JP2001233954A - ポリエステル並びにそれからなる中空成形体、シート状物及び延伸フィルム - Google Patents
ポリエステル並びにそれからなる中空成形体、シート状物及び延伸フィルムInfo
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Abstract
連続形成性に優れたポリエステル及びそれから得られた
透明性、熱的寸法安定性が良好で、特に、中空成形体の
口栓部収縮率が適正な範囲となり、液体容器としたとき
に残留異味、異臭が発生しにくい中空成形体、シート状
物及び延伸フィルムを提供すること。 【解決手段】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであって、290℃の温度で60分間溶融したと
きの環状三量体の増加量が0.30重量%以下であるポ
リエステルにおいて、環状三量体の含有量が0.35重
量%以下、該ポリエステルのチップの平均密度が1.3
950g/cm3以上、該チップの外層の密度が1.4
030g/cm3以下、かつ該チップの中心層と外層の
密度の差が0.0015〜0.0050g/cm3であ
ることを特徴とする。
Description
にそれからなる中空成形体、シート状物及び延伸フィル
ムに関し、特に、溶融成形時の結晶化コントロール性、
長時間連続成形性に優れたポリエステル並びに透明性及
び耐熱寸法安定性に優れた成形体、シート状物及び延伸
フィルムに関するものである。
などの容器の素材として、充填内容物の種類及びその使
用目的に応じて種々の樹脂が採用されている。これらの
樹脂のうちでポリエステルは機械的強度、耐熱性、透明
性及びガスバリヤー性に優れているので、特にジュー
ス、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器の素材と
して最適である。このようなポリエステルは、射出成形
機などの成形機に供給して中空成形体用プリフォームを
成形し、このプリフォームを所定形状の金型に挿入し延
伸ブロー成形した後ボトルの胴部を熱処理(ヒートセッ
ト)して中空成形体に成形し、さらには必要に応じてボ
トルの口栓部を熱処理(口栓部結晶化)するのが一般的
である。
三量体などのオリゴマー類が含まれており、このオリゴ
マー類が成形時に金型内面や金型のガスの排気口、排気
管に付着することによる金型汚れが発生しやすかった。
このような金型汚れは、得られる中空成形体の表面肌荒
れや白化の原因となる。もし中空成形体が白化してしま
うと、その中空成形体は廃棄しなければならない。この
ため金型汚れを頻繁に除去しなければならず、ボトルの
生産性が低下してしまうという問題点があった。また、
ポリエステルは、副生物であるアセトアルデヒドを含有
する。ポリエステル中のアセトアルデヒド含有量が多い
場合には、これから成形された容器やその他包装材料中
のアセトアルデヒド含有量も多くなり、容器などに充填
された飲料などの風味や臭いに影響を及ぼす。したがっ
て、従来よりポリエステル中のアセトアルデヒド含有量
を低減させるために種々の方策が採られてきた。
トを中心とするポリエステル製中空成形体は、ミネラル
ウォーターやウーロン茶などの低フレーバー飲料用の容
器として使用されるようになってきた。このような飲料
の場合は、一般にこれらの飲料を熱充填したり又は充填
後加熱して殺菌されるが、飲料容器のアセトアルデヒド
含有量の低減だけではこれらの内容物の風味や臭いが改
善されないことがわかってきた。また、飲料用金属缶に
ついては、工程簡略化、衛生性、公害防止などの目的か
ら、その内面にポリエチレンテレフタレートを中心とす
るポリエステルフィルムを被覆した金属板を利用して製
缶する方法が採られるようになってきた。この場合に
も、内容物を充填後高温で加熱殺菌されるが、この際ア
セトアルデヒド含有量の低いフィルムを使用しても内容
物の風味や臭いが改善されないことがわかってきた。
縮合により得られたポリエステルチップを固相重合する
ことによって、分子量を上昇させると共にアセトアルデ
ヒド含有量及び環状三量体を低下させ、次いで、例え
ば、特開平3−174441号公報に開示された水処理
方法によってポリエステルを処理する。
には、処理用の水として蒸留水を用いるとコストの面か
ら不利であるため、河川からの水や地下水、排水などを
簡易処理した工業用水を用いることが一般的である。し
かしながら、工業用水を用いて水処理をした場合、しば
しば成形時の結晶化が早すぎ、透明性の悪い中空成形体
になってしまうという問題があった。また、口栓部結晶
化による口栓部の収縮が規格内におさまらずにキャッピ
ング不良となる問題もあった。
の段階において、工業用水に含まれているナトリウムや
マグネシウム、カルシウム、二酸化珪素などの金属含有
物質の含有量が一定値より多い場合、これらの金属の酸
化物や水酸化物などの金属含有物質が主成分の微粉が処
理水中に浮遊、沈殿、さらには処理槽壁や配管壁に付着
し、これがさらにポリエステルチップに付着、浸透し
て、成形時の結晶化が促進され、透明性の悪いボトルと
なることがわかった。さらには金属含有物質が主成分の
微粉が配管を詰まらせたり、処理槽や配管の洗浄を困難
にさせるなどの問題が生じていた。また、水処理の段階
において、ポリエステルチップに付着しているファイン
(樹脂微粉末)が処理水に浮遊、沈殿し処理槽壁や配管
壁に付着して、配管を詰まらせたり、処理槽や配管の洗
浄を困難にさせるなどの問題も生じていた。
することのできる、水処理したポリエステルを得るため
に、工業用水をイオン交換処理装置によって処理をした
イオン交換水を使用し、また、処理槽中の微粉量を一定
濃度以下になるように管理してポリエステルを水処理す
る方法もあるが、この場合でも透明性の悪い成形体しか
