JPH0899354A - 二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0899354A
JPH0899354A JP23692594A JP23692594A JPH0899354A JP H0899354 A JPH0899354 A JP H0899354A JP 23692594 A JP23692594 A JP 23692594A JP 23692594 A JP23692594 A JP 23692594A JP H0899354 A JPH0899354 A JP H0899354A
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JP
Japan
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polyester
film
biaxially oriented
elastic modulus
polyester film
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Pending
Application number
JP23692594A
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English (en)
Inventor
Masaaki Kotoura
正晃 琴浦
Iwao Okazaki
巌 岡崎
Koichi Abe
晃一 阿部
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 固有粘度[η]が、0.7〜3.0(dl/
g)のポリエステルからなり、破断伸度Aが200%以
下、破断伸度A(%)と弾性率B(kg/mm2)の関
係が下記式(1)を満足することを特徴とする二軸配向
ポリエステルフィルム。 B≧−1110×log(A)+2850 (1) 【効果】 高弾性率でかつ表面平坦性に優れており、長
時間記録用磁気テ−プ等のベ−スフィルムとして好適な
二軸配向ポリエステルフィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、二軸配向ポリエステル
フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレ−ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボ
キシレ−ト及びこれらを主体とするポリエステルは優れ
た物理的、化学的特性を有しており、繊維、フィルムあ
るいはシ−トさらにはその成形品として広く使用されて
いる。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気テ−プ用、ボトル用、電気用、写真用、包装
用、製図用等多くの用途に用いられている。
【0004】一方、これらの用途製品のコンパクト化、
高密度化、高品質化等のニ−ズに従い、ポリエステルフ
ィルムに対する要求特性も益々厳しさを増してきてい
る。上記の各用途の中でも、殊に磁気記録媒体用途では
高級品質化とともに、長時間記録化、コンパクト化に伴
うベ−スフィルム薄膜化のために、更なる高弾性率化、
高強度化が望まれている。
【0005】磁気テ−プの機械特性を代表する値とし
て、一般に、弾性率が要求されている。ベ−スフィルム
の弾性率が不足すると、走行時の磁気ヘッドやガイドピ
ンから受ける張力のため、磁気テ−プに伸びが生じ、電
磁変換特性に悪影響を与える。長時間記録用磁気テ−プ
ではベ−スフィルム薄膜化のため、少なくとも一方向の
弾性率を向上させる必要がある。
【0006】一般に、ポリエステルフィルムの高弾性率
化、高強度化方法としては、大きく分類して、原料ポリ
エステル樹脂の高分子量化、高剛性成分の共重合等の原
料面からの改良と、延伸方法、熱処理方法等の製膜面か
らの改良とがある。
【0007】このなかで、原料ポリエステル樹脂の高分
子量化は、一般に低分子量ポリエステルからの固相重合
によって行うことができる。
【0008】しかし、通常、固相重合をする際には、低
分子量ポリエステルチップを減圧下あるいは常圧付近の
圧力において空気または不活性気体の気流下で、加熱す
ることにより行われるが、ポリエステルチップを加熱し
続け、ガラス転移温度付近の温度になると、チップが互
いに融着するようになってしまう。融着したチップをそ
のまま静置すると固着して容易に離れなくなり、固相重
合装置内でチップの閉塞が起こる等の問題がある。
【0009】そこで、この融着を防止するためには、融
着現象が起こる温度範囲において、チップ層を撹拌する
必要がある。しかし、チップ層を撹拌することにより、
微小粒子(以下ファインという)が発生する。このよう
に固相重合系中に、粒径の著しく異なるチップとファイ
