JP2629861B2 - 二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents

二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、磁気記録媒体用二軸延伸ポリエチレンテレ
フタレートフィルムに関する。さらに詳しくは、クリー
プが起きにくい、寸法安定性にすぐれ、かつ走行中に削
れにくい磁気記録媒体用二軸延伸ポリエチレンテレフタ
レートベースに関する。
[従来の技術] フィルムの熱収縮を小さくする方法として、熱処理時
の張力条件を限定したもの(特公昭60−22616)、テン
ション下でフィルムを加熱収縮を行なうもの(特開昭59
−35919)などがある。また、フィルムの削れを低減す
る方法として、表面突起を形成する無機粒子の粒径を異
なるものを併用したもの(特開昭60−179931)また無機
粒子の形状を限定することにより耐摩耗性の向上を狙っ
たもの(特開昭59−133246)がある。
[発明が解決しようとする課題] 高密度記録化、高信頼性化の要求が強まり、磁気記録
媒体用ベースフィルムに対してより薄く、よりすぐれた
特性が求められている。ベースフィルムが薄くなると、
それだけ外力によってフィルムは大きい変形を受ける。
特に、ポリエチレンテレフタレートのガラス転移点以上
の温度ではその変形は著しく増大する。磁気テープの場
合、70〜100℃近くでのベースフィルムの寸法安定性が
重要視される。
上記従来のフィルムでは、低熱収率のものが得られる
が高温にすると、容易に変形して残留歪を生じる。磁気
テープ加工時に生ずるベースの変形歪は、熱処理するな
どの方法で通常除去されるが、変形歪の量が大きくなる
と、熱処理後のテープの平面性や巻き姿が不良となり、
使用に耐えるものでなくなる。また、磁気テープも最近
屋外で使用される機会が増し、高温にテープがされされ
ると、大きく寸法が変化して正常な再生・記録がなされ
なくなる。
このテープの寸法安定性はベースフィルムの長手方向
の特性に左右される。本発明の目的の第1は、テープベ
ースの長手方向の特性を改良して、70〜100℃の比較的
高温で外力を受けてもテープに残留歪が残りにくいベー
スフィルムを提供することにある。
次に、磁気テープベースのもう1つの重要な特性は削
れにくい性質をもつことである。テープ状にスリットし
たときや、スリットしたテープを巻き取るとき、記録・
再生をくり返すとき、テープベースに削れ粉が発生す
る。これが磁性層に付着して、ドロップアウト(信号欠
落)等の品質欠陥になるので、削れ粉の発生しにくいベ
ースフィルムが強く要望された。従来のフィルムはフィ
ルム表面の削れの改善に重点を置れたが、削れ粉発生防
止は十分でなかった。これはスリットした磁気テープを
高速に巻き取るときなどで、テープの端面がピンガイド
に接触して、大量の削れ粉、ヒゲなどを生じて、テープ
品質欠陥となっている。
このテープ端面の削れは、ベースフィルムの幅方向の
特性に左右される。本発明の第2の目的は、テープベー
スの幅方向の特性を改良して、端面が削れにくいベース
フィルムを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、二軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
トフィルムにおいて、該フィルムの長手方向の歪弾性率
G2(ニュートン/平方メートル)および70℃における熱
収縮率σ(%)が 2×1010N/m2≧G2≧5.0×109N/m20.8%≧σ≧0 であり、かつ、幅方向の動的熱寸法変化率が120〜170℃
で0.18〜1.5%にあり、該方向の23℃のヤング率が380〜
700Kg/mm2であることを特徴とする二軸延伸ポリエチレ
ンテレフタレートフィルムである。
本発明における二軸延伸フィルムを構成するポリエチ
レンテレフタレートには、ポモポリマーであっても、コ
ポリマーであってもよい。コポリマーの場合、共重合す
る成分としては、たとえば、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエ
チレングリコール、p−キシリレングリコール、1,4−
シクロヘキサンジメタノールなどのジオール成分、アジ
ピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸などまジカルボン酸成分、トリメリット酸、ピロ
