JPH0891780A - 旋回式クレーンの旋回方法、旋回式クレーン、アウトリガ張出状態検出手段及び旋回位置検出手段 - Google Patents

旋回式クレーンの旋回方法、旋回式クレーン、アウトリガ張出状態検出手段及び旋回位置検出手段

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JPH0891780A
JPH0891780A JP25154494A JP25154494A JPH0891780A JP H0891780 A JPH0891780 A JP H0891780A JP 25154494 A JP25154494 A JP 25154494A JP 25154494 A JP25154494 A JP 25154494A JP H0891780 A JPH0891780 A JP H0891780A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過負荷旋回を阻止できる旋回式クレーンの旋
回方法及び旋回式クレーン、並びにこれらを低コスト、
かつ確実に達成できるアウトリガ張出状態検出手段及び
旋回位置検出手段の提供 【構成】 クレーンを備えた上部旋回体を大きい定格荷
重PL が適用される旋回領域PLsから小さい定格荷重P
s が適用される旋回領域Pssに旋回移行させたとき、ク
レーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいときは、同方向
への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止し、次
いでこのクレーン負荷Pを軽減させて定格荷重Ps より
小さくしたときは、或いは逆方向へ旋回させてクレーン
負荷Pの位置を旋回領域PLsに戻したときは、前記同方
向への旋回禁止を解除することとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、旋回式クレーンの例え
ば転倒の原因となる過負荷旋回を自動的に阻止するに好
適な旋回式クレーンの旋回方法及び旋回式クレーン、並
びにこのような旋回式クレーンなどに用いるに好適なア
ウトリガ張出状態検出手段及び旋回位置検出手段に関す
る。
【0002】
【従来の技術】旋回式クレーンは、例えば図10の油圧
式走行クレーンで示するように、上部旋回体50にクレ
ーン60、下部走行体70の前後左右にアウトリガ80
(右前側アウトリガ80RF、右後側アウトリガ80RB、
左前側アウトリガ80LF、左後側アウトリガ80LB)、
上下間に旋回機構90を備えて構成される。また上下間
に跨がる駆動用油圧配管や電線は、上部旋回体50が旋
回しても捩れないように、旋回中心に設けた油圧スイベ
ルや電気スイベルに接続されている。
【0003】詳しくは次の通りである。図11(a)に
示すように、旋回式クレーンは通常、前後方向F、Bに
長手である。このため、同図(b)に示すように、クレ
ーン60(すなわち、クレーン負荷Pの位置)が前後方
向F、Bの定格荷重PL は左右方向L、Rの定格荷重P
L よりも大きくなる(以下、大きい定格荷重PL が適用
される旋回領域を「PLs」、他方小さい定格荷重Ps が
適用される旋回領域を「Pss」とする) 。
【0004】このため、クレーン負荷Pが「PL ≧P>
Ps 」であるときに、前後方向F、Bから左右方向L、
Rに旋回移行すると過負荷旋回となり、このままでは、
旋回式クレーンが転倒するなどの事故が生ずる。そこで
「PL ≧P>Ps 」のときは、旋回領域がPLs内となる
ように注意しつつ旋回操作するか、又は全旋回するとき
は、予めクレーン負荷Pを定格荷重Ps 以下に軽減させ
る必要があった。
【0005】ところがこのような配慮や操作はオペレー
タにとって負担であり、誤操作の恐れもある。また誤操
作を恐れて不当に狭い旋回領域PLsを設定するようにな
り、作業効率を低下させる原因ともなっている。
【0006】そこで、図12(a)に示すように、通
常、旋回式クレーンは、下部走行体70の前後左右に張
り出し自在にアウトリガ80を備えている。このように
することで、同図(b)に示すように、全旋回時、全旋
回方向において、大きい定格荷重PL が得られ、従って
全旋回方向において、荷重領域PLsが得られるようにな
り、安全作業が確保できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
アウトリガを備えた旋回式クレーンであっても、現場に
よっては、次のような問題が生ずる。すなわち、前記図
11(a)に示すように、アウトリガ80を全く張り出
せない現場、図示しないが総てのアウトリガ80を張り
出しても定格荷重が前後左右で異なる旋回式クレーン、
又は図13(a)及び図14(a)に示すように、左右
方向L、Rいずれか一方向のアウトリガ80LF、80LB
(又は80RF、80RB)しか張り出せない現場では、図
11(b)、図13(b)及び図14(b)に示すよう
に、旋回領域PLs、Pssが混在することとなり、前記過
負荷旋回の問題が生ずる。さらに悪いことには、各アウ
トリガ80の張り出し状態が変化する分、前記問題がよ
り深刻となる。
【0008】本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、
過負荷旋回を自動的に阻止できる旋回式クレーンの旋回
方法及び旋回式クレーンを提供することを第1目的とす
る。さらにこの第1目標を低コスト、かつ確実に達成で
きるアウトリガ張出状態検出手段及び旋回位置検出手段
を提供することを第2目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記第1目標を達成する
ため、本発明に係わる旋回式クレーンの旋回方法(第1
発明)は、クレーンを備えた上部旋回体を大きい定格荷
重PL が適用される旋回領域PLsから小さい定格荷重P
s が適用される旋回領域Pssに旋回移行させたとき、ク
レーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいときは、同方向
