JP2000077850A - 多層配線基板およびその製造方法 - Google Patents

多層配線基板およびその製造方法

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JP2000077850A
JP2000077850A JP24535998A JP24535998A JP2000077850A JP 2000077850 A JP2000077850 A JP 2000077850A JP 24535998 A JP24535998 A JP 24535998A JP 24535998 A JP24535998 A JP 24535998A JP 2000077850 A JP2000077850 A JP 2000077850A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】グランド層等の広面積の金属箔からなる配線回
路層を具備する配線基板において絶縁層間の密着不良の
ない多層配線基板とその製造方法を提供する。 【解決手段】メッキ法によって作製され一方の表面が表
面粗さ(Ra)が0.2〜2.0μmのメッキ面11か
らなる金属箔13を、メッキ面11を樹脂フィルム14
に接着させた後、樹脂フィルム14表面の金属箔13表
面を表面粗さ(Ra)が0.2μm以上となるようにエ
ッチング処理する。そして、作製された樹脂フィルム1
4表面に回路パターン状をエッチング処理して配線回路
層16を形成した後、樹脂フィルム14表面の配線回路
層16を有機樹脂を含有する軟質の絶縁シート17表面
に圧力を加えながら埋設して配線回路層16を絶縁シー
ト17表面に転写させる。その後、配線回路層16が表
面に埋設された複数の絶縁シート17を積層圧着後、一
括して加熱硬化して多層配線基板を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、メインフ
レームと呼ばれる大型コンピューターのマザーボードや
半導体素子搭載用基板などに用いられ、有機樹脂を含有
する絶縁基板と金属箔からなる配線回路層を具備した多
層配線基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、マザーボード等の製造には多層
プリント配線基板が用いられ、メインフレームと呼ばれ
る大型コンピューターのマザーボードにおいては、配線
回路層が20層以上設けられた基板が用いられている。
【0003】従来の多層プリント配線基板は、一般に、
ベースとなる完全硬化された絶縁基板の表面に半硬化の
絶縁シートを積層し、その絶縁シートを加熱硬化した
後、その表面に配線回路層を形成し、さらにその表面に
半硬化の絶縁シートを積層し、加熱硬化、配線回路層の
形成を繰り返すことにより多層化されている。
【0004】この従来の多層プリント配線基板によれ
ば、配線回路層を金属箔のエッチングやメッキ等によっ
て形成しているが、この際、絶縁基板中に使用されてい
る熱硬化性樹脂は、回路層形成時にすでに完全硬化して
いる必要があった。これは、エッチング液やメッキ液が
未硬化の絶縁基板内部に侵入してマイグレーションや変
色などが生じるためであった。
【0005】そのため、従来の方法では、積層数の増加
に伴い、完成までに積層硬化処理を何度もを繰り返すこ
とが必要となり著しく生産性が低いものであった。ま
た、熱硬化性樹脂は硬化時に収縮が起こるため、硬化処
理毎に収縮が生じ、反り等の変形や寸法のばらつき等が
発生しやすいものであった。
【0006】このような従来の製造方法における欠点を
解消すべく、本出願人は、先に、樹脂フィルム表面に形
成された金属箔からなる配線回路層を、軟質状態あるい
は半硬化状態の絶縁シート表面に転写することによっ
て、絶縁基板表面に配線回路層を形成した後、それら複
数の絶縁シートを積層圧着後、一括して熱硬化させる一
括硬化法によって多層配線基板の製造方法を提案した。
かかる方法は、工程を簡略化できるとともに、転写時に
金属箔からなる配線回路層を軟質状態の絶縁シート表面
に埋設することができるために、積層不良などを生じる