メリット酸などの多官能ジカルボン酸成分、p−オキシ
安息香酸などが挙げられる。なお共重合の場合、共重合
する成分は20モル%以下とする。
さらに、上記のポリエチレンテレフタレートは、他に
ポリエチレンテレフタレートと非反応性のスルホン酸の
アルカリ金属塩誘導体、該ポリエステルに実質的に不溶
なポリアルキレングリコールなどの少なくとも一つのを
5重量%を越えない程度に混合してもよい。また、その
フィルム中に延伸した際に、フィルム表面突起の成因と
なる微細粒子、すなわち、触媒残渣あるいは着色防止剤
等がポリエチレンテレフタレートのモノマーあるいはオ
リゴマーと反応して生成したいわゆる内在粒子あるいは
外部から加えられた不活性粒子等が含まれていてよい。
また、二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム
とは、上記ポリエチレンテレフタレートを公知の方法に
より溶融押出し、シート成形後、互いに90℃をなす二軸
方向に延伸しさらに熱処理したものを指すが、熱処理前
にさらに一軸または二軸方向へ再延伸した、いわゆる強
力化タイプでも良い。
なお、本発明のフィルムは、必要に応じて片面もしく
は両面に、易滑処理や易接着処理などがなされたもので
もよい。
また、本発明の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
フィルムは、該フィルム長手方向の歪弾性率G2(ニュー
トン/平方メートル)および70℃における熱収縮率σ
(%)が 2×1010N/m2≧G2≧5.0×109N/m20.8%≧σ≧0 なる特性をもち、かつ、幅方向の動的熱寸法変化率が12
0及び170℃で0.18〜1.5%にあり、該方向の23℃のヤン
グ率が380〜700Kg/mm2であることを特徴とする二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムでなければならな
い。
歪弾性率G2が5.0×109N/m2以下であると、厚み15μm
以下の薄物ベースでは磁気テープは変形し易く、画像歪
(スキュー)等の欠陥が生じ、実用的に好ましいといえ
ない。このために、厚物ベースを用いて耐クリープ性を
改善すると、磁気記録密度が低下して好ましくない。ま
た、G2が2×1010N/m2を越えるフィルムでは、良好な耐
クリープ性を示すが、反面、フィルムが縦裂けし易いな
どの欠点が現われ、使用上好ましいとはいえない。
熱収縮率σが0%以下では、フィルムの機械的特性
が不十分となり使用に耐えないものとなる。またσ
0.8%を越えると、テープ製造工程で、フィルムベース
の大幅な収縮により、均一な特性のテープが得られなく
なるなどの不都合を生じることになる。
また、120及び170℃のフィルム幅方向の動的熱寸法変
化率が0.18%以下であると、テープの走行させたとき
の、テープの側面の機械的な削れが増し、その削れ粉が
磁気層に付着するなどして、画像欠落(ドロップアウ
ト)の原因となったり、磁気ヘッドの目詰りを起し、出
力レベルが低下するなどの不都合を生じる。また、動的
熱寸法変化率が1.5%を越えると、テープは走行過程で
幅方向に変形を受け易くなり、実用的でなくなる。また
フィルムの幅方向の弾性率は380〜700Kg/mm2が好まし
く、弾性率が380Kg/mm2以下になるとテープにスリット
加工するとき、切断が困難となりスリット端面にヒゲな
どが発生して好ましくない。また、700Kg/mm2以上に弾
性率が高まると、スリット時の端面は良好となるが、テ
ープ走行時のテープスリット端面は機械的衝撃吸収能力
が低下するため、そのためテープは削れ易く、ドロップ
アウトなどの欠陥が生じ好ましくなくなる。
次に本発明のフィルムの製造について以下に説明す
る。
溶融し、急冷キャストしてシート状に押出し成形した
ポリエチレンテレフタレートを、ガラス転移温度以上で
二軸延伸(延伸方式は同時二軸延伸法でも逐次延伸法で
あってもよい)し、必要に応じては、フィルム長手方向
へ再延伸するか、または長手方向と幅方向を交互に多段
的に再延伸する。具体的には、フィルムの長手方向、幅
方向にそれぞれ温度80〜100℃にて倍率2.5〜5倍に延伸
し、さらに必要に応じてフィルムの長手方向、幅方向の
いずれか一方向もしくは両方向に温度120〜180℃にて1.
