JPH09100376A - 熱可塑性樹脂組成物及び成形材料 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及び成形材料

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JPH09100376A
JPH09100376A JP25868395A JP25868395A JPH09100376A JP H09100376 A JPH09100376 A JP H09100376A JP 25868395 A JP25868395 A JP 25868395A JP 25868395 A JP25868395 A JP 25868395A JP H09100376 A JPH09100376 A JP H09100376A
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JP
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thermoplastic resin
propylene
resin composition
polyurethane resin
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JP25868395A
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Kazuo Kuba
一生 久場
Yoshinori Kanekawa
善典 金川
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
    • C08L75/00Compositions of polyureas or polyurethanes; Compositions of derivatives of such polymers
    • C08L75/04Polyurethanes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、耐摩耗性に優れ、さらに剛性、耐
衝撃性、低比重の特徴をもつ熱可塑性樹脂組成物である
ため、スキーブーツ等のスポーツシューズのソール、タ
イヤチェーン、自動車外装材等の射出成形品、チュー
ブ、フィルム、電線被覆材等の押出成形品に好適な成形
材料である。 【解決手段】 本発明は、(A)熱可塑性ポリウレタン
樹脂と(B)溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族ビ
ニル単量体および2−ヒドロキシエチルメタクリレート
を溶融混練重合反応させて得られる変性プロピレン系重
合体とからなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物に
関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリウレ
タン樹脂と変性プロピレン系重合体とからなる熱可塑性
樹脂で、耐摩耗性、剛性、耐衝撃性を有し射出および押
出成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物を提供するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリウレタン樹脂は、耐摩耗
性、機械的強度、耐油性等の優れた物性を有する熱可塑
性エラストマーであり、スポーツシューズのソール、タ
イヤチェーン等の射出成形品、空圧チューブ、フィルム
等の押出成形品に使用されている。しかしながら、熱可
塑性ポリウレタン樹脂は吸水性、比重が比較的大きい、
成形性が劣る等の問題があり、これらの解決を目的とし
てポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂とのアロ
イが提案されてきた。
【0003】しかしながらこれまで提案されてきた熱可
塑性ポリウレタン樹脂とポリオレフィン樹脂とのアロイ
(特開平2−36248号公報、特開平2−25584
6号公報)では、熱可塑性ポリウレタン樹脂と無水マレ
イン酸等の官能基を中心とした変性ポリプロピレン樹脂
とのアロイであり、成形品の表面外観、機械強度の改良
に関するものであった。
【0004】即ち、従来より提案されてきた熱可塑性ポ
リウレタン樹脂とポリオレフィン樹脂とのアロイは、両
樹脂の相溶性の改善により単体樹脂同士のブレンド物に
比較して成形品の表面外観向上、引張強度等の機械強度
の改良を主体としたものであり、官能基と熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂との相互作用、さらに熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂本来の特性である耐摩耗性等への効果について検
討されてはいなかった。また、これらのアロイに使用さ
れた官能基変性ポリオレフィンは、熱可塑性ポリウレタ
ン樹脂とアロイにした場合、耐摩耗性が大きく低下し、
単体樹脂同士のブレンド物に比較して表面性は向上する
ものの熱可塑性ポリウレタン樹脂の特性を備えたアロイ
といえるものではなかった。
【0005】一方本発明者らは、先に溶融状態のプロピ
レン系重合体と芳香族ビニル系単量体とを溶融混練重合
反応させることにより得られる変性プロピレン系重合体
樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂とからなる熱可塑性樹
脂組成物(特開平6−240096号公報)を提案して
いるが、相溶性、吸水性等の改良を中心としたものであ
り、耐摩耗性について優れるものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の樹脂
組成物の問題点を解消し、耐摩耗性に優れ、さらに剛
性、耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の従
来の欠点を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、公知の官
能基の中で特定の官能基含有化合物を選択することによ
り、熱可塑性ポリウレタン樹脂とポリオレフィン樹脂と
の反応性を向上し、成形品の表面外観(相溶性)、耐摩
耗性を改善することができることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0008】即ち、本発明は、(A)熱可塑性ポリウレ
タン樹脂(B)溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族
ビニル単量体および2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トを溶融混練重合反応させて得られる変性プロピレン系
重合体とからなる熱可塑性樹脂組成物からなり、好まし
くは(A):(B)の割合が、90〜10重量%:10
〜90重量%であること、2−ヒドロキシエチルメタク
リレートを、プロピレン系重合体に対して0.5重量%
以上添加して溶融混練重合反応して得られる変性プロピ
レン系重合体を用いること、好ましくは芳香族ビニル単
量体を2−ヒドロキシエチルメタクリレートの同量以上
添加して溶融混練重合反応して得られる変性プロピレン
系重合体を用いることを特徴とする耐摩耗性、剛性、耐
衝撃性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供するものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
【0010】(構成)本発明の変性プロピレン系重合体
(B)を製造する際に用いられるプロピレン系重合体
は、プロピレン単独重合体およびプロピレンを主体とす
る他のオレフィンまたはエチレン性ビニル単量体との共
重合体(何れもプロピレン75重量%以上の共重合体)
であり、具体的にはアイソタクチックポリプロピレン、
プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン共
重合体等がある。これらのプロピレン系重合体を混合し
て使用することもできる。また、プロピレン系重合体の
性質を損なわない範囲で他の重合体を使用することもで
きる。
【0011】この溶融混練重合反応を行なうビニル単量
体の内、芳香族ビニル単量体としては、例えば、スチレ
ン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレ
ン、エチルビニルベンゼン、イソプロピルスチレン、ク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン等が
挙げられ、単独または混合して用いられる。
【0012】該芳香族ビニル単量体の添加量は、プロピ
レン系重合体の50重量%以下、好ましくは1〜35重
量%である。50重量%を越えるとプロピレン系重合体
の性能が損なわれ好ましくない。また芳香族ビニル単量
体はプロピレン系重合体の低分子量化を防止及び熱可塑
性ポリウレタン樹脂との相溶性向上のため、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートの添加量の少なくとも同量以
上、好ましくは1〜5倍量添加することが好ましい。同
量以下でこの反応を行った場合、プロピレン系重合体の
低分子量化等の弊害が起こる場合があり、好ましくな
い。
【0013】また、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
トの添加量は、プロピレン系重合体の10重量%以下、
0.5重量%以上であることが必要であり、好ましくは
1重量%以上である。10重量%を越えると、未反応モ
ノマー量が増え、組成物の粘着性、機械的物性等悪影響
が起こる場合があり好ましくない。また、0.5重量%
より少ないと熱可塑性ポリウレタン樹脂(A)との相溶
性改良効果が少なく好ましくない。
【0014】官能基モノマーをプロピレン系重合体にグ
ラフト反応させる場合にラジカル開始剤を使用する。ラ
ジカル開始剤としては、本発明の特徴から上記のビニル
単量体に溶解しやすく、また本反応がプロピレン系重合
体の溶融混練温度で重合を行うために1分間の半減期を
得るための分解温度が、130〜250℃であることが
望ましい。具体例を挙げれば、t−ブチルパーオクテー
ト、ビス(t−ブチルパーオキシ)トリメチルシクロヘ
キサン、シクロヘキサノンパーオキサイド、ベンゾイル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
パーベンゾエート、ジメチル ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、ジメチル ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン等が挙げられる。該有機過酸化物の使用量は、
