JPH089696B2 - 変性ポリ酸無水物硬化剤含有パウダー被覆組成物 - Google Patents

変性ポリ酸無水物硬化剤含有パウダー被覆組成物

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JPH089696B2
JPH089696B2 JP63168663A JP16866388A JPH089696B2 JP H089696 B2 JPH089696 B2 JP H089696B2 JP 63168663 A JP63168663 A JP 63168663A JP 16866388 A JP16866388 A JP 16866388A JP H089696 B2 JPH089696 B2 JP H089696B2
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    • C09D163/00Coating compositions based on epoxy resins; Coating compositions based on derivatives of epoxy resins
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
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Description

【発明の詳細な説明】 (発明の背景) 本発明は熱硬化性パウダー被覆に関する。特に本発明
はエポキシ樹脂および酸無水物硬化剤を基剤とした熱硬
化性パウダー被覆に関する。
(従来技術) エポキシ樹脂および酸無水物硬化剤を含有するパウダ
ー被覆は従来公知である。酸無水物硬化剤および他の硬
化剤の選択はパウダー被覆のよりよい塗装性および特性
を得るために重要である。一般に、ポリマー状酸無水物
はそれらの無水化されていないポリアシッドよりも好ま
しく、なぜなら前者はより容易に混和できることが見出
されたからである。さらに、ポリマー状酸無水物は一般
により低い融点であることが見出された。
本発明により、ポリマー状酸無水物は変性され、実質
的に優れた特性を有するパウダー被覆の硬化剤が作られ
た。
(発明の要旨) 前記に従って、室温で安定で高い結晶性を有し、比較
的低い温度でよい流動性で鋭く溶け、被膜に優れた外
観、耐久性および耐溶剤性を与える優れたパウダー被覆
が提供される。鋭い融点は以下に記載のような変性ポリ
酸無水物の存在によるものと信じられる。
前記に従って、本発明はエポキシ樹脂および硬化剤を
含有する熱硬化性パウダー被覆組成物において、該エポ
キシ樹脂が少なくとも1個のエポキシ基を有するエチレ
ン性不飽和モノマーとエポキシ基を有しないその他のエ
チレン性不飽和モノマーとのアクリルコポリマーであ
り、そして該硬化剤がポリマー骨格に酸無水物結合およ
び複数の酸官能基を有し、そして実質的にハロゲン原子
を有しないポリオール変性ポリマー状ポリ酸無水物であ
ることを特徴とする熱硬化性パウダー被覆組成物を包含
する。「酸無水物結合が骨格にある(anhydride linkag
e is in the backbone)」とは、ポリ酸無水物のアルコ
ーリシスがポリマー鎖の分断を起こすことを意味する。
本明細書においては、「熱硬化(thermosetting)」
の語は、加熱時にパウダー被覆組成物が固化または硬化
して、さらに加熱しても融けない被覆を形成することを
意味する。
安定性は、2オンスのガラスビンの中にパウダー被覆
の試料を入れ、43℃の水浴につけて測定される。48時間
後にケーギング(caking)または固化(clumping)が見
られなければ良の評価が与えられる。168時間後にケー
ギングまたは固化がなければ優の評価が与えられる。
外観は20゜と60゜グロスに関してザ・ガードナー・イ
ンストゥルメント・コンパニー(the Gradner Instrum
ent Company)製のグロスメーターによって測定されて
よい。
耐衝撃性は、ガードナー衝撃試験機で測定される。被
覆パネルに被膜が亀裂するまで、衝撃量を増加させて衝
撃を与えた。パネルにパネルの被覆側への衝撃、即ち、
直接衝撃(direct impact)を与え、更に、被覆パネル
の被覆と反対側への衝撃、即ち、裏面衝撃(reverse im
pact)を与えた。結果はインチ−ポンドおよび被膜の厚
