JP2676985B2 - 光学器械の対象検出方式 - Google Patents

光学器械の対象検出方式

Info

Publication number
JP2676985B2
JP2676985B2 JP2167352A JP16735290A JP2676985B2 JP 2676985 B2 JP2676985 B2 JP 2676985B2 JP 2167352 A JP2167352 A JP 2167352A JP 16735290 A JP16735290 A JP 16735290A JP 2676985 B2 JP2676985 B2 JP 2676985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
correlation
image
subgroup
data
variable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2167352A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0456915A (ja
Inventor
章太郎 横山
隆 西部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Electric Co Ltd filed Critical Fuji Electric Co Ltd
Priority to JP2167352A priority Critical patent/JP2676985B2/ja
Priority to DE4121145A priority patent/DE4121145C2/de
Publication of JPH0456915A publication Critical patent/JPH0456915A/ja
Priority to US08/332,443 priority patent/US5602944A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP2676985B2 publication Critical patent/JP2676985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/28Systems for automatic generation of focusing signals
    • G02B7/34Systems for automatic generation of focusing signals using different areas in a pupil plane

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カメラの自動焦点調整を行なう際の複数個
の撮像対象の検出にとくに適する光学器械の対象検出方
式に関する。
〔従来の技術〕
近年、カメラ等の光学器械用の自動焦点方式には、自
然光や照明光の被写体からの反射光を利用するパッシブ
方式が赤外光を利用するアクティブ方式より情報が高く
消費電力が少ない点で注目されている。この方式にも、
大別して撮像レンズを通らない外光から対象までの距離
を検出する三角測量方式と、撮像レンズを通った内光か
らカメラの合焦状態からのずれを検出するTTL(Through
The Lens)方式が知られている。
いずれの場合にも、光学器械に1対のイメージセンサ
を組み込み、それらに対象の映像を互いに異なる光路を
介して与えて1対の映像データ群を取り出し、両映像デ
ータ群内の対象の映像の相対な位置関係から上述の距離
ないし合焦状態からのずれを検出する。周知のことであ
るが、ここでは前述の外光三角測量方式の方の概要をそ
の原理を示す第11図を参照して説明する。
図において、1対の小レンズ11と12が光学器械内に互
いに基線長bを隔てて組み込まれ、被写体である対象O
からの光を互いに異なる光路L1とL2を介して受けて、焦
点距離f付近に置かれた1対のイメージセンサ13と14上
に対象Oの映像をそれぞれP1とP2で示された位置に結像
する。簡単化のためファインダでねらわれた対象Oがレ
ンズ12の正面にあるとすると、イメージセンサ14上の映
像位置P2はレンズ12の光軸と一致するが、イメージセン
サ13上の映像位置P1の方は対象Oが無限遠にない限りレ
ンズ11の光軸から図示のようにsだけずれることにな
る。
いま、対象Oまでの距離をxとすると、距離xと基線
長bを直交2辺とする三角形と焦点距離fとずれsを直
交2辺とする三角形とが相似であるから、x/b=f/sの式
が成立する。この内のbとfは定値であるからずれsを
検出すれば距離をx=bf/sで知ることができる。
このずれsを検出するに当たっては、対象Oが点では
なくて必ずある広がりのパターンを持っているから、右
側のイメージセンサ14内の各センサから得られる映像デ
ータをそのセンサ数だけ集めて右側の映像データ群rと
し、左側のイメージセンサ13から得られる多数個の映像
データの中から図にハッチングを付して示したように映
像データ群rと同じ個数の映像データからなる左側の映
像データ群lを位置つまりずれsを変えながら順次抽出
し、かかる複数個の左側の映像データ群lのそれぞれを
右側の映像データ群rと順次に比較して行き、それと一
致した左側の映像データ群lが抽出された位置から映像
位置P1のレンズ11の光軸からのずれないしシフト値sを
検出する。
なお、実際は左右の映像データ群rとlが完全に一致
しないことが多いので、両群間の相関度を示す評価値を
イメージセンサ13側から抽出できるすべての左側の映像
データ群lについて計算し、評価値中の最大相関を示す
映像データ群lの抽出位置からシフト値sを決める。ま
た、シフト値sから距離xをわざわざ計算するまでもな
く、撮像レンズの位置をこのシフト値s自体により直接
に制御するのが通例である。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上例からもわかるように対象までの距離や
それに対する光学器械の合焦状態のずれを検出するに
は、この対象を1対のイメージセンサによりまず検出す
る必要があり、このため第11図の例ではいえばイメージ
センサ14の幅がレンズ12の中心に対して張る視野角vで
対象Oを見ていることになる。対象Oを正確に検出する
には、そのパターンを表す映像データの個数が多い程よ
いから視野角vは広い方がよいことになるが、実際には
これに関連して問題が発生する。
第12図を参照してこれを説明すると、図のように視野
角vが広いと複数個の対象O1やO2が同時に視野に入りや
すいので、どの対象を検出しているかが不定になって誤
検出を招きやすくなる。逆に図の視野角v2のように狭過
ぎると、視野内に全く対象が入って来ないことがあるの
で、検出の失敗が発生しやすくなる。
これからわかるように視野角は慎重に選定する必要が