への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止し、次
いでこのクレーン負荷Pを軽減させて定格荷重Ps より
小さくしたときは、或いは逆方向へ旋回させてクレーン
負荷Pの位置を旋回領域PLsに戻したときは、前記同方
向への旋回禁止を解除することを特徴としている。
【0010】また、本発明に係わる旋回式クレーン(第
2発明)は、上部旋回体にクレーンを備え、下部にアウ
トリガを備える旋回式クレーンにおいて、(1) アウトリ
ガ張り出し状態を検出するアウトリガ張出状態検出手段
と、(2) クレーン負荷Pを検出する負荷検出手段と、
(3) クレーン負荷Pの位置を検出する旋回位置検出手段
と、(4) 前記アウトリガ張出状態検出手段からのアウト
リガ張り出し状態を受け、このアウトリガ張り出し状態
における旋回方向ごとの定格荷重と、各定格荷重が適用
される旋回領域とを設定し、前記負荷検出手段からのク
レーン負荷Pと、前記旋回位置検出手段からのクレーン
負荷Pの位置とを受け、上部旋回体が大きい定格荷重P
L が適用される旋回領域PLsから小さい定格荷重Ps が
適用される旋回領域Pssへ旋回中、クレーン負荷Pの位
置が旋回領域Pssに移行したと比定し、かつクレーン負
荷Pが定格荷重Ps より大きいと比定したときは、同方
向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止させ
る旋回制御手段とを備えてなることを特徴としている。
【0011】また、本発明に係わる旋回式クレーン(第
3発明)は、上記第1発明なる旋回式クレーンにおい
て、旋回制御手段は、オペレータのクレーン負荷Pの軽
減操作によりクレーン負荷Pが定格荷重Ps よりも小さ
くなったと比定したときは、或いはオペレータの逆方向
への旋回操作によりクレーン負荷Pの位置が旋回領域P
Lsに戻ったと比定したときは、前記同方向への旋回禁止
を解除させる旋回制御手段であることを特徴としてい
る。
【0012】第2目標を達成するため、本発明に係わる
アウトリガ張出状態検出手段(第4発明)は、下部走行
体の前後左右に張り出し自在に設けたアウトリガのそれ
ぞれにアウトリガ張り出し完了状態を検出するリミット
スイッチを設け、電気スイベルを経てきた上部旋回体か
らの2本の信号線の一方に左前後のリミットスイッチを
直列接続するとともに、他方に右側前後のリミットスイ
ッチを直列接続し、かつこれらの共通アース線を前記電
気スイベルを経て上部旋回体へ導出してなることを特徴
としている。
【0013】また、本発明に係わる旋回位置検出手段
(第5発明)は、同一旋回中心で相対旋回可能とされた
2つの旋回部材において、旋回制御手段を備えた側の旋
回部材に、この旋回制御手段に接続された検出器を設
け、他側の旋回部材に、異なる大きさの定格荷重が適用
される旋回領域情報が2値で意味付けされてなるマーク
を設け、相対旋回時、前記検出器で前記マークの2値を
検出し、この検出値を前記旋回制御手段に導出してなる
ことを特徴としている。
【0014】
【作用】上記第1発明(旋回式クレーンの旋回方法)に
よれば、旋回時、クレーン負荷Pの位置が旋回領域Pss
に移行し、クレーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいと
きは、同方向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回
を禁止させる。このため、過負荷旋回を阻止できる。次
いで、クレーン負荷Pを軽減させて定格荷重Psより小
さくしたときは、又は逆方向へ旋回させてクレーン負荷
Pの位置を旋回領域PLsに戻したときは、前記同方向へ
の旋回禁止を解除する。このため、同方向への旋回が再
び可能となる。
【0015】上記第2発明(旋回式クレーン)は、上記
第1発明の前段方法を織り込んだ旋回式クレーン例であ
る。なお、前述の通り、旋回式クレーンは通常、アウト
リガを装着しているため、この第2発明も(次に述べる
第3発明も)アウトリガを装着して旋回式クレーンに適
用させた構成となっている。
【0016】すなわち、第2発明によれば、旋回制御手
段が、アウトリガの張り出し状態に応じて大小異なる定
格荷重PL 、Ps と、これらが適用される旋回領域PL
s、Pssとを設定する。そして、旋回中、クレーン負荷
Pの位置が旋回領域Pssに移行したと比定し、かつクレ
ーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいと比定したとき
は、同方向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を
禁止する。このため、過負荷旋回は自動的に阻止され
る。
【0017】なお、アウトリガ張出状態検出手段は、旋
回制御手段の比定データ(Ps 、Pss)を与える役目を
果たしている。このため、アウトリガ張り出し状態ごと
に生ずる異なる旋回領域での過負荷旋回を総て阻止する
ことができるようになる。
【0018】なお、アウトリガを備えない旋回式クレー
ンでは、当然に、アウトリガ張出状態検出手段を備える
必要はない。ところが、このようなアウトリガを備えな
い旋回式クレーンは、この第2発明のアウトリガを備え
た旋回式クレーンにおける「総てのアウトリガを張り出
さない状態(前記図11)」と同じ制御となるから、こ
のアウトリガを備えない旋回式クレーンもまた、第1発
明の前段方法を使用していることになる。別言すれば、
上記第1発明は、この第2発明のアウトリガを備えた旋
回式クレーン及びアウトリガを備えない旋回式クレーン
の両方に対して使用できることが分かる。
【0019】上記第3発明(旋回式クレーン)は、上記
第1発明の総てを織り込み改良を加えた旋回式クレーン
例である。すなわち、上記第2発明における、同方向へ
の旋回禁止の解除は、例えばリセットスイッチなどによ
るマニュアル操作でも可能であるが、自動化する上で、
この第3発明を構成したものである。
【0020】すなわち、旋回制御手段は、オペレータに
よるクレーン負荷Pの軽減により、クレーン負荷Pが定
格荷重Ps よりも小さくなったと比定したときは、又は
