JPH06325349A - 磁気記録テープ - Google Patents

磁気記録テープ

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Publication number
JPH06325349A
JPH06325349A JP13402593A JP13402593A JPH06325349A JP H06325349 A JPH06325349 A JP H06325349A JP 13402593 A JP13402593 A JP 13402593A JP 13402593 A JP13402593 A JP 13402593A JP H06325349 A JPH06325349 A JP H06325349A
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JP
Japan
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tape
film
magnetic recording
polyester
recording tape
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Pending
Application number
JP13402593A
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English (en)
Inventor
Shoji Nakajima
彰二 中島
Koichi Abe
晃一 阿部
Katsuya Okamoto
克哉 岡本
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルBを主成分とするフイルムの少
なくとも片面にポリエステルAを主成分とするフイルム
が積層された基材フイルムの片面に塗布型磁性層を設け
てなる磁気記録テープであって、磁性面と反対側の表面
の突起個数と該表面を形成する表層に含有される粒子の
個数との比である突起個数/粒子個数が5以上であり、
かつ、テープ層間摩擦が0.08〜0.28である磁気
記録テープ。 【効果】 耐久性の高い表面を得ることができるととも
に、リール巻き乱れのない定位置走行を確保でき、走行
耐久性、ダビング性、耐テープエッジダメージ性に優れ
た磁気記録テープを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフイルム
を基材とする磁気記録テープに関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録テープ用のフイルムとしては、
少なくとも片面の耐摩耗性が改良された二軸配向積層フ
イルムが知られている(例えば、特開平3−15012
7号公報)。また、磁気記録テープとしては、ポリエス
テルフイルムに塗布型磁性層を設けてなるテープがよく
知られている(例えば、特開昭60−66319号公
報)。
【0003】基材フイルム上に磁性層を設けた磁気記録
テープは、オーディオ、ビデオ用などに広く使用されて
いるが、特に、メタル塗布型磁性層を設けたメタルテー
プは、その優れた出力特性、周波数特性に注目され、高
密度磁気記録媒体、特に高密度ビデオテープとして重要
視されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の二軸配向積層フイルムは、走行性等改良の
ために形成される表面突起は、基本的に粒子含有に頼っ
ているため、延伸時に粒子周りにボイドが生成され、形
成される突起が脆弱なものとなり、したがって得られる
磁気記録テープ表面の耐久性にも限界があった。そのた
め、例えば、磁気記録媒体用途においてはテープとして
の高出力特性を得るために、フイルム表面はますます平
坦になり、テープをVTR走行させる際、シリンダ、ガ
イドピン等の摩擦係数が高く、テープ走行面が削られ白
粉が発生するという欠点があった。またフイルム表面を
粗くして摩擦係数を小さくするとテープ走行時に蛇行し
てテープの端面がガイドピンの鍔に強く当たることによ
る削れやテープ端部が折れることによるダメージを受け
るという欠点があった。さらに、高速磁界転写によるダ
ビング特性に関しても、一層の特性改良が望まれてい
る。
【0005】本発明は、このような欠点を解消するため
に、VTR繰り返し走行時に白粉が発生しない、すなわ
ち初期の摩擦係数に比べ繰り返し走行後の摩擦係数の上
昇が少ない(以下走行耐久性に優れるという)、かつダ
ビング性に優れ、しかもテープ走行時の蛇行が発生せず
