JPH083375A - 樹脂組成物 - Google Patents
樹脂組成物Info
- Publication number
- JPH083375A JPH083375A JP15954194A JP15954194A JPH083375A JP H083375 A JPH083375 A JP H083375A JP 15954194 A JP15954194 A JP 15954194A JP 15954194 A JP15954194 A JP 15954194A JP H083375 A JPH083375 A JP H083375A
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- JP
- Japan
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- resin
- copolymer
- saponified product
- resin composition
- thermoplastic polyurethane
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Abstract
(57)【要約】
【目的】ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン
樹脂との相溶性が著しく向上し、低温下における機械的
性質、成形性、耐屈曲疲労性等のポリオレフィン系樹脂
と熱可塑性ポリウレタン樹脂の優れた特性を具備した新
規樹脂組成物の提供。 【構成】a)ポリオレフィン系樹脂、b)熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂、およびc)飽和モノカルボン酸ビニルエ
ステルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン
化物を含有する樹脂組成物。
樹脂との相溶性が著しく向上し、低温下における機械的
性質、成形性、耐屈曲疲労性等のポリオレフィン系樹脂
と熱可塑性ポリウレタン樹脂の優れた特性を具備した新
規樹脂組成物の提供。 【構成】a)ポリオレフィン系樹脂、b)熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂、およびc)飽和モノカルボン酸ビニルエ
ステルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン
化物を含有する樹脂組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂組成物に関するも
のであり、詳しくは、ポリオレフィン系樹脂と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂との相溶性が著しく改善された組成
物に関する。
のであり、詳しくは、ポリオレフィン系樹脂と、熱可塑
性ポリウレタン樹脂との相溶性が著しく改善された組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン系樹脂は、成形加工性が
比較的良好で、また得られる成形品も剛性・引張強度・
耐屈曲強度等の機械的性質や耐水性・耐薬品性等にも優
れており、また低比重かつ安価であるため、各種の射出
成形品・中空成形品・押し出し成形品等の用途に大量に
使用されている。しかし、例えば0゜C以下の低温下にお
ける耐屈曲疲労性や耐摩耗性等の機械的性質は必ずしも
充分ではなかった。また、熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、耐摩耗性・耐屈曲疲労性・低温下における機械的性
質等に非常に優れており、押し出し成型品等の用途に用
いられているが、一方、成形性が悪く、また比重が重く
かつ高価であるという問題があった。そこで、かかる両
者の樹脂をブレンドして、ポリオレフィン系樹脂と熱可
塑性ポリウレタン樹脂の両者の優れた特性を具備した樹
脂組成物を得ることが望まれていた。かかる試みとして
は、例えば、ポリプロピレン系樹脂に熱可塑性ポリウレ
タン及び変性ポリオレフィンを配合してなるポリプロピ
レン系樹脂組成物が特開平2−36248号記載されて
いる。また、熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性
ポリウレタンエラストマー、含酸熱可塑性ポリオレフィ
ン及び可塑剤からなる樹脂組成物が特開平6−6543
3号に記載されている。
比較的良好で、また得られる成形品も剛性・引張強度・
耐屈曲強度等の機械的性質や耐水性・耐薬品性等にも優
れており、また低比重かつ安価であるため、各種の射出
成形品・中空成形品・押し出し成形品等の用途に大量に
使用されている。しかし、例えば0゜C以下の低温下にお
ける耐屈曲疲労性や耐摩耗性等の機械的性質は必ずしも
充分ではなかった。また、熱可塑性ポリウレタン樹脂
は、耐摩耗性・耐屈曲疲労性・低温下における機械的性
質等に非常に優れており、押し出し成型品等の用途に用
いられているが、一方、成形性が悪く、また比重が重く
かつ高価であるという問題があった。そこで、かかる両
者の樹脂をブレンドして、ポリオレフィン系樹脂と熱可
塑性ポリウレタン樹脂の両者の優れた特性を具備した樹
脂組成物を得ることが望まれていた。かかる試みとして
は、例えば、ポリプロピレン系樹脂に熱可塑性ポリウレ
タン及び変性ポリオレフィンを配合してなるポリプロピ
レン系樹脂組成物が特開平2−36248号記載されて
いる。また、熱可塑性ポリオレフィン系樹脂、熱可塑性
ポリウレタンエラストマー、含酸熱可塑性ポリオレフィ
ン及び可塑剤からなる樹脂組成物が特開平6−6543
3号に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の方
法では、未だポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレ
タン樹脂との相溶性が充分に改良されておらず、例えば
成形品の表面を爪などで強くこすると両樹脂相の間で剥
離がおこり易いという欠点があった。
法では、未だポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレ
タン樹脂との相溶性が充分に改良されておらず、例えば
成形品の表面を爪などで強くこすると両樹脂相の間で剥
離がおこり易いという欠点があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題に
鑑み、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹
脂とのポリマーブレンドに関し鋭意検討した結果、飽和
モノカルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノ
マーとの共重合体のケン化物を用いることにより、ポリ
オレフィン系樹脂とポリウレタン樹脂との相溶性が著し
