JPH0896844A - ナトリウム−硫黄電池 - Google Patents
ナトリウム−硫黄電池Info
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- JPH0896844A JPH0896844A JP6232956A JP23295694A JPH0896844A JP H0896844 A JPH0896844 A JP H0896844A JP 6232956 A JP6232956 A JP 6232956A JP 23295694 A JP23295694 A JP 23295694A JP H0896844 A JPH0896844 A JP H0896844A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】初期放電特性の優れたナトリウム−硫黄電池を
提供する。 【構成】正極容器と該正極容器内に配置された固体電解
質管1との間に形成される正極室10に、硫黄および/
または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材を有し、
かつこの電子伝導材と前記固体電解質管との間に、低電
子伝導性の物質が介在されているナトリウム−硫黄電池
において、前記正極室10の内部に、電池作動温度以下
で貫通状態となる被膜を有する多硫化ナトリウム体8を
設けるようになした。
提供する。 【構成】正極容器と該正極容器内に配置された固体電解
質管1との間に形成される正極室10に、硫黄および/
または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材を有し、
かつこの電子伝導材と前記固体電解質管との間に、低電
子伝導性の物質が介在されているナトリウム−硫黄電池
において、前記正極室10の内部に、電池作動温度以下
で貫通状態となる被膜を有する多硫化ナトリウム体8を
設けるようになした。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はナトリウム−硫黄電池の
改良に関するものである。
改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナトリウム−硫黄電池は、陰極活物質の
ナトリウムと、正極活物質の硫黄および多硫化ナトリウ
ムを電池内でβ−アルミナおよびβ”−アルミナのごと
きナトリウムイオン伝導性を有する固体電解質で分離し
て、300−350℃の温度で作動させる密封型の2次
電池である。
ナトリウムと、正極活物質の硫黄および多硫化ナトリウ
ムを電池内でβ−アルミナおよびβ”−アルミナのごと
きナトリウムイオン伝導性を有する固体電解質で分離し
て、300−350℃の温度で作動させる密封型の2次
電池である。
【0003】図2には、その従来一般に採用されている
ナトリウム−硫黄電池が断面で示されている。すなわ
ち、ナトリウム−硫黄電池は、上方部が開口した円筒形
の固体電解質管1の上端に絶縁体リング4が接合され、
固体電解質管の内部には金属ナトリウムを主体とする負
極室2が形成されている。
ナトリウム−硫黄電池が断面で示されている。すなわ
ち、ナトリウム−硫黄電池は、上方部が開口した円筒形
の固体電解質管1の上端に絶縁体リング4が接合され、
固体電解質管の内部には金属ナトリウムを主体とする負
極室2が形成されている。
【0004】また、固体電解質管1の外周側には、硫黄
および/または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材
3を配置した正極室が形成されている。なお、負極室を
形成している負極容器5と正極室を形成している正極容
器6とは、絶縁リング4を介して互いに密封結合されて
いる。この結合は、通常熱圧接合で行われている。
および/または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材
3を配置した正極室が形成されている。なお、負極室を
形成している負極容器5と正極室を形成している正極容
器6とは、絶縁リング4を介して互いに密封結合されて
いる。この結合は、通常熱圧接合で行われている。
【0005】また、正極室の正極活物質を含浸した電子
伝導材3と固体電解質1との間には、電池の充電深度を
向上させるために、耐硫黄および耐多硫化ナトリウムに
優れ、かつ電子伝導性の低い物質7が介在されている。
伝導材3と固体電解質1との間には、電池の充電深度を
向上させるために、耐硫黄および耐多硫化ナトリウムに
優れ、かつ電子伝導性の低い物質7が介在されている。
【0006】なお、これに関連するものとしては、特公
昭59−10539号公報が挙げられる。
昭59−10539号公報が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように形成された
