JP3358334B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JP3358334B2
JP3358334B2 JP26977794A JP26977794A JP3358334B2 JP 3358334 B2 JP3358334 B2 JP 3358334B2 JP 26977794 A JP26977794 A JP 26977794A JP 26977794 A JP26977794 A JP 26977794A JP 3358334 B2 JP3358334 B2 JP 3358334B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱性、耐衝撃性、耐
溶剤性に優れた成形品を与える、成形性の優れた樹脂組
成物に関する。この成形品は、自動車部品、電気及び電
子機器部品、例えば、スイッチ、ハウジングおよび中空
容器等広い分野で使用できる。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリエチレンに代表さ
れる結晶性のオレフィン系樹脂は、成形加工性、耐吸水
性、耐溶剤性が優れ、かつ安価で比重が軽いことから、
広く各種成形品の製造に利用されている。しかし、耐熱
性がそれほど高くないことが、エンジニアリングプラス
チック用途への利用の障害になっている。一方、4,
4′−ジヒドロキシジフェニルアルカン系ポリカーボネ
ートで代表される芳香族ポリカーボネート樹脂は、事務
機器外装部材、電子機器部材の成形用樹脂として広く使
用されている。この樹脂は、機械的強度、熱的性質に優
れているが、溶融粘度が高く、そのため比較的高い成形
温度(260〜300℃)、高い成形圧力(1,000
〜2,000kg/cm2 )が必要であることが成形上
の難点とされている。また、塗料などに対する耐溶剤性
が低く、用途が限定されている。
【0003】そこで、オレフィン系樹脂とポリカーボネ
ートを配合して、耐熱性がよく、成形性の改良された材
料を提供しようという試みがなされている。しかし、こ
の方法では衝撃強度が大幅に低下してしまうため、ポリ
オレフィンを変性して相溶性を向上させたり少量の熱可
塑性エラストマーを配合したりして衝撃強度の向上を計
っている。
【0004】変性オレフィン系樹脂としては、カルボキ
シル基、エポキシ基など様々な官能基を導入したものが
検討されているが、一応の効果はみられるもののその効
果は小さい。エラストマーを配合する方法については、
具体的には、特開昭56−76449号公報は、(A)
芳香族ポリカーボネート80〜96.5重量部、(B)
ポリオレフィン1〜10重量部、及び(C)ポリブタジ
エン90〜20重量%(グラフト重合体に関し)上に、
50〜100重量%のスチレンと0〜50重量%のアク
リロニトリルの混合物80〜10重量%(グラフト重合
体に関し)がグラフト化したグラフト重合体、又はブタ
ジエンを30〜90重量%含むブタジエン−スチレン重
合体2.5〜10重量部から成り、(A)、(B)及び
(C)の和は100重量部であることを特徴とする熱可
塑性成形組成物を提案する。
【0005】2.特開昭54−53162号公報は、
(a)芳香族ポリカーボネート樹脂、(b)ポリエチレ
ン又はポリ−α−オレフィン樹脂からなるオレフィン系
樹脂単独、あるいは更にこれと芳香族ポリカーボネート
樹脂又はスチレン樹脂との組合せ80〜20重量部、お
よびこれに対応して20〜80重量部の、ビニル芳香族
化合物(A)及び(A1 )とオレフィン系エラストマー
(B)とより成りA−B−A、A−(B−A−B)n
A、A(BA)n B、(A)n B、B(A)n 又はB
〔(AB)n B〕のタイプ(但し、nは1〜10の整数
である)をした選択的に水素添加されている線状、セク
エンシャル又はラジアルテレブロックコポリマーを含ん
でなる予じめコンパウンドにされた組成物、及び(c)
随意成分としての、(b)に開示されているタイプの1
種である選択的に水素添加されているエラストマーブロ
ックコポリマー、の緊密な配合物を含んでなる高い衝撃
強さを持った熱可塑性組成物が提案されており、優れた
衝撃強度改良効果を示している。しかし、これら成分の
相溶性が低いために低温における衝撃強度が低く、ま
た、層状剥離を起しやすい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、成形性がよ
く、低温における衝撃強度、剛性、耐溶剤性に優れた成
形品をあたえる、熱可塑性樹脂組成物の提供を目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、鋭意検討
を重ねた結果、エラストマーとして水酸基含有不飽和化
合物が0.1〜10重量%の割合でグラフトした芳香族
ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の
水素添加物エラストマーをポリオレフィンとポリカーボ
ネートに配合することにより、衝撃強度や外観を向上で
きることを見い出し、本発明をなした。
【0008】すなわち本発明は、A)結晶性オレフィン
系樹脂10〜70重量%と、B)ポリカーボネート樹脂
90〜30重量%の樹脂分の和100重量部に対して、
C)水酸基含有不飽和化合物が0.05〜10重量%の
割合でグラフトした芳香族ビニル化合物と共役ジエン化
合物のブロック共重合体の水素添加物エラストマーを2
〜40重量部の割合で配合した熱可塑性樹脂組成物を提
供するものである。
【0009】
【作用】樹脂組成物が溶融、混練されることにより、
A)結晶性オレフィン系樹脂と相溶性のある(C)成分
のエラストマーの水酸基と、(B)成分のポリカーボネ
ート樹脂カルボキシル基および/またはエステル基とが
反応してエラストマーとポリカーボネート樹脂のブロッ
ク共重合体および/またはグラフト共重合体が生成し、
これが相溶化剤となって(C)成分が微細で安定な分散
構造を形成し、成形体の機械的強度、外観及び組成物の
成形性等が改良されるものと推測される。
【0010】(発明の具体的説明)A)結晶性オレフィン系樹脂 結晶性オレフィン系樹脂は、炭素数が2〜10のα−オ
レフィンの少なくとも1種、または2種以上の重合体も
しくは共重合体であり、X線回折による室温での結晶化
度が15%以上、好ましくは30〜70%であり、85
〜230℃の融点を示し、JIS K 7203による
23℃での曲げ弾性率が5,000〜40,000kg
/cm2 のものである。結晶化度の低いオレフィン系樹
脂は最終組成物の弾性率を低下させる。また、この結晶
性オレフィン系樹脂は、常温において成形用樹脂として
の充分な分子量が必要である。例えば、プロピレンが主
成分である場合、JIS K 6758に基づいて測定
したメルトフローレート(230℃、2.16kg/c
2 荷重)が0.01〜500g/10分、好ましくは
0.1〜50g/10分に相当する分子量である。
【0011】結晶性オレフィン系樹脂の構成成分である
上記α−オレフィンの例としては、エチレン、プロピレ
ン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、3−メ
チルブテン−1、4−メチルペンテン−1、3,3−ジ
メチルペンテン−1、3−メチルヘキセン−1、4−メ
チルヘキセン−1、4,4−ジメチルヘキセン−1、5
−メチルヘキセン−1、アリルシクロペンタン、アリル
シクロヘキサン、アリルベンゼン、3−シクロヘキシル
ブテン−1、ビニルシクロプロパン、ビニルシクロヘキ
サン、2−ビニル−ビシクロ(2,2,1)ヘプタン、
ヘプテン−1、またはオクテン−1等があげられる。以
上のうち、好ましいα−オレフィンの例として、エチレ
ン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン
−1、3−メチルブテン−1、4−メチルペンテン−
1、3−メチルヘキセン−1等を挙げることができる。
特に、エチレン、プロピレン、ブテン−1、3−メチル
ペンテン−1が好ましい。
【0012】また、その他の成分として、4−メチル−
1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジ
エン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デ
カジエン等の非共役ジエンを重合体成分の一部として用
いてもよい。結晶性オレフィン系樹脂の具体例として
は、プロピレン単独重合体、プロピレン・エチレン共重
合体、プロピレン・エチレン・ブテン−1共重合体、プ
ロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチ
ルペンテン−1共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−
1)、プロピレン・3−メチルペンテン−1共重合体、
高密度ポリエチレン、線状中密度ポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、プロピレン・1,9−デカジエン共
重合体等が挙げられる。
【0013】これらの中でも、高レベルの成形加工性と
機械的強度のバランスを得るという観点から、アイソタ
クティックポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重
合体が好ましい。アイソタクティックポリプロピレンや
プロピレン−エチレン共重合体のポリプロピレン部分の
立体規則性(タクティシティー)は、高い方が剛性の高
い成形体を与えるので好ましい。
【0014】これらの結晶性オレフィン系樹脂は、ラジ
