JPH0891934A - 反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具及びその製造方法 - Google Patents

反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具及びその製造方法

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JPH0891934A
JPH0891934A JP6235279A JP23527994A JPH0891934A JP H0891934 A JPH0891934 A JP H0891934A JP 6235279 A JP6235279 A JP 6235279A JP 23527994 A JP23527994 A JP 23527994A JP H0891934 A JPH0891934 A JP H0891934A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】この発明は、表面から所定の深さ方向の領域を
実質的にSiCのみから構成することによって、高純度
でしかも信頼性の高い反応焼結SiC質半導体製造用熱
処理治具を得ようとするものである。 【構成】反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用の治具
において、基材が少なくとも粒径50μm以上のSiC
粒子を含むSi−SiC複合体からなり、その表面から
深さ方向の3〜200μmまでの領域が上記SiC粒子
及びSiをSiC化した粒径3〜200μのSiC多結
晶からなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高純度ウエハボー
ト、炉芯管、フォークなどのSiC質半導体製造用熱処
理治具に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造にSiを含浸したSiC基材
がこれまで多く使用されているが、その高純度化対策と
しては、従来から主に次のような方法が採用されてい
る。 (1) Si含浸SiC表面に高純度のCVD−SiCコ
ーティングを行うこと (2) 原材料であるSi、SiCに高純度品を用いるこ
と (3) 純化、焼成を高温で行い、部材の最表面のSiC
粒子を分解することにより高純化を図ること 上記の中のCVD法 (1)は高純度化には非常に有効な方
法であるが、コストが高い上に使用時に膜が剥離すると
いった信頼性に問題があった。この対策として基材表面
に含浸されたSiをエッチングして表面を粗面化してか
らCVDコーティングする方法もあるが、一層コスト高
を招くとともに、エッチングした部分への膜の回り込み
に問題があり、膜の剥離に対する信頼性はこれによって
も十分ではなかった。
【0003】また、原料に高純度品を用いる方法(2) 、
部材の最表面のSiC粒子を分解することにより高純化
を図る方法(3) は、いずれも基材の最表面に吸着性が高
く不純物が拡散し易い含浸Siが露出するため、外部不
純物の吸着(二次汚染)を引き起こしたり、基材内部の
不純物がウエハに拡散し易いといった問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、治具表面
から所定の深さ方向の領域を実質的にSiCのみから構
成することによって、高純度でしかも信頼性の高い反応
焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具を得よう
とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、反応焼結S
i含浸SiC質半導体製造用の治具において、基材が少
なくとも粒径50μm以上のSiC粒子を含むSi−S
iC複合体からなり、その表面から深さ方向の3〜20
0μmまでの領域が上記SiC粒子及びSiをSiC化
した粒径3〜200μのSiC多結晶からなることを特
徴とする反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理
治具(請求項1)、基材が粒径50〜200μmのSi
C粒子を25〜75重量%含有するSi−SiC複合体
からなることを特徴とする請求項1記載の反応焼結Si
含浸SiC質半導体製造用熱処理治具(請求項2)、基
材表面から深さ方向の3〜200μmまでの領域が微小
領域X線回折法によりフリーシリコン及びフリーカーボ
ンを検出しない実質的にSiC成分のみからなることを
特徴とする請求項1又は2記載の反応焼結Si含浸Si
C質半導体製造用熱処理治具(請求項3)、基材をさら