該ビニル単量体100重量部に対して好ましくは0.1
〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部とするのが
良い。
【0015】その他の添加剤としては、プロピレン系重
合体がポリエチレンと異なりラジカル崩壊性のポリマー
であるので安定剤の添加が好ましい。但し、芳香族ビニ
ル単量体の重合を妨げないよう種類及び添加量を考慮す
る必要がある。例えば、ペンタエリスリチル‐テトラキ
ス((ジ−t−ブチル−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)、オクデシル(ジ−t−ブチル−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、チオビス(メチル t−ブチ
ルフェノール)、トリメチル−トリス(ジt−ブチルヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン等のヒンダードフェノール
系安定剤、テトラキス(ジ−t−ブチルフェニル)ビフ
ェニレンフォスファイト、トリス(ジt−ブチルフェニ
ル)フォスファイト等の燐系安定剤、ステアリン酸亜
鉛、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸、酸化マグネ
シウム、ハイドロタルサイト等の制酸吸着剤がある。該
安定剤の使用量は、プロピレン系重合体100重量部に
対して好ましくは0.01から1重量部、より好ましく
は0.05から0.5重量部である。
【0016】プロピレン系重合体と芳香族ビニル単量体
および2−ヒドロキシエチルメタクリレートとの溶融混
練重合反応は、バンバリーミキサー等の密閉容器、押出
機等の連続的な混練機を用いてできる。押出機の方が、
造粒等工業的な生産を考えた場合好ましい。更に、2軸
押出機の方が、反応物の供給、混練、重合時間等の管理
が容易である。
【0017】変性プロピレン系重合体の製造は、粉末ま
たはペレット状のプロピレン系重合体を押出機に供給し
加圧しながら130〜250℃に加熱して結晶性プロピ
レン系重合体を溶融させながら、芳香族ビニル単量体お
よび2−ヒドロキシエチルメタクリレートを溶融混練重
合反応後、ダイから排出されたストランドを冷却し、ペ
レタイザーを用いてペレットとする。
【0018】芳香族ビニル単量体および2−ヒドロキシ
エチルメタクリレート(ビニル単量体と言う)は、あら
かじめプロピレン系重合体と混合した後、押出機に供給
しても良いし、液体用フィーダーを用いて溶融状態のプ
ロピレン系重合体に供給しても良いが予めプロピレン系
重合体に混合して含浸させておくことが好ましい。
【0019】ラジカル開始剤は、あらかじめビニル単量
体に溶解して添加しても良いし液体用フィーダーを用い
てプロピレン系重合体とビニル単量体との混合物に添加
しても良い。また安定剤はプロピレン系重合体に予めヘ
ンシェルミキサー等を用いて混合しておくことが好まし
い。
【0020】本発明で用いられる熱可塑性ポリウレタン
樹脂(A)は、公知の方法により得ることができる。即
ち有機ジイソシアネート(I)と平均分子量が500〜
4000のジヒドロキシ化合物(II)と分子量が500
より小さいジヒドロキシ化合物(III)において、(I)
と予め均一に混合した(II)及び(III)とを高速攪拌
混合して離型処理したバット上に流延して必要に応じて
200℃以下の温度で反応させて製造するか、又は、
(I)と(II)とを反応させて末端イソシアネート基の
プレポリマーとした後、これに(III)を加えて高速攪
拌混合し離型処理したバット上に流延して必要に応じて
200℃以下の温度で反応させて製造する方法等があ
る。
【0021】ここで有機ジイソシアネートとしては、従
来より公知のものがいずれも使用できるが、例えばヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネー
ト、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシア
ネート、シクロヘキサンジイソシアネート、トルイジン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジイ
ソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、1,
5−ナフチレンジイソシアネートおよびこれらの混合物
が使用できる。
【0022】分子量が500より小さいジヒドロキシ化
合物としては、エチレングリコール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,3−プロピレングリコール、2,3
−ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,
2´−ジメチル−1,3−プロパンジオール、ジエチレ
ングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、
シクロヘキサン−1,4−ジメタノールなどの単独或い
は混合物が挙げられる。
【0023】また平均分子量が500〜4000のジヒ
ドロキシ化合物としては、ポリエステルジオール、ポリ
エーテルジオール、ポリカーボネートジオール等が挙げ
られる。
