JPH08181458A - 多層プリント配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板及びその製造方法

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JPH08181458A
JPH08181458A JP6324743A JP32474394A JPH08181458A JP H08181458 A JPH08181458 A JP H08181458A JP 6324743 A JP6324743 A JP 6324743A JP 32474394 A JP32474394 A JP 32474394A JP H08181458 A JPH08181458 A JP H08181458A
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printed wiring
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frequency circuit
frequency
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JP6324743A
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Nobuo Komatsu
信夫 小松
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Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波数帯域での特性を優れたものとし、高
周波用回路中のマイクロストリップ線路での誘電特性を
優れたものとし、加工性を良好にし、比較的安価な製造
を可能とし、生産性を良好とする。 【構成】 ビルドアップ法によって形成された低周波用
回路を有する低周波用多層プリント配線板12の積層方
向の相対向する面の少なくとも一方の面上に、マイクロ
ストリップ線路を含む高周波用回路を有する高周波用プ
リント配線板4をプリプレグ13を介して貼り合わせ、
上記高周波用プリント配線板4のマイクロストリップ線
路の信号線2aと基準導体となる第2の配線回路パター
ン3間の絶縁体である絶縁基板1の誘電率を4.0以
下、誘電正接を0.01以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波用回路と低周波
用回路を有する多層プリント配線板及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、無線通信の分野においては、使用
周波数帯が益々高周波数帯域に移行している。これは、
現在使用されている周波数帯域だけでは容量不足で通信
サービスのサービス数やチャンネル数の増加に対して十
分対応できないことによる。
【0003】上記無線通信の中でも、今後の発展が特に
期待されている衛星放送、衛星通信、移動体無線では、
GHz帯の高周波が使用されている。そして、これらの
送受信機に使用される、マイクロストリップ線路を含む
高周波用回路と低周波用回路を有する多層プリント配線
板を構成する絶縁体には、1GHz〜15GHz帯近辺
での優れた高周波特性を有し、高周波用回路中のマイク
ロストリップ線路での優れた誘電特性を有することが求
められている。
【0004】従来、上記のような用途に用いられる多層
プリント配線板においては、絶縁体として寸法安定性や
接着性およびドリル加工性に優れたガラス布基材エポキ
シ樹脂を一般的に使用していた。なお、このガラス布基
材エポキシ樹脂は、価格も比較的安価なため、ロジック
回路やアナログ回路等の形成にも広く用いられている。
【0005】しかし、上記ガラス布基材エポキシ樹脂
は、周波数が1GHz〜15GHzの高周波数帯域での
誘電率が4.5〜5.0程度で、誘電正接は0.015
〜0.03程度であり、上記のような高周波数帯域で使
用するには、その誘電特性は必ずしも十分なものではな
かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、周波数が1G
Hz〜15GHzの高周波数帯域においても誘電特性の
良好なフッ素樹脂やビスマレイミドトリアジン樹脂やポ
リフェニレンエーテル樹脂等の樹脂をガラス布に含浸さ
せて、絶縁体とする多層プリント配線板を上記のような
用途に使用するようになってきている。
【0007】しかしながら、この多層プリント配線板に
おいては、加工時のドリルの摩耗が早い等、加工性が悪
く、生産性が良好ではないといった不都合が生じてい
る。また、プリント配線板の積層時に使用するプリプレ
グの溶着温度が高く、溶着に要する時間も長く、生産性
が良好ではない。
【0008】特に、フッ素樹脂を用いた場合には、配線
回路を形成する導体銅箔との密着性が十分でなく、か
つ、メッキスルーホールを形成する際、通常の工程の他
に、メッキ膜との密着性を向上するためのテトラエッチ
処理というフッ素樹脂表面の粗化工程が必要となり、製
造工程が煩雑となり、生産性が良好ではない。
【0009】また、上記樹脂が比較的高価であるため、
製造コストが高価なものとなってしまうといった不都合
も生じている。
【0010】そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案
されたものであり、高周波数帯域での優れた特性を有
し、高周波用回路中のマイクロストリップ線路での優れ
た誘電特性を有し、かつ加工性が良好で、比較的安価に