ことがないなどの多くの利点を有するものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】通常、金属箔はメッキ
法によって形成され、そのメッキ面(as−depo
面)は、金属の粒成長によって粗面化され、他方の表面
は鏡面からなる。上記転写法においては、この樹脂フィ
ルムに対して、鏡面側を接着材を介して接着してなり、
絶縁シートに埋設される表面は、粗面化されたメッキ面
からなるために、絶縁シート表面に強固に接着される。
【0008】ところが、回路設計上、線幅の広い配線回
路層や、グランド層あるいはノイズ対策としてシールド
層を配線基板内部に形成する場合、転写後の金属箔から
なる配線回路層の露出面は、鏡面からなるために、この
表面に積層される絶縁シートとの密着強度が極端に低下
し、積層不良が発生するという問題があった。
【0009】そこで、銅箔からなる配線回路層の鏡面を
絶縁シートに転写した後にエッチング処理することも考
えられるが、その場合には、エッチング液によって絶縁
シートが侵されたり、絶縁シート内に設けられたビアホ
ール導体中にエッチング液な侵入する虞がある。
【0010】本発明は、上記のような問題を解決し、線
幅の広い配線回路層や、グランド層などの広面積の金属
箔からなる配線回路層を絶縁基板内部に配設した場合に
おいても、金属箔と絶縁層間の密着不良のない多層配線
基板とその製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記のよう
な課題について鋭意検討した結果、まず、樹脂フィルム
に対して、粗面化されたメッキ面が接着面となり、金属
箔の鏡面側が露出するように接着した後、その鏡面側を
エッチング処理して粗面加工を施した後、回路形成し、
転写することにより、絶縁基板内部の金属箔からなる配
線回路層の両面を粗化された表面によって形成すること
ができるために、内部の配線回路層と絶縁層との密着性
を向上できることを見いだし、本発明に至った。
【0012】即ち、本発明の多層配線基板は、少なくと
も有機樹脂を含有し、表面に金属箔からなる配線回路層
が埋設されてなる複数の絶縁層が積層された構造からな
り、前記絶縁層間に配設された前記配線回路層のうち、
前記絶縁層へ埋設された面が、表面粗さ(Ra)が0.
2μm以上のエッチング面からなり、他方の面が、表面
粗さ(Ra)が0.2〜2.0μmのメッキ面からなる
ことを特徴とするものである。
【0013】また、本発明の多層配線基板は、(a)メ
ッキ法によって作製され、一方の表面が表面粗さ(R
a)が0.2〜2.0μmのメッキ面からなる金属箔
を、前記メッキ面が接着面となるように樹脂フィルムに
接着させる工程と、(b)前記樹脂フィルム表面の金属
箔表面を表面粗さ(Ra)が0.2μm以上となるよう
にエッチング処理する工程と、(c)(b)によって作
製された前記樹脂フィルム表面に、回路パターン状のレ
ジストを被着後、エッチング処理して、金属箔からなる
配線回路層を形成する工程と、(d)前記樹脂フィルム
表面の配線回路層を少なくとも有機樹脂を含有する軟質
の絶縁シート表面に圧力を加えながら積層し、前記配線
回路層を前記絶縁シート表面に埋設した後、前記転写シ
ートを剥離して前記配線回路層を前記絶縁シート表面に
転写させる工程と、(e)(c)(d)の工程によって
配線回路層が表面に埋設された複数の絶縁シートを積層
圧着後、一括して加熱硬化する工程と、を具備すること
を特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面をもとに本発明の説明
を行う。図1は、本発明における多層配線基板の構造を
説明するための概略図である。本発明の多層配線基板
は、少なくとも有機樹脂を含有する複数の絶縁層1a〜
1dの積層体を絶縁基板1とし、その表面には、金属箔
からなる配線回路層2aが、同様に絶縁層間にも金属箔
からなる配線回路層2bが形成されている。そして、所
望により配線回路層2間の絶縁層の任意の位置には、配
線回路層2間を接続するためのビアホール導体3が形成
された構造からなる。
【0015】そして、本発明によれば、絶縁層間に配設
された配線回路層2bのうち、前記絶縁層へ埋設された
面4が、表面粗さ(Ra)が0.2μm以上、特に0.
