JP2001102696A - 配線基板及びその製造方法 - Google Patents

配線基板及びその製造方法

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JP2001102696A
JP2001102696A JP27809099A JP27809099A JP2001102696A JP 2001102696 A JP2001102696 A JP 2001102696A JP 27809099 A JP27809099 A JP 27809099A JP 27809099 A JP27809099 A JP 27809099A JP 2001102696 A JP2001102696 A JP 2001102696A
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insulating
layer
sheet
signal conductor
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Katsura Hayashi
桂 林
Akira Nakayama
明 中山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱硬化性樹脂を含有する絶縁基板を具備する配
線基板に対して、高周波伝送線路を形成した場合におい
ても高周波伝送特性に優れ、且つ剥離のない高信頼性の
配線基板を得る。 【解決手段】熱硬化性樹脂を含む絶縁材料からなる絶縁
基板2の表面および/または内部に、線幅が0.5mm
以下の微細配線層3と、線幅が1mm以上のグランド層
などの幅広配線層4が形成されており、微細配線層3の
絶縁基板2との界面の表面粗さを0.3μm以下、幅広
配線層4の絶縁基板2との界面の表面粗さを0.3μm
よりも大きくすることにより、微細配線層3を信号導体
線、幅広配線層4をグランド層とする高周波伝送線路の
伝送特性を改善する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばGHz帯の
高周波信号を伝送される高周波用基板や、半導体素子収
納パッケージなどに適した配線基板とその製造方法に関
する。
【0002】
【従来技術】従来から、プリント配線基板の分野におい
て、GHz帯の高周波信号の伝送を行う絶縁基板用材料
としてはPTFE(ポリエチレンテレフタレート)など
のフッ素系樹脂) が用いられている。このPTFEを絶
縁基板として用いた配線基板が高周波伝送特性が良い理
由は、PTFEが誘電率や誘電損失が低いことおよび銅
箔との密着性が良いため、表面が平滑な銅箔を用いて回
路が形成できる点にある。
【0003】高周波伝送特性に及ぼす配線の表面粗さの
影響は、誘電率や誘電損失の影響と同様に非常に大き
い。しかし、PTFEは、軟質の熱可塑性樹脂であるた
めに、銅箔を密着させるためのプレスにおける変形が大
きいため、高精度の多層基板を作ることはできなかっ
た。
【0004】一方、汎用的に用いられているプリント配
線基板における絶縁基板は、エポキシ樹脂などの熱硬化
性樹脂を含むものであり、銅箔をその絶縁基板上に貼り
付け、次いで金属箔の不要な部分をエッチング法により
除去することにより種々の配線を形成することにより製
造される。一般に、熱硬化性樹脂は高周波における伝送
特性が悪いと言われているが、この理由は誘電率や誘電
損失がPTFEに比較して高いこと、および、銅箔との
密着強度を高めるため銅箔表面を粗く仕上げる必要があ
るためである。
【0005】一方、情報量の増大に伴い、通信情報分野
で高周波帯が用いられている機会が非常に増加してい
る。この分野では配線の引き回しが多く、配線基板の多
層化による高密度配線化が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTF
Eは、接着性が弱く、かつ接着のための熱プレス時に変
形が大きいために、多層化に不向きであり、これらの高
密度配線化の要求に充分答えることができない。
【0007】また、一般の熱硬化性樹脂を用いた配線基
板では、多層化は可能であっても、絶縁基板への密着性
を確保するために、必然的に配線を形成する銅箔の表面
を粗くする必要があった。その結果、高周波信号は、主
として配線の絶縁基板との密着界面を伝送される結果、
信号の損失が増大し、伝送特性が低くなり、高周波用と
して充分な特性が発揮できないものであった。
