JPH1179675A - アウトリガ付き車両の安全装置 - Google Patents

アウトリガ付き車両の安全装置

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JPH1179675A
JPH1179675A JP25148097A JP25148097A JPH1179675A JP H1179675 A JPH1179675 A JP H1179675A JP 25148097 A JP25148097 A JP 25148097A JP 25148097 A JP25148097 A JP 25148097A JP H1179675 A JPH1179675 A JP H1179675A
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JP
Japan
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vehicle
outrigger
center
turning
area
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JP25148097A
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English (en)
Inventor
Minoru Wada
稔 和田
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Komatsu Ltd
Original Assignee
Komatsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 クレーン車のアウトリガの中途張り出し状態
での作業許容範囲を有効に拡げる。 【解決手段】 右前方アウトリガ3がMIN張出長で、
右後方アウトリガ4がMAX張出長のとき、右側方の車
両重心移動許容領域を、旋回中心Oから右前方アウトリ
ガ3と右後方アウトリガ4とを結ぶ直線44に下した垂
線45の長さR1を半径とし、旋回中心Oを中心とする
円弧46で囲む範囲に設定する。直線44は車両の転倒
限界線であり、円弧46は限界に近い領域となり、作業
許容範囲は拡大する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、張り出し自在なア
ウトリガと、旋回可能な作業機とを備えた車両、特には
クレーン車において、車両重心移動許容領域を設定し、
安全作業を行わせる安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】アウトリガ付き車両の中で例えば移動式
クレーンは、車体前後に車体側方へ張り出し自在とされ
たアウトリガと、車体上に起伏自在なブームを有して旋
回自在とされた旋回体と、荷吊り作業を安全に行わせる
ための安全装置としてのモーメントリミッタとを有して
いる。安全作業を行わせるためには、まず車両が転倒し
ないための車両重心移動許容領域(以下、単に「許容領
域」と称する)を設定する。モーメントリミッタは車両
重心位置が許容領域内にあるような作業半径に対応する
制限荷重を記憶し、実作業半径情報を受けて記憶した制
限荷重の中から実作業半径情報に応じた基準荷重を選択
し設定する。そして実作業荷重情報を受けて実作業荷重
が基準荷重を越えるとき、又は越えようとするとき、警
告を発するとともに作業機の動作を制限している。一般
に許容領域を設定するときは、アウトリガのMAX張出
状態が基本としている。この場合、車両の全周方向で最
大荷吊り作業が可能である。
【0003】ところが作業場所によってはアウトリガを
完全に張り出せないことがある。このときアウトリガは
中途まで張り出されるため、許容領域が狭くなる。すな
わち車両側方の安定性が低下する。そのためアウトリガ
中途張り出しにおける側方作業の制限荷重として、アウ
トリガの張り出し状態に応じた側方制限荷重が設定され
る。すなわち側方制限荷重は左右独立であり、前後のア
ウトリガの張出状態に応じてそれぞれ設定される。尚、
前後方向の制限荷重はアウトリガMAX張出状態の制限
荷重が用いられる。そしてこのような車体側方の許容領
