JPH07155195A - 光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造方法 - Google Patents
光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造方法Info
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- JPH07155195A JPH07155195A JP30390693A JP30390693A JPH07155195A JP H07155195 A JPH07155195 A JP H07155195A JP 30390693 A JP30390693 A JP 30390693A JP 30390693 A JP30390693 A JP 30390693A JP H07155195 A JPH07155195 A JP H07155195A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】1,2−アルキルジオール誘導体において、1
位のオキシ基に他の官能基が導入し易い構造にあるもの
を、光学活性良く得る方法を提供すること。 【構成】ノカルディア属、ロドコッカス属に属し、1−
ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体及びS体の混
合物に作用させた時、そのS体を選択的に分解しする能
力を有する微生物、例えばノカルディア エリスロポリ
ス IAM 1474菌の培養液、菌体または菌体処理
物を、該1−ベンジルオキシー2ーアセトキシアルカン
のR体とS体の混合物に作用させ、残存するR体の1−
ベンジルオキシ−2−アルカノールを採取することを特
徴とする光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノー
ルの製造方法。
位のオキシ基に他の官能基が導入し易い構造にあるもの
を、光学活性良く得る方法を提供すること。 【構成】ノカルディア属、ロドコッカス属に属し、1−
ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体及びS体の混
合物に作用させた時、そのS体を選択的に分解しする能
力を有する微生物、例えばノカルディア エリスロポリ
ス IAM 1474菌の培養液、菌体または菌体処理
物を、該1−ベンジルオキシー2ーアセトキシアルカン
のR体とS体の混合物に作用させ、残存するR体の1−
ベンジルオキシ−2−アルカノールを採取することを特
徴とする光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノー
ルの製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、1−ベンジルオキシ−
2−アルカノールの製造方法、詳しくは酵素法によって
1−ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体とS体の
混合物からR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノー
ルを製造する方法に関するものである。
2−アルカノールの製造方法、詳しくは酵素法によって
1−ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体とS体の
混合物からR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノー
ルを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学活性な1,2−アルキルジオール誘
導体は、医薬、農薬、その他の生理活性物質、さらには
強誘電性液晶材料などの新素材の合成原料として極めて
重要な化合物である。
導体は、医薬、農薬、その他の生理活性物質、さらには
強誘電性液晶材料などの新素材の合成原料として極めて
重要な化合物である。
【0003】従来、光学活性な1,2−アルキルジオー
ル誘導体の製造方法としては、特定の属の微生物が有す
る酵素活性を利用して、1−アリールオキシ−2−アル
キルアセテートのラセミ体からR体の1−アリールオキ
シ−2−アルカノールを製造する方法(特開平5−10
3691号公報、バイオサイエンス・バイオテクノロジ
ー・バイオケミストリー(Biosci.Biotec
h.Biochem.,)57巻、1334〜1337
(1993))、或いはノカルディア属、ロドコッカス
属の特定の属の微生物が有する酵素活性を利用して、1
−アリールオキシ−2−アルカノールのラセミ体から、
S体の1−アリールオキシ−2−アルカノールを分解し
てR体の1−アリールオキシ−2−アルカノールを製造
する方法(特開平5−103693号公報、バイオサイ
エンス・バイオテクノロジー・バイオケミストリー(B
iosci.Biotech.Biochem.,)5
7巻、1334〜1337(1993))が知られてい
る。