にCVDコートした請求項項1,2又は3記載の反応焼
結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具(請求項
4)、少なくとも粒径50μm以上のSiC粒子を含む
SiC焼結体にSiを含浸してSi−SiC複合体から
なる基材を形成し、この基材を温度1500℃以上、圧
力30torr以下でCOガスと反応させ、基材表面から深
さ方向の3〜200μmまでの領域が上記SiC粒子及
びSiをSiC化した粒径3〜200μmのSiC多結
晶とすることを特徴とする反応焼結Si含浸SiC質半
導体製造用熱処理治具の製造方法(請求項5)及び基材
に粒径50〜200μmのSiC粒子を25〜75重量
%含有するSi−SiC複合体を用いることを特徴とす
る反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具の
製造方法(請求項6)である。以下に、これらの発明を
さらに説明する。
【0006】SiC焼結体を得る方法には反応焼結法と
常圧焼結法があるが、この発明では反応焼結法によって
得られるSiとSiCの複合体を基材とする。これを得
るには、例えば粒径50μm以上の粒子を含む炭化珪素
粉末と黒鉛とバインダーの原料混合物で成形物をつく
り、これを硬化、焼成、純化してさらに必要な加工を施
し、その後約1600℃の真空炉中でこれに金属シリコ
ンを含浸させる方法が採られる。
【0007】次に、基材に含浸したシリコンにCOガス
を反応させて基材の表面から3〜200μmの領域を基
材の少なくとも粒径50μm以上のSiC粒子の一部又
は全部及びSiをSiC化した粒径3〜200μmのS
iC多結晶からなる層とする。この層の厚さが基材の表
面から3μm未満では表面の耐蝕性が十分でなく、また
内部の不純物の拡散を防止することできない。また、こ
れが200μmを超えると後の工程で行われるSiC化
のためにする反応に長時間を要し、コスト高を招く。
【0008】この発明のSiとSiCの複合体の構成の
概略説明図を図1に示す。図1で1はSiとSiCの複
合体の全部材、2は粒径が50μm以上のSiC大粒
子、3が微粒のSiC粒子である。4は含浸シリコンで
ある。焼結体1の表面から3〜200μmには、含浸シ
リコンとCOガスが反応して出来たSiCの多結晶層5
が形成されている。
【0009】以上の通り、請求項1の発明は、基材が少
なくとも粒径50μm以上のSiC粒子を含むSi−S
iC複合体からなり、その表面から深さ方向の3〜20
0μmまでの領域がSiC粒子及びSiをSiC化した
粒径3〜200μのSiC多結晶からなるものであるか
ら、基材の表面にはSiが露出しておらず、シリコンへ
の不純物の吸着により二次汚染や基材内部からの不純物
が表面に向けて拡散し易いといった従来の問題点を抑制
することができる。
【0010】さらに、この発明では多結晶層の中の粒径
50μmを超える大きなSiC粒子の一部が、SiCの
多結晶層と含浸シリコン部との中間に位置するため、多
結晶層とシリコン部とを密着させるアンカーの役目を果
たし、CVDで形成される被膜と比較して剥離強度をさ
らに向上することができる。
【0011】また、基材表面から深さ方向の3〜200
μmまでの領域のSiを、SiC化した粒径3〜200
μmのSiC多結晶とすることで、熱処理治具の耐蝕性
を向上させ、上記領域に気孔を残存させることがない。
SiC多結晶体を3μm未満とすることは実質上不可能
であり、また200μmを超えると気密領域が形成され
ない。
【0012】請求項2の発明は基材に含まれるSiC粒
子の粒径を50〜200μmとして、また含有量を25
〜75重量%とするものである。粒径については上限の
好ましい範囲を示したものである。粒子含有量の下限で
ある25重量%についてはこれ未満であると、多結晶層
とシリコン部との間で均一なアンカー効果が期待できな
いとともに、基材の強度や密度が不十分となる。また、
含有量の上限については、75重量%を超えると上記と
同様に基材の強度や密度が不足するとともに、前工程で
の成形、焼成での歩留まりが低下する。
【0013】請求項3の発明は、基材表面から深さ方向
の3〜200μmまでの領域が、微小領域X線回折法に
よりフリーシリコン及びフリーカーボンを検出しない実
質的にSiC成分のみからなるものである。これにより
基材表面から深さ方向の3〜200μmまでの領域がよ
り純度の高いSiC成分のみで構成されることになり、
高純度で信頼性の更に高い熱処理治具とすることができ
る。
【0014】請求項4の発明は、請求項1、2又は3の
発明のSi含浸SiCの複合体に、SiCをCVDコー
トしたものである。図2は反応焼結Si含浸SiCの概
略説明図である。図2で6がCVDコートである。この
