JPH06349050A - 磁気記録媒体用ベースフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用ベースフィルム

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JPH06349050A
JPH06349050A JP13796293A JP13796293A JPH06349050A JP H06349050 A JPH06349050 A JP H06349050A JP 13796293 A JP13796293 A JP 13796293A JP 13796293 A JP13796293 A JP 13796293A JP H06349050 A JPH06349050 A JP H06349050A
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JP
Japan
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polyester
base film
film
acid
magnetic recording
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JP13796293A
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Katsuzane Oosaki
勝真 大▲さき▼
Masaru Suzuki
勝 鈴木
Yuzo Shimizu
有三 清水
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Toray Industries Inc
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】固有粘度[η]が0.7〜2.0(dl/g)
のポリエステルからなり、長手方向のF5 値が12kg
/mm2 以上、表面粗大突起数H3が50個/200c
2 以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ベース
フィルム。 【効果】高強度でかつ表面平坦性に優れ、長時間記録用
磁気テープのベースフィルムとして好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体用ベースフ
ィルムに関するものであり、詳しくは、高強度でかつ表
面平坦性に優れた磁気記録媒体用ベースフィルムに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレートあるいはポリ−
1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート及び
これらを主体とするポリエステルは優れた物理的、化学
的特性を有しており、繊維、フィルムあるいはシートさ
らにはその成形品として広く使用されている。
【0003】特に、ポリエステルフィルムは耐熱性、耐
薬品性、機械的特性において優れた性質を有するため
に、磁気テープ用、ボトル用、電気用、写真用、包装
用、製図用等多くの用途に用いられている。
【0004】一方、これらの用途製品のコンパクト化、
高密度化、高級品質化等のニーズに従い、ポリエステル
フィルムに対する要求特性も益々厳しさを増してきてい
る。上記の各用途の中でも、殊に磁気記録媒体用途では
高級品質化とともに、長時間記録化、コンパクト化に伴
うベースフィルムの薄膜化のために、更なる高強度化が
望まれている。
【0005】磁気テープの強度を代表する値として、一
般に長手方向のF5 値が要求されている。ベースフィル
ムの長手方向のF5 値が不足すると、走行時に磁気ヘッ
ドやガイドピンから受ける張力のため、磁気テープに伸
びが生じ、再生特性に悪影響を与える。長時間記録用磁
気テープではベースフィルムの薄膜化のため、特に長手
方向のF5 値を向上させる必要がある。
【0006】一般に、ポリエステルフィルムの高強度化
方法としては、大きく分類して、原料ポリエステル樹脂
の高分子量化、高剛性成分の共重合等の原料面からの改
良と、延伸方法、熱処理方法等の製膜面からの改良とが
ある。
【0007】このなかで、原料ポリエステル樹脂の高分
子量化は、一般に低分子量ポリエステルからの固相重合
によって行なうことができる。
【0008】しかし、通常、固相重合をする際には、低
分子量ポリエステルチップを減圧下あるいは常圧付近の
圧力において空気または不活性気体の気流下で、加熱す
ることにより行なわれるが、ポリエステルチップを加熱
し続け、ガラス転移温度付近の温度になると、チップが