く向上し、しかもポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の優れた特性を具備した新規樹脂組成物を
得られることを見いだし本発明を完成するに至った。す
なわち本発明は、 (1)a)ポリオレフィン系樹脂、b)熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、およびc)飽和モノカルボン酸ビニルエス
テルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化
物を含有する樹脂組成物。 (2)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が酸変性さ
れている(1)記載の樹脂組成物。 (3)a)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量部に対
し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜95重量部で
あり、上記a)と上記b)の合計量100重量部に対
し、c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレン
性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が0.1〜3
0重量部である(1)または(2)記載の樹脂組成物。 (4)a)ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス
が1〜50g/10分である(1)または(2)記載の樹脂
組成物。 (5)a)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹
脂である(1)または(2)記載の樹脂組成物。 (6)b)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用い
るジイソシアネート化合物が、芳香族ジイソシアネート
化合物である(1)又は(2)記載の樹脂組成物。 (7)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物のメルトイ
ンデックスが1〜400g/10分である(1)または
(2)記載の樹脂組成物。 (8)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物がエチレン
と酢酸ビニルのと共重合体のケン化物である(1)また
は(2)記載の樹脂組成物。 (9)酸変性に用いる酸がカルボキシル基含有ビニルモ
ノマーおよび/または酸無水物基含有ビニルモノマーで
ある(2)記載の樹脂組成物に関するものである。
鑑み、ポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹
脂とのポリマーブレンドに関し鋭意検討した結果、飽和
モノカルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノ
マーとの共重合体のケン化物を用いることにより、ポリ
オレフィン系樹脂とポリウレタン樹脂との相溶性が著し
く向上し、しかもポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリ
ウレタン樹脂の優れた特性を具備した新規樹脂組成物を
得られることを見いだし本発明を完成するに至った。す
なわち本発明は、 (1)a)ポリオレフィン系樹脂、b)熱可塑性ポリウ
レタン樹脂、およびc)飽和モノカルボン酸ビニルエス
テルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化
物を含有する樹脂組成物。 (2)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が酸変性さ
れている(1)記載の樹脂組成物。 (3)a)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量部に対
し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜95重量部で
あり、上記a)と上記b)の合計量100重量部に対
し、c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレン
性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が0.1〜3
0重量部である(1)または(2)記載の樹脂組成物。 (4)a)ポリオレフィン系樹脂のメルトインデックス
が1〜50g/10分である(1)または(2)記載の樹脂
組成物。 (5)a)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹
脂である(1)または(2)記載の樹脂組成物。 (6)b)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用い
るジイソシアネート化合物が、芳香族ジイソシアネート
化合物である(1)又は(2)記載の樹脂組成物。 (7)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物のメルトイ
ンデックスが1〜400g/10分である(1)または
(2)記載の樹脂組成物。 (8)c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物がエチレン
と酢酸ビニルのと共重合体のケン化物である(1)また
は(2)記載の樹脂組成物。 (9)酸変性に用いる酸がカルボキシル基含有ビニルモ
ノマーおよび/または酸無水物基含有ビニルモノマーで
ある(2)記載の樹脂組成物に関するものである。
【0005】本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂
とは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチ
ルペンテン等のオレフィン類の単独重合体あるいは共重
合体であって、従来公知のいずれのものでもよく、特に
限定されない。かかるポリオレフィン樹脂としては、例
えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹
脂、高密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂、
例えば、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共
重合体樹脂、エチレンープロピレンージエン共重合体樹
脂等のポリプロピレン系樹脂、4ーメチルペンテンー1
樹脂、ポリブテンー1樹脂等が挙げられる。これら樹脂
の中では、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。これらポ
リオレフィン系樹脂は、メルトインデックスが1〜50
g/10分(JIS6758に準拠)好ましくは、2〜
30g/10分(JIS6758に準拠)である。メル
