JPH08986A - 油中水滴型エマルジョン、その用途及びその収容装置 - Google Patents

油中水滴型エマルジョン、その用途及びその収容装置

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JPH08986A
JPH08986A JP6326408A JP32640894A JPH08986A JP H08986 A JPH08986 A JP H08986A JP 6326408 A JP6326408 A JP 6326408A JP 32640894 A JP32640894 A JP 32640894A JP H08986 A JPH08986 A JP H08986A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化粧用及び皮膚科の分野において、皮膚の治
療に優れた効果を有する油中水滴型エマルジョンを提供
する。 【構成】 レチノール、脂肪層、水層、および脂肪層中
の水層を乳化するための薬剤を含み、前記脂肪層はレチ
ノールを溶解するための一種以上の有機溶媒を含み、前
記水層は塩基性とする。また、該エマルジョンは不活性
雰囲気下で調製し、さらに、外気、金属、光と接触しな
い収容装置に収容する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は安定化されたレチノールを含む油
中水滴型エマルジョンに関し、特に化粧用及び/又は皮
膚科の分野に用いられるエマルジョンに関する。本発明
はまた、このエマルジョンの皮膚の治療のための用途お
よびこのエマルジョンに好適な収容装置に関するもので
ある。
【0002】レチノールは、とりわけ局所に使用した場
合に、皮膚へ有益な効果をもたらすものとして知られて
いる。
【0003】レチノールは、長い間ざ瘡の治療に用いら
れてきた。しかしながら、レチノールが極めて有効であ
ることが判ったのは、年齢もしくは過剰な日光照射を受
けることによる損傷の回復の分野においてである。
【0004】従ってレチノールは、その細胞分化に及ぼ
す効果から、とりわけ皺及び細かい線の出現に効果的に
対処するため、並びに皮膚の乾燥、荒れ、及び/又は硬
化に対処するための用途に用いることができると考えら
れる。組織の再生において有効なために、瘢痕において
非常に重要な化合物である。レチノールを含む化粧用組
成物を繰返し用いることによって、とりわけ皺を取除
き、皮膚を滑らかにし、表皮の小さな亀裂を回復するこ
とが可能である。
【0005】これらの有益な効果のため、室温で少なく
とも数ヵ月間安定である形態の化粧用に適した組成物と
してレチノールを調剤することが久しく要望されてい
た。
【0006】レチノールを含有し、化粧品に用いること
のできるエマルジョンは、特に文献US-A-4,82
6,828及び文献WO-A-93/00085に記載さ
れている。
【0007】文献US-A-4,826,828は、レチ
ノール、揮発性シリコンおよびレチノールと揮発性シリ
コンの溶媒を含む水中油型エマルジョンに関するもので
ある。好ましい溶媒はエタノールである。しかしなが
ら、最近、出願人はレチノールがエタノールの存在下で
劣化することを発表した。エマルジョンを得るために、
この文献US-A-4,826,828はレチノールを含
む溶液の調製を教示しており、そのいかなる劣化をも避
けるために、使用する時点で油中水滴型エマルジョンに
混合するというものである。さらに、水相における酸化
防止剤および金属キレート剤の使用が重要であることが
示されている。
【0008】このような組成物の安定性は、特許US-
A-4,826,828の特許権者がその製品、Bio
advanceおよびBioadvance2000の
収容装置において示しているように一ヵ月を越えない。
従って、この種の組成物におけるレチノールの安定性
は、長期の用途には不適当であり、迅速な再追加が必要
となって、その結果高価になる。
【0009】文献WO-A-93/00085は、酸化防
止剤および金属イオンキレート剤を共に包含する安定化
錯体に添加することによる、この化粧用組成物中のレチ
ノールの安定化を提案している。しかし、レチノールの
安定性はこのような組成物中(40℃にて3ヵ月間の貯
蔵の後に、60%のレチノールが依然として組成物中に
存在する)にて高められるようだが、レチノールの相対
安定性は組成物中に相当な量の安定化酸化防止剤および
キレート剤が存在することのみによるという事実に変り
はない。
【0010】レチノールを含む化粧用組成物において、
効果について容認される組成物の安定性、および組成物
の延長された用途についての安定性を保つと同時に、一
