JPH0894916A - 焦点検出装置 - Google Patents

焦点検出装置

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JPH0894916A
JPH0894916A JP6233152A JP23315294A JPH0894916A JP H0894916 A JPH0894916 A JP H0894916A JP 6233152 A JP6233152 A JP 6233152A JP 23315294 A JP23315294 A JP 23315294A JP H0894916 A JPH0894916 A JP H0894916A
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JP
Japan
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pair
focus detection
photoelectric conversion
calculation
conversion element
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Application number
JP6233152A
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English (en)
Inventor
Shigeyuki Uchiyama
重之 内山
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Priority to US08/497,171 priority patent/US5612763A/en
Publication of JPH0894916A publication Critical patent/JPH0894916A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Focusing (AREA)
  • Automatic Focus Adjustment (AREA)
  • Measurement Of Optical Distance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 信頼性の高いデフォーカス量を安定に検出す
る。 【構成】 光電変換素子列から出力される信号列に基づ
いて光電変換素子列上に焦点検出演算範囲を設定3b
し、この演算範囲に対応する出力信号列のコントラスト
分布を検出する。そのコントラスト分布と、光電変換素
子列上の複数の光電変換素子のそれぞれに予め設定され
た係数とに基づいて前記演算範囲の変換係数3Cを決定
し、その演算範囲に対応する一対の出力信号列の相対的
なずれ量を算出し、このずれ量を前記変換係数により撮
影レンズ100のデフォーカス量に変換する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラやビデオなどの
撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】カメラやビデオなどに用いられる位相差
検出方式の焦点検出装置が知られており、図14にその
概要を示す。撮影レンズ100の領域101から入射し
た光束は視野マスク200、フィールドレンズ300、
絞り開口部401および再結像レンズ501を通り、入
射強度に応じた出力を発生する複数の光電変換素子を一
次元状に並べたイメージセンサーアレイA上に結像す
る。同様に、撮影レンズ100の領域102から入射し
た光束は視野マスク200、フィールドレンズ300、
絞り開口部402および再結像レンズ502を通り、イ
メージセンサーアレイB上に結像する。これらイメージ
センサーアレイA列、B列上に結像した一対の被写体像
は、撮影レンズ100が予定焦点面よりも前に被写体の
鮮鋭像を結ぶいわゆる前ピン状態では互いに遠ざかり、
逆に予定焦点面よりも後ろに被写体の鮮鋭像を結ぶいわ
ゆる後ピン状態では互いに近づき、ちょうど予定焦点面
に被写体の鮮鋭像を結ぶいわゆる合焦時にはイメージセ
ンサーアレイA列、B列上の被写体像は相対的に一致す
る。したがって、この一対の被写体像をイメージセンサ
ーアレイA列、B列により光電変換して電気信号に変
え、これらの信号を演算処理して一対の被写体像の相対
的な位置ずれ量を求めることにより、撮影レンズ100
の焦点調節状態、ここでは合焦状態から離れている量と
その方向(以後、デフォーカス量と略す)が分かる。そ
してイメージセンサーアレイA列、B列の再結像レンズ
501、502による投影像は予定焦点面近傍で重なる
ことになり、図13に示すように撮影画面における中央
部の領域とするのが一般的であり、この領域が焦点検出
領域となる。
【0003】ここで、デフォーカス量を求める演算処理
方法について述べる。イメージセンサーアレイA列、B
列はそれぞれ複数の光電変換素子からなっており、複数
の出力信号列a[1],...,a[n]、b
[1],...b[n]を出力する(図15(a)、
(b)参照)。そして、この一対の出力信号列の内の所
定範囲のデータを相対的に所定のデータ分Lずつシフト
しながら相関演算を行う。最大シフト数をlmaxとす
るとLの範囲は−lmaxからlmaxとなる。具体的
には相関量C[L]を数式1で算出する。
【数1】C[L]=Σ|a[i+L]−b[i]|, L=-lmax,...,-2,-1,0,1,2,...,lmax, ここで、Σはi=k〜rの総和演算を表わす。数式1に
おいてLは上述のごとくデータ列のシフト量に当たる整
数である。初項kと最終項rは例えば数式2に示すよう
に、シフト量Lに依存して変化させる。
【数2】 L≧0の時 k=k0+INT{−L/2} r=r0+INT{−L/2} L<0の時 k=k0+INT{(−L+1)/2} r=r0+INT{(−L+1)/2} ここで、k0、r0はシフト量Lが0の時の初項と最終
項である。この数式2によって初項kと最終項rを変化
させた時の、数式1におけるA列信号とB列信号との差
分の絶対値を算出する信号の組み合わせと、それらの差
分の絶対値を加算する演算範囲とを図16に示す。この
ように、シフト量Lの変化にともなってA列、B列の相
関演算に使用する範囲が互いに逆方向にずれていく。初
項kと最終項rをシフト量Lにかかわらず一定とする方
法もあり、この場合は、一方の列の相関演算に使用する
範囲は常に一定となり、他方の列のみがずれる。そし
て、相対的な位置ずれ量は一対のデータが一致したとき
のシフト量Lとなるので、こうして得られた相関量C
[L]の中で極小値となる相関量を与えるシフト量を検
出し、これに図14に示す光学系及び、イメージセンサ
ーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって定まる定数
を掛けたものがデフォーカス量となる。よって、最大シ
フト数lmaxが大きいほど大きなデフォーカス量でも
検出できることになる。
【0004】ところで、相関量C[L]は図15(c)
に示すように離散的な値であり、検出可能なデフォーカ
ス量の最小単位はイメージセンサーアレイA列、B列の
光電変換素子のピッチ幅によって制限されてしまう。そ
こで、離散的な相関量C[L]に基づいて補間演算を行
うことにより、新たに真の極小値Cexを算出し、綿密
な焦点検出を行う方法が本出願人により特開昭60−3
7513号公報に開示されている。これは、図17に示
すように、極小値である相関量C[l]と、その両側の
シフト量における相関量C[l+1]、C[l−1]を
用いて、真の極小値Cexとこれを与えるずれ量Lsを
数式3、数式4により算出するものである。
【数3】DL=(C[l−1]−C[l+1])/2 Cex=C[l]−|DL| E=MAX{C[l+1]−C[l],C[l−1]−
C[l]}
【数4】Ls=l+DL/E 数式3においてMAX{Ca,Cb}はCaとCbの内
の大なる方を選択することを意味する。そしてデフォー
カス量DFは前記ずれ量Lsから数式5によって算出さ
れる。
【数5】DF=Kf×Ls 数式5において、Kfは、図14に示す光学系及びイメ
ージセンサーアレイの光電変換素子のピッチ幅によって
定まる定数であり、以下ではKファクターと呼ぶ。
【0005】このようして算出されたデフォーカス量が
