JPH0889764A - 水素イオンの選択的電気透析方法 - Google Patents

水素イオンの選択的電気透析方法

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JPH0889764A
JPH0889764A JP25424394A JP25424394A JPH0889764A JP H0889764 A JPH0889764 A JP H0889764A JP 25424394 A JP25424394 A JP 25424394A JP 25424394 A JP25424394 A JP 25424394A JP H0889764 A JPH0889764 A JP H0889764A
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JP
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layer
hydrogen ions
anion exchanger
ion
exchange membrane
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JP25424394A
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English (en)
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Ichiro Terada
一郎 寺田
Takeshi Komatsu
健 小松
Haruhisa Miyake
晴久 三宅
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水素イオンとその他の陽イオンを含む水溶液よ
り、水素イオンを選択的に電気透析する新規な方法を提
供する。 【構成】隔膜が陽イオン交換膜の少なくとも片面に陰イ
オン交換体層を有する複層イオン交換膜であり、陰イオ
ン交換体層が少なくとも2種類以上の異なる陰イオン交
換体層を複層化した構造を有する複層イオン交換膜が使
用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素イオンの選択的電
気透析方法に関し、より詳しくは金属イオンあるいは有
機の陽イオンと水素イオンを含む水溶液より、水素イオ
ンを選択的に電気透析することのできる水素イオンの選
択的電気透析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気透析法による膜分離技術は、従来よ
り海水濃縮及び脱塩に用いられてきたが、近年種々のプ
ロセスにも応用されるようになってきた。その一つが酸
含有溶液からの酸の濃縮回収であり、このプロセスは公
害上及び経済上の見地より重要さを増してきている。こ
れは例えば、非鉄金属の原鉱又はメタルの酸洗工程から
の硫酸含有溶液、抽出又はピックリング工程からの塩酸
含有溶液、タンタルや鉛の処理工程からのフッ酸含有溶
液、溶媒抽出エッチング工程からの塩酸、硫酸、硝酸含
有溶液、メッキ工程からのクロム酸含有溶液、イオン交
換樹脂再生工程からの酸含有溶液、木材糖化液からの硫
酸回収溶液といった酸含有溶液からの酸の濃縮回収であ
る。
【0003】これらの酸回収プロセスにおいては効率良
く酸を回収するために水素イオンを選択的に透過させ、
金属イオンは排除する水素イオン選択透過膜が必須であ
る。本発明者は、このような水素イオンに対する選択性
を膜に付与する方法として、特開平5−228344号
において、陽イオン交換膜の表面に特定の陰イオン交換
性の物質を存在させることにより優れた水素イオン選択
透過性が実現できることを示した。しかしながら、この
膜においては、高い水素イオンの選択性と高い限界電流
密度(高い水素イオン透過性)を実現するために、陰イ
オン交換体層を薄くしようとすると欠陥が発生しやすく
なり、高い水素イオン選択性が損なわれてしまうという
問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が
有していた前述の欠点を解消しようとするものであり、
水素イオンの選択性が高く且つ限界電流密度も大きな水
素イオンの選択的電気透析方法を提供することを目的と
するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされたものであり、陽極側の水素イオン
とその他の陽イオンを含有する水溶液から、水素イオン
を隔膜を通じて選択的に陰極側に透過せしめる水素イオ
ンの選択電気透析方法において、上記隔膜が陽イオン交
換膜の少なくとも片面に陰イオン交換体層を有する複層
イオン交換膜であり、陰イオン交換体層が、少なくとも
2種類以上の異なる陰イオン交換体層を複層化した構造
を有することを特徴とする水素イオンの選択的電気透析
方法を提供するものである。
【0006】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おいては複層イオン交換膜の有する陰イオン交換体層
は、少なくとも2種類以上の異なる陰イオン交換体層を
複層化した構造であることが重要である。すなわち、水
素イオン透過性はあまり高くないが高い水素イオン選択
性を有する第1の層と、選択性はあまり高くないが高い
水素イオン透過性を有する第2の層とを複層化させるこ
とにより、第1の層を薄くしても欠陥が発生しにくくな
り、高い性能が保持されることになる。
【0007】上記高水素イオン選択性層の陰イオン交換
体は、陽イオン交換膜の少なくとも片面、好ましくはそ
の陽極側に設けられ、またその特性として、イオン交換
容量0.5〜1.9ミリ当量/g乾燥樹脂、特には0.
