JPH0892897A - リサイクル可能な耐水性透明紙及び窓開き封筒 - Google Patents

リサイクル可能な耐水性透明紙及び窓開き封筒

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JPH0892897A
JPH0892897A JP22619694A JP22619694A JPH0892897A JP H0892897 A JPH0892897 A JP H0892897A JP 22619694 A JP22619694 A JP 22619694A JP 22619694 A JP22619694 A JP 22619694A JP H0892897 A JPH0892897 A JP H0892897A
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alkali
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JP22619694A
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Junji Harada
純二 原田
Sukeji Wakaura
資治 若浦
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Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リサイクル性の良好な耐水性透明紙及びそれ
を用いた窓開き封筒を提供する。 【構成】 セルロース繊維を用いて製造した透明度60
%以上の透明紙の少なくとも片面に、放射線硬化性のカ
ルボキシル基含有樹脂あるいは放射線硬化性のフェノー
ル性水酸基含有樹脂の中から選ばれる1種類以上の樹脂
と、架橋性の放射線硬化性樹脂からなる架橋型アルカリ
可溶性樹脂組成物を塗布し、放射線照射により硬化した
アルカリ可溶性の耐水性透明化層を有し、該耐水性透明
化層の15分間熱トルエン抽出によるゲル分率が10〜
80%であることを特徴とするリサイクル可能な耐水性
透明紙。 【効果】 窓開き封筒用に十分な耐水性を有し、使用後
は容易に回収工程にまわせる透明紙が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、透明紙に関し、特に合
成樹脂など不燃物を用いない、カール特性、透明性に優
れ、取扱いやすく、耐水性、耐油性、耐傷性を有し、使
用後においては耐水性透明化層を透明紙から容易に離脱
・分解でき、紙の再利用・リサイクルが可能な耐水性透
明紙に関するものであり、窓開き封筒などの用途を有す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境保護意識の高まりから紙の回
収及びその再利用が盛んに行われている。しかしなが
ら、新聞、雑誌、ダンボール、あるいはコピー用紙など
の再利用に比べ、窓開き封筒の再利用は技術的に非常に
困難なものであり、現在までそのリサイクル使用はなさ
れていない。ここでいう窓開き封筒とは、上質紙あるい
は塗工紙の一部に窓にあたる開口部を設けて封筒化し、
その部分に透明フィルムを貼ることにより、内部に納め
られた書類の記載部の一部、例えば、住所、氏名などを
封筒の状態で見ることができるようにしたものである。
また、封筒の用紙の一部をワックスなどの薬品を含浸さ
せて透明化した封筒(フィルム貼りによる窓開き封筒と
区別して、ワックス封筒と称する)も、リサイクルのし
にくさから、リサイクルされていない。
【0003】これらの窓開き封筒は、リサイクルされて
いないのみでなく、例えばオフィスの紙ゴミの大部分を
占める上質紙、あるいは家庭での紙ゴミの大部分を占め
る新聞紙と広告紙などに混入されやすく、資源ゴミとし
て一緒に回収されるものの、窓開き封筒が混入している
と再生紙の原料に適さないために、回収後に人手で分別
して排除しているのが現状である。当然、これらの作業
は多大な労力を有するばかりでなく、再生紙原料として
の故紙のコストアップになるものであった。
【0004】このような労力をかけても、ある程度の割
合で再生紙原料に窓開き封筒は混入するが、このような
窓開き封筒が混入した再生紙原料を一般の故紙と同様に
脱墨、再生した場合、以下のような問題が生じる。
【0005】透明なポリオレフィン樹脂フィルムで窓が
構成されている場合には、分離したポリオレフィン樹脂
フィルムが脱墨工程において紙繊維に混じって良好な故
紙パルプにならならず、リサイクルできないか、あるい
は貼合せ部分の紙とポリオレフィン樹脂フィルムが分離
しないとかの問題があった。紙繊維に付着したポリオレ
フィン樹脂フィルムが故紙パルプ中に残り、再生した紙
の印刷適性が非常に悪化するという印刷紙としては致命
的な問題があった。
【0006】また、ポリオレフィン樹脂フィルムは一般
に接着性が乏しいため、上質紙との貼合せには強接着性
の接着剤やホットメルト接着剤が使われているが、この
ような接着剤は一般の故紙再生用のアルカリ浴程度では
完全な分離・分解が非常に困難で、剥離、分解するほど
過酷な条件(高アルカリ濃度、高温浴、機械的攪拌)に
よって分離した場合には、支持体そのものの分解、劣化
が生じて故紙パルプとしての適性が低下するという問題
があった。
【0007】ワックス封筒の場合は、このような強接着
性の接着剤の問題は回避できるが、やはりパルプ回収工
程においてワックス分が故紙パルプに残留し、再生紙と
した場合にワックス分がインクをはじくという、印刷紙
に用いるには致命的な問題があった。
【0008】窓開き封筒用のフィルムをトレーシングペ
ーパーやグラシン紙などの透明紙にした場合、このよう
な再生紙工程からくるトラブルはなくなるものの、第一
に透明度が不足している点、第二に耐水性がなく、窓開
