JPH0910558A - 水素イオン選択電気透析方法 - Google Patents

水素イオン選択電気透析方法

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JPH0910558A
JPH0910558A JP16605495A JP16605495A JPH0910558A JP H0910558 A JPH0910558 A JP H0910558A JP 16605495 A JP16605495 A JP 16605495A JP 16605495 A JP16605495 A JP 16605495A JP H0910558 A JPH0910558 A JP H0910558A
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JP
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hydrogen ion
hydrogen
selective electrodialysis
acid
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JP16605495A
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English (en)
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Takeshi Komatsu
健 小松
Junjiro Iwamoto
純治郎 岩元
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】水素イオン選択透過膜の耐久性をさらに向上さ
せ、長期間安定して選択性の優れた電気透析を行う。 【構成】スルホン酸を官能基とするパーフルオロ重合体
からなる陽イオン交換体層、該陽イオン交換体層の少な
くとも1面に積層した陰イオン交換体層からなる複層イ
オン交換膜を用いる水素イオン選択電気透析方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水素イオン選択電気透
析方法に関するものである。詳しくは、金属イオンある
いは有機物の陽イオンと水素イオンとを含む溶液より、
水素イオンを選択的に電気透析することのできる複層イ
オン交換膜を用いた、水素イオン選択電気透析方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】電気透析法による膜分離技術は従来より
海水濃縮および脱塩に用いられてきたが、近年種々のプ
ロセスにも応用されるようになってきた。
【0003】その一つが酸含有溶液からの酸の濃縮回収
である。これは例えば、非鉄金属の原鉱またはメタルの
酸洗工程からの硫酸含有溶液、抽出またはピックリング
工程からの塩酸含有溶液、タンタルや鉛の処理工程から
のフッ酸含有溶液、溶媒抽出エッチング工程からの塩
酸、硫酸、硝酸含有溶液、メッキ工程からのクロム酸含
有溶液、イオン交換樹脂再生工程からの酸含有溶液、木
材糖化液からの硫酸回収溶液といった酸含有溶液からの
酸濃縮回収である。
【0004】これらの酸含有溶液からの酸の回収プロセ
スは公害上および経済上の見地より重要である。
【0005】このような酸回収プロセスにおいては、効
率良く酸を回収するために水素イオンを選択的に透過さ
せるが金属イオンは排除する水素イオン選択透過膜が必
須である。
【0006】このような水素イオンに対する選択性を膜
に付与する方法として本発明者は、特開平5−2283
44号公報において、陽イオン交換膜の表面に特定の陰
イオン交換性の物質を存在させることにより優れた水素
イオン選択透過性が実現できることを示した。
【0007】しかしながらこの膜においては、硝酸のよ
うな酸化性の高い酸を高濃度で回収する際には、膜が酸
化劣化してしまい、その耐久性に問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、水素イオン
選択透過膜の耐久性をさらに向上させ、長期間安定して
選択性の優れた電気透析を行うことを目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、スルホン酸を
官能基とするパーフルオロ重合体からなる陽イオン交換
体層、該陽イオン交換体層の少なくとも1面に積層した
陰イオン交換体層からなる複層イオン交換膜を用いる水
素イオン選択電気透析方法を提供するものである。
【0010】本発明で使用する陽イオン交換体層は、ス
ルホン酸を官能基とするパーフルオロ重合体を用いる。
具体的には、一般式(1)で表される繰り返し単位を含
む、スルホン酸を官能基とするパーフルオロ重合体を用
いるのが好ましい。
【0011】
【化4】
【0012】また一般式(1)で表される繰り返し単位
からなる重合体と他の重合体との共重合体、特にテトラ