テープエッジがダメージを受けない(以下耐テープエッ
ジダメージ性に優れるという)磁気記録テープを提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
磁気記録テープは、ポリエステルBを主成分とするフイ
ルムの少なくとも片面にポリエステルAを主成分とする
フイルムが積層された基材フイルムの片面に塗布型磁性
層を設けてなる磁気記録テープであって、磁性面と反対
側の表面の突起個数と該表面を形成する表層に含有され
る粒子の個数との比である突起個数/粒子個数(NR
が5以上であり、かつ、テープ層間摩擦が0.08〜
0.28であることを特徴とするものからなる。
【0007】すなわち、本発明の磁気記録テープにおい
ては、基材フイルム表面に形成された突起の個数とその
表層の含有粒子個数との比NR が5以上であり、表面突
起は、本質的に、粒子含有によって形成されるのではな
く、ポリエステルA自身の結晶化を利用して形成され
る。したがって、粒子を添加する場合のボイド発生の問
題は実質的に無くなり、破壊されにくい強度の高い突起
が形成される。その結果、最終的に得られる磁気記録テ
ープの表面についても、繰り返し走行させた場合にフイ
ルム表面突起の破壊や、削れ粉の発生がなく、摩擦係数
の上昇が小さい。したがって、優れた走行耐久性が得ら
れる。また、突起の高さが均一で緻密に形成されている
ため、高速ダビング後のクロマS/Nの低下が少なく、
優れたダビング性が得られる。NR が5未満であると、
含有粒子によって形成される突起の割合が多くなり、ボ
イド生成による破壊され易い突起の割合が増大するの
で、望ましい走行耐久性、ダビング性が得られない。
【0008】このように大部分あるいは全部の表面突起
が、ポリエステルAの結晶化を利用して形成されるが、
表面突起個数としては、5×103 個/mm2 以上とさ
れることが好ましい。このような個数以上にコントロー
ルすることにより、微細な破壊されにくい高強度の突起
がフイルム表面に均一にかつ高密度に形成されることに
なり、一層走行耐久性、ダビング性を向上することがで
きる。
【0009】また、本発明の磁気記録テープのテープ層
間摩擦(テープ層同士の摩擦係数)は、0.08〜0.
28の範囲とされる。このように、テープ層間摩擦を最
適範囲内にコントロールすることにより、VTR繰り返
し走行させた場合、リール巻き乱れ、蛇行が生ぜず、ガ
イドピンの鍔、シリンダーヘッドの溝にテープが乗り上
げることがなく定位置走行するため、テープ折れやワカ
メ状になる現象が起きない。したがって、耐テープエッ
ジダメージ性に優れたものとなる。
【0010】また、本発明の磁気記録テープにおいて
は、その幅方向における湾曲(カール)の量が1.0m
m以下に抑えられることが好ましい。このように湾曲量
を小さく抑えることにより、さらに耐テープエッジダメ
ージ性を向上することができる。
【0011】さらに、本発明の磁気記録テープにおいて
は、磁性面と反対側の表面における表面粗さRtとRp
との比、つまり表面粗さパラメータRt/Rpが1.5
以上であることが好ましい。前述の如くポリエステルA
の結晶化を利用して高強度の突起を形成することによ
り、フイルム表面の走行耐久性が改善され、磁気記録テ
ープとしてビデオデッキ内を繰り返し走行させた場合
の、ガイドピンに対する削れ量が大幅に低減される。同
時に、表面粗さパラメータRt/Rpを1.5以上とす
ることにより、たとえ削れ粉が発生した場合にも、削れ
粉をフイルム表面にトラップする効果(収納効果)を発
揮させることができるようになる。その結果、削れ粉が
ガイドピンに堆積してドロップアウト発生に至ることが
防止される。すなわち、本発明の磁気記録テープの基材
フイルムにおいては、削られにくい高強度の微細突起が
形成されるとともに、ドロップアウトの発生が抑制さ
れ、ダビング性も向上される。
【0012】前記のようなポリエステルAの結晶化を利
用した表面突起の形成は、次のように行われる。ポリエ
ステルAを主成分とする(二軸)配向フイルムを作製す
るに際し、未延伸フイルムの少なくとも片面に熱処理を
施し、その後に該未延伸フイルムを二軸延伸することに
よって、所望の表面突起が形成される。
【0013】未延伸フイルムに先ず熱処理を施すことに
より、未延伸フイルムのとくに表面の結晶化が進めら
れ、多数の微細な結晶が生成する。この未延伸フイルム
が少なくとも一方向、望ましくは二軸に延伸され、フイ
ルムが一軸又は二軸に配向されて目標とするフイルム自
身の強度が達成されるとともに、結晶とそうでない部分
の硬さの差によって、上記微細結晶に起因する均一な微
