JPH0888181A - Mis構造の製造方法及び光励起気相成長装置 - Google Patents

Mis構造の製造方法及び光励起気相成長装置

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JPH0888181A
JPH0888181A JP22177994A JP22177994A JPH0888181A JP H0888181 A JPH0888181 A JP H0888181A JP 22177994 A JP22177994 A JP 22177994A JP 22177994 A JP22177994 A JP 22177994A JP H0888181 A JPH0888181 A JP H0888181A
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JP
Japan
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source gas
silicon
substrate
layer
monosilane
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JP22177994A
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English (en)
Inventor
Naoki Inoue
直樹 井上
Shigeru Morikawa
茂 森川
Takeshi Takagi
剛 高木
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 工程が簡素化されるとともに、経済的且つ安
全に、良好な特性のMIS構造を備えたMIS構造の製
造方法を得るとともに、この方法を使用する光励起気相
成長装置を得る。 【構成】 半導体層21を形成するに、ハロゲン化モノ
シランと水素もしくはハロゲン化モノシランとジシラン
と水素を組み合わせた第1原料ガスを基板の表面上方に
導き、光励起気相成長法により、基板5の表面上に選択
的に前記多結晶シリコンを形成する第1工程と、第1工
程の後、絶縁体層22を形成するに、シリコンを供給可
能なシリコン源ガスと、酸素を供給可能な酸素源ガスと
を組み合わせた第2原料ガスを、基板5の上方に導き、
光励起気相成長法により、酸化シリコン(SiO2)層
を、半導体層21の上方側に形成する第2工程とを連続
的に備えて、MIS構造を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板に対して、多結晶
シリコンから成る半導体層と、絶縁性を有するシリコン
化合物からなる絶縁体層と、金属からなる電極とを備え
たMIS構造の製造方法及び、この方法を使用する、基
板を保持するための加熱機構を備えたサセプタを減圧可
能な成長室内に備え、サセプタの上方空間に原料ガスを
励起する励起光を照射可能な光源と、成長室内に前記原
料ガスを供給する原料ガス供給機構とを備えた光励起気
相成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大型のガラス基板上に駆動回路を内蔵し
た液晶パネルの製造は、今日、高品位テレビ等の実現を
目的として、その開発が急がれている。このような液晶
パネルを製造する場合、高性能の薄膜トランジスタ(以
下、TFTと称する)を製造することとなる。そして、
このようなTFTには、上記の基板表面側に多結晶シリ
コン層を、この層の上側に絶縁層を備えたゲート部が備
えられる。ここで、ゲート部は上部側から金属電極、絶
縁体層、半導体層を備えているため、実質上所謂MIS
構造を成している。さて、従来、多結晶シリコンTFT
を製造する場合は、多結晶シリコン層自体を、低温で製
造する技術がないため、高温に耐える高価な石英基板を
用いてこれを堆積する方法がとられている。さらに、そ
の低温化技術としては、ガラス基板上にアモルファスシ
