JPH0890710A - プレス成形性および溶接性に優れた樹脂塗装複合型制振材 - Google Patents

プレス成形性および溶接性に優れた樹脂塗装複合型制振材

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JPH0890710A
JPH0890710A JP22661194A JP22661194A JPH0890710A JP H0890710 A JPH0890710 A JP H0890710A JP 22661194 A JP22661194 A JP 22661194A JP 22661194 A JP22661194 A JP 22661194A JP H0890710 A JPH0890710 A JP H0890710A
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JP
Japan
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resin
damping material
viscoelastic
metal plate
composite
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JP22661194A
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Inventor
Takashi Saito
隆司 斉藤
Tadashige Nakamoto
忠繁 中元
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密着性とプレス成形性を向上させた溶接性に
優れた複合型制振材を提供することを目的とする。 【構成】 金属板−粘弾性物質中間層−金属板の3層か
らなるサンドイッチ状の複合型制振材表面に、潤滑性を
有する樹脂を塗布し、塗布後の樹脂皮膜が分子内に活性
水素を有するエポキシ系樹脂を主体としてポリエチレン
ワックス粒子を 0.5〜30質量%およびコロイダルシリカ
をSiO2として 1〜40質量%含有し、付着量が 0.2〜3g/m
2 である複合樹脂皮膜を形成し、前記粘弾性物質中間層
の粘弾性樹脂が、平均粒径が前記粘弾性樹脂の皮膜厚の
100〜200 %である鉄粉、カーボンブラック、Ni粉等の
導電性フィラーを、粘弾性樹脂の総固形分の 5〜40質量
%含有しているプレス成形性および溶接性に優れた樹脂
塗装複合型制振材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築、自動車、家電な
どで用いられる複合型制振材に関し、さらに詳しくは、
表面に潤滑性を有する樹脂を塗布したプレス成形性およ
び溶接性に優れた樹脂塗装複合型制振材に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来から建築材料をはじめとして車両、
船舶、家電などの分野において、振動および振動に伴う
騒音を防止するため、種々の複合型制振材が提案され実
用化されている。そのなかでも、2枚の金属板の間に粘
弾性樹脂を挟み込んだ複合型制振材は、鋼板の持つ優れ
た機械的特性と粘弾性樹脂の持つ優れた制振性能を有す
る点で、構造材料として優れており広く利用され始めて
いる。
【0003】かかる粘弾性樹脂を挟み込んだ複合型制振
材を構造部材として使用するにあたっては、複合型制振
材には、以下のような特性を有することが必要である。
一つ目は、複合型制振材がオイルパン等のような深絞り
用途の部品にプレス加工される時、金属板が粘弾性樹脂
から剥離しないことである。二つ目は、金属板が粘弾性
樹脂に対する親和力が大で密着性あるいは密着強度が大
きいことである。三つ目は、複合型制振材が電気溶接可
能であることである。
【0004】一つ目の深絞り用途の部品に対するプレス
加工性については、加工性の良好な塗装焼付用複合鋼
板、曲げ加工性に優れた複合型金属板として、特開平1-
174437号公報、特開平3-34846 号公報が提案され、二つ
目の金属板と粘弾性樹脂との密着性あるいは密着強度に
ついては、シランカップリング剤を用いることにより、