【0008】従って、本発明は、熱硬化性樹脂を含有す
る絶縁基板を具備する配線基板に対して、高周波伝送線
路を形成した場合においても高周波伝送特性に優れ、且
つ剥離のない高信頼性の配線基板とその製造方法を提供
することをの目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記のよ
うな課題について鋭意検討した結果、金属箔からなる配
線の線幅が0.5mm以下の場合、金属箔の表面が平滑
であっても絶縁基板からの剥離が発生しにくいこと、ま
た、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路のように
大きな面積のグランド層を具備する高周波伝送線路にお
いて、グランド層における表面粗さは粗くても高周波伝
送特性には大きな影響がないとの知見を得た。
【0010】即ち、本発明の配線基板は、熱硬化性樹脂
を含む絶縁材料からなる絶縁基板の表面および/または
内部に、線幅が0.5mm以下の微細配線層と、線幅が
1mm以上の幅広配線層が形成されており、前記微細配
線層の前記絶縁基板との界面の表面粗さが0.3μm以
下であり、前記幅広配線層の前記絶縁基板との界面の表
面粗さが0.3μmよりも大きいことを特徴とするもの
であり、特に、前記微細配線層が信号導体線を形成し、
前記幅広配線層がグランド層を形成し、前記信号導体線
および前記グランド層によって高周波信号を伝達する高
周波伝送線路を形成していることが望ましい。
【0011】また、かかる配線基板においては、前記グ
ランド層が前記信号導体線と絶縁層を介して平行に設け
られてなる場合、または前記グランド層が前記信号導体
線と同一平面内にて前記信号導体線の両側に一定の間隔
をおいて形成されてなる場合でもよい。
【0012】さらに、前記信号導体線は、前記絶縁基板
の一方の表面に形成されてなり、且つ該信号導体線の表
面が絶縁基板の表面と同一平面となるように埋設するこ
とにより、さらに絶縁基板との密着性を改善することが
できる。
【0013】また、本発明の配線基板の製造方法は、第
1の転写シートの表面に、表面粗さ(Ra)が0.3μ
m以下の平滑な表面を有する線幅が0.5mm以下の微
細配線層を形成する工程と、第2の転写シートの表面に
表面粗さ(Ra)が0.3μmよりも大きい粗い表面を
有する線幅が1mm以上の幅広配線層を形成する工程
と、熱硬化性樹脂を含む絶縁材料からなる軟質の絶縁シ
ートの表面に、前記第1の転写シートの前記微細配線層
形成面を圧接して前記微細配線層を前記絶縁層の表面に
埋設した後、前記第1の転写シートを剥がして、前記第
1の転写シートから前記微細配線層を前記第1の絶縁シ
ートに転写させる工程と、前記第1の絶縁シートの表
面、裏面、あるいは有機樹脂を含む絶縁材料からなる軟
質の第2の絶縁シートの表面のうち、少なくとも1つの
面に、前記第2の転写シートの前記幅広配線層形成面を
圧接した後、前記第2の転写シートを剥がして、前記第
2の転写シートから前記幅広配線層を前記絶縁シートに
転写させる工程と、前記微細配線層および前記幅広配線
層が形成された前記第1の絶縁シート、あるいは前記微
細配線層が形成された前記第1の絶縁シートと前記幅広
配線層が形成された前記第2の絶縁シートとを積層した
後、熱処理して前記第1、あるいは第1および第2の絶
縁シートを硬化させる工程と、を具備することを特徴と
するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の配線基板の概略斜視図を
図1に示した。本発明の配線基板1は、熱硬化性樹脂を
含む絶縁材料からなる絶縁層1a,1bを積層してなる
絶縁基板2において、その表面には、線幅が0.5mm
以下、特に0.4μm以下の微細配線層3が形成され、
また、絶縁基板2の内部には、いわゆる線幅が1mm以
上、特に3mm以上の幅広配線層4が形成されている。
なお、この微細配線層3および幅広配線層4は、いずれ
も金属箔によって形成されている。
【0015】かかる図1の配線基板1によれば、上記微
細配線層3は、信号の伝達を担う信号導体線を形成して
おり、一方、幅広配線層4は、グランド層を形成してお
り、この信号導体線3とグランド層4によってマイクロ
ストリップ線路構造の高周波伝送線路を形成している。
【0016】本発明においては、このような微細配線層
からなる信号導体線3においては、絶縁基板2との界面
3aの表面粗さ(Ra)を0.3μm以下、特に0.2
μm以下とすることが重要であり、この表面粗さを0.