ル誘導体の製造方法としては、特定の属の微生物が有す
る酵素活性を利用して、1−アリールオキシ−2−アル
キルアセテートのラセミ体からR体の1−アリールオキ
シ−2−アルカノールを製造する方法(特開平5−10
3691号公報、バイオサイエンス・バイオテクノロジ
ー・バイオケミストリー(Biosci.Biotec
h.Biochem.,)57巻、1334〜1337
(1993))、或いはノカルディア属、ロドコッカス
属の特定の属の微生物が有する酵素活性を利用して、1
−アリールオキシ−2−アルカノールのラセミ体から、
S体の1−アリールオキシ−2−アルカノールを分解し
てR体の1−アリールオキシ−2−アルカノールを製造
する方法(特開平5−103693号公報、バイオサイ
エンス・バイオテクノロジー・バイオケミストリー(B
iosci.Biotech.Biochem.,)5
7巻、1334〜1337(1993))が知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記方法に
より得られるR体の1−アリールオキシ−2−アルカノ
ールは、アリールオキシ基が化学的に非常に安定な置換
基であるため、この置換基を他の官能基に変換するとい
うことが非常に困難である。このため、生成した光学活
性化合物は、工業原料としてはその利用が非常に限られ
たものであった。
より得られるR体の1−アリールオキシ−2−アルカノ
ールは、アリールオキシ基が化学的に非常に安定な置換
基であるため、この置換基を他の官能基に変換するとい
うことが非常に困難である。このため、生成した光学活
性化合物は、工業原料としてはその利用が非常に限られ
たものであった。
【0005】また、上記の方法の内、1−アリールオキ
シ−2−アルキルアセテートの加水分解法については、
1−アリールオキシ−2−アルカノールを原料とする場
合においては、該化合物を無水酢酸等で一旦アセチル化
して上記アセテート化合物としなければならず効率的で
ない。
シ−2−アルキルアセテートの加水分解法については、
1−アリールオキシ−2−アルカノールを原料とする場
合においては、該化合物を無水酢酸等で一旦アセチル化
して上記アセテート化合物としなければならず効率的で
ない。
【0006】さらに、上記ノカルディア属、ロドコッカ
ス属等の菌株を1−アリールオキシ−2−アルカノール
のラセミ体に作用させる方法については、本発明者らが
実施したところ、S体の1−アリールオキシ−2−アル
カノールの分解速度が非常に遅く、特に該化合物の基質
濃度が高濃度になると、ほとんど分解が進行しないとい
う問題があった。
ス属等の菌株を1−アリールオキシ−2−アルカノール
のラセミ体に作用させる方法については、本発明者らが
実施したところ、S体の1−アリールオキシ−2−アル
カノールの分解速度が非常に遅く、特に該化合物の基質
濃度が高濃度になると、ほとんど分解が進行しないとい
う問題があった。
【0007】従って、1,2−アルキルジオール誘導体
を直接原料として、光学活性な1,2−アルキルジオー
ル誘導体を迅速に製造する方法の開発が望まれていた。
を直接原料として、光学活性な1,2−アルキルジオー
ル誘導体を迅速に製造する方法の開発が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする手段】以上の背景から、本発
明者らは、1,2−アルキルジオール誘導体において、
1位のオキシ基に他の官能基が導入しやすい構造にある
ものを、良好な光学活性で効率的に得る方法について鋭
意研究を続けてきた。その結果、水素還元等で容易に除
去されるため、有機合成では水酸基の保護剤として極め
て汎用的なベンジル基で1位の水酸基を保護した1−ベ
ンジルオキシ−2−アルカノールのR体とS体の混合物
を基質として用い、これに特定の菌の培養液、菌体また
は菌体処理物を作用させることにより、高い光学活性で
R体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを製造で
きることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
明者らは、1,2−アルキルジオール誘導体において、
1位のオキシ基に他の官能基が導入しやすい構造にある
ものを、良好な光学活性で効率的に得る方法について鋭
意研究を続けてきた。その結果、水素還元等で容易に除
去されるため、有機合成では水酸基の保護剤として極め
て汎用的なベンジル基で1位の水酸基を保護した1−ベ
ンジルオキシ−2−アルカノールのR体とS体の混合物
を基質として用い、これに特定の菌の培養液、菌体また
は菌体処理物を作用させることにより、高い光学活性で
R体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを製造で
きることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0009】即ち本発明は、ノカルディア属、ロドコッ
カス属に属し、1−ベンジルオキシ−2−アルカノール
のR体及びS体の混合物に作用させた時、そのS体を選