方ではこのような安定化剤の存在を最低限にし、さらに
は排除するために多くの研究がなされてきた。
【0011】出願人は、特定の物理化学的特性を付与す
べく、エマルジョンの様々な成分を適宜選択することに
よって、経時的に安定で、局所用途を意図したレチノー
ル含有の油中水滴型エマルジョンを調製することができ
ることを見出した。
【0012】本発明の要旨は、レチノール、脂肪相およ
び水相を含む油中水滴型エマルジョンであって、脂肪相
が、室温で液体のレチノールのための有機溶媒を少なく
とも一つ含み、レチノールを少なくとも2ヵ月間安定化
するために水相のpHが塩基性であることを特徴とする油
中水滴型エマルジョンである。
【0013】本発明によるエマルジョンについて行なっ
た試験は、先行技術と比較して、レチノールの安定性が
著しく向上することを示している。
【0014】本発明によるエマルジョンには、45℃に
て2ヵ月間貯蔵した後になお、82%の活性レチノール
を含んでいるという有利な点がある。
【0015】本発明によるエマルジョンは、化粧用及び
/又は皮膚科のための用途に申し分のないものである。
【0016】本発明によるエマルジョンの様々な成分の
割合は、化粧用もしくは皮膚科の分野において従来用い
られた通りであって、特別な使用状況によっては異な
る。
【0017】さらには、好ましい実施例において、本発
明によるエマルジョンは金属イオンキレート剤も含ま
ず、酸化防止剤の含有は任意である。
【0018】特に、本発明によるエマルジョンの脂肪相
は、エマルジョンの総重量の10%から50%に相当
し、好ましくは20%から35%に相当する。
【0019】そのうえ、本発明によるエマルジョンの水
相は、エマルジョンの総重量の50%から90%に相当
し、好ましくは65%から80%に相当する。
【0020】レチノールは一般的に、本発明によるエマ
ルジョンにおいて、エマルジョンの総重量の0.001
%から10%の範囲、好ましくは0.01%から1%の
範囲の割合に相当する。
【0021】本発明によるエマルジョンにおいて用いら
れるレチノールは、その立体配座のいずれをとるもので
あってもよく、特に、Fluka社によって“all−
trans−retinol”の名で市販されているも
ののような全トランス型(all-trans-form)のものがよ
い。全トランスレチノール(all-trans-retinol)特有の
性質は、他のレチノイドに比べてレチノイド活性に優
れ、より無害であることである。
【0022】本発明において用いられる、室温(例えば
20℃)にて液体である有機溶媒は、レチノールを溶解
し、同時にその安定性をよく保つものであれば、どのよ
うな有機溶媒でもよい。特に、この溶媒はC16−C20
分枝鎖脂肪族高級アルコール、イソプロピルアルコール
のC6−C14のジカルボン酸ジエステル、およびC6−C
18の脂肪酸グリセリドと、これらの混合物からなる群よ
り選択される。
【0023】アルコキシル化されたものも含め、直鎖も
しくは分枝鎖を有する高級アルコール種の溶媒は、本発
明によるエマルジョンの安定性を損う。
【0024】本発明に用いることのできるC16−C20
脂肪族高級アルコールの中では、Condea社によっ
て“Isofol 16”の名で市販されているものの
ような2−ヘキシルデカノール、Henkel社によっ
て“Eutanol G”の名で市販されているものの
ようなオクチルドデカノールおよびSherex社によ
って“Adol 66”の名で市販されているもののよ
うなイソステアリルアルコールなどが挙げられる。
【0025】本発明に用いることのできるイソプロピル
アルコールのC6−C14のジカルボン酸ジエステルの中
では、ISP社によって“Ceraphyl 230”
の名で市販されているもののようなアジピン酸ジイソプ
ロピルなどが挙げられる。
【0026】本発明によるC6−C18の脂肪酸トリグリ
セリドには、Huls France社によって“Mi
glyol 812”の名で市販されているもののよう
なカプリン酸/カプリル酸の混合トリグリセリドが好ま
しく用いられる。
【0027】本発明のある特定の実施例においては、こ
れらのレチノールの溶媒の2もしくはそれ以上の混合物
を用いることが可能である。
【0028】この他の化粧用、調剤用もしくは獣医用組
成物の従来の成分を、本発明によるエマルジョンに導入
することができる。これらの原料の性質およびその割合
は、本発明によるエマルジョンにおいてレチノールに求
められる安定性と矛盾するものであってはならない。
【0029】本発明におけるエマルジョンの脂肪相は、
油中水型エマルジョンを形成し、塩基性のpHに耐えるこ
とのできる乳化剤を含む。特に、この乳化剤はシリコン
含有の乳化剤であり、これはエマルジョン総重量の0.