発明によれば、従来に比較してCVDコートした被膜と
基材との密着性は一段と向上させることができる。
【0015】即ち、この発明での基材は、基材に含浸し
たSiはSiC化され表面が実質的に全てSiCとなっ
ているので、SiC基材に対するCVDと同等であり、
密着性に優れた良好なCVD被膜を得ることが出来る。
【0016】請求項5は、反応焼結Si含浸SiC質半
導体製造用熱処理治具の発明は製造方法の発明である。
反応焼結Si含浸SiC基材の製造はすでに述べたよう
に公知な方法で製造される。焼成、純化まで完了した基
材を、例えば図3に示すような炉内に入れる。
【0017】図3で、10はSi含浸及び表面SiC化
のための炉の概略側面図である。同図で11は炉心管、
12は内筒管、13は炉芯管11の外周に配設されたヒ
ータ、14は炉芯管11の内部に挿入された焼成、純化
まで完了した焼成体である。
【0018】SiC基材表面のSiC化層の形成は、試
料14にシリコンを含浸した後に、これを図3に示す状
態に保持して、ガスノズル15からCOガス16を内筒
管12の中に導入し、試料の基材に含浸した溶融状態の
SiをCOガスと反応させて、基材表面から深さ方向で
3〜200μmの領域を基材の少なくとも粒径50μm
以上のSiC粒子の一部又は全部及びSiをSiC化し
た粒径3〜200μmのSiC多結晶からなる層とす
る。反応ガスは、その後に排気17を通して内筒管12
の外部に放出される。なお、反応ガスは、COガスの外
にメタンなどの炭化水素ガスを用いることが出来る。
【0019】ここにおける炉内の温度は1500℃以上
とし、また圧力は30torr以下とする。炉内温度が15
00℃未満では溶融シリコンとCOガスとの反応が十分
に進行せず、SiC化層中にシリコンが残留してしまう
とともに、一部が非晶質となって耐蝕性が低下する。ま
た、圧力が30torrを超えると反応が炉内の局所におい
て選択的に行われ、SiC化層の均一性に欠けてくる。
導入ガスの量及びガス導入時間は試料との関係で決まり
一律に決めることは出来ない。
【0020】これによって、上記で述べた反応焼結Si
含浸SiC質半導体製造用熱処理治具を得ることが出来
る。請求項6の発明は、基材に粒径50〜200μmの
SiC粒子を25〜75重量%含有するSi−SiC複
合体を用いた反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱
処理治具の製造方法である。これらの数値限定に理由は
既に述べたところと同じである。
【0021】
【作用】この発明は、基材の表面から深さ方向の3〜2
00μmまでの領域が実質的にSiCのみからなるよう
にし、かつ基材の表面にSiが露出しないようにし、S
iへの不純物吸着などによる二次汚染を防止するもので
ある。また、表面のSiC化層が強固なバリア層を形成
し、純化が必ずしも十分でない基材内部からの不純物の
拡散を防止するものである。さらに、ここでの表面のS
iC化層は十分に結晶化しているために耐蝕性にも優
れ、SiC化層の中に気孔が発生することもない。更
に、Si含浸SiC化層中の50μm以上のSiC粒子
が、SiC化層と含浸シリコン間でアンカー効果を発揮
し信頼性も向上する。
【0022】
【実施例】
(実施例1)図3に示すSi含浸及び表面SiC化のた
めの炉10に焼成、純化を完了した基材を入れ、Si含
浸後にこれを30torr以下、1500℃以上に加熱しな
がら、このガス導入口16からCOガスを1.5l/mi
n 導入し、基材の表面から深さ方向に以下の厚さのSi
C化層を有したウエハボ−ト、さらにこれにCVDコー
トを施したウエハボートを得た。
【0023】 試料A(本発明品)SiC化層10μm 試料B(本発明品)SiC化層150μm 試料C(本発明品)SiC化層10μm+CVDコート
50μm 試料D(従来品)SiC化層なし 試料E(従来品)SiC化層なし+CVDコート50μ
m 試料F(従来品)Si−SiC+CVDコート50μm これらのボートにシリコンウエハをセットし、酸化雰囲
気で熱処理を行いウエハボート表面に形成された酸化膜
中に取り込まれた不純物(Na,Al,Fe,Cu)を
測定した。この結果を表1に示した。この結果により、
本発明(A〜C)は、従来のCVD製品と同等以上の高
純度を維持できることが明らかとなった。
【0024】
【表1】
【0025】さらに、上記試料の中の本発明品のA,
B,C、従来品のE,Fの信頼性を評価するため、下記
の条件にてヒートサイクルの試験を行った。 条件 熱処理条件; 炉内温度1200℃ ボ−ド出入れスピード;200mm/min 炉内保持時間 ;10min サイクル回数 ;1000回 試験終了後の試料表面の外観観察を行ったところ、本発