5μm以上のエッチング面からなり、他方の面5が、表
面粗さ(Ra)が0.2〜2.0μm、特に0.5〜
1.0μmのメッキ面からなるものである。
【0016】前記絶縁層へ埋設された面4の表面粗さ
(Ra)が0.2μmよりも小さいと、後述する製造工
程の説明から明らかなように、配線回路層を絶縁シート
に転写する際に、配線回路層と絶縁シートとの密着不良
によって配線回路層の転写不良が発生するためである。
この表面粗さ(Ra)は、大きいほど転写性は良好であ
るが、この面はエッチングによって形成された面であ
り、配線回路層の厚みが所望の導電性を保つレベルに処
理される。
【0017】また、このエッチング面4は、図2(a)
に示すように、銅の結晶面に無関係にエッチングされた
面であり、銅からなる突起、特に先端が尖頭状となった
突起が多数存在した面によって構成される。
【0018】一方、上記エッチング面4とは反対のメッ
キ面5の表面粗さが0.2μmよりも小さいと、絶縁層
との密着性が低下し、2.0μmよりも大きいと後述す
る製造工程の説明から明らかなように、配線回路層を樹
脂フィルム表面から絶縁シートに転写する際に、配線回
路層の表面に接着材が残留しやすくなるためである。
【0019】本発明においては、絶縁層間に配設された
すべての配線回路層に対して上記のような上下面の粗化
処理が施されていることが望ましいが、とりわけ、回路
の中で、線幅が500μm以上の配線層や、グランド層
やシールド層など面積の大きい配線回路層に対して少な
くとも施されていることが望ましい。
【0020】このメッキ面5は、図2(b)に示すよう
に、メッキによって銅の結晶の粒成長によって銅結晶の
結晶面が表面に露出し、特に先端が球状を有する突起が
多数存在した面によって構成される。
【0021】また、本発明の多層配線基板によれば、絶
縁層1a〜1d間に配設された配線回路層2bは、図1
に示すように、いずれも各絶縁層1a〜1dの表面に埋
設されているために、配線回路層2自体の厚みに起因す
る隙間等が発生することがなく、絶縁層間の優れた密着
性と非常に優れた平滑性を有するものである。
【0022】なお、配線回路層2bの断面は図3に示す
ように逆台形形状からなることが絶縁層への密着性およ
び埋設性の点で有効であり、特に逆台形形状における形
成角θは30〜80°であることが望ましい。
【0023】次に、図4に基づき、本発明の多層配線基
板の製造方法を説明する。まず、図4(a)に示すよう
な、メッキ法によって作製され、一方の表面が表面粗さ
(Ra)が0.2〜2.0μmのメッキ面11からな
り、反対の表面が鏡面12からなる金属箔13を準備す
る。そして、図4(b)に示すように、この金属箔13
をメッキ面11が接着面となるように樹脂フィルム14
に接着層15を介して接着させる。
【0024】次に、図4(c)に示すように、樹脂フィ
ルム14の表面の金属箔13の鏡面12をエッチングに
よって表面粗さ(Ra)が0.2μm以上となるように
粗面化処理する。この粗面化処理は、塩酸、硫酸、硝
酸、酢酸、ギ酸などの酸処理による化学的な薬品処理に
よって施すことができるが、特に、酸溶液を配線回路層
16の鏡面12に噴霧することが望ましい。また、エッ
チング面には、尖頭状の突起を多数形成することが望ま
しく、このような尖頭状の突起は、例えば、蟻酸によっ
て1μm/分以上の粗化速度で良好に形成できる。
【0025】そして、図4(d)に示すように、樹脂フ
ィルム14の表面の金属箔13の表面にレジストを回路
パターン状に塗布した後、エッチング処理およびレジス
ト除去を行って配線回路層16を形成する。
【0026】このエッチング後の配線回路層16は、台
形形状の断面からなることが望ましい。これは、後述す
る軟質の絶縁シートへの転写の際に、絶縁シートへの埋
設性を高めるとともに絶縁シートへの密着性をも高める
ことができるためである。なお、かかる観点から、配線
回路層16断面の台形形状の形成角(図3におけるθに
相当)は30〜80°であることが望ましい。このよう
な台形形状は、例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅などを
用いて金属箔のエッチング速度を2〜50μm/min
にすることにより容易に形成できる。
【0027】一方、図4(e)に示すように、未硬化ま
たは半硬化状態の軟質の絶縁シート17に対して、レー
ザー加工やマイクロドリルなどによってビアホールを形
成し、そのビアホール内に金属粉末を含有する導体ペー
ストを充填してビアホール導体18を形成する。
【0028】次に、図4(f)に示すように、配線回路