カル開始剤の存在下または非存在下で無水マレイン酸や
ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルアクリレ
ートで変性して用いることが出来る。変性の方法は後記
の成分C)変性樹脂エラストマーの項で例示するよう
な、一般的な方法で行うことが出来る。変性剤は、官能
基と不飽和結合を持つ化合物で、具体的には、α,β−
不飽和カルボン酸または官能基として酸無水物、エポキ
シ基、水酸基等を有したそのエステル、前記の官能基を
持つビニルモノマー等が挙げられる。
【0015】B)ポリカーボネート樹脂 ポリカーボネート樹脂(B)は、芳香族ヒドロキシ化合
物またはこれと少量のポリヒドロキシ化合物を、ホスゲ
ンと反応させることによって製造される。また、芳香族
ジヒドロキシ化合物または、これと少量のポリヒドロキ
シ化合物を炭酸ジエステルでエステル交換反応しても製
造される。必要により分岐剤の3官能以上の化合物、分
子量調整剤も反応に供される。この芳香族ポリカーボネ
ート樹脂は、分岐していても、分岐していなくてもよい
熱可塑性芳香族ポリカーボネート樹脂である。
【0016】芳香族ジヒドロキシ化合物の例としては、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以
下ビスフェノールAと略記する)、テトラメチルビスフ
ェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−p−イソプロピルベンゼン、
ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロ
キシフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン等であり、特に、ビスフェノールAが好まし
い。
【0017】また、分岐した芳香族ポリカーボネート樹
脂を得るには、フロログルシン、4,6−ジメチル−
2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン
−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒド
ロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,
4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−
3、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロ
キシフェニル)ヘプタン、1,3,5−トリ(4−ヒド
ロキシフェニル)ベンゼン、1,1,1−トリ(4−ヒ
ドロキシフェニル)エタン等で例示されるポリヒドロキ
シ化合物、及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリー
ル)オキシインドール〔=イサチン(ビスフェノール
A)〕、5−クロロイサチン、5,7−ジクロルイサチ
ン、5−ブロモイサチン等を前記ジヒドロキシ化合物の
一部、例えば、0.1〜2モル%をポリヒドロキシ化合
物で置換する。
【0018】さらに、分子量を調節するのに適した一価
芳香族ヒドロキシ化合物は、m−及びp−メチルフェノ
ール、m−及びp−プロピルフェノール、p−ブロモフ
ェノール、p−第3級−ブチルフェノール及びp−長鎖
アルキル置換フェノール等である。好適な芳香族ポリカ
ーボネート樹脂としては、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)アルカン系化合物、特に好ましくはビスフェノール
Aを主原料とするポリカーボネートである。二種以上の
芳香族ジヒドロキシ化合物を併用して得られるポリカー
ボネート共重合体、3価のフェノール系化合物を少量併
用して得られる分岐化ポリカーボネート樹脂も好適例と
して挙げることができる(特開昭63−30524号、
同56−55328号、特公昭55−414号、同60
−25049号、特公平3−49930号公報)。芳香
族ポリカーボネート樹脂は二種以上の混合物として用い
てもよい。好ましいポリカーボネート樹脂の分子量は耐
熱性、機械的強度、成形加工性等のバランスからGPC
により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(M
w)で10,000〜150,000の範囲であり、1
5,000〜100,000の範囲がより好ましく、3
5,000〜80,000の範囲が最も好ましい。
【0019】C)変性樹脂エラストマー (C)成分の変性樹脂エラストマーは、芳香族ビニル化
合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添加
物100重量部に対し、水酸基含有不飽和化合物を0.