き封筒が雨に濡れるとシワになったり破れたりする点の
2つの問題点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明が解決
しようとする課題は、高い透明度と耐水性を有するリサ
イクル可能な透明紙を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、セ
ルロース繊維を用いて製造した透明度60%以上の透明
紙の少なくとも片面に、放射線硬化性のカルボキシル基
含有樹脂あるいは放射線硬化性のフェノール性水酸基含
有樹脂の中から選ばれる1種類以上の放射線硬化性のア
ルカリ可溶性樹脂と、架橋性の放射線硬化性樹脂とから
なる架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物を塗布して放射線
照射により硬化させたアルカリ可溶性の耐水性透明化層
を設けた耐水性透明紙であり、且つ該耐水性透明化層の
15分間熱トルエン抽出によるゲル分率が10〜80%
であることを特徴とするリサイクル可能な耐水性透明紙
の発明である。
【0011】本発明の架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
は、好ましくは放射線硬化性のカルボキシル基含有樹脂
あるいは放射線硬化性のフェノール性水酸基含有樹脂の
中から選ばれる1種類以上の樹脂、架橋性の放射線硬化
性樹脂、並びに放射線硬化性レベリング剤である。本発
明において、放射線は、電子線または紫外線を用いるこ
とができる。
【0012】更に、本発明の窓開き封筒は、前記耐水性
透明紙が封筒の窓に当る開口部に使用され、該開口部よ
り該封筒内に収納された書類の一部を読取り可能にした
ことを特徴とするものである。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。一般に、
故紙あるいは故紙を構成する故紙パルプ、脱墨パルプ
(DIP)の製法、すなわち紙のリサイクルは以下の工
程によっている。 1)パルパーによる離解工程、機械力及びアルカリなど
の薬品によって故紙を繊維状に分解、インキ成分を故紙
から分離する工程。 2)除塵工程、粗選、フローテーション、スクリーン、
クリーナー、洗浄の各工程において、故紙に含まれるプ
ラスチック、金属、無機物などを除去する工程。 3)脱墨工程、故紙より分離した印刷インキをフローテ
ーション法、あるいは洗浄法で系外に分離する工程。
【0014】これらの工程の複合技術によって作製され
る。
【0015】本発明者らは、窓開き封筒のリサイクル化
を検討した結果、紙支持体(キャスト紙、アート紙、コ
ーテッド紙などの塗工紙、上質紙)の一部に窓に相当す
る開口部を設け、ポリオレフィン樹脂フィルムを接着剤
にて貼り付けた窓開き封筒は、上で示すような故紙パル
プの製造工程では良好な故紙パルプが製造できないこと
を確認した。すなわち、透明なポリオレフィン樹脂フィ
ルムで窓が構成されている場合には、分離したポリオレ
フィン樹脂フィルムが脱墨工程において紙繊維に混じっ
て良好な故紙パルプにならならず、リサイクルできない
か、あるいは貼合せ部分の紙とポリオレフィン樹脂フィ
ルムが分離しないとかの問題があり、故紙パルプ中に残
ったポリオレフィン樹脂フィルムにより再生した紙の印
刷適性が非常に悪化する。また、一般に接着性の良くな
いポリオレフィン樹脂フィルムと上質紙や塗工紙との貼
合せには強接着性の接着剤やホットメルト接着剤が使わ
れているが、このような接着剤は一般の故紙再生用のア
ルカリ浴程度では完全な分離・分解が非常に困難であ
る。剥離、分解するほど過酷な条件(高アルカリ濃度、
高温浴、機械的攪拌)によって分離した場合には、支持
体そのものの分解、劣化が生じて故紙パルプとしての適
性が低下する。ポリオレフィン樹脂フィルムに代えてト
レーシングペーパーやグラシン紙などの透明紙にした場
合、リサイクルする以前の問題として透明度が不足して
良好な窓開き封筒にならず、且つ耐水性がなく、窓開き
封筒が雨に濡れるとシワになったり破れたりするなどの
問題点がある。
【0016】しかしながら、本発明に示すような架橋型
アルカリ可溶性樹脂組成物による耐水性透明化層を有す
る透明紙においては、使用後に処理する場合、一般の故
紙、あるいは故紙を構成する故紙パルプ、脱墨パルプ
(DIP)の工程によりきわめて良好な故紙パルプを回
収することができる。また、当初全く予期できなかった
ことであるが、耐水性透明化層を設けると透明紙の透明
度が飛躍的に増大し、ポリオレフィン樹脂フィルムに劣
らない程度の透明度になり、窓開き封筒用のフィルム代
替品として非常に優れた適性を持つことが判明した。さ
らに驚くべき事に、この透明度の飛躍的な増加は、透明
紙を構成するセルロース繊維に耐水性透明化層の樹脂が
含浸して透明化しているのではなく、全く表面コーティ
ングのみで高透明度を達成しているため、リサイクルす
るに当ってセルロース繊維が高収率で回収できることが
明らかとなった。
【0017】本発明で用いる透明紙は、セルロース繊維
を用いて製造した透明度60%以上の透明紙であること
が好ましい。本発明の透明紙の坪量は、回収する上では
いくらであっても問題ないが、取扱いやすさと透明度の
観点から10〜45g/m2であることが好ましい。
【0018】本発明中、透明度とは、100から不透明
度値を差引いた値で表した。不透明度値とは、JIS
P8138のA法にて測定した不透明度(%)である。
厚みはJIS P8118で規定される紙及び板紙の厚
さと密度の試験方法により測定した値である。
【0019】本発明においては、透明度が60%以上の
紙を透明紙と呼ぶ。透明度が60%以上のものであれ
ば、窓開き封筒用フィルムの代替品としてはグラシン
紙、樹脂含浸紙、タイプライター用紙、コンデンサーペ
ーパー、トレーシングペーパー、含浸トレーシングペー