5〜2.5倍に再延伸する。なお、延伸は多段階となっても
よい。
次に、二軸に延伸されたポリエステルフィルムを、熱
処理テンターにて熱固定する。熱固定温度が高すぎる
と、フィルム内部の結晶化度は高まるが、非晶部の分子
鎖がゆるむため、歪弾性率G2が低下し、フィルムの耐ク
リープ性は不良となる。
一方、熱固定温度が低すぎると、結晶化度が小さくな
るため、非晶鎖は流動変形を受け易くなり、耐クリープ
性が劣る。本発明のフィルムの場合、熱処理温度は通常
よりもやや低くするのが好ましく、フィルム自体の温度
として200〜140℃が適当であり、さらに好ましくは190
〜160℃がよい。処理時間は1〜10秒が好ましい。な
お、熱固定の際には、フィルムは幅方向に弛緩させ、長
手方向には緊張状態にあるのが好ましい。幅方向のフィ
ルムのリラックス率は、0.6〜5.0%が好ましい。
上記の如く熱固定したフィルムを、熱固定温度から室
温まで冷却するのであるが、この冷却の条件がフィルム
の特性、特に、熱収縮率に大きい影響を与える。熱熱固
定温度から140℃までは長手方向は緊張状態で冷却して
よいが、140〜70℃までの冷却は長手及び幅方向ともテ
ンションフリーの状態でフィルムを弛緩冷却するのが好
ましい。この方法として、テンター側のフィルム把持ロ
ールの移送速度より、低温側の把持ロールの移送速度を
少し小さくして、2つのロール間でフィルムを弛緩熱処
理するのが一例として挙げられる。弛緩時間は1秒以上
が好ましい。
このようにして得た二軸延伸フィルムは、70℃・48時
間放置での熱収縮率0.8%以下にするのが好ましい。
上記、低温弛緩熱処理法で得た、熱収縮率0.8%以下
の二軸延伸フィルムを、巻込みテンション0.1〜20Kg/m
で、紙管等に巻付けた後、温度が50〜130℃、好ましく
は50〜80℃の雰囲気中で、1時間以上、好ましくは3時
間以上、フィルムを低温長時間熱処理することによって
製造される。
かくして得られたフィルムについて、テープ状フィル
ム(幅10mm)に16Kg/mフィルム幅の荷重を100℃の雰囲
気下で5秒間負荷した時のフィルムの伸びを評価した。
これによって、フィルムの実用特性としての耐クリープ
特性、寸法安定性を予測できるので、このパラメータを
用いて、フィルム性能を表示した。
[用途] かくして得られた二軸配向PETフィルムは、その片面
または両面に磁性層を設けることによって、各種の磁気
記録媒体、例えば、ビデオテープ、オーディオテープ、
フロッピーディスクなどに加工されて利用される。磁性
層としては、磁性粉末をバインダーと共に塗布するもの
でもよく、あるいは、強磁性材料を真空蒸着、スパッタ
リング、イオンプレーティングあるいはメッキなどの手
法で薄膜化したものでもよい。本発明フィルムは上記の
各種磁気記録媒体用に用いることができるが、特に有効
なのは、ビデオテープ用途である。
ビデオテープでは、ベースが外力によって変形して歪
むと、その歪が徐々に使用中に開放されるため画像歪
(スキュー)の原因となる。またテープは、スリット
時、その端面にヒゲや粉が多く発生したり、巻き取り巻
き戻しのテープ走行中にその端面はガイドピンなどとの
接触によって削られ、ドロップアウトが増えるだけでな
く、これらのヒゲや削れが磁気ヘッドの目詰まりの原因
となる。これらのテープ欠陥をなくすのに本発明フィル
ムが特に有効なわけである。
なお、上記したように、本発明フィルムの主用途は磁
気記録媒体用、特にビデオテープ用であるが、他の用
途、例えば、グラフィック、スタンピングフォイル、電
気絶縁材料、コンデンサー用誘電体、放送用などでも、
スリット性が問題になる用途では、有効に利用されうる
ものである。
[発明の効果] 本発明は、上記したように、歪弾性率G2、熱収縮率σ
、動的熱寸法変化率、ヤング率を最適化することによ
り、次の如きすぐれた特性が得られることを知見したも
のである。
(1) 磁気テープ製造工程において、磁気層を塗布、
カレンダー後の熱収縮率を低下させるための熱処理工程
を省略できるか、又は短時間で切り上げることができ
る。
(2) テープに比較的高温(100℃以下)で外力を加
えても、変形し歪が残留することが少なく、ドロップア
ウトなどの画像欠陥は生じにくい。