3μm以下とすることにより、高周波信号の伝送特性を
向上させることができる。なお、この信号導体線3の断
面は、図1に示すように、台形形状であることが絶縁層
1aへの埋設性、並びに密着性を向上させる上で望まし
い。
【0017】一方、幅広配線層からなるグランド層4に
おいては、絶縁基板2との界面4aの表面粗さ(Ra)
を0.3μmよりも大きく、特に0.5μm以上とする
ことが重要であり、この表面粗さを0.3μmよりも大
きくすることにより、グランド層4の絶縁層1aまたは
1bへの密着性を向上させている。
【0018】また、本発明によれば、上記絶縁基板2の
表面に形成された微細配線層からなる信号導体線3を、
図1に示すようにその表面が絶縁基板2の表面と同一平
面となるように埋設することにより信号導体線3に対し
て外力が直接加わることを防止し、さらに信号導体線3
の絶縁基板2への密着性を高めることができる。
【0019】一般に、熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料
によって絶縁基板が形成されているプリント配線基板に
おいて、配線層を金属箔によって形成する場合、その配
線層の絶縁基板への密着性を高めるために金属箔の絶縁
基板との界面の表面粗さを大きくすることが行われてい
る。
【0020】これに対して、本発明において、線幅が
0.5mm以下の微細配線層(信号導体線)3の絶縁基
板2との界面の表面粗さ(Ra)が0.3μmよりも大
きいと、図1、図2のような高周波伝送線路の信号導体
線として用いた場合に、高周波信号の伝送特性が劣化し
てしまうためである。しかも、線幅が0.5mm以下の
場合には、微細配線層が絶縁基板2から剥離しにくい。
【0021】一方、線幅が1mm以上の幅広配線層(グ
ランド層)の絶縁基板2との界面の表面粗さ(Ra)が
0.3μm以下では、絶縁基板2との密着性が大きく劣
化しその結果、幅広配線層が絶縁基板表面から剥離した
り、幅広配線層が絶縁基板2の内部に存在する場合に
は、層間剥離を生じてしまう。なお、このような幅広配
線層をグランド層として用いた場合、グランド層の表面
粗さが粗い場合であっても、信号導体線の表面粗さが小
さければ、高周波信号の伝送特性に悪影響を及ぼすこと
がない。
【0022】なお、この図1の配線基板1においては、
微細配線層と幅広配線層によってマイクロストリップ線
路構造の高周波伝送線路を形成したが、本発明はこれに
限定されるものでなく、その他種々の形態でもよい。
【0023】例えば、図2の概略斜視図では、絶縁基板
2の同一表面に、微細配線層3と幅広配線層4とが形成
されており、この場合、微細配線層3が信号導体線を、
また幅広配線層4がグランド層を形成しており、このグ
ランド層4は、信号導体線3の両側に一定の間隔を置い
て平行に形成されており、これによってコプレーナ線路
構造の高周波伝送線路が形成されている。この場合にお
いても前記と同様の作用効果が得られる。幅広配線層4
は、電源層として用いることも可能である。
【0024】本発明の配線基板を製造する方法を図3の
工程図に基づき説明する。 (1)まず、第1の転写シート5aの表面に、表面粗さ
Raが0.3μm以下の平滑な表面6aを有する線幅が
0.5mm以下の微細配線層6を形成する(図3a)。
なお、この微細配線層6の断面は、図3aに示すよう
に、台形形状であることが後述する絶縁シートへの転写
および表面への埋設性、並びに密着性を向上させる上で
望ましい。
【0025】(2)そして、第2の転写シート5bの表
面に、表面粗さRaが0.3μmよりも大きい粗い表面
7aを有する線幅が1mm以上の幅広配線層7を形成す
る。
【0026】上記微細配線層6、幅広配線層7の形成
は、ポリエチレンテレフタレートなどの転写シート5
a、5bの表面全面に接着剤によって金属箔を接着した
後、周知のエッチング処理によって配線層のパターンに
エッチング処理する。また、所望によって、幅広配線層
7の表面粗さが小さい場合には、蟻酸、硫酸等によって
表面をエッチング加工して粗化処理を施す。
【0027】なお、用いる金属箔は圧延銅箔の他、電解
銅箔なども用いられるが、表面粗さRaが0.3μm以