8〜1.8ミリ当量/g乾燥樹脂、固定イオン濃度5〜
20ミリ当量/gH2O 、特には7〜15ミリ当量/g
2O のものが水素イオン選択性に優れ、膜抵抗も著し
く増大させないので好ましく用いられる。また膜厚は
0.01〜20μm、特には0.1〜10μmのものが
膜抵抗の著しい増大を招かず、しかも欠陥の発生が少な
いので好ましく、更にその中でも0.3〜3μmのもの
が好ましく使用される。イオン交換容量が0.5ミリ当
量/g乾燥樹脂より小さいと膜抵抗が急激に上昇し、ま
た電気透析時の限界電流密度も低くなり好ましくない。
【0008】また1.9ミリ当量/g乾燥樹脂より大き
いと水素イオンとそのほかの陽イオンの選択性が低下
し、好ましくない。固定イオン濃度が5ミリ当量/gH
2 Oより小さいと水素イオンとそのほかの陽イオンの選
択性が低下し、20ミリ当量/gH2 Oより大きいと膜
抵抗が高くなり好ましくない。膜厚が0.01μmより
薄いと、ピンホール等の欠陥が多くなり選択性が低下
し、20μmより厚いと膜抵抗が高くなり、また電気透
析時の限界電流密度も低くなり好ましくない。またイオ
ン交換容量が小さく、固定イオン濃度が高い高水素イオ
ン選択性を有する第1の層の膜厚は、イオン交換容量が
大きく、固定イオン濃度が低い高水素イオン透過性を有
する第2の層の膜厚より小さいことが好ましい。これは
膜抵抗を小さくさせるためで、この逆の場合には膜抵抗
が高くなり好ましくない。
【0009】該陰イオン交換体層の積層の構成に関して
は、高水素イオン選択性を有する第1の層が陽イオン交
換膜に近く設けるよりも、高水素イオン透過性を有する
第2の層を陽イオン交換膜に近く設けることが好まし
い。これは高水素イオン選択性層を有する第1の層が直
接平滑性の十分でない陽イオン交換膜に積層される場合
には、上記のように第1の層は第2の層よりも好ましく
は厚みが小さいので、欠陥が発生しやすくなり、高選択
性が損なわれる恐れがあるためである。
【0010】本発明における陰イオン交換体層を構成す
る陰イオン交換体としては耐熱性、耐薬品性、機械的強
度の点から主鎖に芳香環を含有する陰イオン交換体が好
ましい。例えば、ポリフェニレンオキサイド、ポリエー
テルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン及びこ
れらの重合体を含有する共重合体をハロメチル化後アミ
ノ化したものなどがあげられる。それらの中でも主鎖に
芳香環を有する下記一般式(1)で示される部分を繰り
返し単位内に含む芳香族系重合体をハロアルキル化後ア
ミノ化したものが耐薬品性や選択透過性に優れ好まし
い。
【0011】 −X−Ar−Y− (1) (但し、式中X、Yは、互いに同一または異なる−O−
又は−S−、Arは、
【化3】 なる炭素数1〜8の炭化水素基、aは0〜3、b+cは
0〜7、d+eは0〜5で、R6、R7は水素、炭素数
1〜6の炭化水素基を示す。)
【0012】さらに好ましくは、ハロアルキル化芳香環
含有重合体として、少なくとも2種の繰り返し単位から
なる共重合体において、一方の繰り返し単位に上記一般
式(1)を有するブロック共重合体からなる下記一般式
(2)で表される芳香族系ブロック共重合体のハロアル
キル化後アミノ化したものを使用することが、耐薬品
性、選択透過性に加え、成形加工性及び機械的性質に優
れており、薄膜化が可能であり低抵抗の陰イオン交換層
形成できる事より特に好ましい。かかる芳香族系ブロッ
ク共重合体のハロアルキル化後アミノ化したイオン交換
体は、特開平2−211257号に記載されている方法
によって得ることができる。
【0013】
【化4】 (但し、式中X、Y、Arは一般式(1)と同じ。Z
は、−SO2 −、−O−又は−S−を示す。R8 〜R11