択的に分解する能力を有する微生物の培養液、菌体また
は菌体処理物を、該1−ベンジルオキシ−2−アルカノ
ールのR体とS体の混合物に作用させ、残存するR体の
1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを採取すること
を特徴とする光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカ
ノールの製造方法である。
カス属に属し、1−ベンジルオキシ−2−アルカノール
のR体及びS体の混合物に作用させた時、そのS体を選
択的に分解する能力を有する微生物の培養液、菌体また
は菌体処理物を、該1−ベンジルオキシ−2−アルカノ
ールのR体とS体の混合物に作用させ、残存するR体の
1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを採取すること
を特徴とする光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカ
ノールの製造方法である。
【0010】本発明において、1−ベンジルオキシ−2
−アルカノールは、R体とS体の混合物が使用される。
その場合、このR体とS体の混合割合は、特に限定され
るものではない。通常は、このR体とS体とが等量程度
混合する、いわゆるラセミ体が使用される。ここでアル
カンとしては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
等の炭素数3〜10の低級アルカンが好適に使用され
る。本発明で使用される1−ベンジルオキシ−2−アル
カノールを具体的に例示すると、1−ベンジルオキシ−
2−プロパノール、1−ベジルオキシ−2−ブタノー
ル、1−ベンジルオキシ−2−ペンタノール、1−ベン
ジルオキシ−2−ヘキサノール等を挙げることができ
る。これらの基質のなかでも特に、1−ベンジルオキシ
−2−プロパノールが最も好適に使用される。こうした
1ーベンジルオキシ−2−アルカノールは、通常、アル
キレンオキサイドとベンジルアルコールを塩基触媒の存
在下に反応させることによって製造される。
−アルカノールは、R体とS体の混合物が使用される。
その場合、このR体とS体の混合割合は、特に限定され
るものではない。通常は、このR体とS体とが等量程度
混合する、いわゆるラセミ体が使用される。ここでアル
カンとしては、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン
等の炭素数3〜10の低級アルカンが好適に使用され
る。本発明で使用される1−ベンジルオキシ−2−アル
カノールを具体的に例示すると、1−ベンジルオキシ−
2−プロパノール、1−ベジルオキシ−2−ブタノー
ル、1−ベンジルオキシ−2−ペンタノール、1−ベン
ジルオキシ−2−ヘキサノール等を挙げることができ
る。これらの基質のなかでも特に、1−ベンジルオキシ
−2−プロパノールが最も好適に使用される。こうした
1ーベンジルオキシ−2−アルカノールは、通常、アル
キレンオキサイドとベンジルアルコールを塩基触媒の存
在下に反応させることによって製造される。
【0011】本発明では、この1−ベンジルオキシ−2
−アルカノールのR体及びS体の混合物(以下、単に基
質混合物とも言う)に、ノカルディア属、ロドコッカス
属に属し、該基質混合物に作用させた時、そのS体を選
択的に分解する能力を有する微生物の培養液、菌体また
は菌体処理物を作用させる。それにより、該基質混合物
は、そのS体のみが選択的に分解され、良好な光学純度
でR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノールが得ら
れる。また、その際の上記1−ベンジルオキシ−2−ア
ルカノールのS体の分解活性は、基質が1−アリールオ
キシ−2−アルカノールであった場合等に比較して、格
段に優れており、良好な分解速度で該反応が進行する。
−アルカノールのR体及びS体の混合物(以下、単に基
質混合物とも言う)に、ノカルディア属、ロドコッカス
属に属し、該基質混合物に作用させた時、そのS体を選
択的に分解する能力を有する微生物の培養液、菌体また
は菌体処理物を作用させる。それにより、該基質混合物
は、そのS体のみが選択的に分解され、良好な光学純度
でR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカノールが得ら
れる。また、その際の上記1−ベンジルオキシ−2−ア
ルカノールのS体の分解活性は、基質が1−アリールオ
キシ−2−アルカノールであった場合等に比較して、格
段に優れており、良好な分解速度で該反応が進行する。
【0012】ここで、上記微生物としては、前記性状を
有するものであれば、何等制限されることなく使用でき
る。具体的には、ノカルディア エリスロポリス(Nocar
udiaerythropolis IAM 1474)、ノカルディア エリスロ
ポリス(Nocarudia erythropolis IAM 1428)、ノカルデ
ィア エリスロポリス(Nocarudia erythropolis IAM139