互いに融着するようになってしまう。融着したチップを
そのまま静置すると固着して容易に離れなくなり、固相
重合装置内でチップの閉塞が起こる等の問題点がある。
【0009】そこで、この融着を防止するためには、融
着現象が起こる温度範囲において、チップ層を撹拌する
必要がある。しかし、チップ層を撹拌することにより、
微小粒子(以下ファインという)が発生する。このよう
に固相重合系中に、粒径の著しく異なるチップとファイ
ンが共存すると、比表面積の大きいファインの方が重合
度が上がり易いため、チップよりもはるかに高重合化し
てしまう。そのため、かかる重合度の大きく異なるファ
インを含んだチップをフィルムに製膜した場合、ファイ
ンの一部が完全に溶融できず異物として残存する結果、
表面粗大突起を形成する。このため、フィルムの加工工
程、特に磁気記録媒体用途における磁性層塗布・カレン
ダー及び巻取、カセット組み込み工程等の工程速度の増
大に伴い、接触するロールやガイドでこの表面粗大突起
が削れ取られたり、ロールフィルム表面の平面性を損な
い、電磁変換特性を低下させたり、フィッシュアイの発
生によって強度を低下させたりする等といった問題点が
あった。
【0010】したがって、磁気記録媒体用ベースフィル
ムの高強力化方法としては、従来、製膜面からの改良が
主であった。しかし、かかる製膜面からの改良は製膜工
程の延長や、延伸部、熱処理部分等の改造等といった製
膜装置自体の改良が伴うことが多いため、既存の製膜設
備に対してはスペース、改造時間、コスト等の点から利
用することが困難なものが多かった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は原料面からの改良を行なうことによって、既存の製膜
設備を何等改良することなく、高強度かつ表面平坦性に
優れた、磁気記録媒体用に適したフィルムを提案するこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の目的は固
有粘度[η]が0.7〜2.0(dl/g)のポリエス
テルからなり、長手方向のF5 値が12kg/mm2
上、表面粗大突起数H3が50個/200cm2 以下で
あることを特徴とする磁気記録媒体用ベースフィルムに
よって達成できる。
【0013】本発明は、ポリエステルファイン含有量が
少ない、固有粘度の高いポリエステルチップを用いるこ
とによって、磁気記録媒体用フィルムとして要求される
高強度と表面平坦性をともに満足させることをその特徴
としている。
【0014】本発明における固有粘度[η]は0.7〜
2.0(dl/g)とする必要があり、好ましくは0.
8〜1.8、特に好ましくは1.0〜1.5である。
[η]が0.7以下だと、長時間記録用磁気テープのベ
ースフィルムとしての充分な強度が得られない。一方、
2.0以上であると、溶融粘度が高すぎるために、T型
ダイ内でのポリマーの流れが不均一となる等の原因によ
って、安定して製膜することができなくなる。
【0015】本発明におけるポリエステルとは、芳香族
ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸または脂肪族ジカル
ボン酸とジオールを主たる構成成分とするポリエステル
である。芳香族ジカルボン酸成分としては例えば、テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレ
ンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4´−ジフェニ
ルジカルボン酸、4,4´−ジフェニルエーテルジカル
ボン酸、4,4´−ジフェニルスルホンジカルボン酸等
を挙げることができ、なかでも好ましくは、テレフタル
酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
挙げることができる。脂環族ジカルボン酸成分としては
例えば、シクロヘキサンジカルボン酸等を挙げることが
できる。脂肪族ジカルボン酸成分としては例えば、アジ
ピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等
を挙げることができる。これらの酸成分は1種のみ用い
てもよく、2種以上併用してもよく、さらには、ヒドロ
キシエトキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合して
もよい。また、ジオール成分としては例えば、エチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロ
パンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタ
ンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シク
ロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメ
タノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアル
キレングリコール、2,2´−ビス(4´−β−ヒドロ
キシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることがで
き、なかでも好ましくは、エチレングリコール、1,4
−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ル、ジエチレングリコール等を挙げることができ、特に
好ましくは、エチレングリコール等を挙げることができ
る。これらのジオール成分は1種のみ用いてもよく、2
種以上併用してもよい。また、ポリエステルにはトリメ
リット酸、ピロメリット酸、グリセロール、ペンタエリ
スリトール、2,4−ジオキシ安息香酸、4−オキシイ
ソフタル酸等の三官能以上の多官能化合物、安息香酸、
ラウリルアルコール、イソシアン酸フェニル等の単官能
化合物等の他の化合物を、ポリマーが実質的に線状であ
る範囲内で共重合されていてもよい。
【0016】ポリエステルの代表的な例としては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート等を挙げることがで
きる。
【0017】本発明におけるポリエステルの製造方法と
しては例えば、酸成分とジオール成分とを直接エステル
化させるか、または酸成分として、ジアルキルエステル
を用いて、ジオール成分とエステル交換反応をさせる第
一段階の反応の後、この反応の生成物を減圧下で加熱し
て余剰のジオール成分を除去しつつ溶融重合させる第二
段階の反応とで製造する方法や、さらに第二段階の反応
の生成物を固相重合させる第三段階の反応により製造す
る方法等が挙げられるが、[η]が高いポリエステルを
得るためには、溶融重合では反応時間が長くなり、熱分
解が進行する結果、ポリマー特性が低下するため、固相
重合を用いることが好ましい。
【0018】固相重合には、従来公知の方法を用いるこ
とができる。具体的には、溶融重合によって得られた
[η]の低いプレポリマーを一旦チップ状に成形した
後、減圧下あるいは常圧付近の圧力において空気または
不活性気体の気流下で、加熱することにより通常行なわ
れる。固相重合温度はポリエステルのガラス転移温度
(Tg)以上融点(Tm)以下の温度であれば特に限定
はされないが、好ましくは(Tg+40)℃〜(Tm−
10)℃、特に好ましくは(Tg+80)℃〜(Tm−
20)℃である。また、固相重合時間も用いるプレポリ
マーの[η]、固相重合温度および目的とする[η]に
応じて適宜設定できるが、プレポリマーの[η]が0.
4〜0.6程度、固相重合温度が(Tg+80)℃〜
(Tm−20)℃程度の場合、通常1〜100時間、好
ましくは5〜80時間、特に好ましくは10〜60時間
である。
【0019】また、チップの融着を防止するためには、
チップ層の撹拌や、融着が顕著になる温度以下で一旦予
備結晶化を行なった後、昇温しさらに固相重合を続行す
ること等が好ましく行なわれる。
【0020】本発明におけるベースフィルムは、固有粘
度[η]が2.0(dl/g)を越えるポリエステルフ
ァインの含有量が200ppm以下であるポリエステル
からなることが好ましく、より好ましくは100ppm
以下、特に好ましくは50ppm以下である。該ポリエ
ステルファインが200ppmを越える量含有している
と製膜した場合、フィルム表面の平面性を損なう結果、
磁気テープ用として満足する磁気変換特性を得ることが
できない場合がある。
【0021】ここでいうポリエステルファインとは、比
表面積が約200cm2 /g以上のものをいい、一般に
いう粒径が小さい微小粒子以外に繊維状のものや多孔質
状のものも含まれる。
【0022】固相重合によって得られたチップ中には撹
拌などによって、通常相当量のポリエステルファインを
含有するため、この量を低減させることが好ましい。低
減方法は特に限定されるものではなく、例えば、振動篩
を用いる方法、気流分離法、特開平5−43677号公
報に提案されている、固相重合終了後、高温状態にある
ポリエステルチップを液体冷媒に直接接触させる方法、
固相重合終了後、一旦不活性気体で冷却した後、溶媒で
洗浄する方法等を用いることができるが、振動篩を用い
る方法や気流分離法では充分にポリエステルファインを
除去できない場合があり、また、特開平5−43677
号公報に提案されている方法では冷却時に加溶媒分解等
