JP3147002B2 - 距離検出値の補正方法 - Google Patents
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Description
の目的に関連して複数個のイメージセンサをそれぞれ含
む1対のイメージセンサ手段を光学手段とともに組み込
んでなる映像検出モジュールにより捉えたその視界内の
映像から検出される距離やその指標の値を検出する際に
映像検出モジュールの組み立て上の誤差に起因してその
検出結果に生じ得る誤差を補正するための方法に関す
る。
を1対のイメージセンサにより捉えた対象の1対の映像
がもついわゆる視差から正確に検出する技術が知られて
おり、この三角測量の原理を利用した距離検出法はいわ
ゆるパッシブな方式である点に特長があり、自動焦点カ
メラ用にかなり以前から実用化されて来たが、最近では
自動車の衝突防止用としての将来性が囑目されている。
をレンズ等の光学手段とともに組み込んだモジュールを
用いて対象の映像を検出するが、自動焦点カメラでは距
離を検出すべき対象がファインダを通して必ず特定され
るのに対して、衝突防止用の場合は検出対象である先行
自動車等が必ずモジュールの正面にあるとは限らないの
で、正面から不特定な角度方向にある対象を見付けた上
でその距離を検出する必要がある。このため、映像検出
モジュールとして複数のイメージセンサをそれぞれ作り
込んだ1対の集積回路のチップを光学手段とともに共通
のパッケージに組み込んだものを用い、対象を含む映像
を捉えるべき視界を自動焦点カメラ用の場合よりかなり
広めに設定するともに、イメージセンサには例えばCC
Dである数百個以上の光センサからなるものを用いる。
対象が存在する領域を特定するため視界を二次元マトリ
ックス状に並んだ複数の窓ないしは部分的な視野に分割
し、まず窓ごとにイメージセンサ対により捉えた映像の
対がもつ視差ないしは距離を検出した上で、これら複数
の検出距離の分布状態から見て対象の最も確からしい距
離の範囲を選び出すとともに、この範囲に対応する窓が
集合している視界内の領域を対象の存在領域として特定
するのが最も実際的である。
界を上述のようにマトリックス状に並んだ窓に分割する
には、各イメージセンサ対がもつ部分的な視界内に複数
個の窓を並べて設定することでよく、この窓を設定する
には各イメージセンサにより捉えた映像のパターンを表
す多数個のセンサデータを含む映像データから各窓に対
応する窓部分データをそれぞれ数十個程度のセンサデー
タを含むように並べて抽出することでよい。さらに、各
窓内の映像対がもつ視差を検出するには1対の窓部分デ
ータを互いにシフトさせながら両者の一致度を検定して
行き、一致したときのシフト値をセンサデータ数で表し
た視差とすることでよい。
し、イメージセンサ内の光センサの配列ピッチをhとす
ると、各窓内の映像の距離dは、イメージセンサ対に映
像を結像させる光学手段の1対のレンズの光軸間距離を
三角測量上の基線長bとし、かつそれらの焦点距離をf
としれ、d=bf/hσなる簡単な式で計算できる。こ
こで、bf/hはもちろん定数であって、ふつうは視差
σがそのまま距離dのかわりの指標として用いられる。
複数のイメージセンサ対がもつ視界を分割した窓ごとに
距離dないしその指標である視差σを検出した結果から
視界内の検出対象の存在領域およびその距離を検出でき
るが、映像検出モジュールにイメージセンサ用の1対の
集積回路チップを光学手段とともに組み込む際に組み立
て誤差が若干とも発生するのは不可避なので、それによ
り捉えられる各窓内の映像に微妙な狂いが発生する問題
がある。各窓内の映像に狂いがあると前述の窓部分デー
タの対間の一致が見られなくなるので、対間の一致度を
検定するかわりに相関度を検定して最高相関度が検定さ