オペレータによる逆方向への旋回操作により、クレーン
負荷Pの位置が旋回領域PLsに戻ったと比定したとき
は、前記同方向への旋回禁止を解除する。このため、同
方向への再旋回が自動的に可能となる。
【0021】上記第4発明(アウトリガ張出状態検出手
段)によれば、アウトリガの左側前後80LF、80LB、
右側前後80RF、80RB又は前後左右80RF、80RB、
80LF、80LBの張り出し状態を、僅か3本の電路を備
えた電気スイベルを介して上部旋回体へ導出している。
【0022】電気スイベルは、スイベル内の電路が増え
るに従って、嵩もコストも大きくなり、かつ不具合発生
率が高くなるという基本的問題を抱えている。ちなみに
従来であれば、前後左右のリミットスイッチに対し、4
本の信号線と1本のアース線の計5本の電路を備えた電
気スイベルを用いる発想が普通である。これに対し、こ
の第4発明では、僅か3本の電路の電気スイベルの使用
を可能としているため、上記従来の問題を改善してい
る。
【0023】なお、導出されたアウトリガ張り出し状態
の検出情報は、上部旋回体の、例えば第1発明や第2発
明の旋回制御手段や、また単なるアウトリガ張出状態確
認機器などに入力され、各種処理がなされる。すなわ
ち、この第4発明は、下部走行体の前後左右に張り出し
自在にアウトリガを備え、かつ上部旋回体を備える機械
であれば、さらにアウトリガ張出状態を検出することが
望まれる機械であれば、例えば油圧式掘削機械のような
旋回式機械に対しても実施できるため、その適用は第2
発明や第3発明などの旋回式クレーンだけに限る必要は
ない。
【0024】上記第5発明(旋回位置検出手段)は次の
通りである。同一旋回中心で相対旋回可能とされた2つ
の旋回部材は、例えば油圧スイベル、電気スイベル、旋
回サークルなどのインナー(インナーは内筒とも言う)
及びアウター(アウターは外筒とも言う)に相当する。
またこれらと係わりなくスイベルを構成し、機械の旋回
中心に設置してもよい。
【0025】そして第5発明は、上記第2発明及び第3
発明の旋回位置検出手段として用いることができる。す
なわち、上記第2発明及び第3発明における旋回制御手
段は、相対旋回時、第5発明なる旋回位置検出手段の検
出器から、旋回時のクレーン負荷Pの位置ごとの定格荷
重及びその定格荷重が適用される旋回領域が2値で意味
付けされたその2値を入力することにより、クレーン負
荷Pと比較できる。
【0026】勿論、この第5発明も相対的に旋回可能と
された機械であれば、そして異なる大きさの定格荷重が
適用される旋回位置を検出することが望まれる機械であ
れば、上記第4発明と同様、例えば油圧式掘削機械のよ
うな旋回式機械に対しても実施できるため、その適用は
上記第2発明や第3発明などの旋回式クレーンだけに限
る必要はない。
【0027】なお、仮に第5発明を「旋回制御手段を備
えた側の旋回部材に、異なる大きさの定格荷重が適用さ
れる旋回領域情報が意味付けされてなる2値マークを設
け、他側の旋回部材に、前記旋回制御手段に接続された
2値検出器を設け、相対旋回時、前記2値検出器で前記
2値マークの2値を検出し、この検出値を前記旋回制御
手段に導出する構成」としてしまうと、これは正に電気
スイベルであり、前述電気スイベルの問題が生じてしま
う。第5発明はこのような問題の排除を考慮して構成し
たものであり、全く新規な構成及び作用(勿論、効果
も)をなすものである。
【0028】
【実施例】以下実施例を図1〜図14を参照して説明す
る。実施例なる旋回式クレーンの外観は、先に説明した
図10の油圧式走行クレーンと同じである。すなわち、
同図10に示すように、旋回式クレーンは、上部旋回体
50にクレーン60を備え、また下部走行体70の前後
左右にアウトリガ80(80RF、80RB、80LF、80
LB)を備えている。そして図2に示す通り、上部旋回体
50に制御器1を備えており、この制御器1には、次の
各種機器が接続されている。
【0029】先ず、制御器1には、図1に示す通り、オ
ペレータが例えば旋回レバーで右旋回、中立又は左旋回
の操作をしたとき、この操作信号Mを伝える信号線が接
続されている。
【0030】そして制御器1には、図1に示す通り、油
圧旋回回路5に対する右旋回信号線5R及び左旋回信号
線5Lが接続されている。本実施例の油圧旋回回路5
は、油圧ポンプ51からの圧油がソレノイド式3位置方
向切換弁52で切り換えられ、旋回モータ53を回転さ
せる構成となっている。右旋回信号線5Rは切換弁52
の図示右側に、左旋回信号線5Lは切換弁52の図示左
側に接続され、制御器1が両信号線5R、5Lに電気信
号を出力しないときは、切換弁52は図示中立位置であ
り、このとき旋回モータ53は回転しない(旋回停止で
ある)。右旋回信号線5Rに電気信号が出されると、切
換弁52は図示左方へ移動して旋回モータ53を右回転
させて上部旋回体50を右旋回させる。他方、左旋回信
号線5Lに電気信号が出されると、切換弁52は図示右
方へ移動して旋回モータ53を左回転させて上部旋回体
50を左旋回させる。
【0031】また、制御器1には、図2に示す通り、ア
ウトリガ張出状態検出手段なるリミットスイッチ2(右
前リミットスイッチ2RF、右後リミットスイッチ2RB、
左前リミットスイッチ2LF、左後リミットスイッチ2L
B)への信号線3R 、3L と、共通アース線3G とが電
気スイベル4を経て接続されている。
【0032】これらリミットスイッチ2は、図3に示す
ように、各アウトリガ80の張り出し部にそれぞれ装着
され、各アウトリガ80がストロークエンドまで引き出
されたとき、図4に示すように、該ストロークエンドに
設けられた凸部81にピックアップが乗り上がってスイ
ッチがONされ、このON信号が制御器1に入力するよ
うになっている。
【0033】ところで実施例では、アウトリガ80を前
側左右80LF、80RFだけ、又は後側左右80LB、80
RBだけを張り出すことは殆どなく、総て張り出さない状
態(図11参照)、総てを張り出す状態(図12参
照)、左側前後80LF、80LBだけ張り出す状態(図1
3参照)及び右側前後80RF、80RBだけ張り出す状態
(図14参照)の「四状態」が殆どである。