真のデフォーカス量を示すのか、ノイズなどによる相関
量の揺らぎによる見掛け上のデフォーカス量なのかを判
定する必要がある。そこで、数式6に示す条件を満たす
場合に算出されたデフォーカス量を信頼できるデフォー
カス量であるとする。
【数6】E>E1 & Cex/E<G1, ここで、E1、G1は所定のしきい値である。数値Eは
相関量の変化の様子を示し、数式3および数式4の演算
に寄与した情報量であって被写体のコントラストに依存
する値であり、値が大きいほどコントラストが高く信頼
性が高いことになる。以後、この明細書では数値Eを情
報量と呼ぶ。Cexは一対のデータが最も一致したとき
の差分であり本来は0となる。しかしながら、ノイズの
影響、さらに領域101と領域102とで視差が生じて
いるために、一対の被写体像に微妙な差が生じ、Cex
が0にならない。これらのノイズや被写体像の差の影響
は被写体のコントラストが高いほど小さいため、一対の
データの一致度を表す数値としてCex/Eを用いてい
る。当然ながら、Cex/Eが0に近いほど一対のデー
タの一致度が高く信頼性が高いことになる。なお、情報
量Eの代わりに一対のデータの一方に関するコントラス
トを算出し、これを用いて信頼性判定を行う場合もあ
る。そして、信頼性ありと判定されると、デフォーカス
量DFに基づく撮影レンズ100の駆動や表示を行う。
なお以下では、上述した数式1〜6による相関演算、補
間演算、条件判定をまとめて焦点検出演算と呼ぶ。
【0006】また、通常、焦点検出光学系およびイメー
ジセンサーは、撮影レンズ100が合焦状態にあり且つ
シフト量Lがほぼ0の場合に、一対のデータが一致する
ように構成される。したがって、撮影レンズが合焦した
時に、被写体像がイメージセンサーアレイA列、B列の
シフト量L=0における初項k0から最終項r0の範囲
に形成されていなければ、その被写体に撮影レンズ10
0を合焦させることができない。つまり、焦点検出を行
う領域は初項k0と最終項r0によって決定される。以
下では、シフト量L=0における初項k0と最終項r0
の間のデータ範囲を演算範囲と呼ぶ。撮影画面上の演算
範囲に相当する領域内に被写体があればその被写体に対
する焦点検出を行うことになるので、その領域が焦点検
出領域となる。この焦点検出領域は、図13に示すよう
に、カメラのファインダースクリーンの中央に実線で示
される焦点検出枠として表示されており、撮影者はこの
検出枠に被写体を捕捉することによって所望の被写体に
撮影レンズを合焦させることができる。
【0007】ところで、このような焦点検出装置におい
て、距離の異なる複数の被写体がイメージセンサーアレ
イ上に結像した場合には、一対の出力信号のズレ量がセ
ンサーの位置によって異なるために、一対の出力信号が
一致するようなシフト量が存在しない。その結果、上記
Cexが大きな値になってCex/Eが数式6の条件を
満たさず、焦点検出不能となる場合がある。そこで、一
対のイメージセンサーアレイをそれぞれ複数のブロック
に分割することにより焦点検出領域を細分化し、それぞ
れのブロックについて焦点検出演算を行ってデフォーカ
ス量Dfを算出し、複数のブロックの中で、たとえばデ
フォーカス量が最至近を示すブロックや情報量Eが最大
のブロックを選択し、そのブロックのデフォーカス量を
撮影レンズの焦点調節状態とし、そのデフォーカス量に
基づく撮影レンズの駆動や表示を行う方法が特開昭60
−262004号公報に開示されている。一対のイメー
ジセンサーアレイを複数のブロックに分割するには、上
述した数式1の相関演算において、シフト量L=0にお
ける初項k0と最終項r0の組を複数組形成する。例え
ば、図12(a)に示ように、それぞれが46データか
らなる一対のイメージセンサーアレイをそれぞれが8デ
ータから成る5個のブロックに分割するには、ブロック
1ではk0=4、r0=11として数式1〜6の焦点検
出演算によりデフォーカス量DFを算出する。同様に、
ブロック2、3、4、5ではそれぞれ(k0=12,r
0=19)、(k0=20,r0=27)、(k0=2
8,r0=35)、(k0=36,r0=43)と設定
して、数式1〜6の焦点検出演算を行い各ブロックのデ
フォーカス量を算出する。また、図12(b)に示よう
に、同じ一対のイメージセンサーアレイにおいてブロッ
ク1では(k0=3,r0=16)、ブロック2では
(k0=17,r0=30)、ブロック3では(k0=
31,r0=44)とすることにより、14データから
成る3個のブロックに分割され、図12(a)の場合よ
りも広いブロックを形成することができる。このよう
に、ブロック分割を行う際にブロックの境界位置を固定
とすると、ブロックの境界に被写体のコントラストが存
在して焦点検出不能となる、あるいは不安定な演算結果
が得られる場合があるので、特開平2−135311号
公報では、ブロック境界近傍について隣接するデータの
差の絶対値を算出し、差の絶対値が最小となる部分がブ
ロックの境界となるように、境界位置を移動するという
方法を開示している。
【0008】以上の説明では、イメージセンサーアレイ
A列、B列の出力信号列a[1],...,a[n]、
b[1],...,b[n]そのものを焦点検出演算に
用いている。しかしながら、被写体のナイキスト周波数
より高い周波数成分や、A列とB列の出力のアンバラン
スの影響で正しい焦点検出ができないことがある。そこ
で、出力信号列に対してフィルター演算処理を施し、フ
ィルター処理データを用いて焦点検出演算を行う方法が
特開昭61−245123号公報などに開示されてい
る。例えば、ナイキスト周波数以上の高周波成分を除去
するフィルター処理演算は数式7によって実現され、A
列、B列の出力信号列a[1],...,a[n]、b
[1],...,b[n]から高周波除去フィルター処
理データPa[1],...,Pa[n−2]、Pb
[1],...,Pb[n−2]を得る。
【数7】 Pa[i]=(a[i]+2×a[i+1]+a[i+2])/4, Pb[i]=(b[i]+2×b[i+1]+b[i+2])/4, i=1〜n−2 こうして得られたフィルター処理データPa
[1],...,Pa[n−2]、Pb
[1],...,Pb[n−2]に対して、例えば数式
8によってA列とB列の出力のアンバランスの影響を除
去するフィルター処理演算を施し、DCカットフィルタ
ー処理データFa[1],...,Fa[n−2−2
s]、Fb[1],...,Fb[n−2−2s]を得
る。
【数8】 Fa[i]=−Pa[i]+2×Pa[i+s]−Pa[i+2s], Fb[i]=−Pb[i]+2×Pb[i+s]−Pb[i+2s], i=1〜n−2−2s
【0009】数式8において、sは1から10程度の整
数であり、数値が大きいほど被写体パターンに含まれる
低周波数成分を抽出し、数値が小さいほど被写体パター
ンに含まれる高周波数成分を抽出する。また、フィルタ
ー処理結果のデータの数はsが大きいほど減少する。合
焦状態付近では被写体像は高周波数成分を多く含むので
sが比較的小さい方が好ましく、非合焦状態では被写体
像はぼけて低周波数成分のみとなるのでsが大きい方が
好ましい。sが小さい場合は低周波数成分はほとんど除
去されてしまうので、デフォーカス量が大きくて高周波
数成分がない場合は焦点検出不能となる。したがってこ
の場合には、数式1における最大シフト数lmaxをあ
まり大きくしても意味がなく、比較的小さな値でよい。
逆に、sが大きい場合には低周波数成分を抽出するため
にデフォーカス量が大きくても検出可能であるので、l
maxは比較的大きな値を設定する。また、sの値が比
較的大きい場合に、数式8により算出されたDCカット
フィルター処理データFa[i]、Fb[i]からそれ
ぞれ1つおきにデータを間引いてデータ数を半分にする
ことがある。こうすると1つのデータで2素子分の幅を
持つことになるので、同じ焦点検出領域に対して間引か
ない場合に比較して演算範囲が半分になり、演算時間が
短くてすむ。また、間引いた場合のシフト量1は間引か
ない場合のシフト量2に相当するので、最大シフト数を
半分としても同じ大きさのデフォーカス量を検出でき
る。
【0010】図18は、低周波数成分のみから成る被写
体のイメージセンサーの出力信号(a)と、その出力信
号に対するs=2のフィルター処理データ(b)と、s
=8のフィルター処理データ(c)とを示す。なお、撮
影レンズが合焦状態にあって、A列の出力信号列とB列
の出力信号列とが重なっているものとする。低周波数成