(3) フィルムの上に磁気層を乗せた状態でスリット
した時、ヒゲや粉が出にくい。また、このスリットした
たテープを巻き取り巻き戻したりするとき、スリット端
面が他の物体と接触しても、削れて粉などを発生するこ
とが少ない。
[測定法] 各特性の測定法は、次のとおりである。
(1) 熱収縮率σ 大きさが300mm×125mmで、かつ、その長手方向とフィ
ルムの長手方向とが一致するようにして採取した被測定
サンプルを、23℃・60%RHの雰囲気に30分間放置し、そ
の雰囲気下で、フィルムの長手方向に約200mmの間隔で
2つの印を付け、マイクロメーターにてその印の間隔を
測定し、測定値をAとする。次に、被測定サンプルは、
張力フリー状態で70℃の雰囲気中に48時間放置して、次
いで、23℃・60%RHの雰囲気に取り出して1時間冷却
後、先に付した印の間隔を測定し、測定値をA′とす
る。
上記測定値から熱収縮率は下式により求める。
σ=100(A−A′)/A (2) 歪弾性率G2 幅12.5mmにスリットした長尺試料(試料長手方向はフ
ィルム長手方向と一致)に、荷重16Kg/mを負荷した状態
で、100℃の強制循環式熱風オーブン(容積0.09m3)の
中に5秒間さらして、その後、すばやく、荷重負荷状態
で23℃・60%RHの雰囲気へ移して、その状態で1分間放
置して荷重処理試料を作った。この処理試料は、前項方
式により、熱収縮率を測定した。下記式より、歪弾性率
G2を硅酸した。
ここで、σbは荷重処理前後の熱収縮率で、dは
フィルムの厚み(単位:μm)であり、またG2はニュー
トン/平方メートルの単位である。
(3) 寸法安定性 幅12.5mmにスリットした長尺試料(試料長手方向はフ
ィルム長手方向と一致)に、荷重16Kg/m幅を負荷した状
態で、100℃の雰囲気に5秒間さらして、その後、すば
やく、荷重負荷状態で23℃・60%RHの状態へ移して、そ
の状態で1分間放置して荷重処理試料を作った。この試
料の熱収縮率を測定して、その値が0.15%以下のもの
は、寸法安定性良好なフィルムとして、また0.15%を上
まわるものは寸法安定性不良なフィルムと判定した。
(4) 動的寸法変化率 フィルムを幅方向に短冊状(幅2.0mm)にスリットし
て測定用試料とした。この短冊フィルムの試長15mmで熱
寸法変化を測定した。測定には真空理工製TMA(Thermo
−Mechanical Analyzer)を用いた。昇温速度5℃/min
で温度を上げながら、寸法変化を追跡し、ある温度での
寸法をl mmとすると、動的熱寸法変化率は100(l−1
5)/15と定義する。
(4) ヤング率 フィルムを幅方向に短冊状(幅10mm)にスリットして
測定試料とした。この短冊試料を23℃、50RH%に1日放
置後、試長50mm、引張速度20mm/分で引張り、応力−歪
曲線を求めた。用いた装置は東洋ボールドウィン製引張
試験機“テンシロン"UTM−3型である。試料のヤング率
は2%伸びの応力から常法に従って計算した。
(5) スリット性 厚さ14.5μmのPETフィルムの片面に下記組成の磁性
塗布液を、乾燥後被膜厚が3μmとなるようにコーティ
ングする。
(重量部) ポリエステルポリウレタン樹脂 35 塩ビ・マレイン酸共重合体 30 α−アルミナ 15 カーボンブラック 3 オレイン酸 5 アミルステアレート 4 トリイソシアネート化合物 22 強磁性金属粉末 300 酢酸ブチル 300 メチルイソブチルケトン 300 コーティング後、直流磁場中で配向処理し、乾燥した
後、カレンダー加工を施す。このシートをシェアカッタ
ーで1/2インチ幅にスリットしてビデオテープとする。
このシェアカッターによるスリット箇所を目視観察し
て、ヒゲや粉の発生具合の程度を次の5等級に分けて評
価する。
スリット性A:ヒゲや粉の発生が非常に少ない。
スリット性B:ヒゲや粉の発生が少ない。
スリット性C:ヒゲや粉の発生が普通レベル。
スリット性D:ヒゲや粉の発生がやや多い。
スリット性E:ヒゲや粉の発生が多い。
(注) なお、現在試販されているビデオテープ用二配
向PETフィルムのスリット性のレベルは、大部分、Cま
たはDである。
(6) 端面の削れ性 (5)項でスリットしたテープを1−アミン−4−ヒ
