JPH0897564A - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層配線板及びその製造方法

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JPH0897564A
JPH0897564A JP23186694A JP23186694A JPH0897564A JP H0897564 A JPH0897564 A JP H0897564A JP 23186694 A JP23186694 A JP 23186694A JP 23186694 A JP23186694 A JP 23186694A JP H0897564 A JPH0897564 A JP H0897564A
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知明 根本
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    • H05K3/4676Single layer compositions

Abstract

(57)【要約】 【目的】 コストの低減の効果が高く、しかも表面をフ
ラットに形成することができる多層配線板を提供する。 【構成】 複数枚の回路基板1を積層して形成されて成
る多層積層板に関する。少なくとも一枚の回路基板1に
は一部を切欠して開口部2が形成してあり、回路基板1
よりも誘電正接が小さい材料で形成された高周波用回路
板3をこの開口部2に嵌め込まれた状態で積層してあ
る。回路基板1のうち高周波回路を設ける部分だけを誘
電正接が小さい材料の高周波用回路板3で形成すること
ができ、必要な箇所だけを誘電正接が小さい高価な材料
で形成すればよい。また高周波回路は誘電正接が小さい
材料の高周波用回路板3に直接形成することができ、高
周波モジュール基板を表面に実装するような必要がなく
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波回路を有する多
層配線板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、多層配線板は例えばガラス布基材
エポキシ樹脂積層板などを用いて作製されているが、エ
ポキシ樹脂等は高周波特性が低く、伝送損失が大きくな
って高周波信号のロスが大きい。そこで高周波用途の多
層配線板では高周波特性の良好な材料、すなわち誘電正
接が小さい低損失材料、例えばフッ素樹脂、ポリフェニ
レンオキサイド樹脂(PPO)、ポリイミド樹脂等を用
いて作製し、伝送損失を小さくして高周波信号のロスが
少なくなるようにしている。
【0003】しかし、高周波特性の良好な上記の材料は
一般に高価であるために、このような材料で作製した多
層配線板はコストが非常に高くなる。そこで、特開平1
−189998号公報等において、一部の層を高周波特
性の良好な誘電正接が小さい樹脂で、他の層を誘電正接
が高い樹脂で形成して多層積層板を作製することによっ
て、高周波特性の良好な誘電正接が小さい材料の使用量
を少なくすることがおこなわれている。
【0004】図12はその一例を示すものであり、多層
配線板は3層の回路板11a,11b,11cを積層し
て作製してあり、内層の回路板11bは誘電正接が小さ
い材料を用いて低誘電正接層として、外層の回路板11
a,11cは誘電正接が大きく安価な材料を用いて高誘
電正接層として形成してある。そして低誘電正接の回路
板11bの片面に内層コイル12や内層コンデンサ13
などの高周波回路が金属箔のエッチング加工で形成して
あり、さらにこの回路板11bの他の片面に金属箔で電
源あるいはグランド14が形成してある。このように回
路板11bは誘電正接が小さく高周波特性が良好な層と
して形成してあるために、伝送損失が小さくなり、高周
波信号のロスが少なくなるものであり、しかも誘電正接
が小さい高価な材料はこの回路板11bのみで、他の回
路板11a,11cは誘電正接が高い安価な材料を用い
ているために、多層配線板のコストを抑制することがで
きるのである。
【0005】また図12の例では、高周波回路をまとめ
てモジュール化すると共にこれを低誘電正接の基板に組
み込むことによって高周波モジュール基板15を作製
し、この高周波モジュール基板15を外層の回路板11
aに実装することによって、高誘電正接の安価な材料で
形成した回路板11aの影響を受けることがないように
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、誘電正
接が小さく高周波特性が良好な材料で回路板11bを形
成することによって、伝送損失を小さくして高周波信号
のロスが少なくすることができる。しかし回路板11b
は全面が高周波特性が良好な材料で形成されているが、
回路板11bのうち高周波回路を設けていない部分は高
周波特性が良好な材料で形成する必要はなく、この部分
では高価な材料が無駄になり、コストの低減の効果は十
分ではない。
【0007】また、高周波モジュール基板15を用いる
場合はこの高周波モジュール基板15のみを高周波特性
が良好な材料で形成すればよいために、高価な材料が無
駄になることはなくコストの低減の効果を十分に得るこ
