
本発明を完成させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、ノカルディア属またはロ
ドコッカス属に属し、一般式(I)
【0009】
【化3】
【0010】(但しR1及びR2はアルキル基を示す。)
で示されるアルキルアルコールのR体及びS体の混合物
に作用させた時、そのS体を選択的に分解する能力を有
する微生物、またはその培養液もしくは菌体処理物を、
上記一般式(I)で示されるアルキルアルコールのR体
及びS体の混合物に作用させ、残存するR体のアルキル
アルコールを採取することを特徴とする光学活性アルキ
ルアルコールの製造方法である。
【0011】本発明において、上記一般式(I)で示さ
れるアルキルアルコールは、R体とS体の混合物が使用
される。その場合、このR体とS体の混合割合は、特に
限定されるものではない。通常は、このR体とS体とが
等量程度混合する、いわゆるラセミ体が使用される。
【0012】上記一般式(I)で示したR1及びR2とし
ては、通常のアルキル基が何等制限なく使用される。特
に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等の炭素数1〜1
0の低級アルキル基が好適に使用される。本発明で使用
されるアルキルアルコールを具体的に例示すると、2−
ブタノール、2−ペンタノール、2−ヘキサノール、2
−ヘプタノール、2−オクタノール、2−ノナノール、
2−デカノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノー
ル、3−オクタノール等を挙げることができる。これら
の基質のなかでも特に、2−ブタノール、2−ペンタノ
ール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、3−ヘプ
タノール等が好適に使用される。
【0013】本発明では、このアルキルアルコールのR
体及びS体の混合物(以下、単に基質混合物とも言う)
に、ノカルディア属またはロドコッカス属に属し、該基
質混合物に作用させた時、そのS体を選択的に分解する
能力を有する微生物、またはその培養液もしくは菌体処
理物を作用させる。それにより、該基質混合物は、その
S体のみが選択的に分解され、良好な光学純度でR体の
アルキルアルコールが得られる。
【0014】ここで、上記微生物としては、前記性状を
有するものであれば、何等制限されることなく使用でき
る。具体的には、ノカルディア エリスロポリス(Noca
rdiaerythropolis IAM 1474)、ノカルディア エリス
ロポリス(Nocardia erythropolis IAM 1428)、ノカル
ディア エリスロポリス(Nocardia erythropolis IAM
1399)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus
erythropolis IFO 12540)、ロドコッカス エクイ(Rh
odococcus eqi ATCC 21329)等が好ましく用いられる。
【0015】上記の微生物を培養するにあたって使用す
る培地としては、公知のものが使用される。たとえば、
グルコース、シュクロース、グリセロール、ソルビトー
ル、廃糖蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、肉エキス、酵
母エキス、ポリペプトン、ペプトン、硝酸塩類、アンモ
ニウム塩類等の窒素源、及びリン酸第一カリウム、リン
酸第二カリウム、塩化ナトリウ、硫酸マグネシウム等の
無機塩類を含有するものであれば特に限定されない。
【0016】培地の形態は液体、固体のいずれでもよ
い。また、培養の方法は静置培養、振とう培養、通気攪
拌培養のいずれでもよいが、大量培養には通気攪拌によ
る液体培養が適している。培養温度は、15〜45℃、
好ましくは20〜40℃で、通常10〜48時間培養す
るのが好ましい。
【0017】本発明において、前記基質混合物に上記微
生物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作用させ
る方法は、微生物を利用した酵素反応において通常行わ
れている基質への作用方法が何等制限なく採用される。
例えば、前記微生物の培地に上記基質混合物を添加する
ことにより、作用させる方法が挙げられる。この場合、
基質混合物は、最初から培地に加えても良いし、培養途
中で添加してもよい。
【0018】また、反応を阻害しない無機または有機の
溶媒中、好ましくは水性溶媒中において、基質混合物に
前記微生物または菌体処理物を作用させても良い。な
お、本発明において菌体処理物とは、例えば洗浄菌体、
乾燥菌体、菌体摩砕物、菌体の自己消化物、菌体の超音
波処理物、菌体抽出物、或いは菌体抽出物等を精製して
得た酵素などが特に制限されることなく使用される。こ
こで、菌体、菌体抽出物等は、公知の菌体、酵素の固定
化方法により固定化したものを用いることもできる。
【0019】本発明において、このようにして得た微生