得られない場合があった。
ポリエステル並びにそれからなる中空成形体、シート状
物及び延伸フィルムの有する問題点を解決し、溶融成形
時の結晶化コントロール性、長時間連続形成性に優れた
ポリエステル及びそれから得られた透明性、熱的寸法安
定性が良好で、特に、中空成形体の口栓部収縮率が適正
な範囲となり、液体容器としたときに残留異味、異臭が
発生しにくい中空成形体、シート状物及び延伸フィルム
を提供することを目的とする。
め、本発明のポリエステルは、主たる繰り返し単位がエ
チレンテレフタレートであって、290℃の温度で60
分間溶融したときの環状三量体の増加量が0.30重量
%以下であるポリエステルにおいて、環状三量体の含有
量が0.35重量%以下、該ポリエステルのチップの平
均密度が1.3950g/cm3以上、該チップの外層
の密度が1.4030g/cm3以下、かつ該チップの
中心層と外層の密度の差が0.0015〜0.0050
g/cm3であることを特徴とする。
は、成形時に金型汚れが発生しにくく、口栓部の結晶化
コントロール性に優れ、かつ優れた透明性、耐熱性、機
械的特性、残留異味、異臭が少なく保香性の優れた中空
成形体、シート状物及び延伸フィルムに形成することが
できる。
ングリコール含有量が、該ポリエステルを構成するグリ
コール成分の1.5〜5.0モル%であることができ
る。
ド含有量が、5ppm以下であることができる。
チップが、該チップと同一組成のポリエステルのファイ
ンを0.1〜300ppm含有していることができる。
状に形成したものを、処理槽中において下記(a)及び
(b)の条件を満たす処理水で処理しものであることが
できる。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水
状に形成したものを、処理槽中において下記(c)の条
件を満たす処理水で処理したものであることができる。 (c)微粉の含有量が1000ppm以下の処理水
前記記載のポリエステルを成形してなるものであること
ができる。
前記記載のポリエステルを成形してなるものであること
ができる。
ルムが、シート状物を少なくとも一方向に延伸してなる
ものであることができる。
にそれからなる中空成形体、シート状物及び延伸フィル
ムの実施の形態を説明する。
単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルであ
って、好ましくはエチレンテレフタレート単位を85モ
ル%以上含む線状ポリエステルであり、さらに好ましく
は90モル%以上、特に好ましくは95%以上含む線状
ポリエステルである。
使用される共重合成分としてのジカルボン酸としては、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニール−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタ
ンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその機能
的誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸など
のオキシ酸及びその機能的誘導体、アジピン酸、セバシ
ン酸、コハク酸、グルタル酸などの脂肪族ジカルボン酸
及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸な
どの脂肪族ジカルボン酸及びその機能的誘導体などが挙
げられる。
使用される共重合成分としてのグリコールとしては、ジ
エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ネオペンチルグリコールなどの脂
肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂
環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールA
のアルキレンオキサイド付加物などの芳香族グリコール
などが挙げられる。
る場合に使用される共重合成分としての多官能化合物と
しては、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット
酸などを挙げることができ、グリコール成分としてグリ
セリン、ペンタエリスリトールを挙げることができる。
以上の共重合成分の使用量は、ポリエステルが実質的に
線状を維持する程度でなければならない。また、単官能
化合物、例えば安息香酸、ナフトエ酸などを共重合させ
てもよい。
フタール酸とエチレングリコール及び必要により前記共
重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した
後、重縮合触媒としてSb化合物、Ge化合物又はTi
化合物から選ばれた1種又はそれ以上の化合物を用いて
減圧下に重縮合を行う直接エステル化法又はテレフタル
酸ジメチルとエチレングリコール及び必要により前記共
重合成分をエステル交換触媒の存在下で反応させてメチ
ルアルコールを留去しエステル交換させた後、重縮合触
媒としてSb化合物、Ge化合物又はTi化合物から選
ばれた1種又はそれ以上の化合物を用いて主として減圧
下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。
Sb化合物としては、三酸化アンチモン、酢酸アンチモ
ン、酒石酸アンチモン、酒石酸アンチモンカリ、オキシ
塩化アンチモン、アンチモングリコレート、五酸化アン
チモン、トリフェニルアンチモンなどが挙げられる。S
b化合物は、生成ポリマー中のSb残存量として50〜
250ppmの範囲になるように添加する。
Ge化合物としては、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶
性二酸化ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウ
ムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラ−n−ブトキ
シド、亜リン酸ゲルマニウムなどが挙げられる。Ge化
合物を使用する場合、その使用量はポリエステル樹脂中
のGe残存量として5〜150ppm、好ましくは10
〜100ppm、さらに好ましくは15〜70ppmで
ある。
Ti化合物としては、テトラエチルチタネート、テトラ
イソプロピルチタネート、テトラ−n−プロピルチタネ
ート、テトラ−n−ブチルチタネートなどのテトラアル
キルチタネート及びそれらの部分加水分解物、蓚酸チタ
ニル、蓚酸チタニルアンモニウム、蓚酸チタニルナトリ
ウム、蓚酸チタニルカリウム、蓚酸チタニルカルシウ
ム、蓚酸チタニルストロンチウムなどの蓚酸チタニル化
合物、トリメリット酸チタン、硫酸チタン、塩化チタン
などが挙げられる。Ti化合物は、生成ポリエステル中
のTi残存量として0.1〜10ppmの範囲になるよ
うに添加する。
することができる。本発明で使用されるP化合物として
は、リン酸、亜リン酸、ホスホン酸及びそれらの誘導体
などが挙げられる。具体例としてはリン酸、リン酸トリ
メチルエステル、リン酸トリエチルエステル、リン酸ト
リブチルエステル、リン酸トリフェニールエステル、リ
ン酸モノメチルエステル、リン酸ジメチルエステル、リ
ン酸モノブチルエステル、リン酸ジブチルエステル、亜
リン酸、亜リン酸トリメチルエステル、亜リン酸トリエ
チルエステル、亜リン酸トリブチルエステル、メチルホ
スホン酸、メチルホスホン酸ジメチルエステル、エチル
ホスホン酸ジメチルエステル、フェニールホスホン酸ジ
メチルエステル、フェニールホスホン酸ジエチルエステ
ル、フェニールホスホン酸ジフェニールエステルなどで
あり、これらは単独で使用してもよく、また、2種以上
を併用してもよい。P化合物は、生成ポリエステル中の
P残存量として5〜100ppmの範囲になるように前
記のポリエステル生成反応工程の任意の段階で添加す
る。さらにポリエステルの極限粘度を増大させ、アセト
アルデヒド含有量を低下させるために固相重合を行って
もよい。
応、溶融重縮合反応及び固相重合反応は、回分式反応装
置で行ってもよいし、また、連続式反応装置で行っても
よい。
しくは0.55〜0.90dL/g、より好ましくは
0.58〜0.88dL/g、さらに好ましくは0.6
0〜0.86dL/gの範囲である。極限粘度が0.5
5dL/g未満では、得られた成形体などの機械的特性
が悪い。また、0.90dL/gを越える場合は、成形
機などによる溶融時に樹脂温度が高くなって熱分解が激
しくなり、保香性に影響を及ぼす遊離の低分子量化合物
が増加したり、成形体が黄色に着色するなどの問題が起
こる。
形状は、シリンダー型、角型又は扁平な板状などのいず
れでもよく、その大きさは、縦、横、高さがそれぞれ通
常1.5〜4mmの範囲である。例えばシリンダー型の
場合は、長さは1.5〜4mm、径は1.5〜4mm程
度であるのが実用的である。また、チップの重量は15
〜30mg/個の範囲が実用的である。
単位がエチレンテレフタレートであるポリエステルから
なり、290℃の温度で60分間溶融したときの環状三
量体の増加量が0.30重量%以下であり、環状三量体
の含有量が0.35重量%以下であり、ポリエステルの
チップの平均密度が1.3950g/cm3以上、この
チップの外層の密度が1.4030g/cm3以下、か
つ、このチップの中心層と外層の密度の差が0.001
5〜0.0050g/cm3のポリエステルである。
表面から内側へ0.5mmの厚さを持つ層をいい、ま
た、「中心層」とはチップの中心部を中心とした、一辺
が0.5mmの正立方体の形状の層をいう。
応によってチップ内部に生成する水やエチレングリコー
ルなどの低分子化合物がチップ表面層へと拡散し、チッ
プ表面より除去されることによって反応が進行し、分子
量が上昇する。また、固相重合の間、チップの結晶化は
進行しており、結晶化による熱がチップ内部に発生し、
これがポリエステルの熱伝導性が悪いためにチップ内部
に蓄積される。このため、どうしてもチップ内部の方が
温度が高くなるので、チップ内部、特に中心層の結晶化
度が外層の結晶化度より高くなり、また、チップ内部の
結晶はより緻密な結晶になっていく。このような結晶化
の程度や結晶の状態を表すために、一般的に密度の値が
用いられる。チップ内部に生成した結晶は緻密で、しか
もその量も多いので、外層に生成した結晶より溶融しに
くい。したがって、外層の結晶が溶融する条件において
成形する場合、内部の結晶は完全に溶融せず、これが結
晶核として作用することになる。
60分間溶融したときの環状三量体の増加量が0.30
重量%以下であることが必要である。環状三量体の増加
量は好ましくは0.2重量%以下、より好ましくは0.
1重量%以下である。290℃の温度で60分間溶融し
たときの環状三量体の増加量が0.30重量%を越える
と、ポリエステルを溶融成形する際に環状三量体量が増
加し、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加
し、得られた中空成形体などの透明性が非常に悪化す
る。
の含有量は、0.35重量%以下、好ましくは0.34
重量%以下、さらに好ましくは0.33重量%以下であ
る。本発明のポリエステルから耐熱性の中空成形体など
を成形する場合は加熱金型内で熱処理を行うが、環状三
量体の含有量が0.35重量%を越えて含有する場合に
は、加熱金型表面へのオリゴマー付着が急激に増加し、
得られた中空成形体などの透明性が非常に悪化する。
均密度は1.3950g/cm3以上、好ましくは1.