鋼板および導電性フィラーと樹脂との間の結合力を高め
た複合鋼板が特開平2-274537号公報に提案され、三つ目
の電気溶接性については、金属板間の粘弾性樹脂に導電
性フィラーを添加し、金属板間に通電性を付与させた複
合型制振材が特開昭63-572266 号公報、特開昭63-17003
1 号公報、特開平1-141045号公報など数多く提案されて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなサンドイッ
チ状の複合型制振材を形成する粘弾性樹脂としては、熱
可塑性樹脂と熱硬化性樹脂のどちらも用いられ、これら
の樹脂を用いた複合型制振材は制振性は良好であるが、
自動車のオイルパン等のようにプレス加工により深絞り
される部位では、金属板と粘弾性樹脂とが剥離するとい
う問題点がある。
【0006】また、従来の複合型制振材は、例えば、打
ち抜きおよびプレス加工において、金属板と粘弾性樹脂
との剥離防止のための密着性、および制振性などの特性
に主眼を置き検討がなされ、実際の打ち抜きおよびプレ
ス加工に必要な潤滑性についての検討はなされていなか
った。そのため、成形品表面には、プレス加工時の金型
の温度上昇および摺動面の極圧にによる成形品摺動面の
型かじりや擦り傷が発生していた。
【0007】溶接用複合型制振材については、金属間の
通電性の向上に主眼を置いた検討がなされ、プレス加工
時の金属板と粘弾性樹脂との剥離防止のための密着性、
および制振性などの特性についての検討が十分になされ
ていないため、プレス成形性に優れた溶接用複合型制振
材を入手することは困難であった。
【0008】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、複合型制振材の表面に潤滑性を有する
樹脂を塗布することによって、プレス成形性を向上さ
せ、粘弾性物質中間層の粘弾性樹脂皮膜中の導電性フィ
ラーの大きさと量を調整することによって、密着性とプ
レス成形性を向上させた溶接性に優れた複合型制振材を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】その要旨は、(1) 金属板
−粘弾性物質中間層−金属板の3層からなるサンドイッ
チ状の複合型制振材表面に、潤滑性を有する樹脂を塗布
し、塗布後の樹脂皮膜が分子内に活性水素を有するエポ
キシ系樹脂を主体としてポリエチレンワックス粒子を
0.5〜30質量%およびコロイダルシリカをSiO2として 1
〜40質量%含有し、かつ付着量が 0.2〜3g/m2 である複
合樹脂皮膜を形成したプレス成形性に優れた樹脂塗装複
合型制振材である。
【0010】(2) 金属板−粘弾性物質中間層−金属板の
3層からなるサンドイッチ状の樹脂塗装複合型制振材に
おいて、貼り合わせる2枚の金属板の内、1枚または2
枚の金属板が、貼り合わせる前にあらかじめ潤滑性を有
する樹脂を表面に塗布した金属板である上記(1) のプレ
ス成形性に優れた樹脂塗装複合型制振材。
【0011】(3) 前記粘弾性物質中間層が、鉄粉、カー
ボンブラック、Ni粉等の導電性フィラーを含有する粘弾
性樹脂である上記(1) または(2) のプレス成形性および
溶接性に優れた樹脂塗装複合型制振材である。
【0012】(4) 前記粘弾性物質中間層の粘弾性樹脂
が、平均粒径が前記粘弾性樹脂の皮膜厚の 100〜200 %
である鉄粉、カーボンブラック、Ni粉等の導電性フィラ
ーを、粘弾性樹脂の総固形分の 5〜40質量%含有してい
る上記(3) のプレス成形性および溶接性に優れた樹脂塗
装複合型制振材である。
【0013】
【作用】複合型制振材表面に塗布する潤滑性を有する樹
脂としては、主たる樹脂成分として、分子内に活性水
素、例えば、カルボキシル基を有するエポキシ系樹脂が
用いられ、かかるエポキシ系樹脂は水溶液等として調整
される。その媒体としては、水、またはアルコールのよ
うな水溶性有機溶剤を少量含む水が用いられる。さら
に、耐熱性や皮膜硬度を上げるために、架橋剤の添加が
有効である。架橋剤の添加により高速連続加工のプレス
成形における金型の温度上昇および摺動面の極圧に対し
て擦り傷等が抑制され、プレス成形性に優れた効果を発
揮する。
【0014】本発明では、複合型制振材表面に潤滑性を