あるが、従来は誤検出の回避を優先させて視野角を狭め
る方の傾向が強い。検出失敗が発生してもその旨を使用
者に知らせるなり撮影動作を禁止して置けば、光学器械
の操作を再度試行できるからであるが、使用者としては
貴重なシャッタチャンスを失うことになる。また、視野
角を狭く設定した場合の欠点をいわゆるフォーカスロッ
ク機能と組み合わせることにより補うこともできるが、
操作がそれだけ厄介になるほか、2段操作の途中で光学
器械を例え僅かでも動かすので、いわゆる手振れを招い
て折角の性能が台無しになることにもなりかねない。
さらに、視野角を狭くして置き、本件出願人が前に提
案した斜め方向の対象までの距離検出技術(特開昭60−
15506号公報および特開昭61−12001号公報を参照)を利
用して光学器械の光軸から外れた対象を検出することも
可能であるが、それだけでは複数個の対象が検出された
場合にどれを選定すべきかの判断基準になるデータが必
ずしも充分に得られない問題が残る。
かかる問題点の認識に立脚し本発明の目的は、光学器
械の対象検出用の視野角を従来より広げることができ、
視野内に複数個の対象が含まれてもそれらを互いに区別
して検出できる対象検出方式を提供することにある。
本発明方式の重要な他の目的は、対象が複数個検出さ
れた時どれを選択すべきかの判断基準になるデータが得
られるようにすることにある。
本発明方式のさらに他の目的は、視野内に含まれる各
対象までの距離の検出またはそれに対する合焦状態の検
出に対応できるようにすることにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の光学器械の対象検出方式では、前述のように
対象からの光を互いに異なる光路を介して受ける1対の
イメージセンサにより得られる光学器械の対象の映像を
表す1対の映像データ群からイメージセンサの視野内に
ある1個ないし複数個の対象を検出するに際し、光学器
械の光軸からの傾き角度ごとに各映像データ群からその
角度方向に対応する部分群をそれぞれ取り出して部分群
対の組み合わせを順次に抽出し、かかる組み合わせごと
にその1対の部分群内の映像データを相互に順次シフト
させながらそのつど両映像データ間の相関を検定して相
関データを計算し、この相関検定時の映像データに対す
るシフト値を一方の座標軸方向に,上のように順次抽出
される部分群対の組み合わせの番号を他方の座標軸方向
にそれぞれ並べた範囲内の相関検定結果を示す相関デー
タの集合の中から高い相関を示す相関データの団塊を検
出してそれぞれを光学器械の対象とすることによって前
述の目的が達成される。
なお、上記の構成中の部分群対抽出手段,相関検定手
段および対象検出手段はいずれもマイクロコンピュータ
内のソフトウエアとして構成するのが光学器械内への組
み込みに有利である。また、場合によっては部分群対抽
出手段と相関検定手段とを電子回路で構成して1対のイ
メージセンサとともに共通の集積回路装置に組み込み、
イメージセンサに対象の映像を結像するレンズ等ととも
にモジュール化するのも有利である。
前記相関検定手段による1対の部分群間の映像データ
の相関の検定は所定の評価関数に基づいて前記シフト値
ごとに行なわせ、最も簡単にはこの評価関数の値をその
まま各シフト値に対する相関データとすることでよい
が、本発明の実施に際し対象検出手段の動作を極力簡単
化するため、この相関データを極大相関が検定された1
個ないしは複数個のシフト値に対してのみ例えば1の値
を,それ以外のシフト値に対してすべて例えば0の値を
それぞれとる1ビットのデータとするのが実用上非常に
有利である。
本発明方式の光学器械への適用に当たっては、撮像レ
ンズを通さない外光による三角測量方式では上記の各団
塊に対応するシフト値から各対象までの距離が検出さ
れ、撮像レンズを介して対象の映像を1対のイメージセ
ンサに与えるTTL方式では各団塊に対応するシフト値か
ら各対象に対する撮像レンズの合焦状態が検出される。
また、1対の映像データから抽出した部分群対の組み
合わせの上記の各団塊に対応する番号から1対のイメー
ジセンサの視野内における各対象の角度方向を,さらに
各団塊の大きさから各対象の見掛け上の大きさをそれぞ
れ検出して、視野内に複数個の対象が検出された際にど
れを選定するかの判断基準に利用するのが有利である。
複数個の対象中から1個の対象を特定するための選定
基準は設定器を設けてこれに予め,あるいは光学器械の
動作のつどに指定できるようにし、マイクロコンピュー
タ内に対象特定手段を設けてこの指定内容と上述の判断
基準に基づいて対象を特定させるのが有利である。
〔作用〕
本発明の前項の構成のもつ作用をその構成手段ごとに
順を追って述べると次のとおりである。
本発明方式では1対のイメージセンサが受ける視野角
を従来より広くとって、この視野内の対象を含む映像を
表す1対の映像データ群をイメージセンサ対から取り出
す。
まず、部分群抽出手段により、この1対の映像データ
群から光学器械の光軸からの傾き角度ごとにその角度方
向に対応する部分群をそれぞれ抽出する。この1対の部
分群によりイメージセンサの視野角より狭い例えば数分
の1程度の視野角部分だけが抽出されたことになり、か
かる部分群対の内容を調べて対応する視野角部分内の対
象だけを検出できるようになるが、さらに部分群対の組
み合わせを元の映像データ群に沿って順次に抽出して行
くことにより、上述の視野角部分の光学器械の光軸から
の角度方向を少しずつ変えて隣同志が互いに重なり合っ
た視野角部分のそれぞれにつき対象を検出できるように
する。
次に相関検定手段によって、かかる部分群対の組み合
わせごとにその各部分群内の映像データをそれぞれ相互
に順次シフトさせながらそのつど両部分群の映像データ
の相関を検定する。つまり、部分群抽出手段によって抽
出された各部分群対については、本発明方式でも従来と
ほぼ同じ要領でシフト値ごとに両部分群の映像データ間
の相関を決定するが、従来と異なり検定の結果から直ち
に最大相関を示すシフト値を求めることなく、相関検定
手段内ではシフト値ごとに相関データを計算するだけに
留める。
なお、かかる相関データの内容を前述のようにシフト
値ごとに極大相関が検出されたか否かを示す1ビットで
表す場合でも、従来は最大相関点を求めていたのでこれ
が検定されるシフト値が常に1個であったのに対し、本
発明方式の場合は極大相関点を求めるのでこれが検定さ
れるシフト値は1個に限らず複数個あり得ることにな
り、かかる極大相関の分布を示す相関データの集合から
次の対象検出手段により対象が検出される。
対象検出手段の動作を理解するため、相関検定手段に
よる検定に用いたシフト値を一方の座標軸方向とし,部
分群抽出手段により順次抽出された部分群対の組み合わ
せの番号を他方の座標軸方向とする範囲ないしデータ面
内に上述の相関データが並んでいるものと考える。さ
て、前述のように部分群対の各組み合わせに対応する視
野角部分は隣同志が重なり合っているので、ある視野角
部分内にある対象はそれがとくに小さくない限りその隣