【0024】ポリエステルジオールとしては、エチレン
グリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジ
オール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,
5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール、
或いはその他の低分子ジオール成分の1種叉は2種以上
とグルタル酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸等の低分子ジカルボン酸の1種叉は2
種以上との縮合重合物やラクトンの開環重合で得たポリ
ラクトンジオール、例えばポリプロピオラクトンジオー
ル、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトン
ジオール等が挙げられる。
【0025】ポリエーテルジオールとしては、ポリプロ
ピレンエーテルグリコール、ポリテトラメチレンエーテ
ルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコー
ル、その他の共重合ポリエーテルグリコール等が挙げら
れる。
【0026】ポリカーボネートジオールとしては、ポリ
ヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリヘキサメチ
レンカーボネートジオールにラクトンを開環付加重合し
て得られるジオール、ポリヘキサメチレンカーボネート
ジオールと他のポリエステルジオール、ポリエーテルジ
オール、ポリエーテル・エステルジオールとの共縮合物
等が挙げられる。
【0027】本発明中の熱可塑性樹脂組成物は、必須成
分としての変性プロピレン重合体の他、その他ポリオレ
フィン成分を含んでも良い。ポリオレフィン成分として
は例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、エチ
レンー酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重
合体等のポリオレフィン成分を添加配合しても良く、変
性プロピレン系重合体を単独用いても良い。
【0028】本発明中の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑
性ポリウレタン樹脂を好ましくは90〜10重量%、よ
り好ましくは70〜30重量%と、前記の変性プロピレ
ン系重合体樹脂好ましくは10〜90重量%、より好ま
しくは30〜70重量%の割合で配合し混合または混練
を行った熱可塑性樹脂組成物である。
【0029】該熱可塑性樹脂組成物において変性プロピ
レン系重合体が10重量%未満では、ポリプロピレン樹
脂による低比重化、剛性の向上、成形加工性等での改良
効果が得られない。一方、熱可塑性ポリウレタン樹脂が
10重量%未満では熱可塑性ポリウレタン樹脂による、
耐摩耗性、耐衝撃性、耐油性等の効果が得られないので
好ましくない。
【0030】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、これら
の必須成分の他に付加的成分を発明の効果を損なわない
範囲で添加することができる。付加的成分としては、例
えば、可塑剤、他の熱可塑樹脂、ゴム、無機フィラー、
顔料、各種安定剤(酸化防止剤、光安定剤、帯電防止
剤、ブロッキング防止剤、滑剤、銅化合物)等である。
【0031】本発明中の熱可塑性樹脂組成物の製造は、
上記樹脂成分をヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リ
ボンブレンダー、タンブラーブレンダー等でドライブレ
ンドした後、この混合物を一軸、または二軸押出機、ロ
ール、バンバリーミキサー等混練機で溶融混練してペレ
ット化又は粉砕し得ることができる。かくして得られた
熱可塑性樹脂組成物を射出および押出成形することによ
り、熱可塑性ポリウレタン樹脂の特長である耐摩耗性を
損なうことなく、剛性、耐衝撃性に優れた熱可塑性成形
品を得ることができる。
【0032】かくすることにより、本発明の耐摩耗性に
優れた熱可塑性樹脂組成物をを提供することができる。
【0033】
【実施例】次に、本発明を、実施例、比較例により詳細
に説明するが本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。以下において部および%は特に断わりのないか
ぎりすべて重量基準であるものとする。熱可塑性樹脂組
成物の成形、物性評価等については以下の通りである。
【0034】「硬度」JIS硬度計を用いてダンベル状
試片の硬度を測定した。
【0035】「テーバー摩耗量」JIS K7311に
準じテーバー摩耗試験器(東洋精機社製)を使用して、
100mm×100mm×2mm(厚み)の試片につい
て、摩耗輪H−22にて1000回の回転後の摩耗量を
測定した。
【0036】「比重」Mirage Trading社
製比重測定器により、23℃における射出試片の比重を
測定した。
【0037】「曲げ弾性率」各々の樹脂ペレットについ
て、射出成形機(大隈クラウスマファイ社製)にて曲げ
試験用角棒を得、JIS K7203に準じ曲げ弾性率
を測定し評価した。
【0038】「引張強度および伸び」各々の樹脂ペレッ
トについて、射出成形機(大隈クラウスマファイ社製)
にて成形したプレートからダンベル状試片を得、JIS
