JPH089671B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JPH089671B2
JPH089671B2 JP62255469A JP25546987A JPH089671B2 JP H089671 B2 JPH089671 B2 JP H089671B2 JP 62255469 A JP62255469 A JP 62255469A JP 25546987 A JP25546987 A JP 25546987A JP H089671 B2 JPH089671 B2 JP H089671B2
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彰二 中島
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はポリエステルフィルムに関するものである。
[従来の技術] ポリエステルフィルムとしては、ポリエステルに不活
性無機粒子を含有せしめたフィルムが知られている(例
えば、特開昭59−178224号公報)。
[発明が解決しようとする問題点] 高級な磁気記録媒体、特にテープでは、平滑なベース
フィルムの摩擦係数を小さくして、走行性を付与するた
めにバックコートするのが一般的である。しかし、最
近、テープのコストダウンをはかるため平滑なベースフ
ィルムを用いている高級テープでもバックコートをしな
い方向が検討されている。しかし、上記従来のポリエス
テルフィルムは高級テープとしての出力特性を得ようと
すると摩擦係数が大きくなり、走行性が不良となる欠点
があった。
本発明はかかる問題点を改善し、バックコートをしな
くても、摩擦係数と出力特性を両方できるフィルムを提
供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段] ポリエステルと不活性無機粒子からなる組成物を主た
る成分とするフィルムであって、該フィルムの少なくと
も片面のRp(中心線の深さ)が60〜190nm、RpとRa(中
心線平均表面粗さ)の比、Rp/Ra(単位はともにnm)が
4〜25の範囲であり、突起の平均間隔が20μm以下、か
つ、高さが30〜100nmの突起の尖頭度が0.08以上である
ことを特徴とするポリエステルフィルムとしたものであ
る。
本発明におけるポリエステルは、エチレンテレフタレ
ート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン2,6−ナ
フタレート単位から選ばれた少なくとも一種の構造単位
を主要構成成分とする。ただし、本発明を阻害しない範
囲内、好ましくは15モル%以内であれば他成分が共重合
されていてもよい。
本発明における不活性無機粒子は特に限定されない
が、平均粒径が0.08〜0.5μmの場合は結晶化促進係数
が10〜25℃、好ましくは、10〜20℃の場合に、平均粒径
が0.5〜1.5μmの場合は結晶化促進係数が0〜15℃、好
ましくは、0〜10℃の場合に摩擦係数、出力特性がより
一層良好となるので望ましい。本発明の無機粒子として
は、コロイダルシリカに起因する実質的に球形のシリ
カ、合成炭酸カルシウム、α−アルミナ、ルチル側の二
酸化チタン、サーマルタイプのカーボンブラックが望ま
しい。無機粒子の平均粒径は特に限定されないが、小径
粒子と大径粒子を組み合わせるのが摩擦係数、出力特性
がより一層良好となるので望ましい。小径粒子として
は、平均粒径0.15〜0.40μmのシリカ、カーボンブラッ
ク、0.3〜0.65μmの炭酸カルシウム、酸化チタンの場
合に摩擦係数、出力特性がより一層良好となるので望ま
しい。また、これらの平均粒径の粒子の粒径分布の標準
偏差が0.3以下である場合に、好ましくは0.1以下である
場合に摩擦係数、出力特性がより一層良好となるので望
ましい。また、大径粒子としては、平均粒径0.45〜0.8
μmのシリカ、0.7〜1.2μmの炭酸カルシウム、酸化チ
タンの場合に摩擦係数、出力特性がより一層良好となる
ので望ましい。
本発明の不活性無機粒子の含有量は0.3〜1.5重量%、
特に0.4〜1.0重量%の場合に本発明の平均突起間隔を得
るのに有効である。また、平均粒径の異なる粒子を組み
合わせる場合は、小径粒子の含有量が0.3〜0.8重量%、
大径粒子の含有量が0.01〜0.07重量%、特に0.02〜0.05
重量%の場合に本発明の平均突起間隔を得るのに有効で
ある。
本発明フィルムは内部析出粒子を併用しても良い。本
発明における内部析出粒子とは、ポリエステル重合時に
添加したカルシウム化合物、マグネシウム化合物、リチ
ウム化合物の少なくとも一種の化合物とポリエステル構
成成分とが結合して生成する粒子である。なお、本発明
の内部析出粒子には、本発明の目的を阻害しない範囲内
で、リン元素および微量の他の金属成分、たとえば、亜
