JP3252007B2 - ブーム付き作業車の制御装置 - Google Patents

ブーム付き作業車の制御装置

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JP3252007B2
JP3252007B2 JP05590993A JP5590993A JP3252007B2 JP 3252007 B2 JP3252007 B2 JP 3252007B2 JP 05590993 A JP05590993 A JP 05590993A JP 5590993 A JP5590993 A JP 5590993A JP 3252007 B2 JP3252007 B2 JP 3252007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移動式クレーン等のブ
ーム付き作業車の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より移動式クレーンにおいては、過
負荷作業による転倒等を未然に回避する観点から過負荷
防止装置を備えるのが通例である。即ち、図9に示すよ
うに、車両31上に旋回駆動自在に搭載された旋回台3
2にブーム33を起伏駆動自在に支持してなるクレーン
車において、該ブーム33の旋回中心P回りに吊荷荷重
毎に限界性能曲線L(即ち、負荷率100%の領域)を設
定する。尚、この性能曲線Lは、本来、360°の全旋
回範囲において均等な円形となることが望ましいが、車
両31の前後左右の四箇所にそれぞれ配置したアウトリ
ガー34,34,・・の最大張り出し幅に限界があり且つ
該アウトリガー34も常に最大張り出幅に設定されると
は限らず中間張り出し状態で使用されることもあること
から、図9に示すように車両31の前方及び後方側にお
ける限界性能曲線L1と両側方における限界性能曲線L2
とはステップ状に変化した形状となり、これら各限界性
能曲線L,L2の境界部においては旋回中心Pとアウトリ
ガー34の接地点とを結ぶ直線に沿って延びるような限
界性能曲線L3とされる(以下、上記性能曲線L1,L2
部分を半径方向限界性能曲線といい、また性能曲線L3
の部分を旋回方向限界性能曲線という)。
【0003】そして、例えば、ブーム33の倒伏動作に
伴って吊荷が点イの位置から矢印aで示すように径方向
外方へ移動する場合には、吊荷が半径方向限界性能曲線
1上の点ロに達した時点でブーム倒伏動作を強制的に
停止させるようになっている。尚、この場合、限界点で
の停止に伴うショックの発生を抑制する意味から、通
常、限界点に達する以前の起伏角度位置(例えば、負荷
率80%の起伏角度位置)から倒伏動作を減速させ、負
荷率100%の限界点において緩停止させるようになっ
ている。
【0004】また一方、ブーム33の旋回動作に伴って
吊荷が点イの位置から旋回方向(矢印b方向)へ移動する
場合には、吊荷が旋回方向限界性能曲線L3に達した時
点で警報が発せられ、オペレータにそれ以上の旋回動作
は危険であることを知らせるようになっている。尚、旋
回時には倒伏動作時と異なって旋回動作の強制的停止を
行わないが、これは旋回を強制的に停止させると吊荷が
横振れして却って危険な状態となることも考えられるた
め、警報の発生に止どめて後はオペレータの自由意思に
任せるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来はブー
ムの倒伏動作時の限界点での停止制御と旋回動作時の限
界点での停止制御とをそれぞれ独立して行っていたた
め、例えば、ブームの倒伏動作と旋回動作とが同時に行
なわれた場合にはオペレータの予期しない倒伏動作の急
停止が行なわれ、大きな停止ショックによりオペレータ
に無用の不安感を与える等の問題があった。即ち、吊荷
が点イの位置にある場合においてブームの倒伏動作と右
方向への旋回動作とが同時に行なわれると、図9に矢印
cで示すように吊荷は斜め外方へ向って移動し、半径方
向限界性能曲線L1に至るより前に旋回方向限界性能曲