5%から10%、好ましくは1%から6%の割合で用い
られる。脂肪相の組成に適当な乳化剤には、セチルジメ
チコン共ポリオールもしくはGoldschmidt社
の“Abil EM−90”のような、ポリオキシエチ
レン化C10−C22アルキルジメチコン共ポリオール、あ
るいはポリオキシエチレン化およびポリオキシプロピレ
ン化ラウリルジメチコン共ポリオール、例えばDow
Corning社のQ2−5200、またこの二つの混
合物が挙げられる。
【0030】General Electric社のS
P1228、それにまたDow Corning社のQ
2−3225 Cのようなポリオキシエチレン化ジメチ
コン共ポリオールもまた用いられる。
【0031】脂肪相はまた、乳化剤以外にも添加油を含
有し、これはレチノールに対して不活性であり、好まし
くは鉱物油もしくはシリコン含有の油から選択されるも
のである。
【0032】本発明により用いられる鉱物油の中でもと
りわけ、イソヘキサデカン、パラフィン、イソパラフィ
ンおよびヴァセリンが挙げられる。
【0033】本発明により用いられるシリコン含有の油
の中では、ジメチコン、ジメチコノール、シクロペンタ
ジメチルシロキサン(もしくはシクロメチコン D
5)、またはシクロヘキサジメチルシロキサン(もしく
はシクロメチコン D6)のようなシクロメチコンある
いはアルキルジメチコンおよびこれらの化合物のうちい
くつかの混合物、例えばDow Corning社の
“gum Q2−1401”などを特に挙げることがで
きる。
【0034】本発明によるエマルジョンの水相は、pH8
以上の塩基性であり、好ましくは8.5から9.5の範
囲である。本発明のエマルジョンに対するレチノールの
安定性と矛盾のない限りは、どのような塩基でも、その
適切な量を添加することで水相において望ましいpHを得
ることができる。実際には、塩基はエマルジョン総重量
の0.05%から0.5%の範囲の量が用いられる。
【0035】本発明に用いられる塩基の中では、トリエ
タノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメ
チルプロパンジオール、トリスもしくはアミノメチルプ
ロパントリオール、水酸化ナトリウム、アルギニンおよ
びリジンなどが例として挙げられる。
【0036】本発明によるエマルジョンはさらに、従来
化粧用もしくは皮膚科用組成物中に用いられていた親水
性もしくは親油性の添加剤を含む。
【0037】本発明によるエマルジョンにおいて用いら
れる親水性の添加剤の中では、ポリオール(グリセリ
ン)およびグリコールが挙げられる。
【0038】本発明によるエマルジョンにおいて用いら
れる親油性の添加剤の中では、ベントンゲル(benton g
el)のようなゲル化剤、例えばBiophil社によっ
て“Simagel SI 345”の名で市販されて
いるもの、およびAllied Chemical社の
Polyethylene wax AC617のよう
なポリエチレンワックスが挙げられる。
【0039】本発明によるエマルジョンは、塩化ナトリ
ウム(NaCl)および塩化カリウム(KCl)のよう
な非金属起源の安定化塩を、エマルジョンの総重量に対
して、例えば0.3%から2%の割合で含む有利なもの
である。
【0040】本発明はまた、皮膚の治療、特にざ瘡の治
療、並びに年齢及び/又は日光による損害の治療のため
に上述の通り定義されるエマルジョンの用途にも関す
る。
【0041】本発明はまた、上述の通り定義される本発
明によるエマルジョンを調製するための製法にも関す
る。
【0042】この調製は酸素を全く含まない不活性雰囲
気(窒素あるいはアルゴンのような希ガス)中で行なわ
れ、ナトリウムランプ(sodium vapour lamp)のように
光化学反応を起こさない光の下で行なわれる。
【0043】本発明はまた、上述のエマルジョンに適合
する収容装置にも関する。この収容装置は、その収めて
なる製品が外気と接触することのないような分配装置を
具備し、さらには酸素補捉装置を含み、またその壁が気
体に対しても可視−紫外光に対しても不透浸性であるこ
とを特徴とする。この収容装置に収められた製品は、皮
膚上に用いられる時のみ外気に触れることとなる。
【0044】分配装置は、文献FR−A−2,666,
308もしくは文献FR−A−2,658,739に記
載の装置のように、空気を取入れない弁もしくはポンプ
からなる。
【0045】本発明のある特定の実施例においては、酸
素補捉装置は気体−透浸性であって液体−非透浸性、特