リコンをプラズマCVDにより堆積し、さらに、エキシ
マレーザーアニールにより、これを溶融凝固させること
により、多結晶化する試みがなされている。そして、ゲ
ート部を構成する場合は、このようにして得られた多結
晶シリコンの上部側に、ECR−CVDにより絶縁体層
を形成し、さらに上部に金属電極を形成し、MIS構造
が完成される。この工程の具体的構成を装置構成ととも
に、図4に示した。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高価な
石英基板を用いて高温で多結晶シリコンを堆積して、多
結晶TFTとする場合は、コスト上の問題がある。さら
に、その大型化にも難点が多い。一方、例えば廉価なガ
ラス基板上に多結晶シリコンを得て、TFTを製造する
ことが好ましいが、プラズマCVD、エキシマレーザー
アニール、ECR−CVDを経る従来技術では工程が多
く、さらに結晶粒の大きさが面内で均一でなく、作製し
たTFTの特性がバラ付くといった問題がある。又、E
CR−CVDでは、その大型化が事実上不可能である。
【0004】本発明はこのような従来の問題点に着目し
てなされたもので、例えばガラス基板上に、良質のMI
S構造(特に半導体層及び絶縁体層)を低温で形成する
ことが可能であるMIS構造の製造方法及び、この方法
を使用する光励起気相成長装置を得ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明による請求項1に係わる基板に対して、多結晶
シリコンから成る半導体層と、絶縁性を有するシリコン
化合物からなる絶縁体層と、金属からなる電極とを備え
たMIS構造の製造方法の第1の特徴手段は、半導体層
を形成するに、ハロゲン化モノシランと水素を組み合わ
せた第1原料ガス、もしくはハロゲン化モノシランとジ
シランと水素とを組み合わせた第1原料ガスを基板の表
面上方に導き、この第1原料ガスを光励起できる波長の
励起光を第1原料ガスに照射して、光励起気相成長法に
より、基板の表面上に選択的に多結晶シリコンを形成す
る半導体層形成工程と、絶縁体層を形成するに、シリコ
ンを供給可能なシリコン源ガスと、酸素を供給可能な酸
素源ガスまたは窒素を供給可能な窒素源ガスとを組み合
わせた第2原料ガスを、基板の上方に導き、第2原料ガ
スを光励起できる波長の励起光を第2原料ガスに照射し
て、光励起気相成長法により、酸化シリコン(Si
2)層または窒化シリコン(SiN)層を、形成する
絶縁体層形成工程とを備え、前記両工程を連続して行う
ことにある。上記本願第1の特徴手段において、前記ハ
ロゲン化モノシランが、塩化モノシラン(SiHxCl
4-x, x=0,1,2,3)、又は弗化モノシラン(S
iHx4-x, x=0,1,2,3)であることが好まし
い。これが、請求項2に係わるMIS構造の製造方法の
本願第2の特徴手段である。上記本願第1、第2の特徴
手段において、前記励起光が、エキシマレーザー又はエ
キシマランプから照射される紫外光であることが好まし
い。これが、請求項3に係わるMIS構造の製造方法の
本願第3の特徴手段である。上記本願第3の特徴手段に
おいて、前記エキシマレーザーが、ArFエキシマレー
ザーであることが好ましい。これが、請求項4に係わる
MIS構造の製造方法の本願第4の特徴手段である。
【0006】さらに、基板を保持するための加熱機構を
備えたサセプタを、減圧可能な成長室内に備え、前記サ
セプタの上方空間に原料ガスを励起する励起光を照射可
能な光源と、前記成長室内に前記原料ガスを供給する原
料ガス供給機構とを備えた光励起気相成長装置に於ける
本願第1の特徴構成は、前記原料ガス供給機構として、
ハロゲン化モノシランと水素とを組み合わせた第1原料
ガス、もしくはハロゲン化モノシランとジシランと水素
とを組み合わせた第1原料ガスを供給可能な第1原料ガ
ス供給機構と、シリコンを供給可能なシリコン源ガス
と、酸素を供給可能な酸素源ガスまたは窒素を供給可能
な窒素源ガスとを組み合わせた第2原料ガスを供給可能
な第2原料ガス供給機構とを備え、前記第1原料ガス供