05〜10重量%グラフト変性して得られるエラストマ
ータイプの変性樹脂である。水酸基含有不飽和化合物と
共に他のビニル単量体を併用してグラフト反応させても
よい。特に、芳香族ビニル化合物0.1〜50重量部を
併用すると、水酸基含有不飽和化合物のグラフト率が向
上するので好ましい。
【0020】(i)芳香族ビニル化合物と共役ジエン化
合物とのブロック共重合体の水素添加物エラストマー 芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共
重合体の水素添加物エラストマーは、具体的には少なく
とも1個の芳香族ビニル化合物を主体とする重合体ブロ
ックと、少なくとも1個の共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックからなるブロック共重合体の共役ジエ
ン化合物にもとづく脂肪族二重結合の少なくとも80%
を水素添加してなる、水添ブロック共重合体である。
【0021】芳香族ビニル化合物としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、α−メトキシスチレン、
メチルスチレン、ジメチルスチレン、2,4,6−トリ
メチルスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、
ブロモスチレン、ニトロスチレン、クロロメチルスチレ
ン、シアノスチレン、t−ブチルスチレン、ビニルナフ
タレンなどがあげられ、なかでも、スチレンが好まし
い。これらは、単独または2種以上併用して用いること
ができる。
【0022】共役ジエン化合物としては、ブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル
−1,3−ブタジエンが挙げられる。なかでも、ブタジ
エン、イソプレン及びこれらの組み合わせが好ましい。
このブロック共重合体の製造方法は、例えば、特公昭4
0−23798号公報に記載された方法により、リチウ
ム触媒を用いて不活性溶媒中で合成することができる。
【0023】共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックは、そのブロックにおけるミクロ構造を任意に選ぶ
ことができる。例えば、ポリブタジエンブロックにおい
ては、1,2−ビニル結合構造が5〜65%、好ましく
は10〜50%である。ブロック共重合体の分子構造
は、直鎖状、分岐状、放射状、ラジアルテレブロック状
あるいはこれらの任意の組み合わせのいずれであっても
良い。
【0024】好ましいブロック共重合体は、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体、ブタジエン−スチレン−ブ
ロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合
体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体
である。水素添加ブロック共重合体の製造法としては、
例えば、特公昭42−8704号公報、特公昭43−6
636号公報に記載された方法で得ることができる。特
に、得られる水添ブロック共重合体の耐熱性、耐熱劣化
性に優れた性能を発揮するチタン系水添触媒を用いて合
成された水添ブロック共重合体が最も好ましく、例え
ば、特開昭59−133203号公報、特開昭60−7
9005号公報に記載された方法により、不活性溶媒中
でチタン系水添触媒の存在下に上記した構造を有するブ
ロック共重合体を水素添加して得ることができる。その
際、芳香族ビニル化合物−共役ジエン化合物ブロック共
重合体の共役ジエンに基づく脂肪族二重結合は少なくと
も80%水素添加せしめ、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックを形態的にオレフィン型化合物重合体
に変換させる必要がある。この水添ブロック共重合体中
に含まれる非水添の脂肪族二重結合の量は、赤外分光
法、核磁気共鳴法などにより容易に知ることができる。
また、芳香族ビニルブロックの含量は、重量分率で10
〜50%、好ましくは20〜40%である。
【0025】水添ブロック共重合体の分子量は、数平均
分子量で1万〜20万、好ましくは2〜15万、より好
ましくは3〜10万である。かかる水添ブロック共重合
体は、シェル化学(株)よりクレートンG1652のグ
レード名で、クラレ(株)よりセプトン2007のグレ
ード名で入手することができる。
【0026】(ii)水酸基含有α,β−不飽和化合物 水添ブロック共重合体を変性するのに用いる水酸基を有
するα,β−不飽和化合物としては、例えば、2−ヒド
ロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルア
クリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2,3−ジヒド
ロキシプロピルメタクリレート、2,3−ジヒドロキシ
プロピルアクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシメチ
ル−3−ヒドロキシプロピルアクリレート、2,2−ジ
ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピルメタクリレ
ート、2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、炭素数4〜40のエチレングリコ
ールもしくはプロピレングリコールのオリゴマーのメタ
クリルエステル酸又はアクリル酸エステル、ビス(2−
ヒドロキシエチル)マレート、ビス(2−ヒドロキシエ
チル)フマレート、ビス(2−ヒドロキシプロピル)マ
レート、ビス(2−ヒドロキシプロピル)フマレート、
ビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)マレート、ビス
(2,3−ジヒドロキシプロピル)フマレート、ビス
(2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)マ
レート、ビス(2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシ
プロピル)フマレート、ビス(2,2−ジヒドロキシメ
チル−3−ヒドロキシプロピル)マレート、ビス(2,
2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)フ
マレート、炭素数4〜40のエチレングリコールもしく
はプロピレングリコールのオリゴマーのマレイン酸又は
フマル酸エステル等が挙げられる。なお、マレイン酸又
はフマル酸エステルは、上述のように2つのカルボキシ
ル基が2つ共ヒドロキシアルキル基でエステル化された
もののみでなく、1つのみがエステル化されたものも同
様の水酸基含有α,β−不飽和エステル化合物として例
示できる。さらに、アリルアルコール、クロチルアルコ
ール、フェノール類等が使用できる。これらの例として
は4−(2−ヒドロキシエチル)スチレン、3−(2−
ヒドロキシエチル)スチレン、4−(ヒドロキシメチ
ル)スチレン、3−(ヒドロキシメチル)スチレン、4
−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレンなどが
あげられる。
【0027】以上の水酸基を有するα,β−不飽和化合
物は、単独又は二種以上併用して用いることができる。
これらの中でも2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアク
リレート等が好ましい。この水酸基含有不飽和化合物の
エラストマーへのグラフト量は0.05〜10重量%、
好ましくは0.2〜5重量%、より好ましくは0.5〜
3重量%である。0.05重量%未満では、相溶性の改
良効果が小さく、10重量%を越えると、ポリカーボネ
ートの分子切断が顕著になり、機械的物性の低下を生じ
やすい。グラフト工程に使用する水酸基含有不飽和化合
物の使用量は、ブロック共重合体の水素添加物に対して
0.05〜100重量部、好ましくは1〜50重量部で
ある。0.05重量部未満では、必要なグラフト量が得
られないため、成形体の衝撃強度や外観の改良効果が低
く、100重量部を越えると、水酸基含有不飽和化合物
や、その単独重合体の残存量が多くなりやすく、成形品
の機械的物性の低下を招く。
【0028】(iii)芳香族ビニル化合物 上記水酸基を有するα,β−不飽和化合物の水添ブロッ
ク共重合体へのグラフト量を高めるため、および得られ
る成形体の剛性を高めるために用いる芳香族ビニル化合
物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、
α−メトキシスチレン、メチルスチレン、ジメチルスチ
レン、2,4,6−トリメチルスチレン、クロロスチレ
ン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、ニトロスチレ
ン、クロロメチルスチレン、シアノスチレン、t−ブチ
ルスチレン、ビニルナフタレンなどがあげられる。なか
でも、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン
が好ましい。これらは、単独または二種以上併用して用
いることができる。
【0029】水添ブロック共重合体100重量部に対す
る芳香族ビニル化合物の添加量は0.5〜50重量部、
好ましくは1〜20重量部である。0.5重量部以上の
添加により水酸基含有α,β−不飽和化合物の水添ブロ
ック共重合体へのグラフトする量を上げることができ
る。又、50重量部を越えては得られる成形体の耐衝撃
性が損なわれる。水酸基含有α,β−不飽和化合物と芳
香族ビニル化合物の添加量の比率は、重量比で1:99
〜90:10の範囲で実施可能であるが、好ましくは2
0:80〜80:20の範囲である。
【0030】(iv)ラジカル発生剤 ラジカル発生剤としては、t−ブチルヒドロパーオキシ
ド、クメンヒドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキ
サン−2,5−ジヒドロパーオキシド、ベンゾイルパー
オキシド、ジクミルパーオキシド、1,3−ビス(t−
ブチルパーオキシ−イソプロピル)ベンゼン、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、ジブチルパーオキシド、メ
チルエチルケトンパーオキシド、過酸化カリウム、過酸
化水素などの有機及び無機過酸化物、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、2−2′−アゾビス(イソブチ
