JP4779409B2 - 配線板 - Google Patents

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本発明は、配線板に関する。
高周波信号をプリント配線板中で波形の歪み、なまりを抑制して伝送するための一つの手段としては、信号線における高周波信号の反射の原因となる特性インピーダンスの不連続点や特性インピーダンスの変動を抑制することが有効である。このための配線板構造としては、配線板の外層回路を信号線とし、その直下のグランド層からの距離を一定に保つマイクロストリップライン構造や、配線板の内層回路を信号線とし、その上下に電源層および/またはグランド層を配置し、これらの距離を一定に保つストリップライン構造が公知例として一般的である。高密度な配線を使用する産業用機器に使用されるものでは、配線収容量に応じて層数を容易に増加できるストリップライン構造の多層配線板が一般的である。
また、このストリップライン構造では信号線を増加させると、これに応じてその上下に配置する電源層および/またはグランド層の層数が多く必要となる。このため、信号線層を2層としてこの上下に電源層および/またはグランド層を配置するいわゆるデュアルストリップラインの方が配線板の合計層数を低減できるために多く採用されている。
また、高周波信号の伝送に適した配線板としては、所定の配線パターンに絶縁被覆ワイヤを使用したマルチワイヤ配線板(日立化成工業株式会社製、商品名)がある。例えば、特公昭45−21434号公報にあるように、熱硬化性樹脂積層板等の絶縁基板に、接着剤を積層または塗布したものに、数値制御布線機によりポリイミド樹脂等の耐熱性樹脂により被覆された絶縁被覆電線(以下、ワイヤと表記する)を這わせていくと同時に接着する(以下、布線と表現する)ことで所定のパターンを配線し、その後プレス等により配線したワイヤを固定し、ワイヤの端末でワイヤを横切るスルーホールをあけ、スルーホール周壁に電線の切断面を露出させ、スルーホール内壁に電線の切断面と接続する無電解銅層を形成させて製造するものである。
さらに、特許第3324007号公報にあるように、高密度配線を可能とするためにワイヤを布線固定する接着シートに光硬化性を付与したものや、特開平10−242619号公報にあるように、ワイヤを配線した布線層を4層以上配置した高密度高多層配線板構造とした場合に耐熱性を向上するために、ワイヤを布線固定する接着シートにBステージ状態での軟化点が20〜100℃の接着剤であり、硬化物のガラス転移点が180℃以上、ガラス転移点〜350℃での熱膨張率が1000ppm/℃以下、かつ、300℃での最低弾性率が30MPa以上であって、ポリアミドイミド樹脂と熱硬化性成分から成る接着剤を用いたものがある。
このマルチワイヤ配線板は、同一配線面でワイヤの交差が可能であるという特徴をもち、多品種少量生産に適する高密度配線板としてコンピュータ、画像処理機器、各種試験機器等の高性能電子機器に使用されている。このマルチワイヤ配線板においても、特性インピーダンスを制御するために信号線であるワイヤ配線層の上下に電源層および/またはグランド層を配置するストリップ構造を採用してきた。
特公昭45−21434号公報 特許第3324007号公報 特開平10−242619号公報
近年、電子回路の高速化に伴い、配線板の高周波電気特性の改善要求が高まっている。特に配線板の信号線を伝播する信号の周波数がギガヘルツ領域の場合においては、メガヘルツ領域の周波数において使用される配線板と比較して、より正確に伝送線路の特性インピーダンスを均一に保つことが必要となってきた。
ところで、前記マルチワイヤ配線板においては、前記特徴である同一配線面でのワイヤの交差によって、特性インピーダンスが交差以外の場所と比較して若干低下することが分かっていたが、信号の周波数が1ギガヘルツ以下の場合には信号の伝送損失およびノイズについては実質上の問題点は顕在化していなかった。
しかし、1ギガヘルツを超える周波数においては上記の特性インピーダンスの不整合が信号品質の劣化に繋がるために無視できなくなってきた。すなわち、極度にワイヤの交差点の粗密が著しい配線パターンにおいては、高速信号に歪み、なまりが生じる事が分かってきた。この現象は、通常の多層配線板で上述したストリップ構造で、信号線層が2層あるいわゆるデュアルストリップ構造でも発生するものである。本発明はこれらの課題を解決するものであり、配線収容密度が高くかつ高周波伝送特性に優れた配線板を提供するものである。