鉛、コバルト、アンチモン、ゲルマニウム、チタンなど
が含まれていてもよい。
本発明フィルムは上記組成物を主要成分とするが、本
発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマをブレン
ドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、紫
外線吸収剤、核生成剤などの無機または有機添加剤が通
常添加される程度添加されていてもよい。
本発明フィルムは上記組成物を二軸配向せしめたフィ
ルムである。無配向あるいは、一軸配向フィルムでは、
摩擦係数が大きくなるので好ましくない。その配向の程
度を示す厚さ方向屈折率比は特に限定されないが、0.93
5〜0.975、好ましくは、0.940〜0.970の範囲である場合
が特に望ましい。
本発明フィルムは、少なくとも片面のRpが60〜190n
m、好ましくは70〜160nm、さらに好ましくは80〜150nm
であることが必要である。フィルムの両面とものRpが上
記の範囲より小さい場合は摩擦係数が大きくなるので、
好ましくない。逆に、大きい場合は出力特性が不良とな
るので好ましくない。また、両面とものRpが上記の範囲
である場合に出力特性がより一層良好となるので望まし
い。
ここで、Rpとは、中心線深さと呼ばれ、粗さ曲線から
基準長さだけ抜き取り、その抜き取り部分の最高の山頂
から中心線までの間隔のことである。
本発明フィルムは、少なくとも片面のRp/Ra比(単位
はともにnm)が4〜25、好ましくは6〜20、さらに好ま
しくは8〜15であることが必要である。フィルムの両面
とも、Rp/Ra比(単位はともにnm)が上記範囲より小さ
いと出力特性が不良となり、逆に大きいと摩擦係数が大
きくなるので好ましくない。ここで、Raとは、中心線平
均粗さのことである。
本発明フィルムは、少なくとも片面の突起の平均間隔
が20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましく
は12μm以下であることが必要である。両面の突起の平
均間隔が上記の範囲より大きい場合は摩擦係数が大きく
なるので好ましくない。突起の平均間隔の下限値は特に
限定されないが、1〜2μm程度が製造上の限界であ
る。
本発明フィルムは、少なくとも片面について、突起の
高さが30〜100nmの突起の尖頭度が0.08以上、好ましく
は0.10以上、さらに好ましくは0.11以上であることが必
要である。突起の尖頭度の上限値は特に限定されないが
0.3程度が製造上の限界である。上記突起尖頭度が上記
範囲より小さいと、摩擦係数が大きく不良となるので好
ましくない。
本発明フィルムの不活性無機粒子は、その結晶化促進
係数d△Tcg(℃)と少なくとも片面の表面平均粗さRp
(nm)の比、d△Tcg/Rpが0.05〜1.8の範囲である場合
に摩擦係数、出力特性がより一層良好となるので望まし
い。
本発明フィルムは、少なくとも片面の表面突起の有効
空間体積が、1×103〜1×105、好ましくは、5×103
〜1×105の範囲である場合に摩擦係数、出力特性がよ
り一層良好となるので望ましい。
本発明フィルムは、幅方向の屈折率が1.655〜1.700、
特に、1.675〜1.700の範囲の場合に、摩擦係数、出力特
性がより一層良好となるので望ましい。
本発明フィルムは、少なくとも片面の表面突起につい
て、突起高さの平均値が50〜120nm、特に60〜100nm、さ
らに60〜90nmの場合に摩擦係数、出力特性がより一層良
好となるので望ましい。
次に本発明フィルムの製造方法について説明する。
まず、所定のポリエステルに不活性粒子を含有せしめ
る方法としては、重合前、重合中、重合後のいずれに添
加してもよいが、ポリエステルのジオール成分であるエ
チレングリコールに、スラリーの形で混合、分散せしめ
て添加する方法が本発明のRp、Rp/Ra比を満足させるの
に有効である。また、粒子の含有量を調節する方法とし
ては、高濃度のマスターペレット、好ましくは1〜5重
量%の粒子濃度のマスターペレットを製膜時に稀釈する
方法がRp、Rp/Ra比を得るのに有効である。また、不活
性無機粒子の粒径分布の標準偏差を0.3以下、好ましく
は0.1以下にしておくことは、本発明のRp、Rp/Ra比を得
るのに有効である。また、エチレングリコールのスラリ
ーを140〜200℃、特に180〜200℃の濃度で30分〜5時
間、特に1〜3時間熱処理する方法、あるいは、粒子量
に対し0.5〜20重量%のリン酸アンモニウム塩を添加す
る方法は、本発明のRp、Rp/Ra比、突起尖頭度を得るの
に有効である。また、高濃度、好ましくは1〜5重量%
のマスターペレットの溶融粘度、共重合成分を調整し
て、ガラス転移点Tgと冷結晶化温度Tccとの差(Tcc−T
g)、△Tcgを65〜90℃、特に70〜85℃にしておくこと