【0034】従って、各リミットスイッチ2、信号線3
R 、3L 及び共通アース線3G は、図2に示す結線がな
されている。すなわち、左側前後のリミットスイッチ2
LF、2LBは信号線3L で直列接続され、右側前後のリミ
ットスイッチ2RF、2RBは他の信号線3R で直列接続さ
れ、これら2本の信号線3R 、3L は共通アース線3G
に接続されている。このように結線することにより、制
御器1は、前記図11〜図14の四状態を正確に入力す
ることができるようになる。
【0035】なお、アウトリガ張出状態検出手段として
は、例えばインクリメント式やアブソリュート式のスト
ロークセンサであってもよい。但しこのような場合、木
目細かく検出できるものの、次のような不都合もある。
【0036】電気スイベルは、スイベル内の電路が増え
るに従って、嵩もコストも大きくなり、かつ不具合発生
率が高くなる。ストロークセンサの場合、電気スイベル
4は信号線4本及び共通アース線1本の計5本の電路を
備える必要がある。これは、上記「四状態」の検出でも
同様である。
【0037】ところが、リミットスイッチ2を用いて構
成した上記アウトリガ張出状態検出手段の例での電気ス
イベル4は、計3本の電路を備えるだけでよく、2本分
の電路を節減できる。つまり、リミットスイッチ2の安
価さもさることながら、電気スイベルにおける上記問題
の減少を図ることができる。そしてこのような効果を備
えたアウトリガ張出状態検出手段例は従来にないもので
ある。
【0038】さらに、制御器1には、図2に示す通り、
クレーン60の伏仰油圧シリンダ61(図10参照)の
油圧Vと、クレーン60の伏仰角度θ(図10参照)と
からの通信線が接続されている。制御器1は、これら入
力値と、予め記憶したクレーン60の長さによってクレ
ーン負荷Pを算出している(すなわち、これらで負荷検
出手段が構成されている)。
【0039】さらに、制御器1には、図2に示す通り、
クレーン負荷Pの位置(すなわち、上部旋回体50が旋
回したとき、クレーン負荷Pが全旋回方向F、B、L、
Rで占める位置)を検出する旋回位置検出手段が接続さ
れている。
【0040】このような旋回位置検出手段としては、旋
回サークルや油圧スイベルや電気スイベルに組み込む回
転エンコーダなど各種準備できるが、本実施例では、前
記電気スイベル4に設けてある。詳しくは、図5を参照
して次に説明する。
【0041】図5に示す通り、電気スイベル4のインナ
ー41は下部走行体70の旋回中心に固設され、この外
周にマークなるカム部材42が設けてある。このカム部
材42は、詳しくは後述するように、旋回式クレーンの
旋回方向ごと大きさが異なる定格荷重が適用される旋回
領域を2値によって意味付けしたものである。他方アウ
ター43は上部旋回体50の旋回中心に固設され、この
内周に前記カム部材42の2値情報を検出するための2
個の検出器44F、44Bが前後位置に対抗して設けて
ある。
【0042】なお、制御器1が上部旋回体50に備えら
れていることからも明らかなように、検出器44F、4
4Bのリード線は、電気スイベル4のスイベル部を経る
ことなく、制御器1に入力される。
【0043】上記旋回位置検出手段例の作用を図6〜図
9を参照して説明する。マークなるカム部材42は、前
記図5及び図6(a)〜図9(a)で示すように、前後
左方向F、B、Lが凸成形され、右方向Rが凹成形され
ている。他方検出器44F、44Bは磁電変換式や光電
変換式などのピックアップであり、前方向F正面に検出
器44Fが、後方向B正面に検出器44Bが固設されて
いる。そして上部旋回体50の旋回時、制御器1には、
これら検出器44F、44Bがカム部材42の凸面に対
抗しているときは「1」が生じ、これら検出器44F、
44Bがカム部材42の凹面に対抗しているときは
「0」が生ずるようになっている。
【0044】すなわち、図6(a)は、同図(b)に示
されるクレーン60が前方向Fであるときの検出器44
F、44Bとカム部材42との相対位置関係を示し、同
図(c)に示すように、制御器1に「11」が生ずる
(なお、「11」の表記は「検出器44Fからの2値
検出器44Fからの2値」としてある、以下同じ)。図
7(a)は、同図(b)に示されるクレーン60が右方
向Rであるときの検出器44F、44Bとカム部材42
との相対位置関係を示し、同図(c)に示す通り、制御
器1に「01」が生ずる。図8(a)は、同図(b)に
示されるクレーン60が後方向Bであるときの検出器4
4F、44Bとカム部材42との相対位置関係を示し、
同図(c)に示す通り、制御器1に「11」が生ずる。
図9(a)は、同図(b)に示されるクレーン60が左
方向Lであるときの検出器44F、44Bとカム部材4
2との相対位置関係を示し、同図(c)に示す通り、制
御器1に「10」が生ずる。そしてこれら2値は、先に
説明したアウトリガ80のアウトリガ張り出し状態(図
11〜図14)における大小の定格荷重PL 、Ps が適
用される旋回領域PLs、Pssに対応するように、次に示
すように、意味付けできる。
【0045】例えば図11の総てのアウトリガ80を張
り出さない状態では、「11」を旋回領域PLsと意味付
けでき、「01」及び「10」を旋回領域Pssと意味付
けできる。また図12の総てのアウトリガ80の張り出
した状態では、「11」、「01」及び「10」を旋回
領域PLsと意味付けできる。また図13の左側前後のア
ウトリガ80を張り出した状態では、「11」及び「1
0」を旋回領域PLsと意味付けでき、「01」を旋回領
域Pssと意味付けできる。最後に図14の右側前後のア
ウトリガ80を張り出した状態では、「11」及び「0
1」を旋回領域PLsと意味付けでき、「10」を旋回領
域Pssと意味付けできる。
【0046】なお、アウトリガ張り出し状態ごとの上記
旋回制御手段において意味付けされた旋回領域PLs、P
Lsの確定は、制御器1がアウトリガ張出状態検出手段か
らアウトリガの張り出し状態を入力して比定される。次
に、本旋回位置検出手段例について、表1を参照して捕
捉説明する。
【0047】
【表1】
【0048】表1に示す通り、制御器1及び本旋回位置
検出手段例(特に検出器44F、44B)が正常なら