トインデックスが1〜50g/10分の範囲を外れると
熱可塑性ウレタン樹脂との相溶性がよくない場合があ
る。本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
原料としてジイソシアネート化合物とマクロポリオール
および低分子活性水素化合物を用い、これらを付加重合
して得られる熱可塑性樹脂であり、従来公知のいずれの
ものでよく、特に限定されない。かかる熱可塑性ポリウ
レタン樹脂の原料として用いるジイソシアネート化合物
としては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート化合物、例えば、キシ
リレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、
例えば、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニル
メタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソ
シアネート化合物、例えば、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。好ましく
は、芳香族ジイソシアネート化合物が挙げれらる。ま
た、熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いるマク
ロポリオールとしては、ポリエステルジオール、ポリエ
ーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレ
フィンジオール、ポリエポキシジオール、天然油ジオー
ル等の分子量が通常、300〜10000、好ましくは
500〜5000のマクロポリオールが用いられる。さ
らに、熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いる低
分子活性水素化合物としては、エチレングリコール、
1,3ープロパンジオール、1,3ーブタンジオール、
1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3
ーメチルペンタンジオール、1,6ーヘキサンジオール
等のジオール等、例えば、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、
1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、
1,3−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン
等の脂肪族ジアミン等、例えば、ジアミノトルエン、ビ
スー(4−アミノフェニル)メタン、ビスー(4−アミ
ノー3−クロロフェニル)メタン等の芳香族ジアミン等
のジアミン等が挙げられる。
とは、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチ
ルペンテン等のオレフィン類の単独重合体あるいは共重
合体であって、従来公知のいずれのものでもよく、特に
限定されない。かかるポリオレフィン樹脂としては、例
えば、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹
脂、高密度ポリエチレン樹脂等のポリエチレン系樹脂、
例えば、ポリプロピレン樹脂、エチレンープロピレン共
重合体樹脂、エチレンープロピレンージエン共重合体樹
脂等のポリプロピレン系樹脂、4ーメチルペンテンー1
樹脂、ポリブテンー1樹脂等が挙げられる。これら樹脂
の中では、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。これらポ
リオレフィン系樹脂は、メルトインデックスが1〜50
g/10分(JIS6758に準拠)好ましくは、2〜
30g/10分(JIS6758に準拠)である。メル
トインデックスが1〜50g/10分の範囲を外れると
熱可塑性ウレタン樹脂との相溶性がよくない場合があ
る。本発明に用いられる熱可塑性ポリウレタン樹脂は、
原料としてジイソシアネート化合物とマクロポリオール
および低分子活性水素化合物を用い、これらを付加重合
して得られる熱可塑性樹脂であり、従来公知のいずれの
ものでよく、特に限定されない。かかる熱可塑性ポリウ
レタン樹脂の原料として用いるジイソシアネート化合物
としては、例えば、トルエンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネ
ート等の芳香族ジイソシアネート化合物、例えば、キシ
リレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、
例えば、イソホロンジイソシアネート、水添ジフェニル
メタンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネー
ト、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族ジイソ
シアネート化合物、例えば、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪
族ジイソシアネート化合物等が挙げられる。好ましく
は、芳香族ジイソシアネート化合物が挙げれらる。ま
た、熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いるマク
ロポリオールとしては、ポリエステルジオール、ポリエ
ーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリオレ
フィンジオール、ポリエポキシジオール、天然油ジオー
ル等の分子量が通常、300〜10000、好ましくは
500〜5000のマクロポリオールが用いられる。さ
らに、熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料として用いる低
分子活性水素化合物としては、エチレングリコール、
1,3ープロパンジオール、1,3ーブタンジオール、
1,4ーブタンジオール、ネオペンチルグリコール、3
ーメチルペンタンジオール、1,6ーヘキサンジオール
等のジオール等、例えば、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、
1,2−ジアミノエタン、1,2−ジアミノプロパン、
1,3−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン
等の脂肪族ジアミン等、例えば、ジアミノトルエン、ビ
スー(4−アミノフェニル)メタン、ビスー(4−アミ
ノー3−クロロフェニル)メタン等の芳香族ジアミン等
のジアミン等が挙げられる。
【0006】本発明の熱可塑性ポリウレタン樹脂の製造
法としては、従来公知のいわゆるプレポリマー法やワン
ショット法等のいずれをも用いることができる。プレポ
リマー法とは、化学量論的に過剰のジイソシアネート化
合物とマクロポリオールとを反応させてイソシアネート
基を末端に有するプレポリマーを合成し、次いで、低分