製造でき、生産性の良好な多層プリント配線板及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明者等は鋭意検討した結果、マイクロストリッ
プ線路を含む高周波用回路を有するプリント配線板と低
周波用回路を有する多層プリント配線板を別個に形成
し、これらを貼り合わせることで高周波用回路と低周波
用回路を有する多層プリント配線板を形成するものと
し、高周波用回路を有するプリント配線板の絶縁体を高
周波特性の良好なものとすれば、マイクロストリップ線
路での誘電特性を優れたものとできることを見い出し
た。
【0012】また、このとき、低周波用回路を有するプ
リント配線板の絶縁体を寸法安定性,接着性,ドリル加
工性の優れたエポキシ等の樹脂により形成するようにす
れば、加工性が良好で、比較的安価に製造でき、生産性
が良好となることも見い出した。
【0013】さらに本発明者等は、上記低周波用回路を
有する多層プリント配線板をビルドトアップ法により形
成するものとすれば、上記多層プリント配線板のさらな
る高細線化が容易に達成され、またブラインドバイアホ
ールの形成個数を多くすることもでき、配線回路の高密
度化が図れるとともに、安価に製造できることも見い出
した。
【0014】すなわち、本発明は、高周波用回路と低周
波用回路を有し、少なくとも一方の最外層に上記高周波
用回路の一部であるマイクロストリップ線路が形成され
る多層プリント配線板において、ビルドアップ法によっ
て形成された低周波用回路を有する多層プリント配線板
の積層方向の相対向する面の少なくとも一方の面上に、
マイクロストリップ線路を含む高周波用回路を有するプ
リント配線板が貼り合わされて構成され、上記高周波用
回路を有するプリント配線板のマイクロストリップ線路
の信号線と基準導体間の絶縁体の誘電率が4.0以下
で、誘電正接が0.01以下であることを特徴とするも
のである。
【0015】なお、上記絶縁体の誘電率が4.0よりも
大きく、誘電正接が0.01よりも大きいと、十分な誘
電特性が得られず、回路が動作しない等の問題が発生す
る。
【0016】また、本発明の多層プリント配線板におい
ては、信号線と基準導体間の絶縁体の樹脂成分中にビス
マレイミドトリアジン樹脂及び/又はビスマレイミドト
リアジン樹脂の誘導体が含まれている、或いはポリフェ
ニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル
樹脂の誘導体が含まれていることが好ましい。
【0017】上記ビスマレイミドトリアジン樹脂とその
誘導体は、ビスマレイミドとトリアジンを主成分とし
て、さらにエポキシ化合物、アクル化合物、アクリル化
合物、ビニル化合物などを加えた熱硬化性樹脂を指す。
【0018】また、上記ポリフェニレンエーテル樹脂と
は、下記化1に示す構造を有するものである。
【0019】
【化1】
【0020】なお、上記化1中、R1 、R2 、R3 、R
4 は、水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ
基、ハロフェノキシ基、ベルゾル基及びこれらを反応さ
せて得られる構造のものを示し、例えばR1 が他の
2 、R3 、R4 と結合して網目状硬化物を形成しても
よい。また、上記ポリフェニレンエーテル樹脂には、エ
ポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビニル樹脂等を架橋密度を
上げる目的で配合してもよい。
【0021】上記本発明の多層プリント配線板を製造す
る方法としては、以下のような製造方法が挙げられる。
【0022】すなわち、本発明の多層プリント配線板の
製造方法は、マイクロストリップ線路を含む高周波用回
路を有し、上記マイクロストリップ線路の信号線と基準
導体間の絶縁体の誘電率が4.0以下で、誘電正接が
0.01以下であるプリント配線板を製造し、低周波用
回路を有する多層プリント配線板をビルドアップ法によ
り製造し、上記低周波用回路を有する多層プリント配線
板の積層方向の相対向する面の少なくとも一方の面上
に、マイクロストリップ線路が最外層となるように高周
波用回路を有するプリント配線板を貼り合わせることを
特徴とするものである。
【0023】このとき、低周波用回路を有する多層プリ
ント配線板と高周波用回路を有するプリント配線板間に
プリプレグを挟んで積層プレスしてこれらを貼り合わせ
るようにすることが好ましい。
【0024】なお、上記ビルドアップ法とは、絶縁層上
に下層となる配線回路パターンを形成し、その上に絶縁
層を積層形成し、さらにその上に上層となる配線回路パ
ターンを形成して多層プリント配線板を製造する方法で
ある。
【0025】
【作用】本発明の多層プリント配線板は、ビルドアップ
法によって形成された低周波用回路を有する多層プリン
ト配線板の積層方向の相対向する面の少なくとも一方の
面上に、マイクロストリップ線路を含む高周波用回路を
有するプリント配線板が貼り合わされて構成されてお
り、上記高周波用回路を有するプリント配線板のマイク
ロストリップ線路の信号線と基準導体間の絶縁体の誘電
率が4.0以下で、誘電正接が0.01以下であるた
め、高周波数帯域で優れた特性を有し、マイクロストリ
ップ線路で優れた誘電特性を示す。
【0026】そして、上記低周波用回路を有する多層プ
リント配線板がビルドアップ法により形成されているこ
とから、上記多層プリント配線板のさらなる高細線化が
容易に達成され、ブラインドバイアホールの形成個数を
多くして配線回路の高密度化が図られるとともに、該多
層プリント配線板が安価に製造される。
【0027】なお、このとき、上記低周波用回路を有す
る多層プリント配線板の絶縁体を寸法安定性,接着性,