線L3に達することとなる。この結果、半径方向限界性
能曲線L1に対しては倒伏方向における起伏角度にはま
だ余裕があるにもかかわらず(即ち、オペレータがまだ
ブームを倒伏させることができると考えて倒伏操作を継
続しているにもかかわらず)、旋回方向において先に限
界点に達し、緩停止機能も働かないまま起伏動作が急停
止され、大きなショックが発生することになり、またこ
の急停止はオペレータが予期していなかったものである
ため無用の不安感をいだかせることになるものである。
【0006】尚、かかる不具合を改善する一つの方法と
して、図9に破線図示する限界性能曲線L4の如く限界
性能の境界部における性能変化を滑らかにしたいわゆる
補間性能を用いた過負荷防止装置も知られているが、こ
の方法によれば作業半径が小さい部分(半径方向限界性
能曲線L2に近い領域)においては比較的大きな補間領域
が確保できることからそれなりの効果は達成できるが、
作業半径が大きい部分(半径方向限界性能曲線L1に近い
領域)においては小さな補間領域しかとれないことから
さほど効果は期待できないものである。
【0007】そこで本発明は、ブームの倒伏動作と旋回
動作が同時に並行して行なわれる場合においても限界点
での倒伏動作の緩停止を確実に行いもって作業上の安全
性等のより一層の向上を図り得るようにしたブーム付き
作業車の制御装置を提供せんとしてなされたものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明ではかかる課題を
解決するための具体的手段として、図1に示すように、
車両上に旋回駆動自在に搭載した旋回台に、その先端部
に吊荷を吊下するブームを起伏駆動自在に搭載する一
方、上記旋回台の旋回角度を検出する旋回角度検出手段
Aと、上記ブームの起伏角度を検出するブーム起伏角度
検出手段Bと、上記ブームに作用する負荷を検出するブ
ーム負荷検出手段Cと、上記旋回角度検出手段Aと上記
ブーム起伏角度検出手段Bからの信号によりそのブーム
状態における作業車の限界性能を算出する限界性能算出
手段Dと、該限界性能算出手段Dからの信号と上記ブー
ム負荷検出手段Cからの信号とを比較しブーム負荷検出
手段Cからの信号が限界性能検出手段Dからの信号に達
したときに信号を出力する比較手段Eと、該比較手段E
からの信号を受けて作業車の関連動作を停止させる関連
動作停止手段Fとからなる過負荷防止装置Gを備えてな
るブーム付き作業車の制御装置において、上記各検出手
段A〜Cからの信号に基づいてブームの起伏動作の最高
作動速度を制限する信号を出力する制限信号出力部H
と、該制限信号出力部Hからの信号により起伏動作の作
動速度を制限する起伏速度量制限手段Iとを備えるとと
もに、上記制限信号出力部Hが、上記ブーム3の起伏角
度及びブームに作用する負荷の関数として旋回台の限界
旋回角度を算出する限界旋回角度算出手段Jと、該限界
旋回角度算出手段Jで算出された限界旋回角度と上記旋
回角度検出手段Aで検出される旋回台の実際の旋回角度
から限界旋回角度に近接する度合を算出する限界旋回角
度近接度合算出手段Kと、該限界旋回角度近接度合算出
手段Kからの信号を受けて限界旋回角度に近接する度合
に対する起伏動作の最高作動速度を算出する最高起伏速
度算出手段Lとで構成されていることを特徴としてい
る。
【0009】
【作用】本発明では、ブーム3の倒伏動作と旋回動作と
が並行して行なわれる場合、限界旋回角度検出手段Jに
よって算出される限界旋回角度と旋回角度検出手段Aに
より検出される実際の旋回角度とに基づいて限界旋回角
度算出手段Kにより限界旋回角度近接度合が求められ、
この限界旋回角度近接度合に対応してブーム3の倒伏動
作の最高作動速度が最高起伏速度算出手段Lにより算出
され、この算出された最高起伏速度に基づいて起伏速度
量制限手段Iにより起伏速度が制限され、限界旋回角度
に近付くに従って倒伏動作が次第に減速され、該限界旋
回角度位置において緩停止されるものである。従って、
従来のように倒伏方向においてまだ余裕のある起伏角度