域は、予め前後のアウトリガの張出状態に応じて段階的
に定められており、前後のアウトリガの張出状態が互い
に異なるときは、短い方の張出位置が基準とされてい
る。尚、前後方向の許容領域はアウトリガMAX張出状
態における値を用いる。具体例には次の通り。
【0004】図6は、許容領域の設定方法の一例を示す
説明図であり、左前後アウトリガ1、2を共にMAX張
出状態、右前アウトリガ3をMIN張出状態、右後アウ
トリガ4をMAX張出状態とした場合を示している。図
6において、左側方の許容領域は、アウトリガが前後
1、2ともMAX張出状態であるため、旋回体の旋回中
心Oを中心としてアウトリガMAX張出状態の許容半径
Rmax (前後方向の許容半径と同一)を半径とした半円
領域5としている。前後部右側方の許容領域は半円形5
を延長して右前アウトリガ3のMIN張出状態に対応す
る角度βmin の範囲の扇形領域6,7としている。そし
て右側方の許容領域は旋回中心Oを中心として右前アウ
トリガ3のMIN張出状態を基準として定めた半径R4
を許容半径とした扇形領域8としている。
【0005】ところが上記方法では以下のような問題が
ある。図7は左前後アウトリガ1、2が共にMAX張出
状態、右前後アウトリガ3、4が共にMIN張出状態の
場合の許容領域を示している。図で明らかなように、許
容領域は、図6の場合と同一である。すなわち実際には
図6に場合の方が右後アウトリガ4の張出状態が長い分
だけ右側方許容領域は広くてよいはずである。それにも
係わらず、同じ許容領域8となる問題がある。この問題
を解決するために、本願出願人は先に特願平6−170
388号を提案している。
【0006】図8は特願平6−170388号で提案し
た許容領域の設定方法の説明図であり、図6に示したも
のと同様、左前後アウトリガ1、2は共にMAX張出状
態、右前アウトリガ3はMIN張出状態、右後アウトリ
ガ4はMAX張出状態である。本提案では図8に示すよ
うに、アウトリガの張出状態を例えばMAX、MID1
〜MID3、MINのように段階的に設定し、予め前後
のアウトリガの張出状態の組み合わせによって側方許容
領域の半径Rが従来のものより段階的に変化できるよう
に設定してある。また前後部側方の許容領域も予めそれ
ぞれの前後アウトリガの張出状態に応じてそれぞれ独立
に設定してある。具体的には図8に示すように、左側方
許容領域は図6,図7のものと同一の半径Rmax の半円
領域5であるが、右側方許容領域は旋回体の旋回中心O
を中心としてMID3の線に接する半径R3の扇形領域
8Aとしてある。ここで半径が「R3>R4」であるか
ら図6,図7の扇形領域8よりも広い許容領域に改善さ
れている。また前後部側方の旋回許容領域も、前部は角
度βmin の扇形領域6であるが、後部は角度βmaxの扇
形領域7Aとなって図6,図7の扇形領域7よりも広い
許容領域に改善されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の特願平6−170388号で提案したものは、アウ
トリガ張出状態で段階的に設定しているため、図9に示
すように、例えば右前アウトリガ3をMINとMID3
との中間位置に張り出した場合にも、許容領域が変化し
ない。すなわち、実際には作業能力は向上しているにも
かかわらず、その効果が発揮されない。
【0008】本発明は上記問題点に鑑み、車両が本来有
する側方作業能力を十分活用するために、安全作業を確
保した上で、アウトリガ中途張り出しにおける車両側方
の車両重心移動許容領域をより広く設定し、これにより
側方作業能力を向上させたアウトリガ付き車両の安全装
置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段、作用および効果】上記の
目的を達成するために、本発明に係るアウトリガ付き車
両の安全装置の第1は、例えば図1、図2を参照して説
明すれば、車体前後から車体側方へ張り出し自在とされ
たアウトリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起伏や
伸縮等に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体と、
車両情報を検出する検出器とを有するアウトリガ付き車