396g/cm3以上、さらに好ましくは1.397g
/cm3以上である。平均密度が1.395g/cm3未
満の場合は、環状三量体の含有量が0.35重量%以下
に低下しない。
の密度は、1.4030g/cm3以下、好ましくは
1.402g/cm3以下である。外層の密度が1.4
030g/cm3を越える場合は、チップの内部の結晶
化度が高くなりすぎ、溶融成形時に結晶が完全に溶融せ
ず、結晶核として残る。このため、加熱時の結晶化速度
が早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大とな
り、このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまら
ないため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れ
が生じたり、また、中空成形用予備成形体が白化し、こ
のため正常な延伸が不可能となる。
心層と外層の密度の差が0.0015〜0.0050g
/cm3、好ましくは0.0018〜0.0045g/
cm3、さらに好ましくは0.0020〜0.0040
g/cm3である。チップの中心層と外層の密度の差が
0.0015g/cm3未満の場合は、成形体を溶融成
形する際に結晶が容易に溶融し、結晶化促進作用のある
結晶核が生成せず、結晶化速度が非常におそくなる。し
たがって、中空成形体の口栓部を結晶化する場合に結晶
化が不十分となり、このため口栓部の収縮量が規定値範
囲内におさまらないためキャッピング不良となる。一
方、チップの中心層と外層の密度の差が0.0050g
/cm3を越える場合は、チップ内部に緻密な結晶が生
成し、また、結晶化度も高くなりすぎ、溶融成形時に結
晶が完全に溶融せず、結晶核として残る。このため、加
熱時の結晶化速度が早くなり、中空成形体の口栓部の結
晶化が過大となり、このため口栓部の収縮量が規定値範
囲内におさまらないため口栓部のキャッピング不良とな
り内容物の漏れが生じたりする。また、中空成形用予備
成形体が白化し、このため正常な延伸が不可能となり、
厚み斑が生じ、また、結晶化速度が速いため得られた中
空成形体の透明性が悪くなり、また、透明性の変動も大
となる。
記のようにして製造することができる。すなわち、溶融
重縮合により得られたプレポリマーチップを不活性ガス
雰囲気下、あるいは水蒸気又は水蒸気含有不活性ガス雰
囲気下で120〜200℃で1分〜5時間加熱処理して
予備結晶化を行う。次いで、前記のチップを塔型の連続
固相重合器の上部より連続的に供給しながら、塔上部及
び中央部のチップ温度を195〜215℃、下部のチッ
プ温度を前記の温度より約5〜15℃以上低くなるよう
に不活性ガスの温度、流量及び流通方法を調節して、約
5〜30時間固相重合を行う。固相重合塔の下部のチッ
プ温度を前記のように約5〜15℃低くなるように調節
することでチップの中心層と外層の適正な密度差をつけ
ることができる。
たときの環状三量体の増加量が0.30重量%以下にな
るようにするため、前記の固相重合ポリエステルチップ
を水、水蒸気又は水蒸気含有気体と接触処理を行う。
ける方法やシャワーでチップ上に水をかける方法などが
挙げられる。処理時間としては5分〜2日間、好ましく
は10分〜1日間、さらに好ましくは30分〜10時間
で、水の温度としては20〜180℃、好ましくは40
〜150℃、さらに好ましくは50〜120℃である。
るが、これに限定するものではない。また、処理方法は
連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支えない
が、工業的に行うためには連続方式の方が好ましい。
式で行う場合は、サイロタイプの処理槽が挙げられる。
すなわちバッチ方式でポリエステルのチップをサイロへ
受け入れ水処理を行う。あるいは回転筒型の処理槽にポ
リエステルのチップを受け入れ、回転させながら水処理
を行い水との接触をさらに効率的にすることもできる。
行う場合は、塔型の処理槽に継続的又は間欠的にポリエ
ステルのチップを上部より受け入れ、水処理させること
ができる。この概念図を図1に示す。
含有ガスとの接触処理方法としては、50〜150℃、
好ましくは50〜110℃の温度の水蒸気又は水蒸気含
有ガスを、好ましくはチップ1kg当り、水蒸気として
0.5g以上の量で供給させるか又は存在させて水蒸気
とを接触させる。この、チップと水蒸気との接触は、通
常10分間〜2日間、好ましくは20分間〜10時間行
われる。
水蒸気含有ガスとの接触処理を工業的に行う方法を例示
するが、これに限定されるものではない。また、処理方
法は連続方式、バッチ方式のいずれであっても差し支え
ない。
含有ガスとの接触処理をバッチ方式で行う場合は、サイ
ロタイプの処理装置が挙げられる。すなわちチップをサ
イロへ受け入れ、バッチ方式で、水蒸気又は水蒸気含有
ガスを供給し接触処理を行う。あるいは回転筒型の接触
処理装置にチップを受け入れ、回転させながら接触処理
を行い接触をさらに効率的にすることもできる。
含有ガスとの接触処理を連続方式で行う場合は、塔型の
処理装置に連続でチップを上部より受け入れ、並流ある
いは向流で水蒸気を連続供給し水蒸気と接触処理させる
ことができる。
スで処理した後ポリエステルのチップを必要に応じて振
動篩機、シモンカーターなどの水切り装置で水切りし、
次の乾燥工程へ移送する。
のチップの乾燥は通常用いられるポリエステルの乾燥処
理を用いることができる。連続的に乾燥する方法として