ナトリウム−硫黄電池は、製造された時点でまず放電
し、次いで充電を行う運転方法が採られる。この充放電
を繰り返すことにより、固体電解質管の表面には電気抵
抗の高い硫黄が析出し、この硫黄析出のために充電が困
難となり、所望の初期充放電特性が得られないきらいが
あった。
ナトリウム−硫黄電池は、製造された時点でまず放電
し、次いで充電を行う運転方法が採られる。この充放電
を繰り返すことにより、固体電解質管の表面には電気抵
抗の高い硫黄が析出し、この硫黄析出のために充電が困
難となり、所望の初期充放電特性が得られないきらいが
あった。
【0008】本発明はこれに鑑みなされたもので、その
目的とするところは、初期放電特性の優れたナトリウム
−硫黄電池およびその製造方法を提供するにある。
目的とするところは、初期放電特性の優れたナトリウム
−硫黄電池およびその製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、正極
容器と該正極容器内に配置された固体電解質管との間に
形成される正極室に、硫黄および/または多硫化ナトリ
ウムを含浸した電子伝導材を有し、かつこの電子伝導材
と前記固体電解質管との間に、低電子伝導性の物質が介
在されているナトリウム−硫黄電池において、前記正極
室の内部に、電池作動温度以下で貫通状態となる被膜を
有する多硫化ナトリウム体を設けるようになし初期の目
的を達成するようにしたものである。
容器と該正極容器内に配置された固体電解質管との間に
形成される正極室に、硫黄および/または多硫化ナトリ
ウムを含浸した電子伝導材を有し、かつこの電子伝導材
と前記固体電解質管との間に、低電子伝導性の物質が介
在されているナトリウム−硫黄電池において、前記正極
室の内部に、電池作動温度以下で貫通状態となる被膜を
有する多硫化ナトリウム体を設けるようになし初期の目
的を達成するようにしたものである。
【0010】
【作用】すなわちこのように形成されたナトリウム−硫
黄電池であると、電池が作動する温度以下において多硫
化ナトリウムの保護膜は、溶融等により無くなり、正極
室内にイオン伝導性の高い多硫化ナトリウムが流出し、
そしてこの流出したイオン伝導性の高い多硫化ナトリウ
ムが電子伝導性の低い物質に浸透し、このため両極間の
放電抵抗が低くなり、すなわち放電が容易となり、した
がって初期放電特性の優れたナトリウム−硫黄電池とす
ることができるのである。
黄電池であると、電池が作動する温度以下において多硫
化ナトリウムの保護膜は、溶融等により無くなり、正極
室内にイオン伝導性の高い多硫化ナトリウムが流出し、
そしてこの流出したイオン伝導性の高い多硫化ナトリウ
ムが電子伝導性の低い物質に浸透し、このため両極間の
放電抵抗が低くなり、すなわち放電が容易となり、した
がって初期放電特性の優れたナトリウム−硫黄電池とす
ることができるのである。
【0011】
【実施例】以下図示した実施例に基づいて本発明を詳細
に説明する。なお、ここに示す実施例は、本発明を適用
した代表的な例を示したものであり、この実施例に限定
されるものではなく、また電池の構造もこれに限定され
るものではない。
に説明する。なお、ここに示す実施例は、本発明を適用
した代表的な例を示したものであり、この実施例に限定
されるものではなく、また電池の構造もこれに限定され
るものではない。
【0012】〔実施例1〕、図1には、本発明で提唱し
た構成の電池の1例が示されている。なお、前述した従
来のものと同一の部品には同一の符号を付したので、そ
の詳細説明は省略する。
た構成の電池の1例が示されている。なお、前述した従
来のものと同一の部品には同一の符号を付したので、そ
の詳細説明は省略する。
【0013】この実施例におけるナトリウム−硫黄電池
においては、電池製造時に、正極室9の内部に多硫化ナ
トリウム体8が設けられているのである。この場合、特
に、この多硫化ナトリウム体8は、内部に多硫化ナトリ
ウムを有し、かつその表面に、電池作動温度以下で溶融
および/または腐食崩壊する物質から成る保護膜を有し
て形成されているのである。
においては、電池製造時に、正極室9の内部に多硫化ナ
トリウム体8が設けられているのである。この場合、特
に、この多硫化ナトリウム体8は、内部に多硫化ナトリ
ウムを有し、かつその表面に、電池作動温度以下で溶融
および/または腐食崩壊する物質から成る保護膜を有し
て形成されているのである。
【0014】このように形成された多硫化ナトリウム体
8を有するナトリウム−硫黄電池であると、多硫化ナト
リウム体の保護膜は、電池が作動する温度以下において
溶融等により無くなり、正極室9内にイオン伝導性の高
い多硫化ナトリウムが流出し、そしてこの正極室9内に
流出した多硫化ナトリウムは、電子伝導性の低い物質7
に浸透する。