は、互いに同一または異なる炭素数1〜8の炭化水素
基、f〜iは0〜4,lは0〜1,m、nは2〜200
の整数であり、m/nは0.1〜100を示す。)
【0014】上記芳香族系ブロック共重合体の好ましい
例としては、ポリフェニレンオキシド/ポリエーテルス
ルホンブロック共重合体、ポリフェニレンスルフィド/
ポリエーテルスルホンブロック共重合体、ポリアリール
エーテルスルホン/ポリエーテルスルホンブロック共重
合体、ポリアリールエーテルアリレート/ポリアクリレ
ートブロック共重合体、およびポリアリールエーテルス
ルホン/ポリチオエーテルスルホンブロック共重合体が
挙げられる。
【0015】陰イオン交換体層と積層する陽イオン交換
膜は、特に限定されず公知の陽イオン交換膜を用いるこ
とができる。例えば、スルホン酸基、カルボン酸基、ホ
スホン酸基等のイオン交換基を有し、主鎖が炭化水素系
のもの、あるいはパーフルオロ系で厚みが好ましくは1
0〜500μm、特に50〜200μmのものが使用で
きる。また、陽イオン交換膜は均一型、不均一型の何れ
でもよく、また必要に応じて補強体があってもよい。な
かでも陽イオン交換膜の好ましい例としては、スチレ
ン又はその誘導体とジビニルベンゼン又はその誘導体と
の共重合体を母体とし、強酸性陽イオン交換基を有する
膜、スチレンージビニルベンゼン共重合体のスルホン
化物を含有してなる膜、塩化ビニル樹脂製またはポリ
オレフィン樹脂製の織布または不織布を、調製されたス
チレン−ジビニルベンゼンモノマーシロップに浸漬させ
た後に、放射線や熱により重合させ、得られた重合体を
スルホン化することにより得られる陽イオン交換膜が挙
げられる。
【0016】本発明において、陽イオン交換膜と陰イオ
ン交換膜を複層化する方法としては特に限定されず公知
の方法が使用できる。例えば、陽イオン交換膜上に陰イ
オン交換体層を形成するポリマーの溶液を流延、乾燥
し、複層化する方法、あるいは陽イオン交換膜と陰イオ
ン交換膜を別々に製膜後、熱圧着等の方法で複層化する
方法等が挙げられる。
【0017】本発明で電気透析を行う場合、陽イオン交
換膜として、上記した複層イオン交換膜を使用したほか
は、従来公知の方法が採用できる。即ち、一般に両電極
間に上記複層イオン交換膜と陰イオン交換膜を交互に配
して電気透析槽を構成する。本発明において、上記複層
イオン交換膜と交互に配置されて電気透析槽を構成する
陰イオン交換膜としては特に制限されないが、酸濃縮室
に酸を高い電流効率で生成するためには、弱塩基性の陰
イオン交換膜が好ましい。例えば、スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体をベ−スとして、弱塩基性陰イオン交
換基を導入した膜、あるいは4−ビニルピリジン−ジビ
ニルベンゼン共重合体をベ−スとした弱塩基性陰イオン
交換基を有する膜が挙げられる。
【0018】
【作用】本発明においては、陰イオン交換体層と陽イオ
ン交換膜を複層化した複層イオン交換膜の陰イオン交換
体層を、水素イオン選択性に優れた薄膜層と水素イオン
透過性に優れた層の2層を含む多層構造で形成すること
によって、膜抵抗の高い水素イオン選択性層の薄膜化が
欠陥なく実現でき、高い水素イオン選択性を持ち且つ限
界電流密度の高い高性能膜が得られるものと考えられ
る。
【0019】
【実施例】次に本発明を実施例により説明するが、本発
明が、かかる実施例により限定されるものではないこと
は勿論である。
【0020】実施例中における金属イオンと水素イオン
の選択透過性は以下のようにして測定した。 (1)選択透過性 両極間に、複層イオン交換膜を陰イオン交換体層が陽極
側を向くようにして陰イオン交換膜と交互に配し、電気
透析槽を構成する。この電気透析槽の脱塩室側に、0.