ンが共存すると、比表面積の大きいファインの方が重合
度が上がり易いため、チップよりもはるかに高重合化し
てしまう。そのため、かかる重合度の大きく異なるファ
インを含んだチップをフィルムに製膜した場合、ファイ
ンの一部が完全に溶融できず異物として残存する結果、
表面粗大突起を形成する原因となる。このため、フィル
ムの加工工程、特に磁気記録媒体用途における磁性層塗
布、カレンダ−及び巻取、カセット組み込み工程等の工
程速度の増大に伴い、接触ロ−ルやガイドでこの表面粗
大突起が削り取られたり、ロ−ルフィルム表面の平面性
を損ない、電磁変換特性を低下させたり、フィッシュア
イの発生によって、弾性率、強度を低下させたりする等
といった問題点があった。したがって、磁気記録媒体用
ベ−スフィルムの高弾性率化方法としては、従来、製膜
面からの改良が主であった。しかし、かかる製膜面から
の改良は製膜工程の延長や、延伸部、熱処理部分等の改
造等といった製膜装置自体の改良が伴うことが多いた
め、既存の製膜設備に対してはスペ−ス、改造時間、コ
スト等の点から実用化することが困難なものが多かっ
た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は原料面からの改良を行うことによって、既存の製膜設
備を何等改良することなく、高弾性かつ表面平坦性に優
れた、磁気記録媒体用に適した二軸配向ポリエステルフ
ィルムを提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
二軸配向ポリエステルフィルムは、固有粘度[η]が、
0.7〜3.0(dl/g)のポリエステルからなり、
破断伸度Aが200%以下、破断伸度A(%)と弾性率
B(kg/mm2 )の関係が下記式(1)を満足するこ
とを特徴とする。
【0012】 B≧−1110×log(A)+2850 (1) 本発明の二軸配向ポリエステルフィルムは、ポリエステ
ルファイン含有量が少ない、固有粘度の高いポリエステ
ルチップを用いることによって、磁気記録媒体用フィル
ムとして要求される高弾性率と表面平坦性をともに満足
させることをその特徴としている。
【0013】本発明における固有粘度[η]は、0.7
〜3.0(dl/g)とする必要があり、好ましくは
0.8〜2.5、特に好ましくは1.0〜2.0であ
る。[η]が0.7以下だと、(1)式の範囲外とな
り、長時間記録用磁気テ−プのベ−スフィルムとしての
充分な弾性率、強度が得られない。一方、3.0以上で
あると、溶融粘度が高すぎるために、T型ダイ内でのポ
リマ−の流れが不均一となる等の原因によって、安定し
て製膜することができなくなる。
【0014】また、破断伸度Aは、200%以下とする
必要があり、好ましくは100%以下、特に好ましくは
20%以上50%以下の範囲である。破断伸度Aが20
0%より大きくなると、充分な弾性率が得られないた
め、磁気テ−プ用に適した厚さにした場合、走行時に磁
気ヘッドやガイドピンから受ける張力のため、磁気テ−
プのエッジにダメ−ジを受けたり、伸びが生じ、電磁変
換特性に悪影響を与える。
【0015】本発明における破断伸度A(%)と弾性率
B(kg/mm2 )の関係が B≧−1110×log(A)+2850 ・・・(1) の範囲内であることが必要であり、好ましくは、 B≧−1110×log(A)+3000 さらに好ましくは、 B≧−1110×log(A)+3200 の範囲内である。(1)の関係式を外れると、薄膜化し
たフィルムにおいて、充分な弾性率が得られないため、
走行時に磁気ヘッドやガイドピンから受ける張力によ
り、磁気テ−プのエッジにダメ−ジを受けたり、伸びが
生じ電磁変換特性に悪影響を与える。
【0016】本発明の二軸配向ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは、芳香族ジカルボン酸、脂環族
ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオ−ルを主
たる構成成分とするポリエステルである。芳香族ジカル
ボン酸成分としては例えば、テレフタル酸、イソフタル
酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,
5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,
4’−ジフェニルエ−テルジカルボン酸、4,4’−ジ
フェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができ、
なかでも好ましくは、テレフタル酸、フタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。脂環
族ジカルボン酸成分としては例えば、シクロヘキサンジ
カルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン
酸成分としては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバ
シン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。こ
れらの酸成分は1種のみ用いてもよく、2種以上併用し
てもよく、さらには、ヒドロキシエトキシ安息香酸等の
オキシ酸等を一部共重合してもよい。また、ジオ−ル成
分としては例えば、エチレングリコ−ル、1,2−プロ
パンジオ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、ネオペンチ
ルグリコ−ル、1,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタ
ンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキ
サンジオ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、
1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコ−ル、トリエ
チレングリコ−ル、ポリアルキレングリコ−ル、2,
2’−ビス(4’−β−ヒドロキシエトキシフェニル)
プロパン等を挙げることができ、なかでも好ましくは、
エチレングリコ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,4
−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコ−ル
等を挙げることができ、特に好ましくは、エチレングリ
コ−ル等を挙げることができる。これらのジオ−ル成分
は1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。ま
た、ポリエステルにはトリメリット酸、ピロメリット
酸、グリセロ−ル、ペンタエリスリト−ル、2,4−ジ
オキシ安息香酸、ラウリルアルコ−ル、イソシアン酸フ
ェニル等の単官能化合物等の他の化合物を、ポリマ−が
実質的に線状である範囲内で共重合されていてもよい。
【0017】ポリエステルの代表的な例としては、ポリ
エチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン−2,6−ナフ
タレンジカルボキシレ−ト等を挙げることができる。
【0018】本発明におけるポリエステルの製造方法と
しては例えば、酸成分とジオ−ル成分とを直接エステル
化させるか、または酸成分として、ジアルキルエステル
を用いて、ジオ−ル成分とエステル交換反応をさせる第
一段階の反応の後、この反応の生成物を減圧下で加熱し
て余剰のジオ−ル成分を除去しつつ溶融重合させる第二
段階の反応とで製造する方法や、さらに第二段階の反応
の生成物を固相重合させる第三段階の反応により製造す
る方法等が挙げられるが、[η]が高いポリエステルを
得るためには、溶融重合では反応時間が長くなり、熱分
解が進行する結果、ポリマ−特性が低下するため、固相
重合を用いることが好ましい。
【0019】固相重合には、従来公知の方法を用いるこ
とができる。具体的には、溶融重合によって得られた
[η]の低いプレポリマ−を一旦チップ状に成形した
後、減圧下あるいは常圧付近の圧力において空気または
不活性気体の気流下で、加熱することにより通常行われ
る。固相重合温度はポリエステルのガラス転移温度(T
g)以上融点(Tm)以下の温度であれば特に限定はさ
れないが、好ましくは(Tg+40)℃〜(Tm−1
0)℃、特に好ましくは(Tg+80)℃〜(Tm−2
0)℃である。また、固相重合時間も用いるプレポリマ
−の[η]、固相重合温度および目的とする[η]に応
じて適宜設定できるが、プレポリマ−の[η]が0.4
〜0.6程度、固相重合温度が(Tg+80)℃〜(T
m−20)℃程度の場合、通常1〜100時間、好まし
くは5〜80時間、特に好ましくは10〜60時間であ
る。
【0020】また、チップの融着を防止するためには、
チップ層の撹拌や、融着が顕著になる温度以下で一旦予
備結晶化を行った後、昇温しさらに固相重合を続行する
こと等が好ましく行われる。
【0021】固相重合によって得られたチップ中には撹
拌等によって、通常相当量のポリエステルファインを含
有するため、この量を低減させることが好ましい。低減
方法は特に限定されるものではなく、例えば、振動を用
いる方法、気流分離法、特開平5−43677号公報に
提案されている、固相重合終了後、高温状態にあるポリ
エステルチップを液体冷媒に直接接触させる方法、固相
重合終了後、一旦不活性気体で冷却した後、溶媒で洗浄
する方法等を用いることができるが、振動を用いる方法
や気流分離法では充分にポリエステルファインを除去で