本発明は、以下のとおりである。
(1)2層以上の信号線層の上下に電源層および/またはグランド層を配置し、これらを絶縁層を介して積層した構造の配線板であり、前記電源層および/またはグランド層は、部分的に導体を除去した除去領域を有し、前記除去領域を前記信号線同士の交差点の直上部および/または直下部に前記交差点を中心とした対称形状に配置した多層配線板。
(2)2本以上の絶縁被覆されたワイヤからなる信号線層の上下に電源層および/またはグランド層を配置し、これらを絶縁層を介して積層した構造の配線板であり、前記電源層および/またはグランド層は、部分的に導体を除去した除去領域を有し、前記除去領域を前記信号線同士の交差点の直上部および/または直下部に前記交差点を中心とした対称形状に配置した多層配線板。
本発明によってストリップ構造でグランド層および/または電源層の間で交差している配線パターンにおいて、配線交差位置の上下のグランド層および/または電源層に導体層を除去した構造を持つ配線板は、交差部分での特性インピーダンスの低下を抑制でき、高周波伝送特性に優れた配線板を容易に提供することができる。
まず、本発明の配線板の構成について詳述する。
信号線として使用する導体は、サブトラクト法によって銅張積層板上に形成された配線パターンや、アディティブ法またはセミアディティブ法によって絶縁基板上に無電解銅めっきや電解銅めっきによって形成された信号線などが挙げられる。これらの導体は、基本的に断面が矩形となっていることと、その後、絶縁層として広く用いられるガラスクロスに樹脂を含浸させたいわゆるプリプレグと呼ばれる半硬化状態の絶縁樹脂と重ね合せて多層板構造とするが、この時に絶縁樹脂との密着性を向上するために、導体表面には酸化および/または還元反応や、エッチングによって微細な凹凸を付与する内層表面処理が一般的に行われる。このような、微細な凹凸は1GHzを超える高周波信号にとっては導体抵抗の増加につながるため、できるだけ信号線表面の凹凸の大きさを低減する必要がある。
このため、高密度配線の実現と導体損失低減の観点からは、導体表面凹凸が小さく、均一形状を持つ押出し加工を行った微細銅芯線にポリイミド樹脂等の絶縁層を塗布した絶縁被覆ワイヤが好ましい。このような微細な絶縁被覆ワイヤとしては、上記文献等に記載された様なマルチワイヤ配線板用に量産されているワイヤがある。例としては直径0.08mmの軟銅線にポリイミドを約20μm焼付け塗装し、さらにフェノキシ樹脂系の樹脂層をBステージ状態で約10μm塗布したものが好適で、市販品としては日立電線製のHAW−216Cが挙げられる。
このワイヤを布線、固定する熱可塑性を保持する熱硬化性接着剤としては、合成ゴムを主成分とする樹脂にエポキシ樹脂とその硬化剤を添加した樹脂組成物や、フェノキシ樹脂にエポキシ樹脂とカチオン性光重合開始材とこれを熱に対して不安定化させる成分を加えた樹脂組成物や、さらにはTgの高いエンプラであるポリアミドイミド樹脂を主成分として、これにエポキシ樹脂や架橋促進剤を加えた樹脂組成物などが適用できる。市販品としては日立化成工業製の光硬化性を持つAS−U01(商品名)が挙げられる。
これらワイヤおよび接着シート層(熱可塑性を保持する熱硬化性接着剤)を配置する絶縁基板としては、一般に市販されている銅張積層板が利用できる。市販品としては、日立化成工業製のFR−4材であるMCL−E−67やTgの高いMCL−E−679やさらにTgが高く耐熱性に優れたMCL−I−671等が挙げられる。また電気特性を良好とするためには誘電率、誘電正接が小さなMCL−LX67などが挙げられる。
また、固定したワイヤ層を持つ基板を他の基板と一体化するためには一般に市販されているガラスクロスに絶縁樹脂を含浸させてBステージとした、いわゆるプリプレグが使用できる。市販品としては、日立化成工業製のFR−4材であるGEA−67やTgの高いGEA−679やさらにTgが高く耐熱性に優れたGIA−671等が挙げられる。また電気特性を良好とするためには誘電率、誘電正接が小さなGEA−LX67などが挙げられる。