細表面突起が形成される。ここで、表面突起がポリエス
テルAの微細結晶からなるものが否かについては、対象
となる突起の下を、フイルム厚さ方向に適切な溶媒でエ
ッチングしていき、その突起を形成する起因物が不溶物
として残存する場合は、外部から添加された粒子、ある
いは、内部析出した粒子とする(I)。不溶物として残
存するものが実質的になかった場合は、その突起を形成
する起因物は微細結晶であると推定できる(II)。上
記の溶媒としては、例えば、フェノール/四塩化炭素
(重量比:6/4)の混合溶媒などが好ましく用いられ
る。この方法で視野を約1mm2 とした時のIの頻度、
IIの頻度を求め、II/(I+II)の値が、たとえ
ば70%以上である場合が好ましい。ただし、表面突起
がポリエステルAの微細結晶からなるものか否かの判定
法については、上記の方法に限定されるものではなく、
適切な方法を選択することができる。
【0014】本発明においては、ポリエステルAの種類
は特に限定されないが、結晶化パラメータΔTcgが8
0℃以下、好ましくは70℃以下、さらに好ましくは6
5℃以下、とくに好ましくは60℃以下であることが望
ましい。結晶化パラメータΔTcgが80℃よりも大き
いと、本発明で目標としている表面突起が得られにく
い。たとえ得られたとしても、テープ表面の走行耐久性
が劣る。
【0015】ポリエステルAとしては、上記のような条
件を満たす限り特に限定されないが、エチレンテレフタ
レート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフェノキ
シ)エタン−4,4′−ジカルボキシレート、エチレン
2,6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種
の構造単位を主要構成成分とする場合に特に好ましい。
中でもエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポ
リエステルの場合が特に好ましい。なお、本発明の目的
を阻害しない範囲内で、2種以上のポリエステルを混合
しても良いし、共重合ポリマを用いても良い。
【0016】本発明における基材フイルムは、ポリエス
テルBを主成分とするフイルムの少なくとも片面に上記
のようなポリエステルAを主成分とするフイルムが積層
された積層フイルムである。このポリエステルBの種類
は特に限定されない。ポリエステルBには、粒子が含有
されていないことが好ましいが、含有されていてもよ
い。
【0017】このような積層フイルムからなる基材フイ
ルムの片面に磁性層が設けられて磁気記録テープが作製
される。磁性層は、磁性粉を有機バインダーに分散せし
めた塗布型であることが必要である。実質的に有機バイ
ンダーを含有しない金属薄膜型では、ダビング性が不良
となるので好ましくない。磁性粉の種類は特に限定され
ないが、酸化物系、特に、γ−酸化鉄、Co−含有γ−
酸化鉄、二酸化クロムの場合、良好なダビング性、走行
耐久性が得られる。バインダーの種類は特に限定されな
いが、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブ
チラール、ポリウレタンが含有されている場合、良好な
ダビング性、走行耐久性が得られる。
【0018】次に、本発明の磁気記録テープの製造方法
の例について説明するが、これに限定されるものではな
い。本発明においては、磁気記録テープの基材フイルム
を作製するに際し、ポリエステルAの結晶化を利用して
所望の表面突起を形成するために、未延伸フイルムの少
なくとも片面に熱処理を施し、その後にたとえば二軸延
伸する。ここで未延伸フイルムとは、口金から押し出さ
れた直後の冷却固化される前の状態から、一軸方向にわ
ずかに微延伸(2倍程度まで)されたものまでを指す。
この熱処理の目的は、延伸前のフイルム表面を好ましい
結晶化度にまで結晶性を高めることであり、処理方法と
しては、押出し直後の温度の高いフイルムを徐冷する
ことにより結晶化させる方法、一旦冷却、固化したフ
イルムを再加熱して結晶化させる方法、一軸方向に微
延伸させた状態で加熱処理する方法、がある。
【0019】本発明の目的に沿う表面形態を得るために
は、の方法が好ましいが、又はの方法を用いて
も、適切な条件を採用することにより望ましい表面形態
を得ることができる。の熱処理方法については、特に
限定されないが、ロールに巻き付けた状態で熱処理する
方法、ロール/ロール間でラジエーションヒータを用い
て熱処理する方法、ステンタを用いて加熱する方法、な
どがある。処理条件としては、100〜250℃の温度