5NのHClと0.5NのFeCl2 を含む溶液を供給
し、また濃縮液側には3NのHClを供給し、電流密度
3A/dm2 にて電気透析を行う。濃縮室に透過する鉄
イオンと水素イオンの電流効率より次式により水素イオ
ン選択透過性を求める。 水素イオン選択透過性=水素イオンの輸率/鉄イオンの
輸率 (2)限界電流密度 上記の(1)の測定と同様な系を組んで電気透析を行な
う際に、電流密度を変化させ、対応する電圧値を測定す
る。電流密度と電圧値は通常比例関係になり直線が得ら
れるが、ある電流密度の点から上は直線に屈曲点が生じ
るので、この点を限界電流密度とする。
【0021】〔実施例1〕特開昭61−168629号
に記載された合成法と同様にして、4,4’−ジフェノ
ール0.36モルとジクロロジフェニルスルホン0.3
96モルとを反応させ、芳香族ポリスルホンのユニット
からなるm=10のプリカーサー0.36モルを合成
し、次いで該プリカーサー0.36モルとジクロロジフ
ェニルスルホン0.324モルと硫化ナトリウム0.3
78モルとを反応させ、次式で示される芳香族ポリスル
ホン−ポリチオエーテルスルホン共重合体を220g得
た。
【0022】
【化5】 (ただし、m=n=10である。この芳香族ポリスルホ
ン−ポリチオエーテルスルホン共重合体の固有粘度は
0.50である。)
【0023】次に、該共重合体75gを1,1,2,2
−テトラクロロエタン1,020mlに溶解し、クロル
メチルメチルエーテル400g及び無水塩化スズ4.5
gをさらに添加して温度110℃に加熱して4時間かけ
てクロルメチル化反応を行なった。反応終了後、メチル
アルコール5,000mlを用いて反応生成物を沈殿さ
せ、これを洗浄し、クロルメチル化共重合体を85g得
た。得られたクロルメチル化共重合体のクロロメチル基
の導入率は、1繰返し単位に約1.9個で、すべてトリ
メチルアミンで反応させた場合のイオン交換容量は2.
2ミリ当量/g樹脂であった。
【0024】かくして得られたクロルメチル化共重合体
各々50gをN,N−ジメチルホルムアミド各300m
lに溶解して15重量%溶液を2種類調製した。冷却下
に攪拌しながら温度0℃で1Nのトリメチルアミンの
N,N−ジメチルホルムアミド溶液の108ml及び6
5mlをゆっくりと滴下し、その後66g及び11gの
2ーメトキシエタノールを添加し、イオン交換容量が
2.0ミリ当量/gの溶液Aを520ml、1.2ミリ
当量/gの溶液Bを430ml得た(以下、この溶液を
アミノ化ポリマー溶液A、Bと称する)。
【0025】一方、14.8重量%のジビニルベンゼン
と16.9重量%のブチルアクリレートと53.0重量
%のスチレンモノマーと5.1重量%のニトリルゴムと
8.5重量%の可塑剤としてのジオクチルフタレートと
1.7重量%の重合開始剤としてのベンゾイルパーオキ
サイドとを含有するモノマー溶液90mlを、塩化ビニ
ル製の1m角の織布に含浸させた。次いで、含浸された
織布を上下ポリエステルフィルムではさみ、温度60℃
で1.5時間、更に70℃に昇温して5時間加熱するこ
とによりモノマーの重合を行ない、スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体を含浸保持する織布が得られた。この
織布を濃硫酸10Lで処理することにより、織布に含浸
保持されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体をスル
ホン化した。その結果、膜厚120μmであり、イオン
交換容量が2.0ミリ当量/g乾燥樹脂である、織布で
補強されたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体からな
る陽イオン交換膜Cが得られた。
【0026】陽イオン交換膜Cの膜上にアミノ化ポリマ
−溶液Aを流延、乾燥し、陽イオン交換膜上にイオン交
換容量2.0ミリ当量/gの陰イオン交換層を3μm積
層した。次いで、アミノ化ポリマ−溶液Bをその上に流
延、乾燥し、イオン交換容量1.2ミリ当量/gの陰イ
オン交換体層を0.5μm積層し、目的とする複層イオ
ン交換膜を得た。この膜の水素イオン選択透過性と限界
電流密度を測定したところ、選択性は140、限界電流
密度は12A/dm2であった。
【0027】〔実施例2〕実施例1において、陽イオン
交換膜Cの膜上にイオン交換容量2.0ミリ当量/gの
陰イオン交換層を2μm積層し、イオン交換容量1.2
ミリ当量/gの陰イオン交換体層を1μm積層した以外
は実施例1と同様にして複層イオン交換膜を得た。この
膜の水素イオン選択透過性と限界電流密度を測定したと
ころ、選択性は200、限界電流密度は9A/dm2
あった。
【0028】〔実施例3〕実施例1においてアミノ化溶
液を作る際に、クロルメチル化共重合体50gをN,N
−ジメチルホルムアミド各々300mlに溶解して15
重量%溶液を調製し、冷却下に攪拌しながら温度0℃で
1NのトリメチルアミンのN,N−ジメチルホルムアミ
ド溶液を95mlゆっくりと滴下し、その後32gの2
ーメトキシエタノールを添加し、イオン交換容量が1.