信号の伝送方法としては導体の上下にグランドおよび/または電源層を配置したストリップ構造にて、1本の信号線を伝送線路としたシングルエンド伝送方式が挙げられるが、高速高周波信号の伝送を行う点からは、上記のストリップ構造にて2本の導体をペアとして1つの伝送線路とした差動伝送方式が好ましい。
次に、図面を用いて本発明の詳細を述べる。信号線の交差点の直上部もしくは直下部もしくは直上下部において除去する導体の形状は四角形、円形、多角形などが挙げられるが、この形状は限定しない。信号線の交差点の直上部もしくは直下部もしくは直上下部において除去する導体の範囲は、交差によって低下する特性インピーダンスの低下量にあわせて決定することが好ましい。
以下、図面を用いて本発明について説明するが、本発明は以下の例に限定したものではない。この説明においては信号線として絶縁被覆されたワイヤを用いたマルチワイヤ配線板の実施形態について説明するが、信号線としてサブトラクト法、アディティブ法およびセミアディティブ法等によって銅張積層板上に形成された導体においても適用できる。
図1は本発明の実施形態の一例を示し、配線の交差部分を拡大したものである。図1(a)は配線交差部分を平面から見た透視図であり、図1(b)はA−A’部分、図1(c)はB−B’部分の断面図である。図1(a)において、信号線となるワイヤ1、1’、2,2’は差動信号伝送用のペア配線であり、1と1’(または2と2’)の2本で一対の信号線を構成している。このワイヤはポリイミドで絶縁被覆されたものが好適で、あらかじめ基板上に形成された接着剤層4によってワイヤは固定され、さらにプリプレグ層3とグランド層および/または電源層5を形成している。ペア配線間のワイヤ距離は、特性インピーダンスの設計値に合わせて調整されるべきであるが、上下に配置するグランド層および/または電源層の距離やワイヤ芯線の直径、使用する絶縁層の種類によって決定する。一例を示すと、ワイヤの芯線の直径が0.08mm、上下に配置するグランド層および/または電源層の距離が0.4mm、使用する材料が市販のFR−4材と同等の誘電特性であって、ワイヤ1’に対するワイヤ1の差動インピーダンスを100Ωとして設定したい場合には、ワイヤ中心間の距離は0.23mmが好適である。絶縁されたワイヤを使用しているためワイヤ同士は交差が可能であり、図1(b)に示した信号線長さ方向に垂直な断面図では、交差ワイヤ2がワイヤ1の上部を跨ぐ配置を例示しているが、ワイヤ2はワイヤ1の下部を潜る配置であってもよい。
本発明では、ワイヤ同士が交差する部分の上下に配置するグランド層および/または電源層5に、図1に示すように交差部の上もしくは下もしくは上下の導体を除去する。この時導体を除去する面積は特に規定しないが、図1(a)に示すようにワイヤが交差する部分を中心とした対称形状で除去することが望ましい。この導体の除去部分6の形状は特に限定しないが、四角形、円形、多角形などが挙げられる。また、その大きさがワイヤの中心間距離より大きくする場合は、互いに重なり合って図1(d)に示すような形状にすることもできる。この大きさは、ワイヤ交差によって低下する信号線の特性インピーダンス低下量に合わせて決定することが好ましい。なお、従来の配線板のストリップ構造では図2に示すようにワイヤの交差部の上下にはこのような導体層を除去する領域はなかった。
さらに図3を用いて図1の構造を形成する方法の一例を以下に説明するがこれに限定するものではない。まず、図3(a)の回路加工した銅張積層板7は、グランド層および/または電源層5の導体回路を予め設けた状態を示す。この回路は、ガラス布エポキシ樹脂銅張積層板やガラス布ポリイミド樹脂銅張積層板等を公知のエッチング法等により形成できる。また、この時同時に必要に応じて本発明で述べているワイヤ交点部分となる位置に導体を除去するパターンを設ける事ができる。なお、この内層回路は多層回路とすることもできる。
図3(b)は、形成したグランド層および/または電源層5の表面に絶縁層3を形成した図である。これはこの表面上に配置するワイヤとの距離を一定に保ち、特性インピーダンスを調整するために設けられる。この絶縁層3には、通常のガラス布エポキシ樹脂やガラス布ポリイミド系樹脂のBステージのプリプレグ、あるいはガラスクロスを含まないBステージの樹脂シート等が使用できる。これらの絶縁層3は、基板にラミネートした後、必要に応じて熱処理あるいは積層による硬化等を行う。