によって[η]が低下する場合があるため好ましくな
い。この点、このような欠点のない溶媒で洗浄する方法
が特に好ましい。洗浄に用いる溶媒としては例えば、
水、アルコール類、ケトン類、エステル類等を挙げるこ
とができるが、好ましくはメタノール、エタノール等の
アルコール類である。また、洗浄方法としては、通常、
所定の溶媒と一旦冷却したポリマーを混合し、チップの
大きさよりは小さく、ポリエステルファインの大きさよ
りは大きい目のフィルターを用いて濾過する方法や該フ
ィルター上に置かれたチップに所定の溶媒を供給しなが
らポリエステルファインを除去する方法等が用いられ
る。この際、撹拌や振動を与えることもチップとファイ
ンを分離する上で好ましい。
【0023】本発明に用いられるポリエステルには必要
に応じて、難燃剤、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワック
ス等の有機滑剤、あるいはポリシロキサン等の消泡剤等
を配合することができる。また、易滑性や耐摩耗性、耐
スクラッチ性を付与するためにクレー、マイカ、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、カオリン、タルク、湿式または
乾式シリカ、コロイド状シリカ、リン酸カルシウム、硫
酸バリウム、アルミナ、ジルコニア等の無機粒子、アク
リル酸類、スチレン等を構成成分とする有機粒子等を配
合したり、ポリエステル重合反応時に添加する触媒等に
よって析出する、いわゆる内部粒子を含有せしめたり、
界面活性剤を塗布したりすることができる。
【0024】本発明においては得られたフィルムの長手
方向のF5 値が12kg/mm2 以上であることが必要
であり、好ましくは14kg/mm2 以上、特に好まし
くは16kg/mm2 以上である。12kg/mm2
満であると長時間記録用磁気テープ用に適した厚さにし
た場合、走行時に磁気ヘッドやガイドピンから受ける張
力のため、磁気テープに伸びが生じ、再生特性に悪影響
を与える。
【0025】かかる強度のフィルムは、上記のようにし
て得られた固有粘度[η]が0.7〜2.0(dl/
g)のポリエステルを原料として、従来公知の方法によ
って製膜をすることによって得ることができ、既存設備
に対しては何等の改良も必要としない。
【0026】具体的な製膜方法としては、例えば、上記
にて得られたポリエステルを溶融押し出し機に供給し、
スリット状のダイからシート状に押し出し、冷却固化せ
しめて、未延伸シートとした後、この未延伸シートを二
軸延伸する方法が一般に用いられている。延伸方法とし
ては、逐次二軸延伸方法、または同時二軸延伸方法を用
いることができる。逐次二軸延伸法の場合、長手方向、
幅方向の順に延伸するのが一般的であるが、この順を逆
にしてもよい。長手方向のF5 値が本発明の範囲内とな
れば、延伸倍率は特に限定されるものではないが、通常
は長手方向、幅方向にそれぞれ2.0〜5.0倍、好ま
しくは3.0〜5.0倍程度である。延伸倍率が低すぎ
ると充分な強度が得られず、一方、延伸倍率が高すぎる
と製膜時に破れが発生し安定して製膜ができなくなった
り、製膜後のフィルムの収縮率が高くなるなどの問題が
生じる。また、二軸延伸後、さらに再延伸してもよい。
特に長手方向の強度を向上させるためには長手方向に再
延伸することが好ましく行なわれる。さらにその後、こ
のフィルムを熱処理してもよい。熱処理条件は特に限定
されるものではないが、通常180〜230℃、時間は
0.5〜60秒が適当である。
【0027】本発明では、得られたフィルムの表面粗大
突起数H3が50個/200cm2以下である必要があ
り、好ましくは30個/200cm2 以下であり、特に
好ましくは10個/200cm2 以下である。50個/
200cm2 を越えるとドロップアウトが多発し、磁気
テープとして充分満足する磁気変換特性を得ることがで
きない。
【0028】得られるフィルムの厚さは特に限定されな
いが、長時間記録用磁気テープ用としては通常1〜30
μm、好ましくは3〜20μm、特に好ましくは5〜1
5μmのものが用いられる。
【0029】本発明フィルムは単膜で一応、充分満足す
る磁気変換特性を得ることができるが、高級用途におい
ては、本発明フィルムを芯層とする多層構造を有するフ
ィルムとし、従来公知の方法によって、表面特性をさら
に改良することもできる。
【0030】
【実施例】以下本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。実施例中の特性は次のようにして測定した。
【0031】A.固有粘度[η] o−クロロフェノール溶媒に溶解後、25℃で測定し
た。