給機構より、前記第1原料ガスを前記サセプタ上に載置
される前記基板の表面上方に導き、前記励起光を照射し
て、選択的に半導体層としての多結晶シリコンを形成す
る半導体層形成手段と、前記第2原料ガス供給機構よ
り、前記第2原料ガスを前記基板の表面上方に導き、前
記励起光を照射して、絶縁体層としての酸化シリコン
(SiO2)層または窒化シリコン(SiN)層を、形
成する絶縁体層形成手段とを備えたことにある。これ
が、本願、第5の請求項に係わる。上記本願第5の請求
項に係わる光励起気相成長装置において、前記ハロゲン
化モノシランが、塩化モノシラン(SiHxCl4-x,
=0,1,2,3)、又は弗化モノシラン(SiHx
4-x, x=0,1,2,3)であることが好ましい。こ
れが、本願第6の請求項に係わる光励起気相成長装置に
於ける本願第2の特徴構成である。上記本願第5又は6
の請求項に係わる光励起気相成長装置において、前記光
源が、エキシマレーザー又はエキシマランプであること
が好ましい。これが、請求項7に係わる光励起気相成長
装置に於ける本願第3の特徴構成である。上記本願第7
の請求項に係わる光励起気相成長装置において、前記エ
キシマレーザーが、ArFエキシマレーザーであること
が好ましい。これが、請求項8に係わる光励起気相成長
装置に於ける本願第4の特徴構成である。
【0007】
【作用】本願第1の特徴手段においては、半導体層と絶
縁体層との形成において、その形成手法として、共に、
光励起気相成長法が採用される。ここで、半導体層形成
工程においては、多結晶シリコンの形成において、第1
原料ガスとして、ハロゲン化モノシランと水素との組み
合わせたガス、もしくはハロゲン化モノシランとジシラ
ンと水素とを組み合わせたガスが使用される。これらの
ガスは、共用状態で、基板上に多結晶シリコンを堆積す
ることが可能である。このことは、今般、発明者らによ
って確認されたことである。ここで、ハロゲン化モノシ
ランと水素を使用する場合は、シリコンがハロゲン化モ
ノシランから供給されるとともに、この原料よりハロゲ
ンラジカルを発生できるため、このラジカルによるエッ
チングを有効に利用して、良質の多結晶シリコンを得る
ことができる。さらに、ハロゲン化モノシランとジシラ
ン及び水素をともに、第1原料ガスとして使用する場合
は、ハロゲン化ラジカルによるエッチング作用の利点を
確保するとともに、両方のガスにより反応を促進して、
高い速度で多結晶シリコンを得ることができる。そし
て、水素は、結晶成長表面のシリコン未結合手を終端
し、ガス中のシリコン前駆体の表面泳動を助長させる。
さらに、絶縁体層形成工程においては、絶縁体層を形成
する酸化シリコン層もしくは窒化シリコン層を形成する
のに、夫々必要な第2原料ガスを基板表面の上方に導い
て、膜層形成をおこなう。ここで、シリコン源ガスとし
ては、シラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、ト
リシラン(Si38)等を挙げることができる。さら
に、酸素源ガスとしては、一酸化二窒素(N2O)、酸
素(O2)等を挙げることができる。一方、窒素源ガス
としては、アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N
26)等を挙げることができる。そして、本願において
は、前述の半導体層形成工程及び絶縁体層形成工程が、
共に、光励起気相成長法によるため、これらの工程を連
続しておこなう。従って、形成された膜層に対するダメ
ージが少なく、良質の界面状態を維持できるMIS構造
を得ることができる。これらの工程は、使用する原料ガ
スとの関係から、後述するように、従来の熱CVDと比
較して、低い温度域で層形成をおこなうことができるた
め、ガラス基板、樹脂基板等を使用することが可能とな
り、さらに、例えば、単一の成長室内で形成をおこな
え、結果的に、比較的簡単な機器構成で、経済的に、良
質の多結晶シリコンを半導体層として備えたMIS構造
を得ることができる。