さミルで示した。
耐溶剤性は、キシレンに対する抵抗性で測定される。
キシレンを含浸させた布で被膜の上を標準の手の圧力で
前後に摩擦(往復摩擦)した。優の評価は被膜が曇らず
に少なくとも100往復摩擦に耐える被膜を示す。良の評
価は50往復に耐えるものである。50往復摩擦以下で被膜
がそこなったならば不合格となる。
耐久性はQUV照射に関して、ザ・Q−パネル社(the
Q−Panel Co.)製のQUV加速耐候試験機で、紫外線(1
6時間)および凝集湿度(condensing humidity)(8時
間)の交互のサイクルに被覆パネルをさらすことによっ
て測定されてよい。紫外線はUVB313ランプ(320〜280ナ
ノメーター)で発生させる。紫外線サイクルの温度は70
℃である。凝集湿度サイクルの温度は50℃である。
(発明の内容) 本発明のパウダー被覆組成物は主にポリエポキシドお
よびポリオール変性ポリマー状ポリ酸無水物(以下、変
性ポリマー状ポリ酸無水物と言う。)硬化剤を含む成分
の均質混合物を含有する。本発明の態様において、変性
ポリマー状ポリ酸無水物はポリマー状ポリ酸無水物とポ
リオールとの反応によって調製される。
使用されるポリエポキシドとしては、好ましくはエポ
キシ含有アクリルポリマー、エポキシ縮合ポリマー、例
えばアルコールおよびフェノールのポリグリシジルエー
テルおよびある種のポリエポキシドモノマーおよびオリ
ゴマーが挙げられる。
本明細書中でエポキシ含有アクリルポリマーは少なく
とも1個のエポキシ基を有するエチレン系不飽和モノマ
ーとエポキシ基を有しない少なくとも1種の重合性エチ
レン系不飽和モノマーとのコポリマーである。
エポキシ基含有エチレン系不飽和モノマーの例として
は、1,2−エポキシ基を含有したものが挙げられ、例え
ばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート
およびアリルグリシジルエーテルが包含される。
エポキシ基を含有しないエチレン系不飽和モノマーの
例としては、アルキル基に1〜20個の原子を含有するア
クリルおよびメタクリル酸のアルキルエステルが挙げら
れる。これらのアクリレートおよびメタクリレートの特
定の例としては、メチルメタクリレート、エチルメタク
リレート、ブチルメタクリレート、エチルアクリレー
ト、ブチルアクリレートおよび2−エチルヘキシルアク
リレートが挙げられる。
他の共重合性エチレン系不飽和モノマーの例として
は、ビニル芳香族化合物、例えばスチレンおよびビニル
トルエン;ニトリル類、例えばアクリロニトリルおよび
メタクリロニトリル;ビニルおよびビニリデンハライ
ド、例えばビニルクロライドおよびビニリデンフルオラ
イド;およびビニルエステル、例えばビニルアセテート
が挙げられる。一般に、共重合性モノマーは、パウダー
被覆の調製、使用に逆硬化を与えないようなものであ
る。
エポキシ基含有エチレン系不飽和モノマーは、エポキ
シ含有アクリルポリマーの調製に使用されるモノマーの
全重量に基づいて、好ましくは約5〜60重量%、より好
ましくは20〜50重量%の量で使用される。残りの重合性
エチレン系不飽和モノマーの中で、モノマー全重量に基
づいて好ましくは40〜95重量%、より好ましくは50〜80
重量%はアクリルおよびメタクリル酸のアルキルエステ
ルである。
エポキシ含有アクリルポリマーの調製において、エポ
キシ官能性モノマーおよび他のエチレン系不飽和モノマ
ーは混合し一般に述べられるように常套のラジカル開始
有機溶液重合によって反応させてもよい。
エポキシ含有アクリルポリマーは典型的には数平均分
子量約500〜100,000、好ましくは500〜20,000、より好
ましくは1,000〜10,000、最も好ましくは1,000〜5,000
を有する。分子量はポリスチレン標準を使用してゲル−
透過クロマトグラフィーによって測定される。この型に
おける分子量測定では、測定された実際の分子量ではな
くポリスチレンにたとえた分子量の表示である。得られ
る値は通常ポリスチレン数と言う。しかしながら本発明
においては、それらは分子量と言う。
使用されるエポキシ縮合ポリマーはポリエポキシドで
あり、即ち、それらは1より大きい、好ましくは1より
大きく約3.0までの1,2−エポキシ当量(1,2−epoxy equ
ivalency)を有するものである。そのようなエポキシド