パーなど特に制限するものではないが、回収性を考慮す
ると樹脂含浸した紙は好ましくなく、トレーシングペー
パーなどセルロース主体の透明紙が適している。なお、
本発明で称するトレーシングペーパーとは、ナチュラル
トレペあるいは天然トレペとも称される透明紙のことで
ある。
【0020】透明紙は、透明度が60%以上のものが耐
水性透明化層により高透明化しやすく、本用途に適して
いる。
【0021】ここでいうトレーシングペーパーとは、最
新紙加工便覧(テックタイムス編昭和63年8月20日
発行)によると次のように説明されている。『ナチュラ
ルトレペとは、製図における原図用紙といえば、トレー
ス作業とジアゾコピー作業を考慮したトレーシングペー
パーであった。トレーシングペーパーは透明紙である。
なぜ紙は不透明で白いかというと、一般の上質紙は体積
中に50%前後の空気を含んでいる。微細な空隙の分布
とセルロース繊維と空気の屈折率の違いにより紙は白く
見え、不透明になる。トレーシングペーパーには、ナチ
ュラルトレペと含侵トレペの2種類のトレーシングペー
パーがある。ナチュラルトレペは、パルプ繊維を高度に
叩解させて15〜25%と空隙が少なくなる様に抄造し
た紙である。それに対して、含浸トレペは一般の上質紙
にセルロースと屈折率の同じ透明化樹脂を含浸させた透
明紙である。』、『トレーシングペーパーにおいて事務
用には40〜60g/m2の薄物品が使用され、設計製図、
第二原図用には55g/m2以上のものが使用されてい
る。』。
【0022】さらに、新版印刷事典(日本印刷学会編
大蔵省印刷局)の透明紙の項には、『薄くて透明な筆記
用紙の一種。原図を透き写し、バンダイク法・青写真な
どの原稿用に用いる。2種類あって、1)は原料を高度
の粘状に叩解し透明になるようにすいたもの、または薄
紙にカナダバルサム・テレビン油・植物油などの混合物
を塗って透明にした加工紙。2)はコウゾ・ミツマタな
どを用いて流しずき法によって抄造した薄葉和紙。図引
き用紙ともいう。』との記載がある。
【0023】紙パルプ技術便覧(1982年 紙パルプ
技術協会)によれば、『薄葉の総称で、辞典用紙、ライ
スペーパー、タイプ用紙、印刷用紙など用途により種類
多く、坪量は40g/m2以下で、薄葉和紙は20g/m2以下
である。』との記載がある。
【0024】以上の記載を踏まえた上で、便宜上本発明
においては、耐水性透明化に適した透明度が60%以上
の紙を透明紙と呼ぶ。本発明の透明紙には、木材パル
プ、合成パルプ、填料、サイズ剤、紙力増強剤、染料な
ど、通常抄紙で用いられる原材料を必要に応じて使用す
ることが可能である。透明紙自体を着色して用いること
は可能であるが、着色後の透明度が十分に保たれる着色
方法である必要がある。
【0025】本発明の透明紙は、坪量が10〜45g/m2
であることが好ましい。透明紙の坪量が10g/m2より小
さいと寸法安定性が悪くて加工時に張力制御が困難で、
無溶剤系の放射線硬化性樹脂を用いてもしわが入りやす
く、また、取扱時に破れる事があり好ましくない。ま
た、坪量が45g/m2より大きいと耐水性透明化層を設け
た後の厚みが厚くなり紙のしなやかさがなくなったり、
耐水性透明化層を設けても透明度の改良が十分でなかっ
たりするほか、コスト的にも好ましくない。
【0026】本発明の耐水性透明化層に用いられる放射
線硬化性のアルカリ可溶性樹脂は、無溶媒で、あるいは
溶媒とともに用いることができるが、透明紙に容易に塗
布、乾燥(硬化)が可能なアクリロイル基やメタクリロ
イル基を有する放射線硬化性のアルカリ可溶性樹脂を好
ましく用いることができる。ここでいう放射線硬化性の
アルカリ可溶性樹脂としては、分子末端あるいは側鎖に
放射線硬化性の官能基とカルボキシル基またはフェノー
ル性水酸基を同時に有するものであり、トリメチロール
プロパンジアクリレートフマレート、トリメチロールプ
ロパンジフマレートモノアクリレート、アクリロイルオ
キシエチルサリチレート、メタクリロイルオキシエチル
サリチレート、アクリロイルオキシエチルモノフタレー
ト、メタクリロイルオキシエチルモノフタレート、アク
リロイルオキシプロピルモノフタレート、メタクリロイ
ルオキシプロピルモノフタレート、アクリロイルオキシ
エチルモノサクシネート、メタクリロイルオキシエチル
モノサクシネート、アクリロイルオキシプロピルモノサ
クシネート、メタクリロイルオキシプロピルモノサクシ
ネート、アクリロイルオキシエチルモノテトラヒドロフ
タレート、メタクリロイルオキシエチルモノテトラヒド
ロフタレート、アクリロイルオキシプロピルモノテトラ
ヒドロフタレート、メタクリロイルオキシプロピルモノ
テトラヒドロフタレート、アクリロイルオキシエチルモ
ノヘキサヒドロフタレート、メタクリロイルオキシエチ
ルモノヘキサヒドロフタレート、アクリロイルオキシプ
ロピルモノヘキサヒドロフタレート、メタクリロイルオ
キシプロピルモノヘキサヒドロフタレート、トリメチロ
ールプロパンジアクリレートモノサリチレート、ペンタ
エリスリトールジアクリレートモノフマレート、などの
多官能アクリレートや多官能カルボン酸、あるいはその
複合体、カルボキシル基あるいはフェノール性水酸基を
有するモノアクリレート、東亜合成化学工業(株)の商
品名でいえば、アロニックスM−5300、アロニック
スM−5400、アロニックスM−5500、アロニッ
クスM−5600などが挙げられる。なお、本発明にお
いては、電子線硬化性と紫外線硬化性を併せて放射線硬
化性と称する。
【0027】本発明のアルカリ可溶性樹脂は、他のバイ
ンダー成分となるアルカリ可溶性を示さない架橋性の放
射線硬化性樹脂と併用して適度な架橋性を出すことが必
要で、多官能の放射線硬化性樹脂を架橋剤、希釈剤、あ
るいはバインダー成分としてアルカリ可溶性の放射線硬
化性樹脂と共に用いることができる。架橋性の放射線硬
化性樹脂としては、この分野で通常使用されている電子