子活性水素化合物で鎖延長を行う方法であり、また、ワ
ンショット法とは、ジイソシアネート化合物、マクロポ
リオールおよび低分子活性水素化合物を1度に反応器内
で混合撹拌した後、型に注型し一次硬化を行う方法であ
る。本発明に用いられる飽和モノカルボン酸ビニルエス
テルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化
物としては、飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチ
レン性不飽和モノマーを共重合し、次いで、該共重合体
をケン化して得られる重合物をいう。該飽和モノカルボ
ン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等の脂肪族飽和モノカルボン酸のビニ
ルエステル、例えば、シクロヘキサン酸ビニル等の脂環
族飽和モノカルボン酸のビニルエステル等が挙げられ
る。好ましくは、脂肪族飽和モノカルボン酸のビニルエ
ステル、特に好ましくは酢酸ビニルが挙げられる。該エ
チレン性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、
プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン等のオ
レフィン類、例えば、ブタジエン、イソプレン等のジエ
ン類、例えば、スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニ
ル、塩化ビニリデン、クロロプレン、クロロスチレン等
のハロゲン置換ビニル類、例えば、アクリロニトリル、
メチルビニルエーテル等の含ヘテロ原子含有置換ビニル
類、が挙げられる。好ましくは、オレフィン類、特に好
ましくはエチレンが挙げられる。該共重合体の飽和モノ
カルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマー
の割合としては、該共重合体に対し、飽和モノカルボン
酸ビニルエステルが1〜25モル%、好ましくは、6〜
21モル%の範囲であることが望ましい。飽和モノカル
ボン酸ビニルエステルが1モル%よりも少ないと、ポリ
オレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶
性が十分に改良されない場合があり、また、25モル%
を越えると得られた成型品の耐衝撃性がよくない場合が
ある。かかる共重合体は、脂肪族飽和モノカルボン酸の
ビニルエステルとオレフィン類との共重合体が好まし
く、特に酢酸ビニルとエチレンの共重合体が好ましい。
法としては、従来公知のいわゆるプレポリマー法やワン
ショット法等のいずれをも用いることができる。プレポ
リマー法とは、化学量論的に過剰のジイソシアネート化
合物とマクロポリオールとを反応させてイソシアネート
基を末端に有するプレポリマーを合成し、次いで、低分
子活性水素化合物で鎖延長を行う方法であり、また、ワ
ンショット法とは、ジイソシアネート化合物、マクロポ
リオールおよび低分子活性水素化合物を1度に反応器内
で混合撹拌した後、型に注型し一次硬化を行う方法であ
る。本発明に用いられる飽和モノカルボン酸ビニルエス
テルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化
物としては、飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチ
レン性不飽和モノマーを共重合し、次いで、該共重合体
をケン化して得られる重合物をいう。該飽和モノカルボ
ン酸ビニルエステルとしては、例えば、酢酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル等の脂肪族飽和モノカルボン酸のビニ
ルエステル、例えば、シクロヘキサン酸ビニル等の脂環
族飽和モノカルボン酸のビニルエステル等が挙げられ
る。好ましくは、脂肪族飽和モノカルボン酸のビニルエ
ステル、特に好ましくは酢酸ビニルが挙げられる。該エ
チレン性不飽和モノマーとしては、例えば、エチレン、
プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン等のオ
レフィン類、例えば、ブタジエン、イソプレン等のジエ
ン類、例えば、スチレン、メチルスチレン等の芳香族ビ
ニル類、例えば、塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニ
ル、塩化ビニリデン、クロロプレン、クロロスチレン等
のハロゲン置換ビニル類、例えば、アクリロニトリル、
メチルビニルエーテル等の含ヘテロ原子含有置換ビニル
類、が挙げられる。好ましくは、オレフィン類、特に好
ましくはエチレンが挙げられる。該共重合体の飽和モノ
カルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマー
の割合としては、該共重合体に対し、飽和モノカルボン
酸ビニルエステルが1〜25モル%、好ましくは、6〜
21モル%の範囲であることが望ましい。飽和モノカル
ボン酸ビニルエステルが1モル%よりも少ないと、ポリ
オレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶
性が十分に改良されない場合があり、また、25モル%
を越えると得られた成型品の耐衝撃性がよくない場合が
ある。かかる共重合体は、脂肪族飽和モノカルボン酸の
ビニルエステルとオレフィン類との共重合体が好まし
く、特に酢酸ビニルとエチレンの共重合体が好ましい。
【0007】該共重合体は、次いでケン化することを要
する。かかるケン化反応は、従来公知の方法により行う
ことができ、例えば、水、メタノール、エタノール等の
アルコール等を用いて、ナトリウムメチラート、カリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラ
ート等のアルカリ金属アルコラート、および/または水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物の存在下にケン化反応を行うことができる。また、
かかるケン化反応は、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の石油系有機溶剤を溶媒として用いてもよい。
ケン化反応の条件は、得られる共重合体が有する水酸基
当量の設定値により多少異なるが、通常、10〜100
゜Cの温度で10〜180分で行うことができる。本発明
においては、該共重合体は完全にケン化してもよいし、
また、部分的にケン化してもよい。好ましくは、水酸基
当量が100〜30000g/1当量、さらに好ましく
は150〜2000g/1当量の範囲となるように部分
的にケン化する。水酸基当量が100g/1当量より少
ないと、得られた成型品の耐衝撃性がよくない場合があ
り、また、水酸基当量が30000g/1当量を越える
とポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂と