層16が形成された樹脂フィルム14を前記ビアホール
導体18が形成された軟質の絶縁シート17の表面に位
置合わせして加圧積層した後、樹脂フィルム14および
接着層15を剥がして配線回路層16を絶縁シート17
に転写させることにより、図4(g)の一単位の配線層
aが形成される。
【0029】この時、絶縁シート17が軟質状態である
ことから、配線回路層16は、絶縁シート17の表面に
埋設され、実質的に絶縁シート17表面と配線回路層1
6の表面が同一平面となるように加圧積層する。この時
の加圧積層条件としては、圧力20kg/cm2 以上、
温度60〜140℃が適当である。
【0030】そして、この上記一単位の配線層aを積層
圧着して、絶縁シート17中の熱硬化性樹脂が十分に加
熱硬化する温度に加熱することにより、図1に示したよ
うな多層配線基板を作製することができる。
【0031】また、上記製造方法では、絶縁シートへの
ビアホール形成や積層化と、配線回路層の形成工程を並
列的に行うことができるために、配線基板における製造
時間を大幅に短縮することができる。
【0032】なお、かかる態様において、ビアホール導
体の両端を金属箔からなる配線回路層によって封止する
上では、金属箔からなる配線回路層16の厚みは、5〜
40μmが適当である。
【0033】また、上記のようにして作製した多層配線
基板に対しては、所望により、マイクロドリル等を用い
てスルーホールを形成し、そのホール内壁に金属メッキ
層を形成することもできる。この場合、本発明の多層配
線基板には、積層不良などによる絶縁層間や配線回路層
と絶縁層との間に隙間が実質存在しないために、メッキ
処理時においてメッキ液が基板内に侵入することがな
く、その結果、マイグレーションや変色などの発生を抑
制することができる。
【0034】本発明の多層配線基板における前記絶縁層
は、少なくとも有機樹脂を含む絶縁材料から構成され、
具体的には、有機樹脂としては例えば、PPE(ポリフ
ェニレンエーテル)、BTレジン(ビスマレイミドトリ
アジン)、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹
脂、フェノール樹脂等の樹脂が望ましく、とりわけ原料
としてガラス転移点が180℃以上の熱硬化性樹脂であ
ることが望ましい。また、この有機樹脂中には、基板全
体の強度を高めるために、フィラー成分を複合化させる
こともできる。フィラーとしては、SiO2 、Al2
3 、ZrO2 、TiO2 、AlN、SiC、BaTiO
3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 等の無機
質フィラーが好適に使用される。また、ガラスやアラミ
ド樹脂からなる不織布、織布などに上記樹脂を含浸させ
て用いてもよい。このようにフィラー成分と複合化する
場合、有機樹脂とフィラーとは体積比率で30:70〜
70:30の比率で複合化することが望ましい。
【0035】さら、前記配線回路層としては、銅、アル
ミニウム、金、銀の群から選ばれる少なくとも1種、ま
たは2種以上の合金からなることが望ましく、特に、
銅、または銅を含む合金が最も望ましい。場合によって
は、回路の抵抗調整のためにNi−Cr合金などの高抵
抗の金属を混合または合金化してもよい。
【0036】さらに、ビアホール中に充填する前記導体
ペーストとしては、上記配線回路層を形成する金属粉末
に、エポキシ、セルロース等の樹脂成分を添加し、酢酸
ブチルなどの溶媒によって混練したものが使用される。
この導体ペーストは、ビアホールへの充填後溶剤を乾燥
させるかはじめから無溶剤であることが望ましい。ま
た、ビアホール導体の低抵抗化のために、前記金属粉末
に、半田、錫などの低融点金属を含有させてもよい。
【0037】
【実施例】BTレジンの熱硬化性樹脂50体積%と、平
均粒径が5μmの球状溶融SiO2 50体積%との混合
物に対して、溶媒として酢酸ブチル、トルエン、メチル
エチルケトンを加え、さらに有機樹脂の硬化を促進させ
るための触媒を添加混合した後、スラリーをドクターブ
レード法により厚さ200μmの絶縁シートを作製し
た。そしてこの絶縁シートに対して、炭酸ガスレーザー
で直径0.1mmのビアホールを形成し、そのホール内
に銀をメッキした銅粉末を含む銅ペーストを充填してビ
アホール導体を形成した。
【0038】一方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)の樹脂フィルム表面に接着剤を塗布し、電解メッキ
法によって形成され、メッキ面が表面粗さ(Ra)0.