ば、クレーン60が前方向F又は後方向Bでは「1
1」、右方向Rでは「01」、また左方向Lでは「1
0」となるため、「00」は生じない。これに対し、仮
に両検出器44F、44Bが共に故障すれば、全方向
F、B、L、Rに「00」が生ずる。また仮に両検出器
44F、44Bのいずれか一方が故障しても、左右方向
L、Rに「00」が現れる。このため、制御器1はこの
「00」を入力することにより、直ちに故障を自己診断
することができる。この場合、制御器1は警報指令を発
生したり、旋回停止させるなどの必要処理を行うことに
なる。
【0049】なお、両検出器44F、44Bのいずれか
一方が故障した場合、「11」に「01」又は「10」
が現れるが、「11」は常に大きい定格荷重PL の旋回
領域PLsを意味するに対し、「01」及び「10」は常
に小さい定格荷重Ps の旋回領域PLsを意味する。この
結果、両検出器44F、44Bのいずれか一方が故障し
ても、旋回式クレーンが転倒するなどの危険は生じな
い。さらにこの、両検出器44F、44Bのいずれか一
方が故障した場合、上記のこの場合での「00」を除く
と、「01」は「01」のままであり、また「10」は
「10」のままであるから、やはり問題は生じない。
【0050】なお、仮に制御器1が備えられていない旋
回部材側に検出器44F、44Bを設けると、この旋回
位置検出手段例は電気スイベルとなるため、電気スイベ
ルの上記問題が生じる。このため、旋回位置検出手段例
をこのように構成しないのが望ましい。かかる旋回位置
検出手段例によれば、簡単な構成で明確な旋回位置を検
出でき、自己故障診断が可能であり、また故障しても過
負荷旋回の原因とならない長所がある。
【0051】なお、上部旋回体50にインナーが、他方
下部走行体70にアウターが固設されているときは、イ
ンナー外周に検出器44F、44B、他方アウター内周
にマークなるカム部材42を備えて旋回位置検出手段と
しもよい。また、検出器44F、44Bやマークの数、
位置、形状、形式は適宜変更すればよい。またこれらの
装着先も、例えば油圧スイベルや旋回サークルなどの相
対回転部材間で設けてもよく、上記のように、電気スイ
ベル4に設置することだけに限る必要はない。このよう
にしても、上記旋回位置検出手段例と同様の効果を得る
ことができ、またこのような構成は、従来には見られな
いものである。
【0052】次に、制御器1の制御例を、図1のフロー
を参照して説明する。なお、説明を容易にするため、ア
ウトリガ80の張り出し状態は、前記図11で示した
「総てのアウトリガ80を張り出さない状態」とする。
またクレーン60の最初の方向は前方向F(大きな定格
荷重PL が適用される旋回領域PLs)とし、このとき、
旋回は停止中とする(A0)。またクレーン負荷Pは大
きい定格荷重PL より小さいものとする(P≦PL )。
なお、図1は右旋回時のフローを示しているが、左旋回
時のフローは、同フロー中の「右」を「左」に、かつ
「左」を「右」に読み変えればよく、このため、左旋回
時のフローを省略する。
【0053】第1制御例は次の通りである。図1に示す
ように、制御器1は、アウトリガ80の張り出し状態ご
との旋回領域PLs、Pssと、旋回位置検出手段からの検
出値(2値)との対応関係を予め複数記憶している(A
1)。そこで、アウトリガ張出状態検出手段(リミット
スイッチ2)から前記図11の「総てのアウトリガ80
を張り出さない状態」を入力すると(A2)、図11
(b)に対応した旋回領域PLs、Pssと、旋回位置検出
手段からの検出値との対応関係を前記記憶から抽出し、
これを設定する(A3)。なお、旋回式クレーンの始動
とともに、負荷検出手段からクレーン負荷Pが算出され
ている(A4)。本第1制御例でのクレーン負荷Pの算
出は、制御器1自体が行っている。言い換えれば、制御
器1からこのクレーン負荷Pの算出部を省いた構成が、
請求項2及び3記載の負荷検出手段に相当する。次に、
オペレータが旋回レバーで右旋回の操作し、この右旋回
信号Mが制御器1に入力されると(A5)、制御器1は
油圧旋回回路5の右旋回信号線5Rに電気信号を出力
し、上部旋回体50を前記停止状態(A0)から右旋回
させる(A6)。
【0054】右旋回信号線5Rへ電気信号が出力されて
いる間(すなわち、右旋回指令中)に、クレーン負荷P
の位置が旋回領域PLsから旋回領域Pssに移行したとき
〔すなわち、旋回位置検出手段(検出器44F、44
B)からの信号に基づき、制御器1内に「11」から
「01」への変化が生じたとき〕、かつクレーン負荷P
と定格荷重Ps との比較値がP≦Ps であるときは、旋
回領域PLsでもそのまま右旋回させるが、比較値がP>
Ps であるときは、自動的に、右旋回信号線5Rへの電
気信号の出力を停止させる(右旋回を停止させる)とと
もに、以後の右旋回を禁止する(仮に、オペレータが旋
回レバーで右旋回へ再操作しても右旋回信号線5Rへ電
気信号は出力しない)(A6−A7−A81−A82−
A83)。
【0055】なお、本第1制御例では、工程A7で示す
ように、既にオペレータが旋回レバーを中立に戻す操作
を行い、制御器1が信号線5Rへ電気信号の出力を停止
したとき、仮に上部旋回体50が慣性やブレーキの応答
遅れなどにより右旋回を続けて旋回領域Pssで停止した
ときは、右旋回信号線5Rへの電気信号の出力の停止後
の0.5秒(t1)内に、比較値がP≦Ps のときは、
そのまま放置する(すなわち、停止する)が、逆に比較
値がP>Ps のときは、上記同様、以後の右旋回を禁止
するようにしてある(A7−A91−A92−A9
3)。なお、t1は旋回停止可能時間で設定される。
【0056】なお、上第1制御例では、右旋回信号線5
Rへの電気信号の有無と、旋回位置検出手段からの検出
値とを基に、A6−A7−A81−A82−A83の順
又はA6−A7−A91−A92−A93の順とした
が、旋回位置検出手段からの検出値の変化(「11」か
ら「01」への変化、すなわち、旋回領域Pssへの移
行)だけを捕らえて、これを基に、そのときの比較値が
P>Ps のときは、以後の右旋回を禁止するようにして
もよい。
【0057】上記第1制御例によれば、次のような効果