ドリル加工性の優れた樹脂により形成するようにすれ
ば、加工性が良好で、比較的安価で製造される。
【0028】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】本実施例の多層プリント配線板は、図1に
示すように、絶縁基板1の相対向する面1a,1bのそ
れぞれに高周波用の第1,2の配線回路パターン2,3
の形成される2層の高周波用プリント配線板4と、絶縁
基板5及び絶縁層6,7を介して低周波用の第3,4,
5,6の配線回路パターン8,9,10,11の形成さ
れる4層の低周波用多層プリント配線板12がプリプレ
グ13を介して積層されたものであり、上から順に第1
の配線回路パターン2,第2の配線回路パターン3,第
3の配線回路パターン8,第4の配線回路パターン9,
第5の配線回路パターン10,第6の配線回路パターン
11の合計6層の配線層が絶縁層を介して順次積層形成
されてなる。
【0030】そして、本実施例の多層プリント配線板に
おいては、高周波用回路を有する高周波用プリント配線
板4の絶縁基板1の一主面1a上の高周波用の第1の配
線回路パターン2の一部にマイクロストリップ線路の信
号線2aを有している。つまり、この多層プリント配線
板では、最外層にマクロストリップ線路が形成されてい
ることとなる。
【0031】さらに、本実施例の多層プリント配線板に
おいては、上記高周波用プリント配線板4の絶縁基板1
として、誘電率が4.0以下で、誘電正接が0.01以
下である絶縁体を使用している。
【0032】すなわち、本実施例の多層プリント配線板
においては、高周波用の第1の配線回路パターン2中の
マイクロストリップ線路の信号線2aと基準導体となる
高周波用の第2の配線回路パターン3間の絶縁体である
絶縁基板1の誘電率が4.0以下で、誘電正接が0.0
1以下となり、高周波数帯域で優れた特性を有し、マイ
クロストリップ線路で優れた誘電特性を示す。
【0033】また、本実施例の多層プリント配線板にお
いては、低周波用回路を有する低周波用多層プリント配
線板12をビルドアップ法により形成するものとし、真
中の絶縁基板5の相対向する面5a,5bにそれぞれ第
4,5の配線回路パターン9,10が形成され、上記第
4,5の配線回路パターン9,10上に絶縁層6,7を
それぞれ介して第3,6の配線回路パターン8,11が
形成されてなる。
【0034】従って、本実施例の多層プリント配線板に
おいては、上記低周波用多層プリント配線板12のさら
なる高細線化が容易に達成され、ブラインドバイアホー
ルの形成数を多くして配線回路の高密度化が図れるとと
もに、多層プリント配線板が安価に製造され、生産性が
向上する。
【0035】さらに、上記低周波用回路を有する低周波
用多層プリント配線板12においては、第3の配線回路
パターン8のランド部8a,8bが第4の配線回路パタ
ーン9のランド部9a,9bとそれぞれブラインドバイ
アホール14a,14bにより電気的に接続されて、第
3の配線回路パターン8と第4の配線回路パターン9間
の電気的な接続がなされている。第5の配線回路パター
ン10と第6の配線回路パターン11間においても同様
であり、第5の配線回路パターン10のランド部10a
と第6の配線回路パターン11のランド部11a間がブ
ラインドバイアホール15により電気的に接続されてい
る。
【0036】さらにまた、本実施例の多層プリント配線
板においては、第1の配線回路パターン2のランド部2
b,第4の配線回路パターン9のランド部9c,第5の
配線回路パターン10のランド部10b,第6の配線回
路パターン11のランド部11cの略中心を貫通し、こ
れらを電気的に接続するメッキスルーホール16が形成
されている。
【0037】次に、上記本実施例の多層プリント配線板
の製造方法を説明する。先ず、高周波用回路を有するプ
リント配線板の製造を行うものとする。
【0038】すなわち、マイクロストリップ線路を含む
高周波用回路を有する高周波用プリント配線板を形成す
るための両面銅張積層板(コア材)を用意する。上記両
面銅張積層板は、絶縁基板の両面に銅箔の形成されたも
ので、本実施例においては、上記絶縁基板を上述のよう
な誘電率が4.0以下で誘電正接が0.01以下のもの
としている。なお、本実施例においては、上記特性が周
波数1GHz〜15GHzの条件下で確保されることが
好ましい。
【0039】そして、上記絶縁基板としては、ガラス布
基材ビスマレイミドトリアジン樹脂やガラス布基材ポリ
フェニレンエーテル樹脂等の絶縁体が寸法安定性、誘電
特性とも優れており好適である。特に、上記ガラス布基
材ポリフェニレンエーテル樹脂は温度の影響を受け難
く、高温多湿の条件下でも、誘電率及び誘電正接が、ほ
とんど変化せず安定しており、安定したマイクロストリ
ップ線路を形成するのに最も適している。
【0040】また、上記ガラス基材となるガラス布は、
一般の電気用ガラス布(例えば、MIL規格に基づくE
ガラス、Tガラス、Rガラス、Dガラス、Qガラス)を
用いる事ができるが、誘電率、ドリル摩耗性、コスト等
のバランスを考慮して選択するのがよい。
【0041】ところで、例えば、近い将来実用化される
パーソナルハンディフォンシステム(PHS)において
は、周波数帯域2GHz付近の使用が予定されており、
本発明の多層プリント配線板の適用が予想される。そこ
で、本発明の多層プリント配線板に絶縁体として使用さ
れるEガラス布をガラス基材として使用したEガラス布
基材ポリフェニレンエーテル樹脂と従来より使用される
Eガラス布基材エポキシ樹脂の誘電率(ε)、誘電正接
(tanδ)、伝播速度を比較したところ、表1に示す
ような結果が得られた。
【0042】
【表1】