明の試料A,B,Cは酸化膜が形成されている他は変化
が認められなかったが、従来例の試料E,FはCVD膜
の一部に剥離が確認された。
【0026】
【発明の効果】以上のように、この発明の反応焼結Si
C質半導体製造用の熱処理用治具は、実質的外表面の3
〜200μmの領域を、基材の少なくとも粒径50μm
以上のSiC粒子の一部又は全部及びSiをSiC化し
た粒径3〜200μmのSiC多結晶からなる緻密層と
したので、表層部にあるSiへの不純物が吸着するなど
の二次汚染が防止出来るとともに、必ずしも浄化が十分
でない基材内部からの不純物の拡散を抑制することが出
来るようになり、高純度で耐蝕性、耐剥離性にも優れた
反応焼結SiC質半導体製造用熱処理治具を得ることが
出来るようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の1実施例になる反応焼結SiC質半
導体製造用熱処理治具の表面付近の一部の結晶構成の概
略説明図。
【図2】この発明の他の1実施例になる反応焼結SiC
質半導体製造用熱処理治具の表面付近の一部の結晶構成
の概略説明図。
【図3】この発明の反応焼結SiC質半導体製造用熱処
理治具の製造に用いるSi含浸及びSiC化の炉の概要
を示した説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 勝憲 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内 (72)発明者 北沢 厚男 山形県西置賜郡小国町大字小国町378番地 東芝セラミックス株式会社小国製造所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用
    の治具において、基材が少なくとも粒径50μm以上の
    SiC粒子を含むSi−SiC複合体からなり、その表
    面から深さ方向の3〜200μmまでの領域が上記Si
    C粒子及びSiをSiC化した粒径3〜200μのSi
    C多結晶からなることを特徴とする反応焼結Si含浸S
    iC質半導体製造用熱処理治具。
  2. 【請求項2】 基材が粒径50〜200μmのSiC粒
    子を25〜75重量%含有するSi−SiC複合体から
    なることを特徴とする請求項1記載の反応焼結Si含浸
    SiC質半導体製造用熱処理治具。
  3. 【請求項3】 基材表面から深さ方向の3〜200μm
    までの領域が微小領域X線回折法によりフリーシリコン
    及びフリーカーボンを検出しない実質的にSiC成分の
    みからなることを特徴とする請求項1又は2記載の反応
    焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具。
  4. 【請求項4】 基材をさらにCVDコートした請求項項
    1,2又は3記載の反応焼結Si含浸SiC質半導体製
    造用熱処理治具。
  5. 【請求項5】 少なくとも粒径50μm以上のSiC粒
    子を含むSiC焼結体にSiを含浸してSi−SiC複
    合体からなる基材を形成し、この基材を温度1500℃
    以上、圧力30torr以下でCOガスと反応させ、基材表
    面から深さ方向の3〜200μmまでの領域が上記Si
    C粒子及びSiをSiC化した粒径3〜200μmのS
    iC多結晶とすることを特徴とする反応焼結Si含浸S
    iC質半導体製造用熱処理治具の製造方法。
  6. 【請求項6】 基材に粒径50〜200μmのSiC粒
    子を25〜75重量%含有するSi−SiC複合体を用
    いることを特徴とする反応焼結Si含浸SiC質半導体
    製造用熱処理治具の製造方法。
JP23527994A 1994-09-29 1994-09-29 反応焼結Si含浸SiC質半導体製造用熱処理治具及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3150545B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023171502A1 (ja) * 2022-03-10 2023-09-14 ローム株式会社 焼結体、半導体基板及び半導体装置並びにそれらの製造方法

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WO2023171502A1 (ja) * 2022-03-10 2023-09-14 ローム株式会社 焼結体、半導体基板及び半導体装置並びにそれらの製造方法

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