でありながら旋回方向の制限により倒伏動作が不意に急
停止するということがなく、確実な倒伏動作の緩停止が
可能となるものである。
【0010】
【発明の効果】従って、本発明のブーム付き作業車の制
御装置によれば、倒伏動作の停止制御に際して限界旋回
角度への近接度合を加味することで、倒伏動作と旋回動
作とが並行して行なわれ且つ限界旋回角度によって倒伏
動作が停止される場合であっても確実に倒伏動作を緩停
止させることができることから、倒伏動作の不意の急停
止により作業上の安全性を損ねたりあるいはオペレータ
に無用の不安感を与えるということがなく、安全性及び
信頼性が向上し、延いてはブーム付き作業車としての商
品価値の向上にも寄与し得るという効果が奏せられるも
のである。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいて本発
明のブーム付き作業車の制御装置を具体的に説明すと、
図2には本発明の実施例にかかる制御装置を備えた移動
式クレーン車Zが示されている。このクレーン車Zは、
車両1上に旋回駆動自在に搭載された旋回台2に伸縮式
ブーム3を起伏駆動自在に取り付けるとともに、該ブー
ム3を起伏シリンダ4により起伏駆動させるようになっ
ている。また、上記車両1の前後左右の四箇所にはそれ
ぞれアウトリガー5が配置されている。さらに、同図に
おいて、符号6は起伏操作レバー、7は油圧ユニットで
あって、該油圧ユニット7から給排される油圧によって
上記ブーム3の起伏・旋回・伸縮の各動作及び上記アウ
トリガー5の動作がそれぞれ達成されるようになってい
る。
【0012】一方、符号11は現在の負荷状態をモーメ
ント値として検出するモーメントセンサ(特許請求の範
囲中のブーム負荷検出手段Cに該当する)、12はブー
ム3の現在の起伏角度を検出する起伏角度センサ(特許
請求の範囲中のブーム起伏角度検出手段Bに該当す
る)、13はブーム3の現在の伸長量を検出するブーム
長センサ、14はブーム3(即ち、旋回台2)の現在の旋
回角度を検出する旋回角度センサ(特許請求の範囲中の
旋回角度検出手段Aに該当する)、15はアウトリガー
5の張り出し幅を検出するアウトリガーセンサ、16は
オペレータにより任意に設定される起伏制限領域スイッ
チ、17は上記起伏操作レバー6の操作量を検出する起
伏操作量センサであり、これら各センサからの出力信号
はそれぞれコントロールユニット50に入力される。
【0013】ところで、このクレーン車Zにおいては、
後述するように、ブーム3の倒伏動作により作業半径が
増大して限界性能に達した時点(即ち、負荷率が100
%に達した時点)で倒伏動作を停止させるとともに、限
界性能に達するより以前からその作動速度を制限して次
第に減速させて限界性能位置に達した時点で緩停止させ
るようにしている。しかし、図9に示すように限界性能
曲線Lは全旋回範囲において一定ではなく、車両前後方
向と側方とで異なり、これらの境界部においては径方向
に延びる旋回方向限界性能曲線L4が存在し、この旋回
方向限界性能曲線L4の存在によりブーム3の倒伏動作
と旋回動作とが並行して同時に行なわれた場合には、半
径方向限界性能曲線L1,L2に対してはまだ十分に起伏
角度に余裕があるにもかかわらず、旋回方向限界性能曲
線L4によって倒伏動作が急停止され、オペレータに無
用の不安感を与えるおそれのあることは既述の通りであ
る。
【0014】このため、この実施例においては本発明を
適用して、後述の如くブーム3の倒伏動作の制限制御
(減速・停止制御)に限界旋回角度に対する近接度合を加
味し、倒伏動作と旋回動作とが並行して行なわれ且つ倒
伏動作が半径方向限界性能ではなく旋回方向限界性能に
よって制限されるような場合であっても該ブーム3の倒
伏動作を緩停止させることができるように、上記コント
ロールユニット50によって倒伏動作を制御するように
している。以下、このコントロールユニット50による
ブーム3の倒伏動作の制限制御を具体的に説明する。
【0015】先ず、上記コントロールユニット50の構