【0008】さらに、本願第2の特徴手段においては、
ハロゲンラジカルの供給源として塩化モノシラン(Si
xCl4-x, x=0,1,2,3)、又は弗化モノシラ
ン(SiHx4-x, x=0,1,2,3)を採用する。
ここで、同一の化合物から、光励起によりシリコン源と
なるシリコンと、酸素等の不純物除去の用、さらには不
正配位シリコン等のエッチングの用を果たすハロゲンラ
ジカルが得られて、層形成(成膜)が行われる。これ
は、同じくハロゲンラジカルを供給する場合において
も、こられらの化合物は、入手が容易であるとともに、
劇物に指定されている例えば塩素ガス等に比べれば安全
で、取り扱いが容易であるため、多大な利点を有する。
さらに、ジシラン系の化合物でもないため、価格的にも
有利であるとともに、実働生産性に向いている。本願第
3の特徴手段においては、励起光の照射源としてエキシ
マレーザー、エキシマランプを採用することにより、こ
の光源から、波長が安定しているとともに、比較的大き
なエネルギーの励起光を得て、多結晶シリコンの形成、
さらには絶縁体層の形成を行える。本願第4の特徴手段
においては、少なくとも、193nmの紫外光を照射可
能なArFエキシマレーザーを使用して、ハロゲン化モ
ノシランもしくはジシランを適切に励起することによ
り、多結晶シリコンを有効に堆積させることができる。
さらに、上記の第2原料ガスの励起にも、この紫外光が
励起光として利用でき、例えば、単一の成長室、この光
源及びサセプタを備えるだけで、原料ガスを適切に選
択、切り換えながら、半導体層、絶縁体層の形成を一挙
におこなうことができる。
【0009】本願第5の請求項に係わる光励起気相成長
装置においては、本願第1の特徴手段で説明した工程を
経て、半導体層及び絶縁体層を形成する場合に、半導体
層形成工程において、半導体層形成手段の働きにより、
第1原料ガス供給機構より第1原料ガスを基板表面上方
に導いて半導体層を得、絶縁体層形成工程において、絶
縁体層形成手段の働きにより、第2原料ガス供給機構よ
り第2原料ガスを基板表面上方に導いて絶縁体層を得る
ことができる。本願第6の請求項に係わる光励起気相成
長装置においては、先に説明した、本願第2の特徴手段
の作用を、装置的に確保できる。本願第7の請求項に係
わる光励起気相成長装置においては、エキシマレーザー
もしくはエキシマランプを備えることにより、先に本願
第3の特徴手段で説明した、作用を装置的に確保するこ
とができる。本願第8の請求項に係わる光励起気相成長
装置においては、ArFエキシレーザーを備えることに
より、先に本願第4の特徴手段で説明した、作用を装置
的に確保することができる。
【0010】
【発明の効果】従って、比較的簡単な構成の装置を使用
して、例えば、実用性の高いTFTのゲート等を成すM
IS構造を、安全且つ経済的な原料ガスを使用して、容
易に形成できるMIS構造の製造方法及び光励起気相成
長装置を得ることができた。
【0011】
【実施例】図1は発明の実施に使用する光励起気相成長
装置1の概略図である。真空ポンプ2によって所定の真
空度に排気される成長室3内に、サセプタ4に保持され
た基板5(例えばガラス基板;Corning705
9)が収納されており、加熱機構としてのヒータ6によ
って所定の温度に加熱されるようになっている。この成
長室3に対して、その室3内に原料ガスを供給可能な原
料ガス供給機構7が備えられており、ガス導入管8を経
由して原料ガスを供給するようにしている。一方、成長
室3に対して、基板表面付近のガス雰囲気を励起可能な
励起光9を照射可能な光源10が備えられている。膜層
形成にあたっては、光源10からの入射窓11を通し
て、水平配置の基板表面に対してこれとほぼ平行に、励
起光9を照射する。この実施例では、光源10は、具体
的には、発振波長が193nmであるArFエキシマレ
ーザーである。この波長の励起光は、ジシラン(Si2
6)を直接励起可能である。即ち、ジシランは約22
0nm付近に電子状態励起に伴う光吸収の吸収端を持っ
ているため、結晶性シリコンの形成にあたって、ArF