とができるが、高周波モジュール基板15が表面に突出
するために表面をフラットに形成することができないと
いう問題があった。
【0008】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、コストの低減の効果が高く、しかも表面をフラッ
トに形成することができる多層配線板を提供することを
目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数枚の回路
基板1を積層して形成されて成る多層積層板において、
少なくとも一枚の回路基板1には一部が切欠されて開口
部2が形成されていると共に、回路基板1よりも誘電正
接が小さい材料で形成された高周波用回路板3がこの開
口部2に嵌め込まれた状態で積層されていることを特徴
とするものである。
【0010】上記多層積層板において、高周波回路板3
にはバイアホールやスルーホールを設けて回路を導通接
続させるようにしてもよい。本発明に係る多層積層板の
製造方法は、回路基板1にその一部を切欠して開口部2
を形成し、回路基板1よりも誘電正接が小さい材料で形
成された高周波用回路板3をこの開口部2に嵌め込み、
この高周波用回路板3を嵌め込んだ回路基板1を他の回
路基板1とプリプレグ4を介して重ね、これを加熱加圧
成形することを特徴とするものである。
【0011】上記多層積層板の製造方法において、高周
波用回路板3を嵌め込んだ回路基板1を他の回路基板1
とプリプレグ4を介して重ね、これを加熱加圧成形する
にあたって、高周波用回路板3を嵌め込んだ回路基板1
のプリプレグ4と反対側の外面に融点が250℃以上、
厚さが0.1〜0.6mmの耐熱樹脂シート5を重ね、
この状態で加熱加圧成形するようにしてもよい。
【0012】この耐熱樹脂シート5としてはフッ素樹脂
系シートを用いることができる。さらに上記多層積層板
の製造方法において、プリプレグ4として、レジンコン
テントが45〜60重量%、含浸樹脂の溶融粘度が10
0cps以上のものを用いるようにしてもよい。また上
記多層積層板の製造方法において、開口部2を設けた回
路基板1の片面に粘着シート6を貼ると共に開口部2に
嵌め込んだ高周波用回路板3を粘着シート6に貼着させ
るようにしてもよい。
【0013】このとき、上記粘着シート6を貼った回路
基板1を他の回路基板1とプリプレグ4を介して重ね、
これを加熱加圧成形するようにしてもよい。あるいは、
上記粘着シート6を貼った回路基板1を他の回路基板1
とプリプレグ4を介して重ね、次に粘着シート6を剥が
した後に、加熱加圧成形するようにしてもよい。
【0014】さらに上記多層積層板の製造方法におい
て、高周波用回路板3として、端縁に凹凸部7を設けた
ものを用いるようにしてもよい。
【0015】
【作用】複数枚の回路基板1を積層して形成されて成る
多層積層板において、少なくとも一枚の回路基板1に一
部を切欠して開口部2を形成すると共に、回路基板1よ
りも誘電正接が小さい材料で形成された高周波用回路板
3をこの開口部2に嵌め込んだ状態で積層するようにし
ているために、回路基板1のうち高周波回路を設ける部
分だけを誘電正接が小さい材料の高周波用回路板3で形
成することができ、必要な箇所だけを誘電正接が小さい
材料で形成することができる。また高周波回路は誘電正
接が小さい材料の高周波用回路板3に直接形成すること
ができ、高周波モジュール基板を表面に実装するような
必要がなくなる。
【0016】
【実施例】以下本発明を実施例によって詳述する。図1
は本発明の一実施例を示すものであり、二枚の回路基板
1を接着層21で積層して多層配線板を作製してある。
各回路基板1はガラス布基材エポキシ樹脂積層板など、
高誘電正接であるが安価でありしかも加工が容易な材料
で形成してあり、銅箔など金属箔のエッチング加工によ
って必要に応じて回路が表面に設けてある。そして二枚
の回路基板1のうち、上の回路基板1には高周波回路を
設ける領域を切欠して両面に開口する開口部2が形成し
てあり、この開口部2に回路基板1と同一厚みで且つ開
口部2とほぼ同じ外形・寸法に形成した高周波用回路板
3が嵌め込んで取り付けてある。
【0017】高周波用回路板3はガラス布基材フッ素樹
脂積層板、ガラス布基材PPO樹脂積層板、ガラス布基
材ポリイミド樹脂積層板など、誘電正接が小さい低損失
材料を基板として作製してあり、銅箔など金属箔のエッ
チング加工によってその表面にL,C,R等の高周波回
路22やグランド23が形成してある。高周波用回路板
3にはさらにバイアホール(ブライドバイアホール;B
VH)24を設け、内周に形成した銅メッキ等のメッキ
層25で高周波回路22やグランド23の接続をおこな
うようにしてある。高周波用回路板3は単層の回路板と
して作製する他に、多層回路板として作製することもで
きる。
【0018】この高周波用回路板3を回路基板1の開口
部2に嵌め込み、この高周波用回路板3を嵌め込んだ回
路基板1を他の回路基板1とガラス布基材エポキシ樹脂
プリプレグなどプリプレグを介して重ね、これを加熱加
圧成形することによって、図1のような、高周波用回路
板1を一方の回路基板1に一体化すると共に二枚の回路
基板1を接着層21で積層した多層配線板を作製するこ
とができるものである。図1において26はスルーホー