下で、0.5〜150秒熱処理することが望ましい。よ
り好ましくは、140〜250℃で1〜50秒、さらに
好ましくは155〜240℃で2〜10秒の熱処理条件
が、目標とする表面形態を、フイルムの製膜プロセス中
で効率良く得るために望ましい条件である。
【0020】本発明に係るポリエステルAとしては、好
ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)が用い
られる。このポリエステルAには、実質的に粒子が含有
されないことが望ましい。ポリエステルAの重合は、重
合触媒として三酸化アンチモン、また、ΔTcgを低下
させ、結晶核剤効果を高めるために、エステル交換触媒
としての金属化合物は酢酸塩を用いることが好ましい。
酢酸塩としては、特に限定されないが、マグネシウム化
合物を用いることが、本発明の目的を達成するためには
特に好ましい。また、PETの重合時に添加されるリン
化合物としては、ホスホン酸塩を用いることが好まし
い。但し、ポリエステルAの製造方法としては上記に何
等限定されるものではない。核剤効果を高めるために、
触媒添加量を増大することは、内部粒子の析出の原因と
なり、しかもヘイズが大きくなるために好ましくない。
【0021】ポリエステルAのペレットには、上述の如
く粒子が含有されていないことが好ましいが、必要に応
じて、本発明で規定したNR の範囲を満足できる範囲内
において、少量の粒子が含有されていてもよい。このよ
うな、ポリエステルAのペレットを、乾燥したのち、公
知の溶融押出機1に供給し、ポリエステルBからなるペ
レット(A、Bは同種、異種どちらでもよい)を押出機
2に供給し、2または3層のマニホールドまたは合流ブ
ロックを用いて、ポリエステルAをポリエステルBの少
なくとも片面に積層し、スリット状の口金から2または
3層のシートを押し出し、キャスティングロールで冷却
して未延伸フイルムを作る。この場合、合流断面が矩形
の合流ブロックを用いて積層する方法が、ポリエステル
A層の厚さをフイルム幅方向に均一にし、フイルムを延
伸破れなく、安定して製造するのに有効であり、テープ
とした時の出力特性、スキュー特性のフイルム幅方向の
バラツキを小さくするのに有効である。
【0022】次にこの未延伸フイルムに、前述の如き熱
処理を施した後、二軸延伸し、二軸配向せしめる。延伸
方法としては、逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法を
用いることができる。ただし、最初に長手方向、次に幅
方向の延伸を行う逐次二軸延伸法を用い、長手方向の延
伸を2段階以上に分けて、総縦延伸倍率を3.0〜4.
0倍で行う方法は延伸破れなく、本発明で目標とする表
面形態を得るのに有効である。長手方向延伸温度は、ポ
リエステルの種類によって異なり一概には言えないが、
通常、その1段目として50〜130℃の範囲が好適で
ある。長手方向延伸速度は、5000〜50000%/
分の範囲が好適である。幅方向の延伸方法としてはステ
ンタを用いる方法が一般的であり、延伸倍率は、3.0
〜5.0倍の範囲が適当である。幅方向の延伸速度は、
1000〜20000%/分、温度は80〜160℃の
範囲が好適である。また、一旦二軸延伸されたフイルム
を少なくとも一方向にさらに延伸してもよい。次にこの
延伸フイルムを熱処理する。この場合の熱処理温度は1
70〜200℃、特に170〜190℃、時間は0.5
〜60秒の範囲が好適である。
【0023】次に、このフイルムに所定の磁性層を塗布
する。磁性層を塗布する方法は公知の方法で行なうこと
ができ、塗布後の乾燥工程は、温度を90〜120℃と
するのが好ましい。この時、塗布・乾燥の工程張力を1
5kg/m、好ましくは10kg/m以下にすることが
熱収縮率を低く抑え、かつテープの幅方向湾曲量を小さ
く抑えるのに有効である。
【0024】また、カレンダー工程は、ポリアミドまた
はポリエステルを弾性ロールに用い、25〜90℃、特
に40〜70℃の温度範囲で行ない、またその時の工程
張力を13kg/m、好ましくは8kg/m以下にする
ことが熱収縮率を低く抑え、かつテープの幅方向湾曲量
を小さく抑えるのに有効である。さらに、このフイルム
の磁性層をキュアした後、その原反(広幅)を、巻いた
まま40〜90℃の温度範囲で24〜96時間加熱放置
することは、熱収縮率を低く抑え、かつテープの幅方向
湾曲量を小さく抑えるのに有効である。その後、所定の
テープ幅にスリットして本発明の磁気記録テープを得
る。
【0025】[物性の測定方法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法並びに効果の評価方法は