分のみから成る被写体パターンに対しては、s=2のフ
ィルター処理データはほとんどコントラストが無く平ら
であり、s=8になるとコントラストが十分になり、信
頼性のあるデフォーカス量を得ることができる。(c)
に示すように、狭い演算範囲ce1と広い演算範囲ce
2とを比較すると、広い演算範囲ce2の方がコントラ
ストを多く含むので焦点検出演算に有利である。つま
り、低周波数成分を抽出したフィルター処理データに対
しては演算範囲が広い方が好ましい。
【0011】図19は高周波成分のみから成る被写体の
イメージセンサーの出力信号(a)と、その出力信号に
対するs=2のフィルター処理データ(b)と、s=8
のフィルター処理データ(c)とを示す。なお、撮影レ
ンズが合焦状態にあって、A列の出力信号列とB列の出
力信号列とが重なっているものとする。高周波数成分の
みから成る被写体パターンに対しては、s=2でコント
ラストが十分となり、信頼性のあるデフォーカス量を得
ることができる。また、(b)に示すように、狭い演算
範囲ce1と広い演算範囲ce2とを比較すると、どち
らも包含するコントラストは同じである。しかし、演算
範囲が狭い方がノイズの影響が少ないことと、演算範囲
があまり広いと距離の異なる被写体が演算範囲内に存在
して焦点検出不能になる場合があること考慮すると、高
周波数成分を抽出したフィルター処理データに対しては
演算範囲が比較的狭い方が好ましい。
【0012】図20は高周波数成分と低周波数成分とを
ともに含む被写体のイメージセンサーの出力信号(a)
と、その出力信号に対するs=2のフィルター処理デー
タ(b)と、s=8のフィルター処理データ(c)とを
示す。なお、撮影レンズが合焦状態にあって、A列の出
力信号列とB列の出力信号列とが重なっているものとす
る。高周波数成分と低周波数成分とをともに含む被写体
パターンに対しては、sの値にかかわらず十分なコント
ラストが得られる。また、sが大きくなるにつれてパタ
ーンのコントラストが分布する範囲が広くなる。
【0013】図21は、一本の煙突のような被写体に対
して撮影レンズが合焦状態から大きく外れた場合のイメ
ージセンサーの出力信号(a)と、その出力信号に対す
るs=2のフィルター処理データ(b)と、s=8のフ
ィルター処理データ(c)とを示す。なお、図において
実線がA列の出力信号列、破線がB列の出力信号列を示
す。撮影レンズが合焦状態から大きく外れた場合には、
高周波数成分がほとんど含まれないので、s=2のフィ
ルター処理データではコントラストが得られない。しか
し、s=8のフィルター処理データでは十分なコントラ
ストが得られ、最大シフト数lmaxを十分大きな値と
することでデフォーカス量を得ることができる。
【0014】このように、被写体によってイメージセン
サーの出力信号に含まれる周波数成分が異なるので、最
初はsを2として高周波数成分を抽出するフィルター処
理を行ない、そのフィルター処理データを用いて数式1
〜6による焦点検出演算を行なう。そして、信頼性のあ
るデフォーカス量が得られれば演算を終了し、得られな
ければsを4として低周波数成分を抽出するフィルター
処理を行ない、そのフィルター処理データを用いて数式
1〜6の焦点検出演算を行なう。このような手順を、s
の値を増加させながら信頼性のあるデフォーカス量が得
られるまで繰り返す方法がある。この方法によれば、最
初に高周波成分を抽出するので、高周波数成分が多く含
まれる通常の被写体の合焦状態付近、例えば図20に示
す高周波数成分を含む被写体パターンの場合には、s=
2としたフィルター処理データに基づく焦点検出演算で
信頼性のあるデフォーカス量が得られ、短い演算時間で
焦点検出を行うことができる。被写体が人物の顔などで
低周波数成分のみから成る場合、例えば図18に示すよ
うな被写体パターンの場合には、低周波成分を抽出する
フィルター処理データによる焦点検出演算でデフォーカ
ス量を得ることができる。図21に示すようにデフォー
カス量が大きい場合には、低周波成分を抽出したフィル
ター処理データに基づいて、最大シフト数lmaxを大
きくして焦点検出演算を行うことにより、デフォーカス
量が得られる。このように、合焦状態付近では演算時間
が短いので被写体が移動していても追従でき、低周波成
分のみ被写体であっても合焦可能であり、大きなデフォ
ーカス量も検出することができる。また、一般的には高
周波数成分を含む被写体に対して算出されるデフォーカ
ス量の方が、低周波数成分のみの被写体に対して算出さ
れるデフォーカス量よりも精度がよいので、高周波数成
分を抽出したフィルター処理データに基づく焦点検出演
算を最初に行うことによって、精度のよいデフォーカス
量を得ることができる。
【0015】ブロック分割を行う焦点検出では、最初は
sを2として高周波数成分を抽出するフィルター処理を
行ない、そのフィルター処理データを用いてブロックご
とに焦点検出演算を行なう。そして、いずれかのブロッ
クで信頼性のあるデフォーカス量が算出されたら焦点検
出演算を終了し、どのブロックでも信頼性のあるデフォ
ーカス量が得られなかった場合は、sを4として低周波
数成分を抽出するフィルター処理を行ない、そのフィル
ター処理データを用いてブロックごとに焦点検出演算を
行なう。このような手順を、sの値を増加させながらい
ずれかのブロックで信頼性のあるデフォーカス量が得ら
れるまで繰り返す焦点検出方法が、特開平6−8268
6号公報に開示されている。
【0016】上述した特開平2−135311号公報に
開示された焦点検出装置では、ブロックの境界部分の隣
接するデータの差の絶対値を算出し、差の絶対値が最小
となる部分がブロックの境界となるように境界位置を移
動している。これに対し、DC成分を完全に除去したフ
ィルター処理データを複数ブロックに分割する際に、ブ
ロックの境界部分のデータと所定値との差の絶対値を算
出し、それに基づいてブロック境界位置を設定する方法
が特開平6−82686号公報に開示されている。
【0017】数式8によるフィルター処理は完全にDC
成分を除去するものであるが、完全にDC成分を除去す
るフィルター処理を施したデータを用いて焦点検出演算
を行うと、偽合焦を生じる可能性が、DC成分を残した
データを用いた場合よりも高くなるという欠点がある。
図22(a)〜(d)により、この問題を説明する。図
22(a)、(b)は、焦点検出領域の左から右へ向か
って階段上に輝度が変化する被写体に対するイメージセ
ンサーアレイA列、B列の出力信号を示す。この被写体
パターンでは、(a)に示すA列のパターンと(b)に
示すB列のパターンとが矢印の部分を重ねることによっ
て一致するので、イメージセンサーアレイA列の出力信
号がB列の出力信号に対して左側にずれていることが分
かる。また、図22(c)、(d)は、(a)、(b)
に示す出力信号に対してDC成分を完全に除去するフィ
ルター処理を施したデータを示す。この図から明らかな
ように、(a)に示すA列データと(b)に示すB列デ
ータからDC成分を完全に除去すると、A列のフィルタ
ー処理データとB列のフィルター処理データとが全く同
一なデータとなり、これらのフィルター処理データを用
いて焦点検出演算を行うと一対のデータが相対的に一致
しているので合焦であると判断してしまう。このよう
に、DC成分を完全に除去するフィルター処理を施す
と、A列とB列のフィルター処理データが一致する方向
に変化する。この現象は、ブロック分割により演算範囲
が狭くなる程、顕著になる。
【0018】そこで、数式9によりDC成分を完全に除
去しないDC減フィルター処理を行い、DC減フィルタ
ー処理データQa[i]、Qb[i]を得る方法が特開
平6−82686号公報に開示されている。
【数9】 Qa[i]=−Pa[i]+4×Pa[i+y]−Pa[i+2y], Qb[i]=−Pb[i]+4×Pb[i+y]−Pb[i+2y], i=1〜n−2−2y
【0019】ブロック分割を行って各ブロックで焦点検
出演算を行う焦点検出装置において、複数のデフォーカ
スから最終的な一つのデフォーカス量を決定する方法に
は、上述した最至近を示すデフォーカス量を選択する方
法や情報量Eが最大のブロックのデフォーカス量を選択
する方法以外に、特開平2−178641号公報や特開
平4−235512号公報に開示された方法がある。こ
れらの方法では、所定の条件を満たすブロックを基準ブ
ロックに選択し、その基準ブロックのデフォーカス量を
基準デフォーカス量として、それぞれのデフォーカス量
に対して基準デフォーカス量との差分量に基づく重み付