ル(TH)である。
【0019】このように作製される多層配線板にあっ
て、高周波回路22は誘電正接が小さい高周波用回路板
3に設けてあるために、伝送損失を小さくして高周波信
号のロスを少なくすることができるものである。そして
回路基板1のうち高周波回路を設ける部分だけを誘電正
接が小さい材料の高周波用回路板3で形成しているため
に、必要な箇所だけを誘電正接が小さい材料で形成する
ことができ、高価な低誘電正接材料の使用量を最小限に
してコスト削減の効果を高く得ることができるものであ
る。また高周波回路は誘電正接が小さい材料の高周波用
回路板3に直接形成することができるために、図12の
ような高周波モジュール基板15を回路板1の表面に実
装するような必要がなくなり、表面がフラットな多層配
線板として作製することができ、小型化することができ
るものである。また、高周波モジュール基板15を半田
付けするような必要がなくなり、バイアホール24やス
ルーホール26で高周波回路22の必要な箇所をグラン
ド23と接続することができるために、高周波導電路の
インピーダンスを安定させて、ロスを減少させることが
できるものである。
【0020】ここで、高周波用回路板3を、ガラス布基
材PPO樹脂積層板(松下電工株式会社製「R−472
6」…実施例1)、ガラス布基材PPO樹脂積層板(松
下電工株式会社製「R−4728」…実施例2)、ガラ
ス布基材ポリイミド樹脂積層板(松下電工株式会社製
「R−4705」…実施例3)、ガラス布基材エポキシ
樹脂積層板(松下電工株式会社製「R−1766」…比
較例1)をそれぞれ基板として作製し、伝送損失とイン
ピーダンス特性を測定した。尚、高周波用回路板3はイ
ンピーダンス特性が各々の誘電率において50Ωとなる
ように回路の線幅を決定した。各積層板の5GHzにお
ける比誘電率及び誘電正接(誘電損失)と、この積層板
から製造した高周波用回路板3の線幅を表1に示す。
【0021】
【表1】
【0022】実施例1〜3及び比較例1の高周波用回路
板3のインピーダンス特性、伝送損失を測定し、結果を
表2に示す。尚、インピーダンス特性はデジタルオシロ
スコープによるTDR法測定により、伝送損失はネット
ワークアナライザーによる5GHzにおける伝送損失法
によりそれぞれ測定した。尚、高周波用回路板3は第1
の回路層(L1 )と第2の回路層(L2 )間の絶縁層及
び第2の回路層(L2)と第3の回路層(L3 )間の絶
縁層の厚みをそれぞれ表2に示す値に設定した3層回路
構成に作製した。
【0023】
【表2】
【0024】また、50Ωとなった線路において、各々
の伝送損失を100MHz〜10GHzの範囲で測定
し、マイクロストリップラインの伝送損失と周波数との
関係を図2に、ストリップラインの伝送損失と周波数と
の関係を図3にそれぞれ示した。図2や図3にみられる
ように、低誘電正接の材料を用いた各実施例のものは高
周波域において良好な値を示す。
【0025】図4(a)及び図5(a)は高周波用回路
板3の表面にマイクロストリップライン28を形成した
ときの、マイクロストリップライン28の線路のインピ
ーダンスを測定したものであり、グラフの縦軸がインピ
ーダンス、横軸が高周波用回路板3の長さを示す。また
インピーダンスは縦軸の中央で50Ωを示すようにして
ある。
【0026】そして図4(a)は、図4(b)のように
計測機に接続されるケーブル29のコネクター30をマ
イクロストリップライン28に半田付けした箇所(イ)
と、線路をバイアホール24等で接続した箇所(ロ)
(ハ)のインピーダンスの変化を示すものであり、半田
付けをした箇所(イ)の変化率は10%、バイアホール
24等で接続した箇所(ロ)(ハ)の変化率は5%以内
であり、半田付けをするよりバイアホール24等で接続
するほうがインピーダンスの変化が少ないことがわか
る。従って、図12のように高周波モジュール基板15
を作製してこれをメインの配線板に半田付けするより
も、本発明のように回路基板1に高周波用回路板3を組
み込んで多層配線板に埋め込むようにし、バイアホール
24やスルーホール26で接続するほうが、インピーダ
ンス特性の変化が少ない安定したものが得られることが
確認される。
【0027】また図5(a)は、図5(b)のようにマ
イクロストリップライン28の裏側のグランド23の一
部を切断してグランド23をこの切断部分(ニ)でグラ
ンド23a及び23bに電気的に分離した場合に、その
上を走るマイクロストリップライン28の線路のインピ
ーダンスがどのように変化するかを試験したものであ
る。図5(b)において31はマイクロストリップライ
ン28とグランド23aに接続した計測機のケーブルで
ある。図5(a)にみられるように、グランド23が切
断部分(ニ)でグランド23aからグランド23bに変
わると、線路のインピーダンスが50Ωから大きく外れ
るように変化しており、グランド23は線路に対して共
通となるようにしなければないということが確認され
る。
【0028】次に、本発明に係る多層配線板の製造を図
6及び図7について説明する。まず図6(a)のように
回路基板1を作製する。回路基板1は両面に銅箔等の金
属箔33を張ったガラス布基材エポキシ樹脂積層板等を
用いて作製されるものであり、基準穴加工やバイアホー