両に搭載され、検出器から車両情報を受けて所定の演算
を行い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回避さ
せるアウトリガ付き車両の安全装置において、アウトリ
ガの張り出し状態で変化する車両側方の車両重心移動許
容領域を、検出器からアウトリガの張り出し情報を受け
て同一側方の前後のアウトリガの張り出し位置を結ぶ直
線44に旋回体の旋回中心Oから下した垂線45の長さ
R1を半径として旋回体の旋回中心Oを中心に描いた円
弧46内の領域8aに設定し、この車両重心移動許容領
域8aに基づき車体側方での作業機の危険作業を回避さ
せることを特徴としている。
【0010】上記第1構成によれば、次のような作用効
果を奏する。同一側方の前後アウトリガの張り出し位置
を結ぶ直線44は、当該前後アウトリガの張り出し位置
における車両側方の転倒支点の軌跡、すなわち転倒限界
線であり、車両が本来有する側方作業能力の限界線であ
る。したがって、旋回体の旋回中心Oからこの転倒限界
線に下した垂線45の長さR1を半径とする円弧46は
車両が本来有する側方作業能力の最大値に対応する車両
重心移動許容領域となる。そのためこの車両重心移動許
容領域に基づいて設定される側方制限荷重は車両が本来
有する側方作業能力に近づいた大きな値となり、アウト
リガ中途張り出し状態における側方作業能力が向上す
る。また転倒限界線はアウトリガの張り出し長さに応じ
て連続的に設定されるため、アウトリガを中途に張り出
したときでも張り出した分だけ有効に側方作業能力の増
加効果が発揮される。
【0011】第2に、例えば図3、図4を参照して説明
すれば、車体前後から車体側方へ張り出し自在とされた
アウトリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起伏や伸
縮等に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体と、車
両情報を検出する検出器とを有するアウトリガ付き車両
に搭載され、検出器から車両情報を受けて所定の演算を
行い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回避させ
るアウトリガ付き車両の安全装置において、(1) 旋回体
の旋回中心Oを中心とした車両固有の車両前後方向の最
大車両重心移動許容領域5の円弧47を予め記憶し、
(2) アウトリガの張り出し状態で変化する車両側方の車
両重心移動許容領域を、(21)検出器からアウトリガの張
り出し情報を受けて同一側方の前後のアウトリガの張り
出し位置を結ぶ直線44に旋回体の旋回中心Oから下し
た垂線45の長さR1を半径として旋回体の旋回中心O
を中心に描いた円弧46を算出し、(22)円弧47と円弧
46との隙間かつ半径方向間に所定角φの円弧48を複
数挟み、(23)これら円弧47、48、46内の領域8b
に設定し、この車両重心移動許容領域8bに基づき車体
側方での作業機の危険作業を回避させることを特徴とし
ている。
【0012】上記第2構成によれば、次のような作用効
果を奏する。円弧47は、車両前後方向の最大車両重心
移動許容領域5の円弧であり、全許容領域の内で最大値
であり、かつ車両の仕様によって予め定まった固定値で
ある。一方、直線44は、前記したように、前後アウト
リガの張り出し位置毎の車両側方の転倒限界線である。
そして円弧46は、前後アウトリガの張り出し位置毎の
車両の側方旋回中での車両側方の転倒限界線である。こ
こで円弧46を越える大きな荷重とされた作業機を車両
前(又は後)から車両側方へ旋回させて車両重心が直線
44を越えると、車両は側方へ転倒する。ところで、垂
線45の前後位置において、直線44と円弧47との間
に余裕領域が生じている。そこで上記第2構成では、円
弧47と円弧46との隙間かつ半径方向間に所定角φの
円弧48を複数挟んで円弧47、48、46内の領域8
bをアウトリガの張り出し状態で変化する車両側方の車
両重心移動許容領域として設定している。つまり第2構
成は、上記余裕領域も車両側方の車両重心移動許容領域
に組み入れ、これにより車両が本来有する作業能力をよ
り効率的に引き出している。例えば旋回中の旋回体を制
動させると、慣性力によって旋回空走角θが生ずる。従