の例としては、多価フェノールおよび脂肪族アルコール
のポリグリシジルエーテルが挙げられる。これらのポリ
エポキシドはアルカリの存在下、多価フェノールまたは
脂肪族アルコールをエピクロロヒドリンのようなエピハ
ロヒドリンでエーテル化して生成してよい。
好適なポリフェノールの例としては、2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタンお
よび2−メチル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパンが挙げられる。好適な脂肪族アルコールの
例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,2−プロピレングリコールおよび1,4−ブチレング
リコールが挙げられる。さらに、脂環式ポリオール、例
えば1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサ
ンジオール、1,2−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘ
キサンおよび水素化ビスフェノールAが使用されてよ
い。
上記エポキシ含有ポリマーのほかにも、ある種のポリ
エポキシドモノマーおよびオリゴマーも使用されてよ
い。これらの物質の例は、米国特許第4,102,942号の第
3欄、第1〜16行に記載されている。本明細書中有用な
低分子量ポリエポキシドの特定の例としては、3,4−エ
ポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキ
サンカルボキシレートおよびビス(3,4−エポキシシク
ロヘキシルメチル)アジペートが挙げられる。これらの
物質はエポキシ含有アクリルポリマーと同様、脂肪族ポ
リエポキシドである。上記のようにエポキシ含有アクリ
ルポリマーが好ましく、よい被覆特性の組み合わせ、即
ち、平滑性、光沢性、耐久性および耐溶剤性を有する生
成物となる。更に、それらはカラー−プラス−クリヤー
塗装におけるクリヤーコートの配合に特に適することが
見出された。
本発明の好ましい態様において、ポリエポキシドは、
上記のようにエポキシ含有アクリルポリマーである。こ
のエポキシ含有アクリルポリマーは、得られる硬化被膜
および被覆組成物に光沢性および硬化反応のよりよく混
合したものを提供する。
ポリエポキシドは典型的には架橋組成物中に樹脂固型
分の全重量に基づいて約25〜90重量%、好ましくは50〜
80重量%の量で存在する。低分子量ポリエポキシドが使
用される時、典型的には樹脂固型分全重量に基づいて1
〜40重量%、好ましくは5〜30重量%の量で使用され
る。
前述のように、本発明の態様において、変性ポリマー
状ポリ酸無水物はポリマー状ポリ酸無水物とポリオール
との反応によって調製されてよい。出発ポリマー状ポリ
酸無水物は、ポリマー骨格に酸無水物結合を含有するこ
とを特徴とする。炭素原子3〜20個、好ましくは6〜12
個の炭素原子を含有するポリカルボン酸のポリ酸無水
物、例えばジカルボン酸が本明細書中有用である。それ
らの例としては、ポリ(アジピン酸無水物)、ポリ(ア
ゼライン酸無水物)、ポリ(セバシン酸無水物)、ポリ
(ドデカン二酸無水物)等、またはそれらの混合物が挙
げられる。本発明の態様においてポリ(ドデカン二酸無
水物)が好ましい。高官能性の酸、例えばクエン酸、酒
石酸等が好ましくは二酸と組み合わせて使用されてよ
い。
出発ポリオールは、2および好ましくは2以上のヒド
ロキシル基を含有してよい。本明細書中使用される典型
的なポリオールの例としては、トリメチロールプロパ
ン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等;樹脂状ポ
リオール、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリウレタンポリオール、セルロースア
セテートブチレート、ポリカプロラクトンポリオール等
が挙げられる。本発明の態様においてトリメチロールプ
ロパンが好ましい。ポリオールのほかにも他の酸無水物
反応性物質、例えばヒドロキシ酸、ヒドロキシアミン、
アミン、メルカプト化合物およびそれらの先駆体が用い
られてよい。
変性ポリマー状ポリ酸無水物の調製の過程において、
ヒドロキシル基の酸無水物基に対する当量比約0.1〜0.