ル24となる孔を加工した後に、無電解銅メッキ等のメ
ッキ処理をおこなってバイアホール24にメッキ層25
が形成してある。次に図6(b)のように回路基板1の
内層側の金属箔33を加工をして回路パターン34を形
成し、さらに回路基板1にルーターやパンチング金型、
レーザー等を用いて窓抜き加工することによって、図6
(c)のように高周波回路を設ける領域に開口部2を形
成する。
【0029】一方、高周波用回路板3は両面に銅箔等の
金属箔33を張ったガラス布基材フッ素樹脂積層板、ガ
ラス布基材PPO樹脂積層板、ガラス布基材ポリイミド
樹脂積層板などで作製してあり、基準穴やバイアホール
24となる孔を加工した後にメッキを施してバイアホー
ル24用の孔にメッキ層25を形成し、さらに内層側の
金属箔33を加工して高周波用の回路パターン35が形
成してある。
【0030】そして高周波用回路板3を開口部2の形状
に合わせて外形加工した後、図6(d)のように回路基
板1の開口部2にこの高周波用回路板3をはめ込み、各
回路基板1をガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグなど
のプリプレグ4を介して重ね、これを加熱加圧成形して
二次積層成形をおこなうことによって、図7(a)のよ
うにプリプレグ4による接着層21で2枚の回路基板1
を積層一体化する。このように成形をおこなう際に、プ
リプレグ4の樹脂が回路基板1の開口部2と高周波用回
路板3との間の隙間に充填され、この樹脂の接着作用で
高周波用回路板3は回路基板1に一体化されるものであ
る。次に、図7(b)のように貫通穴を加工してスルー
ホール26を設け、無電解銅メッキ等のメッキ処理をお
こなって図7(c)のようにスルーホール26の内周に
メッキ層25を形成し、さらに回路基板1の外層の金属
箔33を加工して回路パターン37を設けると共に、高
周波用回路板3の外層の金属箔33を加工して高周波用
の回路パターン38を設け、そして印刷・表面処理・外
形加工・検査を経て、図7(d)のような多層配線板と
して仕上げることができるものである。
【0031】ここで、上記の図6(d)のように二次積
層成形する際に、回路基板1の開口部2の内周面とこの
開口部2に嵌め込んだ高周波用回路板3の外周面との間
の隙間からプリプレグ4の樹脂が流出するおそれがあ
り、さらに回路基板1や高周波用回路板3に形成したバ
イアホール24からもこの樹脂が流出するおそれがあ
る。そこで本発明では、高周波用回路板3を嵌め込んだ
回路基板1をプリプレグ4を介して重ね、これを加熱加
圧して二次積層成形するにあたって、図8(a)のよう
に高周波用回路板3を嵌め込んだ回路基板1のプリプレ
グ4と反対側の外面に融点が250℃以上、厚さが0.
1〜0.6mmの耐熱樹脂シート5を重ね、この状態で
プレート金型41の間にセットして二次積層成形をおこ
なうようにしている。このような耐熱樹脂シート5を重
ねて二次積層成形をおこなうことによって、開口部2と
高周波用回路板3との間の隙間やバイアホール24の開
口を外面から塞ぎ、樹脂が流出することを防ぐことがで
きるのである。
【0032】図8(b)の実施例では、高周波用回路板
3を嵌め込んだ回路基板1を一対用いるようにしている
ために、各回路基板1の外側に耐熱樹脂シート5を重
ね、この状態でプレート金型41の間にセットして二次
積層成形をおこなうようにしている。ここで、耐熱樹脂
シート5の替わりに銅箔等の金属箔を用いることも考え
られるが、金属箔では加熱加圧成形時の変形が小さいた
めに、隙間や孔を塞ぐ効果が小さく、樹脂の流出を防止
することができず、表面に漏れる樹脂被膜によって開口
形成時に残銅が生じてショートが発生するおそれがあ
る。また耐熱樹脂シート5の替わりにテドラーやトリア
セテートなどのシートを用いると、これらは耐熱性が低
いために、熱による変形が大き過ぎて隙間や孔を塞ぐ効
果が高くなり過ぎ、また加熱加圧成形時に分解によるガ
スが発生し、隙間や孔への樹脂の充填不良が発生し、高
周波用回路板3の固定の信頼性やバイアホール24の信
頼性が低下するおそれがある。
【0033】このために、本発明では融点が250℃以
上、厚さが0.1〜0.6mmの耐熱樹脂シート5を用
いるものである。融点が250℃未満では耐熱性が不十
分である(上限は327℃程度である)。すなわち、P
PO樹脂を材料とする積層板の二次成形は180℃、6
0kg/cm2 程度、ポリイミド樹脂の成形は205
℃、40kg/cm2 程度の加熱・加圧条件でおこなわ
れるので、この200℃前後の成形温度に十分に耐える
ことができる耐熱性として融点が250℃以上であるこ
とが必要とされるものである。また厚さが0.1mm未
満では十分に隙間や孔を塞ぐことができず、樹脂が漏れ
るおそれがあり、逆に厚さが0.6mmを超えると隙間
や孔を塞ぐ効果が高過ぎて隙間や孔への樹脂の充填が不
十分になるおそれがある。このような耐熱樹脂シート5
としては四フッ化エチレン樹脂などフッ素系樹脂シート
(あるいは板)を用いることができるものであり、伸び
率が200〜400%、圧縮強さが120〜160kg
/cm2 のものであることが好ましい。
【0034】次に、耐熱樹脂シート5として厚み0.6
mmの四フッ化エチレン樹脂板(実施例4)、厚み0.