【0043】表1の結果から、2GHzでの長さ50m
mあたりの伝播速度は、Eガラス布基板ポリフェニレン
エーテル樹脂において0.16dB、Eガラス布基材エ
ポキシ樹脂において0.33dBであり、前者は回路動
作上問題ないが、後者は問題となることがわかり、本発
明の多層プリント配線板が上記使用目的に対応可能であ
ることが確認された。
【0044】また、上記絶縁基板の厚さは、0.05m
m〜1.2mmが適しており、0.2mm〜0.6mm
がさらに好適である。これは以下のような理由による。
【0045】通常、マイクロストリップ線路を形成する
際、絶縁基板の厚さ精度を一般に±10%以下とする必
要がある。絶縁基板の厚さ精度が悪く、プリント配線板
個々の厚さ精度の「ばらつき」が大きい場合には、プリ
ント配線板毎に回路調整を行って、正常に動作させる必
要が生じる。
【0046】しかしながら、上記プリント配線板毎の調
整は、測定、トリミング加工といったプロセスの追加が
必要であり、製造コスト、生産効率の点から好ましくな
く、上記のように絶縁基板の厚さ精度を±10%以下と
する必要がある。そして、絶縁基板の厚さが0.05m
mより薄い場合には、該絶縁基板の厚さ精度を±10%
以下とすることは難しく、上記絶縁基板の厚さは0.0
5mm以上とする必要がある。
【0047】また、絶縁基板の厚さが1.2mmより厚
い場合には、完成後の多層プリント配線板が厚くなり過
ぎる。さらに、マイクロストリップ線路の場合、パター
ン幅をωとし、絶縁基板の厚さをhとすると、これらの
関係は下記数1で近似され、上記のように絶縁基板の厚
さが1.2mmよりも厚い場合には、パターン幅が広く
なりすぎて、高配線密度化が難しくなり、上記絶縁基板
の厚さは1.2mm以下とする必要がある。
【0048】
【数1】
【0049】一方、上記銅箔の厚さは、通常使用される
12〜70μm程度が適している。
【0050】次に、上記両面銅張積層板の第2の配線回
路パターンとなる銅箔のみに加工を行い、図2に示すよ
うな絶縁基板21の相対向する面21a,21bに第1
の配線回路パターンとなる銅箔22及び第2の配線回路
パターン23の形成された高周波用プリント配線板24
を得る。このとき、本実施例の多層プリント配線板にお
いては、第2の配線回路パターン23と接続されないス
ルーホールが形成されているため、上記第2の配線回路
パターン23のスルーホール形成位置の銅箔は除去する
ようにしておく。
【0051】次に、ロジック回路やアナログ回路等の低
周波用回路や電源となる低周波用回路を有する多層プリ
ント配線板をビルドアップ法により形成する。
【0052】すなわち、図2に示すように、絶縁基板2
5の相対向する面25a,25bに低周波用の第4,5
の配線回路パターン29,30をそれぞれ形成し、上記
第4の配線回路パターン29上に絶縁層26を介して第
3の配線回路パターン28を形成し、また上記第5の配
線回路パターン30上に絶縁層27を介して第6の配線
回路パターンとなる銅箔31を形成し、低周波用回路を
有する低周波用多層プリント配線板32を得る。
【0053】このとき、上記低周波用回路を有する低周
波用多層プリント配線板32においては、上述のよう
に、第3の配線回路パターン28のランド部28a,2
8bと第4の配線回路パターン29のランド部29a,
29bとをブラインドバイアホール34a,34bによ
り電気的に接続して、第3の配線回路パターン28と第
4の配線回路パターン29間の電気的な接続を行うよう
にしている。また、第5の配線回路パターン30と第6
の配線回路パターンとなる銅箔31間においても同様で
あり、第5の配線回路パターン30のランド部30aと
銅箔31をブラインドバイアホール35により電気的に
接続するようにしている。
【0054】本実施例においては、上記低周波用回路を
有する低周波用多層プリント配線板をビルドアップ法に
より製造するため、上記多層プリント配線板のさらなる
高細線化が容易に達成され、ブラインドバイアホールの
形成個数を増やして配線回路の高密度が図れるととも
に、多層プリント配線板が安価に製造され、生産性が良
好となる。
【0055】なお、このとき、上記低周波用回路を有す
るプリント配線板の絶縁基板25を寸法安定性,接着
性,ドリル加工性の優れた樹脂により形成するようにす
れば、加工性が良好で、比較的安価で製造ができ、生産
性が良好となる。
【0056】次に、図2中に示すように、前述の高周波
用回路を有する高周波用プリント配線板24と上記の低
周波用回路を有する低周波用多層プリント配線板32を
第2の配線回路パターン23と第3の配線回路パターン
28が相対向するようにして対向させ、ガラス布にエポ
キシ樹脂を加えた低周波用プリプレグ36を挟み込んで
図中矢印Pで示すようにこれらを積層し、加熱加圧して
積層プレスする。
【0057】その結果、図3に示すような、高周波用回
路を有する高周波用プリント配線板24と低周波用回路
を有する低周波用多層プリント配線板32をプリプレグ
36を介して積層した多層プリント配線板を得る。
【0058】次に、図4に示すように、上記多層プリン
ト配線板に高周波用プリント配線板24,低周波用プリ
プレグ36,低周波用多層プリント配線板32を貫通
し、メッキスルーホールとなるスルーホール孔33を形
成する。なお、本実施例においては、上記スルーホール
孔33を第4の配線回路パターン29のランド部29c
及び第5の配線回路パターン30のランド部30bの中
心を貫通するように形成する。
【0059】続いて、図5に示すように、スルーホール
孔33の内壁面にメッキ膜34を形成し、銅箔22,ラ
ンド部29c,ランド部30b,銅箔31を電気的に接
続する。なお、上記メッキ膜34は、この種の多層プリ