9:1、好ましくは0.3〜0.6:1で、過剰のポリマー状酸無
水物をポリオールと反応させる(但し、酸無水物を一官
能価とみなす。)。
ポリマー状ポリ酸無水物とポリオールとの反応は約10
0〜140℃および典型的には約120〜130℃の範囲の温度で
行なわれてよい。反応時間は30分〜3時間、典型的には
2〜2.5時間であってよい。
得られた変性ポリマー状ポリ酸無水物は1分子当た
り、複数のカルボキシル基、ポリマー骨格の酸無水物結
合およびエステル基を有する。「複数のカルボキシル基
(plurality of carboxyl groups)」とは1分子当たり
少なくとも2個のカルボキシル基を意味する。本発明の
好ましい態様において、得られる変性ポリマー状ポリ酸
無水物は枝分れしている。枝分れは高官能性ポリオー
ル、例えばトリメチロールプロパンをポリマー状ポリ酸
無水物と反応させる時に生ずる。
得られる変性ポリマー状ポリ酸無水物はカルボキシル
基に対する比で約5〜0.04:1および好ましくは3〜1:1
の当量比の酸無水物基を含有する。
全酸基のエポキシド基に対する当量比は約1.5〜0.5:
1、好ましくは1.2〜0.7:1の範囲内である。酸当量はア
ルコールKOH滴定によって測定してよく、アルコールKOH
は個々の酸無水物を一官能性酸基として滴定する。
本発明は上記のように、ポリオール変性ポリ酸無水物
含有パウダー被覆組成物を包含する。さらに本発明は別
法によって調製される本明細書記載のポリオール変性ポ
リマー状ポリ酸無水物の構造のポリ酸無水物を含有する
パウダー被覆を包含する。
本発明によれば、パウダー被覆組成物は、焼き付け時
のパウダー被覆組成物の架橋速度を増加させるため、少
量の割合の触媒を含んでよい。焼き付け温度は通常約25
0〜350゜F(121〜177℃)の範囲であろう。好適な触媒
としては4級アンモニウム塩、4級ホスホニウム塩、ホ
スフィン、イミダゾールおよび金属塩が挙げられる。例
えばテトラブチルアンモニウムクロライド、ブロマイド
またはヨージド、エチルトリフェニルホスホニウムアセ
テート、オクタン酸第一錫、トリフェニルホスフィン、
2−メチルイミダゾールおよびジブチル錫ジラウレート
が挙げられる。触媒は樹脂固形分重量に基づいて5以
下、好ましくは約0.5〜3重量%の量で組成物中に好ま
しくは存在する。
パウダー被覆組成物に好適な色を与えるため、顔料を
被覆組成物全重量に基づいて典型的には約1〜50重量%
の量で被覆組成物中に含有させてよい。パウダー被覆組
成物にとって好適な顔料としては塩基性二酸化チタン、
ウルトラマリーンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、カーボンブラック、黒酸化鉄、ク
ロミウムグリーンオキシド、フェライトイエローおよび
キンドーレッドが挙げられる。
パウダー被覆組成物は、さらに典型的にパウダー被覆
組成物に混和されるある種の他の添加剤を含有してよ
い。特に勧められるものとしては、紫外線安定剤、焼き
付け時にフィルムから揮発物を逃げさせる抗ポッピング
剤(anti−popping agents)、仕上げのクレーター形
成を防ぐ流れ制御剤である。ベンゾインはたいへん好ま
しい抗ポッピング剤であり、それが使用される時、被覆
組成物の全重量に基づいて約0.5〜3重量%の範囲の量
で存在する。
好適な流れ制御剤の一つの群としては、アクリルポリ
マー、例えばポリラウリルアクリレート、ポリブチルア
クリレート、ポリ(2−エチルヘキシル)アクリレー
ト、ポリラウリルメタクリレートおよびポリイソデシル
メタクリレートが挙げられる。流れ制御剤はさらにフッ
ソ化ポリマー、例えばポリエチレングリコールまたはポ
リプロピレングリコールとフッソ化脂肪酸とのエステル
である。例えば分子量2,500以上のポリエチレングリコ
ールとパーフルオロオクタン酸とのエステルである。分