線、あるいは紫外線による重合が可能な不飽和結合を有
する化合物であれば、いずれも使用可能である。即ち、
炭素−炭素不飽和結合を一個以上有する化合物であり、
アクリロイル基、メタクリロイル基、アクリルアミド
基、アリル基、ビニルエーテル基、ビニルチオエーテル
基などを含む化合物であり、例えば、アクリル酸アルキ
ルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニルピロリドンなどが
挙げられるが、中でもアクリロイル基を有する化合物が
より好ましい。分子内に不飽和結合が二個以上、より好
ましくは三個以上あることが架橋性を向上させるうえで
適当である。
【0028】架橋性の放射線硬化性樹脂としては具体的
に、ポリオールの不飽和エステル類、例えば、エチレン
ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレー
ト、グリセロールトリアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレートなどが挙げられる。また、エポキシ環を一
個もしくは二個以上有する化合物、例えば、グリシジル
アクリレートなども好ましい。更には、これらの化合物
は、高分子量体であってもよい。特に好ましくは、高分
子鎖の末端あるいは側鎖にアクリレート基を有する化合
物であり、ポリエステル骨格、ポリウレタン骨格、エポ
キシ樹脂骨格、ポリエーテル骨格、ポリエーテルアクリ
ルアミド樹脂、ポリカーボネート骨格を有するプレポリ
マーなどが挙げられる。これらの架橋性の放射線硬化性
樹脂を単独もしくは混合して用いてもよい。架橋剤とし
ての役割がより必要な場合は、トリアクリレート以上の
多官能アクリレートを混合することにより、ゲル分率の
向上が図れる。
【0029】透明紙上に設けられた、放射線硬化性の架
橋型アルカリ可溶性樹脂組成物からなる耐水性透明化層
は、中性あるいは酸性の条件においては強固な被膜層を
形成していて、多少の水分、湿気、汗、あるいはオイル
などにより耐水性透明化層が破壊、あるいは透明紙から
剥離することはなく、透明紙としての利用に差し支えな
い。しかしながら、使用後にアルカリ浴により処理する
と、アルカリ可溶性の耐水性透明化層は、カルボキシル
基やフェノール性水酸基が水溶性の塩を形成し、すみや
かに被膜が破壊され、アルカリ浴に分散・溶解する。こ
の場合、アルカリ浴のアルカリ、あるいは界面活性剤
は、耐水性透明化層の全面、透明紙のエッジ部分、ある
いは透明紙背後から浸透してくると考えられる。支持体
である透明紙は、アルカリ浴には比較的安定であるた
め、耐水性透明化層のみがアルカリ浴に分散・溶解した
時点で、透明紙及び封筒を形成する紙支持体成分の回収
が非常に容易となる。特に本発明において得られる耐水
性透明紙は、耐水性透明化層が透明紙の表面にコーティ
ングされている構造で、樹脂がセルロース繊維間にまで
含浸している含浸タイプではないため、耐水性透明化層
は分子レベルでアルカリにより溶解し、得られた回収セ
ルロース繊維に耐水性透明化層成分が付着していること
がない。このため、回収された透明紙で再度、紙を作製
しても耐水性透明化層成分によるインクのハジキや汚れ
がなく、良好な印刷支持体を作製できる。
【0030】本発明の架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
に、良好な表面性を得る目的でレベリング剤を混合する
ことができる。レベリング剤は、放射線硬化性であるこ
とが必要で、具体的には、含フッ素アクリレート、また
はパーフルオロアルキルアクリレート、含フッ素メタク
リレート、またはパーフルオロアルキルメタクリレート
などの含フッ素化合物、シリコーンアクリレート、シリ
コーンメタクリレートまたはその誘導体などの含シリコ
ーン化合物、アクリレート変性炭化水素系界面活性剤、
メタクリレート変性炭化水素系界面活性剤などである。
【0031】放射線硬化性のアルカリ可溶性樹脂と架橋
性の放射線硬化性樹脂とを混合した組成物として用いる
場合、アルカリ可溶性樹脂は、組成物の固形分に対して
重量比で5%以上であることが好ましい。これは、アル
カリ可溶性樹脂の割合が5%より少ないとアルカリ浴に
入れた場合の剥離適性が悪いためである。
【0032】本発明において、架橋型アルカリ可溶性樹
脂組成物からなる耐水性透明化層の塗布量は3〜40g/
m2が好ましく、5〜20g/m2がより好ましい。耐水性透
明化層がこの量より少ないと、透明紙の凹凸を埋める事
が出来ず、耐水性透明化層を設ける場合に平滑性に難が
あり良好な表面性が得られないし、この量より多いと、
アルカリ浴での剥離が悪く、透明紙の回収適性が悪化す
る。
【0033】本発明において、耐水性透明化層を形成す
る樹脂の15分間熱トルエン抽出ゲル分率について述べ
る。ここでいう15分間熱トルエン抽出ゲル分率とは、
沸点における熱トルエンによって耐水性透明化層を15
分間抽出した場合のゲル分の割合を示すもので、以下の
方法により得られる値である。耐水性透明化層の樹脂の
みを1g(A:樹脂使用量)分離し、数片に切断したの
ち、標準最大口径が16〜40μmであるガラスろ過器
(柴田科学器械工業製、細孔番号でG3.5)に入れ、
充分な量の沸騰している熱トルエンにガラスろ過器ごと
入れ、15分間振とうして熱トルエンに可溶な成分を抽
出し、その後、真空乾燥した場合に、熱トルエンに溶解
せずに残る樹脂の量(B:樹脂残量)により、下記数1
で求めた値である。
【0034】
【数1】ゲル分率(%)=100×B/A A:樹脂使用量(g) B:樹脂残量(g)
【0035】このようにして求められる15分間熱トル
エン抽出によるゲル分率(以下、単にゲル分率と称す
る)は、耐水性透明化層の架橋程度を端的に表わす指標
であり、本発明の耐水性透明化層のゲル分率は10〜8