9)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus eryth
ropolis IFO 12540)、ロドコッカス エクイ(Rhdococcu
s equi ATCC 21329)等が好ましく用いられる。
有するものであれば、何等制限されることなく使用でき
る。具体的には、ノカルディア エリスロポリス(Nocar
udiaerythropolis IAM 1474)、ノカルディア エリスロ
ポリス(Nocarudia erythropolis IAM 1428)、ノカルデ
ィア エリスロポリス(Nocarudia erythropolis IAM139
9)、ロドコッカス エリスロポリス(Rhodococcus eryth
ropolis IFO 12540)、ロドコッカス エクイ(Rhdococcu
s equi ATCC 21329)等が好ましく用いられる。
【0013】上記の微生物を培養するにあたって使用す
る培地としては、公知のものが使用される。例えば、グ
ルコース、シュクロース、フラクトース、グリセロー
ル、ソルビトール、精蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、
肉エキス、酵母エキス、ポリペプトン、ペプトン、硝酸
塩類、アンモニウム塩類等の窒素源、及びリン酸第一カ
リウム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マ
グネシウム等の無機塩類を含有するものであれば特に限
定されない。
る培地としては、公知のものが使用される。例えば、グ
ルコース、シュクロース、フラクトース、グリセロー
ル、ソルビトール、精蜜、可溶性でんぷん等の炭素源、
肉エキス、酵母エキス、ポリペプトン、ペプトン、硝酸
塩類、アンモニウム塩類等の窒素源、及びリン酸第一カ
リウム、リン酸第二カリウム、塩化ナトリウム、硫酸マ
グネシウム等の無機塩類を含有するものであれば特に限
定されない。
【0014】培地の形態は液体、固体のいずれでもよ
い。また、培養の方法は静置培養、振とう培養、通気攪
拌培養のいずれでもよいが、大量培養には通気攪拌によ
る液体培養が適している。培養温度は、15〜45℃、
好ましくは20〜40℃で、通常20〜48時間培養す
るのが好ましい。
い。また、培養の方法は静置培養、振とう培養、通気攪
拌培養のいずれでもよいが、大量培養には通気攪拌によ
る液体培養が適している。培養温度は、15〜45℃、
好ましくは20〜40℃で、通常20〜48時間培養す
るのが好ましい。
【0015】本発明において、前記基質混合物に上記微
生物の培養液、菌体または菌体処理物を作用させる方法
は、微生物を利用した酵素反応において通常行われてい
る基質への作用方法が何等制限なく採用される。例え
ば、前記微生物の培地に上記基質混合物を添加すること
により、作用させる方法が挙げられる。この場合、基質
混合物は、最初から培地に加えても良いし、培養途中で
添加してもよい。
生物の培養液、菌体または菌体処理物を作用させる方法
は、微生物を利用した酵素反応において通常行われてい
る基質への作用方法が何等制限なく採用される。例え
ば、前記微生物の培地に上記基質混合物を添加すること
により、作用させる方法が挙げられる。この場合、基質
混合物は、最初から培地に加えても良いし、培養途中で
添加してもよい。
【0016】また、反応を阻害しない無機または有機の
溶媒中、好ましくは水性溶媒中において、基質混合物に
前記微生物の菌体または菌体処理物を作用させても良
い。なお、本発明において菌体処理物とは、例えば洗浄
菌体、乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体の自己消化物、菌体
の超音波処理物、菌体抽出物等が特に制限されることな
く使用される。ここで、菌体、菌体抽出物等は、公知の
菌体、酵素の固定化方法により固定化したものを用いる
こともできる。
溶媒中、好ましくは水性溶媒中において、基質混合物に
前記微生物の菌体または菌体処理物を作用させても良
い。なお、本発明において菌体処理物とは、例えば洗浄
菌体、乾燥菌体、菌体磨砕物、菌体の自己消化物、菌体
の超音波処理物、菌体抽出物等が特に制限されることな
く使用される。ここで、菌体、菌体抽出物等は、公知の
菌体、酵素の固定化方法により固定化したものを用いる
こともできる。
【0017】本発明において、このようにして微生物の
培養液、菌体または菌体処理物を作用させる際の基質混
合物の濃度は、特に制限されるものではない。通常、
0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜5
重量%から適宜採択すれば良い。 また、本発明におい
て、基質混合物に微生物の培養液、菌体または菌体処理
物を作用させる際の反応媒体のpHは、特に制限される
ものではないが、通常、pH6〜9の範囲であるのが好
ましい。さらに、作用させる際の菌体または菌体処理物
の濃度は、菌体処理物の精製度等の違いにより一概には
決定することはできないが、通常、タンパク質量で0.