下であることが良好で、特に0.1μm以下が最適であ
る。銅箔は表面平滑性の観点から、圧延銅箔が最も望ま
しい。
【0028】(3)次に、熱硬化性樹脂を含む絶縁材料
からなる軟質の絶縁シート8aの表面に、第1の転写シ
ート5aの微細配線層6形成面を圧接して微細配線層6
を絶縁層の表面に埋設した後、第1の転写シート5aを
剥がして、微細配線層6を絶縁シート8aに転写させ
る。
【0029】(4)また、同様に熱硬化性樹脂を含む絶
縁材料からなる軟質の絶縁シート8bの表面に、第2の
転写シート5bの幅広配線層7形成面を圧接して幅広配
線層7を絶縁シート5bの表面に接着させた後、第2の
転写シート5bを剥がして、幅広配線層7を絶縁シート
8bに転写させる。
【0030】この時に用いる絶縁シート8a、8bとし
ては、ガラスなどの織布、不織布等の繊維にワニス状の
熱硬化性樹脂を含浸、乾燥させ半硬化のプリプレグや、
熱硬化性樹脂に、Al2 3 、SiO2 、AlN、Si
C等のフィラーを分散混合したスラリーをシート状に成
形したものが用いられる。なお、この絶縁シート8a,
8bは、熱硬化性樹脂が未硬化または半硬化であって軟
質状態であることが微細配線層6を絶縁シート8aの表
面へ埋設させる上で必要である。また、配線層の転写お
よび埋設を行うためには、転写シート5a、5bを絶縁
シート8a、8bに対して10〜500kg/cm2
度の圧力を印加することが望ましい。
【0031】(5)なお、絶縁シート8bへの転写後の
幅広配線層7において表面側7bの表面粗さが0.3μ
mよりも小さい場合には、この絶縁シート8bを完全に
熱硬化した後に、この表面7bを蟻酸等によるエッチン
グ処理して粗面加工を施す。
【0032】(6)その後、微細配線層6が形成された
絶縁シート8aと、幅広配線層7が形成された絶縁シー
ト8bとを積層一体化する。
【0033】(7)そして、この積層体を絶縁シート8
a、8b中の熱硬化性樹脂が完全硬化するに充分な温度
で加熱処理することにより、微細配線層6と幅広配線層
7とを具備する配線基板を作製することができる。
【0034】かかる構成においては、微細配線層6を信
号導体線、幅広配線層7をグランド層とすることによ
り、マイクロストリップ線路構造の高周波伝送線路を具
備する積層構造の配線基板を作製することができる。
【0035】また、他の方法としては、図4に示すよう
に、図3の(1)(2)によって各転写シート5a、5
bに微細配線層6、幅広配線層7を形成したものを準備
し、これを図4に示すように、(a)軟質の絶縁シート
9の表面側に微細配線層6を、裏面側に幅広配線層7を
転写させる。その後、これを熱硬化させることにより、
(b)に示すような絶縁基板9の表裏に配線層6、7を
形成した配線基板を作製することができる。かかる構成
においては、微細配線層6を信号導体線、幅広配線層7
をグランド層とすることにより、マイクロストリップ線
路構造の高周波伝送線路を具備する単層の配線基板を作
製することができる。
【0036】さらに、他の方法としては、図5に示すよ
うに、図3の(1)(2)によって各転写シート5a、
5bに微細配線層6、幅広配線層7を形成したものを準
備し、(a)軟質の絶縁シート10の表面に微細配線層
6を転写した後、(b)同じ絶縁シート10の表面に幅
広配線層7を転写させる。その後、これを熱硬化させる
ことにより、(c)に示すような絶縁基板10の表面に
微細配線層6、幅広配線層7を形成した配線基板を作製
することができる。かかる構成においては、微細配線層
6を信号導体線、幅広配線層7をグランド層とすること
により、コプレーナ線路構造の高周波伝送線路を具備す
る単層の配線基板を作製することができる。
【0037】なお、上記の製造方法においては、微細配
線層と幅広配線層の形成方法について説明したが、配線
基板の多層構造化にあたり、上記の製造方法を基礎とし
て、種々の組み合わせが可能であり、例えば、さらに他
の配線層を形成する場合には、他の絶縁シートに同様に
配線層を転写させた後、図3〜図4における絶縁シート
と積層一体化し熱硬化することもできる。
【0038】また、ビアホール導体を形成する場合に
は、各配線層を形成する前に、打ち抜き法やレーザー加