0%であることが必要である。すなわち、耐水性透明化
層における架橋程度が低く、ゲル分率がこの範囲より低
い場合には耐水性透明化層としての強度、耐候性が十分
ではなく、また臭気が残ることがあるだけでなく、耐擦
性などが劣る場合がある。ゲル分率がこの範囲よりも高
い場合には、架橋が十分で強度、耐候性、臭気、透明性
ともに問題ないが、リサイクルするに当たってパルパー
による離解工程、機械力及びアルカリなどの薬品によっ
て故紙を繊維状に分解、インキ成分を故紙から分離する
工程においても十分に耐水性透明化層を分離あるいは分
解することができずに、除塵工程、粗選、フローテーシ
ョン、スクリーン、クリーナー、洗浄の各工程において
もパルプ分と分離できず、パルプ成分とともに樹脂片が
故紙パルプ中に分散するため、良好な故紙パルプ、ある
いは再生紙紙が得られない。このため、耐水性透明化層
の架橋程度(ゲル分率)は十分に管理されなければリサ
イクルすることができない。
【0036】本発明の方法において、有利に用いられる
天然パルプを主成分とする原紙には、各種高分子化合
物、添加剤を含有せしめることができる。例えば、デン
プン誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコー
ル誘導体、ゼラチンなどの乾燥紙力増強剤、脂肪酸塩、
ロジン誘導体、ジアルキルケテンダイマー乳化物などの
サイズ剤、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ化ポリア
ミドなどの湿潤紙力増強剤、安定剤、顔料、染料、酸化
防止剤、蛍光増白剤、各種ラテックス、無機電解質、p
H調整剤などを適宜組み合わせて含有せしめることがで
きる。また、本発明において透明紙と耐水性透明化層の
接着性を良くするために、コロナ処理、オゾン処理、火
炎処理などによる表面処理を行なってもよい。
【0037】透明紙上に耐水性透明化層を塗布する方法
としては、ドクターコート、ブレードコート、エアナイ
フコート、スクイズコート、リバースロールコート、グ
ラビアコート、オフセットグラビアコート、トランスフ
ァーロールコート、カーテンコート、エクストルージョ
ンコート、ダイコート、スライドコート、リップコー
ト、マイクログラビアコートなどの方法が利用できる。
良好な耐水性透明化表面を得るためにフィルム、金属
箔、ガラスなどの転写支持体を、塗布した樹脂の表面に
密着させ、転写支持体を通して電子線照射あるいは紫外
線照射を行い、樹脂を硬化後に転写支持体を剥離して、
良好な転写表面を持つ耐水性透明化層を得ることもでき
る。このような製造方法をとる場合、特に紫外線は透過
力が小さいため転写支持体の選択が必要となる。電子線
は透過力が大きいため、例えば、転写支持体に金属製キ
ャストドラムを用いても、支持体(紙)の裏側から電子
線照射することにより耐水性透明化層を硬化することが
可能である。
【0038】電子線の照射方式としては、スキャニング
方式、ブロードビーム方式、カ−テンビ−ム方式、イオ
ンプラズマ方式などが採用され、電子線を照射する加速
電圧は100〜300KV程度が適当である。γ線を用
いても電子線照射と同様な処理を行うことができるが、
一般に線量密度が低く、製造方法としては好ましくな
い。また、紫外線照射を使用する場合には、光開始剤、
必要に応じて増感剤を配合して用いることができる。紫
外線を用いる場合の光源としては、例えば、低圧水銀
灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプ、タング
ステンランプなどが好適に使用される。
【0039】電子線照射による硬化は、ラジカル反応で
あり、雰囲気中の酸素濃度に依存するので、窒素、ヘリ
ウム、二酸化炭素などの不活性ガスによる置換を行な
い、酸素濃度600ppm以下、好ましくは400ppm以下
に抑制した雰囲気中で照射することが好ましい。電子線
加速器としては、例えば、エレクトロカーテンシステ
ム、スキャンニングタイプ、ダブルスキャンニングタイ
プなどの何れでも良い。
【0040】紫外線照射装置としては、例えば、低圧水
銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ
などがあり、オゾン発生の少ないオゾンレスタイプもあ
る。一般に出力30w/cm以上のランプを複数本並行して
使用する。
【0041】本発明において、紫外線照射により樹脂の
硬化を行う場合には、光反応開始剤を混合して用いる。
光反応開始剤としては、ジ及びトリクロロアセトフェノ
ンのようなアセトフェノン類、ベンゾフェノン、ミヒラ
ーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインアルキル
エーテル、ベンジルジメチルケタール、テトラメチルチ
ウラムモノサルファイド、チオキサントン類、アゾ化合
物、各種銀塩などがあり、光反応開始剤の使用量は、紫
外線硬化性樹脂に対して、通常0.1〜10%の範囲で
ある。また、光開始剤にハイドロキノンのような貯蔵安
定剤が併用される場合もある。
【0042】本発明において、耐水性透明化層と支持体
の接着性と濡れ性を良くするために、透明紙表面に、コ
ロナ処理、オゾン処理、火炎処理などの表面処理を行な
ってもよい。また、本発明の透明紙の裏面には、カール
防止、帯電防止、あるいは耐水性透明化層などのバック
コート層を設けることが出来、バックコート層には帯電
防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬膜剤、顔
料、界面活性剤、粘着剤などを適宜組み合わせて含有す
ることができる。
【0043】
【作用】本発明の耐水性透明紙においては、透明紙上に
設けられた、架橋されたアルカリ可溶性樹脂からなる耐
水性透明化層の働きで、中性あるいは酸性の状況におい
ては強固な被膜層を形成していて、透明紙から剥離する