エキシマレーザーにより、直接これが励起されて、分子
結合の解離を起こす。
【0012】以下さらに、上記の原料ガス供給機構7及
び成膜制御系100について説明する。この原料ガス供
給機構7としては、ハロゲン化モノシランと水素との組
み合わせた第1原料ガス、もしくはハロゲン化モノシラ
ンとジシランと水素とを組み合わせた第1原料ガスを供
給可能な第1原料ガス供給機構7aと、シリコンを供給
可能なシリコン源ガスと、酸素を供給可能な酸素源ガス
または窒素を供給可能な窒素源ガスとを組み合わせた第
2原料ガスを供給可能な第2原料ガス供給機構7bと、
さらに、酸化性ガスを供給可能な酸化性ガス供給機構7
cが備えられている。ここで、前記ハロゲン化モノシラ
ンは、塩化モノシラン(SiHxCl4-x, x=0,1,
2,3)、又は弗化モノシラン(SiHx4-x, x=
0,1,2,3)等である。前記シリコン源ガスとはシ
ラン(SiH4)、ジシラン(Si26)、トリシラン
(Si38)等で、前記酸素源ガスとは一酸化二窒素
(N2O)、一酸化窒素(NO)、一酸化炭素(C
O)、二酸化炭素(CO2)等で、前記窒素源ガスとは
アンモニア(NH3)、ヒドラジン(N26)等で、酸
化性ガスとは酸素、オゾン等である。ここで、絶縁体層
として酸化シリコンを得たい場合には、シリコン源ガス
と酸素源ガスとの組み合わせが選択され、窒化シリコン
を得たい場合には、シリコン源ガスと窒素源ガスとの組
み合わせが選択される。図1においては、第1原料ガス
として、ジシランとジクロルモノシランと水素を、酸化
性ガスとしては酸素を、さらに、第2原料ガスとしてシ
ランおよび一酸化二窒素を使用する例を示している。
【0013】一方、前記第1原料ガス供給機構7aよ
り、第1原料ガスをサセプタ4上に載置される基板5の
表面上方に導き、励起光9を照射して、選択的に半導体
層21としての多結晶シリコンを形成する半導体層形成
手段101と、前記第2原料ガス供給機構7bより、第
2原料ガスを前記基板5の表面上方に導き、励起光9を
照射して、絶縁体層22としての窒化シリコン(Si
N)層、または酸化シリコン(SiO2)層を、形成す
る絶縁体層形成手段102とが備えられている。ここ
で、半導体層形成手段101による半導体層21の形成
と前記絶縁体層形成手段102による絶縁体層22の形
成は、これらが連続して行える構成が採用されている。
さらに、図1に示すように、上記2者の手段101、1
02に加えて、基板5の上方空間に酸化性ガスを導き、
この酸化性ガスに紫外光を照射して、前記半導体層21
として形成される多結晶シリコンの表面に、酸化処理層
23を形成する紫外線処理手段103を備えている。
【0014】以上が本願の光励起気相成長装置1の構成
であるが、以下、本願のMIS構造の製造方法によっ
て、TFT50のゲート部51を製造する手順を説明す
る。このゲート部51は図2に示すように、前記のガラ
ス基板52からなる基板側に多結晶シリコンから成る半
導体層21を、さらに、この半導体層21の上部側に絶
縁性を有するシリコン化合物からなる絶縁体層22を備
えて構成されている。さらに、半導体層21の表層は紫
外線処理により酸化処理層23となる。図2において、
53は、夫々対応する半導体部位に対する電極部であ
り、54はゲート電極である。さらに、半導体層21の
両端にはトランジスタを形成するためのn型多結晶シリ
コン部55が備えられている。さて、本願の手法におい
ては、製造工程は、以下に詳細に説明する第1工程(半
導体層形成工程)、紫外線処理工程、第2工程(絶縁体
層形成工程)を備えて構成される。ここで、全ての工程
は、単一、同一の成長室3内で連続して行われる。
【0015】以下さらに、具体的に説明する。以下の例
においては、絶縁体層として酸化シリコン層を形成する
ものを示す。 1 基板上に半導体層を形成する第1工程(半導体層形
成手段による) この工程は、半導体層21を形成する場合に、ジシラ
ン、ジクロルシラン、水素を含む第1原料ガスを基板5
の表面上方に導き、第1原料ガスを光励起できる波長の