成であるが、このコントロールユニット50は、図3に
示すように、実荷重算出手段51と定格性能算出手段5
2と半径方向限界性能算出手段53と起伏余裕角度算出
手段54と緩停止制御手段55と負荷率算出手段56と
制御信号選択手段57と旋回方向限界性能算出手段58
と旋回余裕角度算出手段59を備えて構成されている。
【0016】上記実荷重算出手段51は、モーメントセ
ンサ11からのモーメント値信号を受けて現在の実荷重
を算出する。上記定格性能算出手段52は、起伏角度セ
ンサ12からの起伏角度信号とブーム長センサ13から
のブーム長さ信号と旋回角度センサ14からの旋回角度
信号とアウトリガーセンサ15からのアウトリガー信号
とを受けて現在の作業状態における定格性能をモーメン
ト値として算出する。この定格性能算出手段52から出
力される定格性能と上記実荷重算出手段51から出力さ
れる実荷重は、上記半径方向限界性能算出手段53と負
荷率算出手段56と旋回方向限界性能算出手段58の三
者にそれぞれ入力される。
【0017】そして、上記半径方向限界性能算出手段5
3は、上記定格性能と実荷重とに基づいて現在の負荷状
態における半径方向の限界性能(即ち、図9の半径方向
限界性能曲線L1,L2)を求めこれを限界性能信号として
出力する。さらに、この半径方向限界性能算出手段53
から出力される限界性能信号と起伏制限領域スイッチ1
6から出力される起伏制限領域信号(例えば、周辺の構
造物との干渉を回避するべくオペレータにより設定され
るブーム3の倒伏動作制限領域)とはそれぞれ起伏余裕
角度算出手段54に入力される。
【0018】この起伏余裕角度算出手段54において
は、上記限界性能信号と起伏制限領域信号のうち、制限
起伏角度が大きい方(即ち、倒伏動作時において速度制
限の開始基準となる起伏角度が大きい方)の信号を選択
し、この選択された信号に対応する制限起伏角度と現在
の実起伏角度とに基づいて起伏余裕角度(即ち、実起伏
角度から制限起伏角度に到達するまでの起伏角度の大き
さであって、半径方向限界性能曲線L1,L2に対する近
接度合として把握される)を算出する。
【0019】一方、上記旋回方向限界性能算出手段58
においては、実荷重と定格荷重とから旋回方向性能の限
界性能(即ち、限界旋回角度)を算出し、これを旋回余裕
角度算出手段59に出力する。この旋回余裕角度算出手
段59においては、この限界旋回角度と実旋回角度とに
基づいて旋回余裕角度(即ち、実旋回角度から限界旋回
角度に到達するまでの旋回角度の大きさであって、旋回
方向限界性能曲線L4に対する近接度合として把握され
る)を算出する。
【0020】この旋回余裕角度算出手段59において算
出される旋回余裕角度と上記起伏余裕角度算出手段54
において算出される起伏余裕角度とは、ともに緩停止制
御手段55に入力される。そして、この緩停止制御手段
55においては、旋回余裕角度から求められる倒伏動作
の最高速度と起伏余裕角度から求められる倒伏動作の最
高速度とを比較し、いずれか低い方の最高速度を選択し
てこれを制御信号選択手段57に出力する。
【0021】ここで、この実施例における上記最高速度
(即ち、制限速度)の設定の方法を図5及び図6を参照し
て説明すると、先ず旋回方向については、図5に示すよ
うに旋回余裕角度が角度δ1〜角度0の範囲で最高速度
を制限(減速)することとし、旋回余裕角度δが小さくな
るに従って(即ち、限界性能に近付くに従って)次第に倒
伏速度(起伏角速度(Vθ11〜Vθ14)で表している)を低
下させ、旋回余裕角度δ=0°(即ち、限界性能)におい
て倒伏動作を停止させるように設定している。また、倒
伏方向についても同様に、図6に示すように、起伏余裕
角度が角度ε1〜角度0の範囲で最高速度を制限(減速)
することとし、旋回余裕角度εが小さくなるに従って
(即ち、限界性能に近付くに従って)次第に倒伏速度(起
伏角速度(Vθ21〜Vθ25)で表している)を低下させ、
起伏余裕角度ε=0°(即ち、限界性能)において倒伏動
作を停止させるように設定している。従って、今、起伏