ルアミド)ジハライド、2,2′−アゾビス〔2−メチ
ル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミ
ド〕、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物、ジクミル等
の炭素ラジカル発生剤などを用いることができる。これ
らのラジカル発生剤は、変性剤や反応形態との関連にお
いて適宜選択できる。また二種以上を併用することがで
きる。ラジカル発生剤の使用量は、上記水添ブロック共
重合体100重量部に対して0.01〜20重量部であ
る。特に溶融混練にて変性を行う場合は0.05〜5重
量部が好ましい。
【0031】(v)グラフト変性方法 ブロック共重合体の水素添加物に対する水酸基含有不飽
和化合物、必要により芳香族ビニル化合物のグラフト反
応は、水添ブロック共重合体が、膨潤状態、溶解状態、
溶融状態、あるいは固体状態に、水酸基含有不飽和化合
物や開始剤が含浸した状態での加熱等によって実施され
るが、特に、溶解または溶融での反応が好ましい。
【0032】溶解状態での反応に使用される溶媒は、反
応の種類によって適宜選択されるが、たとえば、脂肪
族、脂環族、芳香族の炭化水素及びそのハロゲン化物、
炭素数6以上のエステル、ケトン、エーテル、ならびに
二硫化炭素等の中から選ばれることが多い。またこれら
は、2種以上の混合溶媒として用いることも可能であ
る。溶融での反応は、溶媒使用の必要がない、あるい
は、少量の使用のみであるので、製造費を節約でき、ま
た環境への溶剤蒸気放出を避けることができるなどの利
点を持っている。
【0033】以下、溶融混練によるラジカルグラフト変
性方法について具体的に説明する。溶融状態での反応
は、通常の溶融混練装置、たとえば、押出機、攪拌機を
用いることができる。具体的には、ラボプラストミル、
一軸または二軸混練機、横型二軸多円盤装置、横型二軸
表面更新機、ダブルヘリカルリボン攪拌機などである。
このときの混練温度は、芳香族ビニル化合物と共役ジエ
ン化合物のブロック共重合体の水素添加物が溶融状態に
なる温度であれば、任意の温度で実施可能であるが、劣
化防止などの点で150〜250℃が望ましい。混練時
間は、0.01〜10分、好ましくは0.1〜5分の間
である。
【0034】また、未反応の水酸基含有不飽和化合物な
どを除去するため、また得られる変性樹脂の劣化防止の
ために、溶融混練・造粒は減圧下で行うことが望まし
い。変性剤の添加方法は、ブロック共重合体の水素添加
物とドライブレンドして一括混練する方法、溶融状態の
樹脂に変性剤とラジカル開始剤を添加する方法等があげ
られる。反応効率向上及び混練時の粘度調節等のために
キシレンなどの有機溶剤を少量添加してもよい。
【0035】構成成分の組成比 本発明の樹脂組成物中における成分(A)ポリオレフィ
ン成分(B)のポリカーボネートの組成比は、両者の和
100重量部において、成分A)が70〜10重量部、
好ましくは70〜20重量部で、成分B)が30〜90
重量部、好ましくは30〜80重量部である。成分A)
が70重量部を越えると、耐熱性と低温における衝撃強
度の低下が大きく、10重量部未満では耐溶剤性が悪
い。成分B)が90重量部を越えると、成形性や耐溶剤
性の改良効果が小さく、30重量部未満では衝撃強度の
レベルが低い。成分C)の変性樹脂エラストマーの配合
量は成分A)と成分B)の合計100重量部に対して、
2〜40重量部、好ましくは、3〜30重量部、さらに
好ましくは5〜20重量部である。成分C)の配合量が
2重量部より少ないと耐衝撃性の改良効果が少なく、4
0重量部より多くなると弾性率の低下が大きい。
【0036】付加的成分 本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記成分(A)、
(B)及び(C)以外の他の成分を含有することができ
る。例えば成分(C)の変性樹脂の一部(90重量%ま
で)を未変性の水添スチレン・ブタジエンブロック共重
合体、水添スチレン・イソプレンブロック共重合体、エ
チレン・プロピレン共重合体ゴム等のエラストマーに置
き換えてもよい。
【0037】更にポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート等の飽和ポリエステル、アクリル
ゴム、アクリル−スチレンコアシエルゴム、ABS、A
ES、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリアミド等を樹脂組成物中に1〜50重量%
含有させてもよい。また、有機・無機充填剤、補強剤、
特にガラス繊維、カーボン繊維、マイカ、タルク、ワラ
ストナイト、チタン酸カリウム、炭酸カルシウム、シリ
カ等を樹脂組成物に5〜40重量%添加することは、剛
性、耐熱性、寸法精度、寸法安定性等の向上に有効であ
る。実用のために、各種着色剤及びそれらの分散剤など
も1〜10重量%の割合で使用できる。
【0038】さらに、必要に応じて化学的及び物理的性
質を改良するために非樹脂質添加剤う含有しうる。例え
ば、ヒンタードフェノール系酸化防止剤、亜リン酸エス
テル等のリン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ベン
ゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外