の相溶性が十分に改良されない場合がある。このように
して得られた該共重合体のケン化物は、必要により酸変
性される。共重合体のケン化物は、酸変性されることに
より、さらにポリオレフィン系樹脂と、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂との相溶性が向上することがある。本発明の
酸変性とは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーや無水マ
レイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニルモ
ノマーをケン化反応後残存するカルボキシメチル基等に
ラジカル的にグラフト重合等にする場合や、例えば、無
水コハク酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、無水エンデイック酸、無水
メチルエンデイック酸、無水クロレンド酸等の脂肪族酸
無水物、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テト
ラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等
の脂環族無水酸、例えば、フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物をケン化されたヒ
ドロキシル基に付加する場合、または、これら両者の場
合が同時に起こる場合等が挙げられる。ラジカル的にグ
ラフトする場合には、アクリル酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸が好ましく用いられ、また、ケン化された
ヒドロキシル基に付加する場合は、無水ヘキサヒドロフ
タル酸、無水テトラヒドロフタル酸が好ましく用いられ
る。
する。かかるケン化反応は、従来公知の方法により行う
ことができ、例えば、水、メタノール、エタノール等の
アルコール等を用いて、ナトリウムメチラート、カリウ
ムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムエチラ
ート等のアルカリ金属アルコラート、および/または水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸
化物の存在下にケン化反応を行うことができる。また、
かかるケン化反応は、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の石油系有機溶剤を溶媒として用いてもよい。
ケン化反応の条件は、得られる共重合体が有する水酸基
当量の設定値により多少異なるが、通常、10〜100
゜Cの温度で10〜180分で行うことができる。本発明
においては、該共重合体は完全にケン化してもよいし、
また、部分的にケン化してもよい。好ましくは、水酸基
当量が100〜30000g/1当量、さらに好ましく
は150〜2000g/1当量の範囲となるように部分
的にケン化する。水酸基当量が100g/1当量より少
ないと、得られた成型品の耐衝撃性がよくない場合があ
り、また、水酸基当量が30000g/1当量を越える
とポリオレフィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂と
の相溶性が十分に改良されない場合がある。このように
して得られた該共重合体のケン化物は、必要により酸変
性される。共重合体のケン化物は、酸変性されることに
より、さらにポリオレフィン系樹脂と、熱可塑性ポリウ
レタン樹脂との相溶性が向上することがある。本発明の
酸変性とは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸等のカルボキシル基含有ビニルモノマーや無水マ
レイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物基含有ビニルモ
ノマーをケン化反応後残存するカルボキシメチル基等に
ラジカル的にグラフト重合等にする場合や、例えば、無
水コハク酸、無水マレイン酸、無水フマル酸、無水イタ
コン酸、無水シトラコン酸、無水エンデイック酸、無水
メチルエンデイック酸、無水クロレンド酸等の脂肪族酸
無水物、例えば、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水テト
ラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等
の脂環族無水酸、例えば、フタル酸、無水トリメリット
酸、無水ピロメリット酸等の酸無水物をケン化されたヒ
ドロキシル基に付加する場合、または、これら両者の場
合が同時に起こる場合等が挙げられる。ラジカル的にグ
ラフトする場合には、アクリル酸、無水マレイン酸、無
水イタコン酸が好ましく用いられ、また、ケン化された
ヒドロキシル基に付加する場合は、無水ヘキサヒドロフ
タル酸、無水テトラヒドロフタル酸が好ましく用いられ
る。
【0008】変性されるカルボキシル基は酸当量が10
0g/1当量以上、好ましくは500g/1当量以上で
ある。酸当量が100g/1当量に満たないと、例え
ば、射出成型時の型離れ等がよくない場合がある。かか
る酸変性の条件としては、例えば、ラジカル的にグラフ
ト重合する場合は、該共重合体のケン化物に対し、カル
ボキシル基含有ビニルモノマーや酸無水物基含有ビニル
モノマーを1〜10重量%の量で用い、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒、シク
ロヘキサノン等のケトン系溶媒,ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系溶媒、ブタノール等のアルコール
系溶媒、トリクレン等のハロゲン系溶媒等の溶媒の存在
下に、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ
クミル等の有機過酸化物やα、α’ーアゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系化合物等のラジカル発生剤を添加
して、該ラジカル発生剤の分解温度以上、例えば、50
〜200゜Cで0.01〜5時間加熱することにより行わ
れる。また、溶剤の不存在下、ラジカル発生剤を添加し
て、ベント付き押し出し機等を使用して溶融混練するこ
とにより行うこともできる。これらのラジカル発生剤
は、該共重合体のケン化物に対し約0.05〜3重量%
の量で用いられる。また、ケン化されたヒドロキシル基
に付加する場合は、該共重合体のケン化物に対し酸無水
物を1〜10重量%の量で用い、適宜の溶剤の存在下ま
たは不存在下に約50〜150゜Cで約0.1〜5時間加
熱することにより行われる。本発明に用いられる飽和モ
ノカルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマ
ーとの共重合体のケン化物は、メルトインデックスが好
ましくは1〜400g/10分(JISK6760に準