余裕角度が角度ε2でその場合の起伏角速度がVθ22
あり、また旋回余裕角度が角度δ2でその場合の起伏角
速度がVθ12であり、しかも(Vθ12<Vθ22)であるよ
うな場合には、旋回余裕角度に基づいた倒伏動作の減速
制御を行うべく上記緩停止制御手段55は起伏角速度V
θ12を減速信号として制御信号選択手段57に出力する
ものである。
【0022】一方、上記制御信号選択手段57において
は、上記緩停止制御手段55からの減速信号と、上記起
伏操作量センサ17から起伏操作レバー6の操作量に対
応して出力される操作量信号とを受けて、この二つの信
号値のうち、低い倒伏速度に対応する信号値を選択し、
これを最終的な減速信号として上記油圧ユニット7の起
伏用油圧装置21に出力し、該起伏用油圧装置21の流
量制御弁(図示省略)の開度制御を行わしめるものであ
る。従って、旋回方向限界性能あるいは半径方向限界性
能に近接している場合であっても、限界性能から制限さ
れる倒伏速度よりも起伏操作レバー6の操作量に対応す
る倒伏速度が小さい場合には、該起伏操作レバー6の操
作量に基づいた減速制御が行なわれることになる。
【0023】このように、ブーム3の倒伏動作時の減速
・停止制御に際して、旋回角度に対応する制御要素(即
ち、旋回余裕角度)を加味することで、ブーム3の倒伏
動作と旋回動作とが同時に並行して行なわれる場合にお
いて、例えば、倒伏動作が半径方向限界性能ではなくて
旋回方向限界性能によって制限される場合であっても、
限界性能に達する以前における減速と限界性能点での停
止(即ち、倒伏動作の緩停止)が確実に実行され、これに
より、ブーム3の倒伏動作時に旋回方向限界性能側から
の制限によって倒伏動作が急停止され、予期しないショ
ックの発生によりオペレータに無用の不安感を与えると
いうようなことが確実に防止されるものである。
【0024】さらに、図3に戻って、上記負荷率算出手
段56は、実荷重算出手段51からの実荷重と定格性能
算出手段52からの定格性能とに基づいて、現在の負荷
率(即ち、限界性能への近接度合)を算出し、この負荷率
が100%に達した時点で停止装置8に停止信号を出力
して、負荷率が増加する方向のクレーン関連動作、例え
ば、ブーム3の倒伏動作、旋回動作あるいは伸縮動作を
即時に停止させるとともに、警報装置9に警報信号を出
力し、警報によりオペレータの注意を喚起する。
【0025】以上がコントロールユニット50の構成及
び該コントロールユニット50による速度制限制御の概
略であるが、ここで図4のフロ−チャ−トを参照してこ
の速度制限制御をさらに具体的に説明すると、制御開始
後、ステップS1において実データ(即ち、現在のモー
メント値、起伏角度、旋回角度等)を読み込み、この各
データに基づいて現在の作業状態における定格性能と実
荷重と負荷率(α)とをそれぞれ算出する(ステップS2
〜S4)。
【0026】次に、ステップS5において、負荷率が1
00%に達しているか否かを判断し、100%に達して
いる場合には直ちに関連動作を停止させる(ステップS
6)とともに、警報を発する(ステップS7)。
【0027】一方、100%に達していない場合には、
先ずステップS8において倒伏動作中であるかどうかを
判断し、倒伏動作中である場合には、さらにステップS
9において旋回動作中であるかどうかを判断する。そし
て、倒伏動作と旋回動作とが同時に行なわれている場合
には、旋回方向性能の限界性能と旋回余裕角度とをそれ
ぞれ算出(ステップS10、S11)するとともに、半径
方向性能限界性能と起伏余裕角度とをそれぞれ算出する
(ステップS12、S13)。
【0028】次に、ステップS14において、上記旋回
余裕角度と起伏余裕角度とに基づいてマップ(図5及び
図6参照)を選択し、さらにステップS15においてマ
ップ値と起伏操作レバー6の操作量に基づく実際値とを
比較し、マップ値に基づく制限速度よりも実際値に基づ
く制限速度の方が大きい場合にはマップ値に基づいて減
速制御を実行し(ステップS16)、逆にマップ値に基づ