ドロキシアントラキノン1.5gを1000mlの水に溶解した10
0℃の染料液に一定時間(10〜20分)浸漬して、染色し
た。その後、テープを十分に水洗して乾燥した。テープ
のスリット端面の染色の程度を、サンプル台座にテープ
を垂直に立て光学顕微鏡(日本光学(株)オプチフォ
ト)を用いて透過法で調べた。
染色の程度は目視観察で、次の5等級に分けて評価す
る。
削れ性A:染色の程度が非常に薄い。
削れ性B:染色の程度が薄い。
削れ性C:染色の程度が普通レベル。
削れ性D:染色の程度がやや濃い。
削れ性E:染色の程度が濃い。
なお、1−アミノ−4−ヒドロキシロキシアントラキ
ノンによる染色の程度が大きいスリット端面をもつテー
プ程、端面は外力に対して削れ易くなる。従って、テー
プのスリット端面は削れ性A,B,C,D,Eの順に削れ易くな
ることと対応している。
[実施例] 本発明を以下の実施例、比較例を用いて説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル69重量部、ジエチレングリコール0.5重量部に、触媒
として酢酸カルシウム0.09重量部を用いて、常法により
エステル交換反応を行い、その生成物に、三酸化アンチ
モン0.03重量部、酢酸リチゥム0.3重量部、リン酸トリ
メチル0.2重量部及び二酸化ケイ素微粉末(非表面積180
m2/g)を添加し、常法によって重合して、極限粘度0.63
5のポリマペレットを得た。このペレットを180℃、8時
間真空乾燥した後、押出機に供給して、280℃で溶融押
出し、ギアポンプ、フィルターを経由してT型口金から
シート状に吐出せしめ、この溶融シートを、表面温度40
℃の冷却ドラムに巻き付けて冷却固化せしめて、未延伸
シートを作った。
この冷却の際、溶融シートとドラム表面との密着性を
改良するため、溶融シート側にワイア電極を置き、これ
に8KVの直流電圧を印加して、溶融シートがドラムに良
く密着するようにした。
この未延伸シートを85℃で3.5倍、長手方向へ延伸
し、次に、延伸シートをステンタへ導き、シート両端部
をクリップで把持して、90℃で2.0倍幅方向へ延伸し
た。このシートを第2のステンタゾーンへ導き、96℃で
幅方向へ1.5倍に再延伸し、次いで第3ステンタゾーン
で105℃で1.3倍に更に幅方向へ延伸した。
次いで、このフィルムを冷却することなく、そのまま
熱処理ゾーンへ導き、200℃で2秒間緊張熱固定し、つ
づいて同温度で、長手方向2%、幅方向5%(各々原長
に対して)の弛緩を行ない、再度、同温度で5秒間緊張
熱固定し、そのまま100℃の中間冷却室へ導き、ここで
中間冷却をした後、この出口の所で長手方向に原長の1
%分の弛緩を与え、そのまま除冷して室温まで冷却させ
て巻き取ることにより、厚さ15μmの二軸延伸PETフィ
ルムを得た。その後、60℃の雰囲気で24時間ロールに巻
いた状態のままキュアリング処理した後、フィルム特性
を調べた。その結果を第1表に示した。
実施例2,及び比較例1〜3 実施例1の諸条件の中で、延伸温度、延伸倍率、熱固
定温度、熱固定時の弛緩の程度及びキュアリング条件を
種々変更することにより、特性の異なるサンプルを作っ
た。これらのフィルムを寸法安定、スリット性、端面削
れ性の評価結果を第1表に示す。これらの結果から、本
発明範囲内の物性パラメータ値を有するフィルムがすぐ
れた特性を示していることがわかる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二軸延伸されたポリエチレンテレフタレー
    トフィルムにおいて、該フィルムの長手方向の歪弾性率
    G2(ニュートン/平方メートル)および70℃における熱
    収縮率σ(%)が 2×1010N/m2≧G2≧5.0×109N/m20.8%≧σ≧0 であり、かつ、幅方向の動的熱寸法変化率が120〜170℃
    で0.18〜1.5%にあり、該方向の23℃のヤング率が380〜
    700Kg/mm2であることを特徴とする二軸延伸ポリエチレ
    ンテレフタレートフィルム。
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