け係数を決定し、これらの重み付け係数を用いて複数の
デフォーカス量を重み付け平均し、最終的なデフォーカ
ス量を算出している。なお、基準ブロックには最も近距
離を示すデフォーカス量が算出されたブロックなどを選
択する。また、例えば差分量が小さい時には重み付けを
係数を大きくし、差分量が大きい時には重み付け係数を
小さくする。この方法によれば、距離の異なる複数の被
写体が混在する場合には、前者のようにそれぞれの被写
体に関するデフォーカス量を得ることができ、壁などの
平面的な被写体の場合には全体を平均することになるの
で安定したデフォーカス量を得ることができる。今、ブ
ロック数がh個の時、基準デフォーカス量がDfkであ
って、ブロックjのデフォーカス量をDf[j]、情報
量EをE[j]とすると、合成デフォーカス量Dfm、
合成情報量Emは数式10によって得られる。
【数10】 Dfm=Σ(Df[j]×E[j]×W[j])/Σ(E[j]×W[j]), Em=Σ(E[j]×W[j]), ここで、j=1〜h、重み付け係数W[j]はDfkと
Df[j]の差分によって図11のように定まり、0か
ら1の値となる。ML、ULは所定値であって、デフォ
ーカス量の差の絶対値がML以下ならW[j]は1とな
り、ULを越えると0となり、MLとULの間では直線
的に変化する。なお、W[j]が0であればDf[j]
は合成演算に用いられないことになる。このようにして
算出した合成デフォーカス量Dfmを最終デフォーカス
量とする。MLの値は30から50μm程度の値が好ま
しく、ULの値は80から140μm程度が好ましい。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の焦点検出装置には次のような問題がある。まず
第1に、数式5のKファクターKfが実際には焦点検出
領域内の位置によって異なるという問題があり、これは
焦点検出光学系の持つ歪曲収差のために焦点検出領域内
で場所によって倍率が異なることに起因している。一般
的に、KファクターKfは焦点検出領域の中央部から遠
ざかるにつれて大きくなる。したがっって、イメージセ
ンサーアレイ上の被写体像が形成される位置に応じてK
ファクターKfを変更する必要がある。このような問題
を解決するために、特開平2−135311号公報に開
示された焦点検出装置では、上述したようにブロック分
割を行うとともにブロックごとにKファクターを設定
し、ブロックごとにそのブロックのKファクターを用い
てデフォーカス量を算出している。この方法では、ブロ
ックの境界部分に被写体のコントラストが存在する場
合、どちらのブロックにコントラストが含まれるかによ
って用いるKファクターが異なり、不安定となる。
【0021】第2の問題は、数式6の判定において情報
量Eがしきい値E1をわずかに上回り、且つ、Cex/
Eがしきい値G1をわずかに下回るような場合には信頼
性ありと判定されるが、このような場合には不安定なデ
フォーカス量が得られる場合がある。そこで、例えば情
報量のしきい値E1をより厳しい値E1’とすると、情
報量Eがしきい値E1をわずかに上回り、且つ、Cex
/Eがしきい値G1をはるかに下回るような場合にも、
しきい値E1’を下回るから信頼性がないと判定されて
しまう。しきい値E1の代りにCexのしきい値G1を
厳しい値G1’に変更する場合、あるいはE1,G1と
も厳しい値E1’、G1’にする場合も同様の問題が生
じる。
【0022】本発明の目的は、信頼性の高いデフォーカ
ス量を安定に検出できる焦点検出装置を提供することに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、複数の光電変換素子からなり、
一対の被写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出
力する一対の光電変換素子列と、撮影レンズを通過した
被写体からの一対の光束を前記一対の光電変換素子列へ
導き、前記一対の被写体像を結像する焦点検出光学系
と、前記光電変換素子列から出力される信号列に基づい
て、前記光電変換素子列上に焦点検出演算範囲を設定す
る演算範囲設定手段と、この演算範囲設定手段により設
定された演算範囲に対応する出力信号列のコントラスト
分布を検出するコントラスト検出手段と、このコントラ
スト検出手段により検出されたコントラスト分布と、前
記光電変換素子列上の複数の光電変換素子のそれぞれに
予め設定された係数とに基づいて前記演算範囲の変換係
数を決定する変換係数決定手段と、前記演算範囲に対応
する一対の出力信号列の相対的なずれ量を算出し、この
ずれ量を前記変換係数決定手段により決定された変換係
数により前記撮影レンズのデフォーカス量に変換する焦
点検出演算手段とを備える。請求項2の焦点検出装置
は、前記一対の光電変換素子列から出力される一対の信
号列をフィルター処理し、一対のフィルター処理データ
を出力するフィルター処理手段を備え、前記演算範囲設
定手段、前記コントラスト検出手段および前記焦点検出
演算手段は、前記一対の光電変換素子列から出力される
一対の信号列に代えて前記フィルター処理手段から出力
される一対のフィルター処理データを用いる。請求項3
の焦点検出装置は、前記コントラスト検出手段によっ
て、前記演算範囲設定手段により設定された演算範囲に
対応する出力信号列に基づいてコントラストの重心位置
を検出し、前記変換係数決定手段によって、前記光電変
換素子列上の複数の光電変換素子のそれぞれに予め設定
された係数に基づいて前記コントラスト検出手段により
検出されたコントラストの重心位置の係数を算出し、そ
の係数を演算範囲の変換係数とするようにしたものであ
る。請求項4の発明は、複数の光電変換素子からなり、
一対の被写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出
力する一対の光電変換素子列と、撮影レンズを通過した
被写体からの一対の光束を前記一対の光電変換素子列へ
導き、前記一対の被写体像を結像する焦点検出光学系
と、前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列を、
予め定めたシフト範囲内で所定量ずつ相対的にシフトし
ながらそれぞれのシフト位置における相関量Cを算出
し、極小となる相関量Cexを与えるシフト位置に基づ
いて前記撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出
演算手段とを備えた焦点検出装置に適用され、前記相関
量の極小値Cexを与えるシフト位置近傍の相関量Cの
変化量Eがしきい値E1よりも大きく、且つ、(Cex
+Ct1)/E(ここでCt1は所定値とする)がしき
い値G1よりも小さい場合に、前記焦点検出演算手段に
より検出された焦点調節状態は信頼性があると判定する
信頼性判定手段を備える。請求項5の焦点検出装置は、
前記一対の光電変換素子列から出力される一対の信号列
をフィルター処理し、一対のフィルター処理データを出
力するフィルター処理手段を備え、前記焦点検出演算手
段は、前記一対の光電変換素子列から出力される一対の
信号列に代えて前記フィルター処理手段から出力される
一対のフィルター処理データを用いて焦点調節状態を検
出する。請求項6の焦点検出装置は、前記所定値Ct1
を前記しきい値E1とG1に応じて設定するようにした
ものである。
【0024】
【作用】光電変換素子列から出力される信号列に基づい
て光電変換素子列上に焦点検出演算範囲を設定し、この
演算範囲に対応する出力信号列のコントラスト分布を検
出する。そして、検出されたコントラスト分布と、光電
変換素子列上の複数の光電変換素子のそれぞれに予め設
定された係数とに基づいて前記演算範囲の変換係数を決
定し、その演算範囲に対応する一対の出力信号列の相対
的なずれ量を算出し、このずれ量を前記変換係数により
撮影レンズのデフォーカス量に変換する。なお、光電変
換素子列から出力される一対の信号列をフィルター処理
し、処理結果の一対のフィルター処理データに基づいて
焦点検出演算範囲の設定、コントラスト分布の検出およ
び焦点検出演算を行なうようにしてもよい。また、演算
範囲に対応する出力信号列に基づいてコントラストの重
心位置を検出し、光電変換素子列上の複数の光電変換素
子のそれぞれに予め設定された係数に基づいて前記コン
トラストの重心位置の係数を算出し、その係数を前記演
算範囲の変換係数としてもよい。一対の光電変換素子列