れたときのシフト値を視差σとすることができる。しか
し、この場合でもモジュールに組み立て誤差があると、
視界内の窓の位置によっては視差σや距離dの検出値に
誤差が発生するのは避けられず、このため対象の存在範
囲の特定精度や距離の検出精度がその分低下してしま
う。
して映像検出モジュールに組み立て誤差があっても視界
内に設定した各窓の映像がもつ正確な視差ないし距離が
常に得られるように検出値を補正することにある。
め、本発明においても映像検出モジュールの視界内を前
述のように二次元マトリックス状に配列された複数個の
窓に分割し, イメージセンサ対により捉えた各窓内の映
像の距離ないし映像対がもつ視差を各窓ごとに検出する
点は従来と同様であるが、本発明では、(a) モジュール
の組み立て上の誤差に起因して距離や視差の検出値に生
じ得る誤差が視界内の窓の位置に密接に関連して変化す
る点, さらにはモジュール内の異なる個所における組み
立て誤差でも距離や視差の検出結果については同傾向の
誤差を発生させ得る点に着目して、組み立て誤差により
各窓に関する検出結果に生じる誤差がもつ特性を視界内
の窓位置を示す縦方向変数と横方向変数に関する二元多
項式に集約して表現しておき、(b) この多項式中のモジ
ュールごとに異なる変数の係数を決めるために所定の距
離に置かれた試験用サンプルの映像をモジュールに与え
た状態でその視界内の複数の窓について距離ないしは視
差を検出し, この検出結果から誤差特性を表す多項式の
各項の係数の値を求めた上で記憶手段に記憶させてお
き、(c) このモジュールにより実際に距離や視差を検出
する際には視界内の各窓に関する検出値を誤差特性多項
式に係数の記憶値とその窓に関する縦方向変数値と横方
向変数値を入れた値を加算ないし減算して補正すること
によって、映像検出モジュールに組み立て誤差があって
もその影響をほぼ完全に消去して各窓内の映像の距離な
いし視差を常に正確な値で検出することができる。
果に生じる誤差の特性関数としての多項式は映像検出モ
ジュールの組み立て時に生じ得る誤差の種類によりもち
ろん異なってくるが、実用的には窓位置を示す縦方向変
数や横方向変数に関する二次以下の多項式を用いて表現
することでふつうは充分である。モジュールの試験用サ
ンプルには縞模様等の均一な繰り返しパターンをもつも
のを用いるのがよく、各モジュールの試験に際してその
視界の中央に対して対称的に分布した複数個,例えば数
十個程度の窓について距離ないし視差を検出すれば、検
出結果を適宜に組み合わせることによって誤差特性関数
を表す多項式内の各変数の係数を比較的容易にかつ充分
正確に求めることができる。
施形態の具体例を説明する。図1は本発明に関連する映
像検出モジュール等の構成例をその視界とともに示す構
成図、図2は本発明により補正が施される対象例として
の視差用バイアスを示す線図、図3は検出値に生じ得る
誤差の映像検出モジュールの組み立て誤差との関連性の
一例を説明するための線図である。
30の直方体の外形が一点鎖線により簡略に示されてお
り、図のようにこのモジュール30は光学手段10としての
1対のレンズ11と12と,これらレンズに対応する1対の
イメージセンサ手段20を共通のパッケージに組み込んで
なる。各イメージセンサ手段20はレンズ11と12を通して
光L1とL2を受けるふつうはCCDであるイメージセンサ
21と22を十数個程度作り込んだ集積回路のチップであ
り、共通の基板23に実装された上でモジュール30のパッ
ケージ内に収納されている。図にはこのモジュール30に
関連して後の説明の都合から3個の座標軸x, y, zの
方向が細線で示されている。
サ21と22によって検出された映像のパターンを示すそれ
ぞれ数百個のセンサデータからなる映像データID1とID
2が示されており、その下側に図示の都合から1対の映