05〜10重量%の範囲から適宜採択される。なお、作
用温度は、特に制限されるものではないが、10〜50
度好ましくは30〜45度の範囲が好適である。作用時
間については、前記した通りS体の1−ベンジルオキシ
−2−アルカノールの分解は迅速に進行するため、本発
明では該作用時間を短く設定できる。具体的には、基質
濃度及び使用する菌株の種類によって左右されるため一
概に決めることはできないが、通常、3〜80時間の範
囲から設定される。
培養液、菌体または菌体処理物を作用させる際の基質混
合物の濃度は、特に制限されるものではない。通常、
0.01〜10重量%の範囲、好ましくは0.05〜5
重量%から適宜採択すれば良い。 また、本発明におい
て、基質混合物に微生物の培養液、菌体または菌体処理
物を作用させる際の反応媒体のpHは、特に制限される
ものではないが、通常、pH6〜9の範囲であるのが好
ましい。さらに、作用させる際の菌体または菌体処理物
の濃度は、菌体処理物の精製度等の違いにより一概には
決定することはできないが、通常、タンパク質量で0.
05〜10重量%の範囲から適宜採択される。なお、作
用温度は、特に制限されるものではないが、10〜50
度好ましくは30〜45度の範囲が好適である。作用時
間については、前記した通りS体の1−ベンジルオキシ
−2−アルカノールの分解は迅速に進行するため、本発
明では該作用時間を短く設定できる。具体的には、基質
濃度及び使用する菌株の種類によって左右されるため一
概に決めることはできないが、通常、3〜80時間の範
囲から設定される。
【0018】以上により、基質混合物の加水分解反応を
行った後、残存するR体の1−ベンジルオキシ−2−ア
ルカノールを採取する。この生成物の採取は、特に制限
されるものではなく、例えば酢酸エチル或いは塩化メチ
レン等の溶媒によって抽出することにより容易に実施す
ることができる。
行った後、残存するR体の1−ベンジルオキシ−2−ア
ルカノールを採取する。この生成物の採取は、特に制限
されるものではなく、例えば酢酸エチル或いは塩化メチ
レン等の溶媒によって抽出することにより容易に実施す
ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、前記ノカルディア属、
ロドコッカス属に属する微生物の培養液、菌体または菌
体処理物を、1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの
R体とS体の混合物に作用させることにより、良好な光
学活性で迅速にR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカ
ノールを得ることができる。この1−ベンジルオキシ−
2−アルカノールは、ベンジル基が水素還元で容易に除
去できる構造であり、そのため、該化合物は、このよう
にしてベンジル基を除去した後、種々の官能基を導入す
ることにより、光学活性が要求される各種の用途の工業
原料として有効に使用できる。従って、本発明は、光学
活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを効率的に
得る方法として、極めて有用である。
ロドコッカス属に属する微生物の培養液、菌体または菌
体処理物を、1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの
R体とS体の混合物に作用させることにより、良好な光
学活性で迅速にR体の1−ベンジルオキシ−2−アルカ
ノールを得ることができる。この1−ベンジルオキシ−
2−アルカノールは、ベンジル基が水素還元で容易に除
去できる構造であり、そのため、該化合物は、このよう
にしてベンジル基を除去した後、種々の官能基を導入す
ることにより、光学活性が要求される各種の用途の工業
原料として有効に使用できる。従って、本発明は、光学
活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールを効率的に
得る方法として、極めて有用である。
【0020】
【実施例】以下、実施例を揚げて本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
【0021】実施例1 (1)基質の合成 攪拌器、温度計を備え付けた4つ口フラスコにプロピレ
ンオキサイド232.3g(4mol)、ベンジルアル
コール216.3g(2mol)、ナトリウムエトキサ