拠)、さらに好ましくは10〜300g/10分であ
る。メルトインデックスが1〜400g/10分の範囲
を外れると、溶融混練時の作業性がよくない場合があ
る。
0g/1当量以上、好ましくは500g/1当量以上で
ある。酸当量が100g/1当量に満たないと、例え
ば、射出成型時の型離れ等がよくない場合がある。かか
る酸変性の条件としては、例えば、ラジカル的にグラフ
ト重合する場合は、該共重合体のケン化物に対し、カル
ボキシル基含有ビニルモノマーや酸無水物基含有ビニル
モノマーを1〜10重量%の量で用い、例えば、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族系溶媒、シク
ロヘキサノン等のケトン系溶媒,ベンゼン、トルエン、
キシレン等の芳香族系溶媒、ブタノール等のアルコール
系溶媒、トリクレン等のハロゲン系溶媒等の溶媒の存在
下に、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化ジ
クミル等の有機過酸化物やα、α’ーアゾビスイソブチ
ロニトリル等のアゾ系化合物等のラジカル発生剤を添加
して、該ラジカル発生剤の分解温度以上、例えば、50
〜200゜Cで0.01〜5時間加熱することにより行わ
れる。また、溶剤の不存在下、ラジカル発生剤を添加し
て、ベント付き押し出し機等を使用して溶融混練するこ
とにより行うこともできる。これらのラジカル発生剤
は、該共重合体のケン化物に対し約0.05〜3重量%
の量で用いられる。また、ケン化されたヒドロキシル基
に付加する場合は、該共重合体のケン化物に対し酸無水
物を1〜10重量%の量で用い、適宜の溶剤の存在下ま
たは不存在下に約50〜150゜Cで約0.1〜5時間加
熱することにより行われる。本発明に用いられる飽和モ
ノカルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマ
ーとの共重合体のケン化物は、メルトインデックスが好
ましくは1〜400g/10分(JISK6760に準
拠)、さらに好ましくは10〜300g/10分であ
る。メルトインデックスが1〜400g/10分の範囲
を外れると、溶融混練時の作業性がよくない場合があ
る。
【0009】本発明のa)ポリオレフィン系樹脂、b)
熱可塑性ポリウレタン樹脂およびc)飽和モノカルボン
酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体のケン化物を含有する樹脂組成物のそれぞれの割合
は、その用途に応じ任意に決定される。通常、a)ポリ
オレフィン系樹脂とb)熱可塑性ポリウレタン樹脂との
割合は、a)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量部に対
し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜95重量部の
範囲で適宜決定される。例えば、ポリオレフィン系樹脂
の改質用途では、a)ポリオレフィン系樹脂60〜95
重量部に対し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜4
0重量部の範囲であり、また、熱可塑性ポリウレタン樹
脂の改質用途では、a)ポリオレフィン系樹脂5〜55
重量部に対し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が50〜
95重量部の範囲で用いられる。また、c)飽和モノカ
ルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマーと
の共重合体のケン化物の割合は、上記a)と上記b)の
合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ま
しくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10
重量部である。0.1重量部より少ないと、ポリオレフ
ィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶性が十
分でなく、得られた成形物は層間剥離をおこし、また、
30重量部を越えると得られた成形物の機械的強度が低
下する場合がある。また、本発明の樹脂組成物は、必要
に応じて、例えば、スチレンーブタジエン共重合体やそ
の水添物等のスチレン系エラストマー、無水マレイン酸
グラフト変性ポリプロピレン、グリシジル基含有ポリエ
チレン等の各種官能基含有ポリオレフィン等を適宜、追
加混合してもよい。また、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維等の強化繊維、タルク、炭酸カルシウム、
マイカ、酸化チタン、カーボンブラック、アルミフレー
ク、木粉等の充填剤等、例えば、酸化防止剤、耐光安定
剤、帯電防止剤、発泡剤、着色剤等の添加剤等を適宜の
量添加してもよい。本発明による樹脂組成物を得る方法
には、特に制限はなく、バンバリーミキサー、1軸また
は2軸スクリュ−方式押し出し機、ロール混練機、ニー
ダー等のプラスティック用またはゴム用の混練装置を使
用し、通常、100〜300℃にて溶融混練する。
熱可塑性ポリウレタン樹脂およびc)飽和モノカルボン
酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマーとの共重
合体のケン化物を含有する樹脂組成物のそれぞれの割合
は、その用途に応じ任意に決定される。通常、a)ポリ
オレフィン系樹脂とb)熱可塑性ポリウレタン樹脂との
割合は、a)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量部に対
し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜95重量部の
範囲で適宜決定される。例えば、ポリオレフィン系樹脂
の改質用途では、a)ポリオレフィン系樹脂60〜95
重量部に対し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜4
0重量部の範囲であり、また、熱可塑性ポリウレタン樹
脂の改質用途では、a)ポリオレフィン系樹脂5〜55
重量部に対し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が50〜
95重量部の範囲で用いられる。また、c)飽和モノカ
ルボン酸ビニルエステルとエチレン性不飽和モノマーと
の共重合体のケン化物の割合は、上記a)と上記b)の
合計量100重量部に対し、0.1〜30重量部、好ま
しくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜10
重量部である。0.1重量部より少ないと、ポリオレフ
ィン系樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶性が十
分でなく、得られた成形物は層間剥離をおこし、また、
30重量部を越えると得られた成形物の機械的強度が低
下する場合がある。また、本発明の樹脂組成物は、必要