ント配線板の製造方法として一般的な、無電解メッキ
法、或いは無電解メッキ法と電解メッキ法を併用した方
法により形成すれば良い。
【0060】次に、上記多層プリント配線板の最外層と
なっている第1の配線回路パターンとなる銅箔22をマ
イクロストリップ線路の信号線を含む配線回路パターン
に加工し、一方の第6の配線回路パターンとなる銅箔3
1を所定の配線回路パターンに加工して、図1に示すよ
うな本実施例の多層プリント配線板を得る。
【0061】すなわち、高周波用の第1,2の配線回路
パターン、低周波用の第3,4,5,6の配線回路パタ
ーンが絶縁層を介して順次積層された合計6層の多層プ
リント配線板が形成されることとなる。
【0062】そしてこのとき、第1,6の配線回路パタ
ーンのメッキスルーホールの開口部近傍にはランド部が
形成され、上記メッキスルーホールは第1,4,5,6
の配線回路パターンを電気的に接続することとなる。
【0063】最後に、必要に応じてソルダーレジスト形
成,NC(数値制御による)孔明け,外形加工,導通チ
ェック,銅箔表面処理,出荷検査,梱包等の工程を行
い、最終的な製品とする。
【0064】上述の本実施例の多層プリント配線板の製
造方法においては、その製造設備は既存のプリント配線
板製造設備で十分であり、特殊な設備は不要であり、そ
の工業的価値は非常に高い。
【0065】本実施例の多層プリント配線板を製造する
方法としては、上述の方法の他に、以下のような方法も
挙げられる。すなわち、上述の本実施例の多層プリント
配線板の製造方法においては、両面銅張積層板を用い
て、高周波用回路を有する高周波用プリント配線板を製
造するものとしたが、両面銅張積層板の代わりに2枚の
銅箔をプリプレグを介して積層したものを使用する方法
が挙げられる。
【0066】先ず、図6に示すように、第1の配線回路
パターンとなる銅箔32と第2の配線回路パターンとな
る銅箔33をプリプレグ31を介して貼り合わせる。こ
のとき、上記プリプレグ31として、誘電率が4.0以
下、誘電正接が0.01以下で、上記特性が周波数1G
Hz〜15GHzの条件下で確保されるものを使用す
る。
【0067】次に、上記銅箔33を所定形状に加工して
第2の配線回路パターンを形成して高周波用回路を有す
る高周波用プリント配線板を得る。続いて、上述の本実
施例の多層プリント配線板の製造方法に従って製造を行
い、本実施例の多層プリント配線板を得る。
【0068】ただし、上記のようにプリプレグ31を用
いた場合、該プリプレグ31の厚さは後工程で形成され
る第2の配線回路パターンの形状等に左右されてしまう
ため、第1の配線回路パターンと第2の配線回路パター
ン間の絶縁層の厚さ精度を上述のように±10%以下と
することは難しい。従って、このようにして製造された
プリント配線板においては、プリント配線板毎に回路調
整を行って動作させる必要がある。
【0069】次に、上記実施例の多層プリント配線板を
上記製造方法に従って製造し、これらの特性について調
査した。
【0070】(1)サンプルの製造実施サンプル1 上記実施サンプル1は、前述の実施例の多層プリント配
線板と同様の構成を有するものであり、これを製造する
にあたって、先ず、上述の製造方法に従って、高周波用
回路を有する高周波用プリント配線板となる両面銅張積
層板として、三菱ガス化学社製の両面銅張積層板 CC
L−HL870(商品名:厚さ0.3mm、銅箔厚35
/35μm)を用意した。上記両面銅張積層板において
は、絶縁基板がビスマレイミドトリアジン樹脂が主成分
である絶縁材よりなり、該絶縁基板の周波数1GHzに
おける誘電率は3.3、誘電正接は0.002である。
【0071】次に、上述の製造方法に従って、上記両面
銅張積層板を用いて第1の配線回路パターンとなる銅箔
と第2の配線回路パターンが形成され、高周波用回路を
有する高周波用プリント配線板を製造した。なお、上記
第2の配線回路パターンは写真法により形成した。
【0072】次に、上述の製造方法に従って、低周波用
回路を有する低周波用多層プリント配線板をビルドアッ
プ法により製造した。このとき、上記多層プリント配線
板は、上述のように、ブラインドバイアホールを有する
4層の多層プリント配線板である。
【0073】そして、上記多層プリント配線板を製造す
るにあたっては、絶縁基板がガラス布基材エポキシ樹脂
である東芝ケミカル社製の両面銅張基板 TLC−W−
551(商品名:厚さ0.8mm、銅箔厚18μm/1
8μm)を使用し、その相対向する面の銅箔を加工して
第4,5の配線回路パターンを形成し、第4の配線回路
パターンの上に絶縁層を介して厚さ25μmの銅箔を形
成し、これを加工して第3の配線回路パターンを形成す
るとともに、第5の配線回路パターンの上に絶縁層を介
して厚さ25μmの第6の配線回路パターンとなる銅箔
を形成して低周波用多層プリント配線板を製造した。
【0074】続いて、上述の製造方法に従って、低周波
用プリプレグとして、東芝ケミカル社製のガラス布基材
エポキシ樹脂プリプレグ TLP551(商品名:厚さ
0.1mm)を用い、上記高周波用回路を有する高周波
用プリント配線板と低周波用回路を有する低周波用多層
プリント配線板を積層させ、加熱加圧して積層プレスし
て多層プリント配線板を得た。
【0075】このとき、上記高周波用回路を有する高周
波用プリント配線板の第1の配線回路パターンとなる銅
箔と低周波用回路を有する低周波用多層プリント配線板
の第6の配線回路パターンとなる銅箔には、積層プレス
前にブラックオキサイド処理を行うものとした。
【0076】なお、上記積層プレス工程は、北川精機社
製の真空積層プレス装置 VH2−1315(機種名)