有する樹脂を塗布して複合樹脂皮膜を形成する。その複
合樹脂皮膜は、エポキシ系樹脂を主体としてポリエチレ
ンワックス粒子を 0.5〜30質量%およびコロイダルシリ
カをSiO2として 1〜40質量%含有し、付着量は 0.2〜3g
/m2 である。
【0015】複合樹脂皮膜中において、ポリエチレンワ
ックス粒子が 0.5質量%よりも少ないときは、得られる
皮膜の潤滑性が十分でなく、一方、30質量%を超えると
きは、潤滑性は問題ないが、得られる皮膜と金属板との
密着性が悪くなるとともに、プレス加工において皮膜が
剥離して金型に付着し、プレス成形に支障を生じる。し
たがって、複合樹脂皮膜中のポリエチレンワックス粒子
は 0.5〜30質量%の範囲に限定する。
【0016】また、複合樹脂皮膜中において、コロイダ
ルシリカがSiO2として 1質量%よりも少ないときは、得
られる皮膜の硬度が十分でなく、プレス加工時に皮膜が
傷つきやすくなる。一方、コロイダルシリカが40質量%
を超えるときは、得られる皮膜と金属板との密着性が悪
くなるとともに、プレス加工において皮膜が剥離して金
型に付着し、プレス成形に支障を生じる。したがって、
複合樹脂皮膜中のコロイダルシリカはSiO2として 1〜40
質量%の範囲に限定する。
【0017】さらに、複合樹脂皮膜の付着量は 0.2〜3g
/m2 に限定する。その理由は、付着量が 0.2g/m2より薄
くなると、皮膜の潤滑性がなくなりプレス成形に支障を
生じるからであり、一方、付着量が3g/m2 を超えると通
電性が悪くなり溶接性を阻害するとともに、金属板との
密着性が悪くなるからである。
【0018】複合型制振材表面への潤滑性を有する樹脂
の塗布は、複合型制振材の製造後でもよく、また、貼り
合わせる金属板2枚の内、1枚または2枚の金属板の表
面に貼り合わせる前にあらかじめ塗布しておいてもよ
い。あらかじめ潤滑性を有する樹脂を塗布する理由は、
原板として冷延鋼板を用いる場合、潤滑性を有する樹脂
を塗布しておけば防錆効果もあるため、防錆油を塗油す
る必要がないという利点があるためである。
【0019】電気溶接を可能にするために、粘弾性物質
中間層の粘弾性樹脂は、鉄粉、カーボンブラック、Ni粉
等の導電性フィラーを粘弾性樹脂の総固形分の 5〜40質
量%含有する。含有量が 5質量%より少なくなると、金
属板間の通電性が劣り複合型制振材のスポット溶接性は
悪くなり、含有量が40質量%を超えるとスポット溶接性
は良好であるが、逆にT剥離強度および制振性が著しく
低下する。したがって、粘弾性樹脂の導電性フィラーの
含有量は粘弾性樹脂の総固形分の 5〜40質量%の範囲に
限定する。これによって、溶接性を損なうことなく、複
合型制振材の金属板と粘弾性樹脂との密着強度を向上さ
せることができる。なお、導電性フィラーの含有量を粘
弾性樹脂の総固形分比に限定した理由は、粘弾性物質中
間層中に存在する導電性フィラーの含有量が溶接性に影
響を及ぼすため、導電性フィラーの含有量を総固形分比
で表した。
【0020】また、含有する導電性フィラーの平均粒径
は粘弾性樹脂の皮膜厚の 100〜200%とする。平均粒径
が粘弾性樹脂の皮膜厚の 100%より小さくなると、金属
板間の通電性が悪くなり複合型制振材のスポット溶接性
は劣化し、平均粒径が粘弾性樹脂の皮膜厚の 200%を超
えるとスポット溶接性は良好であるが、逆にT剥離強度
が著しく低下する。したがって、粘弾性樹脂が含有する
導電性フィラーの平均粒径は粘弾性樹脂の皮膜厚の 100
〜200 %の範囲に限定する。これによって、溶接性を損
なうことなく、複合型制振材の金属板と粘弾性樹脂との
密着強度を向上させることができる。なお、導電性フィ
ラーは鉄粉、カーボンブラック、Ni粉以外にCu、Znなど
が推奨される。
【0021】2枚の金属板間に挟み込まれる粘弾性樹脂
の厚みと種類は、複合型制振材の用途に応じて選択され
るが、一般には30〜 100μm の厚みである。また、粘弾
性樹脂の種類としては、ポリスチレン、AS樹脂、AB
S樹脂、MS樹脂、耐衝撃性ポリスチレンなどのスチレ
ン系樹脂、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタア
クリレート、アクリル系共重合体などのアクリル系樹
脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル・アクリル酸エステル共重合体などの
塩化ビニル系樹脂、ポリ酢酸ビニル、エチレン・オレフ
ィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタアクリル酸エ
ステル共重合体、プロピレン・エチレン共重合体、プロ
ピレン・ブテン共重合体などのプロピレン系樹脂、非晶
質ポリエステルなどの各種熱可塑性樹脂を例示すること
ができる。
【0022】また、スチレン・ブタジエン、天然ゴム、
ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニト
リルゴム、アクリルゴム、エチレン・アクリルゴム、E
PDMなどのエララストマーや、エポキシ樹脂、フェノ
ール樹脂、飽和および不飽和ポリエステル樹脂などの熱
硬化性樹脂も使用することができる。さらにこれらの樹
脂は、単独で使用できるほか、2種以上を混合して使用
することもでき、複合型制振材に要求される性能、例え
ば、制振性、耐熱性、加工性などに応じて選択される。
【0023】なお、熱硬化性樹脂の架橋剤としては、使
用される粘弾性樹脂の官能基により選択されるが、例え
ば、有機硫黄化合物などの樹脂加硫剤、ポリアミン、ポ
リオール、有機過酸化物、アミノ樹脂、イソシアネート
類、エポキシ類、ポリアミドアミン、酸無水物などが挙
げられる。
【0024】さらに、耐蝕性を向上させるため少なくと
も粘弾性物質中間層と接着する金属板表面に一般に行わ
れているクロメート処理を施してもよく、このクロメー
ト処理として反応型、塗布型、電解型のどの方法でもよ
い。クロメートの付着量は使用環境に応じて決定され
る。
【0025】また、使用する金属板としては、一般に使
用されている冷延鋼板、亜鉛および亜鉛系合金めっき鋼
板が用いられるが、他の金属板(銅板、Al板他)への適
用も可能である。なお、本発明の樹脂塗装複合型制振材
を製造する方法は、特に限定されるものではなく、生産
規模や用途分野に応じて、例えば、ホットプレス法、加
熱ロールによる連続積層法などの公知の積層法が用いら
れる。
【0026】
【実施例】以下、実施例について比較例を挙げて説明す
る。 実施例1 常法によって製造された板厚 0.8mmの冷延鋼板を、溶剤
脱脂およびアルカリ脱酸を行った後、複合型制振材の原
板(金属板)として用いた。
【0027】次に、エポキシ系樹脂にエポキシ系架橋剤
を 5質量%配合し、 0〜40質量%のポリエチレンワック
ス粒子とコロイダルシリカをSiO2として 0〜40質量%加
え、分散させて表面処理剤(潤滑性を有する樹脂)を作
成した。この表面処理剤を上記原板の表面に乾燥付着量
が 1g/m2となるように絞りロールで塗布し、その後、80
℃で乾燥させて原板表面に複合樹脂皮膜を形成させ、樹
脂塗装複合型制振材の金属板を作製した。
【0028】次に、粘弾性物質中間層としては、架橋剤
としてコロネートL(日本ポリウレタン工業製)を 5部
配合した平均分子量15,000、Tg =−10℃のポリエステ
ル樹脂に、表1に示すような種々の導電性フィラーを添
加した導電性フィラー入り粘弾性樹脂を用いた。
【0029】さらに、上記粘弾性樹脂を、上記金属板の
複合樹脂皮膜を形成させた裏面に乾燥後の膜厚が50μm
になるように塗布し、乾燥後、他の金属板の複合樹脂皮
膜を形成させてない面を重ね合わせ熱プレスにより、加
熱・加圧することにより樹脂塗装複合型制振材を得た。
【0030】作製した樹脂塗装複合型制振材について下
記の特性について評価を行い、その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】T剥離強度は、 JIS K 6840 に準拠して測
定した。
【0033】耐型かじり性および耐傷つき性は、プレス
試験機を用いてプレス成形後、成形品の摺動面の型かじ
りと傷つきを目視にて調査した。
【0034】プレス成形性は、プレス成形後、複合型制
振材の金属板と粘弾性樹脂との剥離の有無を目視にて観
察して評価した。
【0035】制振性は、樹脂塗装複合型制振材から短冊
型のサンプルを切り出し、B&K社製複素弾性係数測定