って所定角φを旋回空走角θよりも大きく設定しておけ
ば、旋回空走による車両の転倒も防止できる。尚、円弧
48の設定は、代表的な旋回空走角φを予め決定してお
き、この所定角φに基づく複数(少なくとも1個)の円
弧48を予め記憶して領域8bを予め設定してよい。ま
た旋回時に円弧48を常時算出し、この円弧48に基づ
く領域8bを常時更新しつつ設定してもよい。具体的に
は、慣性モーメントを算出するための基本データを予め
記憶し、かつ検出器から他の必要情報を受けて慣性モー
メントを算出し、さらに検出器から旋回速度を受けて旋
回角加速度を算出し、これら慣性モーメントと旋回角加
速度とから慣性力を算出し、これにより旋回空走角θを
算出する。そしてこの旋回空走角θに例えば2〜3度の
固定値を加えることによって所定角φを求める。そして
この所定角φに基づき複数(少なくとも1個)の円弧4
8を算出し、この円弧48と、前記円弧47、46とに
より領域8bを設定する。このようにすると、旋回時の
実際旋回速度、実際作業機半径、実際荷重等に合致した
最適領域8bがその都度更新されて設定される。
【0013】第3に、例えば図5を参照して説明すれ
ば、車体前後から車体側方へ張り出し自在とされたアウ
トリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起伏や伸縮等
に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体と、車両情
報を検出する検出器とを有するアウトリガ付き車両に搭
載され、検出器から車両情報を受けて所定の演算を行
い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回避させる
アウトリガ付き車両の安全装置において、アウトリガの
張り出し状態で変化する車両側方の車両重心移動許容領
域を、(1) 旋回体の旋回中心Oを中心とした車両固有の
車両前後方向の最大車両重心移動許容領域5の円弧47
と、(2) 検出器からアウトリガの張り出し情報を受けて
同一側方の前後のアウトリガの張り出し位置を結ぶ直線
44とで囲まれた領域8cに設定し、この車両重心移動
許容領域8cに基づき車体側方での作業機の危険作業を
回避させることを特徴としている。
【0014】上記第3構成によれば、次のような作用効
果を奏する。円弧47は、前記したように、車両固有の
車両前後方向の最大車両重心移動許容領域5の円弧であ
り、全許容領域の内で最大値であり、かつ固定値であ
る。一方、直線44も前記したように、前後アウトリガ
の張り出し位置毎の車両側方の転倒限界線である。従っ
て円弧47と直線44とで囲まれた領域8cは、車両の
本来有する作業能力の限界に車両重心移動許容領域を設
定したことになる。したがって旋回が安全に停止可能で
空走角度を考慮する必要のない場合、あるいは旋回を伴
わない作業を行う場合にはこの領域まで作業能力を向上
させることができる。
【0015】第4に、上記第1、第2又は第3構成のい
ずれかのアウトリガ付き車両の安全装置において、前記
「旋回体の旋回中心O」は、「車両重心の旋回中心O」
であることを特徴としている。
【0016】上記第4構成によれば、次のような作用効
果を奏する。車両重心は旋回体重心(作業荷重を含む旋
回体の総重量の重心)と車体重心との合成である。旋回
体重心は「旋回体の旋回中心」の回りを旋回するが、車
体重心は不動の定点である。このため車両重心は「旋回
体の旋回中心」とは異なり「車両重心の旋回中心」の回
りを旋回する。このため、「旋回体の旋回中心」を基準
として設定された車両重心の移動範囲は、「旋回体の旋
回中心」と「車両重心の旋回中心」との位置ずれによる
誤差を含む。ところが「車両重心の旋回重心」を基準と
して設定された車両重心の移動範囲はこの誤差を含まな
い。そのため、第1〜第3構成では制限荷重を設定する
場合、安全率を大きく設定して算出する必要がある。と
ころが第4構成では安全率を小さく設定して制限荷重を
算出することができる。この結果、第4構成のものはア
ウトリガ中途張り出し状態での側方作業能力を向上させ
ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るアウトリガ付
き車両の安全装置の最適な実施例を図1〜図5を参照し