【0032】B.F5 値 15mm幅、チャック間50mm長の試料フィルムを東
洋ボールドウイン社製テンシロン(UTN−III)に
より、20℃、65%RHにて50mm/分で引っ張
り、5%伸長時の荷重を初期の断面積で割り、kg/m
2 単位で表わした。
【0033】C.表面粗大突起数H3 測定面(100cm2 )同士を2枚重ね合わせて静電気
力(印加電圧5.4kV)で密着させた後、2枚のフィ
ルム間で粗大突起部分の光の干渉によって生じるニュー
トン環から粗大突起の高さを判定し、3重環以上の粗大
突起数をH3とした。H3の単位は100cm2 を2枚
重ねているため、個/200cm2 となる。なお、光源
はハロゲンランプに564nmのバンドパスフィルター
をかけて用いた。
【0034】D.磁気テープにおけるドロップアウト評
価 フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビアロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させた後、小型テストカレ
ンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、5段)
で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダ
ー処理し、70℃、48時間キュアリングした。上記テ
ープ原反を1/2インチにスリットし、250mの長さ
をVTRカセットに組み込み、VTRカセットテープと
した。
【0035】 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) : 10 重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ): 10 重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネート) : 5 重量部 ・レシチン : 1 重量部 ・メチルエチルケトン : 75 重量部 ・トルエン : 75 重量部 ・カーボンブラック 2 重量部 ・ラウリン酸 1.5 重量部
【0036】このテープにVTRを用い、TV試験信号
発生機(シバソク製TG−7/1型)からの信号を録画
させた後、25℃、50%RHで100パス(120分
×100パス)走行させた。このテープをドロップアウ
トカウンターを用いて、ドロップアウトの幅が5μ秒以
上で、再生された信号の減衰がマイナス16dB以上の
ものをピックアップしてドロップアウトとした。測定は
10巻について行ない、1分間当たりに換算したドロッ
プアウト個数が10個未満の場合はドロップアウト良
好、10個以上の場合を不良とした。
【0037】E.耐エッジダメージ性 D.で用いたのと同様のVTRカセットテープにVTR
を用いて、25℃、50%RHで200パス走行後、テ
ープ端部のひだ状の伸びを目視判定にて次のように評価
した。 ○.全く伸びが認められないもの △.わずかに伸びが認められたもの ×.はっきりひだ状の伸びが認められ、実用上使用し難
いもの
【0038】実施例1 ジメチルテレフタレート100重量部、エチレングリコ
ール70重量部、酢酸リチウム0.002重量部、酢酸
マグネシウム0.06重量部及び三酸化アンチモン0.
03重量部を加え、常法に従いエステル交換反応せしめ
た後に、リン酸トリメチル0.023重量部を添加し
た。その後、1次粒径が約0.8μmの炭酸カルシウム
のエチレングリコールスラリーと1次粒径が約0.2μ
mのコロイダルシリカのエチレングリコールスラリーを
添加し、次いで、徐々に昇温、減圧し、最終的に280
℃、1mmHg以下で重縮合反応を行なうことにより、
[η]=0.55、炭酸カルシウム濃度0.01重量
%、コロイダルシリカ濃度0.3重量%のプレポリマー
を、直径約2mm、高さ約3mmのチップ形状として得
た。
【0039】得られたチップを乾燥後、1mmHg以下
の減圧下、180℃で撹拌しながら2時間予備結晶化を
行なった。その後、さらに220℃に昇温して、25時
間固相重合を続行し、[η]=0.8のポリエステルチ
ップを得た。
【0040】得られたポリエステルを窒素気流下で冷却
後、メタノール中に投入し、充分撹拌した後、50メッ
シュのフィルターを用いて濾過し、フィルター上のチッ
プを乾燥することにより、目的とするポリエステルを得
た。
【0041】固相重合終了時のポリエステルファイン量
は300ppm、メタノール洗浄後は60ppmであっ
た。
【0042】得られたポリエステルをフィルム成形機で
シート化した後、二軸延伸機を用いて、90℃で縦方向
に3.5倍、次いで95℃で横方向に3.8倍に逐次延
伸し、更に220℃で5秒間熱処理することにより、厚