の視野角部分内にも現れることになる。
これを上述の範囲内に並ぶ相関データについていえ
ば、ある部分群対の組み合わせ番号に対するあるシフト
値に対応する相関データが高い相関を示しておれば、そ
の隣の組み合わせ番号に対する同じシフト値に対応する
相関データも高い相関を示すことになる。従って、上述
の範囲内に並んだ多数の相関データ中で、ある限度以上
の大きさをもつ特定の対象に対応して高い相関を示す複
数個の相関データは1個所に集まって前記構成にいう団
塊を形成することになる。
対象検出手段はかかる性質を利用して、上述のような
範囲内の多数の相関データの集合の中から高い相関を示
す相関データの団塊を検出することによって光学器械の
対象を検出する。もちろん、団塊と対象とは1対1に対
応し、イメージセンサの視野内に複数個の対象,つまり
上述の範囲内に高い相関を示す相関データの団塊が複数
個あってもすべて漏れなく検出することができる。
なお、上述の説明からわかるように、各団塊内の高い
相関を示す相関データの個数はそれに対応する対象のイ
メージセンサから見た大きさにほぼ比例する。また、各
団塊の一方の位置座標である部分群対の組み合わせ番号
はそれに対応する対象の角度方向を示す。他方の位置座
標であるシフト値がもつ意味は場合により異なり、三角
測量方式では団塊に対応する対象までの距離,TTL方式で
は対象に対する光学器械の合焦状態をそれぞれ示す。本
発明方式では、対象が複数個検出された場合にもかかる
対象の属性に基づいて所望の対象を適宜に選択でいる。
〔実施例〕
以下、図を参照しながら本発明の実施例を説明する。
第1図は三角測量方式の自動焦点カメラを例にとって本
発明による光学器械の対象検出方式の基本構成を例示す
るものである。
第1図の光学器械1はレンズシャッタカメラであっ
て、撮像レンズ2、その鏡胴内に組み込まれたシャッタ
3,フィルム4,撮像レンズ2の位置調整用のアクチュエー
タ5,撮像レンズ2の位置検出用のエンコーダ6等を備
え、撮像レンズ2の視野内のふつうは互いに異なる距離
にある複数個の対象O1やO2のいずれかを被写体として撮
影するものとする。光学器械1に組み込まれた三角測量
用のモジュール10内には1対の小レンズ11と12,1対のイ
メージセンサ13と14,イメージセンサ用AD変換器15等が
含まれ、レンズ11と12は視野SR内に対象O1とO2を捉えて
それらからの光を互いに空間的に異なる光路L1とL2を介
して受け、これら対象の映像を対応するイメージセンサ
13と14上にそれぞれ結像する。
図の下部に示されたプロセッサ7は光学器械1内に組
み込まれた例えば8ビット構成のマイクロコンピュータ
で、そのRAM内にイメージセンサ13と14により発生されA
D変換器15によりディジタル化された左右の映像データL
DとRDがそれぞれ記憶される。なお、かかる映像データ
はCCDのイメージセンサによっても発生できるが、本発
明の実施上はイメージセンサににフォトダイオードアレ
イを用い映像データを4〜8ビットの高精度で発生させ
るのが望ましい。
プロセッサ7内には、本発明を構成する部分群抽出手
段20と相関検定手段30と対象検出手段50とが,また本発
明方式と関連して対象特定手段70と撮像レンズ制御手段
80とがそのソフトウエアとして装荷される。このほかに
設定器8が設けられ、対象特定手段70の動作と関連する
その設定内容がプロセッサ7に与えられる。本発明方式
を構成する上述の3個の手段の第7図と第8図に示され
た具体的な動作の説明に入る前に、第2図〜第6図を参
照してまずその機能を説明する。
第2図は部分群抽出手段20の説明用であって、図の上
部に1対の小レンズ11と12が,その下側にイメージセン
サのかわりに1対の映像データ群LDとRDが便宜上示され
ている。各イメージセンサ内のセンサ数Mは100個以上
とされ、各M個の映像データ群LDとRDが従来よりかなり
広い視野角v内の対象を含む映像パターンを表すように
される。なお、以下の説明の都合から映像データ群LDと
RD内の映像データをともに1から始まる変数pとqを用
いてそれぞれLpとRqで表すこととする。
部分群抽出手段は映像データ群LDとRDからそれぞれ図
の下部に示す部分群LdとRDを順次抽出するもので、各部
分群内の映像データ数mは元の映像データ数Mの4〜5
分の1の例えば24個とされ、従って部分群LdやRdは元の
視野角vよりもかなり狭い視野角部分vp内の映像パター
ンを表すようにされる。部分群抽出手段はかかる部分群
LdやRdをそれぞれ元の映像データ群LDやRDから同じ要領
で順次,ふつうは図示の例のように1映像データ分ずつ
順次ずらせながら抽出する。
なお、以下の説明の都合上、左側の部分群Ldと右側の
部分群Rdからなる部分群対の組み合わせを図の左側に示
すように1から始まる変数iを用いてCiで表すものとす
る。この変数iは部分群対の組み合わ番号でもあって、
その最大値imは容易にわかるようにM−m+1である。
図には部分群対のかかる組み合わせCiの左側の部分群Ld
についてその中央の映像データが光学器械の光軸Lcに対
してもつ角度がθで示されている。これからわかるよう
に、部分群対の組み合わせ番号iにより対象を検出すべ
き視野角部分vpの光軸Lcに対する角度方向が指定され
る。
第3図は上のように抽出された1対の部分群LdとRdに
対し相関検定手段30によりその映像データ間の相関を検
定する要領を示す。この要領は、各m個の映像データか
らなる部分群LdとRdからそれぞれ各n個の映像データを
含む小部分群lとrを図のように1映像データ分ずつ左
右交互にかつ互いに逆方向に順次シフトさせながら抽出
し、そのつど小部分群lとrの間の相関を検定する。
相関検定用の評価関数の例としては、左右1対の小部
分群内に各n個の映像データ中の対応する映像データの
差の絶対値の和をとることでよく、両小部分群内の対応
する映像データがすべて一致すれば評価関数値は0とな
るが一般にはある値をもち、以下これを相関データと呼
ぶことにする。第3図の左側にはかかる相関データをと
るべき小部分群lとrの組み合わせが0から始まる変数
jを用いてcjで示されており、変数jの最大値jmは2
(m−n)である。なお、小部分群の映像データ数nは
部分群の映像データ数mの3分の2程度になるよう例え
ば16個に設定するのがよい。
この内の最初の組み合わせc0の1対の小部分群は図の
ように左側の部分群Ldの最右端部と右側の部分群Rdの最
左端部からそれぞれ抽出され、元の部分群に対応する第
2図の視野角部分vp内の対象が無限遠にある場合にこの
最初の組み合わせc0が高い相関を示すように、小レンズ
11と12に対する第1図のイメージセンサ13と14の図の左
右方向の位置が固定されている。
対象がこの無限遠から近付くに従い、その映像は左側
の部分群Ld内では左方に,右側の部分群Rd内では右方に
それぞれ動くから、高い相関を示す小部分群の組み合わ
せが第2図の下の方にずれて行くことになる。上述の組