は、上部よりチップを供給し、下部より乾燥ガスを通気
するホッパー型の通気乾燥機が通常使用される。乾燥ガ
ス量を減らし、効率的に乾燥する方法としては回転ディ
スク型加熱方式の連続乾燥機が用いられ、少量の乾燥ガ
スを通気しながら、回転ディスクや外部ジャケットに加
熱蒸気、加熱媒体などを供給しチップを間接的に加熱乾
燥することができる。
ルコーン型回転乾燥機が用いられ、真空下であるいは真
空下少量の乾燥ガスを通気しながら乾燥することができ
る。あるいは大気圧下で乾燥ガスを通気しながら乾燥し
てもよい。乾燥ガスとしては大気空気でも差し支えない
が、ポリエステルの加水分解や熱酸化分解による分子量
低下を防止する点からは乾燥窒素、除湿空気が好まし
い。
れたジエチレングリコール含有量は該ポリエステルを形
成するグリコール成分の、好ましくは1.5〜5.0モ
ル%、さらに好ましくは1.8〜4.5モル%、特に好
ましくは2.0〜4.0モル%である。ジエチレングリ
コール量が5.0モル%を越える場合は、熱安定性が悪
くなり、成形時に分子量低下が大きくなったり、また、
アセトアルデヒド含有量やホルムアルデヒド含有量の増
加量が大となり好ましくない。また、ジエチレングリコ
ール含有量が1.5モル%未満の場合は、得られた成形
体の透明性が低くなる傾向にある。
デヒド含有量は5ppm以下、好ましくは4ppm以
下、さらに好ましくは3ppm以下であり、ホルムアル
デヒド含有量は5ppm以下、好ましくは4ppm以
下、さらに好ましくは3ppm以下である。アセトアル
デヒド含有量が5ppm以上及びホルムアルデヒド含有
量が5ppm以上の場合は、このポリエステルから成形
された容器などの内容物の風味や臭いなどが悪くなる。
合ポリマーをチップ化する工程、固相重合工程、溶融重
縮合ポリマーチップや固相重合ポリマーチップを輸送す
る工程などにおいて、本来造粒時に設定した大きさのチ
ップよりかなり小さな粒状体や粉などが発生する。本発
明においては、ポリエステルのチップと同一組成の、こ
のような微細な粒状体や粉などをファインと称する。ポ
リエステルを製造する工程では純度の高い原料や副材料
を使用すると共に、溶融重縮合ポリマーの濾過、ポリエ
ステルのチップの冷却水の濾過、チップの水処理に系外
より導入する水の濾過、該チップの搬送などに使用する
気体の濾過などにより使用ポリエステル以外の異物や夾
雑物が混入しないような対策を実施するので、該ファイ
ンにはポリエステル以外の異物や夾雑物を含まないよう
にすることができる。
含有量は、好ましくは0.1〜300ppm、より好ま
しくは0.2〜250ppmである。含有量が0.1p
pm未満の場合は、結晶化速度が非常におそくなり、中
空成形体の口栓部の結晶化が不十分となり、このため口
栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらないためキャッ
ピング不良となったり、また、耐熱性中空成形体を成形
する延伸熱固定金型の汚れが激しく、透明な中空成形体
を得ようとすると頻繁に金型掃除をしなければならな
い。また、300ppmを超える場合は、結晶化速度が
早くなり、中空成形体の口栓部の結晶化が過大となり、
このため口栓部の収縮量が規定値範囲内におさまらない
ため口栓部のキャッピング不良となり内容物の漏れが生
じたり、また、中空成形用予備成形体が白化し、このた
め正常な延伸が不可能となる。
ァインの極限粘度は通常、0.55〜0.90、好まし
くは0.57〜0.88、さらに好ましくは0.58〜
0.87である。極限粘度が0.55より小さい場合は
得られた成形体の透明性が悪くなり、口栓部の収縮が大
きくなりすぎる。また、好ましくはポリエステルのチッ
プの極限粘度と同一又はポリエステルのチップの極限粘
度より0.03高い極限粘度の範囲であることが好まし
い。なお、ポリエステルのチップと同一組成とはファイ
ンの共重合成分及び該共重合成分含有量が、ポリエステ
ルのチップと同一であることを意味する。
の含有量を前記の範囲に調節する方法としては、篩分工
程を通していないファイン含有量の高いPET樹脂のチ
ップと篩分工程及び空気流によるファイン除去工程を通
したファイン含有量の非常に少ないPET樹脂チップを
適当な割合で混合する方法による他、ファイン除去工程
の飾の目開きを変更することにより調節することもで
き、また、篩分速度を変更することによるなど任意の方
法を用いることができる。
を水処理する場合には、次のような方法が実用的であ
る。まず、水処理の工程において、処理するための水の
少なくとも一部は処理槽から排出した水を再度処理槽に
戻し、繰り返し使用されている水であることが好まし
い。水を再使用することにより、処理水中に系外から混
入する微粉量をコントロールすることが可能で、ひいて
はポリエステルのファイン含有量をコントロールするこ
とが容易である。水と共に系外から混入する微粉量が0
である水を水処理に用いると、ポリエステルのチップに
付着していたファインが水によって流され0.1ppm
を下回ることがある。さらには処理水中の微粉量を10
00ppm以下、好ましくは500ppm以下になるよ
うに調節しながら行うことが好ましい。微粉量が100
0ppmを越える水を用いるとポリエステルのファイン
含有量が300ppmを越えることがある。
ミド、不飽和脂肪酸モノアミド、飽和脂肪酸ビスアミ
ド、不飽和脂肪酸ビスアミドなどを同時に併用すること
も可能である。飽和脂肪酸モノアミドの例としては、ラ
ウリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸ア
ミド、ベヘン酸アミドなどが挙げられる。不飽和脂肪酸
モノアミドの例としては、オレイン酸アミド、エルカ酸
アミドリシノール酸アミドなどが挙げられる。飽和脂肪
酸ビスアミドの例としては、メチレンビスステアリン酸
アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビス
ラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、
エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミドな
どが挙げられる。また、不飽和脂肪酸ビスアミドの例と
しては、エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレ
ンビスオレイン酸アミドなどが挙げられる。好ましいア
ミド系化合物は、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸
ビスアミドなどである。このようなアミド化合物の配合
量は、10ppb〜1×105ppmの範囲である。
33の脂肪族モノカルボン酸の金属塩化合物、例えばナ
フテン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、
モンタン酸、メリシン酸、オレイン酸、リノール酸など
の飽和及び不飽和脂肪酸のリチュウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩及びコ
バルト塩などを同時に併用することも可能である。これ
らの化合物の配合量は、10ppb〜300ppmの範
囲である。
レー、二軸延伸フィルムなどの包装材、金属缶被覆用フ
ィルムなどとして好ましく用いることができる。また、
本発明のポリエステルは、多層成形体や多層フィルムな
どの一構成層としても用いることができる。
公知の紫外線吸収剤、外部より添加する滑剤や反応中に
内部析出させた滑剤、離型剤、核剤、安定剤、帯電防止
剤、顔料などの各種の添加剤を配合してもよい。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
なお、本発明における、主な特性値の測定法を以下に説
明する。
(2:3重量比)混合溶媒中30℃での溶液粘度から求
めた。
[DEG含有量」という) メタノールにより分解し、ガスクロマトグラフィーによ
りDEG含有量を定量し、全グリコール成分に対する割
合(モル%)で表した。
A含有量」という) 試料/蒸留水=1g/2mLを窒素置換したガラスアン
プルに入れて上部を溶封し、160℃で2時間抽出処理
を行い、冷却後抽出液中のアセトアルデヒドを高感度ガ
スクロマトグラフィーで測定し濃度をppmで表示し
た。
量)試料をヘキサフルオロイソプロパノール/クロロフ
ォルム混合液に溶解し、さらにクロロフォルムを加えて
希釈する。これにメタノールを加えてポリマーを沈殿さ
せた後、濾過する。濾液を蒸発乾固し、ジメチルフォル
ムアミドで定容とし、液体クロマトグラフ法よりエチレ
ンテレフタレート単位から構成される環状三量体を定量
した。
増加量(△CT量) 乾燥したポリエステルのチップ3gをガラス製試験管に
入れ、窒素雰囲気下で290℃のオイルバスに60分浸
漬させ溶融させる。溶融時の環状三量体増加量は、次式
により求めた。 溶融時の環状三量体増加量(重量%)=溶融後の環状三量
体含有量(重量%)−溶融前の環状三量体含有量(重量
%)
層の採取 チップ化ときの切断面を除くチップ表面より、カッター
によって外表面からの厚さ0.5mmの切片を切り取
り、次いで前記の切断面に対応する両端を切断して外層
の試料とする。また、チップ化ときの切断面と平行な二
面によって、チップの中心部を真中に含むように幅0.
5mmの柱体をチップ中央部より切り取る。次いで、こ
の柱体よりチップの中心部が真中になるように一辺が
0.5mmの立方体を切り取り、中心層の試料とする。
任意のチップ10個より、中心層と外層を各チップごと
に採取し、密度測定に供した。
法1.7mmの金網を張った篩(直径30cm)の上に
乗せ、上から0.1%のカチオン系界面活性剤(アルキ
ルトリメチルアンモニウムクロライド)水溶液を2L/
分の流量でシャワー状にかけながら、全振幅幅約7c
m、60往復/1分で1分間篩った。この操作を繰り返
し、樹脂を合計30kg篩った。篩い落とされたファイ
ンは界面活性剤水溶液と共に岩城硝子社製1G1ガラス
フィルター(細孔100〜120μm)で濾過して集
め、イオン交換水で洗った。これをガラスフィルターご
と乾燥器内で100℃で2時間乾燥後、冷却して秤量し
た。再度、イオン交換水で洗浄、乾燥の同一操作を繰り
返し、恒量になったことを確認し、この重量からガラス
フィルターの重量を引き、ファイン重量を求めた。ファ
イン含有量は、ファイン量/篩にかけた全樹脂量重量、
である。
び中心層と外層の密度 硝酸カルシウム/水混合溶液の密度勾配管で30℃で測
定した。任意の10個のチップの密度を測定し、その平
均値を平均密度とした。また、同一チップからの対応す
る中心層と外層の密度の差を求め、その平均値を中心層
と外層の密度差とした。
定した。
の中空成形体の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切
り取り、日本電色社製ヘイズメーターで測定した。ま
た、10回連続して成形した成形板(肉厚5mm)のヘ