きない場合があり、また、特開平5−43677号公報
に提案されている方法では冷却時に加溶媒分解等によっ
て[η]が低下する場合がある。この点、このような欠
点のない溶媒で洗浄する方法が特に好ましい。洗浄に用
いる溶媒としては例えば、水、アルコ−ル類、ケトン
類、エステル類等を挙げることができるが、好ましくは
メタノ−ル、エタノ−ル等のアルコ−ル類である。ま
た、洗浄方法としては、通常、所定の溶媒と一旦冷却し
たポリマ−を混合し、チップの大きさよりは小さく、ポ
リエステルファインの大きさよりは大きい目のフィルタ
−を用いて濾過する方法や該フィルタ−上に置かれたチ
ップに所定の溶媒を供給しながらポリエステルファイン
を除去する方法等が用いられる。この際、撹拌や振動を
与えることもチップとファインを分離する上で好まし
い。
【0022】本発明に用いられるポリエステルには必要
に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワック
ス等の有機滑剤、あるいはポリシロキサン等の消泡剤等
を配合することができる。また、易滑性や耐摩耗性、耐
スクラッチ性を付与するためにクレ−、マイカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、カリオン、タルク、湿式または
乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫
酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アク
リル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を配
合したり、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等に
よって析出する、いわゆる内部粒子を含有せしめたり、
界面活性剤を配合したりすることができる。
【0023】本発明において得られたフィルムの少なく
とも1方向の弾性率は特に限定されないが、好ましくは
600kg/mm2 以上、より好ましくは650kg/
mm2 以上、特に好ましくは700kg/mm2 以上で
ある。600kg/mm2 未満であると長時間記録用磁
気テ−プ用に適した厚さにした場合、走行時に磁気ヘッ
ドやガイドピンから受ける張力のため、磁気テ−プに伸
びが生じ、電磁変換特性に悪影響を与える場合がある。
【0024】かかる弾性率のフィルムは、上記のように
して得られた固有粘度[η]が0.7〜3.0(dl/
g)のポリエステルを原料として、従来公知の方法によ
って製膜することによって得ることができ、既存設備に
対しては何等の改良も必要としない。
【0025】次に本発明フィルムの製造方法を説明す
る。
【0026】具体的な製膜方法としては、例えば、上記
にて得られたポリエステルを溶融押出機に供給し、スリ
ット状のダイからシ−ト状に押出し、キャスティングロ
−ル上で冷却固化せしめて、未延伸フィルムを作る。
【0027】次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二
軸配向せしめる。延伸方法としては、逐次二軸延伸方
法、または同時二軸延伸方法を用いることができる。ま
た、これらの延伸を行った後、再縦延伸、再横延伸を行
ってもよい。ただし、最初に長手方向、次に幅方向の延
伸を行う逐次二軸延伸法を用い、その後再縦延伸を行う
方法を用いることができる。長手方向の延伸倍率を3段
階以上に分けて、縦延伸温度は80〜150℃、好まし
くは80〜110℃、縦延伸倍率は、3.0〜5.5
倍、好ましくは、3.5〜5.0倍、延伸速度は5,0
00〜50,000%/分の範囲が好ましい。幅方向の
延伸方法としては例えばテンタ−を用いる方法が好まし
く、延伸温度は80〜160℃、幅方向延伸倍率は3.
0〜6.0倍、幅方向の延伸速度は1,000〜20,
000%/分の範囲が好ましい。延伸倍率が低すぎると
充分な弾性率、強度が得られず、一方、延伸倍率が高す
ぎると製膜時に破れが発生し安定して製膜ができなくな
ったり、製膜後のフィルムの収縮率が高くなるなどの問
題が生じる。また、二軸延伸後、さらに再延伸してもよ
い。特に長手方向の弾性率、強度を向上させるためには
長手方向に再延伸することが好ましく行われる。再縦延
伸温度は120〜160℃、倍率は1.1〜1.5倍、
延伸速度は5,000〜50,000%/分の範囲が好
ましい。
【0028】次に必要に応じて、この延伸フィルムを熱
処理してもよい。この場合の熱処理温度は170〜22
0℃、特に180〜200℃、時間は0.5〜60秒の
範囲が好適である。
【0029】本発明では、得られたフィルムの表面粗大
突起数H3は、好ましくは、50個/200cm2
下、より好ましくは30個/200cm2 以下であり、