工によりビアホールを形成して金属粉末を含有する導電
性ペーストを充填したり、また、熱硬化後の配線基板に
対して、マイクロドリルによってスルーホールを形成
し、そのスルーホール内壁に銅などの金属メッキを施し
てもよい。
【0039】
【実施例】(1)絶縁シートとして、ガラス布にエポキ
シ樹脂を50体積%含浸乾燥させ厚さが異なる数種のプ
リプレグを準備した。
【0040】(2)信号導体線の形成 一方、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
表面に接着剤を塗布して、厚み18μmの電解銅箔を接
着した。なお、この銅箔の表面(非接着側)の表面粗さ
を適宜、蟻酸処理などを施し、表1の信号導体線の表面
粗さとなるように種々調整した。
【0041】その後、この銅箔によって、表1の線幅を
信号導体線を以下のようにして形成した。まず、銅箔の
表面に感光性のレジストを塗布し、ガラスマスクを通し
て露光、洗浄して配線パターンを形成した後、これを塩
化第二鉄溶液中に浸漬して非レジスト部をエッチング速
度35μm/分でエッチング除去した後、レジストを剥
離した。なお、作製した信号導体線の断面は台形形状と
なっていることを確認した。
【0042】そして、上記信号導体線が形成された転写
シートを前記絶縁シートに位置合わせして真空積層機に
より30kg/cm2 の圧力で30秒加圧した後、転写
シートを剥がして信号導体線を絶縁シートに転写させ
た。
【0043】(3)グランド層の形成 一方、同様にポリエチレンテレフタレート(PET)フ
ィルム表面に接着剤を塗布して厚み12μmの電解銅箔
の接着した。なお、銅箔の接着側の表面粗さをを表1の
グランド層の表面粗さとした。
【0044】その後、前記銅箔の表面に前記信号導体線
の形成と同様にしてグランド層パターンを形成した。な
お、グランド層の線幅はいずれも20mmとした。
【0045】そして、上記グランド層が形成された転写
シートを(2)で用いた絶縁シートとは別の絶縁シート
に位置合わせして真空積層機により30kg/cm2
圧力で30秒加圧した後、転写シートを剥がしてグラン
ド層を絶縁シートに転写させた。
【0046】なお、この時、絶縁シートの表面に露出し
ている銅箔表面(転写シートへの接着面側)の表面粗さ
の調整のために、適宜、銅箔表面を10%の蟻酸溶液で
処理して表面粗さ(Ra)を表1となるように粗面処理
した。なお、この粗化処理にあたっては、絶縁シートを
200℃で5時間熱硬化させた後に行った。
【0047】(4)そして、上記のようにして作製した
信号導体線が形成された絶縁シートと、グランド層が形
成された絶縁シートを位置合わせして重ね、30kg/
cm2の圧力で積層圧着した。さらに、この積層物をプ
レス機内にセットし30kg/cm2 の圧力で、200
℃、5時間加熱処理して熱硬化性樹脂を完全硬化させて
図3に示すような多層配線基板を作製した。
【0048】なお、信号導体線の線幅を変更するに伴
い、周波数10GHzの信号が伝送可能なように、信号
導体線とグランド層間の絶縁基板の厚みを種々変更し
た。
【0049】このようにして作製した配線基板について
周波数10GHzの高周波信号の伝送特性を測定した。
結果を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】表1の結果から明らかなように、信号導体
線の線幅が0.5mmよりも大きく、また、表面粗さが
0.3μmよりも平滑である試料No.16では、伝送特
性は良好であるが、信号導体線の剥離が認められた。
【0052】また、信号導体線の表面粗さを0.3μm
よりも大きくした試料No.1、2、9では、表面粗さが
0.3μm以下の場合に比較していずれも伝送特性が大
きく劣化した。
【0053】さらに、線幅が1mm以上のグランド層の
表面粗さが0.3μmよりも小さい試料No.8では伝送
特性は良好であったが、グランド層の剥離が認められ
た。
【0054】これらの比較例に対して、本発明品は、い
ずれも信号の伝送特性に優れるとともに信号導体線およ
びグランド層の剥離がなく信頼性に優れたものであるこ
とが確認できた。
【0055】