を奏する。第1効果は、上部旋回体50が旋回領域PLs
から旋回領域Pssへ移行したとき、比較値がP>Ps
(すなわち、過負荷と比定された)ならば、さらなる右
旋回を禁止するため、過負荷旋回を阻止できる。
【0058】第2効果は、旋回領域Pssで過負荷(すな
わち、P>Ps )と比定され、右旋回が禁止されるの
は、旋回領域Pssに移行した後の数十分の1秒内であ
る。そしてこの時の停止位置は、旋回速度(負荷時の旋
回速度は早くない)や機械的応答時間(ブレーキ応答速
度やガタつきに基づく旋回流れ)にもよるが、旋回領域
Pssに移行後、遅くとも旋回角度で2〜3度程度であ
る。言い換えれば、僅か2〜3度の誤差をもって最適旋
回領域PLs、Pssを設定することができるため、作業効
率に向上をもたらす。なお、左旋回時も上記同様の効果
を奏することは言うまでもない。
【0059】次に、第2制御例を説明する。上記第1制
御例では、旋回領域Pssに移行時に過負荷であるとき
は、右旋回を禁止したが、第2制御例はこの右旋回の禁
止を解除する制御を提供している。この解除方法として
は、例えばリセットボタンを制御器1に装着してオペレ
ータがこのリセットボタンを押すことにより、制御機1
内の右旋回禁止を強制的に解除するというマニュアル方
法もあるが、自動化を進める上で、第2制御例で次のよ
うに構成した(つまり、第2制御例は、上記第1制御例
に続く制御例である)。同じく図1を参照し説明する。
なお、説明の便宜上、第2制御例を第1解除例と第2解
除例とに分ける。
【0060】第1解除例は次の通りである。オペレータ
がクレーン60の伏仰角を大きくするなどの負荷軽減操
作を行うことにより、負荷検出手段で検出されるクレー
ン負荷Pは減少する。そこで、制御器1は、この減少し
てゆくクレーン負荷Pを定格荷重Ps で比較し、P≦P
s となったとき(A10)、前記右旋回の禁止を自動的
に解除する(A12)。
【0061】また、第2解除例は次の通りである。第1
制御例によって右旋回は禁止されたが、左旋回は今なお
動作できる。そこで、オペレータは旋回レバーを左旋回
に操作し、制御器1がこの信号Mを受けると、左旋回信
号線5Lに電気信号が出力され上部旋回体50を左旋回
させる(A112)。そこで左旋回信号線5Lに電気信
号が出力されている間(すなわち、左旋回中)、又はそ
の後のオペレータが旋回レバーを中立位置へ戻して前記
信号Mが切れ、これを受けて左旋回信号線5Rに電気信
号の出力の停止後の0.5秒(t2)内の慣性やブレー
キ遅れなどによる惰性左旋回中に(A113)、上部旋
回体50が旋回領域PLsから旋回領域Pssに戻ったとき
(すなわち、制御器1内に「01」から「11」への変
化が生じたとき)、前記右旋回の禁止を自動的に解除す
るようにしている(A114−A12)。
【0062】上記第2解除例によれば、自動解除できる
外、次のような効果を奏する。すなわち、第2解除例で
は、上部旋回体50が旋回領域PLsに戻らなければ、右
旋回の禁止は解除されない。つまり、例えばオペレータ
が作業を急ぐばかりに、素早く旋回レバーを中立位置へ
戻して左旋回の信号を与えただけで、上部旋回体50が
旋回領域PLsに戻ってもいないにも係わらず、右旋回の
禁止を解除してしまうようなことを無くしている。仮
に、このような操作でも右旋回の禁止が解除されるなら
ば、以降の上記第1制御例を実行できなくなる。従っ
て、オペレータは確実な操作を要求され、またこれが実
行されるまで、右旋回の禁止が解除されない。別言すれ
ば、オペレータはこの操作があるため、以降の安全作業
を行える。
【0063】第2解除例は、第1制御例において、右旋
回が禁止されたとき(A83、A93)、かつオペレー
タがクレーン負荷Pを軽減操作していないとき(A10
を行わないとき)に、制御器1が旋回領域PLsの定格荷
重PL を小さい定格荷重Psに自動的に切り換えるよう
にしたものである(A111)。
【0064】ところで、第2解除例では次のような機能
を追加するのがよい。第2解除例でのクレーン負荷P
は、第1解除例のように負荷軽減されていないため、旋
回領域PLsの定格荷重は大きい定格荷重PL のままであ
る。従って、再度右旋回させて前方向F及び右方向Rの
領域(すなわち、旋回領域PLs、Pss)で作業を行おう
とすると、第1制御例によって旋回領域Pssに移行した
とき、再び右旋回停止と右旋回禁止となり、これらを繰
り返すようになり、オペレータに不快感を与えるように
なる。
【0065】そこで、上述したように、第1制御例にお
いて、右旋回が禁止されたとき(A83、A93)、第
2制御例において、オペレータがクレーン負荷Pを軽減
操作していないとき(A10を行わないとき)は、制御
器1は、旋回領域PLsにおける定格荷重PL を小さな定
格荷重Ps に切り換え(A112)、旋回領域PLsにお
いて、例えば警報などによりP>Psであることをオペ
レータに知らせるようにしている。このようにすると、
オペレータはこの旋回領域PLsにおいて、クレーン負荷
Pを小さな定格荷重Ps 以下に軽減することを要求され
るから、次の右旋回における第1制御例で右旋回の禁止
がなくなる。もっとも、旋回領域Pss内だけの旋回作業
であるときは、このような構成は必要なく、このため、
これはオプション機能として準備するのがよい。
【0066】上記実施例は、図11の「総てのアウトリ
ガを張り出さない状態」での過負荷旋回の阻止例である
が、図13の左前後のアウトリガを張り出した状態及び
図14の右前後のアウトリガを張り出した状態でも上記
実施例同様の構成で上記実施例同様の作用効果を奏する
ことは言うまでもない。
【0067】また、上記実施例はアウトリガを備えた旋
回式クレーンの例で説明し、また図11の総てのアウト
リガを張り出さない状態で説明した。別言すれば、上記
実施例は、アウトリガを装着しない旋回式クレーンの実
施例に等しいと言える。すなわち、アウトリガを装着し
ない旋回式クレーンに対しては、前記請求項1記載の方
法を適用できる。この場合、請求項2及び3記載の構成
から(1) の「アウトリガ張り出し状態を検出するアウト
リガ張出状態検出手段」と、(4) の旋回制御手段におけ
る「アウトリガ張出状態検出手段からのアウトリガ張り