次の通りである。 (1)フイルム表面の突起個数 2検出器方式の走査型電子顕微鏡[ESM−3200、エリ
オニクス(株)製]と断面測定装置[PMS−1、エリ
オニクス(株)製]においてフイルム表面の平坦面の高
さを0として走査したときの突起の高さ測定値を画像処
理装置[IBAS2000、カールツァイス(株)製]に送
り、画像処理装置上にフイルム表面突起画像を再構築す
る。次に、この表面突起画像で突起部分を2値化して得
られた個々の突起部分の中で最も高い値をその突起の高
さとし、これを個々の突起について求める。この測定を
場所をかえて500回繰返し、20nm以上の高さのも
のを突起とし、突起個数を求めた。また走査型電子顕微
鏡の倍率は、1000〜8000倍の間を選択する。なお、場合
によっては、高精度光干渉式3次元表面解析装置(WY
KO社製TOPO−3D、対物レンズ:40〜200
倍、高解像度カメラ使用が有効)によって得られるピー
クカウントなどの個数情報を上記SEMの値に読み替え
て用いてもよい。また、突起を立体的に捉えるため、フ
イルムを82.5°傾けて、倍率1万〜50万倍で電子
顕微鏡(SEM)による写真を撮影し、100視野測定
を行なった平均値から突起数を1mm2 あたりに換算し
てもよい。
【0026】(2)表層に含有される粒子個数 本発明で表層とは、フイルム表面より、深さ3Dまでの
部分をいう。ここで、3Dとは、フイルム中に含有され
る粒子の平均粒径D×3を意味する。フイルム断面を透
過型電子顕微鏡(TEM)により観察し、表面より深さ
3Dまでの部分に存在する粒子個数を倍率3000〜100000
倍で500視野について観察し、1mm2 あたりに換算
した平均粒子個数を求める。
【0027】(3)フイルム中の粒子の平均粒径 フイルムからポリマをプラズマ低温灰化処理法で除去
し、粒子を露出させる。処理条件はポリマは灰化される
が粒子は極力ダメージを受けない条件を選択する。その
粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、粒子画像
をイメージアナライザーで処理する。SEMの倍率はお
よそ2000〜10000倍、また、1回の測定での視
野は1辺がおよそ10〜50μmから適宜選択する。観
察箇所をかえて粒子数5000個以上で、粒径とその体
積分率から、次式で体積平均径dを得る。 d=Σdi ・Nvi ここでdi は粒径、Nvi はその体積分率である。粒子
が有機粒子等で、プラズマ低温灰化処理法で大幅にダメ
ージを受ける場合には、以下の方法を用いてもよい。フ
イルム断面を透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、30
00〜100000倍で観察する。TEMの切片厚さは
約1000Åとし、場所を変えて500視野以上測定
し、上記の式から体積平均径dを求める。
【0028】(4)結晶化パラメータΔTcg パーキンエルマー社製のDSC(示差走査熱量計)II
型を用いて測定した。DSCの測定条件は次の通りであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、
300℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷
する。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移
点Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態から
の結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccと
した。TccとTgの差(Tcc−Tg)を結晶化パラ
メータΔTcgと定義する。
【0029】(5)表面粗さパラメータRt/Rp (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10
を用いて測定した。条件は下記のとおりであり、20回
の測定の平均値をもって値とした。 ・触針先端半径 :0.5μm ・触針荷重 :5mg ・測定長 :1mm ・カットオフ値 :0.08mm なお、Rp、Rtの定義はたとえば、奈良治郎著「表面
粗さの測定・評価法」(総合技術センター、1983)
に示されているものである。
【0030】(6)テープ幅方向の湾曲の量 ガラス板上に、長さ10mmのビデオテープ片を凹面を
下に向けて載置し、25℃、65%RH下で1時間放置
した後、ガラス板平面からテープ片までの最大距離を測