特に好ましくは10個/200cm2 以下である。50
個/200cm2 を越えるとドロップアウトが多発し、
磁気テ−プとして充分満足する電磁変換特性を得ること
ができない場合がある。
【0030】得られるフィルムの厚さは特に限定されて
いないが、長時間記録用磁気テ−プ用としては通常1〜
30μm、好ましくは3〜20μm、特に好ましくは5
〜15μmものが用いられる。
【0031】本発明のフィルムは単膜で一応、充分満足
する電磁変換特性を得ることができるが、高級用途にお
いては、本発明フィルムを芯層とする多層構造を有する
フィルムとし、従来公知の方法によって、表面特性をさ
らに改良することもできる。本発明が特に有効なのは、
磁気記録媒体用途であるが、その他にも、高弾性率かつ
表面平坦性に優れていることから、写真用、、コンデン
サ用、包装用、製図用等に用いることもできる。
【0032】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次のとおりである。
【0033】(1)固有粘度[η] o−クロロフェノ−ル溶媒に溶解後、25℃で測定し
た。
【0034】(2)弾性率 JIS K−7127に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した。
【0035】(3)破断伸度 JIS K−7127に規定された方法にしたがって、
インストロンタイプの引っ張り試験機を用いて、25
℃、65%RHにて測定した時の、(伸張した長さ/も
との試料長)×100を破断伸度(%)とした。
【0036】(4)表面粗大突起数H−3 測定面(100cm2 )同士を2枚重ね合わせて静電気
力(印加電圧5.4kV)で密着させた後、2枚のフィ
ルム間で粗大突起部分の光の干渉によって生じるニュ−
トン環から粗大突起の高さを判定し、3重環以上の粗大
突起数をH3とした。なお、光源はハロゲンランプに5
64nmのハンドパスフィルタ−をかけて用いた。
【0037】(5)粒子の平均粒径 フィルム断面を透過電子顕微鏡(TEM)を用い、10
万倍以上の倍率で観察する。TEMの切片厚さは約10
0nmとし、場所を変えて100視野以上測定する。粒
子の粒径は単分散粒子についての等価円相当径の平均値
である。なお、粒子の粒径は重量平均とする。
【0038】(6)磁気テ−プにおけるドロップアウト
評価 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビアロ−ルにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダ−装置(スチ−ルロ−ル/ナイロンロ−ル、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカ
レンダ−処理した後、70℃、48時間キュアリングす
る。上記テ−プ原反を1/2インチにスリットし、パン
ケ−キを作成した。このパンケ−キから250mの長さ
をVTRカセットに組み込み、VTRカセットテ−プと
した。
【0039】 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体): 10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コロネ−トL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ−ト) : 5重量部 ・レシチン : 1重量部 ・メチルエチルケトン : 75重量部 ・トルエン : 75重量部 ・カ−ボンブラック : 2重量部 ・ラウリル酸 :1.5重量部 このテ−プにVTRを用い、TV試験信号発生機(シバ
ソクTG−7/1型)からの信号を録画させた後、25
℃、50%RHで100パス(120分×100パス)
走行させた。このテ−プをドロップアウトカウンタ−を
用いて、ドロップアウトの幅が5μ秒以上で、再生され
た信号の減衰がマイナス16dB以上のものをピックア
ップしてドロップアウトとした。測定は10巻について
行い、1分間当たりに換算したドロップアウトの個数が
5個未満の場合はドロップアウト良好、5個以上の場合
を不良とした。
【0040】(7)耐エッジダメ−ジ性 (6)で用いたのと同様のVTRカセットテ−プにVT
Rを用いて、25℃、65%RHで200パス走行後、
テ−プ端部のひだ状の伸びを目視判定にて次のように評
価した。
【0041】○:全く伸びが認められないもの △:わずかに伸びが認められたもの ×:はっきりひだ状の伸びが認められ、実用上使用し難
いもの
【0042】
【実施例】次に実施例に基づき、本発明をさらに詳細に
説明する。
【0043】実施例1(表1) ジメチルテレフタレ−ト100重量部、エチレングリコ
−ル70重量部、酢酸リチウム0.002重量部、酢酸
マグネシウム0.06重量部及び三酸化アンチモン0.