K7311に準じ引張強度および伸びを測定し評価し
た。
【0039】「衝撃強度」ASTM D256に準じて
23℃および−30℃におけるノッチ付きアイゾット衝
撃試験を行った。試験において試片が完全に破壊せず、
途中までクラックが入ったものは、評価をHBと記載し
た。
【0040】「成形プレート外観」射出成形した成形プ
レートの表面外観を3段階に分けて評価した。 ○:層剥離がなく均一な表面状態。 △:一部層剥離が発生。 ×:層剥離が大きい。
【0041】「分散粒子径」走査型電子顕微鏡(SEM)
(トプコン社製)にて成形試片の分散相の粒子径を観察
した。
【0042】(実施例1) <変性ポリプロピレンの製造>ブラベンダー社(ドイ
ツ)製30mm二軸押出機をバレル温度200℃(但し
フィーダー部180℃)、ダイス温度210℃に設定し
た。粉末状のポリプロピレン(ハイポールJ740P、
三井石油化学社製)920部にイルガノックス1010
(チバガイキー社製安定剤)0.5部、ホスファイト1
68(チバガイキー社製安定剤)0.5部、ステアリン
酸カルシウム(安定剤)1部を混合した。スチレン56
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート24部にパー
ヘキシン25B(日本油脂社製)2.4部を混合した物
を先の粉末ポリプロピレン配合物にドライブレンドし
た。得られたドライブレンド物を押出機に供給し、押出
機内で15rpmにて溶融混練してグラフト反応を行
い、ペレタイザーを通して変性ポリプロピレンのペレッ
トを得た。押出生成物のスチレン含量は生成物の赤外線
分光分析を用いて700cm-1(スチレンに帰属)と13
80cm-1(ポリプロピレンに帰属)との比を用いて検量
線からポリスチレン含量が5.3%であった。
【0043】<熱可塑性樹脂組成物の製造>上記の方法
で得られた変性ポリプロピレン700部とエーテル系熱
可塑性ポリウレタン樹脂(パンデックスT−8295
N、大日本インキ化学工業社製;以下TPU−1と略
称)300部を用いて220℃にて混練してペレット化
し、射出成形試片により各種物性を評価した。結果を第
1表に示した。該組成物は反応押出し時のトルク値が高
く、熱可塑性ポリウレタン樹脂と官能基である2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートとの反応による増粘が示唆
され、テーバー摩耗性、アイゾット衝撃強度、成形品の
表面外観に優れるものであった。
【0044】(実施例2)実施例1の変性ポリプロピレ
ン500部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU−1)
500部を配合し、以下実施例1と同様にして評価し
た。走査型電顕観察から分散相の粒子径は1〜3μmと
小さく、テーバー摩耗性に優れていた。
【0045】(実施例3)実施例1の変性ポリプロピレ
ン300部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU−1)
700部を配合し、以下実施例1と同様にして成形を行
い評価した。
【0046】(実施例4)実施例1の変性ポリプロピレ
ンの製造において、粉末状のポリプロピレン(ハイポー
ルJ340P、三井石油化学社製)920部に代えた以
外は実施例1と同様にして変性ポリプロピレンを製造し
た。得られた変性ポリプロピレン700部と熱可塑性ポ
リウレタン樹脂(TPU−1)300部を配合し、これ
を二軸押出機を用いて220℃にて混練してペレット化
し、以後実施例1と同様にして評価した。該組成物は、
テーバー摩耗性、機械物性等に優れるものであった。
【0047】(実施例5)実施例4の変性ポリプロピレ
ン500部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU−1)
500部を配合し、これを二軸押出機を用いて220℃
にて混練してペレット化し、以後実施例1と同様にして
評価した。
【0048】(比較例1)実施例1の変性ポリプロピレ
ンの製造において、粉末状のポリプロピレン(ハイポー
ルJ740P、三井石油化学社製)920部、スチレン
56部、極性官能基を2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートからグリシジルメタクリレート24部に代えて、パ
ーヘキシン25B(日本油脂社製)2.4部を加えて、
実施例1と同様にして変性ポリプロピレンを製造した。
得られた変性ポリプロピレン700部と熱可塑性ポリウ
レタン樹脂(TPU−1)300部を用いて220℃に
て混練してペレット化し、各種の物性を評価した。該組
成物は、テーバー摩耗量が大きく、しかも伸びも小さい
ものとなった。
【0049】(比較例2)未変性の粉末状のポリプロピ
レン(ハイポールJ740P、三井石油化学社製)70
0部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU−1)300
部を用いて220℃にて混練してペレット化し、比較例
1と同様にして評価した。
【0050】(比較例3)比較例1と同様の変性ポリプ
ロピレン500部と、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TP
U−1)500部を用いて220℃にて混練してペレッ
ト化し、比較例1と同様にして評価した。
【0051】(比較例4)比較例2と同様の未変性ポリ