次に、図3(c)に示すように、絶縁被覆ワイヤを布線、固定するための接着剤層4を形成する。接着剤層4を設ける方法としては、前記接着剤をスプレーコーティング、ロールコーティング、スクリーン印刷法等で直接絶縁基板に塗布、乾燥する方法等がある。また均一な膜厚の接着層を得るには、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等のキャリアフィルムに、前記接着剤を一旦ロールコートして塗工乾燥しドライフィルムとした後、絶縁基板にホットロールラミネートまたはプレスラミネートする方法が好ましい。
次に、図3(d)に示すように、絶縁被膜したワイヤ1を布線する。この布線は、一般に布線機により超音波振動等を加えながら加熱して行う。これにより、接着剤層4が軟化して接着剤層4中に埋め込まれる。その後、布線した基板表面の凹凸を低減し、部品実装時にふくれの原因となる接着層内に残存している空隙(ボイド)を除去する加熱プレス工程を追加できる。また、必要に応じてこの加熱プレス後、加熱処理により接着剤層4に残存している揮発分を除去しても良い。
次に、図3(e)に示すように、布線した絶縁被覆ワイヤを保護し、さらにストリップ構造とするために絶縁層(プリプレグ層)3と銅箔11を重ね合せて加熱プレスする。この絶縁層3としては、上述した通常のガラス布エポキシ樹脂やガラス布ポリイミド樹脂のBステージのプリプレグ、あるいはガラスクロスを含まないBステージの樹脂シート等が適用できる。
次に、図3(f)、図4(g)に示すように、必要な箇所に穴明けを行った後、めっきを行う。ワイヤ1末端でワイヤを横切る穴明け(スルーホール)を行い、ワイヤの端末、スルーホール周壁に電線の切断面を露出させ、スルーホール内壁に電線の切断面と接続するめっきを形成させてワイヤとの導通を図る。そして、ワイヤの交差点の直上部に配置される導体を部分的に除去する。以上のような製造方法で布線層が2層のマルチワイヤ配線板が完成する。この外層回路を形成する際に、ワイヤ交差部の部分に導体を除去した領域を設ける事ができる。
次に、完成した2層布線のマルチワイヤ配線板を図4(h)に示すように、2枚のマルチワイヤ配線板を絶縁層3としてガラス布エポキシ樹脂やガラス布ポリイミド樹脂のBステージのプリプレグ、あるいはガラスクロスを含まないBステージの樹脂シート等を介して、積層接着する。その後、必要な箇所に穴明けを行った後、めっきを行う。以上のような製造方法で布線層が4層のマルチワイヤ配線板が完成する。また、2層布線のマルチワイヤ配線板を3枚以上用いて絶縁層3を介して積層接着することにより、布線層が6層以上のマルチワイヤ配線板とすることもできる。また、必要に応じて、2枚以上の2層布線マルチワイヤ配線板の間に、回路を形成した層を含ませることもできる。
さらに、図4(i)に示すように、図3(d)で作製した2層のワイヤ配線層を持つ基板10と、図3(a)に例示した回路加工した銅張積層板7で、この表面に対応するワイヤ配線層のワイヤ交差部の位置に導体を除去した領域を形成したものを用い、上述のプリプレグを挟んで交互に重ね合わせて一括で積層する事でワイヤ交差部の上下のグランド層および/または電源層に導体を除去した領域を配置し、かつ、ワイヤ配線層を4層以上持つマルチワイヤの高多層板を作製することができる。
(実施例1)
ガラス布ポリイミド系樹脂を用いた両面銅張積層板MCL−I−671(日立化成工業株式会社会製、商品名)に通常のエッチング法により回路を形成した。この時、ワイヤの交差部となる位置に0.18mm角の大きさの導体を除去するパターンを設けた。次いで、仕上り厚み50μmのガラス布ポリイミド系樹脂プリプレグGIA−671(日立化成工業株式会社製、商品名)を該基板の両面にプレス、硬化して絶縁層を形成した。次いで、ワイヤ固定用の接着剤層として厚み80μmのAS−U01(日立化成工業株式会社、商品名)を該基板の両面にロール温度100℃、送り速度0.4m/分の条件でホットロールラミネートして接着剤層を形成した。