1mmの四フッ化エチレン樹脂シート(実施例5)を用
い、またこの耐熱樹脂シート5の替わりに厚み0.05
mmのトリアセートフィルム(比較例2)、厚み0.0
5mmのテドラーフィルム(比較例3)、厚み0.01
8mmの銅箔(比較例4)を用い、図8(b)のように
して二次積層成形をおこない、バイアホール24への樹
脂の充填性と、このバイアホール24からの樹脂の流出
の大きさを測定し、結果を表3に示した。充填性は87
9個設けたバイアホール24中の樹脂が充填されたもの
を計測し、その百分率で表示した。また樹脂の流出の大
きさは、成形後に表面の金属箔をソフトエッチングして
除去して流出樹脂との境界を明確にさせた後、1/10
0mm単位で測定できる光学顕微鏡あるいはビデオスケ
ールで図10(a)のように流出樹脂42の最大部分の
直径rを測定することによっておこなった。
【0035】
【表3】
【0036】表3にみられるように、四フッ化エチレン
樹脂による耐熱樹脂シート5を用いた実施例4,5のも
のでは、充填率が100%であり、樹脂流出の大きさも
小さいものであった。尚、トリアセートフィルムやテド
ラーフィルムを用いた比較例2や比較例3のものでは、
各フィルムから発生するガスがバイアホール24内に閉
じ込められて樹脂の充填率が悪くなり、またこのガスの
圧力によってバイアホール24内の樹脂が押し出されて
流出樹脂が大きくなったものと考えれる。
【0037】また、上記図6(d)のように二次積層成
形する際に、回路基板1の開口部2と高周波用回路板3
との間の隙間やバイアホール24からプリプレグ4の樹
脂が流出するのを低減するために、プリプレグ4として
レジンコンテントが45〜60重量%、含浸樹脂の溶融
粘度が100cps以上のものを用いるようにすること
もできる。このようなプリプレグ4を用いて樹脂の流出
を少なくすることによって、板厚精度を高めることがで
きると共に、流出樹脂の低減で回路形成時の残銅による
ショートが発生することを防止することができるもので
ある。また、流出樹脂が少ないと、この流出樹脂の除去
が容易になるものである。流出樹脂の除去は、ベルトサ
ンダー、水平研磨機、バフ研磨機等による機械研磨や、
過マンガン酸、クロム酸、濃硫酸等の薬品によって溶解
や膨潤させて除去する化学研磨により行なうことができ
る。
【0038】このように流出樹脂を少なくするためにレ
ジンコンテントは60重量%以下であることが必要であ
る。しかし逆にレジンコンテントが45重量%未満であ
ると、隙間や孔への樹脂の充填が十分におこなわれず、
高周波用回路板3の固定の信頼性やバイアホール24の
信頼性が低下するおそれがある。尚、レジンコンテント
は基本的には重量分率で表示されるが、後述のように比
重の大きな充填剤を樹脂中に含有しているものは体積換
算になる。また流出樹脂を少なくするために含浸樹脂の
溶融粘度、すなわち二次積層成形の際の加熱温度におけ
る溶融粘度が100cps以上であることが必要であ
る。上限は特に設定されるものではなく、実用できる範
囲であればよい。
【0039】このようなプリプレグ4としては、ガラス
布にエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、
PPO樹脂などを含浸・乾燥して得られたものなど任意
のものを用いることができるが、これらの樹脂には水酸
化アルミナ、酸化アルミナ、チタン等の充填剤を配合し
て使用することもできる。ここで、プリプレグ4とし
て、レジンコンテントが46重量%で溶融粘度が249
cpsのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグ(実施例
6)、レジンコンテントが55重量%で溶融粘度が48
6cpsのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグ(実施
例7)、レジンコンテントが55重量%で溶融粘度が8
7cpsのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグ(比較
例5)、レジンコンテントが42重量%で溶融粘度が1
56cpsのガラス布基材エポキシ樹脂プリプレグ(比
較例6)を用い、図6(d)のようにして二次積層成形
をおこなった。そしてバイアホール24からの流出樹脂
の大きさを測定し、また流出樹脂のバフ研磨機による除
去性を調べた。流出樹脂の大きさは、成形後に表面の金
属箔をソフトエッチングして除去して流出樹脂との境界
を明確にさせた後、1/100mm単位で測定できる光
学顕微鏡あるいはビデオスケールで図10(b)のよう
に流出樹脂42の最大部分の直径a及びこれと直交する
方向での最大部分の直径bを測定することによっておこ
なった。結果を表4に示す。流出樹脂の大きさはa×b
で示した。
【0040】
【表4】
【0041】表4にみられるように、レジンコンテント
が45〜60重量%、含浸樹脂の溶融粘度が100cp
s以上のプリプレグ4を用いた実施例6,7のものは、
流出樹脂が小さく、除去も可能なものであった。また、
上記の図6(d)のように開口部2に高周波用回路板3
を嵌め込んだ回路基板1をプリプレグ4等と組み合わせ
る工程で、開口部2内において高周波用回路板3が位置
ずれしたり、開口部2から高周波用回路板3が抜け落ち