に本発明によるエマルジョンの組成の一部となる液体に
対して非透浸性である膜による収容装置に収められた製
品から隔離されている。
【0046】気体−透浸性の膜は、例えば、文献FR−
A−2,671,055において定義されているもので
ある。
【0047】酸素を再放出することなく吸収するための
いかなる方法も、酸素補捉装置として用いることができ
る。例えば、ATCO社によって市販されている商品名
“oxygen absorber LH50”もしく
は商品名“oxygenabsorber LH10
0、LH500”その他が挙げられる。
【0048】収容装置において、膜によって隔離された
酸素補捉装置は、壁と一体化されたもの、もしくは壁と
分離して組成物の液中に浸るものであってよい。
【0049】これより本発明によるエマルジョンを調製
するための一般的な製法を説明する。最初に、エマルジ
ョンを構成する脂肪相(A)および水相(B)が個別に
調製し、水相(B)を、室温下、油中水滴型エマルジョ
ンを調製する通常の条件の下で、モリッツ(Moritz)の
攪拌装置の適度な速さで攪拌しながら脂肪相(A)に混
入する。このように形成された混合物は、レチノールを
混入する乳化保持体を構成する。
【0050】本発明によるエマルジョンのすべての成分
は、酸素を完全に除去して、窒素と置き換えるために、
ナトリウムランプによって照された室内で、室温におい
て窒素テント(nitrogen tent)中で脱気される。この
脱気は、少なくとも2時間行なわれる。酸素が完全に除
去された後(これは酸素計(oxymeter)を用いて検査す
る)、レチノール及びその溶媒は計量され、完全に溶解
して相(C)を形成するまで磁気攪拌にて攪拌して混合
される。そしてこの相(C)は、エマルジョンに混入さ
れ、十分な均質化を確実にするように、攪拌具を用いて
攪拌される。これが完了した後、依然として窒素の不活
性雰囲気中でナトリウムライトの下、エマルジョンは、
上述のように収容装置に収容される。
【0051】本発明によって調製される様々なエマルジ
ョンの組成物を例を挙げて以下に与えるが、これによっ
ていかなる限定をも加えるものではない。
【実施例】 (実施例1) 目の周囲のためのクリーム A- Abil EM−90 2% Cyclomethicone D5 7% Simagel Si 345 5% Miglyol 812 7.5% Gum Q2 1401 4% B- グリセリン 5% トリエタノールアミン 0.2% 脱イオン水 61.3% C- Isofol 16 7.5% レチノール 0.5%
【0052】治療薬として週に2〜5回、目の周囲に使
用すると、このクリームには目の周囲の細かい線もしく
は“カラスの足跡”をなくす効果がある。
【0053】 (実施例2) 皺防止クリーム A- Abil EM−90 3% Cyclomethicone D5 7% Simagel Si 345 5% Miglyol 812 11.5% Gum Q2 1401 3% B- グリセリン 5% トリエタノールアミン 0.2% NaCl 0.7% 脱イオン水 十分量 100% C- Isofol 16 3% レチノール 0.18%
【0054】この非常に手触りの柔らかい栄養クリーム
は、毎晩顔に使用すると、長期にわたる皺防止効果のた
めに理想的である。
【0055】 (実施例3) 老化防止身体用乳剤 A- Abil EM-90 1% Isolan Gi 34 5% 液体パラフィン 13% Cyclomethicone D5 10% Gum Q2−1401 4% B- グリセリン 5% トリエタノールアミン 0.2% NaCl 0.6% 脱イオン水 十分量 100% C- アジピン酸ジイソプロピル 1% レチノール 0.012%
【0056】この伸びのよい身体用乳剤は、毎日全身に
使うとするならば、全体の老化防止のための手入れに卓
越したものである。これを使った後は、皮膚は柔軟に、
滑らかになる。
【0057】 (実施例4) 唇の回復のための手入れ用製品 A- Abil EM-90 3% Simagel Si 345 5% Cyclomethicone 7% Gum Q2-1401 3% B- AMP 0.12% NaCl 0.7% グリセリン 5% 脱イオン水 十分量 100% C- Miglyol 812 11% レチノール 0.9%
【0058】この密なクリームは、使用すると非常に滑
りがよく、損傷し、皺のできた唇に栄養を与え、回復さ
せる手入れ用製品の構成要素となる。さらには、本発明