8を有するナトリウム−硫黄電池であると、多硫化ナト
リウム体の保護膜は、電池が作動する温度以下において
溶融等により無くなり、正極室9内にイオン伝導性の高
い多硫化ナトリウムが流出し、そしてこの正極室9内に
流出した多硫化ナトリウムは、電子伝導性の低い物質7
に浸透する。
【0015】多硫化ナトリウムが浸透した電子伝導性の
低い物質7は、これにより放電抵抗は低くなり、初期放
電が容易となるのである。またこの場合、固体電解質管
1の正極室面側を全て伝導性の低い物質7で完全に覆う
ようにすると、硫黄の析出による充電不良が発生せず電
池のサイクル特性が安定し良好である。
低い物質7は、これにより放電抵抗は低くなり、初期放
電が容易となるのである。またこの場合、固体電解質管
1の正極室面側を全て伝導性の低い物質7で完全に覆う
ようにすると、硫黄の析出による充電不良が発生せず電
池のサイクル特性が安定し良好である。
【0016】さらに電池組立てに際しては、吸湿性の多
硫化ナトリウムは、保護膜に覆われているために、吸湿
加水分解せず取扱が極めて容易であり、電池組立時にお
ける水分、不純物等の混入が防止され、電池特性のバラ
ツキも少なくなる。
硫化ナトリウムは、保護膜に覆われているために、吸湿
加水分解せず取扱が極めて容易であり、電池組立時にお
ける水分、不純物等の混入が防止され、電池特性のバラ
ツキも少なくなる。
【0017】図3には、この本発明の電池と図2に示し
た従来の電池の比較例が示されている。すなわち、この
比較例は、それぞれの電池を330℃まで昇温した後に
放電をした際の時間と電池電圧の関係を比較したもので
ある。
た従来の電池の比較例が示されている。すなわち、この
比較例は、それぞれの電池を330℃まで昇温した後に
放電をした際の時間と電池電圧の関係を比較したもので
ある。
【0018】この図から明らかなように、比較例の従来
型のナトリウム−硫黄電池では、放電抵抗が高いため
に、定格の電池電圧に達するまでに時間がかかるが、本
発明のナトリウム−硫黄電池は、前述したように多硫化
ナトリウムの浸透により放電抵抗が低減されるため放電
開始後まもなく定格で電池を運転できることが分かる。
型のナトリウム−硫黄電池では、放電抵抗が高いため
に、定格の電池電圧に達するまでに時間がかかるが、本
発明のナトリウム−硫黄電池は、前述したように多硫化
ナトリウムの浸透により放電抵抗が低減されるため放電
開始後まもなく定格で電池を運転できることが分かる。
【0019】〔実施例2〕、図4には、硫黄で被膜を形
成した多硫化ナトリウム体8を固体電解質1底部に配置
した場合の例が示されている。この場合であっても前述
した実施例と同様な作用をなし、同様な効果を秦する。
また、この場合多硫化ナトリウム体8を固体電解質1底
部に嵌合するように多硫化ナトリウム体8の中央部に例
えば円錐形状あるいは半球形状のくぼみを設けるように
すると、固体電解質1の位置を正極室の中心に保つこと
ができ良好である。
成した多硫化ナトリウム体8を固体電解質1底部に配置
した場合の例が示されている。この場合であっても前述
した実施例と同様な作用をなし、同様な効果を秦する。
また、この場合多硫化ナトリウム体8を固体電解質1底
部に嵌合するように多硫化ナトリウム体8の中央部に例
えば円錐形状あるいは半球形状のくぼみを設けるように
すると、固体電解質1の位置を正極室の中心に保つこと
ができ良好である。
【0020】従来のナトリウム−硫黄電池とこの図4に
示したナトリウム−硫黄電池を各10本ずつ製造後解体
し、正極管底部方向から固体電解質管1の中心位置を観
察した結果を表1に示す。固体電解質管1の底部に被膜
を形成した多硫化ナトリウム体8をこのように配置した
ことにより、固体電解質管1が正極容器の中心に設置さ
れていることが確認された。
示したナトリウム−硫黄電池を各10本ずつ製造後解体
し、正極管底部方向から固体電解質管1の中心位置を観
察した結果を表1に示す。固体電解質管1の底部に被膜
を形成した多硫化ナトリウム体8をこのように配置した
ことにより、固体電解質管1が正極容器の中心に設置さ
れていることが確認された。
【0021】
【表1】
【0022】図5に初期放電抵抗を低下させるために、
電子伝導性の低い物質7を約10%削除した電池と本発
明の電池の充放電サイクルによる容量変化を示す。電子
伝導性の低い物質7の1部を削除した電池は初期性能は
本発明と同じく放電抵抗が低いため容量変化は小さい
が、充放電サイクルを重ねると電子伝導性の低い物質7
を削除し固体電解質と正極活物質を含浸した電子伝導材
が直接接触している部分に電気抵抗の高い硫黄が析出す
るために、電池容量の低下が認められる。
電子伝導性の低い物質7を約10%削除した電池と本発
明の電池の充放電サイクルによる容量変化を示す。電子
伝導性の低い物質7の1部を削除した電池は初期性能は