説明する。
【0018】図1は第1実施例のブロック図である。検
出器として、ブーム長を検出するブーム長センサ10、
ブームの起伏角を検出するブーム角センサ11、吊り荷
の荷重を検出するシリンダボトム圧センサ12、旋回体
の旋回角を検出する旋回角センサ13、それぞれのアウ
トリガの張出長を検出するアウトリガ張出長センサ14
が設けられている。制御部20には実作業半径算出手段
21と、実作業荷重算出手段22と、旋回位置算出手段
23と、車両重心移動許容領域(以下、単に「許容領
域」と称する)を設定する許容領域設定手段24と、車
両重心移動量を算出して許容領域と比較して必要に応じ
て制御信号を発信する警告・停止制御手段25と、作業
半径、荷重および旋回位置に対応する車両重心移動量を
記憶する車両重心移動量記憶部30とが備えられてい
る。警告・停止制御手段25は表示・警告部31および
油圧システム32に接続している。
【0019】図1において、実作業半径算出手段21は
ブーム長センサ10およびブーム角センサ11から検出
情報を入力し実作業半径を算出する。実作業荷重算出手
段22はブーム長センサ10と、ブーム角センサ11
と、シリンダボトム圧センサ12とから検出情報を入力
し実作業荷重を算出する。旋回位置算出手段23は旋回
角センサ13からの検出情報を入力し旋回位置を算出す
る。許容領域設定手段24はアウトリガ張出長センサ1
4からの検出情報を入力し、許容領域を設定する。尚、
この許容領域設定手段24は、旋回体の旋回中心Oを中
心とした車両固有の(すなわち、車両の仕様によって予
め定まる固定値である)車両前後方向の最大車両重心移
動許容領域を記憶している。警告・停止制御手段25は
実作業半径算出手段21、実作業荷重算出手段22、旋
回位置算出手段23から算出結果を受けてこれにより車
両重心移動量記憶部30から作業半径、荷重および旋回
位置に対応する車両重心移動量を得る。そしてこの車両
重心移動量から重心位置を算出し、この重心位置と許容
領域設定手段24からの設定結果とを照合し、重心位置
が許容領域を逸脱したとき又は逸脱しようとするとき、
表示・警告部31に制御信号を発信して表示・警告する
とともに、油圧システム32に制御信号を発信して停止
等の対応処置を指令する。
【0020】図2は第1実施例における許容領域設定手
段24での許容領域の設定方法の一例を示す図である。
本例では、左前後アウトリガ1、2は共にMAX張出状
態、右前アウトリガ3はMIN張出状態、右後アウトリ
ガ4はMAX張出状態である。ここで許容領域設定手段
24はアウトリガ張出長センサ14からのそれぞれのア
ウトリガの張出長を入力し、図2に示すように、車両左
側方の許容領域については、旋回体の旋回中心Oを中心
とする車両前後方向と同様の最大許容半径Rmax の半円
領域5の許容領域を設定する。尚、この半円領域5は、
この許容領域設定手段24において予め記憶した旋回体
の旋回中心Oを中心とした車両固有の車両前後方向の最
大車両重心移動許容領域5の左側半円に等しいため、こ
の半円領域5は最大車両重心移動許容領域5から求めて
いる。車両前後部右側方の許容領域については、旋回体
の旋回中心Oと右前アウトリガ3および右後アウトリガ
4とを結ぶ直線40,41に対してそれぞれ所定角αだ
け車両中心線X−X寄りの直線42,43上に設定す
る。すなわち、前方旋回許容領域は最大許容半径Rmax
の円弧47と直線42とで形成される扇形領域6aと
し、後方旋回許容領域は最大許容半径Rmax の円弧47
と直線43とで形成される扇形7aとする。一方、右側
方許容領域は右前アウトリガ3と右後アウトリガ4とを
結ぶ直線44に旋回中心Oから下した垂線45の長さR
1を半径とする円弧46により形成される扇形8aとす
る。上記直線44は車両の右側方の転倒支点の軌跡、す
なわち転倒限界線であり、車両が本来有する側方作業能
力の限界線である。したがって、これに接する円弧46
は右側方の作業能力の限界に近い範囲であり、半径R1
は図6および図8で説明した従来の領域半径R3,R4
に対して「R1>R3>R4」の関係となり、従来のも
のに比して広い許容領域の設定となる。すなわち、側方
作業能力は従来のものより大きくなる。
【0021】図3は第2実施例のブロック図である。図