【発明の効果】以上の通り、本発明の配線基板によれ
ば、信号導体線となる微細配線層およびグランド層とな
る幅広配線層の表面粗さを制御することにより、熱硬化
性樹脂を含有する絶縁基板を具備する配線基板に対し
て、高周波伝送特性に優れ、且つ剥離のない高信頼性の
配線基板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の配線基板の一例を説明するための概略
斜視図である。
【図2】本発明の配線基板の他の例を説明するための概
略斜視図である。
【図3】本発明の配線基板の製造方法を説明するための
工程図である。
【図4】本発明の配線基板の他の製造方法を説明するた
めの工程図である。
【図5】本発明の配線基板のさらに他の製造方法を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
1a、1b 絶縁層 2 絶縁基板 3 微細配線層(信号導体線) 4 幅広配線層(グランド層)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂を含む絶縁材料からなる絶縁
    基板の表面および/または内部に、線幅が0.5mm以
    下の微細配線層と、線幅が1mm以上の幅広配線層が形
    成されており、前記微細配線層の前記絶縁基板との界面
    の表面粗さが0.3μm以下であり、前記幅広配線層の
    前記絶縁基板との界面の表面粗さが0.3μmよりも大
    きいことを特徴とする配線基板。
  2. 【請求項2】前記微細配線層が信号導体線を形成し、前
    記幅広配線層がグランド層を形成し、前記信号導体線お
    よび前記グランド層によって高周波信号を伝達する高周
    波伝送線路を形成していることを特徴とする請求項1記
    載の配線基板。
  3. 【請求項3】前記グランド層が前記信号導体線と絶縁層
    を介して平行に設けられてなる請求項2記載の配線基
    板。
  4. 【請求項4】前記グランド層が前記信号導体線と同一平
    面内にて前記信号導体線の両側に一定の間隔をおいて形
    成されてなる請求項2記載の配線基板。
  5. 【請求項5】前記信号導体線は、前記絶縁基板の一方の
    表面に形成されてなり、且つ該信号導体線の表面が絶縁
    基板の表面と同一平面となるように埋設されてなること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか記載の配
    線基板。
  6. 【請求項6】第1の転写シートの表面に、表面粗さ(R
    a)が0.3μm以下の平滑な表面を有する線幅が0.
    5mm以下の微細配線層を形成する工程と、 第2の転写シートの表面に、表面粗さ(Ra)が0.3
    μmよりも大きい粗い表面を有する線幅が1mm以上の
    幅広配線層を形成する工程と、 熱硬化性樹脂を含む絶縁材料からなる軟質の絶縁シート
    の表面に、前記第1の転写シートの前記微細配線層形成
    面を圧接して前記微細配線層を前記絶縁層の表面に埋設
    した後、前記第1の転写シートを剥がして、前記第1の
    転写シートから前記微細配線層を前記第1の絶縁シート
    に転写させる工程と、 前記第1の絶縁シートの表面、裏面、あるいは有機樹脂
    を含む絶縁材料からなる軟質の第2の絶縁シートの表面
    のうち、少なくとも1つの面に、前記第2の転写シート
    の前記幅広配線層形成面を圧接した後、前記第2の転写
    シートを剥がして、前記第2の転写シートから前記幅広
    配線層を前記絶縁シートに転写させる工程と、 前記微細配線層および前記幅広配線層が形成された前記
    第1の絶縁シート、あるいは前記微細配線層が形成され
    た前記第1の絶縁シートと前記幅広配線層が形成された
    前記第2の絶縁シートとを積層した後、熱処理して前記
    第1、あるいは第1および第2の絶縁シートを硬化させ
    る工程と、を具備することを特徴とする配線基板の製造
    方法。
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