6ミリ当量/gの溶液Dを480ml得た(以下、この
溶液をアミノ化ポリマー溶液Dと称する)。また実施例
2のアミノ化ポリマー溶液Aの代わりにアミノ化ポリマ
ー溶液Dを用いた以外は実施例2と同様にして複層化イ
オン交換膜を得た。この膜の水素イオン選択透過性と限
界電流密度を測定したところ、選択性は180、限界電
流密度は10A/dm2 であった。
【0029】〔実施例4〕実施例1において、3種のア
ミノ化ポリマー液A、B、Dを用い、陽イオン交換膜C
の膜上にイオン交換容量2.0ミリ当量/gの陰イオン
交換層を2μm、イオン交換容量1.6ミリ当量/gの
陰イオン交換層を0.5μm、イオン交換容量1.2ミ
リ当量/gの陰イオン交換体層を0.2μmを順次積層
した以外は実施例1と同様にして複層イオン交換膜を得
た。この膜の水素イオン選択透過性と限界電流密度を測
定したところ、選択性は200、限界電流密度は15A
/dm2であった。
【0030】〔比較例1〕実施例1において、陽イオン
交換膜上にイオン交換容量2.0ミリ当量/gの陰イオ
ン交換層を積層せずに、イオン交換容量1.2ミリ当量
/gの陰イオン交換層0.5μmのみを積層し、膜の性
能評価を行なった。この膜の水素イオン選択透過性は2
0であった。
【0031】〔実施例5〕実施例1において、陽イオン
交換膜上にイオン交換容量2.0ミリ当量/gの陰イオ
ン交換層を3μm積層し、イオン交換容量1.2ミリ当
量/gの陰イオン交換層5μm積層した以外は同様にし
て複層化された水素イオン選択透過膜を得た。この膜の
水素イオン選択透過性と限界電流密度を測定したとこ
ろ、選択性は220、限界電流密度は4A/dm2であ
った。
【0032】
【発明の効果】本発明に係る、陽イオン交換膜の少なく
とも片面に陰イオン交換体層を有する複層イオン交換膜
であり、該陰イオン交換体層が、少なくとも2種類以上
の異なる陰イオン交換体層を複層化した構造を有するこ
とを特徴とする複層イオン交換膜は、水素イオンとその
他の陽イオンを分離する水素イオン選択性と水素イオン
透過性の両者の性質を満足させる高性能の膜であり、こ
の膜を使用することにより、水素イオンとその他の陽イ
オンを含有する陽極側の水溶液から、水素イオンを選択
的に陰極側に透過せしめる水素イオンの大きい選択的電
気透析が与えられる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水素イオンとその他の陽イオンを含有する
    陽極側の水溶液から、水素イオンを隔膜を通じて選択的
    に陰極側に透過せしめる水素イオンの選択的電気透析方
    法において、上記隔膜が陽イオン交換膜の少なくとも片
    面に陰イオン交換体層を有する複層イオン交換膜であ
    り、該陰イオン交換体層が、少なくとも2種類以上の異
    なる陰イオン交換体層を複層化した構造を有する事を特
    徴とする水素イオンの選択的電気透析方法。
  2. 【請求項2】前記の陰イオン交換体層が、陽イオン交換
    膜の陽極側にあり、その少なくとも1つの層を形成する
    陰イオン交換体が、厚み0.01〜20μm、固定イオ
    ン濃度5〜20ミリ当量/gH2O である請求項1記載
    の水素イオンの選択的電気透析方法。
  3. 【請求項3】前記陰イオン交換体層が第2の層より固定
    イオン濃度が大きく且つ膜厚の小さい第1の層と、第1
    の層より固定イオン濃度が小さく且つ膜厚の大きい第2
    の層とを少なくとも各1層以上積層した複層陰イオン交
    換体である請求項1又は2記載の水素イオンの選択的電
    気透析方法。
  4. 【請求項4】前記の陰イオン交換体層が、高水素イオン