出し状態を受け、このアウトリガ張り出し状態におけ
る」とを削除すればよい。
【0068】また上記実施例では大小2つのの定格荷重
PL 、Ps と、これらが適用される2つの旋回領域PL
s、Pssを設定したが、これに限定される必要はない。
例えば、上部旋回体50の旋回中心が下部走行体70や
アウトリガの地表面への投影面の中心に対して偏心した
位置に設置された旋回式クレーンや、アウトリガが例え
ば左右前側に備えられていない旋回式クレーンでは、上
部旋回体50の旋回方向ごとの異なる大きさの定格荷重
は多数となる。すなわち、これらが適用される旋回領域
も多数設定する必要がある。このように、定格荷重(す
なわち、その旋回領域)が多数ある場合は、隣り合う定
格荷重間の大小関係に基づき、この大小関係を定格荷重
PL 、Ps とし、これらが適用される旋回領域をPLs、
Pssとすればよい。
【0069】また、上記実施例は、図10の油圧式走行
クレーン(すなわち、自走式)を例としたが、固定式旋
回式クレーンであっても適用できる。
【0070】すなわち、上記実施例を制御方法で表現す
れば、要するに「クレーンを備えた上部旋回体を大きい
定格荷重PL が適用される旋回領域PLsから小さい定格
荷重Ps が適用される旋回領域Pssに旋回移行させたと
き、クレーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいときは、
同方向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止
し、次いでこのクレーン負荷Pを軽減させて定格荷重P
s より小さくしたときは、或いは逆方向へ旋回させてク
レーン負荷Pの位置を旋回領域PLsに戻したときは、前
記同方向への旋回禁止を解除する構成」と言える。
【0071】つまり、上述したように、アウトリガやア
ウトリガ張出状態検出手段の有無に係わらず、かつ定格
荷重の数(従って、これら定格荷重が適用される旋回領
域の数)に係わらず、また負荷検出手段、アウトリガ張
出状態検出手段、旋回位置検出手段に形式や配置位置に
係わらず、上記制御方法によれば、過負荷旋回を阻止で
きる。
【0072】なお、補足説明すれば、近年、建築中のビ
ルの高所内で稼働する旋回式クレーンとして、クレーン
60の伏仰、上部旋回体の左右旋回、ワイヤの巻き掛け
などを、レバー操作によるストローク操作でなく、プッ
シュボタン操作によるON・OFF信号で遠隔操作する
旋回式クレーンがある。ところがこのようなON・OF
F信号では旋回速度を調整できないため、過負荷旋回が
発生し易い。上記実施例によれば、旋回速度に係わらず
過負荷旋回を阻止できるため、このようなプッシュボタ
ン操作式旋回式クレーンに対しても過負荷旋回を阻止で
きる。
【0073】
【発明の効果】上記実施例の説明から明らかなように、
本発明は、要するに、請求の範囲記載の手段を講じたも
のであり、上記実施例の説明から分かるように、過負荷
旋回を自動的に阻止できる旋回式クレーンの旋回方法及
び旋回式クレーンとなる。またこのような旋回式クレー
ンを低コスト、かつ高精度で達成できるアウトリガ張出
状態検出手段及び旋回位置検出手段となる。詳しくは次
のような効果を奏する。
【0074】第1発明(旋回式クレーンの旋回方法)に
よれば、旋回時、クレーン負荷Pの位置が旋回領域Pss
に移行し、クレーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいと
き、同方向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を
禁止させる。このため、過負荷旋回が無くなる。次い
で、クレーン負荷Pを軽減させて定格荷重Ps より小さ
くしたとき、又は逆方向へ旋回させてクレーン負荷Pの
位置を旋回領域PLsに戻したとき、前記同方向への旋回
禁止を解除する。このため、過負荷旋回を自動的に阻止
でき、また同方向への再旋回が自動的に可能となる。
【0075】第2発明(旋回式クレーン)によれば、旋
回制御手段が、旋回中、クレーン負荷Pの位置が旋回領
域Pssに移行したと比定し、かつクレーン負荷Pが定格
荷重Ps より大きいと比定したとき、自動的に、同方向
への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止する。
このため、過負荷旋回を阻止できる。
【0076】第3発明(旋回式クレーン)によれば、旋
回制御手段が、オペレータによるレーン負荷Pの軽減に
よりクレーン負荷Pが定格荷重Ps よりも小さくなった
と比定したとき、又はオペレータによる逆方向への旋回
操作によりクレーン負荷Pの位置が旋回領域PLsに戻っ
たと比定したとき、自動的に、前記第2発明における同
方向への旋回禁止を解除する。このため、同方向への再
旋回が可能となる。
【0077】第4発明(アウトリガ張出状態検出手段)
によれば、アウトリガの左側前後80LF、80LB、右側
前後80RF、80RB又は前後左右80RF、80RB、80
LF、80LBの張り出し状態を、前後左右のリミットスイ
ッチで、しかも僅か3本の電路を備えた電気スイベルを
介して上部旋回体へ導出しているため、リミットスイッ
チ2が安価、かつ高信頼性であるだけでなく、場積が小
さく、安価、かつ不具合発生率を抑制できる電気スイベ
ルを使用可能となっている。なお、このアウトリガ張出
状態検出手段の使用先は、旋回式クレーンに限定される
ことはない。
【0078】第5発明(旋回位置検出手段)によれば、
簡単、かつ安価な検出器とマークとにより、旋回時のク
レーン負荷Pの位置を、定格荷重が適用される旋回領域
とともに検出することができる。なお、この旋回位置検
出手段の使用先も、旋回式クレーンに限定されることは
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例なる旋回式クレーンの旋回方法のフロー
チャートである。
【図2】実施例なる旋回式クレーンにおける制御器と関
連機器との連結図である。
【図3】実施例なる旋回式クレーンにおける下部走行体
の図である。
【図4】実施例なる旋回式クレーンにおけるリミットス