線吸収剤、脂肪族カルボン酸エステル系滑剤、パラフィ
ン系滑剤、難燃剤、離型剤、帯電防止剤、着色剤等であ
る。
【0039】上記のヒンダードフェノール系酸化防止剤
の具体例として、2,6−ジ第三級ブチル−p−クレゾ
ール、イルガノックス1076(チバガイギー社商品
名)、スミライザーGM(住友化学工業社商品名)等で
ある。また、リン系酸化防止剤としては、スミライザー
TNP(住友化学工業社商品名)、マークPEP36
(アデカアーガス社商品名)、イルガフォス168(チ
バガイギー社商品名)等である。
【0040】組成物の調製法及び成形法 本発明の熱可塑性樹脂組成物を得るための方法は、溶融
法、溶液法等、特に限定されないが、実用的には溶融混
練する方法が好ましい。溶融混練の方法としては、熱可
塑性樹脂について一般に実用されている混練方法が適用
できる。例えば、粉状又は粒状の各成分を、必要であれ
ば付加的成分の項に記載の添加物等と共に、ヘンジェル
ミキサー、リボンブレンダー、V型ブレンダー等により
均一に混合した場合、一軸又は多軸混練押出機、ロー
ル、バンバリーミキサー等で混練することができる。
【0041】また、各成分の溶融混練の温度は、180
℃から350℃の範囲、好ましくは200℃から300
℃の範囲である。更に各成分の混練順序及び方法は、特
に限定されるものではなく、例えば、各成分を一括で混
練する方法、一部または全量の変性樹脂エラストマーと
飽和ポリカーボネートを混練した後、残りの成分を混練
する方法、減圧混練する方法などいずれの方法をとって
も良い。さらに、溶融混練の際に、クロロベンゼン、ト
リクロロベンゼン、キシレンなどの有機溶剤や、テトラ
キス(2−エチルヘキソキシ)チタン、ジブチルスズオ
キシドなどの触媒を添加することもできる。本発明の熱
可塑性樹脂組成物の成形加工法は特に限定されるもので
はなく、熱可塑性樹脂について一般に用いられている成
形法、すなわち射出成形、中空成形、押出成形、熱成
形、プレス成形等の各種成形法が適用できる。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、以下で部及びパーセントは重量によるものと
する。 変性樹脂エラストマーの製造例 <変性樹脂エラストマー1>スチレン−ブタジエントリ
ブロック共重合体の水素添加物(シェル化学社製商品名
クレートンG1652、以下G1652と略記)6k
g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、HE
MAと略記)600g、スチレンモノマー(以下、SM
と略記)300g、1,3−ビス(t−ブチルパーオキ
シイソプロピル)ベンゼン(化薬アクゾ製 商品名 パ
ーカドックス14 以下 P14と略記)30gをドラ
イブレンドした後、2軸押出機(日本製鋼所製 商品名
TEX−30型)を用いて、シリンダー温度160
℃、スクリュー回転数200rpm、吐出量2kg/h
r、ベント圧力50mmHgの条件下で、減圧混練し、
変性樹脂エラストマー1を得た。得た変性樹脂エラスト
マー1 の0.3gをクロロホルム50mlに常温で溶解
させ、メタノール300mlに注ぎ沈澱させた。この沈
澱物を、ろ別して減圧乾燥(常温)し、精製変性樹脂エ
ラストマーを得た。この精製変性樹脂エラストマーのH
EMA含料は下記の方法によって求めた。
【0043】HEMAの定量方法: 赤外分光法(IR):得た精製変性樹脂エラストマーを
プレス成形してフィルムにし、IRスペクトルを測定し
た。定量は1724cm-1のカルボニル基特性吸収を用
いた検量線により行った。 プロトン核磁気共鳴分光法(H−NMR):精製変性樹
脂エラストマー30〜50mgをo−ジクロロベンゼン
約1ml中130℃で溶解し、重水素化ベンゼンを少量
加えてサンプルを調整し、H−NMRを測定した。定量
は、水酸基と結合したメチレン(化学シフト:3.9p
pm)、エステル基と結合したメチレン(化学シフト:
4.2ppm)の吸収により行った。IRにより得られ
る値は、HEMAのグラフト付加量を表し、NMRによ
り得られる値は、水酸基を保持しているHEMA量を表
している。従って、残存率は、
【0044】
【数1】
【0045】で定義することができる。この結果、IR
定量のHEMA含量は1.55重量%、NMR定量のH
EMA含量は1.36重量%であり、水酸基残存率は8
8%であった。 <変性エラストマー2>試料−1において、G1652
をスチレン−イソプレンジブロック共重合体の水素添加
物(シェル化学社製商品名クレートンG1701;以下
G1701と略記)に変えるほかは、試料−1と同様の
方法で行った。IR定量HEMA含量は1.02重量%
NMR定量HEMA含量は0.81重量% 水酸基残
存率は80%であった。
【0046】<変性エラストマー3>クロロベンゼン1
0リットルにG1652 600g、HEMA250g
を溶解した。窒素雰囲気下、110℃にて攪拌しつつ、
この溶液に、クロロベンゼン0.6リットルに溶解した
過酸化ベンゾイル(水分含有量25重量%)80gを2
時間かけて滴下し、さらに3時間攪拌を続けた。室温ま
で放冷したのち、大量のメタノール中に注いでポリマー
成分を析出させ、濾別、メタノールにて洗浄、次いで減
圧乾燥する事により変性エラストマー3を得た。IR定
量によるHEMAのグラフト付加量は1.42%であ
り、NMR定量によるHEMAのグラフト付加量は1.