たりするおそれがあり、高周波用回路板3の組み込みの
位置精度や作業性に問題がある。そこで本発明では、開
口部2を設けた回路基板1の片面に粘着シート6を貼
り、次に開口部2に高周波用回路板3を嵌め込んで粘着
シート6に粘着させることによって、開口部2内に高周
波用回路板3を仮固定し、高周波回路板3の位置ずれを
防止すると共に開口部2からの高周波用回路板3の抜け
落ちを防止するようにしている。この粘着シート6とし
ては、常温で粘着性を有するエポキシ樹脂系やポリイミ
ド樹脂系の接着剤をフィルムの表面に塗布して作製され
るものを用いることができるものである。また粘着シー
ト6の貼り付けの方法は、手で押しつけるようにする
他、プレス機や圧着ロール機を用いて行なう方法など任
意であり、このときに必要に応じて加温するようにして
もよい。
【0042】図9(a)はその一例を示すものであり、
開口部2を設けた回路基板1の積層する側の面、つまり
プリプレグ4と重ね合わせる側の面の全面に亘って粘着
シート6を貼るようにしてあり、このように粘着シート
6で開口部2内に高周波用回路板3を保持した状態でプ
リプレグ4を介して他の回路基板1と重ね、この状態で
図6(d)のように二次積層成形をおこなうようにして
ある。この実施例では多層配線板内に粘着シート6が一
体に組み込まれるために、粘着シート6としては二次積
層成形の際に反応・硬化して3次元化するエポキシ樹脂
樹脂系、ポリイミド樹脂系、PPO樹脂系などの樹脂を
シート化したものを用いるのが好ましい。このように粘
着シート6で開口部2内に高周波用回路板3を保持した
状態で二次積層成形することによって、高周波用回路板
3が二次積層成形で多層配線板に一体化されるまで粘着
シート6で保持することができ、高周波回路板3の位置
ずれ防止や抜け落ち防止の効果を確実に得ることができ
るものである。
【0043】図9(b)の例では、開口部2を設けた回
路基板1の積層する側と反対側の面、つまり回路基板1
の外側の面に開口部2を塞ぐように粘着シート6を貼る
ようにしてある。この場合、粘着シート6は回路基板1
の全面に貼る必要は必ずしもなく、開口部2を覆う範囲
で貼るようにしてもよい。このようにして粘着シート6
で開口部2内に高周波用回路板3を保持した状態で、粘
着シート6と反対側の面にプリプレグ4を介して他の回
路基板1を重ねて組み合わせる。そしてこの後、図6
(d)のように二次積層成形をおこない、多層配線板の
成形をおこなった後に粘着シート6を表面から剥がすよ
うにしてある。このものでは粘着シート6は多層配線板
に一体化されないが、二次積層成形の際の加熱に耐える
必要があるので、粘着シート6としてはフッ素樹脂系な
どの耐熱性を有するものを用いるのが好ましい。このよ
うに粘着シート6で開口部2内に高周波用回路板3を保
持した状態で二次積層成形することによって、高周波用
回路板3が二次積層成形で多層配線板に一体化されるま
で粘着シート6で保持することができ、高周波回路板3
の位置ずれ防止や抜け落ち防止の効果を確実に得ること
ができるものである。
【0044】またこの図9(b)と同様に開口部2を設
けた回路基板1の外側の面に粘着シート6を貼って、粘
着シート6で開口部2内に高周波用回路板3を保持し、
そしてこの回路基板1の粘着シート6と反対側の面にプ
リプレグ4を介して他の回路基板1を重ねて組み合わせ
た後に、粘着シート6を剥がして図6(d)のように二
次積層成形をおこなうようにすることもできる。この場
合には、粘着シート6には二次成形の際の高温が作用し
ないので、セロファン製粘着テープのような耐熱性を有
しないものを用いることができるものである。
【0045】また、上記図6(a)のように回路基板1
の開口部2に高周波用回路板3を嵌め込むにあたって、
開口部2の内径寸法と高周波用回路板3の外径寸法が同
じであると開口部2への高周波用回路板3の嵌め込の作
業性が悪くなるために、開口部2の内径寸法を高周波用
回路板3の外径寸法よりも0.2mm程度大きく形成す
ることが検討されているが、このものでは開口部2と高
周波用回路板3との間に片側で0.1mmの隙間がで
き、0.1mmの位置ずれが生じるおそれがある。そこ
で本発明では、高周波用回路板3の4辺に少なくとも一
箇所以上の凹凸部7を設けることによって、開口部2の
内径寸法と高周波用回路板3の外径寸法との差が小さく
ても、開口部2への高周波用回路板3の嵌め込みが容易
になるようにし、そしてこのように開口部2の内径寸法
と高周波用回路板3の外径寸法との差を小さくして高周
波用回路板2の位置精度を高めるようにしてある。
【0046】図11(a)はその一例を示すものであ
り、図11(b)のように四角形に形成される高周波用
回路板3の各辺に凸部7aと凹部7bとを設けることに
よって凹凸部7が形成してある。この高周波用回路板3
は既述のようにして単層の積層板あるいは多層積層板と
して作製されるものであって、少なくとも一方の表面に
は高周波用の回路パターン35が銅箔等の金属箔によっ
て形成してあり、また1つ以上のビアホール24が設け
てある。さらに高周波用回路板3の両面には端縁に沿っ
て図11(c)のように金属箔33のエッチング除去等
によって形成される凹溝43が額縁状に設けてある。凹
溝43は1本設ける他、複数本設けるようにしてもよ
い。尚、高周波用回路板3の形状は図11のような四角