ことはなく、耐水性透明化層を有する透明紙として利用
でき、使用後にアルカリ浴により処理すると、アルカリ
可溶性樹脂からなる耐水性透明化層はすみやかに被膜が
膨潤、破壊されアルカリ浴に分散・溶解し、透明紙の回
収を容易に、且つ効率よく行なうことができる。耐水性
透明化層は分子レベルでアルカリ浴に溶解するため、得
られた回収透明紙に耐水性透明化層成分が付着している
ことがなく、良好な再生紙を生産できる原料となる。
【0044】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により、更
に詳細に説明するが、本発明の内容は、実施例に限られ
るものではない。尚、例中の「部」とはすべて「重量
部」を、%とはすべて重量%を示す。
【0045】実施例1 透明紙として、坪量15g/m2、透明度80%のトレーシ
ングペーパーを用い、以下の構成よりなる架橋型アルカ
リ可溶性樹脂組成物をオフセットグラビアコーターを用
いて5g/m2の塗布量で塗布した。
【0046】[架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物] ポリアクリル酸ダイマー(東亜合成化学工業(株)製
品、商品名アロニックスM−5600):56部 トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成化
学工業(株)製品、商品名アロニックスM−309):
42部 光反応開始剤:(チバガイギー(株)製品、製品名イル
ガキュア905):2部
【0047】架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物は、塗布
後に紫外線照射装置(120W/cm、ウシオ電気
(株)製)内に導き、紫外線照射して硬化し耐水性透明
化層として目的とするリサイクル可能な耐水性透明紙を
得た。この方法で設けた耐水性透明化層のゲル分率は5
4%であった。
【0048】実施例2 支持体として、坪量25g/m2、透明度76%のトレーシ
ングペーパーを用い、以下の配合の架橋型アルカリ可溶
性樹脂組成物をグラビアコーターで4g/m2の塗布量で塗
布し、硬化処理を窒素置換を行った電子線照射装置(日
新ハイボルテージ社製、キュアトロン)により、200
KV、1Mradの吸収線量で行ってリサイクル可能な
耐水性透明紙を得た。
【0049】[架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物] ポリアクリル酸ダイマー(東亜合成化学工業(株)製
品、商品名アロニックスM−5600):68部 プロピレンオキシド変性エチレングリコールジアクリレ
ート(東亜合成化学工業(株)製品、商品名アロニック
スM−220):30部 パーフルオロアルキルエチルアクリレート(C8172
4OCOCH=CH2):2部(放射線硬化性レベリン
グ剤)
【0050】この方法で設けた耐水性透明化層のゲル分
率は10%であった。
【0051】実施例3 紙支持体を坪量45g/m2、透明度70%のトレーシング
ペーパーとし、以下に示す配合の架橋型アルカリ可溶性
樹脂組成物をグラビアコーターで8g/m2の塗布量で塗布
した。
【0052】[架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物] ペンタエリスリトールジアクリレートモノフマレート:
49部 ペンタエリスリトールトリアクリレート:49部 光反応開始剤:(チバガイギー(株)製品、製品名イル
ガキュア905)2部
【0053】架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物層上に、
転写支持体として厚み10μmの2軸延伸ポリプロピレ
ンシートを重ねて密着し、120w/cmの高圧水銀ラ
ンプ2灯を用いて硬化し、ポリプロピレンシートを剥離
してリサイクル可能な耐水性透明紙を得た。この方法で
設けた耐水性透明化層のゲル分率は45%であった。
【0054】実施例4 支持体として、坪量50g/m2、透明度60%のトレーシ
ングペーパーを用い、以下の組成比の架橋型アルカリ可
溶性樹脂組成物をグラビアコーターで10g/m2の塗布量
で設けた。
【0055】[架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物] トリメチロールプロパンジアクリレートモノサリチレー
ト:70部 イソシアヌル酸テトラアクリレート:30部
【0056】転写支持体としてクロームメッキした光沢
ロールに架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物層が密着する
ように重ね合わせ、窒素置換を行った電子線照射装置に
より、200KV、1.5Mradの吸収線量で硬化を
行なった。硬化後に、光沢ロールから剥離してリサイク
ル可能な耐水性透明紙を得た。この方法で設けた耐水性
透明化層のゲル分率は80%であった。
【0057】実施例5 実施例1において、耐水性透明化層を片面に設けたあ
と、実施例1と同様な架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
を裏面に設け、実施例1と同様な方法で硬化して両面に
耐水性透明化層を有する耐水性透明紙を得た。
【0058】実施例6 実施例2において、耐水性透明化層を片面に設けたあ
と、実施例2と同様な架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
を裏面に設け、実施例2と同様な方法で硬化して両面に
耐水性透明化層を有する耐水性透明紙を得た。
【0059】実施例7 実施例3において、耐水性透明化層を片面に設けたあ
と、実施例3と同様な架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