3において、図1に示した第1実施例と同一の部分には
同一名称、同一番号を付し、重複説明は省略する。
【0022】一般のクレーンにおいて旋回体の旋回中に
停止させると、旋回体は吊荷の荷重と、旋回角加速度
と、旋回中心から旋回重心までの距離(いわゆる重心の
旋回半径である)とに基づき所定の角θだけ慣性力によ
って旋回する。この所定の角θはいわゆる旋回空走角で
ある。
【0023】そこで本例での制御装置20には、図3に
示すように、旋回空走角算出手段26と、旋回停止制御
手段27と、旋回角加速度、慣性モーメント及び旋回空
走角θの関係並びに制限荷重を記憶する旋回空走角記憶
部33と、多段ブーム各段の重量及び旋回体自体の旋回
中心回りの慣性モーメントを記憶する慣性モーメント算
出基礎データ記憶部34とを備えている。旋回停止制御
手段27は旋回制御装置35に接続している。
【0024】許容領域と旋回空走角θとの関係を説明す
る。吊り荷を吊り下げて旋回中、旋回空走角算出手段2
6はブーム長センサ10からのブーム長を入力し、多段
ブーム各段の重心の旋回中心回りの旋回半径を算出す
る。そして算出した旋回半径にと、慣性モーメント算出
基礎データ記憶部34で記憶した多段ブーム各段の重量
情報とにより多段ブームの旋回中心回りの慣性モーメン
トを算出する。また実作業半径算出手段21および実作
業荷重算出手段22から算出結果を入力して実作業荷重
の旋回中心回りの慣性モーメントを算出する。さらにま
た、慣性モーメント算出基礎データ記憶部34に記憶し
た旋回体自体の旋回中心回りの慣性モーメントと、算出
した多段ブームの旋回中心回りの慣性モーメントと、同
じく算出した実作業荷重の旋回中心回りの慣性モーメン
トとの合成慣性モーメントを算出する。そして旋回角セ
ンサ13から旋回角情報を入力して旋回角加速度を算出
し、この旋回角加速度と合成慣性モーメントとから旋回
空走角記憶部33で記憶した旋回空走角θを選択する。
そして「φ>θ」なる所定角φを設定する。その結果を
旋回停止制御手段27に出力する。旋回停止制御手段2
7は旋回位置算出手段23および許容領域設定手段24
からの情報を受け、吊り荷が旋回して許容領域より所定
角φだけ手前に達したときに、旋回制御装置35に制御
信号を発信して旋回を停止させる。吊り荷はその後、空
走するが、所定角φが旋回空走角θより大きく設定され
ているため、車両重心が許容領域外に出ることがない。
したがって、安全作業を行うことができる。
【0025】図4は第2実施例に基づく許容領域設定手
段24での許容領域の設定方法の一例を示す図である。
本例においては、左前後アウトリガ1、2は共にMAX
張出状態、右前アウトリガ3はMIN張出状態、右後ア
ウトリガ4はMAX張出状態である。図3に示したブロ
ック図の許容領域設定手段24はアウトリガ張出量セン
サ14からの検出情報により、左側方許容領域について
は旋回中心Oを中心とする最大許容半径Rmax の半円領
域5を設定する。右側方許容領域(前後部側方許容領域
を含む)については、右前アウトリガ3と右後アウトリ
ガ4とを結ぶ直線44に接し、旋回体の旋回中心Oを中
心とする半径R1の円弧46と、最大許容半径Rmax の
円弧47との間を例えばMAX、MID1〜MINのよ
うに段階的に分割する(尚、図4では、MID1の一段
のみであるから、これで説明する)。円弧47の前部終
端は、円弧47の仮想延長円と直線44との交点50か
ら所定角φだけ車体の中心線X−X側に回転移動した直
線52までとする。円弧48の前部終端は、円弧48の
仮想延長円と直線44との交点53から所定角φだけ車
体の中心線X−X側に回転移動した直線51を求め、こ
の直線51と直線52とで挟まれる範囲とする。円弧4
7、48の後部終端も同様に処理する。すなわち、円弧
47の後部終端は、円弧47の仮想延長円と直線44と
の交点54から所定角φだけ車体の中心線X−X側に回
転移動した直線56までとする。円弧48の後部終端
は、円弧48の仮想延長円と直線44との交点55から
所定角φだけ車体の中心線X−X側に回転移動した直線
57を求め、この直線57と直線56とで挟まれる範囲
とする。すなわち円弧48の長さは所定角φの円弧長さ
となる。そして円弧46,47,48内の領域8bを左
側方許容領域として設定する。ここで本例に示した許容