を使用して、全体を180℃に加熱し、40kg/cm
2 の加圧で、100分行うものとした。
【0077】次に、上述の製造方法に従って、上記多層
プリント配線板に、メッキスルーホールを形成するスル
ーホール孔を日立精工社製のNC(数値制御)ドリルマ
シンH−MARK90J(機種名)を用い、ドリル径
0.3mmのドリルを装着して形成した。
【0078】続いて、上述の製造方法に従って、上記ス
ルーホール孔の内壁面にメッキ膜を形成してメッキスル
ーホールを形成した。上記メッキ膜は、無電解メッキに
より薄くメッキ膜を形成した後に電解メッキにより厚さ
25μmのメッキ膜を形成して得た。
【0079】次に、上述の製造方法に従って、最外層と
なっている第1,6の配線回路パターンとなる銅箔を所
定の配線回路パターンに加工して第1,6の配線回路パ
ターンを形成し、前述の実施例の多層プリント配線板と
同様の構成を有する多層プリント配線板を製造した。
【0080】そして最後に、必要に応じて外形の切断、
表面への保護膜塗料の塗布等を行って、最終的な製品を
得、これを実施サンプル1とした。
【0081】なお、上記実施サンプル1の第1,2の配
線回路パターン間の絶縁基板の厚さを顕微鏡により測定
したところ、0.28mmから0.32mmで(測定枚
数10枚、各10点測定)、厚さ精度は±10%以下で
あった。
【0082】実施サンプル2 上記実施サンプル2も実施サンプル1と同様に、前述の
実施例の多層プリント配線板と同様の構成を有するもの
である。そして、これを製造するに際しても先ず、実施
例1と同様に、高周波用回路を有する高周波用プリント
配線板となる両面銅張積層板として、絶縁基板がガラス
布基材ポリフェニレンエーテル樹脂である旭化成工業社
製の両面銅張積層板 PPE基板(厚さ0.3mm、銅
箔厚18μm/18μm)を用意した。なお、上記絶縁
基板の周波数2GHzにおける誘電率は2.9、誘電正
接は0.003である。次に、実施サンプル1と同様
に、高周波用回路を有する高周波用プリント配線板を製
造した。
【0083】この後、実施サンプル1と同様に製造を行
って上述の実施例と同様の構成を有する多層プリント配
線板を製造し、これを実施サンプル2とした。上記実施
サンプル2の第1,2の配線回路パターン間の絶縁基板
の厚さを実施サンプル1と同様に顕微鏡により測定した
ところ、0.27mmから0.30mmで、厚さ精度は
±10%以下であった。
【0084】実施サンプル3 上記実施サンプル3も、実施サンプル1と同様に、前述
の実施例の多層プリント配線板と同様の構成を有するも
のである。ただし、実施サンプル3を製造するに際して
は、高周波用プリプレグを介して2層の銅箔を積層さ
せ、これを用いて高周波用回路を有する高周波用プリン
ト配線板を製造するものとした。
【0085】そして、上記高周波用プリプレグとして、
三菱ガス化学社製のビスマレイミドトリアジン主成分の
プリプレグ GHPL870(商品名:厚さ0.1m
m)を3枚重ねたものを使用し、これを介して2層の厚
さ18μmの銅箔を200℃の条件下で積層プレスさ
せ、これを用いて高周波用回路を有する高周波用プリン
ト配線板を製造した。なお、上記高周波用プリプレグの
周波数1GHzにおける誘電率は3.3であり、誘電正
接は0.002であった。
【0086】この後、実施サンプル1と同様に製造を行
って上述の実施例と同様の構成を有する多層プリント配
線板を製造し、これを実施サンプル3とした。上記実施
サンプル3の第1,2の配線回路パターン間の絶縁基板
の厚さを顕微鏡により測定したところ、0.2mmから
0.28mmで、厚さ精度を±10%以下に抑えられな
かった。従って、実施サンプル3においては、回路調整
を行うものとした。
【0087】比較サンプル1 次に、比較のために、上述の実施例の多層プリント配線
板の高周波用回路を有する高周波用プリント配線板の絶
縁基板を従来より使用されているガラス布基材エポキシ
樹脂とした多層プリント配線板を比較サンプル1として
製造した。
【0088】上記比較サンプル1を製造するにあたって
は、高周波用回路を有する高周波用プリント配線板を形
成する両面銅張積層板として、絶縁基板がガラス布基材
エポキシ樹脂である東芝ケミカル社製の両面銅張積層板
TLC−W−551(商品名:厚さ0.3mm、銅箔
厚35μm/35μm)を使用した。なお、上記ガラス
布基材エポキシ樹脂の周波数1GHzにおける誘電率は
4.6であり、誘電正接は0.03であった。
【0089】後は、実施サンプル1と同様に製造を行
い、製造された多層プリント配線板を比較サンプル1と
した。
【0090】比較サンプル2 続いて、比較のために、上述の実施例の多層プリント配
線板と同様の構成を有し、低周波用回路を有する低周波
用多層プリント配線板がビルドアップ法ではなく、積層
プレス法により形成されている多層プリント配線板を比
較サンプル2として製造した。ただし、上記比較サンプ
ル2においては、高周波用回路を有する高周波用プリン
ト配線板及び低周波用回路を有する低周波用多層プリン
ト配線板の絶縁基板がガラス布基材ポリフェニレンエー
テル樹脂からなるものとした。
【0091】すなわち、上記比較サンプル2を製造する
にあたっては、先ず、実施サンプル2と同様にして高周
波用回路を有する高周波用プリント配線板を製造する。
次に、低周波用回路を有する低周波用多層プリント配線
板を積層プレス法により製造する。そして、このとき、
絶縁基板として、実施サンプル2で用いた旭化成工業社
製の両面銅張積層板 PPE基板を使用した。
【0092】次に、上述の製造方法に従って、高周波用
プリプレグとして、旭化成工業社製のガラス布基材ポリ
フェニレンエーテル樹脂からなるプリプレグ(厚さ0.