によるエマルジョン(実施例1)を実施例1より誘導さ
れる様々な処方(A,B,C,D,E,F)と比較する
安定度試験が行なわれた。
【0059】 組成物 A 実施例1の脂肪相であって、下記のものが添加されたもの: α−トコフェロール 0.1% α−酢酸トコフェロール 1% パルミチン酸アスコルビル 0.2% +実施例1の水相であって、下記のものが添加されたもの: Desquest 2046* 0.2% * 五ナトリウム塩 33% エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸、Mons
anto社製また、ここで脱イオン水は適宜に調製され
る。
【0060】 組成物B 実施例1の脂肪相で、下記のものが添加されたもの: パルミチン酸アスコルビル 0.2% 3-[(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ)-ベンジリデン]ショウノウ 0.5% +組成物Aの水相
【0061】組成物C 実施例1の脂肪相 +トリエタノールアミンが取り除かれた実施例1の水相
【0062】組成物D 実施例1の組成物の脂肪相 +実施例1の水相 +0.8gのポリソルベート20および6.9gのシクロ
ヘキサジメチルシロキサン中に溶解したレチノールを含
むC相
【0063】組成物E 実施例1の脂肪相であって、0.5%の純粋エトキシキ
ン(ethoxyquine)(Raluquin、Raschi
g社製) +実施例1の水相。
【0064】組成物F 実施例1の組成物であって、エマルジョンから分離した
酸素吸収剤を製造後に混入したもの。
【0065】これらの組成物についての安定度試験は、
4℃、室温、45℃のいずれかにおいて、1ヵ月もしく
は2ヵ月間の貯蔵の後の劣化率を測ることによって行な
われた。結果は以下の表に与えられる:
【0066】
【表1】
【0067】これらの試験は、本発明によるエマルジョ
ン(例1、F)が、先願に記載されている一つもしくは
それ以上の酸化防止剤を含むもの(A、B)に匹敵す
る、あるいはより勝るレチノール安定性を有することを
示し、ゆえに、本発明において選択したもの以外の溶媒
に溶解したレチノール(D)もしくは不適切なpHの水相
に対するレチノール(C)のいずれかを用いて調製され
たエマルジョンは、安定性に劣る。この表は、酸化防止
剤を含まないエマルジョン中におけるレチノールの安定
化の可能性を示し、のみならず、本発明によるエマルジ
ョンに導入される特定の酸化防止剤(Raluqui
n、E)の選択により、安定性が高まることを示す。
【0068】本発明によるエマルジョンに適合する収容
装置の一例を添付の図(図1)を参考にして以下に説明
する。
【0069】収容装置(2)は、その壁(4)が気体−
非透浸性の材料、例えば、熱成形材料(thermoformed m
aterial)または他のあらゆる適切な材料から作られた
資材によって、エマルジョン(6)に触れる前記壁の内
側表面が非金属性であり、この資材が可視−紫外光に対
して非透浸性であるという条件で形成された容器(3)
から構成される。
【0070】容器(3)の上には、空気を取入れない分
配装置(8)、例えば、文献FR-A-2,666,30
8に記載の外側(10)に向って凸状をなすドーム(半
球体)と、このドームの先端部に設けられた少なくとも
一つの細孔(12)から成るものが設置されている。
【0071】静止した状態で漏出のない閉じ部を形成し
ている細孔(12)の壁(14、16)は、互いに近接
できるようになっており、装置の集合体(8)の上に
は、密閉性のカバー(18)が設けられており、収容装
置に収められた本発明によるエマルジョンが外気に触れ
ることが二重に防止される装置をなしている。
【0072】ポケット(20)は収容装置から独立して
おり、その壁(22)は例えば、文献FR-A-2,67
1,055に記載の気体−透浸性で液体−非透浸性の膜
から形成されており、酸素吸収剤(24)を含む。カプ
セルに入れた酸素吸収剤(24)は、収容装置に収めら
れた本発明によるエマルジョン中に酸素補捉装置を形成
する。
【0073】酸素補捉装置を囲む膜は、液体、特に本発
明によるエマルジョンを構成する液体、例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンテレフタレ
ートから選択される材料の一つから作られるものに対す
る不透浸性は保ちながら、酸素を浸透させることができ
るいかなる材料からも形成することができる。