領域8bは、前記したように、最大許容半径Rmaxの円
弧47との間を例えばMAX、MID1〜MINのよう
に段階的に多数分割することにより、転倒限界直線44
に限り無く近づけて設定することが可能であり、作業能
力が大幅に向上する。
【0026】尚、所定角φは、本例では上記したよう
に、旋回中に、許容領域設定手段24によって、慣性モ
ーメントと、旋回角加速度とから慣性力を算出し、これ
により旋回空走角θを算出し、この旋回空走角θよりも
大きい値としている。そして現在の車両重心の旋回軌跡
の延長円と直線44との交点から所定角φで旋回体を制
動させている。このようにすると、旋回時の実際旋回速
度、実際作業機半径、実際荷重等に対応した領域8bが
その都度設定され更新される。
【0027】ところで上記所定角φは、上記のように算
出するのではなく、代表的な旋回空走角φに例えば2〜
3度加えてなる角度として許容領域設定手段24に予め
設定しても構わない。このようにすると、旋回空走角φ
が代表値であるため、上記旋回空走角θが算出で得られ
る方法よりも、領域8bは荒くなるが、演算プログラム
を簡素化できる。
【0028】図5は第3実施例なる許容領域設定手段2
4における許容領域の設定方法を示す図である。アウト
リガの張り出し位置は第1、第2実施例と同様に、左側
前後のアウトリガ1,2はMAX張出状態、右前アウト
リガ3はMIN張出状態、右後アウトリガ4はMAX張
出状態である。左側方の許容領域は旋回体の旋回中心O
を中心とする最大許容半径Rmax の円弧47により形成
される半円領域5であり、右側方の許容領域は右前後ア
ウトリガ3、4間を結ぶ直線44と、最大許容半径Rma
x の円弧47とにより囲まれる領域8cである。この場
合には旋回空走角θは考慮されておらず、そのため、旋
回が安全に停止可能か、又は旋回を含まない吊り作業の
場合に適用するものであり、作業能力が最大となる。
【0029】第4実施例は上記第1〜第3実施例の「旋
回体の旋回中心」を「車両重心の旋回中心」に置き換え
たものであり、それ以外は第1実施例と同一である。そ
の作用、効果については前述の「課題を解決するための
手段、作用および効果」の項で詳述してあるので説明は
省略する。したがって、図面および説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の安全装置のブロック図である。
【図2】第1実施例での車両重心移動許容領域の説明図
である。
【図3】第2実施例の安全装置のブロック図である。
【図4】第2実施例での車両重心移動許容領域の説明図
である。
【図5】第3実施例での車両重心移動許容領域の説明図
である。
【図6】従来の車両重心移動許容領域の第1例の説明図
である。
【図7】従来の車両重心移動許容領域の第1例の問題説
明図である。
【図8】従来の車両重心移動許容領域の第2例の説明図
である。
【図9】従来の車両重心移動許容領域の第2例の問題説
明図である。
【符号の説明】
1 左前アウトリガ 2 左後アウトリガ 3 右前アウトリガ 4 右後アウトリガ 5 車両前後方向の最大車両重心移動許容領域 8a、8b、8c 車両側方の車両重心移動許容領域 10 ブーム長センサ 11 ブーム角センサ 12 シリンダボトム圧センサ 13 旋回角センサ 14 アウトリガ張出長センサ 20 制御部 21 実作業半径算出手段 22 実作業荷重算出手段 23 旋回位置算出手段 24 許容領域設定手段 25 警告・停止制御手段 26 旋回空走角算出手段 27 旋回停止制御手段 30 車両重心移動量記憶部 31 表示・警告部 32 油圧システム 33 制限荷重・旋回空走角記憶部 34 慣性モーメント算出基礎データ記憶部 35 旋回制御装置 44 直線 45 垂線 46、47、48 円弧 O 旋回中心 R1 半径 φ 所定角

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体前後から車体側方へ張り出し自在と
    されたアウトリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起
    伏や伸縮等に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体