子量1,000以上のポリマー状シロキサンもまた流れ制御
剤として使用してよく、例えば、ポリ(ジメチルシロキ
サン)またはポリ(メチルフェニル)シロキサンがあ
る。
流れ制御剤が使用される時は被覆組成物の全重量に基
づいて0.05〜5重量%の量で存在する。
本発明のパウダー被覆組成物は強力WELEXミキサーの
ような高剪断ミキサーで被覆組成物の成分を混合し、そ
の後得られた混合物を約80〜130℃の温度で押出機で溶
融混合して調製されてよい。押出物はその後冷却され、
140〜200メッシュ篩を通るように混練される。パウダー
被覆組成物は金属、ガラス、プラスチックおよび他の基
材に直接塗布されてよい。
本発明のパウダー被覆は一般に室温で安定で、比較的
低温度でよい流動性で溶融し(低溶融粘度)、優れた外
観、耐久性および耐溶剤性をもつ硬化被膜を提供するこ
とが見出された。本発明のパウダー被覆はそれ自体、カ
ラー−プラス−クリヤー複層コーティング塗装における
クリヤーコートとして特に好適である。
パウダー被覆組成物は常套のパウダー被覆技術、例え
ば静電吹付、流動層被覆、潤滑スプレー(tribo spray
ing)または前処理した基材への無帯電塗装によって基
材に塗布されてよい。しかし、最もよい外観を与える静
電吹付が好ましい。
塗布後、被覆された基材は加熱し被膜を硬化させる。
加熱または硬化の操作は通常250〜350゜Fの範囲の温度
で行なわれるが、もし必要ならば必要な架橋機構を活性
化するのに十分なようにより低いか高い温度を用いても
よい。
本発明によればポリ酸無水物のポリオール変性は、ポ
リオールおよびポリ酸無水物および勿論パウダー被覆の
他の成分の性質によって、混和性、外観、可撓性、耐溶
剤性、収縮密度またはこれらの組み合せおよび他の望ま
しい特性のような領域における優れた特性を有するパウ
ダー被覆を提供する。本発明の知識から、これらの種々
の物質の選択は当業者の範囲内であろう。
本発明を次の実施例によりさらに詳細に説明するが、
これらに限定されない。
(実施例) 本実施例はポリエポキシドと本発明の実施において有
用な変性ポリ酸無水物の調製を説明する。
実施例A キシレンを適当な反応容器に装填し、加熱して還流し
ディーン−スタークトラップ(Dean−Stark trap)を
通して水を除去した。グリシジルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、ブチルアクリレートおよびスチレン
をいっしょに混合し、同時にVAZO−67と共に還流下、反
応温度を維持しながら反応容器に約3時間かけて加え
た。添加の完了後、反応混合物を2時間還流下に保持
し、続いて減圧して溶媒を取り除いた。得られた反応生
成物は固形分含量99.5%を有した(150℃,2時間で測定
して)。
実施例B 次の実施例で本発明の変性ポリ酸無水物の調製を説明
する。
適当に装備した反応容器内でチャージIを窒素雰囲気
下125℃まで加熱し、2時間その温度で保持した。得ら
れた混合物は125℃で減圧下におき、蒸留物が集まらな
くなるまで蒸留した。その後チャージIIを122℃で加
え、得られる発熱を130℃までとした。反応生成物を130
℃で1時間保持し、その後取り出した。
実施例B−1 次の実施例で本発明の変性ポリ酸無水物の調製を説明
する。
適当に装備した反応容器内でチャージIを窒素雰囲気
下125℃まで加熱し、2時間その温度で保持した。得ら
れた混合物は125℃で減圧下におき、蒸留物が集まらな
くなるまで蒸留した。その後チャージIIを125℃で加
え、得られる発熱を130℃までとした。反応生成物を134
℃で1時間保持し、その後取り出し、分析した:固形分
含量100%、分子量2,258であった。
実施例B−2 次の実施例でポリマー状ポリ酸無水物および本発明の
変性ポリ酸無水物の調製を説明する。ポリマー状ポリ酸