の一対の出力信号列を、予め定めたシフト範囲内で所定
量ずつ相対的にシフトしながらそれぞれのシフト位置に
おける相関量Cを算出し、極小となる相関量Cexを与
えるシフト位置に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を
検出する。そして、相関量の極小値Cexを与えるシフ
ト位置近傍の相関量Cの変化量Eがしきい値E1よりも
大きく、且つ、(Cex+Ct1)/E(ここでCt1
は所定値とする)がしきい値G1よりも小さい場合に、
検出された焦点調節状態は信頼性があると判定する。な
お、光電変換素子列から出力される一対の信号列をフィ
ルター処理し、処理結果の一対のフィルター処理データ
に基づいて撮影レンズの焦点調節状態を検出するように
してもよい。また、所定値Ct1はしきい値E1とG1
に応じて設定するのが好ましい。
【0025】
【実施例】図1は一実施例の構成を示す機能ブロック図
である。1は撮影レンズ100を通過した被写体からの
光をイメージセンサー2へ導く焦点検出光学系であり、
例えば上述した図14に示すような視野マスク200、
フィールドレンズ300、絞り開口部401、402、
再結像レンズ501、502を備えている。2は複数の
光電変換素子からなるイメージセンサーアレイを一対有
するイメージセンサーである。この実施例では、それぞ
れが52個の光電変換素子から成る一対のイメージセン
サーアレイA列とB列を有するイメージセンサー2を例
に上げて説明する。したがって、イメージセンサー2は
それぞれが52個のデータからなる一対の出力信号列a
[i]、b[i]を出力する。3は演算処理回路であ
り、フィルター処理回路3aと、演算範囲設定回路3b
と、変換係数設定回路3cと、しきい値設定回路3d
と、焦点検出演算回路3eと、基準ブロック設定回路3
fと、重み付け係数設定回路3gと、合成実行回路3h
とを有する。
【0026】フィルター処理回路3aは、イメージセン
サー2から出力される出力信号列a[i]、b[i]に
対して数式7、数式8、数式9によるフィルター処理を
施し、DCカットフィルター処理データFa[i]、F
b[i]、DC減フィルター処理データQa[i]、Q
b[i]を出力する。出力信号列a[i]、b[i]は
それぞれ52個のデータから成るので、数式7のフィル
ター処理によりそれぞれ50個の高周波成分カットフィ
ルター処理データPa[i]、Pb[i]が得られる。
数式8によるDCカットフィルター処理演算は、s=
2、4、8の3種類が用意されている。なお以下では、
s=2、4、8の場合のDCカットフィルター処理演算
をそれぞれ第1フィルター処理演算、第2フィルター処
理演算、第3フィルター処理演算と呼び、それぞれのフ
ィルター処理演算によって得られるフィルター処理デー
タを第1フィルター処理データF1a[i]、F1b
[i]、第2フィルター処理データF2a[i]、F2
b[i]、第3フィルター処理データF3a[i]、F
3b[i]と呼ぶ。第1フィルター処理データF1a
[i]、F1b[i]のデータ数はそれぞれ46個であ
り、第2フィルター処理データF2a[i]、F2b
[i]のデータ数はそれぞれ42個であり、第3フィル
ター処理データF3a[i]、F3b[i]のデータ数
はそれぞれ34個である。数式9によるDC減フィルタ
ー処理演算はy=2の1種類のみが用意され、それぞれ
46個のDC減フィルター処理データQa[i]、Qb
[i]が出力される。
【0027】演算範囲設定回路3bは、フィルター処理
演算の種類に応じて初項、最終項を定めることにより演
算範囲を決定する。DC減フィルター処理データでは図
9(a)に示すようにブロック1〜6の6個のブロック
に分割され、仮の初項kb[j]と仮の最終項rb
[j]をブロックごとに数式11のように設定する。
【数11】 ブロック1の時・・・・kb[1]= 3, rb[1]= 9, ブロック2の時・・・・kb[2]=10, rb[2]=16, ブロック3の時・・・・kb[3]=17, rb[3]=23, ブロック4の時・・・・kb[4]=24, rb[4]=30, ブロック5の時・・・・kb[5]=31, rb[5]=37, ブロック6の時・・・・kb[6]=38, rb[6]=44, そして、DC減フィルター処理データのパターンと、こ
れらの仮の初項kb[j]と仮の最終項rb[j]に基
づいて、コントラストのある部分とブロックの境界がな
るべく重ならないように、正式な初項k0
[1],...,k0[6]と正式な最終項r0
[1],...,r0[6]を設定する。この設定方法
は、特開平2−135311号公報に開示された方法と
同様に、ブロック境界近傍、すなわちrb[j]とkb
[j+1]の近傍のデータについて隣接するデータの差
の絶対値を算出し、差の絶対値が最小となる部分がブロ
ックの境界となるようにする。なお、詳細な説明はここ
では省略する。
【0028】第1フィルター処理データでは、図9
(b)に示すようにブロック7〜12の6個のブロック
に分割され、仮の初項kb[j]と仮の最終項rb
[j]をブロックごとに数式12に示すように設定す
る。
【数12】 ブロック7の時・・・・kb[7]= 3, rb[7]= 9, ブロック8の時・・・・kb[8]=10, rb[8]=16, ブロック9の時・・・・kb[9]=17, rb[9]=23, ブロック10の時・・kb[10]=24, rb[10]=30, ブロック11の時・・kb[11]=31, rb[11]=37, ブロック12の時・・kb[12]=38, rb[12]=44 そして、特開平6−82686号公報に開示されている
ように、ブロック境界近傍、すなわちrb[j]とkb
[j+1]の近傍のデータと所定値との差の絶対値を算
出し、その差の絶対値に基づいて正式な初項k0
[7],...,k0[12]と正式な最終項r0
[7],...,r0[12]を設定する。なお、詳細
な説明はここでは省略する。
【0029】第2フィルター処理データでは、図9
(c)に示すようにブロック13〜15の3個のブロッ
クに分割され、仮の初項kb[j]と仮の最終項rb
[j]をブロックごとに数式13のように設定する。
【数13】 ブロック13の時・・kb[13]= 3, rb[13]=15, ブロック14の時・・kb[14]=16, rb[14]=27, ブロック15の時・・kb[15]=28, rb[15]=40 そして、第2フィルター処理データのパターンと、これ
らの仮の初項kb[j]と仮の最終項rb[j]に基づ
いて、第1フィルター処理データの場合と同様に正式な
初項k0[13],k0[14],k0[15]と正式
な最終項r0[13],r0[14],r0[15]を
設定する。
【0030】第3フィルター処理データでは、図9
(d)に示すように1個のブロック16が設定され、数
式14のように演算範囲を設定する。
【数14】k0[16]=4, r0[16]=31 この第3フィルター処理データでは、被写体パターンに
基づくブロックの境界の設定は行なわない。
【0031】変換係数決定回路3cは、各ブロックごと
にフィルター処理データのパターンに基づいて数式5で
用いるKファクターKf(以後、実行Kファクターと呼
ぶ)を設定する。この実行Kファクターの設定方法を説
明する。イメージセンサーアレイA列、B列の一部の光
電変換素子には、数式15に示すようにKファクターK
c[k]が設定されている。
【数15】 光電変換素子 2・・・・Kc[1], 光電変換素子10・・・・Kc[2], 光電変換素子18・・・・Kc[3], 光電変換素子26・・・・Kc[4], 光電変換素子34・・・・Kc[5], 光電変換素子42・・・・Kc[6], 光電変換素子50・・・・Kc[7] KファクターKc[k]は焦点検出光学系1の設計値に
基づいて定めるか、あるいは実験によって測定して決定
する。そして、ブロックごとにフィルター処理データの
コントラストの重心位置を算出し、この重心位置に相当
する光電変換素子の実行Kファクターを数式15に基づ
いて補間演算する。ここで、コントラストの重心位置を
用いるのは、演算に寄与する位置としてコントラストの
重心が適当だからである。例えば図10に示すように光
電変換素子相当の重心位置Jskが光電変換素子k1と
k1+1の間の領域にある場合には、KファクターKc
[k1]とKc[k1+1]を直線で結び、重心位置J
skに対するKファクターを直線補間によって算出し、
実行KファクターKfとする。領域は数式16に示すよ