1〜1.85μm、メッキ面の反対面が表面粗さ(R
a)が0.1μmの鏡面からなる厚み12μmの電解銅
箔をメッキ面側を接着材にして接着した。
【0039】その後、樹脂フィルム表面の銅箔の鏡面を
蟻酸を用いて、表面粗さ(Ra)が0.15〜2.4μ
mにエッチングして粗面化処理した。
【0040】そして、粗面化処理した銅箔の表面に感光
性のレジストを塗布し、ガラスマスクを通して露光して
回路パターンを形成した後、これを塩化第二鉄溶液中に
浸漬して非パターン部を35μm/minのエッチング
速度でエッチング除去した。
【0041】形成された配線回路層の断面を観察した結
果、形成角θが60°の台形形状の断面を有していた。
【0042】なお、回路パターンは、線幅が1mmと、
50μmのものを形成するとともに、絶縁シートの50
%に相当する面積の接地層のパターンも形成した。
【0043】そして、配線回路層が形成された樹脂フィ
ルムを前記絶縁シートに位置合わせして積層して、30
kg/cm2 の圧力で30秒加圧した後、樹脂フィルム
と接着層のみを剥離して配線回路層を転写させて一単位
の配線層を形成した。なお、絶縁シートに転写された配
線回路層は、絶縁シートの表面に完全に埋設され、絶縁
シート表面と配線回路層の表面とは同一平面となってい
ることを確認した。
【0044】その後、同様にして配線回路層が表面に埋
設された配線層を6層作製し、これらを30kg/cm
2 の圧力で、200℃、5時間加熱処理して多層配線基
板を得た。
【0045】得られた多層配線基板に対して、特に接地
層形成部および線幅1mmの配線部について断面観察を
おこない、配線回路層と絶縁層との積層不良の有無を観
察した。また、作製した微細配線に対しては、配線の断
線の有無を観察した。さらに転写に伴う接着材の付着に
ついても観察した。
【0046】
【表1】
【0047】表1に示すように、絶縁層に埋設された面
の表面粗さが0.2μmよりも小さいと、配線回路層の
埋設面と絶縁層間で密着不良による積層不良が多数発生
し、また、埋設面と反対面のメッキ面の表面粗さが0.
2μmよりも小さいと配線回路層の埋設面とは反対の面
において密着不良による積層不良が多数認められた。
【0048】また、メッキ面の表面粗さが2.0μmよ
りも大きいと、銅箔上に樹脂フィルムの接着材が残存す
るとともに、転写時に回路の断線も多数認められた。
【0049】これに対して、各配線回路層表面を適正範
囲に制御した本発明の配線基板は、接地層形成部や線幅
の大きい配線部においても良好な密着性を有し積層不良
は1/20以下に抑制された。また、絶縁層に対しては
エッチング液によるマイグレーションや変色、ひび割れ
なども生じなかった。ビアホール導体の形成付近、配線
回路層とビアホール導体とは良好な接続状態であり、各
配線間の導通テストを行った結果、配線の断線も認めら
れなかった。
【0050】また、本発明の多層配線基板に対して、マ
イクロドリルを用いて直径が200μmをスルーホール
を形成し、その内部にメッキ法によって厚さ30μmの
銅メッキ層を形成したが、基板内へのメッキ液の侵入は
全く認められず、マイグレーションや変色のない良好な
ものであった。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、配
線回路層を絶縁層に対して転写する工程を経て多層配線
基板を作製する場合において、配線回路層として線幅の
大きい配線や接地層などの大面積の配線を内層に形成し
た場合においても、これら配線回路層の絶縁層との優れ
た密着性を有し、積層不良のない歩留りのよい多層配線
基板を作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の概略断面図である。
【図2】配線回路層のエッチング面(a)およびメッキ
面(b)の表面形状の概略図である。
【図3】本発明における配線回路層の要部拡大断面図で
ある。
【図4】本発明の多層配線基板の製造方法を説明するた
めの工程図である。
【符号の説明】
1a〜1d 絶縁層 1 絶縁基板 2 配線回路層 3 ビアホール導体 4 エッチング面 5,11 メッキ面 12 鏡面 13 金属箔 14 樹脂フィルム 15 接着層 16 配線回路層 17 絶縁シート 18 ビアホール導体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年10月25日(1999.10.