イズを測定し、ヘイズ斑は下記により求めた。 ヘイズ斑=ヘイズの最大値/ヘイズの最小値
上昇 パリソン口栓部を自家製の赤外線ヒーターによって60
秒間熱処理し、天面から試料を採取し密度を測定した。
に4ケ所試料(3cm×3cm)を切り取り、デジタル
厚み計でその厚さを測定した(同一試料内を5点づつ測
定し、その平均を試料厚みとした)。厚み斑は下記によ
り求めた。 厚み斑=厚みの最大値/厚みの最小値
(DM)射出成型機により、シリンダー温度290℃に
おいて、10℃に冷却した段付平板金型を用い成形し
た。得られた段付成形板は、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11mmの厚みの約3cm×約5cm角
のプレートを階段状に備えたもので、1個の重量は約1
46gである。5mm厚みのプレートはヘイズ(霞度
%)測定に使用した。
製作所社製M−150C(DM)射出成型機により樹脂
温度295℃でプリフォームを成形した。このプリフォ
ームの口栓部を自家製の口栓部結晶化装置で加熱結晶化
させた後、コーポプラスト社製LB−01延伸ブロー成
型機を用いて二軸延伸ブロー成形し、引き続き約155
℃に設定した金型内で10秒間熱固定し、500ccの
中空成形体(胴部は円形)を得た。同様の条件で連続的
に延伸ブロー成形し、目視で判断して成形体の透明性が
損なわれるまでの成形回数で金型汚れを評価した。ま
た、ヘイズ測定用試料としては、5000回連続成形後
の成形体の胴部を供した。
価 前記(14)で成形した中空成形体に90℃の温湯を充
填し、キャッピング機によりキャッピングをした後、容
器を倒し放置後、内容物の漏洩を調べた。また、キャッ
ピング後の口栓部の変形状態も調べた。
るが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
融重縮合したポリエチレンテレフタレート・プレポリマ
ーを窒素ガス流通下に、約155℃で3時間連続的に結
晶化し、次いで塔型固相重合器に投入し、窒素ガス流通
下、上部及び中央部の温度を208℃、下部温度を20
0℃にして(20)時間固相重合し、固相重合ポリエス
テルを得た。
「PET」という)を次のようにして水処理した。PE
Tのチップの水処理には、図1に示す装置を用い、処理
槽上部の原料チップ供給口(1)、処理槽の処理水上限
レベルに位置するオーバーフロー排出口(2)、処理槽
下部のPETのチップと処理水の混合物の排出口
(3)、このオーバーフロー排出口から排出された処理
水と、処理槽から排出された処理水と、処理槽下部の排
出口から排出された水切り装置(4)を経由した処理水
が、濾材が紙製の30μmの連続式フィルターである微
粉除去装置(5)を経由して再び水処理槽へ送られる配
管(6)、これらの微粉除去済み処理水の導入口
(7)、微粉除去済み処理水中のアセトアルデヒドを吸
着処理させる吸着塔(8)及び新しいイオン交換水の導
入口(9)を備えた内容量約500リットルの塔型の処
理槽を使用した。
処理槽へ、PETのチップを50kg/時間の速度で処
理槽上部の供給口(1)から連続投入し、微粉含有量が
約100ppmの処理水を用いて水処理時間4時間で処
理槽下部の排出口(3)からPETチップとして50k
g/時間の速度で処理水と共に連続的に抜き出した。得
られたPETのファイン含有量は約13ppmであっ
た。なお、処理水中の微粉量は、処理層の処理水排出口
からJIS規格(JIS−Z−8801)による呼び寸
法850μmのフィルターを通過した処理水を1000
mL採取し、岩城硝子社製1G1ガラスフィルター(細
孔100〜120μm)で濾過後、100℃で2時間乾
燥し室温下で冷却後、重量を測定して算出する。
/g、DEG含有量は2.5モル%、環状三量体の含有
量は0.30重量%、環状三量体増加量は0.05重量
%、平均密度は1.4030g/cm3、チップ外層の
密度は1.4017g/cm3、チップ中心層と外層の
密度差は0.0020g/cm3、AA含有量は3.0
ppm、ファイン含有量は13ppmであった。原子吸
光分析により測定したGe残存量は55ppm、また、
P残存量は37ppmであった。
形ボトルによる評価を実施した。結果を表1に示す。成
形板のヘイズは2.8%、口栓部の密度は1.370g
/cm3と問題のない値であり、5000本以上の連続
延伸ブロー成形を実施したが、金型汚れは認められず、
また、ボトルの透明性も良好であった。また、内容物の
漏れ試験でも、問題はなく、口栓部の変形もなかった。
得られたボトルの胴部ヘイズは0.7%、ヘイズ斑は
1.1、厚み斑は1.05と良好であった。また、金型
汚れまでの成形回数は10000回と問題がなかった。
ボトルのAA含有量は15.4ppmと問題のない値で
あった。
ーを使用して、固相重合時の上部及び中間部の温度を2
10℃、下部温度を200℃に変更する以外は実施例1
と同一条件において固相重合し、次いで、同一条件で水
処理を実施した。得られたPET、これを成形した成形
板及び二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。結果は
問題なかった。
ーを使用して、固相重合時の上部、中間部及び下部の温
度を200℃にして固相重合時間を延長する以外は実施
例1と同一条件において固相重合し、次いで、同一条件
で水処理を実施した。得られたPET、これを成形した
成形板及び二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。得