み合わせcjはこの高い相関を追い掛けるため部分群Ldと
Rdから小部分群lとrをそれぞれ抽出する位置を1映像
データ分ずつ順次シフトさせながら作られ、変数jはこ
の際のシフト値を示す。上述の最初の組み合わせc0はこ
のシフト値jが0の場合である。
第4図と第5図はかかる相関検定手段の動作例を示す
ものである。第4図のように部分群LdとRdに対応する視
野角部分vp内には対象Oが一般には複数個含まれている
ので、第3図の要領でシフト値jを順次変えながら相関
を検定した結果は第5図に示すように相関データFが複
数個の山と谷をもつ形状になる。なお、横軸のシフト値
iが不連続的に変化するので、縦軸の相関データFは実
際には階段状に変化するが図では見やすいように円滑な
曲線で示してある。
第5図の相関データFが上述のような評価関数値であ
る場合その値が低い程相関が高いことを示し、図の例で
は相関データFが極小になるj1〜j4のシフト値で相関が
極大になる。相関検定手段は原則的には第5図のような
相関データFを計算すれば足りるが、以下に説明する実
施例では、図の相関データが極小になりかつその値があ
らかじめ決められたしきい値Ftよりも低い図のj1とj2と
j3とシフト値においてのみ1をとり、他のシフト値では
すべて0をとる1ビットの相関データが用いられるもの
とする。
第6図は対象検出手段50のかかる相関データに基づく
動作の説明用である。図の横軸は部分群抽出手段20によ
り抽出された部分群対の組み合わせ番号i,縦軸は相関検
定手段30により用いられたシフト値jであって、図の範
囲A内に相関データが並べられる。相関データが多ビッ
ト構成の場合は立体的な曲面になるが、この例では相関
データが1ビットなのでその値が1の点のみに小円が示
されており、各小円が極大相関点を示す。
図の例ではイメージセンサの視野内にかなりの極大相
関点つまり対象が分布しているが、前述のようにある程
度以上の大きさをもつ対象は隣合う視野角部分つまり部
分群対の組み合わせ番号iについて重複して極大相関が
検定されるので、この性質を利用して対象検出手段は図
のG1〜G3のような極大相関点の団塊をそれぞれ対象とし
て検出する。なお、この例のように相関データが極大相
関点のみを示す1ビット構成の場合、団塊G1〜G3は図の
ように極大相関点が組み合わせ番号iの方向に繋がった
形になるが、相関データが評価関数値そのままの場合は
高い相関を示す点が二次元分布をもつ団塊を形成する。
この場合も対象検出手段がかかる団塊のそれぞれを対象
として検出するのは同じである。
以上で各手段の機能の説明を終えたので、ついで第7
図と第8図の流れ図を参照して本発明方式の具体的な動
作を説明する。第7図は部分群抽出手段20と相関検定手
段30の動作を,第8図は対象検出手段50の動作をそれぞ
れ示す。
第7図の左側の列が部分群抽出手段20の動作であっ
て、最初のステップS20では前述の1ビットの相関デー
タを変数jごとにかつ変数iのすべての値につき集めて
記憶するためのデータDjを0にリセットする。このデー
タDjは9〜15バイト長のデータである。次のステップS2
1では部分群対の組み合わせ番号iに1を入れ第2図の
最初の組み合わせC1を指定した上で、流れを相関検定手
段30の最初のステップS30に移す。
ステップS30では変数jに0を入れて第3図の小部分
群対の最初の組み合わせc0を指定し、かつ符号変数SNに
1を立てる。つづくステップS31は相関検定のための準
備ステップで、相関データを求める評価関数による評価
値Fの最小値変数Fmに第5図のしきい値Ftを入れる。ま
た、第3図の小部分群lの先頭の映像データ番号psにi
を,小部分対rの先頭の映像データ番号qsにi+m−n
をそれぞれ入れる。なお、これらpsとqsの値は第3図の
最初の組み合わせc0に対応する先頭の映像データ番号で
ある。
次に動作はステップS32に移って小部分群内のデータ
数変数kに1を入れ、さらにステップS33で評価値変数
Fを0にし、映像データ番号pとqに先頭映像データ番
号psとqsをそれぞれ入れる。次のステップS34が相関評
価値の計算用で、左側の小部分群lの映像データLpと右
側の小部分群rの映像データLqとの差の絶対値を評価値
変数Fに加算する。続くステップS35ではデータ数変数
kが最大値kmつまり小部分群内の映像データ数nより小
か否かを判定し、否である限りステップS36でデータ数
変数kおよび映像データ番号pとqを1ずつ歩進させた
上流れをステップS34に戻して同じ動作を繰り返す。デ
ータ数変数kが最大値kmに達したとき1個の評価値Fの
計算が終わる。
動作はステップS35からステップS37に移り、この評価
値Fがその最小値変数Fmより小か否かを判定し、然りの
時はステップS38で最小値変数Fmを評価値Fで置き換
え、否の時はステップS39でその時の最小値変数Fmが前
述のしきい値Ftより小か否かを判定する。
しかし、最初の内はこの判定が否と出るから、流れは
このステップS39またはステップS38からステップS40に
移り、変数jの値がその最大値jmと比較される。最初に
この内この判定は然りで、動作はステップS41に入って
変数jが歩進される。次のステップS42では符号変数SN
の正負を判定し、正の場合はステップS43で第3図の小
部分群rの先頭映像データ番号qsから1を減じ、負の場
合はステップS44で小部分群lの先頭映像データ番号ps
に1を加え、いずれの場合もステップS45において符号
変数SNの正負を反転させる。
この後、流れはステップS32に戻り、小部分群の次の
組み合わせにつき評価値Fが計算される。第3図の要領
で変数jを進めつつ評価値Fを計算し、最小値変数Fmよ
り小な評価値Fが計算されたつどステップS38でこれを
置き換えて行き、次に計算された評価値Fが最小値変数
Fmより大であると、ステップS39でその時の最小値変数F
mの値がしきい値Ftより小か否かを判定し、然りのとき
に限り流れをステップS46に入れる。
ステップS39での判定の然りは、最小値変数Fmとして
記憶されている前回に計算された評価値がこの実施例で
求める極大相関を示していたことを意味するから、この
ステップS46では前回に対応するデータDj-1の前述の1
ビットの相関データ用の1を加え、かつ最小値変数Fmを
しきい値Ftに初期化し直して流れをステップS40に戻
す。
以後、同様にして第6図中の変数iのある値に対する
変数jのすべの値について動作が終了したとき、流れは
ステップS40からステップS22に入る。このステップでは
変数iがその最大値jmに達したか否かを判定し、否の限
りステップS23において変数iを歩進させ、かつすべて
の変数jの値に対するデータDjの値を2倍にして、更新
された変数iの値に対し上述の1ビットの相関データを
記憶できるようにする。
ステップS23の後は流れをステップS30に移して以後同
じ動作を繰り返す。変数iのすべの値につき動作が終了
した後流れがステップS22から抜け出して第7図の動作
が終了する。