フルオロエチレンとの共重合体が好ましい。
【0013】パーフルオロ重合体のイオン交換容量は、
0.8〜1.3ミリ当量/グラム乾燥樹脂の範囲が好ま
しく、特に0.9〜1.1ミリ当量/グラム乾燥樹脂の
範囲が好ましい。イオン交換容量が0.8ミリ当量/グ
ラム乾燥樹脂より小さいと、膜としたときの電気抵抗が
高くなり好ましくない。逆にイオン交換容量が1.3ミ
リ当量/グラム乾燥樹脂より大きいと、陰イオン交換体
層と積層し複層イオン交換膜としたときには、陰イオン
に対する排除性が下がり、水素イオンの透過性が低くな
り好ましくない。
【0014】スルホン酸を官能基とするパーフルオロ重
合体層の厚さは好ましくは5〜200μm、特には10
〜100μmである。5μmより薄いと陰イオン交換体
層と積層し複層イオン交換膜としたときに、陰イオンに
対する排除性が下がり、水素イオンの透過性が低くなり
好ましくない。逆に100μmより厚いと膜の電気抵抗
が高くなり好ましくない。
【0015】陰イオン交換体層としては、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリスルホンおよびこれらの重合体を含有する重合
体をハロメチル化後アミノ化したものなどが挙げられる
が、なかでも、主鎖に芳香環を含有する芳香族系重合体
の芳香環の少なくとも一部に1〜3級アミノ基および/
または4級アンモニウム塩基が導入された陰イオン交換
体からなる陰イオン交換体が好ましい。特に、主鎖に芳
香環を有する一般式(2)で示される部分を繰り返し単
位内に含む芳香族系重合体のハロアルキル化後アミノ化
したものが耐薬品性や選択透過性に優れ好ましい。
【0016】
【化5】
【0017】さらに好ましくは、ハロアルキル化芳香環
含有重合体として、少なくとも2種の繰り返し単位から
なる共重合体において、一方の繰り返し単位に一般式
(2)を有するブロック共重合体からなる一般式(3)
で表される芳香族系ブロック共重合体のハロアルキル化
後アミノ化したものを使用することが、耐薬品性、選択
透過性に加え、成形加工性および機械的性質に優れてお
り、薄膜化が可能であり低抵抗の陰イオン交換層形成で
きることにより特に好ましい。
【0018】
【化6】
【0019】かかる芳香族系ブロック共重合体のハロア
ルキル化後アミノ化したイオン交換体は、特開平2−2
11257に記載されている方法によって得ることがで
きる。
【0020】陰イオン交換体層のイオン交換容量は1.
0〜4.5ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましく、特に
1.2〜3.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂が好ましい。
イオン交換容量が1.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂より
小さいと膜抵抗が急激に上昇し、また電気透析時の限界
電流密度も低くなり好ましくない。また4.5ミリ当量
/グラム乾燥樹脂より大きいと水素イオンとその他の陽
イオンの選択性および機械的強度が急激に低下するので
好ましくない。
【0021】陰イオン交換体層の厚さは0.001〜1
0μmが好ましく使用される。厚さが0.001μmよ
り薄いと、陽イオン交換体層上に均一な緻密膜が形成さ
れにくく選択性が低下し、10μmより厚いと膜抵抗が
高くなり、また電気透析時の限界電流密度も低くなり好
ましくない。
【0022】複層イオン交換膜製造の際、陽イオン交換
体層に陰イオン交換体層を複層化する方法としては特に
限定されず公知の方法が使用できる。例えば、陽イオン
交換体層上に、陰イオン交換体層を形成するポリマーの
溶液を流延、乾燥し、複層化する、あるいは逆に、陰イ
オン交換体層上に、陽イオン交換体層を形成する溶液を
流延、乾燥し、複層化する方法。あるいは陽イオン交換
体層と陰イオン交換体層を別々に製膜後、熱圧着等の方
法で複層化する方法等が挙げられる。
【0023】複層イオン交換膜は、必要に応じて多孔性
基材により補強することもできる。多孔性基材として
は、織布、編布、不織布、多孔膜など任意のものが使用
できる。これらの多孔性基材は、前記複層イオン交換膜
を構成する陽イオン交換体層に埋め込み、それ自体を補
強することができるほかに、複層イオン交換膜と多孔性
基材を、層状に更に複層化し補強することもできる。
【0024】複層イオン交換膜は、陽極と陰極の間に、
陰イオン交換体層が陽極に対面するように配置し、陽極
側の水素イオンを陰極側に透過させる電気透析に使用さ
れる。
【0025】
【作用】本発明においては、特定の陽イオン交換体層と
陰イオン交換膜を複層した複層イオン交換膜が、優れた
耐酸化性を有する理由については必ずしも明らかでない
が、耐酸化性に優れたパーフルオロの陽イオン交換体層
と、同じく耐酸化性に優れたポリスルホンのようなエン
ジニアリングプラスチックを主鎖とする陰イオン交換膜
を複層化することにより、優れた耐酸化性が実現された