うに6つに分けられる。
【数16】 第1領域・・・・ 1〜 9, 第2領域・・・・10〜17, 第3領域・・・・18〜25, 第4領域・・・・26〜33, 第5領域・・・・34〜41, 第6領域・・・・42〜52,
【0032】図7により、実行KファクターKfの設定
動作を説明する。ステップS501において、ブロック
内のコントラストの重心位置Jsfを数式17により算
出する。
【数17】 Jsf=Σ{|A[i]−A[i+1]|×i}/Σ|A[i]−A[i+1 ]|, ここで、i=k0[j]〜r0[j]−1 数式17において、A[i]は、出力信号列a[i]を
用いたDC減フィルター処理データQa[i]、第1フ
ィルター処理データF1a[i]、第2フィルター処理
データF2a[i]および第3フィルター処理データF
3a[i]の内のいずれかを示す。ステップS502
で、重心位置Jsfはフィルター処理データ上の位置で
あるから、数式18により光電変換素子上の重心位置J
skに変換する。
【数18】 DC減フィルター処理データ・・・・Jsk=Jsf+3, 第1フィルター処理データ・・・・・・Jsk=Jsf+3, 第2フィルター処理データ・・・・・・Jsk=Jsf+5, 第3フィルター処理データ・・・・・・Jsk=Jsf+9 ステップS503で重心位置Jskが光電変換素子の1
0番目より小さい番号か否かを判別し、小さい番号の場
合にはステップS504へ進み、そうでなければステッ
プS505へ進む。ステップS504で、数値jZに1
を設定してステップS514へ進む。ここで、数値jZ
は重心位置Jskが存在する領域を表す。ステップS5
05では重心位置Jskが18番目より小さい番号か否
かを判別し、小さい番号の場合にはステップS506へ
進み、そうでなければステップS507へ進む。ステッ
プS506で、重心位置Jskが存在する領域を表す数
値jZに2を設定してステップS514へ進む。ステッ
プS507において重心位置Jskが26番目より小さ
い番号か否かを判別し、小さい番号の場合にはステップ
S508へ進み、そうでなければステップS509へ進
む。ステップS508で、重心位置Jskが存在する領
域を表す数値jZに3を設定してステップS514へ進
む。ステップS509では重心位置Jskが34番目よ
り小さい番号か否かを判別し、小さい番号の場合にはス
テップS510へ進み、そうでなければステップS51
1へ進む。ステップS510で、重心位置Jskが存在
する領域を表す数値jZに4を設定してステップS51
4へ進む。ステップS511では重心位置Jskが42
番目より小さい番号か否かを判別し、小さい番号の場合
にはステップS512へ進み、そうでなければステップ
S513へ進む。ステップS512で、重心位置Jsk
が存在する領域を表す数値jZに5を設定してステップ
S514へ進む。またステップS513では、重心位置
Jskが存在する領域を表す数値jZに6を設定してス
テップS514へ進む。ステップS514で、重心位置
Jskと、Jskが存在する領域jZと、Kファクター
Kc[jZ]とKc[jZ+1]とに基づいて数式19
により実行KファクターKfを算出し、処理を終了す
る。
【数19】 Kf=Kc[jZ]+(Kc[jZ+1]−Kc[jZ])/8×{Jsk− 2−8×(jZ−1)} この処理によってコントラストの重心位置におけるKフ
ァクターを算出するので、被写体のパターンの位置に関
わらず正しいKファクターを設定できる。
【0033】しきい値設定回路3dは、後述する数式2
6に示す判定に用いるしきい値E1とG1を設定する。
これらの値はフィルター処理の種類によって異なり、数
式20のように設定される。
【数20】 DC減フィルター処理データ・・・・E1=Ea1,G1=Ga1, 第1フィルター処理データ・・・・・・E1=Eb1,G1=Gb1, 第2フィルター処理データ・・・・・・E1=Ec1,G1=Gc1, 第3フィルター処理データ・・・・・・E1=Ed1,G1=Gd1 このようにして設定されるしきい値の間には数式21に
示す関係がある。
【数21】Ea1≦Eb1≦Ec1≦Ed1, Ga1≧Gb1≧Gc1≧Gd1
【0034】焦点検出演算回路3eは、DC減フィルタ
ー処理データ、第1フィルター処理データ、第2フィル
ター処理データおよび第3フィルター処理データの内の
いずれかを用いてブロックごとに数式1〜5の演算を行
い、デフォーカス量Df[j]と、情報量E[j]と、
真の極小値Cex[j]とを算出する。そして、E
[j]とCex[j]を用いて数式6に代えて数式22
の判定を行い、判定を満たすブロックは焦点検出可能で
あるとし、満たさないブロックは焦点検出不能であると
する。
【数22】 E[j]>E1 & (Cex[j]+Ct1)/E[j]<G1 この判定は数式6の極小値Cexの判定に対して次の数
式23の項の分だけ厳しくなっていることになる。
【数23】Ct1/E[j] この項は情報量E[j]が定数Ct1よりも十分に大き
ければ無視できる。すなわち、情報量E[j]が定数C
t1よりも十分に大きい場合は、数式22による判定は
数式6によるそれとほぼ同じになる。一方、情報量E
[j]がさほど大きくはない場合には数式23の項は無
視できないので、数式22による極小値Cexの判定は
数式6による判定よりも厳しくなる。したがって、数式
6による判定で情報量Eがしきい値E1をわずかに上回
り、且つCex/EがG1をわずかに下回るような場合
には信頼性ありと判定されることはなくなる。一方、情
報量Eがしきい値E1をわずかに上回り、且つCex/
EがG1をはるかに下回る場合などは、従来のように信
頼性ありと判定される。なお、定数Ct1はしきい値設
定回路3dにより設定されたしきい値E1およびG1に
応じた値を設定するのが好ましく、E1とG1の積の6
分の1程度の値がよい。こうすると、この実施例に示す
ように、数種類のフィルター処理演算があって、それぞ
れフィルター処理演算におけるしきい値が異なる場合に
も対応できる。
【0035】図8のフローチャートにより、焦点検出演
算回路3eにおける演算処理を説明する。ステップS6
01において数式1と数式2によって相関量C[L]を
算出し、続くステップS602で数式3〜5によりデフ
ォーカス量Df[j]、情報量E[j]および真の極小
値Cex[j]を算出する。ステップS603で、情報
量E[j]が数式24を満たすか否かを判定する。
【数24】E[j]>E1 これは数式22による情報量Eの判定と同一である。情
報量E[j]が数式24を満たす場合はステップS60
4へ進み、満たさない場合はステップS606へ進む。
ステップS604で数式25による判定を行う。
【数25】(Cex[j]+Ct1)/E[j]<G1 これは数式22による極小値Cexの判定と同一であ
る。満たす場合はステップS605へ進み、満たさない
場合にはステップS606へ進む。ステップS605で
は、数式22の条件を満たすので検出可能と判定して処
理を終了する。一方、ステップS606では、数式22
の条件を満たさないので検出不能と判定して処理を終了
する。数式23の項は情報量E[j]が有限である限り
0にならないので、数式22による判定は従来の数式6
による判定よりも常に厳しいものとなる。これが問題と
なるのであれば、情報量E[j]が所定値以上となった
場合に定数Ct1を0にすることによって、情報量E
[j]が所定値以上の時に数式6による判定と同一にな
る。あるいは、数式22による極小値の判定を数式26
による判定に代える。
【数26】 (Cex[j]+Ct1)/(E[j]+Ct2)<G1 ここで、Ct2は情報量E[j]が大きい時には大きな
値を設定し、小さい時には小さい値を設定することによ
って、情報量E[j]が大きい時には数式6による判定
と同一にすることができる。
【0036】基準ブロック設定回路3fは、検出可能ブ
ロックの中から例えば最至近を示すデフォーカス量を有
するブロック、あるいは情報量が最大を示すブロックを
選択して基準ブロックとし、基準ブロックのデフォーカ
ス量を基準デフォーカス量Dfk、情報量を基準情報量
Ekとする。
【0037】重み付け係数設定回路3gは、ブロック1
〜3の各ブロックに対して、基準デフォーカス量Dfk
と各ブロックのデフォーカス量Df[j]との差の絶対
値Devに基づいて、図11に示すように重み付け係数
W[j]を設定する。これを数式で表すと次のようにな
る。