18%で、水酸基残存率は83%であった。
【0047】実施例1〜7、比較例1〜8 得た変性樹脂エラストマーの他、G1652、G170
1及び結晶性プロピレン単独重合体(三菱化学社製商品
名“MA8”、MFR 0.7g/10分)、プロピレ
ン−エチレンブロック共重合体(三菱化学社製商品名
“BC8D”、MFR 2.0g/10分)、ポリカー
ボネート(三菱ガス化学社製商品名“ユーピロンS20
00”)を表1および表2に示す組成比によって、各成
分を二軸押出混練機(日本製鋼所製商品名、TEX−3
0型)で250℃、250rpm、10kg/hrの条
件で減圧混練してペレットを得た。得たペレット状の樹
脂組成物の特性は、射出成形機(東芝機械製作所社製I
S−55型)を用いて、シリンダー温度250℃ 金型
冷却温度60℃で射出成形した試験片を下記の方法によ
って測定評価した。結果を表1及び表2に示す。なお、
混練及び成形に際しては、事前に15時間80℃で乾燥
した。
【0048】(1)アイゾット衝撃強度:JIS K7
110に準じ、−30℃におけるノッチ付きアイゾット
衝撃強度を測定した。 (2)曲げ弾性率:JIS K7203に準じて測定し
た。 (3)MFR:東洋精機製作所社製 メルトフローレー
ト測定機を用いて、JIS K7210、ISO R1
133に準じ、温度250℃ 荷重2.16kgの条件
下でのMFRを測定した。測定に際しては、事前に12
0℃で5時間の乾燥を行った。 (4)耐溶剤性の評価:射出成形試験片を25℃の溶剤
(クロロホルム)中に1分間浸漬した後、放置して溶剤
を揮散させた。浸漬した試験片と、未浸漬の試験片の表
面を目視し、比較・観察して、溶解がほとんど見られな
いものを良(○)、著しく溶解が見られるものを不良
(×)とした。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物は、優れた成形性を
持ち、他の機械特性を低下させることなく、低温衝撃強
度、成形加工性、及び耐溶剤性の優れた成形品を与え
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 1/00 - 101/16 C08F 287/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 A)結晶性オレフィン系樹脂10〜70
    重量%と、B)ポリカーボネート樹脂90〜30重量%
    の樹脂分の合計和100重量部に対して、C)水酸基含
    有不飽和化合物が0.05〜10重量%の割合でグラフ
    トした芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロッ
    ク共重合体の水素添加物エラストマーが2〜40重量部
    の割合で配合されてなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 A)結晶性オレフィン系樹脂10〜70
    重量%とB)飽和ポリカーボネート樹脂90〜30重量
    %の樹脂分の合計和100重量部に対して、C)次の製
    法で得た変性樹脂エラストマーを2〜40重量部の割合
    で配合した熱可塑性樹脂組成物。 (C)変性樹脂エラストマー:芳香族ビニル化合物と共
    役ジエン化合物のブロック共重合体エラストマーの水素
    添加物100重量部に対し、ラジカル発生剤の存在下、
    水酸基含有α,β−不飽和カルボン酸エステル0.05
    〜20重量部と芳香族ビニル化合物0.5〜50重量部
    とを溶融混練して得られる変性樹脂エラストマー。
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