    選択性を有する固定イオン濃度の高い第1の層以外の層
    を少なくとも1層以上陰極側に有し、その陰極側層の陰
    イオン交換体が第1の層と比較してより小さい固定イオ
    ン濃度をもち且つその膜厚の総和がより大きい複層陰イ
    オン交換体である請求項1、2又は3記載の水素イオン
    の選択的電気透析方法。
  5. 【請求項5】前記の陰イオン交換体層のうち少なくとも
    1つの層が、主鎖に芳香族環を含有する重合体からな
    り、その重合体が、少なくとも繰り返し単位内に下記一
    般式(1)を含有する芳香族系重合体よりなり、その芳
    香族環の少なくとも一部に1〜3級アミノ基及び/又は
    4級アンモニウム塩基が導入された陰イオン交換体であ
    る請求項1、2、3又は4記載の水素イオンの選択的電
    気透析方法。 −X−Ar−Y− (1) (但し、式中X、Yは、互いに同一または異なる−O−
    又は−S−、Arは、 【化1】 なる炭素数1〜8の炭化水素基、aは0〜3、b+cは
    0〜7、d+eは0〜5で、R6、R7は水素、炭素数
    1〜6の炭化水素基を示す。)
  6. 【請求項6】前記芳香族系重合体が、少なくとも2種の
    繰り返し単位からなる共重合体であり、その一方の繰り
    返し単位に一般式(1)を有するブロック共重合体から
    なる下記一般式(2)で表される芳香族系ブロック共重
    合体である請求項5記載の水素イオンの選択的電気透析
    方法。 【化2】 (但し、式中X、Y、Arは一般式(1)と同じ。Z
    は、−SO2 −、−O−又は−S−を示す。R8 〜R11
    は、互いに同一または異なる炭素数1〜8の炭化水素
    基、f〜iは0〜4,lは0〜1,m、nは2〜200
    の整数であり、m/nは0.1〜100を示す。)
  7. 【請求項7】前記の芳香族系ブロック共重合体が、ポリ
    フェニレンオキシド/ポリエーテルスルホンブロック共
    重合体、ポリフェニレンスルフィド/ポリエーテルスル
    ホンブロック共重合体、ポリアリールエーテルスルホン
    /ポリエーテルスルホンブロック共重合体、ポリアリー
    ルエーテルアリレート/ポリアクリレートブロック共重
    合体、およびポリアリールエーテルスルホン/ポリチオ
    エーテルスルホンブロック共重合体のいずれかである請
    求項1、2、3、4、5又は6に記載の水素イオンの選
    択的電気透析方法。
  8. 【請求項8】前記の陽イオン交換膜が、スチレン又はそ
    の誘導体とジビニルベンゼン又はその誘導体との共重合
    体を母体とし、強酸性陽イオン交換基を有する膜である
    請求項1、2、3、4、5、6又は7に記載の水素イオ
    ンの選択的電気透析方法。
  9. 【請求項9】前記の陽イオン交換膜が、塩化ビニル樹脂
    製またはポリオレフィン樹脂製の織布または不織布を、
    調製されたスチレン−ジビニルベンゼンモノマーシロッ
    プに浸漬させた後に、放射線や熱により重合させ、得ら
    れた重合体をスルホン化することにより得られる陽イオ
    ン交換膜である請求項1、2、3、4、5、6、7又は
    8に記載の水素イオンの選択的電気透析方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011189223A (ja) * 2010-03-11 2011-09-29 Agc Engineering Co Ltd 陽イオン交換膜、水素イオン選択透過膜および酸回収方法

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