プロピレン500部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TP
U−1)500部を用いて220℃にて混練してペレッ
ト化し、比較例1と同様にして評価した。該組成物は、
テーバー摩耗量が大きく機械強度の小さいものであっ
た。
【0052】(比較例5)比較例1と同様の変性ポリプ
ロピレン300部と、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TP
U−1)700部を用いて比較例1と同様にして評価し
た。
【0053】(比較例6)比較例2と同様にして未変性
ポリプロピレン300部と熱可塑性ポリウレタン樹脂
(TPU−1)700部を用いて220℃にて混練ペレ
ット化し、比較例1と同様にして評価した。該組成物は
層剥離が発生し、相溶性、テーバー摩耗性に劣るもので
あった。走査型電顕観察による分散相粒子径は、10〜
15μmと大きく結果を裏付けるものであった。
【0054】(比較例7)実施例1の変性ポリプロピレ
ンの製造において、粉末状のポリプロピレン(ハイポー
ルJ740P、三井石油化学社製)920部、スチレン
56部、極性官能基を2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートから2−ヒドロキシエチルアクリレート24部に代
えて、パーヘキシン25B(日本油脂社製)2.4部を
加えて、実施例1と同様にして変性ポリプロピレンを製
造した。得られた変性ポリプロピレン300部と熱可塑
性ポリウレタン樹脂(TPU−1)700部を用いて2
20℃にて混練ペレット化し、各種の物性を評価した。
【0055】(比較例8)実施例1の変性ポリプロピレ
ンの製造において、粉末状のポリプロピレン(ハイポー
ルJ740P、三井石油化学社製)920部、スチレン
56部、極性官能基を2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートから4−ヒドロキシブチルアクリレート24部に代
えて、パーヘキシン25B(日本油脂社製)2.4部を
加えて、実施例1と同様にして変性ポリプロピレンを製
造した。得られた変性ポリプロピレン300部と熱可塑
性ポリウレタン樹脂(TPU−1)700部を用いて2
20℃にて混練ペレット化し、各種の物性を評価した。
【0056】(比較例9)実施例1の変性ポリプロピレ
ンの製造において、粉末状のポリプロピレン(ハイポー
ルJ340P、三井石油化学社製)955部、スチレン
30部、極性官能基を2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ートから無水マレイン酸15部に代えて、パーヘキシン
25B(日本油脂社製)1.35部を加えて、実施例1
と同様にして変性ポリプロピレンを製造した。得られた
変性ポリプロピレン700部と熱可塑性ポリウレタン樹
脂(TPU−1)300部を用いて220℃にて混練ペ
レット化し、各種の物性を評価した。
【0057】(比較例10)比較例9の変性ポリプロピ
レン500部と熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU−
1)500部を用いて比較例1と同様にして評価した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【発明の効果】本発明は、熱可塑性ポリウレタン樹脂と
変性プロピレン系重合体とからなる熱可塑性樹脂で、耐
摩耗性に優れ、さらに剛性、耐衝撃性、低比重の特徴を
もつ射出および押出成形性に優れる熱可塑性樹脂組成物
であり、スキーブーツ等のスポーツシューズのソール、
タイヤチェーン、自動車外装材等の射出成形品、チュー
ブ、フィルム、電線被覆材等の押出成形品に好適な成形
材料を提供するものである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性ポリウレタン樹脂(B)
    溶融状態のプロピレン系重合体に芳香族ビニル単量体お
    よび2−ヒドロキシエチルメタクリレートを溶融混練重
    合反応させて得られる変性プロピレン系重合体とからな
    ることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A):(B)の割合が、90〜10重
    量%:10〜90重量%であることを特徴とする請求項
    1記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 2−ヒドロキシエチルメタクリレート
    を、プロピレン系重合体に対して0.5重量%以上添加
    して溶融混練重合反応して得られる変性プロピレン系重
    合体を用いることを特徴とする請求項1〜2記載の熱可
    塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 芳香族ビニル単量体を2−ヒドロキシエ
    チルメタクリレートの同量以上添加して溶融混練重合反
    応して得られる変性プロピレン系重合体を用いることを
    特徴とする請求項1〜3記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかの熱可塑性樹脂
    組成物からなることを特徴とする成形材料。
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