本発明と同じく放電抵抗が低いため容量変化は小さい
が、充放電サイクルを重ねると電子伝導性の低い物質7
を削除し固体電解質と正極活物質を含浸した電子伝導材
が直接接触している部分に電気抵抗の高い硫黄が析出す
るために、電池容量の低下が認められる。
【0023】これに対して本発明の電池の場合は、固体
電解質管と正極活物質を含浸した電子伝導材が直接接触
している部分がないため、固体電解質表面に電気抵抗が
高い硫黄が析出することがなく、このために電池容量の
低下は認められない。
電解質管と正極活物質を含浸した電子伝導材が直接接触
している部分がないため、固体電解質表面に電気抵抗が
高い硫黄が析出することがなく、このために電池容量の
低下は認められない。
【0024】なお、保護被膜に鉄を用い、3分割したリ
ング形状の多硫化ナトリウム体8を正極室上部に設置し
たナトリウム−硫黄電池と初期放電抵抗を低下させるた
めに電子伝導性の低い物質7を約10%削除した従来の
ナトリウム−硫黄電池の充放電サイクルによる容量変化
を表2に示す。
ング形状の多硫化ナトリウム体8を正極室上部に設置し
たナトリウム−硫黄電池と初期放電抵抗を低下させるた
めに電子伝導性の低い物質7を約10%削除した従来の
ナトリウム−硫黄電池の充放電サイクルによる容量変化
を表2に示す。
【0025】電子伝導性の低い物質7の1部を削除した
ナトリウム−硫黄電池は、充放電サイクルを重ねると電
子伝導性の低い物質7を削除し固体電解質と正極活物質
を含浸した電子伝導材が直接接触している部分に電気抵
抗の高い硫黄が析出するために、電池容量の低下が認め
られる。
ナトリウム−硫黄電池は、充放電サイクルを重ねると電
子伝導性の低い物質7を削除し固体電解質と正極活物質
を含浸した電子伝導材が直接接触している部分に電気抵
抗の高い硫黄が析出するために、電池容量の低下が認め
られる。
【0026】それに対して本発明の電池は、固体電解質
管と正極活物質を含浸した電子伝導材が直接接触してい
る部分がないため、固体電解質表面に電気抵抗が高い硫
黄が析出することが無いため電池容量の低下は認められ
ない。実験の結果では、電池を降温後分解したところ、
被膜に用いた鉄は硫化物に変化していたが、電池の容量
低下に影響を及ぼさないことが確認されている。
管と正極活物質を含浸した電子伝導材が直接接触してい
る部分がないため、固体電解質表面に電気抵抗が高い硫
黄が析出することが無いため電池容量の低下は認められ
ない。実験の結果では、電池を降温後分解したところ、
被膜に用いた鉄は硫化物に変化していたが、電池の容量
低下に影響を及ぼさないことが確認されている。
【0027】
【表2】
【0028】以上のように本発明のナトリウム−硫黄電
池電池であると、正極室に電池作動温度以下で溶融およ
び/または腐食崩壊する物質から成る保護膜を形成した
多硫化ナトリウム体が配置されていることから、電池が
作動する温度以下に於いて保護膜が溶融等により無くな
るため、正極室に流出した多硫化ナトリウムが電子伝導
性の低い物質に浸透し、放電抵抗が低くなり初期特性が
向上させることができる。
池電池であると、正極室に電池作動温度以下で溶融およ
び/または腐食崩壊する物質から成る保護膜を形成した
多硫化ナトリウム体が配置されていることから、電池が
作動する温度以下に於いて保護膜が溶融等により無くな
るため、正極室に流出した多硫化ナトリウムが電子伝導
性の低い物質に浸透し、放電抵抗が低くなり初期特性が
向上させることができる。
【0029】また、固体電解質管の正極室面を全て電子
伝導性の低い物質で覆うことで、硫黄の析出による充電
不良が発生せず電池のサイクル特性が安定する。また、
多硫化ナトリウム体が保護膜を有しているために、加水
分解に対して敏感である多硫化ナトリウムの取扱が容易
であり、電池組立て時における水分、不純物等の混入が
防止され、電池特性のバラツキも少なくすることができ
る。
伝導性の低い物質で覆うことで、硫黄の析出による充電
不良が発生せず電池のサイクル特性が安定する。また、
多硫化ナトリウム体が保護膜を有しているために、加水
分解に対して敏感である多硫化ナトリウムの取扱が容易
であり、電池組立て時における水分、不純物等の混入が
防止され、電池特性のバラツキも少なくすることができ
る。
【0030】また、多硫化ナトリウム体を正極室底部に
固体電解質1底部が嵌合するように配置した場合、組立
時において固体電解質管1を正極管6の中心に設置する
ための治具としての役割を果たすことが可能である。さ
らに被膜は、組立後昇温すると電池の作動温度以下で溶
融および/または腐食崩壊する物質から成っているた
め、電池を降温しても如何なる応力および拘束力も発生
しない。
固体電解質1底部が嵌合するように配置した場合、組立
時において固体電解質管1を正極管6の中心に設置する
ための治具としての役割を果たすことが可能である。さ