【数27】Dev=|Df[j]−Dfk|, Dev>ULの時・・・・W[j]=0, Dev≦MLの時・・・・W[j]=1, ML<Dev≦ULの時、 W[j]=1−(Dev−ML)/(UL−ML) なお、検出不能ブロックでは重み付け係数W[j]を0
とする。
【0038】合成実行回路3hは、数式10によりブロ
ック1〜6のデフォーカス量を合成して合成デフォーカ
ス量fmと合成情報量Emを算出する。検出不能ブロッ
クでは重み付け係数W[j]は0と設定されるので、合
成演算には用いられないことになる。なお、演算処理回
路3はマイクロコンピューターによって実現されるよう
にしてもよい。
【0039】次に、図2により、実施例の全体動作を説
明する。なお、各フィルター処理データを用いた演算処
理については後述する。ステップS1においてイメージ
センサー2の出力信号列a[i]、b[i]を入力し、
続くステップS2で数式7により高周波除去フィルター
処理データPa[i]、Pb[i]を算出する。さらに
ステップS3で、数式9によりDC減フィルター処理デ
ータQa[i]、Qb[i]を算出する。そしてステッ
プS4で、DC減フィルター処理データQa[i]、Q
b[i]を用いて焦点検出演算を実行する。この詳細は
図3により後述する。ステップS5で検出可能ブロック
が存在するか否かを判別し、存在する場合はステップS
15へ進み、検出可能ブロックがない場合はステップS
6へ進む。ステップS6において数式8により第1フィ
ルター処理データF1a[i]、F1b[i]を算出
し、続くステップS7で、算出した第1フィルター処理
データF1a[i]、F1b[i]を用いて焦点検出演
算を実行する。この演算処理については図4により後述
する。ステップS8で検出可能ブロックが存在するか否
かを判別し、存在する場合はステップS15へ進み、検
出可能ブロックがない場合はステップS9へ進む。ステ
ップS9で数式8により第2フィルター処理データF2
a[i]、F2b[i]を算出し、続くステップS10
で、算出した第2フィルター処理データF2a[i]、
F2b[i]を用いて焦点検出演算を実行する。この演
算処理については図5により後述する。ステップS11
で検出可能ブロックが存在するか否かを判別し、存在す
る場合はステップS15へ進み、検出可能ブロックがな
い場合はステップS12へ進む。ステップS12で数式
8により第3フィルター処理データF3a[i]、F3
b[i]を算出し、続くステップS13で、算出した第
3フィルター処理データF3a[i]、F3b[i]を
用いて焦点検出演算を実行する。この演算処理について
は図6により後述する。ステップS14において検出可
能であるか否かを判別し、検出可能であればステップS
15へ進み、検出不能な時は動作を終了する。ステップ
S15で、基準ブロック設定回路3fにより上述したよ
うに基準ブロックを設定する。さらにステップS16
で、重み付け係数設定回路3gにより上述したように各
ブロックごとに重み付け係数W[j]を設定する。そし
てステップS17で、合成実行回路3hにより合成デフ
ォーカス量Dfmを算出し、それを最終デフォーカス量
とする。このようにして求めた合成デフォーカス量Df
mに基づいて不図示のモーターにより撮影レンズ100
を駆動したり、不図示の表示装置に撮影レンズ100の
焦点調節状態を表示する。なお、ステップS3、S5、
S11、S14はフィルター処理回路3aの動作であ
る。
【0040】図3により、DC減フィルター処理データ
を用いた演算処理を説明する。ステップS101でブロ
ック番号jに1を設定してステップS102へ進み、演
算範囲設定回路3bによりブロックjの正式な初項k0
[j]と最終項r0[j]を定めて演算範囲を設定す
る。ステップS103で変換係数決定回路3cにより実
行KファクターKfを設定し、さらにステップS104
でしきい値設定回路3dにより信頼性判定のしきい値E
1とG1を設定する。そしてステップS105におい
て、焦点検出演算回路3eによりデフォーカス量Df
[j]、情報量E[j]および真の極小値Cex[j]
を算出し、ブロックjが検出可能か否かを判定する。ス
テップS106でブロック番号jが6であるか否か、す
なわち全ブロックでDC減フィルター処理データに基づ
く焦点検出演算が終了したか否かを判別し、終了したら
処理を終了し、終了していなければステップS107へ
進む。焦点検出演算が終了していない時は、ステップS
107でブロック番号jをインクリメントしてステップ
S102へ戻る。
【0041】次に、図4により、第1フィルター処理デ
ータを用いた演算処理を説明する。ステップS201で
ブロック番号jに7を設定してステップS202へ進
み、演算範囲設定回路3bによりブロックjの正式な初
項k0[j]と最終項r0[j]を定めて演算範囲を設
定する。ステップS203で変換係数決定回路3cによ
り実行KファクターKfを設定し、続くステップS20
4でしきい値設定回路3dにより信頼性判定のしきい値
E1とG1を設定する。そしてステップS205で、焦
点検出演算回路3eによりデフォーカス量Df[j]、
情報量E[j]および真の極小値Cex[j]を算出
し、ブロックjが検出可能か否かを判定する。ステップ
S206でブロック番号jが12であるか否か、すなわ
ち全ブロックにおいて第1フィルター処理データに基づ
く焦点検出演算が終了したか否かを判別し、終了したら
処理を終了し、終了していなければステップS207へ
進む。ステップS207で、ブロック番号jをインクリ
メントしてステップS202へ戻る。
【0042】図5により、第2フィルター処理データを
用いた演算処理を説明する。ステップS301でブロッ
ク番号jに13を設定してステップS302へ進み、演
算範囲設定回路3bによりブロックjの正式な初項k0
[j]と最終項r0[j]を定めて演算範囲を設定す
る。次にステップS303で変換係数決定回路3cによ
り実行KファクターKfを設定し、さらにステップS3
04でしきい値設定回路3dにより信頼性判定のしきい
値E1とG1を設定する。そしてステップS305にお
いて、焦点検出演算回路3eによりデフォーカス量Df
[j]、情報量E[j]および真の極小値Cex[j]
を算出し、ブロックjが検出可能か否かを判定する。ス
テップS306で、ブロック番号jが15であるか否
か、すなわち全ブロックで第2フィルター処理データに
基づく焦点検出演算が終了したか否かを判別し、終了し
たら処理を終了し、終了していなければステップS30
7へ進む。ステップS307で、ブロック番号jをイン
クリメントしてステップS302へ戻る。
【0043】図6により、第3フィルター処理データを
用いた演算処理を説明する。ステップS401でブロッ
ク番号jに16を設定してステップS402へ進み、演
算範囲設定回路3bによりブロックjの正式な初項k0
[j]と最終項r0[j]を定めて演算範囲を設定す
る。次にステップS403で変換係数決定回路3cによ
り実行KファクターKfを設定し、さらにステップS4
04でしきい値設定回路3dにより信頼性判定のしきい
値E1とG1を設定する。そしてステップS405にお
いて、焦点検出演算回路3eによりデフォーカス量Df
[j]、情報量E[j]および真の極小値Cex[j]
を算出し、ブロックjが検出可能か否かを判定する。
【0044】上述した実施例では、イメージセンサー2
の出力信号に対してフィルター処理回路3aによりフィ
ルター処理を施し、このフィルター処理データを用いて
演算範囲設定、Kファクター設定および焦点検出演算を
行う例を示したが、出力信号そのものを用いる焦点検出
装置に対しても本発明を適用できる。また、上記実施例
ではフィルター処理データを複数のブロックに分割し、
それぞれのブロックについて変換係数設定と焦点検出演
算を行う例を示したが、一つの演算範囲のみを設定する
焦点検出装置に対しても本発明を適用することができ
る。
【0045】以上の実施例の構成において、イメージセ
ンサー2が一対の光電変換素子列を、演算範囲設定回路
3bが演算範囲設定手段を、変換係数設定回路3cがコ
ントラスト検出手段および変換係数決定手段を、焦点検
出演算回路3eが焦点検出演算手段および信頼性判定手
段を、フィルター処理回路3aがフィルター処理手段を
それぞれ構成する。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、光
電変換素子列から出力される信号列に基づいて光電変換
素子列上に焦点検出演算範囲を設定し、この演算範囲に