以上で相関データの計算が終了したので、次に第6図
に対応する態様で動作する第8図を参照しながら対象検
出手段50の動作例を説明する。最初のステップS50で
は、第7図のkとは異なる対象番号kを0とし、かつ変
数jを0にセットする。次のステップS51ではまずこの
変数jに対応するデータDjが0か否かを判定し、0であ
れば動作をステップS52に移して変数jがその最大値jm
に達していない限りステップS53で変数jの値を歩進さ
せた上で動作をステップS51に戻して0でないデータDj
を探す。0でないデータDjが見付かると動作はステップ
S51から団塊を探すための流れの最初のステップS54に移
る。
このステップS54では変数iを1に初期化し、団塊の
サイズ変数Sを0にリセットし、かつ流れの切り換えフ
ラグSFに1を立てる。ステップS55ではデータDjを2倍
にすることによりその最上位ビットを押し出し、この最
上位ビットが1の場合はキャリーCFが出るので次のステ
ップS56でそれが0か否かを判定する。
この判定結果が否,すなわちキャリーCFが出ていた場
合は、動作はステップS57に入ってサイズ変数Sに1を
加えた上で、ステップS58の判定でデータDjが空になっ
ておらず、かつステップS59の判定で変数iが最大値im
に達していない限り、次のステップS60で変数iを歩進
させた上で流れをステップS55に戻してデータDj内の1
を探す。ステップS56の判定が然りの場合はステップS61
でサイズ変数Sがまだ0か否かを調べる。然りの場合は
さらにステップS62で切り換えフラグSFが0か否かを判
定するが、いまはこれに1が立っているので動作は必ず
ステップS58に移る。サイズ変数Sが0でない場合は、
ステップS63でそれがあらかじめ設定されたしきい値St
より小か否かを調べる。然りの場合ステップS65でサイ
ズ変数Sを0に戻した上で流れをステップS62に移す
が、否すなわちサイズ変数Sがしきい値St以上の探して
いる団塊を意味する場合は、動作をこの団塊の記憶ステ
ップであるステップS64を経由した上で上述のステップS
65に移す。
ステップS64ではまず対象番号kに1を加えた上で、
このkに対応する団塊サイズSkに変数Sの値を,団塊の
中央の変数i方向の位置を示すIkに例えばi−1−S/2
を,団塊の変数j方向の位置を示すJkにjをそれぞれ入
れて記憶する。
この記憶後に動作はステップS65とS62を経てステップ
S58に入り、データDjが0になっていた場合はこのステ
ップS58から、あるいは変数iの全値につき動作が終了
した後はステップS59から流れはステップS66に入り、切
り換えフラグSFを0にした上でステップS61に移る。こ
れ以降の動作は上と同様であるが、今度は切り換えフラ
グSFが0なのでステップS61ないしステップS65から流れ
がステップS62を経てステップS52に移り、変数jの次の
値に対する動作に入る。
変数jのすべての値に対する上述のような動作が終了
し、その値が最大値jmに達したとき流れはステップS52
からステップS67に移り、その時の対象番号kの値を検
出された対象数Noとして記憶した上で動作を終了させ
る。
以上で本発明方式の動作例の説明を終え、次にこのよ
うにして検出された対象の位置を示す上述の座標である
シフト値Jkがもつ意味合いを第9図と第10図を参照して
説明する。
第9図は三角測量方式の場合で、図には検出された対
象の内の1個Okに対するレンズ11および12とイメージセ
ンサ13および14の関係位置が示されており、左右のイメ
ージセンサ上にはそれぞれ部分群LdとRdの位置がハッチ
ングを付して示されている。ただし、図示の都合から両
部分群の左右方向の幅は実際よりかなり拡大されてい
る。これら部分群LdとRdはその中央とレンズ11と12の中
心をそれぞれ結ぶ線が光軸Lcとなす角度θの方向を中心
とする視野角部分内の対象Okを捉え、その映像の中心位
置がP1とP2で、部分群LdとRdの中心からのシフト量がそ
れぞれs1とs2であるとする。また、部分群LdとRdの中心
のレンズ1と12の中心からの左右方向の距離をaとし、
対象Okから両レンズを結ぶ基線に下ろした垂線により基
線長bがb1とb2に分割されるものとする。
いま、図の左半分に注目して、対象Okまでの距離xと
基線長部b1を直交2辺とする三角形とレンズ11の焦点距
離fと映像位置P1からレンズ11の中心までの左右方向の
距離s1+aを直交2辺とする三角形が相似であるから、 b1/x=(s1+a)/f が成立し、同様に図の右半分に対しては、 b2/x=(s2−a)/f が成立するから、b=b1+b2,s=s1+s2とすれば次式が
得られる。
b/x=s/f これは前に第11図について得たと同じ式であり、三角
測量の原理は部分群対についても同じであることがわか
る。また、上式中の左右のシフト量の和sは前の第3図
の要領で1対の部分群内の映像データを互いに順次シフ
トさせながら求めたこの図の対象Okに対応する前述の位
置座標ないしはシフト値Jkに比例する。このように三角
測量方式の場合はシフト値Jkから対応する各対象Okまで
の距離xを検出できる。
第10図はTTL方式の場合を示す。よく知られているよ
うに、この場合は対象Oからの光が撮像レンズ2の互い
に異なる部分を通る光路L1とL2を経由して小レンズ11と
12に与えられ、その映像がイメージセンサ13と14上に結
像される。もちろん実際には撮像レンズ2の後方の正面
にはフィルムがあるので、レンズ11や12に与える光は小
ミラーにより方向が変えられるが、簡略化のため図では
光が直進するとしてある。
図の右側には両イメージセンサ11と12が受ける対象O
の映像が相互に連結された形で3個の場合について示さ
れており、映像Ioは撮像レンズ2が合焦状態の場合,映
像Ifは前ピント状態の場合,映像Ibは後ピント状態の場
合である。本発明方式では合焦状態の対象の映像Ioに対
するピントぼけ状態の映像IfやIbの図のシフト量s1をそ
れに比例する前述のシフト値jないしJkの形で検出す
る。ただし、TTL方式の場合はイメージセンサ上の2個
の映像のシフト量が互いに等しいので、合計したシフト
量はs=2s1となる。
また、第10図を第11図の三角測量方式と比較すると、
三角測量方式のシフト量sは対象が無限遠にあるとき0
で,対象が近付くに従って正の方向にのみ変化するに対
し、TTL方式のシフト量sは正負量方向に変化する。こ
のため、TTL方式ではシフト値jのもつ意味が三角測量
方式と若干異なり、第6図の変数ないしはシフト値jの
変化範囲0〜jmの中心jcで合焦状態になるよう第10図の
レンズ11と12に対してイメージセンサ13と14の位置が設
定される。TTL方式はこの点において三角測量方式と異
なるだけで、部分群対を第2図の要領で順次抽出するこ
とにより対象を検出すべき視野角部分vpの角度θの方向
がずらされる点についてもなんら変わらない。
従って、両方式とも部分群対の組み合わせ番号である
変数iの値によって対象を検出すべきこの角度θの方向