らに被膜は、組立後昇温すると電池の作動温度以下で溶
融および/または腐食崩壊する物質から成っているた
め、電池を降温しても如何なる応力および拘束力も発生
しない。
【0031】
【発明の効果】以上説明してきたように本発明によれ
ば、ナトリウム−硫黄電池は、正極室に電池作動温度以
下で溶融および/または腐食崩壊する物質から成る保護
膜を形成した多硫化ナトリウム体を配置するようにした
から、電池が作動する温度以下に於いて保護膜が溶融等
により無くなるため、正極室に流出した多硫化ナトリウ
ムが電子伝導性の低い物質に浸透し、両極間の放電抵抗
が低くなり初期特性を向上させることのできるこの種ナ
トリウム−硫黄電池を得ることができる。
ば、ナトリウム−硫黄電池は、正極室に電池作動温度以
下で溶融および/または腐食崩壊する物質から成る保護
膜を形成した多硫化ナトリウム体を配置するようにした
から、電池が作動する温度以下に於いて保護膜が溶融等
により無くなるため、正極室に流出した多硫化ナトリウ
ムが電子伝導性の低い物質に浸透し、両極間の放電抵抗
が低くなり初期特性を向上させることのできるこの種ナ
トリウム−硫黄電池を得ることができる。
【図1】本発明のナトリウム−硫黄電池の一実施例を示
す縦断側面図である。
す縦断側面図である。
【図2】従来のナトリウム−硫黄電池を示す縦断側面図
である。
である。
【図3】従来のナトリウム−硫黄電池と本発明のナトリ
ウム−硫黄電池の放電特性の比較を示すグラフである。
ウム−硫黄電池の放電特性の比較を示すグラフである。
【図4】本発明のナトリウム−硫黄電池の他の実施例を
示す縦断側面図である。
示す縦断側面図である。
【図5】従来のナトリウム−硫黄電池と本発明のナトリ
ウム−硫黄電池のサイクル数に伴う容量変化の比較を示
すグラフである。
ウム−硫黄電池のサイクル数に伴う容量変化の比較を示
すグラフである。
1…固体電解質管、2…ナトリウムを主とする負極室、
3…硫黄および/または多硫化ナトリウムを含浸した電
子伝導材、4…絶縁リング、5…負極容器、6…正極容
器、7…電子伝導性の低い物質、8…多硫化ナトリウム
体。
3…硫黄および/または多硫化ナトリウムを含浸した電
子伝導材、4…絶縁リング、5…負極容器、6…正極容
器、7…電子伝導性の低い物質、8…多硫化ナトリウム
体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 康司 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 小池 清二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】 正極容器と該正極容器内に配置された固
体電解質管との間に形成される正極室に、硫黄および/
または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材を有し、
かつこの電子伝導材と前記固体電解質管との間に、低電
子伝導性の物質が介在されているナトリウム−硫黄電池
において、 前記正極室の内部に、電池作動温度以下で、貫通状態と
なる被膜を有する多硫化ナトリウム体を設けたことを特
徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項2】 正極容器と該正極容器内に配置された固
体電解質管との間に形成される正極室に、硫黄および/
または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材を有し、
かつこの電子伝導材と前記固体電解質管との間に、低電
子伝導性の物質が介在されているナトリウム−硫黄電池
において、 前記正極室の内部に、被膜を有する多硫化ナトリウム体
を配置するとともに、前記多硫化ナトリウム体の被膜
を、電池作動温度以下で、内部の多硫化ナトリウムが流
出するように形成したことを特徴とするナトリウム−硫
黄電池。 - 【請求項3】 前記被膜を有する多硫化ナトリウム体
を、前記正極室内の上部に配置してなる請求項1若しく
は2記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項4】 前記被膜を有する多硫化ナトリウム体
を、前記正極室の底部に配置してなる請求項1若しくは
2記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項5】 前記被膜を有する多硫化ナトリウム体
が、前記正極室に沿うリング状に形成されてなる請求項
1,2,3若しくは4記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項6】 正極集電体を兼ねる正極容器と固体電解
質管の間の正極室に硫黄および/または多硫化ナトリウ
ムを含浸した電子伝導材を配置し、前記固体電解質管と