く制限速度よりも実際値に基づく制限速度の方が小さい
場合には実際値に基づいて減速制御を実行する(ステッ
プS17)。
【0029】一方、ステップS9において旋回動作中で
はないと判断された場合には、ステップS10及びステ
ップS11の処理は行なわれず、従って、半径方向限界
性能のみに基づいた減速制御が実行される。以上の制御
が繰り返されることで倒伏動作と旋回動作とが同時に並
行して行なわれた場合においても倒伏動作の緩停止が確
実に実行されるものである。
【0030】尚、この実施例においては、実荷重算出手
段51が特許請求の範囲中のブーム負荷検出手段Cに、
定格性能算出手段52が特許請求の範囲中の限界性能算
出手段Dに、負荷率算出手段56が特許請求の範囲中の
比較手段Eに、停止装置8が特許請求の範囲中の関連動
作停止手段Fに、旋回方向限界性能算出手段58が特許
請求の範囲中の限界旋回角度検出手段Jに、起伏余裕角
度算出手段54が特許請求の範囲中の限界旋回角度算出
手段Kに、緩停止制御手段55が特許請求の範囲中の最
高起伏速度算出手段Lに、起伏用油圧装置21が特許請
求の範囲中の起伏速度量制限手段Iにそれぞれ該当す
る。
【0031】ところで、ブーム3の倒伏動作と旋回動作
とが同時に行なわれた場合に発生する問題点は、ブーム
3の伸長動作と旋回動作とが同時に行なわれる場合に
も、その影響は少ないものの同様に発生し得るものであ
る。従って、この場合においても伸長動作の緩停止を確
実に行うためには、例えば図3において破線図示するよ
うに、コントロールユニット50に伸長余裕量算出手段
60を設け、伸長余裕量と旋回余裕角度とから制限速度
を算出するとともに、これと伸縮操作量センサ18から
入力される伸縮操作レバーの操作量に対応する制限速度
とを比較し、そのいずれか小さい方の信号を旋回用油圧
装置22に出力して伸長動作の減速・停止制御を行えば
良い。さらに、倒伏動作と旋回動作と伸長動作の三者が
同時に並行して行なわれる場合もあり得るが、この場合
には上記緩停止制御手段55において起伏余裕角度算出
手段54と旋回余裕角度算出手段59と伸長余裕量算出
手段60の三者からの入力信号を比較選択することで倒
伏動作あるいは伸長動作の緩停止が実現されるものであ
る。
【0032】また、この実施例においては、ブーム3の
倒伏動作が単独で行なわれる場合にも倒伏動作の緩停止
を行うようにしているが、本発明はこれに限定されるも
のではなく、倒伏動作の単独操作時の緩停止機能を備え
ないものにも適用し得るものである。
【0033】さらに、上記実施例においては、旋回余裕
角度に基づいて起伏角速度の上限(最高速度)を設定して
いるが(図5参照)、本発明はこれに限定されるものでは
なく、例えば図7に示すように起伏角速度に応じて減速
停止に必要な制動角度(起伏角度)を算出し、旋回余裕角
度と制動角度とが一致した時点から一定減速の制動を行
うようにしたり、図8に示すように旋回緩停止機能をも
つものにおいては旋回緩停止の制御開始と同時に一定減
速する方法等の種々の方法を採用することができるもの
である。また、上記実施例の如く旋回余裕角度によって
起伏角速度を算出する方法の他に、例えば現在の旋回角
度から限界旋回角度に達するまでの時間、即ち、旋回余
裕時間に基づいて起伏角速度を算出する方法等も採用す
ることができるものである。
【0034】また、上記実施例においては、負荷率算出
手段56における負荷率の算出を、モーメント値で比較
しているが、他の実施例においてはこれを荷重比較で算
出するようにすることもできるものである。
【0035】尚、上記実施例においては移動式クレーン
車を対象としているが、本発明はこれに限定されるもの
ではなく、起伏・旋回自在のブームを備えた作業車(例
えば、高所作業車等)に対して広く適用できることは勿
論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクレーム対応図である。
【図2】本発明の実施例にかかるブーム付き作業車の制
御装置のシステム図である。
【図3】図2に示した制御装置の機能ブロック図であ