イド13.6g(0.2mol)を加え、40℃に昇温
し、10時間攪拌した。反応終了後、水400mlと塩
化メチレン400mlを加え、塩化メチレン相を分液
し、これを硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた塩
化メチレン溶液から、塩化メチレンを留去し、5Tor
rの圧力下、120℃で蒸留すると、1−ベンジルオキ
シ−2−プロパノールのラセミ体が279.2g(収率
84%)取得された。
ンオキサイド232.3g(4mol)、ベンジルアル
コール216.3g(2mol)、ナトリウムエトキサ
イド13.6g(0.2mol)を加え、40℃に昇温
し、10時間攪拌した。反応終了後、水400mlと塩
化メチレン400mlを加え、塩化メチレン相を分液
し、これを硫酸マグネシウムで乾燥させた。得られた塩
化メチレン溶液から、塩化メチレンを留去し、5Tor
rの圧力下、120℃で蒸留すると、1−ベンジルオキ
シ−2−プロパノールのラセミ体が279.2g(収率
84%)取得された。
【0022】(2)(R)−1−ベンジルオキシ−2−
プロパノールの製造 2.0%(重量/容量)グルコース、1.0%スクロー
ス、1.0%肉エキス、0.5%ペプトン、1.0%酵
母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.3%リン酸第
二カリウム、0.2%リン酸第一カリウム、0.1%硫
酸マグネシウム・7水和物を溶解した、pH7の培地を
5ml試験管に分注し、ノカルディアエリスロポリス
IAM 1474菌を斜面培養から、1白金耳接種し、
30℃で48時間振とう培養を行った。培養後、培養液
5mlに1−ベンジルオキシ−2−プロパノールのラセ
ミ体を基質濃度が0.1%(重量/容積)となるように
添加し、引き続き30℃で6時間振とう培養した。反応
後、5mlの酢酸エチルを加えて抽出した。この抽出液
を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、アル
コール残存率43.1%、光学純度100%で(R)−
1−ベンジルオキシ−2−プロパノールが製造されてい
た。
プロパノールの製造 2.0%(重量/容量)グルコース、1.0%スクロー
ス、1.0%肉エキス、0.5%ペプトン、1.0%酵
母エキス、0.3%塩化ナトリウム、0.3%リン酸第
二カリウム、0.2%リン酸第一カリウム、0.1%硫
酸マグネシウム・7水和物を溶解した、pH7の培地を
5ml試験管に分注し、ノカルディアエリスロポリス
IAM 1474菌を斜面培養から、1白金耳接種し、
30℃で48時間振とう培養を行った。培養後、培養液
5mlに1−ベンジルオキシ−2−プロパノールのラセ
ミ体を基質濃度が0.1%(重量/容積)となるように
添加し、引き続き30℃で6時間振とう培養した。反応
後、5mlの酢酸エチルを加えて抽出した。この抽出液
を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、アル
コール残存率43.1%、光学純度100%で(R)−
1−ベンジルオキシ−2−プロパノールが製造されてい
た。
【0023】光学活性の分析条件は以下のとうりであっ
た。
た。
【0024】カラム:Chiralcell OD
(4.6×250mm) ダイセル化学工業(株)製 溶媒 :5%イソプロピルアルコール/95%n−ヘキ
サン 流速 :0.3ml/min 検出 :254nm 実施例2 表1に示した菌株を用い、実施例1と同様な操作を行っ
た。8時間培養後のアルコール残存率と光学純度は表1
に示す通りであった。
(4.6×250mm) ダイセル化学工業(株)製 溶媒 :5%イソプロピルアルコール/95%n−ヘキ
サン 流速 :0.3ml/min 検出 :254nm 実施例2 表1に示した菌株を用い、実施例1と同様な操作を行っ
た。8時間培養後のアルコール残存率と光学純度は表1
に示す通りであった。
【0025】
【表1】
【0026】実施例3 1−ベンジルオキシ−2−プロパノールのラセミ体の基
質濃度を0.5%(重量/容量)とした以外は実施例1
と同様な操作を行った。36時間振とう培養後の1−ベ
ンジルオキシ−2−プロパノールの残存率は51.0%
であり、光学純度(R体)は95.9%であった。この
反応の経時変化を図1に示した。
質濃度を0.5%(重量/容量)とした以外は実施例1