電子伝導材の間に耐硫黄および多硫化ナトリウムに優れ
電子伝導性の低い物質を介在させて成るナトリウム−硫
黄電池において、 前記正極室内に、電池作動温度以下で溶融する被膜を有
する多硫化ナトリウム体を配置するようにしたことを特
徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項7】 前記電池作動温度以下で溶融する被膜
が、硫黄からなる請求項6記載のナトリウム−硫黄電
池。 - 【請求項8】 正極容器と固体電解質管の間の正極室に
硫黄および/または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝
導材を配置し、前記固体電解質と電子伝導材の間に耐硫
黄および多硫化ナトリウムに優れ電子伝導性の低い物質
を介在させて成る構造のナトリウム−硫黄電池におい
て、 前記正極室内に、電池作動温度以下で腐食崩壊する被膜
を有する多硫化ナトリウム体を配置するようにしたこと
を特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項9】 前記電池作動温度で腐食崩壊する被膜
が、鉄,銅,鉛,錫,鉛−錫合金,ニッケル,ニッケル
合金,鉄−マンガン合金のうち少なくとも1種類を含む
物質からなる請求項8記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項10】 正極容器と該正極容器内に配置された
固体電解質管との間に形成される正極室に、硫黄および
/または多硫化ナトリウムを含浸した電子伝導材を有
し、かつこの電子伝導材と前記固体電解質管との間に、
低電子伝導性の物質が介在されているナトリウム−硫黄
電池において、 前記正極室の底部に、電池作動温度以下で、貫通状態と
なる被膜を有する多硫化ナトリウム体を設けるととも
に、この多硫化ナトリウム体の上面にくぼみを設け、該
くぼみに前記固体電解質管の底部が嵌合するように形成
したことを特徴とするナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項11】 前記くぼみが円錐形状である請求項1
0記載のナトリウム−硫黄電池。 - 【請求項12】 前記くぼみが半球形状である請求項1
0記載のナトリウム−硫黄電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6232956A JPH0896844A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | ナトリウム−硫黄電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6232956A JPH0896844A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | ナトリウム−硫黄電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0896844A true JPH0896844A (ja) | 1996-04-12 |
Family
ID=16947506
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6232956A Pending JPH0896844A (ja) | 1994-09-28 | 1994-09-28 | ナトリウム−硫黄電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0896844A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017505980A (ja) * | 2014-02-07 | 2017-02-23 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 電気化学装置用の電極ユニット |
-
1994
- 1994-09-28 JP JP6232956A patent/JPH0896844A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017505980A (ja) * | 2014-02-07 | 2017-02-23 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se | 電気化学装置用の電極ユニット |
US10629959B2 (en) | 2014-02-07 | 2020-04-21 | Basf Se | Electrode unit for an electrochemical device |
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