無水物は以下のように調製した: 適当に装備した反応容器内でチャージIを窒素雰囲気
下125℃まで加熱し、2時間その温度で保持した。得ら
れた混合物は125℃で減圧下におき、蒸留物が集まらな
くなるまで蒸留した。
変性ポリ酸無水物は以下のように調製した: チャージIIを125℃でチャージIに加え、得られる発
熱量を144℃までとした。反応生成物を125℃で約1.5時
間保持し、その後取り出して分析した:固形分含量99.7
%、酸価408.2および分子量3,853であった。
実施例B−3 次の実施例で本発明の変性ポリ酸無水物の調製を説明
する。
適当に装備した反応容器内でチャージIを窒素雰囲気
下125℃まで加熱し、2時間その温度で保持した。得ら
れた混合物は125℃で減圧下におき、100%固形分になる
まで蒸留した。その後チャージIIを125℃で加えその温
度で1.5時間保持した。反応生成物を減圧下におき残り
の酢酸を除去した。
実施例B−4 次の実施例で本発明の変性ポリ酸無水物の調製を説明
する。
適当に装備した反応容器内でチャージIを窒素雰囲気
下125℃まで加熱し、2時間その温度で保持した。その
後チャージIIを得られた生成物の720グラムへ加えた。
反応生成物を125℃で2時間保持し、その後100%固形分
になるまで減圧して除去した。
実施例B−5 次の実施例で本発明の変性ポリ酸無水物の調製を説明
する。
ポリ酸無水物を仕込み、窒素雰囲気下125℃にまで加
熱した。トリメチロールプロパンを125℃でそれに加
え、得られる発熱を141℃までとした。得られた混合物
は、125℃で約2時間保持し、その後、減圧下で残りの
酢酸を除去した。反応生成物を取り出した。
実施例1 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後110℃でベーカー・パーキンス(Baker Perkins)
二軸スクリュー押出機で混合溶融し、冷却ロールで20℃
で冷却し、はがした。その後ミクロミルで混練し、200
メッシュスクリーンを通して篩分けした。
得られたパウダー組成物を下塗りおよびベースコート
したスチールパネルに静電パウダースプレーガンを使用
して静電吹付した。付着後、パネルを20分間177℃に加
熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜は、2〜3ミルの
厚さで、スチールパネルへのよい接着性、よい衝撃強さ
を有した。被膜はさらに優れた外観および耐溶剤性およ
び促進紫外線試験によって測定されるようなよい耐久性
を有した。
実施例2 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後110℃でベーカー・パーキンス二軸スクリュー押出
機で混合溶融し、冷却ロールで20℃で冷却し、はがし
た。その後ミクロミルで混練し、200メッシュスクリー
ンを通して篩分けした。
得られたパウダー組成物を下塗りおよびベースコート
したスチールパネルに静電パウダースプレーガンを使用
して静電吹付した。付着後、パネルを20分間177℃に加
熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜は、2〜3ミルの
厚さで、スチールパネルへのよい接着性、よい衝撃強さ
を有した。被膜はさらに優れた外観、促進紫外線試験に
よって測定されるようなよい耐久性および耐溶剤性を有
した。
実施例3 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後110℃でベーカー・パーキンス二軸スクリュー押出
機で混合溶融し、冷却ロールで20℃で冷却し、はがし
た。その後ミクロミルで混練し、200メッシュスクリー
ンを通して篩分けした。
得られたパウダー組成物を下塗りおよびベースコート
したスチールパネルに静電パウダースプレーガンを使用