が変えられる。もちろんこの角度θは正負両方向に変え
られ、第6図についていえば変数iの変化範囲1〜imの
中心icが角度θが0の正面に対応するように設定され
る。
最後に本発明方式の三角測量方式とTTL方式の自動焦
点カメラへの応用について説明する。
第1図の三角測量方式の光学器械1において、本発明
方式による対象検出の結果第6図に示すように団塊G1〜
G3に対応する3個の対象が検出されたものとする。この
場合、これら対象の内のどれを選択するかはもちろん光
学器械の使い方により異なるが、例えば次のような基準
で対象を選択することができる。
(a)最も正面に近い対象を選択する。
この場合には第6図の変数iの中心icに最も近い団塊
G2に対応する対象を選択する。
(b)最も距離が近い対象を選択する。
距離が近いほど変数jが大きくなるから、この場合に
は団塊G1に対応する対象を選択する。
(c)最も見掛けサイズが大きい対象を選択する。
この場合にはサイズが最も大きい団塊G3に対応する対
象を選択する。
対象の選択基準はもちろんこれらに限らず光学器械の
使用目的に応じて適宜決められる。
第1図の対象特定手段70はこのようにして焦点を合わ
せるべき対象を特定するためプロセッサ7に装荷される
ソフトウエアで、設定器8はこれに対して上述のような
設定基準のどれかを指定する2〜3ビット構成のコード
の設定用である。対象特定手段70はかかる設定器8から
選択基準を指定するコード化された指令を受け、これに
基づいて対象検出手段50内に記憶されている団塊サイズ
Skや団塊の位置座標IkやJkを読み出して対象を特定す
る。上述のような選択基準のいずれにに対するソフトウ
エアもごく簡単なものでよい。
三角測量方式では、対象特定手段70により特定された
対象の距離に対応する上述のシフト値Jkが撮像レンズ制
御手段80に与えられる。撮像レンズ制御手段80はこれに
基づきエンコーダ6から読み取った撮像レンズ2の位置
がそれに合致するようにアクチュエータ5を制御する。
なお、設定器8内の設定内容は各光学器械に対し固定設
定とし、あるいは撮像のつどにその設定内容を選択し得
るようにすることができる。
第10図のようになTTL方式の自動焦点カメラでは、対
象特定手段70に与えるべき対象選択基準例としては、前
述の(a)の最も正面に近い対象や(c)の最も見掛け
サイズの大きい対象のほかに、(d)最も合焦に近い対
象とすることもできる。この場合は第6図の変数jが合
焦状態からのずれを示すから合焦状態に対応するjcに近
い団塊G2が選択されることになる。
対象特定手段70は設定器8からかかる選択基準のどれ
かを指定するコードを受け、それに基づいて対象を特定
し、この対象に対応するシフト値Jhと合焦状態に対応す
る中心シフト値jcとの差を示す信号あるいは単にその正
負の極性を示す信号を撮像レンズ制御手段80に与える。
撮像レンズ制御手段80はアクチュエータ5を介して撮像
レンズ2の位置をかかる信号に応じた方向に,ないし方
向および速度で制御し、対象特定手段70から受ける信号
値が許容限度内になるまでこれを継続する。このように
TTL方式の場合はクローズドループ制御になるのがふつ
うである。
以上説明した実施例に限らず、本発明は種々の態様で
実施することができる。相関検定手段により作られる相
関データは、上例のような1ビットデータに限らずその
内部で評価関数により計算される評価値そのままでもよ
く、この際の対象検出手段の動作は若干複雑にはなるが
高い相関を示す相関データの二次元的な団塊から対象を
より正確に検出でき、対象の属性として団塊サイズや団
塊の中心の位置座標のほかに対象特定手段に役立ち得る
有用な項目を検出できる。
また、実施例では第1図に示すようにレンズ11や12の
光軸とイメージセンサ13や14の中心を一致させるように
したが、実際にはかかる光軸と中心を互いに若干ずらせ
る方が有利である。
本発明をTTL方式の自動焦点カメラに適用する場合、
撮像レンズの位置制御がふつうクローズドループ制御に
なるので、この制御速度を上げるため対象の特定後は、
部分群抽出手段や相関検定手段の変数iとjに関する動
作範囲を対象に対応する団塊付近に絞るのが有利であ
る。
〔発明の効果〕
本発明方式では、対象からの光を受ける1対のイメー
ジセンサにより得られる対象の映像を表す1対の映像デ
ータ群から対象を検出するに際し、光学器械の光軸から
の傾き角度ごとに映像データ群からその角度方向に対応
する部分群をそれぞれ取り出して部分群対の組み合わせ
を順次抽出し、この組み合わせごとにそ1対の部分群内
の映像データを相互に順次シフトさせそのつど両映像デ
ータ間の相関を検定し、相関検定用シフト値を部分群対
の組み合わせ順に並べた範囲の相関データの集合から高
相関を示す相関データの各団塊を対象として検出するこ
とにより、次の効果を得ることができる。
(a)光軸からの傾き角度ごとに映像データ群対から部
分群対を抽出して、それに対応する狭い視野角部分内の
対象を見ながら部分群対を抽出する角度を順次ずらせて
行くので、全体としては光学器械の対象検出の視野角を
広げて、従来のような対象の見落としをなくすことがで
きる。
(b)視野内に複数個の対象が含まれ、かつこれらの対
象の遠近がまちまちであっても、相関検定手段により作
られる相関データに基づき対象検出手段によってこれら
の対象を互いに明確に区別しながら検出することができ
る。
(c)対象検出手段により検出される対象ごとにその見
掛けの大きさや角度方向等の属性が同時に得られるの
で、視野内に複数個の対象が検出されてもこれらから所
望の対象を特定する際にかかる属性に基づいて明確な選
択基準で特定できる。また、この選択基準を光学器械の
使用目的やその視野の条件に応じて容易に指定できる。
(d)本発明方式を三角測量方式における距離検出およ
びTTL方式における合焦状態からのずれの検出に適用す
る場合には、本発明を構成する各手段を両方式に共通に
適用でき、これにより検出された対象から所望の対象を
特定する際の態様を各方式に合わせるだけで済む。従っ
て、例えば設定器により対象を特定する態様を指定する
内容を変えるだけで、本発明方式を両方式に共通に適用
できる。
(e)従来方式で若干見られたような合焦上の誤動作が
ほぼ皆無になる。この点について説明を加えると次のと
おりである。
発明者達が行なったシュミレーションと実験の結果に
よると、第4図のように視野角部分vp内に対象Oが例え
ば2個ある場合、第5図にはこれらの対象に対応する評
価値Fの極小点が本来は図のシフト値j1とj3にだけ現れ
るはずであるが、2個の対象の距離が互いに異なり、と
くに視野内でそれらが互いに接近していたり、対象と紛
らわしいパターンが背景にあったりすると、シフト値j2
においても評価値Fに図のような偽の極小点が偶然現れ
ることがあり、さらにシフト値j4にも小さな偽の極小点
が現れることがある。
これらの内のシフト値j4での極小点は図のようなしき
い値Ftを設定すれば排除できるが、シフト値j2での極小