1mm)を用いて、高周波用回路を有する高周波用プリ
ント配線板と低周波用回路を有する低周波用多層プリン
ト配線板を積層プレスして多層プリント配線板を製造し
た。
【0093】続いて、実施サンプル1と同様に、スルー
ホール孔明け、銅メッキ、外層パターン形成、外形切
断、表面保護塗料等の各処理を行い、比較サンプル2を
製造した。
【0094】(2)各サンプルの特性評価 続いて、上記実施サンプル1〜3及び比較サンプル1〜
2の各サンプルの特性調査を行った。上記特性として、
ドリル加工性、第1,2の配線回路パターン間の絶縁層
の高周波特性、耐熱衝撃性を評価した。
【0095】先ず、上記ドリル加工性であるが、以下の
ようにして調査した。すなわち、ドリル加工により貫通
孔を形成する際の1000ショット(1000回孔開
け)後のにげ面の磨耗量を測定して評価した。そして、
その結果は以下のようにして表した。すなわち、にげ面
の磨耗量が20μm以下であるものを◎、にげ面の摩耗
量が20μmよりも大きく30μm以下であるものを
○、にげ面の摩耗量が30μmよりも大きく40μm以
下であるものを△、にげ面の摩耗量が40μmよりも大
であるものを×とした。
【0096】なお、上記貫通孔形成時の条件は以下の通
りである。すなわち、孔明け機として日立精工社製のN
Cドリルマシン H−MARK90J(機種名)を用
い、ドリルとして東芝タンガロイ社製のMD20(機種
名:径φ0.4mm)を装着し、各サンプルを2枚ずつ
重ね、当て板としてアルミニウム板(厚さ0.15m
m)を用い、捨て板としてベークライト板(厚さ1.5
mm)を用いて、回転数を80000rpmとし、送り
速度を2m/minとした。
【0097】次に、第1,2の配線回路パターン間の絶
縁層の高周波特性であるが、各サンプルにおける第1,
2の配線回路パターン間の絶縁層の誘電特性を、特性イ
ンピーダンスZ0 =50Ωとなる幅で長さ50mmで
1.5GHzで測定して評価した。そして、その結果は
以下のようにして表した。すなわち、誘電率が4.0以
下かつ誘電正接が0.01以下のものを○、誘電率が
4.5より大きくかつ誘電正接が0.015より大きい
ものを×、それ以外のものを△として表した。
【0098】さらに、耐熱衝撃性であるが、各サンプル
10枚に対して、JIS C5012に従った熱衝撃試
験を20サイクルを行い、目視で観察を行って評価し
た。結果を以下のようにして表した。すなわち、異常の
ないものを○、異常のあるものを×として示した。
【0099】そして、これらドリル加工性、第1,2の
配線回路パターン間の絶縁層の高周波特性(誘電特
性)、耐熱衝撃性の結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】さらにまた、サンプルの製造の項において
も述べたが、各サンプルにおける第1,2の配線回路パ
ターン間の絶縁層の厚さも調査した。各サンプルともに
10枚のサンプルを用意してその断面をそれぞれ10点
ずつ顕微鏡により測定し、合計100点の測定を行い、
絶縁層の厚さのばらつきを調査した。結果を表2に併せ
て示す。結果は以下のようにして示す。すなわち、厚さ
のばらつきが±10%以下のものを○、厚さのばらつき
が±10%よりも大きく±30%以下のものを×、それ
以外のものを△として示す。
【0102】従って、表2の結果から、実施サンプル3
においては回路上の調整が必要であるものの、実施サン
プル1〜3においてはドリル加工性、高周波特性(誘電
特性)、耐熱衝撃性ともに優れていることが確認され
た。すなわち、高周波用の第1の配線回路パターン中の
マイクロストリップ線路の信号線2aと基準導体となる
高周波用の第2の配線回路パターン間の絶縁層の誘電率
が4.0以下で、誘電正接が0.01以下である実施サ
ンプル1〜3においては、高周波数帯域で優れた特性を
有することが確認された。
【0103】一方、比較サンプル1においては絶縁層の
誘電特性そのものが1GHz〜3GHz程度の高周波用
途には不向きなため、回路上の調整を行っても動作が困
難である。また、比較サンプル2においては、低周波用
の多層プリント配線板を積層プレス法により形成してい
るため、ドリル加工性が劣ることがわかった。さらに、
上記比較サンプル2においては、絶縁基板を全てガラス
布基材ポリフェニレンエーテルよりなるものとしている
ため、実施サンプル1〜3と比較して製造コストが2倍
程度となり、生産性の点からも好ましくない。
【0104】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の多層プリント配線板は、ビルドアップ法によって形
成された低周波用回路を有する多層プリント配線板の積
層方向の相対向する面の少なくとも一方の面上に、マイ
クロストリップ線路を含む高周波用回路を有するプリン
ト配線板が貼り合わされて構成されており、上記高周波