して静電吹付した。付着後、パネルを20分間177℃に加
熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜は、2〜3ミルの
厚さで、スチールパネルへのよい接着性、よい衝撃強さ
を有した。被膜はさらに優れた外観、耐久性(促進紫外
線試験によって測定される)および耐溶剤性を有した。
実施例4 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後130℃でベーカー・パーキンス二軸スクリュー押出
機で混合溶融し、冷却ロールで20℃で冷却し、はがした
(ロールへのわずかな粘着性があった。)。その後ミク
ロミルで混練し、200メッシュスクリーンを通して篩分
けした。
得られたパウダー被覆組成物を下塗りおよびベースコ
ートしたスチールパネルに静電パウダースプレーガンを
使用して静電吹付した。付着後、パネルを30分間325゜
F(163℃)に加熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜
は、2〜4ミルの厚さで、ベースコートへのよい接着性
を有した。被膜はさらに優れた外観を有した。
実施例5 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後130℃でベーカー・パーキンス二軸スクリュー押出
機で混合溶融し、冷却ロールで20℃で冷却し(わずかな
粘着があった。)、はがした。その後ミクロミルで混練
し、200メッシュスクリーンを通して篩分けした。
得られたパウダー被覆組成物を下塗りおよびベースコ
ートしたスチールパネルに静電パウダースプレーガンを
使用して静電吹付した。付着後、パネルを30分間325゜
F(163℃)に加熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜
は、2〜4ミルの厚さで、ベースコートへのよい接着性
を有した。被膜はさらに優れた外観を有した。
実施例6 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
成分を最初に約2分間WELEXミキサーで混合した。そ
の後130℃でベーカー・パーキンス二軸スクリュー押出
機で混合溶融し、冷却ロールで20℃で冷却し、はがし
た。その後ミクロミルで混練し、200メッシュスクリー
ンを通して篩分けした。
得られたパウダー被覆組成物を下塗りおよびベースコ
ートしたスチールパネルに静電パウダースプレーガンを
使用して静電吹付した。付着後、パネルを30分間325゜
F(163℃)に加熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜
は、2〜4ミルの厚さで、ベースコートへのよい接着性
を有した。被膜はさらに優れた外観を有した。
実施例7 本実施例は本発明のパウダー被覆の調製の説明であ
る。
実施例Aのエポキシ含有アクリルポリマーおよび変性
ポリ酸無水物をハンマーミル内で2,000回転/分で30秒
間前粉砕した。前粉砕した成分および上記の他の成分を
約2分間WELEXミキサーで混合し、その後130℃でベーカ
ー・パーキンス二軸スクリュー押出機で混合溶融し、冷
却ロールで20℃で冷却し、はがした。その後ミクロミル
で混練し、200メッシュスクリーンを通して篩分けし
た。
得られたパウダー組成物を下塗りおよびベースコート
したスチールパネルに静電パウダースプレーガンを使用
して静電吹付した。付着後、パネルを30分間325゜Fに
加熱した。硬い光沢のあるパネルの被膜は、2〜3ミル
の厚さで、よい接着性およびよい衝撃強さを有した。被
膜はさらに優れた外観および耐溶剤性を有した。