が、本発明のRp、Rp/Ra比、突起尖頭度を得るのにきわ
めて有効である。この場合の共重合成分としてはイソフ
タル酸成分、シクロヘキサンジメチレングリコール成分
が好適である。
内部析出粒子の生成方法は次の方法が有効である。す
なわち、(1)所定のジカルボン酸とエチレングリコー
ルとの直接エステル化を経て重縮合する過程、あるい
は、(2)所定のジカルボン酸のジメチルエステルとエ
チレングリコールとのエステル交換反応を経て重縮合を
行なう過程において、グリコールに可溶性のカルシウム
化合物、マグネシウム化合物、マンガン化合物、リチウ
ム化合物の少なくとも一種と、好ましくは、リンの酸お
よび/またはエステル化合物を添加することによって生
成される。ここで使用しうるカルシウム、マグネシウ
ム、マンガン、リチウムの化合物としては、ハロゲン化
物、硝酸塩、硫酸塩などの無機酸塩、酢酸塩、シュウ酸
塩、安息香酸塩などの有機酸塩、水素化物および酸化物
などのグリコール可溶性の化合物がもっとも好ましく使
用されるが、二種以上併用してもよい。また、リン化合
物としてはリン酸塩、亜リン酸、ホスホン酸およびこれ
らのエステル類、部分エステル類の一種以上が用いられ
る。
かくして、不活性無機粒子を含有するペレットを十分
乾燥したのち、公知の溶融押出機に供給し、270〜330℃
でスリット状のダイからシート状に押出し、キャスティ
ングロール上で冷却固化せしめて未延伸フィルムを作
る。この場合、未延伸フィルムに押出し成形する時の、
口金スリット間隙/未延伸フィルム厚さの比を5〜30、
好ましくは8〜20の範囲にすることが、本発明のRp、Rp
/Ra比、突起尖頭度を得るのに有効である。
次にこの未延伸フィルムを二軸延伸し、二軸配向せし
める。延伸方法としては、逐次二軸延伸法または同時二
軸延伸法を用いることができる。ただし、最初に長手方
向、次に幅方向の延伸を行なう逐次二軸延伸法を用い、
長手方向の延伸を、3段階以上に分けて、総延伸倍率を
3.5〜4.5倍で行なう方法は本発明範囲のRp、Rp/Ra比、
突起尖頭度を得るのに有効である。延伸温度は(ポリマ
のガラス転移点−20℃)〜(ポリマのガラス転移点)の
範囲が本発明のRp、Rp/Ra比、突起尖頭度を得るのに有
効である。延伸速度は5000〜50000%/分の範囲が好適
である。幅方向の延伸方法としてはステンタを用いる方
法が一般的である。延伸倍率は、3.0〜5.0倍の範囲が好
適である。幅方向の延伸速度は、1000〜20000%/分の
範囲が好適である。次にこの延伸フィルムを熱処理す
る。この場合の熱処理温度は170〜220℃、時間は0.5〜6
0秒の範囲が適当である。さらに、熱処理時に幅方向に
1.02〜1.3倍、特に1.05〜1.2倍の延伸を行なうのが、本
発明範囲の突起間隔を得るのに有効である。
[作用] 本発明はフィルムの表面粗さパラメータを特定範囲と
したので、フィルムが他物体と接触した時の真の接触面
積を小さくできた結果、良好な出力特性を維持したまま
摩擦係数を小さくできたものと推定される。
[発明の効果] 本発明は、フィルムの表面粗さパラメータを、原料、
製膜方法の両面から工夫し、組み合わせることにより特
定範囲としたので、磁気テープとした時の走行性に必要
な摩擦係数と高いレベルの出力特性を両立できるフィル
ムが得られたものであり、表面粗さRaが5〜20nm、特に
5〜15nmの範囲の平滑なフィルムをバックコートせずに
用いるビデオテープ用に好適である。また、フィルムの
片面のみが本発明範囲の場合は、その面を磁気面の反対
面として用いた磁気テープとするのが好適である。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] 本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は次
の通りである。
(1) Ra、Rp、突起の平均間隔Sm 小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10を用いて
測定した。条件は下記のとおりであり、20回の平均値を
もって値とした。
・触針先端半径:0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定値 :1mm ・カットオフ値:0.08mm なお、Ra、Rp、突起の平均間隔Smの定義は、たとえ
ば、奈良治郎著「表面粗さの測定・評価法」(総合技術
センター、1983)に示されているものである。
(2) 粒子の平均粒径 フィルムからポリエステルをプラズマ灰化処理法ある
いはO−クロルフェノール溶解法で除去し、これをエタ
ノールに分酸させ、遠心沈降法(堀場製作所、CAPA500
使用)で測定した体積平均径である。
(3) 粒子の含有量 ポリエステル100gにO−クロルフェノール1.0リット