対応する出力信号列のコントラスト分布を検出する。そ
して、検出されたコントラスト分布と、光電変換素子列
上の複数の光電変換素子のそれぞれに予め設定された係
数とに基づいて前記演算範囲の変換係数を決定し、その
演算範囲に対応する一対の出力信号列の相対的なずれ量
を算出し、このずれ量を前記変換係数により撮影レンズ
のデフォーカス量に変換するようにしたので、演算範囲
に対して被写体像のコントラスト分布に応じた最適な変
換係数が得られ、信頼性の高いデフォーカス量を安定に
検出できる。一対の光電変換素子列の一対の出力信号列
を、予め定めたシフト範囲内で所定量ずつ相対的にシフ
トしながらそれぞれのシフト位置における相関量Cを算
出し、極小となる相関量Cexを与えるシフト位置に基
づいて撮影レンズの焦点調節状態を検出する。そして、
相関量の極小値Cexを与えるシフト位置近傍の相関量
Cの変化量Eがしきい値E1よりも大きく、且つ、(C
ex+Ct1)/E(ここでCt1は所定値とする)が
しきい値G1よりも小さい場合に、検出された焦点調節
状態は信頼性があると判定するようにしたので、信頼性
の高い焦点調節状態を安定に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】一実施例の全体動作を示すフローチャートであ
る。
【図3】一実施例のDC減フィルター処理データによる
演算処理を示すフローチャートである。
【図4】一実施例の第1フィルター処理データによる演
算処理を示すフローチャートである。
【図5】一実施例の第2フィルター処理データによる演
算処理を示すフローチャートである。
【図6】一実施例の第3フィルター処理データによる演
算処理を示すフローチャートである。
【図7】一実施例の変換係数決定回路の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図8】一実施例の焦点検出演算回路の動作を示すフロ
ーチャートである。
【図9】一実施例の演算範囲設定のようすを説明する図
である。
【図10】一実施例のKファクターの設定方法を説明す
る図である。
【図11】重み付け係数を設定する方法を説明する図で
ある。
【図12】従来のブロック分割を説明する図である。
【図13】従来の撮影画面と焦点検出領域との位置関係
を表す図である。
【図14】従来の焦点検出光学系の構成を示す図であ
る。
【図15】従来の焦点検出演算を説明する図である。
【図16】従来の相関演算を説明する図である。
【図17】従来の焦点検出演算を説明する図である。
【図18】低周波数成分のみからなる被写体パターンの
一例を示す図である。
【図19】高周波数成分のみからなる被写体パターンの
一例を示す図である。
【図20】高周波数成分、低周波数成分をともに含む被
写体パターンの一例を示す図である。
【図21】デフォーカス量の大きい場合の被写体パター
ンの一例を示す図である。
【図22】DC成分を完全に除去するフィルター処理デ
ータの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 焦点検出光学系 2 イメージセンサー 3 演算処理回路 3a フィルター処理回路 3b 演算範囲設定回路 3c 変換係数決定回路 3d しきい値設定回路 3e 焦点検出演算回路 3f 基準ブロック設定回路 3g 重み付け係数設定回路 3h 合成実行回路 100 撮影レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 5/232 H

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の光電変換素子からなり、一対の被
    写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出力する一
    対の光電変換素子列と、 撮影レンズを通過した被写体からの一対の光束を前記一
    対の光電変換素子列へ導き、前記一対の被写体像を結像
    する焦点検出光学系と、 前記光電変換素子列から出力される信号列に基づいて、
    前記光電変換素子列上に焦点検出演算範囲を設定する演
    算範囲設定手段と、 この演算範囲設定手段により設定された演算範囲に対応
    する出力信号列のコントラスト分布を検出するコントラ
    スト検出手段と、 このコントラスト検出手段により検出されたコントラス
    ト分布と、前記光電変換素子列上の複数の光電変換素子
    のそれぞれに予め設定された係数とに基づいて前記演算
    範囲の変換係数を決定する変換係数決定手段と、 前記演算範囲に対応する一対の出力信号列の相対的なず
    れ量を算出し、このずれ量を前記変換係数決定手段によ
    り決定された変換係数により前記撮影レンズのデフォー
    カス量に変換する焦点検出演算手段とを備えることを特
    徴とする焦点検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の焦点検出装置におい
    て、 前記一対の光電変換素子列から出力される一対の信号列
    をフィルター処理し、一対のフィルター処理データを出
    力するフィルター処理手段を備え、 前記演算範囲設定手段、前記コントラスト検出手段およ
    び前記焦点検出演算手段は、前記一対の光電変換素子列
    から出力される一対の信号列に代えて前記フィルター処
    理手段から出力される一対のフィルター処理データを用
    いることを特徴とする焦点検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の焦点検
    出装置において、 前記コントラスト検出手段は、前記演算範囲設定手段に
    より設定された演算範囲に対応する出力信号列に基づい
    てコントラストの重心位置を検出し、 前記変換係数決定手段は、前記光電変換素子列上の複数
    の光電変換素子のそれぞれに予め設定された係数に基づ
    いて前記コントラスト検出手段により検出されたコント
    ラストの重心位置の係数を算出し、その係数を演算範囲
    の変換係数とすることを特徴とする焦点検出装置。
  4. 【請求項4】 複数の光電変換素子からなり、一対の被
    写体像の光強度分布に応じた一対の信号列を出力する一
    対の光電変換素子列と、 撮影レンズを通過した被写体からの一対の光束を前記一
    対の光電変換素子列へ導き、前記一対の被写体像を結像
    する焦点検出光学系と、 前記一対の光電変換素子列の一対の出力信号列を、予め
    定めたシフト範囲内で所定量ずつ相対的にシフトしなが
    らそれぞれのシフト位置における相関量Cを算出し、極
    小となる相関量Cexを与えるシフト位置に基づいて前
    記撮影レンズの焦点調節状態を検出する焦点検出演算手
    段とを備えた焦点検出装置において、 前記相関量の極小値Cexを与えるシフト位置近傍の相
    関量Cの変化量Eがしきい値E1よりも大きく、且つ、
    (Cex+Ct1)/E(ここでCt1は所定値とす
    る)がしきい値G1よりも小さい場合に、前記焦点検出
    演算手段により検出された焦点調節状態は信頼性がある
    と判定する信頼性判定手段を備えることを特徴とする焦
    点検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の焦点検出装置におい
    て、 前記一対の光電変換素子列から出力される一対の信号列
    をフィルター処理し、一対のフィルター処理データを出
    力するフィルター処理手段を備え、 前記焦点検出演算手段は、前記一対の光電変換素子列か
    ら出力される一対の信号列に代えて前記フィルター処理
    手段から出力される一対のフィルター処理データを用い
    て焦点調節状態を検出することを特徴とする焦点検出装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の焦点検
    出装置において、 前記所定値Ct1を前記しきい値E1とG1に応じて設
    定することを特徴とする焦点検出装置。
JP6233152A 1994-09-28 1994-09-28 焦点検出装置 Pending JPH0894916A (ja)

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