と考えられる。
【0026】
【実施例】実施例中の金属イオンと水素イオンの選択透
過性は以下のようにして測定した。両極間に、複層イオ
ン交換膜を陰イオン交換体層が脱塩室側を向くようにし
て陰イオン交換膜と交互に配し、電気透析槽を構成す
る。この電気透析槽の脱塩室側に、0.5NのHNO3
と0.5NのFeNO3 を含む溶液を供給し、濃縮液側
に3NのHNO3 を供給し、3A/dm2 にて電気透析
を行い濃縮室に透過する水素イオンの輸率を求め選択透
過性とする。
【0027】[例1]特開昭61−168629に記載
された合成法と同様にして、4,4’−ジフェノールと
ジクロロジフェニルスルホンとを反応せしめ、芳香族ポ
リスルホンのユニットからなるm=10のプリカーサー
を合成した。次いで該プリカーサーとジクロロジフェニ
ルスルホンと硫化ナトリウムを反応し、次式で示される
芳香族ポリスルホン−ポリチオエーテルスルホン共重合
体を得た。
【0028】
【化7】
【0029】次いで、該共重合体を1,1,2,2−テ
トラクロロエタンに溶解した後、クロルメチルメチルエ
ーテル、無水塩化スズを添加し、110℃、4時間反応
せしめた後、メチルアルコールで沈殿させ、かつ洗浄
し、クロルメチル化共重合体を得た。
【0030】得られたクロロメチル化共重合体のクロロ
メチル基の導入率は、1繰返し単位に約1.9個で、す
べてトリメチルアミンで反応させた場合のイオン交換容
量は2.2ミリ当量/g樹脂であった。
【0031】かくして得られたクロロメチル化共重合体
をN,N−ジメチルホルムアミドに溶解し、10重量%
溶液を調製した。この溶液に1Nのトリメチルアミンの
N,N−ジメチルホルムアミド溶液をイオン交換容量が
1.2ミリ当量/gとなるように添加し、モノアミンで
アミノ化したアミノ化ポリマーのN,N−ジメチルホル
ムアミド溶液を得た。次いで、このアミノ化溶液を、一
般式(1)で表される繰り返し単位からなる重合体とテ
トラフルオロエチレンとの共重合体からなるパーフルオ
ロスルホン酸陽イオン交換膜(旭硝子株式会社製、商品
名フレミオン)(イオン交換容量1.1ミリ当量/グラ
ム乾燥樹脂)上に流延、乾燥し、パーフルオロ陽イオン
交換体層上に陰イオン交換層を有する水素イオン選択透
過膜膜を得た。
【0032】上述のようにして得られた水素イオン選択
透過膜について水素イオン選択透過性の初期値および2
0日連続運転後の値を評価した。結果を表1に示す。
【0033】[例2]例1と同様の方法でアミノ化ポリ
マーのN,N−ジメチルホルムアミド溶液を得た。この
アミノ化溶液をスチレン系陽イオン交換体層に流延、乾
燥させ水素イオン選択透過膜を得た。
【0034】上述のようにして得られた水素イオン選択
透過膜について水素イオン選択透過性の初期値および2
0日連続運転後の値を評価した。膜の硝酸未処理での水
素イオン選択透過性を表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明の方法により、酸化性の酸を回収
する際に、水素イオン選択透過性の経時的低下を少なく
することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホン酸を官能基とするパーフルオロ重
    合体からなる陽イオン交換体層、該陽イオン交換体層の
    少なくとも1面に積層した陰イオン交換体層からなる複
    層イオン交換膜を用いる水素イオン選択電気透析方法。
  2. 【請求項2】スルホン酸を官能基とするパーフルオロ重
    合体が、一般式(1)である請求項1の水素イオン選択
    電気透析方法。 【化1】
  3. 【請求項3】陰イオン交換体層が、主鎖中に芳香族環を
    有する芳香族系重合体であって、その重合体が少なくと
    も繰り返し単位内に一般式(2)を含有する芳香族系重
    合体よりなり、その芳香族環の少なくとも一部に1〜3
    級アミノ基および/または4級アンモニウム塩基が導入
    された陰イオン交換体からなる請求項1または2の水素
    イオン選択電気透析方法。 【化2】
  4. 【請求項4】芳香族系重合体が、少なくとも2種の繰り
    返し単位からなる共重合体であって、一般式(3)で表
    される芳香族系ブロック共重合体である請求項3の水素
    イオン選択電気透析方法。 【化3】
JP16605495A 1995-06-30 1995-06-30 水素イオン選択電気透析方法 Pending JPH0910558A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008529946A (ja) * 2005-02-11 2008-08-07 ネーデルランドセ オルガニサティエ フォール トエゲパストナトールヴェテンシャッペリク オンデルゾエク ティエヌオー 硫酸の回収

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