定し、これをミリメートル単位で表す。
【0031】(7)テープ層間摩擦(μk) 1/2インチのビデオテープをテープ走行性試験機SF
T−700型((株)横浜システム研究所製)を使用
し、25℃、65%RH雰囲気でガイドピン(ガラスピ
ン:Ra=5nm、径:60mmφ)に、テープ磁性面
を外側にして、張力200gで貼り付け、その上をテー
プ非磁性面が接する様にして走行させ、下記の式より求
めた。 μk=(2/π)ln(T2 /T1 ) ここでT1 は入側張力(50g)、T2 は出側張力であ
り、巻き付け角は90°、走行速度は3.3cm/秒で
ある。
【0032】(8)走行耐久性(Δμk) フイルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行性試験機SFT−700型((株)横浜
システム研究所製)を使用し、20℃、60%RH雰囲
気で走行させ、初期の摩擦係数μk1 と100回繰り返
し走行させた時の摩擦係数μk100 を下記の式より求め
た(フイルム幅は1/2インチとした)。 μk=2/πln(T2 /T1 ) Δμk=μk100 −μk1 ここで、T1 は入側張力、T2 は出側張力である。ガイ
ド径は6mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面
粗度0.2S)、巻き付け角は90°、走行速度は3.
3cm/秒である。この測定によって得られたΔμkが
0.05以下の場合は走行耐久性:良好、0.05を越
える場合は走行耐久性:不良と判定した。
【0033】(9)ダビング性 フイルムに下記組成の磁性塗料をグラビヤロールにより
塗布し、磁気配向させ、乾燥させる。さらに、小型テス
トカレンダー装置(スチールロール/ナイロンロール、
5段)で、温度:70℃、線圧:200kg/cm でカレン
ダー処理した後、70℃、48時間キュアリングする。
上記テープ原反を1/2インチにスリットし、長さ25
0mの長さをVTRカセットに組み込みVTRカセット
テープとした。 (磁性塗料の組成) ・Co含有酸化鉄(BET値50m2 /g) :100 重量部 ・エスレックA(積水化学製塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体) :10重量部 ・ニッポラン2304(日本ポリウレタン製ポリウレタンエラストマ):10重量部 ・コロネートL(日本ポリウレタン製ポリイソシアネ―ト) :5重量部 ・レシチン :1重量部 ・メチルエチルケトン :75重量部 ・メチルイソブチルケトン :75重量部 ・トルエン :75重量部 ・カーボンブラック :2重量部 ・ラウリン酸 :1.5 重量部 磁性層と基材フイルムの厚さ構成は特に限定されない
が、磁性層が1〜7μm、基材フイルムが5〜15μm
(ポリエステルA層:0.05〜3μm)の範囲とし
た。得られたテープに家庭用VTRを用いてシバソク製
のテレビ試験波形発生器(TG7/U706)により1
00%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク
製カラービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマ
S/Nを測定しAとした。また上記と同じ信号を記録し
たマスターテープのパンケーキを磁界転写方式のビデオ
ソフト高速プリントシステム(たとえばソニーマグネス
ケール(株)製のスプリンタ)を用いてAを測定したの
と同じ試料テープ(未記録)のパンケーキへダビングし
た後のテープのクロマS/Nを上記と同様にして測定
し、Bとした。このダビングによるクロマS/Nの低下
(A−B)が4dB未満の場合は耐ダビング性は良好、
4dB以上の場合は不良と判定した。
【0034】(10)耐テープエッジダメージ性 ビデオテープを家庭用VTRを用いて、25℃、65%
RHの環境下において、映像信号をテープ全長にわたっ
て記録し、その後300回再生と巻き戻しを繰り返す。
走行中(定期的)及び走行後にテープエッジ部を目視に
より観察して、テープ上端、下端共に、テープ折れや、
ワカメ状になる現象が全くない場合「良好」、テープ折
れかワカメ状になる現象が少しでも見受けられた場合
「不良」と判定した。
【0035】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて説明する。ポ
リエステルAとして、常法により重合したポリエチレン
テレフタレート(重合触媒:酢酸マグネシウム0.10
重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リン化合物