励起光を第1原料ガスに照射して、光励起気相成長法に
より、基板の表面上に選択的に多結晶シリコンを形成す
る工程である。具体的な実施条件を以下に箇条書きす
る。 成膜温度 200〜 450℃ ガス流量 ジシラン 0.5〜 3cc/min ジクロルシラン 5〜 50cc/min 水素 20〜 300cc/min 成膜操作圧力 0.1〜 10Torr レーザー ArF(193nm)10〜100mJ×10〜100Hz 上記条件の範囲において、結晶性シリコンの形成速度
に、差があるものの、所望の多結晶シリコン膜層を得る
ことができた。ここで、各ガスの流量比は上記の範囲の
比で選択することが好ましい。
【0016】但し、上記の実施条件において、以下の条
件が最も好ましかった。 成膜温度 350℃ ガス流量 ジシラン 2cc/min ジクロルシラン 30cc/min 水素 200cc/min 成膜操作圧力 3Torr レーザー ArF(193nm)30mJ×100Hz
【0017】2 半導体層の表面に酸化処理層を形成す
る紫外線処理工程(紫外線処理手段による) この工程は、基板5の、上方空間に酸素を導くととも
に、酸素に紫外光を照射して、半導体層21の表面に、
酸化処理層23を形成する工程である。実施条件を以下
に箇条書きする。 処理温度 100〜 450℃ ガス流量 酸素 100〜1000cc/min 成膜操作圧力 0.1〜 100Torr レーザー ArF(193nm)10〜100mJ×10〜100Hz これらの条件の範囲において、半導体層21の表面に2
nm深さの酸化処理層23を形成することができた。
【0018】但し、上記の実施条件において、以下の条
件が最も好ましかった。 処理温度 350℃ ガス流量 酸素 500cc/min 成膜操作圧力 10Torr レーザー ArF(193nm)30mJ×100Hz
【0019】3 半導体層上に酸化シリコンの絶縁体層
を形成する第2工程(絶縁体層形成手段による) この工程は、以上の工程を経た後、シリコンを供給可能
なシランと、酸素を供給可能な一酸化二窒素とを組み合
わせた第2原料ガスを、基板5の表面上方に導き、第2
原料ガスを光励起できる波長の励起光を第2原料ガスに
照射して、光励起気相成長法により、酸化シリコン(S
iO2)層を、半導体層21の上方側に形成する工程で
ある。具体的な実施条件を以下に箇条書きする。 成膜温度 200〜 450℃ ガス流量 シラン 1〜 10cc/min 一酸化二窒素 10〜 500cc/min 成膜操作圧力 0.1〜 50Torr レーザー ArF(193nm)10〜100mJ×10〜100Hz これらの条件の範囲において、酸化シリコンの形成速度
に、差があるものの、所望の絶縁体層を得ることができ
た。
【0020】但し、上記の実施条件において、以下の条
件が最も好ましかった。 成膜温度 350℃ ガス流量 シラン 4cc/min 一酸化二窒素 400cc/min 成膜操作圧力 15Torr レーザー ArF(193nm)30mJ×100Hz
【0021】以上の工程を経た後、ゲート電極54を設
けて、ゲート部51を構成した。結果、同一の成長室3
内で、供給すべき原料ガス及び形成条件を少々、変化さ
せるだけで、所望のMIS(上記の例の場合はMOS)
構造を得ることができた。本願の手法を採用する場合
は、ステップカバレージが良好であるとともに、多結晶
シリコン膜層(半導体層21)と絶縁体層22との界面
準位密度も1×10 11cm-2eV-1がえられていた。そ
して、MOSダイオードのC−V特性に関しても、EC
R−CVDで得られる程度の良好な特性のものが得られ
た。本願の方法を採用して得られたMIS構造(実質上
はMOSダイオード)のC−V特性を図3に示した。図
において、横軸はゲート電圧(V)であり、縦軸は最大
容量(Cmax)に対する容量比(%)を示している。
図において、実線が本願のものを、破線がECR−CV
Dによるものを、一点鎖線がLTO(低温CVD)によ
るものを、さらに二点鎖線がAPCVD(常圧CVD)