    と、車両情報を検出する検出器とを有するアウトリガ付
    き車両に搭載され、検出器から車両情報を受けて所定の
    演算を行い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回
    避させるアウトリガ付き車両の安全装置において、アウ
    トリガの張り出し状態で変化する車両側方の車両重心移
    動許容領域を、検出器からアウトリガの張り出し情報を
    受けて同一側方の前後のアウトリガの張り出し位置を結
    ぶ直線44に旋回体の旋回中心Oから下した垂線45の
    長さR1を半径として旋回体の旋回中心Oを中心に描い
    た円弧46内の領域8aに設定し、この車両重心移動許
    容領域8aに基づき車体側方での作業機の危険作業を回
    避させることを特徴とするアウトリガ付き車両の安全装
    置。
  2. 【請求項2】 車体前後から車体側方へ張り出し自在と
    されたアウトリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起
    伏や伸縮等に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体
    と、車両情報を検出する検出器とを有するアウトリガ付
    き車両に搭載され、検出器から車両情報を受けて所定の
    演算を行い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回
    避させるアウトリガ付き車両の安全装置において、(1)
    旋回体の旋回中心Oを中心とした車両固有の車両前後方
    向の最大車両重心移動許容領域5の円弧47を予め記憶
    し、(2) アウトリガの張り出し状態で変化する車両側方
    の車両重心移動許容領域を、(21)検出器からアウトリガ
    の張り出し情報を受けて同一側方の前後のアウトリガの
    張り出し位置を結ぶ直線44に旋回体の旋回中心Oから
    下した垂線45の長さR1を半径として旋回体の旋回中
    心Oを中心に描いた円弧46を算出し、(22)円弧47と
    円弧46との隙間かつ半径方向間に所定角φの円弧48
    を複数挟み、(23)これら円弧47、48、46内の領域
    8bに設定し、この車両重心移動許容領域8bに基づき
    車体側方での作業機の危険作業を回避させることを特徴
    とするアウトリガ付き車両の安全装置。
  3. 【請求項3】 車体前後から車体側方へ張り出し自在と
    されたアウトリガと、車体上で旋回自在とされ、かつ起
    伏や伸縮等に変化自在とされた作業機を搭載する旋回体
    と、車両情報を検出する検出器とを有するアウトリガ付
    き車両に搭載され、検出器から車両情報を受けて所定の
    演算を行い、演算結果に基づき作業機での危険作業を回
    避させるアウトリガ付き車両の安全装置において、アウ
    トリガの張り出し状態で変化する車両側方の車両重心移
    動許容領域を、(1) 旋回体の旋回中心Oを中心とした車
    両固有の車両前後方向の最大車両重心移動許容領域5の
    円弧47と、(2) 検出器からアウトリガの張り出し情報
    を受けて同一側方の前後のアウトリガの張り出し位置を
    結ぶ直線44とで囲まれた領域8cに設定し、この車両
    重心移動許容領域8cに基づき車体側方での作業機の危
    険作業を回避させることを特徴とするアウトリガ付き車
    両の安全装置。
  4. 【請求項4】 前記旋回体の旋回中心Oは、車両重心の
    旋回中心Oである請求項1、2又は3記載のアウトリガ
    付き車両の安全装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011020839A (ja) * 2009-07-21 2011-02-03 Tadano Ltd アウトリガを備えた作業機の制御装置
JP2013523558A (ja) * 2010-03-30 2013-06-17 湖南三一智能控制設備有限公司 建設機械、安定性制御システム、及び制御方法
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