られたPETの極限粘度は0.74dL/g、DEG含
有量は2.5モル%、環状三量体の含有量は0.55重
量%、環状三量体増加量は0.07重量%、平均密度は
1.3943g/cm3、チップ外層の密度は1.39
32g/cm3、チップ中心層と外層の密度差は0.0
013g/cm3、AA含有量は4.8ppm、ファイ
ン含有量は15ppmであった。また、成形板のヘイズ
は2.0%と良好だが、口栓部の密度は1.357g/
cm3と不十分な値であり、5000本以上の連続延伸
ブロー成形を実施したが、金型汚れまでの成形回数は5
000回と問題があり、また、ボトルの透明性も不良で
あった。また、内容物の漏れ試験でも、内容物の漏れが
認められ、口栓部の変形も認められた。得られたボトル
の胴部ヘイズは9.4%と悪かった。
ーを使用して、固相重合時の上部、中間部及び下部の温
度を217℃にして固相重合時間を短くする以外は実施
例1と同一条件において固相重合し、次いで、微粉含有
量の異なる処理水を用いる以外は実施例1と同一条件で
水処理を実施した。得られたPET、これを成形した成
形板及び二軸延伸成形ボトルの特性を表1に示す。得ら
れたPETの極限粘度は0.74dL/g、DEG含有
量は2.5モル%、環状三量体の含有量は0.29重量
%、環状三量体増加量は0.07重量%、平均密度は
1.4140g/cm3、チップ外層の密度は1.41
03g/cm3、チップ中心層と外層の密度差は0.0
058g/cm3、AA含有量は2.6ppm、ファイ
ン含有量は約450ppmであった。成形評価及びボト
ル成形評価などを実施した結果を表1に示す。口栓部の
変形及び内容物の漏洩を調べたが、内容物の漏れが認め
られた。5000本以上の連続延伸ブロー成形を実施し
たが、金型汚れまでの成形回数は6000回と問題があ
り、また、ボトルの透明性も不良であった。
ーを使用して、固相重合時の上部、中間部の温度を21
8℃、下部の温度を203℃にして固相重合時間を短く
する以外は実施例1と同一条件において固相重合し、次
いで、実施例1と同一条件で水処理を実施した。得られ
たPET、これを成形した成形板及び二軸延伸成形ボト
ルの特性を表1に示す。得られたPETの極限粘度は
0.75dL/g、DEG含有量は2.5モル%、環状
三量体の含有量は0.33重量%、環状三量体増加量は
0.06重量%、平均密度は1.4072g/cm3、
チップ外層の密度は1.4060g/cm3、チップ中
心層と外層の密度差は0.0019g/cm3、AA含
有量は2.8ppm、ファイン含有量は約20ppmで
あった。成形評価及びボトル成形評価などを実施した結
果を表1に示す。口栓部の変形及び内容物の漏洩を調べ
たが、内容物の漏れが認められた。5000本以上の連
続延伸ブロー成形を実施したが、金型汚れまでの成形回
数は6000回と問題があり、また、ボトルの透明性も
不良であった。
時の結晶化コントロール性、長時間連続形成性に優れて
おり、それから得られた中空成形体、シート状物及び延
伸フィルムは、透明性、熱的寸法安定性が良好で、特
に、中空成形体の口栓部収縮率が適正な範囲であり、液
体容器としたときに残留異味、異臭が発生しにくい。
略図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタ
レートであって、290℃の温度で60分間溶融したと
きの環状三量体の増加量が0.30重量%以下であるポ
リエステルにおいて、環状三量体の含有量が0.35重
量%以下、該ポリエステルのチップの平均密度が1.3
950g/cm3以上、該チップの外層の密度が1.4
030g/cm3以下、かつ該チップの中心層と外層の
密度の差が0.0015〜0.0050g/cm3であ
ることを特徴とするポリエステル。 - 【請求項2】 共重合されたジエチレングリコール含有
量が、該ポリエステルを構成するグリコール成分の1.
5〜5.0モル%であることを特徴とする請求項1又は
2記載のポリエステル。 - 【請求項3】 アセトアルデヒド含有量が、5ppm以
下であることを特徴とする請求項1又は2記載のポリエ
ステル。 - 【請求項4】 ポリエステルのチップが、該チップと同
一組成のポリエステルのファインを0.1〜300pp
m含有していることを特徴とする請求項1、2又は3記
載のポリエステル。 - 【請求項5】 重縮合後チップ状に形成したものを、処
理槽中において下記(a)及び(b)の条件を満たす処
理水で処理したものであることを特徴とする請求項1、
2、3又は4記載のポリエステル。 (a)温度40〜120℃ (b)処理槽からの排水を含む処理水 - 【請求項6】 重縮合後チップ状に形成したものを、処
理槽中において下記(c)の条件を満たす処理水で処理
したものであることを特徴とする請求項1、2、3、4
又は5記載のポリエステル。 (c)微粉の含有量が1000ppm以下の処理水 - 【請求項7】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
ポリエステルを成形してなることを特徴とする中空成形
体。 - 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5又は6記載の
ポリエステルを成形してなることを特徴とするシート状
物。 - 【請求項9】 請求項8記載のシート状物を少なくとも
一方向に延伸してなることを特徴とする延伸フィルム。
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