によるものを示している。これらの結果から判明するよ
うに、本願のものが、最もシャープな立ち上がりを示し
ており、良質のゲートが構成されていることが判る。
【0022】〔別実施例〕上記の実施例においては、多
結晶シリコンを得る場合に、ジシランとジクロルシラン
とを組み合わせて第1原料ガスとしたが、形成速度を問
題にしなければ、ジクロルシランに代表されるハロゲン
化シラン単独でも、これを励起・分解してハロゲンラジ
カルを系内に得て、これにより不純物、不正配位置シリ
コン等をエッチングしながら、結晶性シリコンの形成を
おこなうことも可能である。ハロゲン化シランとして
は、SiH2Cl2 、SiH22 、SiCl4 等を使用
でき、これらの励起光としては、波長157nm、17
2nm、193nm等の紫外光を使用して結晶性シリコ
ンの形成をおこなうことができる。この場合は、シリコ
ン、エッチング用のラジカル原料を共に、単一の原料ガ
スにより供給することとなるため、例えば、原料ガス供
給量等の条件が広がり、より実用的な結晶性シリコンの
形成方法となる。さらに、上記の実施例において、多結
晶シリコンを得る場合に、励起光の光源として、発振波
長193nmのArFエキシマレーザーを用いた例につ
いて説明したが、原料ガスを励起できる波長を有するも
のであれば、他のエキシマレーザー(例えばF2レーザ
ー、ArClレーザー等)を使用することも可能であ
る。さらに、本発明による効果を得るためには、特にレ
ーザーを用いる必要はなく、発振波長172nmのエキ
シマランプ等を使用することも可能である。また、レー
ザーの照射方向にあっては、図示するように、基板方向
と平行に位置させる他、基板の上部から垂直に照射する
構成でも、多結晶シリコンの形成をおこなうことができ
る。さらに、上記の実施例においては、ガラス基板を使
用する場合について説明したが、本願においては、形成
温度が従来のものより低く設定できるために、単結晶基
板の他、多結晶基板、非晶質基板を使用することも可能
である。さらに、上記の実施例においては、基板側から
半導体層、絶縁体層、その上部側に電極を設ける場合に
ついて説明したが、この配置構成は問題ではなく、例え
ば基板側に電極を備え、その上部側に絶縁体層をさらに
上部側に半導体層をそなえて、MIS構造を構成する場
合においても、本願の手法を採用すれば良好な特性のも
のを得ることができる。即ち、本願においては、半導体
層及び絶縁体層が、共に、光励起気相成長法によって連
続的に形成されることに、良好な特性の例えばTFTを
得られる。
【0023】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】光励起気相成長装置の構成を示す図
【図2】ゲート部の構成を示す図
【図3】MIS構造のC−V特性を示す図
【図4】低温においてTFTを製造可能な従来の工程の
組み合わせを示す図
【符号の説明】
1 光励起気相成長装置 3 成長室 4 サセプタ 5 基板 6 加熱機構 7 原料ガス供給機構 7a 第1原料ガス供給機構 7b 第2原料ガス供給機構 7c 酸化性ガス供給機構 9 励起光 10 光源 21 半導体層 22 絶縁体層 23 酸化処理層 101 半導体層形成手段 102 絶縁体層形成手段 103 紫外線処理手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/31 B 29/786 21/336

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に対して、多結晶シリコンから成る
    半導体層(21)と、絶縁性を有するシリコン化合物か
    らなる絶縁体層(22)と、金属からなる電極(54)
    とを備えたMIS構造の製造方法であって、 前記半導体層(21)を形成するに、ハロゲン化モノシ
    ランと水素とを組み合わせた第1原料ガス、もしくはハ
    ロゲン化モノシランとジシランと水素とを組み合わせた
    第1原料ガスを、基板の表面上方に導き、前記第1原料