ルを加え120℃で3時間加熱した後、日立工機(株)製
超遠心機55P−72を用い、30,000rpmで40分間遠心分離を
行ない、得られた粒子を100℃で真空乾燥する。微粒子
を走査型差動熱量計にて測定した時、ポリマに相当する
溶解ピークが認められる場合には微粒子にO−クロルフ
ェノールを加え、加熱冷却後再び遠心分離操作を行な
う。溶解ピークが認められなくなった時、微粒子を析出
粒子とする。通常遠心分離操作は2回で足りる。かくし
て分離された粒子の全体重量に対する比率(重量%)を
もって含有量とする。
(4) ガラス転移点Tg、冷結晶化温度Tcc パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II型
を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りである。
すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、300℃の温度
で5分間溶解した後、液体窒素中に急冷する。この急冷
試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点Tgを検知する。
さらに昇温を続け、ガラス状態からの結晶化発熱ピーク
温度をもって冷結晶化温度Tccとした。ここでTccとTgの
差(Tcc−Tg)を△Tcgと定義する。
(5) 結晶化促進係数(単位は℃) 上記方法で不活性粒子を1重量%含有するポリエステ
ルの△Tcg(I)、およびこれから不活性粒子を除去し
た同粘度のポリエステルの△Tcg(II)を測定し、△Tcg
(II)と△Tcg(I)の差[△Tcg(II)−△Tcg
(I)]をもって、結晶化促進係数とした。
(6) 突起の有効空間体積 小坂研究所高精度薄膜段差測定機ET−10を用い、触針
先端半径0.5μm、カットオフ0.08mm、測定長1.0mm、縦
倍率20万倍、横倍率2000倍で、フィルムの表面粗さ曲線
を測定する。この粗さ曲線の平均線(中心線)の上側で
平行に0.005μmごとにピークカウントレベルを設け、
平均線を曲線が交叉する2点間において、上記のピーク
カウントレベルを1回以上交叉する点が存在するとき、
これを1ピークとし、このピーク数を測定長さ間におい
て求める。各ピークカウントレベルについて、このピー
ク数を求め平均線からn番目のピークカウントレベルに
ついて求めたピーク数をPC(n)と定義する。測定長さ
間でピーク数が始めてゼロになるピークカウントレベル
が平均線からm番目としたとき、有効空間堆積φは、 で表わされ、場所を変えて50回測定した平均値を用い
る。
(7) 屈折率 ナトリウムD線(589nm)を光源として、アッベ屈折
率計を用いて測定した。マウント液にはヨウ化メチレン
を用い、25℃、65%RHにて測定した。
(8) 突起の高さ、径、尖頭度 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリオ
ニクス(株)製]においてフィルム表面の平坦面の高さ
を0として走査した時の突起の高さ測定値を256階調の
グレー値として画像処理装置[IBAS2000、カールツァイ
ス(株)製]に送り、このグレー値をもとにIBAS2000上
にフィルム表面突起画像を再構築する。次に、この表面
突起画像で10階調以上のものを2値化して得られた個々
の突起の面積から円相当径を求めこれをその突起の平均
径とする。また、この2値化された個々の突起部分の中
で最も高い値をその突起の高さとし、突起の平均径に対
する高さの比を表面突起尖頭度として、個々の突起につ
いて求める。この測定を場所を変えて500回繰返し、測
定された全ての突起についての平均値を表面突起尖頭度
として用いた。また1階調の高さは、任意設定値Hを25
6で割った値であり、任意設定値Hは、通常測定するフ
ィルム表面のRa(単位:μm)に30を乗じた値を用い
る。また走査型電子顕微鏡の倍率は、2000〜8000倍の間
の値を選択し、フィルム表面のRaに応じて変更する。
(9) 摩擦係数 テープ走行性試験機TBT−300型((株)横浜システム
研究所製)を使用し、40℃、80%RHの雰囲気で7日間放
置したフィルムを、20℃、60%RHの雰囲気で走行させ、
初期のμK(摩擦係数)を下記の式より求めた(フィル
ム幅は1/2インチとした)。
μK=0.733log(T2/T1) ここで、T1は入側張力、T2は出側張力である。ガイド
径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2
S)、巻き付け角は180゜、走行速度は3.3cm/秒である。
フィルムの少なくとも片面の上記μKが0.25以下の場
合を摩擦係数:良好、両面ともが0.25を越える場合は摩
擦係数:不良と判定した。このμK値の0.25は、磁気テ
ープとした時の走行特性や、フイルムとしてのハンドリ