03重量部を加え、常法に従いエステル交換反応せしめ
た後に、リン酸トリメチル0.023重量部を添加し
た。その後、粒径が約0.7μmの炭酸カルシウムのエ
チレングリコ−ルスラリ−と粒径が約0.3μmのコロ
イダルシリカのエチレングリコ−ルスラリ−を添加し、
次いで、徐々に昇温、減圧し、最終的に280℃、1m
mHg以下で重縮合反応を行うことにより、[η]=
0.60、炭酸カルシウム濃度0.01重量%、コロイ
ダルシリカ濃度0.3重量%のプレポリマ−を、直径約
2mm、高さ約3mmのチップ形状として得た。
【0044】得られたチップを乾燥後、1mmHg以下
の減圧下、180℃で撹拌しながら2時間予備結晶化を
行った。その後、さらに220℃に昇温して、20時間
固相重合を続行し、[η]=0.8のポリエステルチッ
プを得た。
【0045】得られたポリエステルを窒素気流下で冷却
後、メタノ−ル中に投入し、充分撹拌した後、50メッ
シュのフィルタ−を用いて濾過し、フィルタ−上のチッ
プを乾燥することにより、目的とするポリエステルを得
た。
【0046】固相重合終了時のポリエステルファイン量
は320ppm、メタノ−ル洗浄後は50ppmであっ
た。
【0047】得られたポリエステルチップを、180℃
で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に供給し2
80℃で溶融した。この溶融ポリマ−を高精度瀘過し、
静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャステ
ィング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィル
ムを作った。この時、口金スリット間隙/未延伸フィル
ム厚さの比を10とした。この未延伸フィルムを温度1
00℃にて長手方向に5.0倍延伸した。この延伸は2
組ずつのロ−ルの周速差で、4段階で行なった。この一
軸延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度2000%
/分で97℃で幅方向に4.2倍延伸した後、150℃
で幅方向に3%のリラックスを許しながら熱固定した。
さらに該フィルムを150℃で長手方向に1.2倍延伸
し、続いて185℃で熱固定し厚さ12μmの二軸配向
ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性は表
1に示したとおり、高弾性率を有し本発明の範囲内であ
った。
【0048】実施例2(表1) 固相重合時間を70時間として得られた[η]=1.3
のポリエステルチップを窒素気流下で冷却後、メタノ−
ル中に投入し、充分撹拌した後、50メッシュのフィル
タ−を用いて濾過し、フィルタ−上のチップを乾燥する
ことにより、目的とするポリエステルを得た。
【0049】固相重合終了時のポリエステルファイン量
は350ppm、メタノ−ル洗浄後は60ppmであっ
た。
【0050】得られたポリエステルチップを、180℃
で8時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機に供給し2
80℃で溶融した。この溶融ポリマ−を高精度瀘過し、
静電印加キャスト法を用いて表面温度25℃のキャステ
ィング・ドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィル
ムを作った。この時、口金スリット間隙/未延伸フィル
ム厚さの比を10とした。この未延伸フィルムを温度9
5℃にて長手方向に4.2倍延伸した。この延伸は2組
ずつのロ−ルの周速差で、4段階で行なった。この一軸
延伸フィルムをステンタを用いて延伸速度2000%/
分で100℃で幅方向に4.0倍延伸した後、155℃
で幅方向に2%のリラックスを許しながら熱固定した。
さらに該フィルムを155℃で長手方向に1.2倍延伸
し、続いて190℃で熱固定し厚さ15μmの二軸配向
ポリエステルフィルムを得た。このフィルムの特性は表
1に示したとおり、高弾性率を有し本発明の範囲内であ
った。
【0051】比較例1(表1) 固相重合前の[η]=0.55のプレポリマを用いて、
実施例1と同様の製膜方法で厚さ12μmの二軸配向ポ
リエステルフィルムを得た。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明のフィルムは、既存の製膜設備を
何等改良することなく製造でき、かつ高弾性率でかつ表
面平坦性に優れており、長時間記録用磁気テ−プ等のベ
−スフィルムとして好適な二軸配向ポリエステルフィル
ムである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固有粘度[η]が、0.7〜3.0(d
    l/g)のポリエステルからなり、破断伸度Aが200
    %以下、破断伸度A(%)と弾性率B(kg/mm2
    の関係が下記式(1)を満足することを特徴とする二軸
    配向ポリエステルフィルム。 B≧−1110×log(A)+2850 (1)
  2. 【請求項2】 ポリエステルがポリエチレンテレフタレ
    −トからなることを特徴とする請求項1記載の二軸配向
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 長手方向、幅方向のうち少なくとも一方
    向の弾性率が600kg/mm2 以上であることを特徴
    とする請求項1又は2記載の二軸配向ポリエステルフィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 表面粗大突起数H3が50個/200c
    2 以下であることを特徴とする請求項1から請求項3
    のいずれかに記載の二軸配向ポリエステルフィルム。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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USRE40571E1 (en) 1998-12-25 2008-11-11 Mitsui Chemicals, Inc. Catalyst for polyester production, process for producing polyester using the catalyst, polyester obtained by the process, and uses of the polyester

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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USRE40571E1 (en) 1998-12-25 2008-11-11 Mitsui Chemicals, Inc. Catalyst for polyester production, process for producing polyester using the catalyst, polyester obtained by the process, and uses of the polyester

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