物、またはその培養液もしくは菌体処理物を作用させる
際の基質混合物の濃度は、特に制限されるものではな
い。通常、0.01〜10重量%の範囲、好ましくは
0.05〜5重量%から適宜採択すれば良い。また本発
明において、基質混合物に微生物、またはその培養液も
しくは菌体処理物を作用させる際の反応媒体のpHは、
特に制限されるものではないが、通常、pH6〜9の範
囲であることが好ましい。さらに、作用させる際の微生
物や菌体処理物の濃度は、菌体処理物の精製度合い等の
違いにより一概には決定することはできないが、通常、
タンパク質量で0.05〜10重量%の範囲から適宜採
択される。なお、作用温度は、特に制限されるものでは
ないが、10〜50℃好ましくは20〜45℃の範囲が
好適である。作用時間については、基質濃度及び使用す
る菌株の種類によって左右されるため一概に決めること
はできないが、通常3〜80時間の範囲から設定され
る。
【0020】以上により、基質混合物の加水分解反応を
行った後、残存するR体のアルキルアルコールを採取す
る。この生成物の採取は、特に制限されるものではな
く、例えば反応液から不溶分を濾別後、反応液を固化
し、残さから塩化メチレンで抽出することにより容易に
実施することができる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、前記ノカルディア属ま
たはロドコッカス属に属する微生物、またはその培養液
もしくは菌体処理物を、一般式(I)
【0022】
【化4】
【0023】(但しR1及びR2はアルキル基を示す。)
で示されるアルキルアルコールのR体及びS体の混合物
に作用させることにより、良好な光学活性でR体のアル
キルアルコールを得ることができる。従って、本発明
は、光学活性アルキルアルコールを効率的に得る方法と
して極めて重要である。
【0024】
【実施例】以下、実施例を掲げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0025】実施例1 2.0%(重量/容量)グルコース、1.0%スクロー
ス、1.0%肉エキス、0.5%ペプトン、1.0%酵
母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.3%リン酸第
二カリウム、0.2%リン酸第一カリウム、0.1%硫
酸マグネシウム・7水和物を溶解した、pH7の培地を
5ml試験管に分注し、ノカルディアエリスロポリス
IAM 1474菌を斜面培養から、1白金耳接種し、
30℃で48時間振とう培養を行った。培養後、培養液
5mlに2−ヘキサノールのラセミ体を基質濃度が0.
5%(重量/容量)となるように添加し、引き続き30
℃で24時間振とう培養した。反応後、不溶分を濾別
し、得られた濾液を乾固した。得られた残さから20m
lの塩化メチレンを用いて可溶分を分取した後、この溶
液にメタンスルホニル化処理を行い、高速クロマトグラ
フィーで分析したところ、アルコール残存率31.6
%、光学純度100%で(R)−2−ヘキサノールが製
造されていた。
【0026】光学活性の分析条件は以下の通りであっ
た。
【0027】 カラム:Chiralcell OB(4.6×250
mm)ダイセル化学工業(株)製 溶媒 :5%イソプロピルアルコール/95%n−ヘキ
サン 流速 :0.2ml/min 検出 :220nm 実施例2 表1に示した菌株を用い、実施例1と同様な操作を行っ
た。24時間培養後のアルコール残存率と光学純度は表
1に示す通りであった。
【0028】
【表1】
【0029】実施例3 表2に示したアルコールのラセミ体を用いた以外は、実
施例1と同様な操作を行った。表2に示した時間培養し
た後のアルコール残存率及び光学純度は表2に示す通り
であった。
【0030】
【表2】
【0031】比較例1 基質を4−フェニル−2−ブタノールのラセミ体に変え
た以外は、実施例1と同様な操作を行った。36時間振
とう培養後の4−フェニル−2−ブタノールの残存率は
100%であり、全く分解を受けていなかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノカルディア属またはロドコッカス属に属
    し、一般式(I) 【化1】 (但しR1及びR2はアルキル基を示す。)で示されるア
    ルキルアルコールのR体及びS体の混合物に作用させた
    時、そのS体を選択的に分解する能力を有する微生物、
    またはその培養液もしくは菌体処理物を、上記一般式
    (I)で示されるアルキルアルコールのR体及びS体の
    混合物に作用させ、残存するR体のアルキルアルコール
    を採取することを特徴とする光学活性アルキルアルコー
    ルの製造方法。
JP26133495A 1995-10-09 1995-10-09 光学活性アルキルアルコールの製造方法 Withdrawn JPH09103299A (ja)

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Effective date: 20040303