続いて、AS−U01の離形処理PETフィルムを剥がした該基板に片面づつポリイミド被覆ワイヤ(日立電線株式会社製、ワイヤHAW−216C、銅線径0.08mm)を布線機により、超音波加熱を加えながら布線した。用いた配線パターンを図5に示した。この配線パターンは実製品には見られないパターンではあるが、配線ピッチ0.23mmの差動伝送用のペア配線であり、このワイヤに0.23mmピッチで44本を幅9.91mm(図5中のa)にわたってワイヤを交差させたパターンを25.4mm(図5中のc=a+b)の繰返し単位で11個配置したものである。なお、ペア配線の長さは400mm、交差するワイヤの長さは50mmである。
その後、布線に続いて高圧水銀灯により、両面に500mJ/cmの光照射を行った。次いで、該基板をシリコンゴムをクッション材として130℃、30分、20kgf/cmの条件で加熱プレスした。引き続き、高圧水銀灯により、両面に3J/cmの光照射を行って、接着剤層を硬化させた。次に仕上り厚み90μmのガラス布ポリイミド系樹脂プリプレグ(日立化成工業株式会社製、GIA−671)3枚、その外側に35μm厚みの銅箔を両面に配置し、プレス、硬化させた。
続いて、必要箇所に穴をあけた後、ホールクリーニングなどの前処理を行い、さらに、無電解銅めっき液に浸漬し、30μmの厚さにスルーホールめっきを行った後、表面に回路を形成した。この時同時にワイヤ交差部の部分に0.18mm角の大きさの導体除去パターンを形成した。
(実施例2)
実施例1で、ワイヤ交差部の上下に配置する導体除去のパターンの大きさを0.39mm角とした。これ以外は全て実施例1と同様にして基板を作製し、評価した。
(比較例1)
実施例1で、ワイヤ交差部の上下に配置する導体除去のパターンを設けなかった。これ以外は全て実施例1と同様にして基板を作製し、評価した。
ネットワークアナライザ(Agilent社製E8364B+N1957A‐Physical layer test system)を用い、図5に示した配線パターンの差動特性インピーダンスを測定した結果を表1に示した。
Figure 0004779409
(単位:Ω)
この結果から比較例1はワイヤ交差のある部分とない部分で差動特性インピーダンスの差が14Ωあるのに対して、実施例1では11Ω、実施例2では4Ωと小さくなっている。また、同じ装置を用い、図5に示した配線パターンの伝送損失(SDD21)を測定した結果を図6に示した。比較例1では周波数3.2GHzおよび9.5GHzで大きな損失のピークが生じているが、実施例1では同周波数における損失ピークは約半減し、実施例2では損失のピークはほぼ消失している。
上記に述べたように、本発明によってストリップ構造でグランド層および/または電源層の間で交差している配線パターンにおいて、配線交差位置の上下のグランド層および/または電源層に導体層を除去した構造を持つ配線板は、交差部分での特性インピーダンスの低下を抑制でき、高周波伝送特性に優れた多層配線板を容易に提供することができる。
この発明の実施形態を示す配線板の構造の一例を示した断面図および平面から見た透視図。 従来の配線板の構造を示す断面図。 この発明の実施形態を示す配線板の構造の一例を示した断面図。 この発明の実施形態を示す配線板の構造の一例を示した断面図。 この発明の実施形態を示す配線板の配線パターンの一例を示した図。 この発明の実施例と比較例の伝送損失の測定結果。
符号の説明
1、1’、2、2’:ワイヤ(信号線)
3:プリプレグ層(絶縁層)
4:接着剤層
5:グランド層および/または電源層
6:導体の除去部分
7:回路加工した銅張積層板
8:スルーホール
9:スルーホールめっき
10:2層のワイヤ配線層を持つ基板
11:銅箔



Claims (2)

  1. 2層以上の信号線層の上下に電源層および/またはグランド層を配置し、これらを絶縁層を介して積層した構造の配線板であり、前記電源層および/またはグランド層は、部分的に導体を除去した除去領域を有し、前記除去領域を前記信号線同士の交差点の直上部および/または直下部に前記交差点を中心とした対称形状に配置した多層配線板。
  2. 2本以上の絶縁被覆されたワイヤからなる信号線層の上下に電源層および/またはグランド層を配置し、これらを絶縁層を介して積層した構造の配線板であり、前記電源層および/またはグランド層は、部分的に導体を除去した除去領域を有し、前記除去領域を前記信号線同士の交差点の直上部および/または直下部に前記交差点を中心とした対称形状に配置した多層配線板。
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