フロントページの続き (72)発明者 デブラ・リン・シンガー アメリカ合衆国 ペンシルベニア 15217、 ピッツバーグ、ワイトマン・ストリート 1114番 (72)発明者 ウイリアム・スタンリー・エウィング アメリカ合衆国 ペンシルベニア 15084、 タレンタム、ボックス 210エー、アール. デイー.3、ポプラー・ストリート 339 番 (56)参考文献 特開 昭52−148533(JP,A) 特開 昭57−18765(JP,A) 特開 昭54−53191(JP,A) 特開 昭54−55099(JP,A) 特開 昭57−164166(JP,A) 特開 昭57−192430(JP,A) 特公 昭50−9836(JP,B1)

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシ樹脂および硬化剤を含有する熱硬
    化性パウダー被覆組成物において、該エポキシ樹脂が少
    なくとも1個のエポキシ基を有するエチレン性不飽和モ
    ノマーとエポキシ基を有しないその他のエチレン性不飽
    和モノマーとのアクリルコポリマーであり、そして該硬
    化剤がポリマー骨格に酸無水物結合および複数の酸官能
    基を有し、そして実質的にハロゲン原子を有しないポリ
    オール変性ポリマー状ポリ酸無水物であることを特徴と
    する熱硬化性パウダー被覆組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ樹脂の数平均分子量が1000と20,0
    00の間である請求項1記載のパウダー被覆組成物。
  3. 【請求項3】コポリマーがグリシジルアクリレートまた
    はメタクリレートと少なくとも1つの他の共重合性エチ
    レン系不飽和モノマーとのコポリマーである請求項2記
    載のパウダー被覆組成物。
  4. 【請求項4】他の共重合性エチレン系不飽和モノマーが
    少なくとも一部分に、アルキル基に1〜20個の炭素原子
    を含有するアクリルまたはメタクリル酸のアルキルエス
    テルを包含する請求項3記載のパウダー被覆組成物。
  5. 【請求項5】グリシジルアクリレートまたはメタクリレ
    ートがエポキシ含有アクリルポリマーの調製に使用され
    るモノマーの5〜60%である請求項3記載のパウダー被
    覆組成物。
  6. 【請求項6】エポキシ基含有アクリルポリマーが樹脂固
    形分の全重量に基づいて10〜90重量%の量で存在する請
    求項1記載のパウダー被覆組成物。
  7. 【請求項7】ポリオール変性ポリマー状ポリ酸無水物が
    ポリマー状ポリ酸無水物とポリオールとの反応によって
    調製される請求項1のパウダー被覆組成物。
  8. 【請求項8】ポリマー状ポリ酸無水物がポリ(アジピン
    酸無水物)、ポリ(アゼライン酸無水物)、ポリ(セバ
    シン酸無水物)、ポリ(ドデカン二酸無水物)またはそ
    れらの混合物である請求項7記載のパウダー被覆組成
    物。
  9. 【請求項9】ポリマー状ポリ酸無水物がポリ(ドデカン
    二酸無水物)である請求項8記載のパウダー被覆組成
    物。
  10. 【請求項10】ポリオールがトリメチロールプロパン、
    ソルビトール、ペンタエリスリトール、ポリカプロラク
    トンポリオールおよびセルロースアセテートブチレート
    から成る群から選択される請求項7記載のパウダー被覆
    組成物。
  11. 【請求項11】ポリオールがトリメチロールプロパンで
    ある請求項10記載のパウダー被覆組成物。
  12. 【請求項12】ポリオール変性ポリマー状ポリ酸無水物
    が樹脂固形分の全重量に基づいて5〜50重量%の量で存
    在する請求項7記載のパウダー被覆組成物。
  13. 【請求項13】請求項1のパウダー被覆で被覆された基
    材から成る物品。
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