に応じて、例えば、スチレンーブタジエン共重合体やそ
の水添物等のスチレン系エラストマー、無水マレイン酸
グラフト変性ポリプロピレン、グリシジル基含有ポリエ
チレン等の各種官能基含有ポリオレフィン等を適宜、追
加混合してもよい。また、例えば、ガラス繊維、炭素繊
維、金属繊維等の強化繊維、タルク、炭酸カルシウム、
マイカ、酸化チタン、カーボンブラック、アルミフレー
ク、木粉等の充填剤等、例えば、酸化防止剤、耐光安定
剤、帯電防止剤、発泡剤、着色剤等の添加剤等を適宜の
量添加してもよい。本発明による樹脂組成物を得る方法
には、特に制限はなく、バンバリーミキサー、1軸また
は2軸スクリュ−方式押し出し機、ロール混練機、ニー
ダー等のプラスティック用またはゴム用の混練装置を使
用し、通常、100〜300℃にて溶融混練する。
【0010】
【発明の効果】本発明の樹脂組成物を押出成形して得ら
れるシート、射出成形して得られる成形物、あるいは中
空成形して得られる成形品は、低温下における機械的性
質、成形性、耐屈曲疲労性に優れており、しかも安価で
低比重であるので、ポリオレフィンの改質用途、例え
ば、自動車用部材やポリウレタンの改質用途、例えば、
各種スポーツシューズ、チュ−ブ、ホース等に広範囲に
使用される。
れるシート、射出成形して得られる成形物、あるいは中
空成形して得られる成形品は、低温下における機械的性
質、成形性、耐屈曲疲労性に優れており、しかも安価で
低比重であるので、ポリオレフィンの改質用途、例え
ば、自動車用部材やポリウレタンの改質用途、例えば、
各種スポーツシューズ、チュ−ブ、ホース等に広範囲に
使用される。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらによって制約されるものではな
い。 実施例1 酢酸ビニル含量13.8モル%、メルトインデックス3
0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(エ
バフレックス EV−150 三井−デュポンポリケミ
カル社製)2kgを5lのキシレンに溶解し、メタノ−ル
194g、24%ナトリウムメトキサイドーメタノ−ル
溶液69g及び水7.2gを加え、50゜Cで1時間ケン
化反応をさせた後、水27gを加えてケン化反応を停止
した。この溶液に水12lを加え、析出した樹脂を濾過
・乾燥したところ水酸基当量480g/当量、メルトイ
ンデックス15g/10分のケン物1835gを得た。
以下この樹脂を樹脂Aとする。 実施例2 樹脂 A1000g、無水マレイン酸 20g及び過酸化
ベンゾイル2gをドライブレンドした後、真空ベント方
式の二軸押し出し機(池貝鉄工製 PCM−30)にて
溶融混練し、酸当量4500g/当量、水酸基当量52
5g/当量の酸変性されたケン化物のペレット900g
を得た。以下この樹脂を樹脂Bとする。
するが、本発明はこれらによって制約されるものではな
い。 実施例1 酢酸ビニル含量13.8モル%、メルトインデックス3
0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(エ
バフレックス EV−150 三井−デュポンポリケミ
カル社製)2kgを5lのキシレンに溶解し、メタノ−ル
194g、24%ナトリウムメトキサイドーメタノ−ル
溶液69g及び水7.2gを加え、50゜Cで1時間ケン
化反応をさせた後、水27gを加えてケン化反応を停止
した。この溶液に水12lを加え、析出した樹脂を濾過
・乾燥したところ水酸基当量480g/当量、メルトイ
ンデックス15g/10分のケン物1835gを得た。
以下この樹脂を樹脂Aとする。 実施例2 樹脂 A1000g、無水マレイン酸 20g及び過酸化
ベンゾイル2gをドライブレンドした後、真空ベント方
式の二軸押し出し機(池貝鉄工製 PCM−30)にて
溶融混練し、酸当量4500g/当量、水酸基当量52
5g/当量の酸変性されたケン化物のペレット900g
を得た。以下この樹脂を樹脂Bとする。
【0012】実施例3 酢酸ビニル含量13.8モル%、メルトインデックス3
0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(エ
バフレックス EV−150 三井−デュポンポリケミ
カル社製)2kgを5lのキシレンに溶解し、メタノ−ル
194g、24%ナトリウムメトキサイドーメタノ−ル
溶液69g及び水7.2gを加え、50゜Cで1時間ケン
化反応をさせた後、水27gを加えてケン化反応を停止
した。ケン化反応停止後、低沸点物を留去しながら内温
を120゜Cまであげ、アクリル酸20gと過酸化ベンゾ
イル2gを加え、30分間酸変性反応を行った。内温を
100゜Cまで下げた後、樹脂Aの場合と同様に析出・濾
過・乾燥を行い、酸当量6500g/当量、水酸基当量
480g/当量の酸変性されたケン化物1850gを得
た。以下この樹脂を樹脂Cとする。 実施例4〜12 熱可塑性ポリウレタン樹脂(ジフェニルメタンジイソシ
アネート/ポリテトラメチレンエーテルグリコール/
1、4−ブタンジオール 商品名エラストランET−8
58D 武田バーデシュウレタン工業製)、ポリプロピ
レン樹脂(メルトインデックス9g/10分、J709
HK 宇部興産製)さらに樹脂Aまたは樹脂Bまたは樹
脂Cを〔表1〕記載の割合で、二軸押し出し機を用いて
溶融混練して熱可塑性樹脂ペレットを得た。このペレッ
トを乾燥後、230゜Cで射出成形し、引っ張り弾性率
(JIS K7113 1号ダンベル)、アイゾット衝撃
(JIS K7110 ノッチ付き −6mm−)、比重
(JIS K7112)の測定を行った。また、目視に
よりポリプロピレン樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂と
の相溶性を判断した。結果を〔表1〕に示す。
0g/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(エ
バフレックス EV−150 三井−デュポンポリケミ
カル社製)2kgを5lのキシレンに溶解し、メタノ−ル
194g、24%ナトリウムメトキサイドーメタノ−ル
溶液69g及び水7.2gを加え、50゜Cで1時間ケン
化反応をさせた後、水27gを加えてケン化反応を停止
した。ケン化反応停止後、低沸点物を留去しながら内温
を120゜Cまであげ、アクリル酸20gと過酸化ベンゾ
イル2gを加え、30分間酸変性反応を行った。内温を
100゜Cまで下げた後、樹脂Aの場合と同様に析出・濾
過・乾燥を行い、酸当量6500g/当量、水酸基当量
480g/当量の酸変性されたケン化物1850gを得
た。以下この樹脂を樹脂Cとする。 実施例4〜12 熱可塑性ポリウレタン樹脂(ジフェニルメタンジイソシ
アネート/ポリテトラメチレンエーテルグリコール/
1、4−ブタンジオール 商品名エラストランET−8
58D 武田バーデシュウレタン工業製)、ポリプロピ
レン樹脂(メルトインデックス9g/10分、J709
HK 宇部興産製)さらに樹脂Aまたは樹脂Bまたは樹
脂Cを〔表1〕記載の割合で、二軸押し出し機を用いて