用回路を有するプリント配線板のマイクロストリップ線
路の信号線と基準導体間の絶縁体の誘電率が4.0以下
で、誘電正接が0.01以下であるため、高周波数帯域
で優れた特性を有し、マイクロストリップ線路で優れた
誘電特性を示す。
【0105】そして、上記低周波用回路を有する多層プ
リント配線板がビルドアップ法により形成されているこ
とから、上記多層プリント配線板のさらなる高細線化が
容易に達成され、ブラインドバイアホール形成数を増や
して配線回路の高密度化が図れるとともに、該多層プリ
ント配線板が安価に製造され、生産性が良好となる。
【0106】なお、このとき、上記低周波用回路を有す
る多層プリント配線板の絶縁体を寸法安定性,接着性,
ドリル加工性の優れた樹脂により形成するようにすれ
ば、加工性が良好で、比較的安価で製造され、生産性が
さらに良好となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した多層プリント配線板を示す要
部概略断面図である。
【図2】本発明を適用した多層プリント配線板の製造方
法の一例を工程順に示すものであり、高周波用プリント
配線板と低周波用多層プリント配線板をプリプレグを介
して積層する工程を示す要部概略断面図である。
【図3】本発明を適用した多層プリント配線板の製造方
法の一例を工程順に示すものであり、高周波用プリント
配線板と低周波用多層プリント配線板をプリプレグを介
して積層した多層プリント配線板を示す要部概略断面図
である。
【図4】本発明を適用した多層プリント配線板の製造方
法の一例を工程順に示すものであり、多層プリント配線
板にスルーホール孔を形成する工程を示す要部概略断面
図である。
【図5】本発明を適用した多層プリント配線板の製造方
法の一例を工程順に示すものであり、スルーホール孔内
にメッキ膜を形成する工程を示す要部概略断面図であ
る。
【図6】本発明を適用した多層プリント配線板の製造方
法の他の例の2層の銅箔をプリプレグを介して貼り合わ
せる工程を示す要部概略断面図である。
【符号の説明】
1・・・絶縁基板 2・・・第1の配線回路パターン 2a・・・信号線 3・・・第2の配線回路パターン 4・・・プリント配線板 12・・・多層プリント配線板 13・・・プリプレグ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高周波用回路と低周波用回路を有し、少
    なくとも一方の最外層に上記高周波用回路の一部である
    マイクロストリップ線路が形成される多層プリント配線
    板において、 ビルドアップ法によって形成された低周波用回路を有す
    る多層プリント配線板の積層方向の相対向する面の少な
    くとも一方の面上に、マイクロストリップ線路を含む高
    周波用回路を有するプリント配線板が貼り合わされて構
    成され、 上記高周波用回路を有するプリント配線板のマイクロス
    トリップ線路の信号線と基準導体間の絶縁体の誘電率が
    4.0以下で、誘電正接が0.01以下であることを特
    徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 信号線と基準導体間の絶縁体の樹脂成分
    中にビスマレイミドトリアジン樹脂及び/又はビスマレ
    イミドトリアジン樹脂の誘導体が含まれていることを特
    徴とする請求項1記載の多層プリント配線板。
  3. 【請求項3】 信号線と基準導体間の絶縁体の樹脂成分
    中にポリフェニレンエーテル樹脂及び/又はポリフェニ
    レンエーテル樹脂の誘導体が含まれていることを特徴と
    する請求項1記載の多層プリント配線板。
  4. 【請求項4】 マイクロストリップ線路を含む高周波用
    回路を有し、上記マイクロストリップ線路の信号線と基
    準導体間の絶縁体の誘電率が4.0以下で、誘電正接が
    0.01以下であるプリント配線板を製造し、 低周波用回路を有する多層プリント配線板をビルドアッ
    プ法により製造し、 上記低周波用回路を有する多層プリント配線板の積層方
    向の相対向する面の少なくとも一方の面上に、マイクロ
    ストリップ線路が最外層となるように高周波用回路を有
    するプリント配線板を貼り合わせることを特徴とする多
    層プリント配線板の製造方法。
  5. 【請求項5】 低周波用回路を有する多層プリント配線
    板と高周波用回路を有するプリント配線板間にプリプレ
    グを挟んで積層プレスしてこれらを貼り合わせることを
    特徴とする請求項4記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
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