装置を使用して共振法により振動減衰試験(温度20℃、
周波数500Hz )を行い損失係数ηを測定し、○(損失係
数ηが 0.1以上)、×(損失係数ηが 0.1未満)にて評
価した。
【0036】溶接性は、作製した樹脂塗装複合型制振材
を試験片サイズ30×100mm の形状に切断し、1000枚のサ
ンプルを採取し、これらのサンプルを用い、重ねしろ30
mmでスポット溶接を行い、その結果で評価した。溶接条
件は、電極加圧力 1961N、溶接電流 8kA、通電時間12Hz
で行った。評価方法は溶接後のスポット溶接試験片の表
面状況を観察し、鋼板表面の穴明き、焼け、未通電など
の溶接不良発生個数を集計し、全溶接試験枚数比で溶接
不良発生率を求めた。
【0037】表1に示すように、本発明例のNo.1〜6 は
上記の全ての特性で良好な結果が得られている。これに
対して、比較例のNo.1はポリエチレンワックス粒子とSi
O2が、No.2はポリエチレンワックス粒子が、それぞれ複
合樹脂皮膜中に添加されていないため、皮膜の潤滑性が
十分でなく耐型かじり性および耐傷つき性が極めて悪
い。No.3、4 はポリエチレンワックス粒子が本発明の限
定範囲より多く、複合樹脂皮膜中に添加されているた
め、皮膜と金属板との密着性が悪く、プレス成形性が悪
い。No.5は導電性フィラーの平均粒径が粘弾性物質中間
層の厚みより小さいため、金属板間の通電性が悪く溶接
不良が40%発生している。No.6は導電性フィラーの平均
粒径が粘弾性物質中間層の厚みより大きいため、溶接性
は良いがT剥離強度が低く、制振が悪い。No.7は導電性
フィラーが粘弾性物質中間層に添加されていないため、
金属板間の通電性が悪く溶接不良が 100%発生してい
る。
【0038】実施例2 複合型制振材の原板には実施例1と同じものを用いた。
【0039】次に、エポキシ系樹脂にエポキシ系架橋剤
を 5質量%配合し、10質量%のポリエチレンワックス粒
子とコロイダルシリカをSiO2として10質量%加え、分散
させて表面処理剤を作成した。この表面処理剤を上記原
板の表面に乾燥付着量が 0.1〜3g/m2 となるように絞り
ロールで塗布し、その後、80℃で乾燥させて原板表面に
複合樹脂皮膜を形成させ、樹脂塗装複合型制振材の金属
板を作製した。
【0040】粘弾性物質中間層には、実施例1と同じ樹
脂に表2に示すような種々の導電性フィラーを添加した
導電性フィラー入り粘弾性樹脂を用い、実施例1と同様
にして、粘弾性樹脂の乾燥後の膜厚が50μm の樹脂塗装
複合型制振材を作製した。
【0041】作製した樹脂塗装複合型制振材について、
実施例1と同じ特性について評価を行い、その結果を表
2に示す。評価方法は実施例1と同じである。
【0042】
【表2】
【0043】表2に示すように、本発明例のNo.1〜3 は
全ての特性で良好な結果が得られている。これに対し
て、比較例のNo.1は複合樹脂皮膜の付着量が本発明の限
定範囲より少ないため、皮膜の潤滑性が十分でなく耐型
かじり性および耐傷つき性が極めて悪い。No.2は複合樹
脂皮膜の付着量が本発明の限定範囲より多いため、皮膜
と金属板との密着性が悪く、プレス成形性が悪い。ま
た、導電性フィラーの平均粒径が粘弾性物質中間層の厚
みより小さいため金属板間の通電性が悪く、さらに皮膜
の付着量が多いため溶接不良が 100%発生している。ま
た、複合樹脂皮膜の付着量が 4.0g/m2と多いため、皮膜
と金属板との密着性が悪くなり、T剥離強度も低下して
いる。No.3は複合樹脂皮膜の付着量が本発明の限定範囲
より少ないめ、皮膜の潤滑性が十分でなく耐型かじり性
および耐傷つき性が極めて悪い。また、導電性フィラー
の平均粒径が粘弾性物質中間層の厚みより小さいため、
金属板間の通電性が悪く溶接不良が40%発生している。
No.5は導電性フィラーの平均粒径が粘弾性物質中間層の
厚みより大きいため、溶接性は良いが制振性が悪く、T
剥離強度も低い。
【0044】実施例3 複合型制振材の原板(金属板)には実施例1と同じもの
を用いた。
【0045】次に、金属板の表面に、実施例1と同じ粘
弾性樹脂に表3に示すような種々の導電性フィラーを添
加した導電性フィラー入り粘弾性樹脂を用いて、粘弾性
樹脂の乾燥後の膜厚が50μm になるように塗布し、乾燥