イッチの装着図である。
【図5】実施例なる旋回式クレーンにおける旋回位置検
出手段の図である。
【図6】(a)は旋回式クレーンが前向きであるときの
旋回位置検出手段の状態を示す図、(b)は旋回式クレ
ーンが前向きの図、(c)はこのときの2値を示す図で
ある。
【図7】(a)は旋回式クレーンが右向きであるときの
旋回位置検出手段の状態を示す図、(b)は旋回式クレ
ーンが右向きの図、(c)はこのときの2値を示す図で
ある。
【図8】(a)は旋回式クレーンが後向きであるときの
旋回位置検出手段の状態を示す図、(b)は旋回式クレ
ーンが後向きの図、(c)はこのときの2値を示す図で
ある。
【図9】(a)は旋回式クレーンが左向きであるときの
旋回位置検出手段の状態を示す図、(b)は旋回式クレ
ーンが左向きの図、(c)はこのときの2値を示す図で
ある。
【図10】実施例なる旋回式クレーン例(油圧式走行ク
レーン)の外観側面図である。
【図11】(a)はアウトリガを張り出さない状態の旋
回式クレーンの図、(b)はそのときの異なる定格荷重
が適用される旋回領域を示す図である。
【図12】(a)は全アウトリガを張り出した状態の旋
回式クレーンの図、(b)はそのときの同じ定格荷重が
適用される旋回領域を示す図である。
【図13】(a)は左側前後のアウトリガを張り出した
状態の旋回式クレーンの図、(b)はそのときの異なる
定格荷重が適用される旋回領域を示す図である。
【図14】(a)は右側前後のアウトリガを張り出した
状態の旋回式クレーンの図、(b)はそのときの異なる
定格荷重が適用される旋回領域を示す図である。
【符号の説明】
Ps :小さい定格荷重、PL :大きい定格荷重、Pss:
小さい定格荷重が適用される旋回領域、PLs:大きい定
格荷重が適用される旋回領域、P:クレーン負荷、1:
制御器、2、2RF、2RB、2LF、2LB:リミットスイッ
チ、3R、3L:通信線、3G:共通アース線、4:電
気スイベル、44F、44B:検出器、42:マーク
(カム部材)、5:油圧旋回回路、50:上部旋回体、
60:クレーン、70:下部走行体、80:アウトリ
ガ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンを備えた上部旋回体を大きい定
    格荷重PL が適用される旋回領域PLsから小さい定格荷
    重Ps が適用される旋回領域Pssに旋回移行させたと
    き、クレーン負荷Pが定格荷重Ps より大きいときは、
    同方向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止
    し、次いでこのクレーン負荷Pを軽減させて定格荷重P
    s より小さくしたときは、或いは逆方向へ旋回させてク
    レーン負荷Pの位置を旋回領域PLsに戻したときは、前
    記同方向への旋回禁止を解除することを特徴とする旋回
    式クレーンの旋回方法。
  2. 【請求項2】 上部旋回体にクレーンを備え、下部にア
    ウトリガを備える旋回式クレーンにおいて、(1) アウト
    リガ張り出し状態を検出するアウトリガ張出状態検出手
    段と、(2) クレーン負荷Pを検出する負荷検出手段と、
    (3) クレーン負荷Pの位置を検出する旋回位置検出手段
    と、(4) 前記アウトリガ張出状態検出手段からのアウト
    リガ張り出し状態を受け、このアウトリガ張り出し状態
    における旋回方向ごとの定格荷重と、各定格荷重が適用
    される旋回領域とを設定し、前記負荷検出手段からのク
    レーン負荷Pと、前記旋回位置検出手段からのクレーン
    負荷Pの位置とを受け、上部旋回体が大きい定格荷重P
    L が適用される旋回領域PLsから小さい定格荷重Ps が
    適用される旋回領域Pssへ旋回中、クレーン負荷Pの位
    置が旋回領域Pssに移行したと比定し、かつクレーン負
    荷Pが定格荷重Ps より大きいと比定したときは、同方
    向への旋回を停止させ、かつ同方向への旋回を禁止させ
    る旋回制御手段とを備えてなることを特徴とする旋回式
    クレーン。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の旋回式クレーンにおい
    て、旋回制御手段は、オペレータのクレーン負荷Pの軽
    減操作によりクレーン負荷Pが定格荷重Ps よりも小さ
    くなったと比定したときは、或いはオペレータの逆方向
    への旋回操作によりクレーン負荷Pの位置が旋回領域P
    Lsに戻ったと比定したときは、前記同方向への旋回禁止
    を解除させる旋回制御手段であることを特徴とする旋回
    式クレーン。
  4. 【請求項4】 下部走行体の前後左右に張り出し自在に
    設けたアウトリガのそれぞれにアウトリガ張り出し完了
    状態を検出するリミットスイッチを設け、電気スイベル
    を経てきた上部旋回体からの2本の信号線の一方に左前
    後のリミットスイッチを直列接続するとともに、他方に
    右側前後のリミットスイッチを直列接続し、かつこれら
    の共通アース線を前記電気スイベルを経て上部旋回体へ
    導出してなることを特徴とするアウトリガ張出状態検出
    手段。
  5. 【請求項5】 同一旋回中心で相対旋回可能とされた2
    つの旋回部材において、旋回制御手段を備えた側の旋回
    部材に、この旋回制御手段に接続された検出器を設け、
    他側の旋回部材に、異なる大きさの定格荷重が適用され
    る旋回領域情報が2値で意味付けされてなるマークを設
    け、相対旋回時、前記検出器で前記マークの2値を検出
    し、この検出値を前記旋回制御手段に導出してなること
    を特徴とする旋回位置検出手段。
JP25154494A 1994-09-21 1994-09-21 旋回式クレーンの旋回方法、旋回式クレーン、アウトリガ張出状態検出手段及び旋回位置検出手段 Pending JPH0891780A (ja)

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