像データID1とID2に対する分だけを示した複数個の距
離検出回路40は映像データID1とID2からそれぞれが担
当する窓部分データWD1とWD2を図では細線で示すよう
に取り込むことにより各イメージセンサ対がもつ部分的
視界を複数個の窓に分割するとともに、窓部分データ対
WD1とWD2から各自が担当する窓内の映像の距離の指標
としてこの実施態様では映像対の視差σを検出するもの
である。
分データWD1とWD2を通例のように少しずつ互いにシフ
トさせながら両者間の相関を順次検定して行き, 最高相
関が得られたときのシフト値を視差として決定するが、
この際の相関検定には若干の時間を要するので図示の複
数個の距離検出回路40を1個の半導体集積回路に組み込
んで各自が担当する窓に関する視差σのかかる検出動作
を並行して進めさせるのが検出速度を極力高める上で望
ましい。これ用の半導体集積回路には用途別に回路構成
できるいわゆるゲートアレイが好適である。
る視差は各窓の映像対がもつ実際の視差σのかわりに所
定のバイアスを重畳した計算上の視差とすることが多い
のでこれを図2の線図を参照して説明する。前述のよう
に、視差σは映像の距離dと逆数関係にあるのでaを比
例係数とするとσ=a(1/d) の式で表せる。従って、図
2のように視差σは横軸の距離の逆数の変数 1/dに対し
て傾きaをもつ直線の関係になる。距離dが無限大で,
変数 1/dが0のとき視差σも0になるが、検出誤差等の
不測の原因で視差σが負値になるとその後のデータ処理
に不便なので、距離検出回路50には視差σに対し所定の
バイアスbsを重畳した計算上の視差sを検出させる方が
便利である。このためのバイアスbsは視差を検出する際
のいわば無限遠点のシフト値である。
出させるには、前述の窓部分データWD1とWD2を互いに
順次シフトさせながら相関を検定して行く際の基準点を
単に検定開始の当初からずらせておくだけでよい。この
ようにして得られる計算上の視差sは本発明による検出
値の補正動作を担当するマイクロコンピュータであるプ
ロセッサ50によってそのメモリ51内に読み込まれる。
の誤差があると図2の視差σおよび傾きaに誤差が発生
してくる。しかし、この実施態様では上述のように距離
検出回路40に計算上の視差sを検出させるので、視差σ
に生じ得る誤差は便宜上から計算上の視差s内のバイア
スbsに発生したものと見做し、傾きaとバイアスbsの値
を本発明により補正するものとする。
じてもかかる傾きaやバイアスbsの値に影響を与えない
場合もあるが、図1(a) にモジュール30が図の構造の場
合にそれらの値に影響を与える6種の組み立て誤差を示
す。1番目の誤差はイメージセンサ手段20用の基板23の
モジュール30へのy軸回りの取り付け角度誤差ε1 ,2
番目は一方のイメージセンサ手段20の他方に対する基板
23へのy軸回りの取り付け角度誤差ε2 , 3番目は一方
のイメージセンサ手段20のz軸方向の取り付け位置のず
れδ3 , 4番目は基板23のx軸回りの取り付け角度誤差
ε4 , 5番目は一方のイメージセンサ手段20のx軸回り
の取り付け角度誤差ε5 , 6番目はそのz軸回りの取り
付け角度誤差ε6 である。
による前述の傾きaとバイアスbsの検出値にそれぞれ検
出誤差ΔaとΔbsが組み立て誤差の種類に応じて発生す
る。これらの検出誤差ΔaとΔbsが発生する様子を6種
類の組み立て誤差のすべてについて説明すると非常に煩
雑になるので、ここでは1番目の角度誤差ε1 により検
出誤差ΔaやΔbsがどの程度発生するかを評価する要領
の概要を図3の線図を参照して簡単に説明する。
ュール30がもつ視界内の特定の窓の中央の位置を表す。
この点光源1は光学手段10から距離dの位置にあって、
その正面であるz軸と角度θをなし、かつxz面に対し図
示しない角度φをなす方向にあるが、ここでは簡単化の