形に限定されるものでないのはいうまでもない。
【0047】このように高周波用回路板3の各辺に凸部
7aと凹部7bからなる凹部7を設けることによって、
凹部7bによって開口部2への高周波用回路板3の嵌め
込みの作業が容易になるものであり、また凸部7aによ
って高周波用回路板3の位置ずれを低減して位置精度を
高めることができるものである。また、この高周波用回
路板3を回路基板1の開口部2に嵌め込んで図6(d)
のように二次積層成形するにあたって、プリプレグ4の
樹脂が高周波用回路板3と開口部2の間の隙間を通って
流出しても、この樹脂は高周波用回路板3の周囲の凹溝
43に流れてその内方の回路パターン35に及ぶことを
防ぐことができるものである。
【0048】ここで、このような凹凸部7を設けない高
周波用回路板3を用いる場合、高周波用回路板3はその
外径寸法を開口部2の内径寸法よりも0.2mm小さく
形成しなければ開口部2へのはめ込みの作業性が悪くな
り、この場合には高周波用回路板3の位置精度は、平均
で+30μm、最大で250μmの位置ずれが生じてい
た。これに対して、図11のように凹凸部7を設ける
と、高周波用回路板3のはめ込みの作業性を高めるため
に凹部7bの箇所で高周波用回路板3の外径寸法を開口
部2の内径寸法よりも0.2mm〜0.6mm(200
μm〜600μm)小さくしても、凸部7aの箇所では
高周波用回路板3の外径寸法は開口部2の内径寸法より
も0.05mm(25μm)だけ小さい寸法にすること
ができ、高周波用回路板3の位置精度は、平均で−5μ
m、最大で60μmの位置ずれで済んだ。
【0049】
【発明の効果】上記のように本発明は、複数枚の回路基
板を積層して形成されて成る多層配線板において、少な
くとも一枚の回路基板に一部を切欠して開口部を形成す
ると共に、回路基板よりも誘電正接が小さい材料で形成
された高周波用回路板をこの開口部に嵌め込んだ状態で
積層するようにしたので、回路基板のうち高周波回路を
設ける部分だけを誘電正接が小さい材料の高周波用回路
板で形成することができ、必要な箇所だけを誘電正接が
小さい材料で形成することができるものであり、コスト
の低減の効果を高く得ることができるものである。また
高周波回路は誘電正接が小さい材料の高周波用回路板に
直接形成することができ、高周波モジュール基板を表面
に実装するような必要がなくなるものであり、表面をフ
ラットに形成して小型化することができるものである。
【0050】また、高周波回路板にはバイアホールやス
ルーホールを設けて回路を導通接続させるようにしたの
で、半田付けによる接続の場合に比べて高周波導電路の
インピーダンスを安定させることができるものである。
本発明に係る多層配線板の製造方法は、回路基板にその
一部を切欠して開口部を形成し、回路基板よりも誘電正
接が小さい材料で形成された高周波用回路板をこの開口
部に嵌め込み、この高周波用回路板を嵌め込んだ回路基
板を他の回路基板とプリプレグを介して重ね、これを加
熱加圧成形するようにしたので、回路基板の開口部に高
周波用回路板を嵌め込むことによって高周波用回路板を
回路基板の一部として加熱加圧成形をおこなうことがで
き、従来からの多層配線板を製造する工法をそのまま用
いて製造を容易におこなうことができるものである。
【0051】このように高周波用回路板を嵌め込んだ回
路基板を他の回路基板とプリプレグを介して重ね、これ
を加熱加圧成形するにあたって、高周波用回路板を嵌め
込んだ回路基板のプリプレグと反対側の外面に融点が2
50℃以上、厚さが0.1〜0.6mmの耐熱樹脂シー
トを重ね、この状態で加熱加圧成形するようにしたの
で、開口部と高周波用回路板との間の隙間などを耐熱樹
脂シートで塞ぐことができ、樹脂がこの隙間などから流
出することを防ぐことができるのもである。
【0052】また上記のようにして多層配線板を製造す
るにあたって、プリプレグとして、レジンコンテントが
45〜60重量%、含浸樹脂の溶融粘度が100cps
以上のものを用いるようにしたので、開口部と高周波用
回路板との間の隙間などからプリプレグの樹脂が流出す
るのを低減することができるものである。さらに上記の
ようにして多層配線板を製造するにあたって、開口部を
設けた回路基板の片面に粘着シートを貼ると共に開口部
に嵌め込んだ高周波用回路板を粘着シートに貼着させる
ようにしたので、粘着シートで開口部内に高周波用回路
板を仮固定し、高周波回路板の位置ずれを防止すること
ができると共に開口部からの高周波用回路板の抜け落ち
を防止することができるものである。
【0053】このとき、上記粘着シートを貼った回路基
板を他の回路基板とプリプレグを介して重ね、これを加
熱加圧成形するようにすれば、高周波用回路板が二次積
層成形で多層配線板に一体化されるまで粘着シートで保
持することができ、高周波回路板の位置ずれ防止や抜け
落ち防止の効果を確実に得ることができるものである。
【0054】あるいは上記粘着シートを貼った回路基板
を他の回路基板とプリプレグを介して重ね、次に粘着シ
ートを剥がした後に、加熱加圧成形するようにすれば、
粘着シートには二次成形の際の高温が作用せず、粘着シ
ートとしてセロファン製粘着テープのような耐熱性を有
しない安価なものを用いることができるものである。さ
らに上記のようにして多層配線板を製造するにあたっ