さ10μmの二軸延伸ポリエステルフィルムを得た。
【0043】得られたポリエステルフィルムのF5 値は
14kg/mm2 と本発明の範囲内であり、耐エッジダ
メージ性の評価も○であった。また、表面粗大突起数H
3は5個/200cm2 であり、このフィルムの磁気テ
ープにおけるドロップアウト個数も1個で良好との結果
を得た。
【0044】実施例2 固相重合時間を70時間として得られた[η]=1.2
のポリエステルチップを用いること以外は、実施例1と
同様の方法で厚さ10μmの二軸延伸ポリエステルフィ
ルムを得た。メタノール洗浄後のファイン量は60pp
mであり、得られたポリエステルフィルムのF5 値は1
6kg/mm2 と本発明の範囲内であり、耐エッジダメ
ージ性の評価も○であった。また、表面粗大突起数H3
は10個/200cm2 であり、磁気テープにおけるド
ロップアウト個数も2個で良好であった。
【0045】比較例1 固相重合前の[η]=0.55のプレポリマーを用い
て、実施例1と同様の製膜方法で厚さ10μmの二軸延
伸ポリエステルフィルムを得た。
【0046】得られたポリエステルフィルムの表面粗大
突起数H3は5個/200cm2 であり、磁気テープに
おけるドロップアウト個数は1個で良好であったが、F
5 値は10kg/mm2 と本発明の範囲外であり、耐エ
ッジダメージ性の評価も△であった。
【0047】比較例2 メタノール洗浄を行なわない事以外は実施例1と同様の
方法で、厚さ10μmの二軸延伸ポリエステルフィルム
を得た。
【0048】得られたポリエステルフィルムのF5 値は
12.5kg/mm2 と本発明の範囲内であり、耐エッ
ジダメージ性の評価も○であったが、表面粗大突起数H
3は100個/200cm2 であり、磁気テープにおけ
るドロップアウト個数は25個で不良であった。
【0049】
【発明の効果】本発明のフィルムは、既存の製膜設備を
何等改良することなく製造でき、かつ高強度でかつ表面
平坦性に優れており、長時間記録用磁気テープのベース
フィルムとして好適である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固有粘度[η]が0.7〜2.0(dl/
    g)のポリエステルからなり、長手方向のF5 値が12
    kg/mm2 以上、表面粗大突起数H3が50個/20
    0cm2 以下であることを特徴とする磁気記録媒体用ベ
    ースフィルム。
  2. 【請求項2】固有粘度[η]が2.0(dl/g)を越
    えるポリエステルファインの含有量が200ppm以下
    であるポリエステルからなる請求項1記載の磁気記録媒
    体用ベースフィルム。
  3. 【請求項3】固相重合により得られたポリエステルであ
    って溶媒で洗浄処理したものを製膜することを特徴とす
    る請求項1または2記載の磁気記録媒体用ベースフィル
    ムの製造方法。
JP13796293A 1993-06-08 1993-06-08 磁気記録媒体用ベースフィルム Pending JPH06349050A (ja)

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JP13796293A JPH06349050A (ja) 1993-06-08 1993-06-08 磁気記録媒体用ベースフィルム

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JP13796293A JPH06349050A (ja) 1993-06-08 1993-06-08 磁気記録媒体用ベースフィルム

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001233954A (ja) * 2000-02-23 2001-08-28 Toyobo Co Ltd ポリエステル並びにそれからなる中空成形体、シート状物及び延伸フィルム
JP2006143908A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物及び成形品
USRE40571E1 (en) 1998-12-25 2008-11-11 Mitsui Chemicals, Inc. Catalyst for polyester production, process for producing polyester using the catalyst, polyester obtained by the process, and uses of the polyester

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