【0074】静止した状態では、ドーム(10)の壁
(14、16)は近接しており、従って細孔(12)で
漏出しないようになっている。収容装置(2)に圧力を
かけることによって、圧力はこの収容装置に収められた
エマルジョンに伝えられ、このために壁(14、16)
が分離し、これによってエマルジョンは容易に収容装置
から出てくる。圧力が解かれると、壁(14、16)は
その静止位置に戻り、細孔(12)を固く閉じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の油中水滴型エマルジョンのための収
容装置の一例である。
【符号の説明】
2…収容装置、4…壁、6…エマルジョン、8…分配装
置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 7/48 9/06 E G 9/107 S 31/07 ADA ADS 9455−4C

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レチノール、脂肪相、水相、および脂肪
    相に水相を乳化させる薬剤を含む油中水滴型エマルジョ
    ンにおいて、上記脂肪相は、室温で液体であるレチノー
    ルを溶解するための少なくとも一つの有機溶媒を含み、
    上記水相のpHは、少なくとも2ヵ月間はレチノールを安
    定化させるように、塩基性であることを特徴とする油中
    水滴型エマルジョン。
  2. 【請求項2】 化粧用もしくは皮膚科の用途のためのも
    のであることを特徴とする請求項1記載のエマルジョ
    ン。
  3. 【請求項3】 金属イオンキレート剤を含まないことを
    特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のエマルジ
    ョン。
  4. 【請求項4】 脂肪相が総重量の10%から50%に相
    当することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記
    載のエマルジョン。
  5. 【請求項5】 脂肪相が総重量の20%から35%に相
    当することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記
    載のエマルジョン。
  6. 【請求項6】 水相が総重量の50%から90%に相当
    することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載
    のエマルジョン。
  7. 【請求項7】 水相が総重量の65%から80%に相当
    することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載
    のエマルジョン。
  8. 【請求項8】 レチノールが総重量の0.001%から
    10%に相当することを特徴とする請求項1から7のい
    ずれかに記載のエマルジョン。
  9. 【請求項9】 レチノールが総重量の0.01%から1
    %のを含むことを特徴とする請求項1から8のいずれか
    に記載のエマルジョン。
  10. 【請求項10】 有機溶媒がエマルジョンの総重量の
    0.01%から30%に相当することを特徴とする請求
    項1から9のいずれかに記載のエマルジョン。
  11. 【請求項11】 有機溶媒がエマルジョンの総重量の
    0.1%から10%に相当することを特徴とする請求項
    1から10のいずれかに記載のエマルジョン。
  12. 【請求項12】 有機溶媒が、C16−C20の分枝鎖状脂
    肪族高級アルコール、イソプロピルアルコールのC6
    14のジカルボン酸ジエステル、C6−C18の脂肪酸ト
    リグリセリドおよびこれらの混合物よりなる群から選択
    されることを特徴とする請求項1から11のいずれかに
    記載のエマルジョン。
  13. 【請求項13】 レチノールが、全トランスレチノール
    であることを特徴とする請求項1から12のいずれかに
    記載のエマルジョン。
  14. 【請求項14】 乳化剤が、シリコン含有の乳化剤であ
    ることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載
    のエマルジョン。
  15. 【請求項15】 シリコン含有の乳化剤が、エマルジョ