る。
【図4】図2に示した制御装置の制御フロ−チャ−ト図
である。
【図5】図2に示した制御装置に適用される「旋回余裕
角度−起伏角速度」マップである。
【図6】図2に示した制御装置に適用される「起伏余裕
角度−起伏角速度」マップである。
【図7】本発明の他の実施例における「旋回余裕角度−
起伏角速度」マップである。
【図8】本発明の他の実施例における減速マップであ
る。
【図9】作業車の限界性能説明図である。
【符号の説明】
1は車両、2は旋回台、3はブーム、4は起伏シリン
ダ、5はアウトリガー、6は起伏操作レバー、7は油圧
ユニット、8は停止装置、9は警報装置、11はモーメ
ントセンサ、12は起伏角度センサ、13はブーム長セ
ンサ、14は旋回角度センサ、15はアウトリガーセン
サ、16は起伏制限領域スイッチ、17は起伏操作量セ
ンサ、18は伸縮操作量センサ、21は起伏用油圧装
置、22は旋回用油圧装置、50はコントロールユニッ
ト、51は実荷重算出手段、52は定格性能算出手段、
53は半径方向限界性能算出手段、54は起伏余裕角度
算出手段、55は緩停止制御手段、56は負荷率算出手
段、57は制御信号選択手段、58は旋回方向限界性能
算出手段、59は旋回余裕角度算出手段、60は伸長余
裕量算出手段、Aは旋回角度検出手段、Bはブーム起伏
角度検出手段、Cはブーム負荷検出手段、Dは限界性能
算出手段、Eは比較手段、Fは関連動作停止手段、Gは
過負荷防止装置、Hは制御信号出力部、Iは起伏速度量
制限手段、Jは限界旋回角度検出手段、Kは限界旋回角
度算出手段、Lは最高起伏速度算出手段である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両(1)上に旋回駆動自在に搭載した旋
    回台(2)に、その先端部に吊荷を吊下するブーム(3)を
    起伏駆動自在に搭載する一方、 上記旋回台(2)の旋回角度を検出する旋回角度検出手段
    (A)と、上記ブーム(3)の起伏角度を検出するブーム起
    伏角度検出手段(B)と、上記ブーム(3)に作用する負荷
    を検出するブーム負荷検出手段(C)と、上記旋回角度検
    出手段(A)と上記ブーム起伏角度検出手段(B)からの信
    号によりそのブーム状態における作業車の限界性能を算
    出する限界性能算出手段(D)と、該限界性能算出手段
    (D)からの信号と上記ブーム負荷検出手段(C)からの信
    号とを比較しブーム負荷検出手段(C)からの信号が限界
    性能検出手段(D)からの信号に達したときに信号を出力
    する比較手段(E)と、該比較手段(E)からの信号を受け
    て作業車の関連動作を停止させる関連動作停止手段(F)
    とからなる過負荷防止装置(G)を備えてなるブーム付き
    作業車の制御装置であって、 上記各検出手段(A〜C)からの信号に基づいてブームの
    起伏動作の最高作動速度を制限する信号を出力する制限
    信号出力部(H)と、 該制限信号出力部(H)からの信号により起伏動作の作動
    速度を制限する起伏速度量制限手段(I)とを備えるとと
    もに、 上記制限信号出力部(H)が、 上記ブーム(3)の起伏角度及びブームに作用する負荷の
    関数として旋回台(2)の限界旋回角度を算出する限界旋
    回角度算出手段(J)と、 該限界旋回角度算出手段(J)で算出された限界旋回角度
    と上記旋回角度検出手段(A)で検出される旋回台(2)の
    実際の旋回角度から限界旋回角度に近接する度合を算出
    する限界旋回角度近接度合算出手段(K)と、 該限界旋回角度近接度合算出手段(K)からの信号を受け
    て限界旋回角度に近接する度合に対する起伏動作の最高
    作動速度を算出する最高起伏速度算出手段(L)とで構成
    されていることを特徴とするブーム付き作業車の制御装
    置。
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