25)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】そこで、銅箔からなる配線回路層の鏡面を
絶縁シートに転写した後にエッチング処理することも考
えられるが、その場合には、エッチング液によって絶縁
シートが侵されたり、絶縁シート内に設けられたビアホ
ール導体中にエッチング液などが侵入する虞がある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】即ち、本発明の多層配線基板は、少なくと
も有機樹脂を含有し、表面に金属箔からなる配線回路層
が埋設されてなる複数の絶縁層が積層された構造からな
り、前記絶縁層間に配設された前記配線回路層のうち、
前記絶縁層へ埋設された面が、先端が尖頭状を有する突
起が多数存在した表面粗さ(Ra)が0.2μm以上の
エッチング面からなり、他方の面が、先端が球状を有す
る突起が多数存在した表面粗さ(Ra)が0.2〜2.
0μmのメッキ面からなることを特徴とするものであ
る。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、本発明の多層配線基板の製造方法
は、(a)メッキ法によって作製され、一方の表面が先
端が球状を有する突起が多数存在した表面粗さ(Ra)
が0.2〜2.0μmのメッキ面からなる金属箔を、前
記メッキ面が接着面となるように樹脂フィルムに接着さ
せる工程と、(b)前記樹脂フィルム表面の金属箔表面
を先端が尖頭状を有する突起が多数存在した表面粗さ
(Ra)が0.2μm以上となるようにエッチング処理
する工程と、(c)(b)によって作製された前記樹脂
フィルム表面に、回路パターン状のレジストを被着後、
エッチング処理して、金属箔からなる配線回路層を形成
する工程と、(d)前記樹脂フィルム表面の配線回路層
を少なくとも有機樹脂を含有する軟質の絶縁シート表面
に圧力を加えながら積層し、前記配線回路層を前記絶縁
シート表面に埋設した後、前記樹脂フィルムを剥離して
前記配線回路層を前記絶縁シート表面に転写させる工程
と、(e)(c)(d)の工程によって配線回路層が表
面に埋設された複数の絶縁シートを積層圧着後、一括し
て加熱硬化する工程と、を具備することを特徴とするも
のである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも有機樹脂を含有し、表面に金属
    箔からなる配線回路層が埋設されてなる複数の絶縁層が
    積層された構造からなり、前記絶縁層間に配設された前
    記配線回路層のうち、前記絶縁層へ埋設された面が、表
    面粗さ(Ra)が0.2μm以上のエッチング面からな
    り、他方の面が、表面粗さ(Ra)が0.2〜2.0μ
    mのメッキ面からなることを特徴とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】(a)メッキ法によって作製され、一方の
    表面が表面粗さ(Ra)が0.2〜2.0μmのメッキ
    面からなる金属箔を、前記メッキ面が接着面となるよう
    に樹脂フィルムに接着させる工程と、 (b)前記樹脂フィルム表面の金属箔表面を表面粗さ
    (Ra)が0.2μm以上となるようにエッチング処理
    する工程と、 (c)(b)によって作製された前記樹脂フィルム表面
    に、回路パターン状のレジストを被着後、エッチング処
    理して、金属箔からなる配線回路層を形成する工程と、 (d)前記樹脂フィルム表面の配線回路層を少なくとも
    有機樹脂を含有する軟質の絶縁シート表面に圧力を加え
    ながら積層し、前記配線回路層を前記絶縁シート表面に
    埋設した後、前記転写シートを剥離して前記配線回路層
    を前記絶縁シート表面に転写させる工程と、 (e)(c)(d)の工程によって配線回路層が表面に
    埋設された複数の絶縁シートを積層圧着後、一括して加
    熱硬化する工程と、を具備することを特徴とする多層配
    線基板の製造方法。
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