    ンの総重量の0.5%から10%の割合であることを特
    徴とする請求項1から14のいずれかに記載のエマルジ
    ョン。
  16. 【請求項16】 シリコン含有の乳化剤が、エマルジョ
    ンの総重量の1%から6%であることを特徴とする請求
    項1から15のいずれかに記載のエマルジョン。
  17. 【請求項17】 乳化剤が、ポリオキシエチレン化及び
    /又はポリオキシプロピレン化されたC10−C22のアル
    キルジメチコン共ポリオールとこれらの混合物より選択
    されることを特徴とする請求項14から16のいずれか
    に記載のエマルジョン。
  18. 【請求項18】 脂肪相は、レチノールに対して不活性
    な油脂をさらに含むことを特徴とする請求項1から17
    のいずれかに記載のエマルジョン。
  19. 【請求項19】 上記油脂が鉱物油およびシリコン含有
    の油脂から選択されることを特徴とする請求項18に記
    載のエマルジョン。
  20. 【請求項20】 上記油脂がイソヘキサデカン、イソパ
    ラフィン、ペトロラタム、パラフィン、ジメチコン、ジ
    メチコノール、シクロメチコンおよびアルキルジメチコ
    ンからなる群より選択されることを特徴とする請求項1
    9に記載のエマルジョン。
  21. 【請求項21】 水相のpHが8.5から9.5の範囲で
    あることを特徴とする請求項1から20のいずれかに記
    載のエマルジョン。
  22. 【請求項22】 水相がトリエタノールアミン、アミノ
    メチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、
    トリス(アミノメチルプロパントリオール)、水酸化ナ
    トリウム、アルギニンおよびリジンから選択される塩基
    を含むことを特徴とする請求項1から21のいずれかに
    記載のエマルジョン。
  23. 【請求項23】 ポリオール、グリコール、安定化塩、
    ベントンゲル、重ワックスもしくはポリエチレン化され
    たワックス、およびペトロラタムから選択される少なく
    とも一つの添加剤を含むことを特徴とする請求項1から
    22のいずれかに記載のエマルジョン。
  24. 【請求項24】 少なくとも一つの安定化塩を含み、該
    安定化塩が総重量の0.3%から2%であることを特徴
    とする請求項1から23のいずれかに記載のエマルジョ
    ン。
  25. 【請求項25】 上記安定化塩が非金属元素の塩である
    ことを特徴とする請求項23もしくは24に記載のエマ
    ルジョン。
  26. 【請求項26】 酸素もしくは金属成分と接触せず、光
    から保護されるように収容されたことを特徴とする請求
    項1から25のいずれかに記載のエマルジョン。
  27. 【請求項27】 皮膚の治療、ざ瘡の治療、および年齢
    及び/又は日光が原因となる損傷の治療のための、請求
    項1から26のいずれかに記載のエマルジョンの用途。
  28. 【請求項28】 請求項1から26のいずれかに記載の
    エマルジョンを、不活性且つ酸素のない雰囲気下で、ま
    た光化学反応を起こさない光の下で調製することを特徴
    とするエマルジョンの調製方法。
  29. 【請求項29】 不活性雰囲気が窒素もしくは稀ガスか
    らなることを特徴とする請求項28記載の調製方法。
  30. 【請求項30】 脂肪相と水相とを個別に調製し、水相
    を脂肪相に混入し、続いてレチノールとその溶媒を含む
    相を添加することを特徴とする請求項1から26のいず
    れかに記載の調製方法。
  31. 【請求項31】 製品を外気と接触させることのない分
    配装置を具備し、気体および可視−紫外光について不透
    浸性を有する壁を有し、製品と接触する壁表面が非金属
    性であり、さらに酸素補捉装置を具備することを特徴と
    する製品の収容装置。
  32. 【請求項32】 分配装置が、空気の取入れを伴わない
    装置からなることを特徴とする請求項31記載の収容装
    置。
  33. 【請求項33】 前記酸素補捉装置が、気体−透浸性か
    つ液体−不透浸性である膜によって製品から隔てられて
    いることを特徴とする請求項31もしくは32記載の収
    容装置。
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