後、他の金属板を重ね合わせ熱プレスにより、加熱・加
圧することにより複合型制振材を作製した。
【0046】次に、この複合型制振材の表面に、エポキ
シ系樹脂にエポキシ系架橋剤を 5質量%配合し、 0.5〜
40質量%のポリエチレンワックス粒子とコロイダルシリ
カをSiO2として 1〜40質量%加え、分散させた表面処理
剤を乾燥付着量 0.2〜4g/m2となるように絞りロールで
塗布し、その後、80℃で乾燥させて複合型制振材の表面
に複合樹脂皮膜を形成させ、樹脂塗装複合型制振材をを
作製した。
【0047】作製した樹脂塗装複合型制振材について、
実施例1と同じ特性について評価を行い、その結果を表
3に示す。評価方法は実施例1と同じである。
【0048】
【表3】
【0049】表3に示すように、本発明例のNo.1〜3 は
全ての特性で良好な結果が得られている。これに対し
て、比較例のNo.1はポリエチレンワックス粒子が、複合
樹脂皮膜中に添加されていないため、皮膜の潤滑性が十
分でなく耐型かじり性および耐傷つき性が極めて悪い。
No.2はポリエチレンワックス粒子が本発明の限定範囲よ
り多く、複合樹脂皮膜中に添加されているため、皮膜と
金属板との密着性が悪く、プレス成形性が悪い。また、
導電性フィラーの添加量が本発明の限定範囲より多いた
め、溶接性は良いが制振性が悪く、T剥離強度も低い。
No.3は複合樹脂皮膜の付着量が本発明の限定範囲より多
いため、皮膜と金属板との密着性が悪く、プレス成形性
が悪い。また、複合樹脂皮膜の付着量が多いため、通電
性が低下し、溶接不良が50%発生している。また、複合
樹脂皮膜の付着量が 4.0g/m2と多いため、皮膜と金属板
との密着性が悪くなり、T剥離強度も低下している。
【0050】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明によれば、密着性、プレス成形性および溶接性の
優れた複合型制振材が得られる。したがって、本発明の
樹脂塗装複合型制振材は建築、自動車、家電などの各分
野での高度の要求特性に応えることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板−粘弾性物質中間層−金属板の3
    層からなるサンドイッチ状の複合型制振材表面に、潤滑
    性を有する樹脂を塗布し、塗布後の樹脂皮膜が分子内に
    活性水素を有するエポキシ系樹脂を主体としてポリエチ
    レンワックス粒子を 0.5〜30質量%およびコロイダルシ
    リカをSiO2として 1〜40質量%含有し、かつ付着量が
    0.2〜3g/m2 である複合樹脂皮膜を形成したことを特徴
    とするプレス成形性に優れた樹脂塗装複合型制振材。
  2. 【請求項2】 金属板−粘弾性物質中間層−金属板の3
    層からなるサンドイッチ状の樹脂塗装複合型制振材にお
    いて、貼り合わせる2枚の金属板の内、1枚または2枚
    の金属板が、貼り合わせる前にあらかじめ潤滑性を有す
    る樹脂を表面に塗布した金属板であることを特徴とする
    請求項1記載のプレス成形性に優れた樹脂塗装複合型制
    振材。
  3. 【請求項3】 前記粘弾性物質中間層が、鉄粉、カーボ
    ンブラック、Ni粉等の導電性フィラーを含有する粘弾性
    樹脂であることを特徴とする請求項1または請求項2記
    載のプレス成形性および溶接性に優れた樹脂塗装複合型
    制振材。
  4. 【請求項4】 前記粘弾性物質中間層の粘弾性樹脂が、
    平均粒径が前記粘弾性樹脂の皮膜厚の 100〜200 %であ
    る鉄粉、カーボンブラック、Ni粉等の導電性フィラー
    を、粘弾性樹脂の総固形分の 5〜40質量%含有している
    ことを特徴とする請求項3記載のプレス成形性および溶
    接性に優れた樹脂塗装複合型制振材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023188745A1 (ja) * 2022-03-30 2023-10-05 Jfeスチール株式会社 鋼板およびその製造方法

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