ング性を厳しく判定するための臨界点である。
(10) 出力特性(クロマS/N) フィルムに下記組成の磁性塗料をグラビアロールによ
り塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テ
ストカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロー
ル、5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cmでカレンダー
処理した後、70℃、48時間キュアリングする。上記テー
プ原反を1/2インチにスリットし、VTRカセットに組み込
みVTRテープとした。このテープに家庭用VTRを用いてシ
バソク製のテレビ試験波形発生器(TG7/U706)により10
0%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製
カラービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマS/Nを測
定した。
(磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄 :100 重量部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 :10 重量部 ・ポリウレタンエラストマ :10 重量部 ・ポリイソシアネート :5 重量部 ・レシチン :1 重量部 ・メチルエチルケトン :75 重量部 ・メチルイソブチルケトン :75 重量部 ・トルエン :75 重量部 ・カーボンブラック :2 重量部 ・ラウリン酸 :1.5重量部 [実施例] 本発明を実施例に基づいて説明する。
実施例1〜5、比較例1〜8 平均粒径の異なるいくつかの種類の無機粒子を1重量
%含有するエチレングリコールスラリーを調整した。こ
れらのエチレングリコールスラリーとテレフタル酸ジメ
チルとをエステル交換反応後、重縮合し、粒子を1重量
%含有するポリエチレンテレフタレートの粒子マスター
ペレットを作った。これらのマスターペレットの重合
度、共重合成分の比率を調節し、第1表に示したとおり
の粒子マスターペレットを作った。これらの粒子マスタ
ーペレットを第2表のように組み合わせて、実質的に無
機粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレ
ットと混合し所定の濃度に調整した。これらの混合ペレ
ットを180℃で3時間減圧乾燥(3Torr)した後、押出機
に供給し、300℃で溶融押出し、口金スリット間隙/未
延伸フィルム厚さの比を10として、静電印加キャスト法
を用いて表面温度30℃のキャスティング・ドラムに巻き
つけて冷却固化し、厚さ約180μmの未延伸フィルムを
作った。この未延伸フィルムを80℃にて長手方向に4.0
倍延伸した。この時、延伸の段数を種々変更して延伸し
た。なおこの延伸はロールの周速差で行ない、延伸速度
は20000%/分であった。この一軸延伸フィルムをステ
ンタを用いて幅方向に4.0倍延伸した。この時の温度
は、100℃、速度は5000%/分であった。さらに、幅方
向に1.05倍延伸しながら200℃にて5秒間熱処理し、厚
さ15μmの二軸配向フィルムを得た。これらのフィルム
の摩擦係数、出力特性は第2表に示したとおりであり、
各種表面パラメータが本発明の範囲内の場合は摩擦係
数、出力特性ともに優れたものであったが、そうでない
場合は摩擦係数、出力特性を両立するフィルムは得られ
なかった。なお、第2表における実験例では、フィルム
の表、裏で表面パラメータは同じであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエステルと不活性無機粒子からなる組
    成物を主たる成分とするフィルムであって、該フィルム
    の少なくとも片面のRp(中心線の深さ)が60〜190nm、R
    pとRa(中心線平均表面粗さ)の比、Rp/Ra(単位はとも
    にnm)が4〜25の範囲であり、突起の平均間隔が20μm
    以下、かつ、高さが30〜100nmの突起の尖頭度が0.08以
    上であることを特徴とするポリエステルフィルム。
JP62255469A 1987-10-08 1987-10-08 ポリエステルフィルム Expired - Lifetime JPH089671B2 (ja)

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JPS6372729A (ja) * 1986-09-16 1988-04-02 Teijin Ltd 二軸配向ポリエステルフイルム

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