溶融混練して熱可塑性樹脂ペレットを得た。このペレッ
トを乾燥後、230゜Cで射出成形し、引っ張り弾性率
(JIS K7113 1号ダンベル)、アイゾット衝撃
(JIS K7110 ノッチ付き −6mm−)、比重
(JIS K7112)の測定を行った。また、目視に
よりポリプロピレン樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂と
の相溶性を判断した。結果を〔表1〕に示す。
【0013】比較例1〜4 熱可塑性ポリウレタン樹脂(エラストラン ET−85
8D 武田バーデシュウレタン工業製)、ポリプロピレ
ン樹脂(J709HK 宇部興産製)を〔表1〕記載の
割合で、二軸押し出し機を用いて溶融混練して熱可塑性
樹脂ペレットを得た。このペレットを乾燥後、230゜C
で射出成形し、引っ張り弾性率 (JIS K7113
1号ダンベル)、アイゾット衝撃(JIS K7110
ノッチ付き −6mm−)、比重(JIS K711
2)の測定を行った。また、目視によりポリプロピレン
樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶性を判断し
た。結果を〔表1〕に示す。
8D 武田バーデシュウレタン工業製)、ポリプロピレ
ン樹脂(J709HK 宇部興産製)を〔表1〕記載の
割合で、二軸押し出し機を用いて溶融混練して熱可塑性
樹脂ペレットを得た。このペレットを乾燥後、230゜C
で射出成形し、引っ張り弾性率 (JIS K7113
1号ダンベル)、アイゾット衝撃(JIS K7110
ノッチ付き −6mm−)、比重(JIS K711
2)の測定を行った。また、目視によりポリプロピレン
樹脂と熱可塑性ポリウレタン樹脂との相溶性を判断し
た。結果を〔表1〕に示す。
【0014】
【表1】
【図1】実施例11の射出成形物の断面の顕微鏡写真
(倍率 750倍)を示す。
(倍率 750倍)を示す。
【図2】実施例12の射出成形物の断面の顕微鏡写真
(倍率 750倍)を示す。
(倍率 750倍)を示す。
【図3】比較例3の射出成形物の断面の顕微鏡写真(倍
率 750倍)を示す。
率 750倍)を示す。
【図4】比較例4の射出成形物の断面の顕微鏡写真(倍
率 750倍)を示す。
率 750倍)を示す。
Claims (9)
- 【請求項1】a)ポリオレフィン系樹脂、b)熱可塑性
ポリウレタン樹脂、およびc)飽和モノカルボン酸ビニ
ルエステルとエチレン性不飽和モノマーとの共重合体の
ケン化物を含有する樹脂組成物。 - 【請求項2】c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルと
エチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が酸
変性されている請求項1記載の樹脂組成物。 - 【請求項3】a)ポリオレフィン系樹脂5〜95重量部
に対し、b)熱可塑性ポリウレタン樹脂が5〜95重量
部であり、上記a)と上記b)の合計量100重量部に
対し、c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルとエチレ
ン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物が0.1〜
30重量部である請求項1または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項4】a)ポリオレフィン系樹脂のメルトインデ
ックスが1〜50g/10分である請求項1または2記載の
樹脂組成物。 - 【請求項5】a)ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレ
ン系樹脂である請求項1または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項6】b)熱可塑性ポリウレタン樹脂の原料とし
て用いるジイソシアネート化合物が、芳香族ジイソシア
ネート化合物である請求項1又は2記載の樹脂組成物。 - 【請求項7】c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルと
エチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物のメ
ルトインデックスが1〜400g/10分である請求項1ま
たは2記載の樹脂組成物。 - 【請求項8】c)飽和モノカルボン酸ビニルエステルと
エチレン性不飽和モノマーとの共重合体のケン化物がエ
チレンと酢酸ビニルのと共重合体のケン化物である請求
項1または2記載の樹脂組成物。 - 【請求項9】酸変性に用いる酸がカルボキシル基含有ビ
ニルモノマーおよび/または酸無水物基含有ビニルモノ
マーである請求項2記載の樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15954194A JPH083375A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15954194A JPH083375A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083375A true JPH083375A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15696017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15954194A Withdrawn JPH083375A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083375A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11230697B2 (en) | 2006-09-01 | 2022-01-25 | Therapeutic Human Polyclonals Inc. | Enhanced expression of human or humanized immunoglobulin in non-human transgenic animals |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP15954194A patent/JPH083375A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US11230697B2 (en) | 2006-09-01 | 2022-01-25 | Therapeutic Human Polyclonals Inc. | Enhanced expression of human or humanized immunoglobulin in non-human transgenic animals |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010904 |