としてジメチルフェニルホスホネート0.35重量%を
用いた)を用いた(固有粘度:0.60、融点:258
℃、ΔTcg:51℃)。
【0036】また、ポリエステルBとして、酢酸マグネ
シウム0.06重量%、三酸化アンチモン0.008重
量%、トリメチルホスフェート0.02重量%を用い
て、常法により重合したポリエチレンテレフタレートを
用いた(固有粘度:0.62、融点:259℃、ΔTc
g:84℃)。
【0037】実施例1〜4、比較例1〜4 A/B2層構成又はA/B/A3層構成の積層フイルム
とした。ポリエステルA、Bのペレットをそれぞれ2台
の押出機に供給し、290℃で溶融し、2層又は3層用
の矩形の合流ブロック(フィードブロック)で、合流積
層した。ポリエステルA、Bのペレットを180℃で3
時間乾燥後、上述の如く押出機を用いて、290℃で溶
融押出しを行ない、静電印加キャスト法を用いて、表面
温度30℃のキャスティングドラム上に巻き付けて冷
却、固化し、未延伸フイルムを作った。ポリエステルA
層の粒子含有量は表1に示す通りである。この未延伸フ
イルムの、ドラムと接しない方の面について、公知のラ
ジエーションヒータを用いて、表1に示す条件で熱処理
を行なった。熱処理後フイルムを、温度90℃にて、長
手方向に3.0〜4.0倍延伸し、さらにステンタを用
いて、延伸速度2000%/分で、95℃で、幅方向に
3.0〜5.0倍延伸し、さらに定長下で210℃にて
5秒間熱処理を行ない、総厚さ15μmの二軸配向フイ
ルムを得た(A層厚さ:1.0〜2.5μm)。
【0038】
【表1】
【0039】得られた二軸配向フイルムに、所定の塗布
型磁性層を設けて磁気記録テープを作製し、各特性を評
価したところ表2に示す結果となった。表2に示すよう
に、本発明で特定した範囲内のテープは、走行耐久性、
ダビング性、耐テープエッジダメージ性の全てに優れた
ものであった。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の磁気記録テープによれば、磁性
面と反対側表面にポリエステルAの結晶化を利用して微
細な突起を均一に形成するとともに、テープ層間摩擦を
最適な範囲にコントロールしたので、耐久性の高い表面
を得ることができるとともに、リール巻き乱れのない定
位置走行を確保できるテープを実現でき、走行耐久性、
ダビング性、耐テープエッジダメージ性に優れた磁気記
録テープを得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルBを主成分とするフイルム
    の少なくとも片面にポリエステルAを主成分とするフイ
    ルムが積層された基材フイルムの片面に塗布型磁性層を
    設けてなる磁気記録テープであって、磁性面と反対側の
    表面の突起個数と該表面を形成する表層に含有される粒
    子の個数との比である突起個数/粒子個数(NR )が5
    以上であり、かつ、テープ層間摩擦が0.08〜0.2
    8であることを特徴とする磁気記録テープ。
  2. 【請求項2】 前記ポリエステルAの結晶化パラメータ
    ΔTcgが80℃以下であり、かつポリエステルBの結
    晶化パラメータΔTcgよりも小さい請求項1の磁気記
    録テープ。
  3. 【請求項3】 前記ポリエステルAの結晶化パラメータ
    ΔTcgが70℃以下であり、かつポリエステルBの結
    晶化パラメータΔTcgよりも小さい請求項2の磁気記
    録テープ。
  4. 【請求項4】 磁性面と反対側の表面における表面粗さ
    RtとRpとの比Rt/Rpが1.5以上である請求項
    1ないし3のいずれかに記載の磁気記録テープ。
  5. 【請求項5】 幅方向の湾曲の量が1.0mm以下であ
    る請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気記録テー
    プ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11443767B2 (en) 2018-02-16 2022-09-13 Sony Corporation Magnetic recording tape having magnetic layer indentations and manufacturing method thereof, and magnetic recording tape cartridge

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