ため角度φの方は考えないこととする。光学手段10のレ
ンズ11と12はこの点光源1からそれぞれ光L1とL2を受け
てその映像を対応するイメージセンサ21と22の受光面に
結像させる。映像検出モジュール30に組み立て誤差がな
いときの受光面SFはレンズ11, 12から焦点距離fを隔て
たx軸に平行な平面であるが、取り付け角度誤差ε1 が
あるときの受光面sfはx軸に対して図のように同じ角度
ε1 だけ傾くことになる。
受光面SFの方についてP1, P2とし,受光面sfの方につい
てp1, p2とする。また、レンズ11, 12の光軸と角度θを
なす2本の直線の受光面SFとの交差点をR1, R2とし, 受
光面sfとの交差点をr1, r2とする。後者の交差点が視差
σの検出上の基準点であるが、この実施態様では距離検
出回路40はバイアスbsを含む計算上の視差sを検出する
ため交差点対R1, R2やr1, r2からbs/2個の光センサ分ず
つ互いに内側にずれた受光面SF上やsf上の点を計算上の
基準点として検出動作を行なう。
r1間の距離をd1とし、点P2, R2間の距離をD2とし、点p
2, r2間の距離をd2とすると、各2個の距離の和 D1+D2
およびdl+d2 が角度誤差ε1 がない場合とある場合の視
差になる。図2に示す傾きaは視差の距離dの逆数に対
する比例係数であるから、角度誤差ε1 により傾きaに
発生する誤差はΔa=(dl+d2)-(D1+D2) で表せる。この
右辺は幾何学的な計算により距離d, 基線長b, 焦点距
離f, および角度θと角度誤差ε1 の三角関数を用いて
かなり複雑にはなるが正確に表すことができる。
ずれもかなり小さな値であるから、実用的には誤差Δa
を近似式で表現するのが便利であり、この近似計算によ
れば傾きaの誤差Δaを次のようにごく簡単な式で表せ
る。 Δa=2(bf/h)ε1 θ さて、距離dはσを光センサ数で表した視差とすると前
述のようにd=bf/hσであり,従ってσ=(bf/h)(1/d)
であるから、図2の傾きaはa=bf/hと表現することが
でき、これを上式に入れると次のように書ける。
が角度誤差ε1 によりr1, r2に変わる点に起因するか
ら、点R1, R2間の距離を D12とし, 点r1, r2間の距離を
d12とすると(d12-D12)/h と表現することができ、これ
がこの実施態様におけるバイアスbsの誤差Δbsになる。
距離 D12は基線長bと等しく、距離 d12は幾何学的な計
算から d12=b cosθ/cos(θ+ε1)となるから、両者
の差をとりかつ角度θと角度誤差ε1 がいずれも小さい
として近似計算すると、誤差Δbsを次のようにごく簡単
に表現できる。
の式からいずれの誤差も対象1の距離dと無関係になる
ことがわかる。同様に2番目以降の組み立て誤差につい
ても傾きaの誤差Δaとバイアスbsの誤差Δbsを計算す
ることができ、その詳細は省略するが計算結果を6種類
の組み立て誤差について纏めて示すと以下のとおりであ
る。
ュール30の正面に対するxz面内の角度、角度φはその方
向がxz面となす角度である。
差に対しても傾きaやバイアスbsの検出値に生じる誤差
ΔaやΔbsは距離dと無関係であり、本発明ではこの性
質を利用して各窓についての検出値を視界内の窓位置を
示す上述のような2個の角度変数θとφの値にのみ応じ
て補正する。図1(c) は映像検出モジュール30がもつ方
形輪郭の視界Vw内に窓Wを二次元マトリックスに並べて
設定した様子を窓Wの代表的な位置により示し、ここで
は2個の変数θとφが視界Vwの中央を原点としx軸とy
軸にそれぞれ対応する座標軸変数として示されている。
界Vw内の各窓Wについての検出値の誤差ΔaやΔbsがも
つ前掲のような特性を窓位置を表す2個の角度変数θと
φに関する二元多項式に集約して表現する。まず、傾き
aについてはその誤差Δaに対する特性関数fn を次式
のように表現する。 fn =p+qθ+rφ ただし、この多項式中の係数p, q, rの組み立て誤差
との関係は、 p=bδ3 /2, q=2aε1 +aε2 , r=aε4 +
aε5 である。次に、バイアスbsの誤差Δbsに対する特性関数
Fn を、 Fn =Pθ+Qθ2 +Rφ+Sθφ で表現する。ただし、この多項式中の係数P, Q, R,
Sは、 P=bε1 +δ3 , Q=fε2 , R=fε6 , S=f
ε5 である。本発明では以上のように検出値の誤差の特性関
数は二次以下の多項式を用いて表現するのが実用上の観
点から見て望ましい。
数が判明すれば視界Vw内の各窓Wについての検出値を補
正できることにはなるが、このために組み立て誤差ε1
等をわざわざ測定するのは実用的でなく, 実際には非常
に困難でもある。このため、本発明では組み立て後の映
像検出モジュール30に対し所定距離に置かれた試験用サ
ンプルの映像を与えた状態で視界Vw内の複数の窓Wにつ
いて映像がもつ距離,この実施形態では計算上の視差s
を検出して、その検出結果から誤差特性を表す多項式内
の係数の値を求める。このための試験用サンプルには縞
模様等の均一な繰り返しパターンをもつものを用いるの
がよく、その映像検出モジュール30との距離はとくに厳
密に規定する必要はない。
ル30について誤差関数を表す上述の多項式の係数を求め
たところ、傾きaの誤差特性関数fn の多項式の係数は
ごく小さくて誤差Δaは実用的には無視できることが判
明した。また、通例のように各窓W内の映像の距離を視
差σや計算上の視差sの形で検出する限り、傾きaの誤
差Δaをとくに求める必要もない。そこで、以下ではバ
イアスbsの誤差Δbsを表現する多項式の係数を求める要
領, およびその特性関数Fn を用いて視差sの検出値を
補正する要領を説明することとする。
図1(c) に示すよう視界Vwの中央に対して対称的に分布
した複数, 図の例では25個の代表的な窓Wに関して視差
sを検出するのがよい。また、窓Wの視界Vw内の位置を
示す座標としての前述の角度変数θとφのかわりに正負
に変化する番号変数iとjを用いるのが便利である。前
掲の誤差特性関数Fn をこれらの変数iとjを用いて表
すと、Fn =Pi+Qi2 +Rj+Sijとなる。ただ
し、この多項式の係数P等を便宜上前の式と同じ符号で
表すこととする。また、番号変数iやjはもちろん整数
であって、図1(c) の25個の窓Wの分布例では−2〜0
〜2の間で変化するものとする。
多項式Fn の4個の係数を計算するために厳密には最小
二乗法を用いるべきであるが、ここでは係数を簡略に求
める要領を説明する。まず、25個の窓Wについて検出し
た視差sの平均値を計算し、各視差sのそれとの差Δs
を求める。25個の窓Wが視界Vwの中央に対し対称的に分
布していて番号変数iとjの変化が正負対称であるか
ら、変数iとjに上述の変化範囲内の各整数値を入れた
多項式Fn の総和ΣFn では、i2 の係数であるQ以外
はすべて0になり, 簡単な計算によってこの総和はΣF
n =50Qになる。従って、これに対応する差Δsの総和
に対応するΣΔsを計算すれば、係数QをQ=ΣΔs/
50の式からごく簡単に求めることができる。また、視界
Vwの中央に対して右斜め上と左斜め下にある各4個の窓
Wについての多項式の和ΣFn ではi2 の係数Qとijの
係数Sのみが残ってΣFn =20Q+18Sとなるから、こ
れに対応する視差sの差の和ΣΔsと上述の既知の係数
Qの値から変数ijの係数Sの値を容易に計算することが
できる。
数Rの計算についても同様であり、このように誤差特性
関数としての多項式Fn の係数P〜Sの値を視界Vw内に
対称分布した代表的な窓Wに関する複数個の検出値から
抽出する組み合わせを適切に作ることにより容易に計算
することができる。このようにして求めた誤差特性を表
す多項式Fn 内の各変数の係数P〜Sの値は、本発明方
法により距離検出値を補正する際に随時使えるように図
1(b) のプロセッサ50内の記憶手段52としての例えばP
ROMに各映像検出モジュール30に固有な値として永久
的に記憶させておく。なお、上述のように得られる係数
は代表的な窓の位置を示す変数iとjに対する値である
から、視界Vw内のすべての窓位置を洩れなく指定できる
別の番号変数iとjに適する値に換算した上で記憶して
おくのがよい。
Fn の各係数P〜Sの値が計算かつ記憶された後は、映
像検出モジュール30の視界Vw内に捉えた実際の映像につ
いて距離検出回路40により検出される各窓Wに関する計
算上の視差sを記憶手段62の記憶値を用いて正確に補正
できる。この補正のために図1(b) のプロセッサ50に補
正手段60をソフトウエアの形で装荷しておくのがよい。
補正手段50は各窓Wについての補正用の誤差Δbsの値を
多項式Fn に記憶手段62から読み出した各係数P〜Sの
値とその窓に関する上述の別の番号変数iとjの値を入
れることにより計算した上で、実際の映像についての検
出値を誤差Δbsを加算ないしは減算することにより補正
する。この補正手段50により距離指標としての視差σ
は、 σ=s−(bs+Δbs) なる式で補正される。
の検出値は上述のように補正済みの視差σを用いて、 d= (a+Δa) /σ により非常に正確な値に補正できるが、前述のようにふ
つうはΔaを無視しても差し支えないから距離を単にd
=a/σにより計算することでよい。
ール30の構造を図1(a) のとおりとしたが、異なるモジ
ュール構造では発生する組み立て誤差も変わり、従って
誤差特性を示す多項式Fn やfn の形もそれに応じて異
なってくる。
補正方法では、映像検出モジュールの視界内をマトリッ
クス状に配列された複数の窓に分割して各窓内の映像の
距離をその視差に基づいて検出するようにし、モジュー
ルの組み立て誤差により各窓の距離検出結果に生じる誤
差の特性を窓の視界内の位置を示す縦方向変数と横方向
変数に関する二元多項式で表現しておき、所定距離に置
かれた試験用サンプルの映像をモジュールに与えた状態
で複数個の窓について距離ないし視差を検出してその結
果から二元多項式の各項の係数の値を求めて記憶手段に
記憶させておき、このモジュールにより実際の距離や視
差を検出する際には二元多項式に対し係数記憶値と窓の
位置を示す2個の変数の値を入れた値を加算ないし減算
して各窓に関する検出値を補正することにより、次の効
果を挙げることができる。
み立て誤差の影響を補正によりほぼ完全に消去して、距
離や視差の検出値の正確性をモジュールの視界内のすべ
ての窓について確実に保証することができる。 (b) モジュールの組み立て誤差により検出値に生じる誤
差が距離とは無関係な特性をもち,窓の視界内の位置に
のみ関連して変化する点を利用して、補正用の誤差特性
関数を視界内の窓位置を示す2個の変数に関する二元多
項式に集約して表現するので、この多項式の各項の係数
を簡単な試験の結果から容易に決定して距離検出値を正
確に補正することができる。
ンプルの映像を与える試験の結果に基づいて組み立て誤
差により検出値に生じる誤差を補正するための二元多項
式のモジュールごとに異なる各項の係数の値を決めるの
で、組み立て誤差を測定することなく各モジュールに則
した補正をその検出値に施すことができる。なお、距離
の指標として視差を用いる本発明の実施形態と誤差特性
関数として二次以下の多項式を用いる実施形態は、検出
値に対する補正を視界内の窓ごとに容易かつ正確に施し
得る利点があり、モジュールの試験の際に視界の中央に
対し対称分布した複数個の窓について距離を検出し,適
宜に組み合わせた窓に関する検出結果から誤差特性を表
す多項式の各項の係数値を求める実施態様は、試験と係
数の決定が容易かつ簡単になる効果を有する。
構成例およびその視界を示し、同図(a) は映像検出モジ
ュールの構成を示す斜視図、同図(b) は距離検出回路と
補正手段の構成例を示す模式回路図、同図(c) は映像検
出モジュールの視界内の代表的な窓の位置を示す視界の
模式図である。
傾きと視差用のバイアスを示す線図である。
み立て誤差との関連性の一例を説明するために窓を代表
する点光源とレンズ対によるそのイメージセンサ対上の
結像点の関連を示す線図である。
OM 60 補正手段 a 視差の距離の逆数に対する傾き b 基線長としてのレンズ対の光軸間距離 bs 視差に対するバイアス d 検出距離 f レンズの焦点距離 ID1,ID2 映像データの対 i 窓の視界内の位置を示す番号変数 j 窓の視界内の位置を示す番号変数 L1,L2 レンズ対を通る光 s バイアスを含む視差 Vw 映像検出モジュールの視界 WD1,WD2 窓部分データの対 x x軸 y y軸 z z軸 ε1 基板のy軸回りの取り付け角度誤差 ε2 イメージセンサ手段のy軸回りの取り付け角
度誤差 δ3 イメージセンサ手段のz軸方向の取り付け位
置ずれ ε4 基板のx軸回りの取り付け角度誤差 ε5 イメージセンサ手段のx軸回りの取り付け角
度誤差 ε6 イメージセンサ手段のz軸回りの取り付け角
度誤差 σ 距離指標としての視差 θ 窓の視界内の位置を示す角度変数 φ 窓の視界内の位置を示す角度変数
Claims (5)
- 【請求項1】複数個のイメージセンサをそれぞれ含む1
対のイメージセンサ手段を光学手段とともに組み込んで
なる映像検出モジュールによって捉えたその視界内の映
像から検出される距離ないしその指標の値を補正する方
法であって、映像検出モジュールの視界内を二次元マト
リックス状に配列された複数個の窓に分割してイメージ
センサ対により捉えた各窓内の映像の対がもつ視差に基
づいて距離を各窓ごとに検出するようにし、映像検出モ
ジュールへのイメージセンサの組み込み上の誤差に起因
して各窓に関する検出距離に生じ得る誤差の特性を表す
特性関数を視界内の窓位置を示す縦方向変数と横方向変
数に関する二元多項式により表現し、所定距離に置かれ
た試験用サンプルの映像を映像検出モジュールに与えた
状態でその視界内の複数個の窓について距離を検出して
その結果から誤差特性を表す多項式の各項の係数の値を
求めて記憶手段に記憶させておき、実際の距離検出の際
には視界内の各窓に関する検出値を誤差特性を示す多項
式に係数のこの記憶値とその窓に関する縦方向変数値と
横方向変数値を入れた値を加算して補正するようにした
ことを特徴とする距離検出値の補正方法。 - 【請求項2】請求項1に記載の方法において、視界内の
各窓ごとに映像対がもつ視差を検出してその窓に対する
検出距離の指標としてそのまま用いるようにしたことを
特徴とする距離検出値の補正方法。 - 【請求項3】請求項1に記載の方法において、誤差の特
性関数として用いる多項式が二次以下の多項式であるこ
とを特徴とする距離検出値の補正方法。 - 【請求項4】請求項1に記載の方法において、映像検出
モジュールの試験に際して均一な繰り返しパターンをも
つ試験用サンプルを用いるようにしたことを特徴とする
距離検出値の補正方法。 - 【請求項5】請求項1に記載の方法において、映像検出
モジュールの試験に際して視界の中央に対して対称的に
分布した複数個の窓に関して距離を検出し、誤差特性を
表す二元多項式の各係数の値を検出結果から抽出された
組み合わせに基づいて求めるようにしたことを特徴とす
る距離検出値の補正方法。
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