    ガスを光励起できる波長の励起光(9)を前記第1原料
    ガスに照射して、光励起気相成長法により、前記基板
    (5)の表面上に選択的に前記多結晶シリコンを形成す
    る半導体層形成工程と、 前記絶縁体層(22)を形成するに、シリコンを供給可
    能なシリコン源ガスと、酸素を供給可能な酸素源ガスま
    たは窒素を供給可能な窒素源ガスとを組み合わせた第2
    原料ガスを、前記基板(5)の上方に導き、前記第2原
    料ガスを光励起できる波長の励起光(9)を前記第2原
    料ガスに照射して、光励起気相成長法により、酸化シリ
    コン(SiO2)層または窒化シリコン(SiN)層
    を、形成する絶縁体層形成工程とを備え、 前記両工程を連続して行うMIS構造の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化モノシランが、塩化モノ
    シラン(SiHxCl4-x, x=0,1,2,3)、又は
    弗化モノシラン(SiHx4-x, x=0,1,2,3)
    である請求項1のMIS構造の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記励起光(9)が、エキシマレーザー
    又はエキシマランプから照射される紫外光である請求項
    1又は2記載のMIS構造の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記エキシマレーザーが、ArFエキシ
    マレーザーである請求項3記載のMIS構造の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 基板(5)を保持するための加熱機構
    (6)を備えたサセプタ(4)を、減圧可能な成長室
    (3)内に備え、前記サセプタ(4)の上方空間に原料
    ガスを励起する励起光(9)を照射可能な光源(10)
    と、前記成長室(3)内に前記原料ガスを供給可能な原
    料ガス供給機構(7)とを備えた光励起気相成長装置で
    あって、 前記原料ガス供給機構(7)として、ハロゲン化モノシ
    ランと水素とを組み合わせた第1原料ガス、もしくはハ
    ロゲン化モノシランとジシランと水素とを組み合わせた
    第1原料ガスを供給可能な第1原料ガス供給機構(7
    a)と、 シリコンを供給可能なシリコン源ガスと、酸素を供給可
    能な酸素源ガスまたは窒素を供給可能な窒素源ガスとを
    組み合わせた第2原料ガスを供給可能な第2原料ガス供
    給機構(7b)とを備え、 前記第1原料ガス供給機構(7a)より、前記第1原料
    ガスを前記サセプタ(4)上に載置される前記基板
    (5)の表面上方に導き、前記励起光(9)を照射し
    て、選択的に半導体層(21)としての多結晶シリコン
    を形成する半導体層形成手段(101)と、 前記第2原料ガス供給機構(7b)より、前記第2原料
    ガスを前記基板(5)の表面上方に導き、前記励起光
    (9)を照射して、絶縁体層(22)としての酸化シリ
    コン(SiO2)層または窒化シリコン(SiN)層を
    形成する絶縁体層形成手段(102)とを備えた光励起
    気相成長装置。
  6. 【請求項6】 前記ハロゲン化モノシランが、塩化モノ
    シラン(SiHxCl4-x, x=0,1,2,3)、又は
    弗化モノシラン(SiHx4-x, x=0,1,2,3)
    である請求項5記載の光励起気相成長装置。
  7. 【請求項7】 前記光源(10)が、エキシマレーザー
    又はエキシマランプである請求項5又は6記載の光励起
    気相成長装置。
  8. 【請求項8】 前記エキシマレーザーが、ArFエキシ
    マレーザーである請求項7記載の光励起気相成長装置。
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