て、高周波用回路板として、端縁に凹凸部を設けたもの
を用いるようにしたので、凹部によって開口部への高周
波用回路板の嵌め込みの作業を容易にすることができる
と共に、凸部によって高周波用回路板の位置ずれを低減
して位置精度を高めることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すものであり、(a)は
平面図、(b)は断面図である。
【図2】マイクロストリップラインの伝送損失と周波数
との関係を示すグラフである。
【図3】ストリップラインの伝送損失と周波数との関係
を示すグラフである。
【図4】マイクロストリップラインに沿ったインピーダ
ンス変化を示す図である。
【図5】マイクロストリップラインに沿ったインピーダ
ンス変化を示す図である。
【図6】本発明の製造の一部の工程を示すものであり、
(a)〜(e)はそれぞれ断面図である。
【図7】本発明の製造の他の工程を示す断面図であり、
(a)〜(e)はそれぞれ断面図である。
【図8】本発明の製造の他の実施例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図9】本発明の製造の他の実施例を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ断面図である。
【図10】流出樹脂の測定部分を示すものであり、
(a),(b)はそれぞれ概略図である。
【図11】本発明の製造の他の実施例を示すものであ
り、(a)は回路基板の平面図、(b)は高周波用回路
板の平面図、(c)は高周波用回路板の断面図である。
【図12】従来例を示すものであり、(a)は平面図、
(b)は断面図である。
【符号の説明】
1 回路基板 2 開口部 3 高周波用回路板 4 プリプレグ 5 耐熱樹脂シート 6 粘着シート 7 凹凸部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数枚の回路基板を積層して形成されて
    成る多層配線板において、少なくとも一枚の回路基板に
    は一部が切欠されて開口部が形成されていると共に、回
    路基板よりも誘電正接が小さい材料で形成された高周波
    用回路板がこの開口部に嵌め込まれた状態で積層されて
    いることを特徴とする多層配線板。
  2. 【請求項2】 高周波回路板にはバイアホールやスルー
    ホールを設けて回路が導通接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の多層配線板。
  3. 【請求項3】 回路基板にその一部を切欠して開口部を
    形成し、回路基板よりも誘電正接が小さい材料で形成さ
    れた高周波用回路板をこの開口部に嵌め込み、この高周
    波用回路板を嵌め込んだ回路基板を他の回路基板とプリ
    プレグを介して重ね、これを加熱加圧成形することを特
    徴とする多層配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】 高周波用回路板を嵌め込んだ回路基板を
    他の回路基板とプリプレグを介して重ね、これを加熱加
    圧成形するにあたって、高周波用回路板を嵌め込んだ回
    路基板のプリプレグと反対側の外面に融点が250℃以
    上、厚さが0.1〜0.6mmの耐熱樹脂シートを重
    ね、この状態で加熱加圧成形することを特徴とする請求
    項3に記載の多層配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 耐熱樹脂シートとしてフッ素樹脂系シー
    トを用いることを特徴とする請求項4に記載の多層配線
    板の製造方法。
  6. 【請求項6】 プリプレグとして、レジンコンテントが
    45〜60重量%、含浸樹脂の溶融粘度が100cps
    以上のものを用いることを特徴とする請求項3乃至5の
    いずれかに記載の多層配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 開口部を設けた回路基板の片面に粘着シ
    ートを貼ると共に開口部に嵌め込んだ高周波用回路板を
    粘着シートに貼着させることを特徴とする請求項3乃至
    6のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
  8. 【請求項8】 上記粘着シートを貼った回路基板を他の
    回路基板とプリプレグを介して重ね、これを加熱加圧成
    形することを特徴とする請求項6に記載の多層配線板の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 上記粘着シートを貼った回路基板を他の
    回路基板とプリプレグを介して重ね、次に粘着シートを
    剥がした後に、加熱加圧成形することを特徴とする請求
    項6に記載の多層配線板の製造方法。
  10. 【請求項10】 高周波用回路板として、端縁に凹凸部
    を設けたものを用いることを特徴とする請求項3乃至9
    のいずれかに記載の多層配線板の製造方法。
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