と同様な操作を行った。36時間振とう培養後の1−ベ
ンジルオキシ−2−プロパノールの残存率は51.0%
であり、光学純度(R体)は95.9%であった。この
反応の経時変化を図1に示した。
【0027】比較例1 基質を1−フェノキシ−2−プロパノールのラセミ体に
変えた以外は、実施例3と同様な操作を行った。36時
間振とう培養後の1−フェノキシ−2−プロパノールの
残存率は94.6%であり、その光学純度(R体)は
0.0%となりほとんど分解反応は進行しなかった。こ
の反応の経時変化を図1に示した。
変えた以外は、実施例3と同様な操作を行った。36時
間振とう培養後の1−フェノキシ−2−プロパノールの
残存率は94.6%であり、その光学純度(R体)は
0.0%となりほとんど分解反応は進行しなかった。こ
の反応の経時変化を図1に示した。
【図1】図1は、実施例1における1−ベンジルオキシ
−2−プロパノールの残存率及び光学活性(R体)の経
時変化、並びに比較例1における1−フェノキシ−2−
プロパノールの残存率及び光学活性(R体)の経時変化
を示す図である。図中、−●−は1−ベンジルオキシ−
2−プロパノールの残存率、−○−は1−ベンジルオキ
シ−2−プロパノールの光学活性(R体)、−■−は1
−フェノキシ−2−プロパノールの残存率、−□−は1
−フェノキシ−2−プロパノールの光学活性(R体)を
示す。
−2−プロパノールの残存率及び光学活性(R体)の経
時変化、並びに比較例1における1−フェノキシ−2−
プロパノールの残存率及び光学活性(R体)の経時変化
を示す図である。図中、−●−は1−ベンジルオキシ−
2−プロパノールの残存率、−○−は1−ベンジルオキ
シ−2−プロパノールの光学活性(R体)、−■−は1
−フェノキシ−2−プロパノールの残存率、−□−は1
−フェノキシ−2−プロパノールの光学活性(R体)を
示す。
Claims (1)
- 【請求項1】ノカルディア属、ロドコッカス属に属し、
1−ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体及びS体
の混合物に作用させた時、そのS体を選択的に分解する
能力を有する微生物の培養液、菌体または菌体処理物
を、該1−ベンジルオキシ−2−アルカノールのR体と
S体の混合物に作用させ、残存するR体の1−ベンジル
オキシ−2−アルカノールを採取することを特徴とする
光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30390693A JPH07155195A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30390693A JPH07155195A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07155195A true JPH07155195A (ja) | 1995-06-20 |
Family
ID=17926696
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30390693A Pending JPH07155195A (ja) | 1993-12-03 | 1993-12-03 | 光学活性1−ベンジルオキシ−2−アルカノールの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07155195A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103343101A (zh) * | 2013-06-21 | 2013-10-09 | 赤峰创诺医药科技有限公司 | 土霉素菌种斜面培养基 |
-
1993
- 1993-12-03 JP JP30390693A patent/JPH07155195A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN103343101A (zh) * | 2013-06-21 | 2013-10-09 | 赤峰创诺医药科技有限公司 | 土霉素菌种斜面培养基 |
| CN103343101B (zh) * | 2013-06-21 | 2015-03-25 | 赤峰创诺医药科技有限公司 | 土霉素菌种斜面培养基 |
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