を裏面に設け、実施例3と同様な方法で硬化して両面に
耐水性透明化層を有する耐水性透明紙を得た。
【0060】実施例8 実施例4において、耐水性透明化層を片面に設けたあ
と、実施例4と同様な架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
を裏面に設け、実施例4と同様な方法で硬化して両面に
耐水性透明化層を有する耐水性透明紙を得た。
【0061】実施例9 実施例1〜8において得られた耐水性透明紙を用いて窓
開き封筒を作製した。片面コート紙(三菱製紙製、パー
ルコート)を用いて窓部を有する封筒を作製し、窓部に
窓部よりやや大きめの耐水性透明紙の4辺を貼り付けて
窓開き封筒とした。
【0062】比較例1 架橋型アルカリ可溶性樹脂による耐水性透明化層を設け
なかった以外は実施例1と同様にして透明紙を得た。
【0063】比較例2 支持体として、実施例1と同様な透明紙を用い、厚み1
5μmでポリプロピレンを溶融押し出しコーティング
し、耐水性透明紙を得た。
【0064】比較例3 架橋型アルカリ可溶性樹脂による耐水性透明化層を設け
なかった以外は実施例2と同様にして印刷紙を得た。
【0065】比較例4 支持体として実施例2と同様な透明紙を用い、厚み12
μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムを接着剤を用い
て貼り合わせて透明紙を得た。
【0066】比較例5 架橋型アルカリ可溶性樹脂による耐水性透明化層を設け
なかった以外は実施例3と同様にして透明紙を得た。
【0067】比較例6 支持体に実施例3と同様な透明紙を用い低密度ポリエチ
レンを15μmの厚みで溶融押し出しコーティングする
ことにより耐水性透明紙を得た。
【0068】比較例7 架橋型アルカリ可溶性樹脂による耐水性透明化層を設け
なかった以外は実施例4と同様にして透明紙を得た。
【0069】比較例8 支持体として、実施例4と同様な透明紙を用い、厚さ1
2μmの2軸延伸ポリエステルフィルムを接着剤を用い
て貼合せ、耐水性透明紙を得た。
【0070】比較例9 支持体として、実施例1と同様な透明紙を用い、放射線
硬化性樹脂としてトリメチロールプロパントリアクリレ
ートをオフセットグラビアコーターで塗布し、窒素置換
を行った電子線照射装置により、200KV、1Mra
dの吸収線量で硬化を行い透明紙を得た。この方法で設
けた耐水性透明化層のゲル分率は95%であった。
【0071】比較例10 支持体として、実施例2と同様な透明紙を用い、放射線
硬化性樹脂としてトリメチロールプロパントリアクリレ
ート95部とトリメチロールプロパンジアクリレートモ
ノサリチレート5部よりなるアルカリ可溶性樹脂組成物
をオフセットグラビアコーターで塗布し、窒素置換を行
った電子線照射装置により、200KV、1Mradの
吸収線量で硬化を行い透明紙を得た。この方法で設けた
耐水性透明化層のゲル分率は85%であった。
【0072】比較例11 支持体として、実施例3と同様な透明紙を用い、アルカ
リ可溶性樹脂としてトリメチロールプロパンモノアクリ
レートジサリチレートをオフセットグラビアコーターで
塗布し、窒素置換を行った電子線照射装置により、20
0KV、1Mradの吸収線量で硬化を行い透明紙を得
た。この方法で設けた耐水性透明化層のゲル分率は5%
であった。
【0073】比較例12 紙支持体を坪量45g/m2、透明度50%の薄手のコピー
ペーパーとし、以下の構成よりなる架橋型アルカリ可溶
性樹脂組成物をオフセットグラビアコーターを用いて5
g/m2の塗布量で塗布した。
【0074】[架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物] アクリル酸ダイマー(東亜合成化学工業(株)製品、商
品名アロニックスM−5600):56部 トリメチロールプロパントリアクリレート(東亜合成化
学工業(株)製品、商品名アロニックスM−309):
42部 光反応開始剤:(チバガイギー(株)製品、製品名イル
ガキュア905):2部
【0075】架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物は、塗布
後に紫外線照射装置(120W/cm、ウシオ電気
(株)製)内に導き、紫外線照射して硬化し耐水性透明
化層として目的とするリサイクル可能な耐水性透明紙を
得た。この方法で設けた耐水性透明化層のゲル分率は5
4%であった。
【0076】比較例13 比較例12において、耐水性透明化層を片面に設けたあ
と、比較例13と同様な架橋型アルカリ可溶性樹脂組成
物を裏面に設け、比較例13と同様な方法で硬化して両
面に耐水性透明化層を有する耐水性透明紙を得た。
【0077】比較例14 厚み30μmの2軸延伸ポリプロピレンフィルムをその
まま用いた。
【0078】比較例15 厚み30μmの2軸延伸ポリエステルフィルムをそのま
ま用いた。
【0079】比較例16 比較例1〜15において得られた透明紙、耐水性透明
紙、フィルムを用いて窓開き封筒を作製した。片面コー
ト紙(三菱製紙製、パールコート)を用いて窓部を有す
る封筒を作製し、窓部に窓部よりやや大きめの透明紙、
耐水性透明紙、フィルムの4辺を貼り付けて窓開き封筒
とした。
【0080】以上の実施例、比較例で得られた試料に対
して以下の試験を行い、その結果を下記表1及び表2に
示した。
【0081】試験1(透明度) 得られた透明紙の透明度を記載の方法で測定した。窓開
き封筒の窓部用の耐水性透明紙として郵送試験を行った
所、透明度80%以上の場合、支障無く使用することが
できる。透明度が70%を下回る場合、住所、氏名など
を透視するのに難がある。
【0082】試験2(耐水性) 得られた透明紙の耐水性を、水で濡らした綿棒で擦るこ
とにより評価した。透明紙に穴が開くまで綿棒で擦り、