値がシフト値i1やj3での正規の極小値より偶然小さくな
ることがあるので、従来方式ではシフト値j2での極小点
を対象と判定し誤った合焦がなされるおそれがある。
しかし、本発明方式では第4図の部分群LdとRdの映像
データ群LDとRDからの抽出位置をずらせながら第5図の
評価値を繰り返して計算するので、抽出位置がずれるつ
どこれらの対象を見る角度が変わることになり、この角
度を僅かずでも変えることにより上述の偽の極小点が重
ねて同じ個所に発生する確率を小さくできる。これを第
6図についていうと、偽の極大相関の小円が偶然発生し
ても変数i方向に重なって発生する確率は低く、小円が
2個繋がることはあってもそれ以上に繋がることは実際
には起こらない。従って、第8図の対象検出手段50のス
テップS63で団塊サイズSと比較するしきい値Stを例え
ば4個程度に設定しておけば、偽の最大相関に起因する
誤合焦のおそれをほぼ皆無にできる。
このように本発明によれば、対象検出の失敗がなく、
複数個の対象を明確に区別して検出でき、しかも誤合焦
のおそれがない対象検出方式が得られ、自動焦点カメラ
等の光学器械に適用してその動作信頼性を格段に高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図から第10図までが本発明に関し、第1図は本発明
の対象検出方式の基本構成を三角測量方式の自動焦点カ
メラについて示す構成図、第2図は部分群抽出手段の機
能を例示する映像データ群と部分群の模式図、第3図は
相関検定手段の機能を例示する部分群と小部分群の模式
図、第4図は相関検定手段の動作例における部分群に対
応するイメージセンサ部分と対象の関係位置図、第5図
は相関検定手段の動作例を示す第4図に対応する相関デ
ータの分布図、第6図は対象検出手段の機能説明用の相
関データの分布図、第7図は部分群抽出手段および相関
検定手段の動作を例示する流れ図、第8図は対象検出手
段の動作を例示する流れ図、第9図は本発明方式の三角
測量方式の自動焦点カメラへの適用例における部分群に
対応するイメージセンサ部分と対象の関係位置図、第10
図は本発明方式のTTL方式の自動焦点カメラへの適用例
の概要構成図である。第11図および第12図は従来技術に
関し、第11図は従来の三角測量方式の動作原理図、第12
図は従来の問題点を示す対象と光学器械との関係位置図
である。図において、1:光学器械、2:撮影レンズ、3:シ
ャッタ、4:フィルム、5:アクチュエータ、6:エンコー
ダ、7:プロセッサ、8:設定器、10:三角測量用モジュー
ル、11,12:小レンズ、13,14:イメージセンサ、15:AD変
換器、20:部分群抽出手段、30:相関検定手段、50:対象
検出手段、70:対象特定手段、80:撮像レンズ制御手段、
A:相関データが並ぶ範囲、b:基線長、b1,b2:基線長部
分、Ci:部分群対の組み合わせ、cj:小部分群対の組み合
わせ、Dj:相関データ、F:相関データないし相関評価
値、f:小レンズの焦点距離、Fm:相関評価値の最小値変
数、Ft:相関評価値に対するしきい値、G1〜G3:団塊、i:
部分群対の組み合わせ番号ないしそれ用の変数、Ib:後
ピント状態の映像、If:前ピント状態の映像、Ik:団塊の
変数i方向の位置座標、im:変数iの最大値、Io:合焦状
態の映像、j:シフト値ないしそれ用の変数、Jk:団塊の
変数j方向の位置座標、jm:変数jの最大値、j1〜j4:相
関評価値が極小になるシフト値、k:相関評価値計算用デ
ータ数変数ないし対象番号、km:変数kの最大値、Lc:光
軸、LD:左側の映像データ群、Ld:部分群、Lp,Rq:映像デ
ータ、L1,L2:光路、l:小部分群、M:映像データ群内の映
像データ数、m:部分群内の映像データ数、No:対象数、
n:小部分群内の映像データ数、O,Ok,O1,O2:対象、p:映
像データ番号、ps:小部分群の先頭映像データ番号、P1,
P2:映像の位置、q:映像データ番号、qs:小部分群の先頭
映像データ番号、RD:右側の映像データ群、Rd:部分群、
r:小部分群、S:団塊のサイズ変数、s,s1,s2:映像のシフ
ト量、Sk:団塊サイズ、SF:切り換えフラグ、SN:符号変
数、SR:視野、S20〜S23:部分群抽出手段の動作ステッ
プ、S30〜S46:相関検定手段の動作ステップ、S50〜S67:
対象検出手段の動作ステップ、v,v1,v2:視野角、vp:視
野角部分、x:対象までの距離、θ:視野角部分中心の光
軸に対する傾き角度、である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対象からの光を互いに異なる光路を介して
    受ける1対のイメージセンサから得られる対象の映像を
    表す1対の映像データ群から光学器械の対象を検出する
    方式であって、光学器械の光軸からの傾き角度ごとに各
    映像データ群からその角度方向に対応する部分群をそれ
    ぞれ取り出して部分群対の組み合わせを順次に抽出する
    手段と、組み合わせごとにその1対の部分群内の映像デ
    ータを相互に順次シフトさせながらそのつど両映像デー
    タ間の相関を検定する手段と、相関を検定したシフト値
    を部分群対の組み合わせ順に並べた範囲内の相関結果を
    示すデータの集合から高い相関を示す相関データの各団
    塊を対象として検出する手段とを備えてなる光学器械の
    対象検出方式。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の方式において、団塊に対
    応するシフト値から対象までの距離が検出されることを
    特徴とする光学器械の対象検出方式。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の方式において、対象の映
    像が撮像レンズを介して1対のイメージセンサに与えら
    れ、団塊に対応するシフト値から対象に対する撮像レン
    ズの合焦状態が検出されることを特徴とする光学器械の
    対象検出方式。
JP2167352A 1990-06-26 1990-06-26 光学器械の対象検出方式 Expired - Fee Related JP2676985B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2167352A JP2676985B2 (ja) 1990-06-26 1990-06-26 光学器械の対象検出方式
DE4121145A DE4121145C2 (de) 1990-06-26 1991-06-26 Objektdetektionssystem für optisches Instrument
US08/332,443 US5602944A (en) 1990-06-26 1994-10-31 Object-detecting system for optical instrument