その回数により耐水性を判定した。回数が100回以上
であれば十分に耐水性があり、フィルムなみの耐水強度
を有していると判断した。
【0083】試験3(回収性) 実施例9及び比較例16で得られた窓開き封筒を、70
℃、0.5規定の水酸化ナトリウム、及びノニオン性界
面活性剤として1%のポリオキシエチレンアルキルエー
テルを含む溶液中に浸漬、攪拌して故紙パルプ回収工程
を再現し、耐水性透明化層の剥離する時間で回収性を判
定した。耐水性透明化層の剥離は速いほど回収処理が容
易になるが、3分以内に剥離すれば支障無く故紙パルプ
回収工程で処理できる。5分以上かかるようでは、効率
的な故紙パルプ回収工程は期待できない。それぞれの試
料の回収性の結果は、実施例1〜8及び比較例1〜15
の欄に記載した。
【0084】試験4(回収支持体の印刷適性) 試験3において耐水性透明化層を分離後、フローテーシ
ョン法により耐水性透明化層を排出し、残存支持体を回
収した。回収した支持体(故紙パルプ)50%とバージ
ンパルプ50%を混合して紙を漉き、プレス乾燥後、全
面印刷して印刷性を測定した。1m四方の面積におい
て、肉眼で識別できる印刷ムラの個数を測定した。バー
ジンパルプのみで紙を作製した場合、印刷ムラは1m四
方で0箇所である。許容できる範囲として1m四方で2
個を基準として判定した。それぞれの試料の回収支持体
の印刷適性の結果は、実施例1〜8及び比較例1〜13
の欄に記載した。
【0085】試験5(ラブオフ) 耐水性透明化層に1mm間隔で100の格子目を作るよ
うにカットを入れ、その上を指で強く擦り、耐水性透明
化層の脱離を目視により判定した。耐水性透明化層の脱
離の個数をもってラブオフの評価とした。当然ながら少
ないほど良好である。
【0086】
【表1】
【0087】
【表2】
【0088】評価:表1から明かなように、本発明によ
る耐水性透明紙は、架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物に
よる耐水性透明化層の効果で良好な透明性、及び耐水性
を有して窓開き封筒の窓部に使用できるばかりでなく、
回収時のアルカリ浴において良好な耐水性透明化層の脱
離を起こし、高い支持体の回収性を示す。脱離した耐水
性透明化層は、小さく分解、分散しているため、界面活
性剤の作用で排出することが可能で、支持体のみの回収
が容易である。このように、支持体のみが効率良く回収
される結果、得られた故紙パルプで紙を作製しても良好
な印刷適性を有している。
【0089】これに対して、表2に示したように、同様
な実験において耐水性透明化層を有さない比較例の試料
は、透明性において劣るだけでなく、耐水性も良好でな
い。ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステルなど
の溶融押しだしコーティングあるいは貼合せにより耐水
性透明化層を設けた場合、またはこれらのフィルムを直
接用いた場合は、リサイクル性に乏しく、窓開き封筒な
どに用いた場合は紙としてのリサイクルは困難である
か、あるいは品質の低い故紙しか得られない。アルカリ
可溶性でない単なる放射線硬化性樹脂のみで耐水性透明
化層を設けた場合、及びアルカリ可溶性ではあっても架
橋性が高すぎ、ゲル分率が高い比較例の試料では、透明
性、耐水性は良好であるがアルカリによる剥離性が悪
く、また耐水性透明化層やラミネート層が回収された支
持体に付着、混合しているために、得られた故紙パルプ
で紙を作製しても印刷適性が悪い。アルカリ可溶性では
あるが架橋性が低くゲル分率の小さい耐水性透明化層で
は透明性、耐水性ともに良好ではない。
【0090】
【発明の効果】本発明のリサイクル可能な耐水性透明紙
は、使用時においては、耐水性透明化層と支持体との接
着性が高く、耐水性、透明性ともに良好であり、且つ使
用済みの透明紙をリサイクルする場合においては、耐水
性透明化層が容易に支持体から分離でき、支持体のみの
回収、再利用が容易であり、当然ながら窓開き封筒用の
フィルムに用いれば何等分別することなく上質紙と同様
に回収工程にまわせることから環境保護、資源節約の面
から、あるいは廃品の量を低減させる意味からも、工業
的価値の大なるものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース繊維を用いて製造した透明度
    60%以上の透明紙の少なくとも片面に、放射線硬化性
    のカルボキシル基含有樹脂あるいは放射線硬化性のフェ
    ノール性水酸基含有樹脂の中から選ばれる1種類以上の
    放射線硬化性のアルカリ可溶性樹脂と、架橋性の放射線
    硬化性樹脂とからなる架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物
    を塗布して放射線照射により硬化させたアルカリ可溶性
    の耐水性透明化層を設けた耐水性透明紙であり、且つ該
    耐水性透明化層の15分間熱トルエン抽出によるゲル分
    率が10〜80%であることを特徴とするリサイクル可
    能な耐水性透明紙。
  2. 【請求項2】 架橋型アルカリ可溶性樹脂組成物中に、
    放射線硬化性レベリング剤を含有することを特徴とする
    請求項1記載のリサイクル可能な耐水性透明紙。
  3. 【請求項3】 放射線が、電子線または紫外線であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載のリサイクル可能な
    耐水性透明紙。
  4. 【請求項4】 前記請求項1記載の耐水性透明紙が封筒
    の窓に当る開口部に使用され、該開口部より該封筒内に
    収納された書類の一部を読取り可能にしたことを特徴と
    する窓開き封筒。
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