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2167352A JP2676985B2 (ja) 1990-06-26 1990-06-26 光学器械の対象検出方式

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0456915A JPH0456915A (ja) 1992-02-24
JP2676985B2 true JP2676985B2 (ja) 1997-11-17

Family

ID=15848137

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2167352A Expired - Fee Related JP2676985B2 (ja) 1990-06-26 1990-06-26 光学器械の対象検出方式

Country Status (3)

Country Link
US (1) US5602944A (ja)
JP (1) JP2676985B2 (ja)
DE (1) DE4121145C2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2881995B2 (ja) * 1990-08-01 1999-04-12 富士電機株式会社 光学器械の対象検出装置
KR960028223A (ko) * 1994-12-15 1996-07-22 나카사토 요시히코 영상쌍간의 위상차 검출 방법
JPH08248303A (ja) * 1995-03-07 1996-09-27 Minolta Co Ltd 焦点検出装置
JP3216792B2 (ja) * 1996-08-06 2001-10-09 富士電機株式会社 映像による距離検出方法
US6027138A (en) * 1996-09-19 2000-02-22 Fuji Electric Co., Ltd. Control method for inflating air bag for an automobile
JP3147002B2 (ja) * 1996-09-26 2001-03-19 富士電機株式会社 距離検出値の補正方法
US6116640A (en) * 1997-04-01 2000-09-12 Fuji Electric Co., Ltd. Apparatus for detecting occupant's posture
JP3806489B2 (ja) * 1997-05-12 2006-08-09 オリンパス株式会社 測距装置
US7208720B2 (en) * 1999-07-06 2007-04-24 Larry C. Hardin Intrusion detection system
US20070162248A1 (en) * 1999-07-06 2007-07-12 Hardin Larry C Optical system for detecting intruders
US20130124147A1 (en) * 2008-08-15 2013-05-16 Hailin Jin Random Sample Consensus for Groups of Data
US8385689B2 (en) * 2009-10-21 2013-02-26 MindTree Limited Image alignment using translation invariant feature matching

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE2936520A1 (de) * 1979-09-10 1981-03-26 Siemens AG, 1000 Berlin und 8000 München Schaltung zur sensorgesteuerten entfernungsmessung
JPS58119079A (ja) * 1982-01-07 1983-07-15 Canon Inc 相関検知装置
US4573784A (en) * 1982-12-11 1986-03-04 Canon Kabushiki Kaisha Focus detecting apparatus
JPS59204704A (ja) * 1983-05-08 1984-11-20 Konishiroku Photo Ind Co Ltd 距離測定装置
JPS6015506A (ja) * 1983-07-08 1985-01-26 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 距離測定装置
JPS6020111A (ja) * 1983-07-14 1985-02-01 Fuji Electric Corp Res & Dev Ltd 距離測定装置
JPS6036905A (ja) * 1983-08-10 1985-02-26 Canon Inc 焦点測定装置
JPH067219B2 (ja) * 1983-08-16 1994-01-26 ミノルタカメラ株式会社 カメラの焦点検出装置
US4766302A (en) * 1984-05-17 1988-08-23 Minolta Camera Kabushiki Kaisha Focus detecting device including means for determining a priority of correlation calculations
JPS61120001A (ja) * 1984-11-16 1986-06-07 Fuji Electric Co Ltd 位置座標測定装置
US4864629A (en) * 1985-12-31 1989-09-05 Schlumberger Technologies, Inc. Image correlation system
JPH0795140B2 (ja) * 1987-07-15 1995-10-11 富士電機株式会社 光学機器の合焦化用評価値検出装置
US4989864A (en) * 1988-01-27 1991-02-05 Vaclay Ubl Racquet string straightener
JPH0715533B2 (ja) * 1988-01-27 1995-02-22 富士電機株式会社 映像対の相対位置検出方式

Also Published As

Publication number Publication date
US5602944A (en) 1997-02-11
JPH0456915A (ja) 1992-02-24
DE4121145C2 (de) 1997-01-30
DE4121145A1 (de) 1992-01-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5890021A (en) Distance detecting device, focus state detecting device and camera having same
JP2676985B2 (ja) 光学器械の対象検出方式
CN1332263C (zh) 相机
EP2651118B1 (en) Light receiving device, focus detection device and imaging device
CN105717608B (zh) 摄影装置以及摄影装置的控制方法
BR102012020775B1 (pt) aparelho de captura de imagem, aparelho de processamento de imagem e método para processamento de imagem para geração de informação auxiliar para a imagem capturada
US5913082A (en) Image signal processing apparatus
US5615398A (en) Optical apparatus with image area sensors for controlling lens focal length
US6407802B1 (en) Multi-point distance measuring apparatus
US5732292A (en) Focus detection apparatus for interpolating correlation value between two images and self-correlation value of either image
JP2881995B2 (ja) 光学器械の対象検出装置
JPH022131B2 (ja)
JP4892014B2 (ja) カメラ
US6038405A (en) Automatic focus detection device
US5986764A (en) Distance measurement device
JPH04126473A (ja) 自動追尾カメラ装置
US6219492B1 (en) Camera
JP2000356736A (ja) カメラの測距装置
JPH11223516A (ja) 3次元画像撮像装置
JPH0442207A (ja) オートフォーカス装置
US20220138965A1 (en) Focus tracking system
JPH07191256A (ja) 撮像装置
JP2005250296A (ja) 測距装置及び測距方法
JP2005234071A (ja) プロジェクタ装置及び投影画像調整方法
JP2001343578A (ja) カメラ

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 11

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080725

Year of fee payment: 11

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090725

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees