JPH08335581A - 窒化シリコン膜の形成方法 - Google Patents

窒化シリコン膜の形成方法

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JPH08335581A
JPH08335581A JP14019695A JP14019695A JPH08335581A JP H08335581 A JPH08335581 A JP H08335581A JP 14019695 A JP14019695 A JP 14019695A JP 14019695 A JP14019695 A JP 14019695A JP H08335581 A JPH08335581 A JP H08335581A
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film
silicon nitride
forming
nitride film
source gas
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JP14019695A
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Naoki Inoue
直樹 井上
Shigeru Morikawa
茂 森川
Takeshi Takagi
剛 高木
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステップカバレッジに優れ、比誘電率Erが
高く、例えば液晶パネルとして使用する場合に大面積化
が可能で、且つ、製品ダメージの少ない低温成膜の可能
な窒化シリコン膜を、高速に形成することができる窒化
シリコン膜の形成方法を提供する。 【構成】 シリコンを含有するシリコン源ガスと窒素を
含有する窒素源ガスとを成膜対象面上に導き、前記成膜
対象面上にある前記両ガスを含む原料ガスに励起光を照
射して、光励起気相成長法によって前記成膜対象面上に
窒化シリコン膜を得る窒化シリコン膜の形成方法におい
て、前記原料ガスとともに、ハロゲンを含有するハロゲ
ン源ガスを前記成膜対象面上に導いて成膜をおこなう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコンを含有するシ
リコン源ガスと窒素を含有する窒素源ガスとを成膜対象
面上に導き、前記成膜対象面上にある前記両ガスを含む
原料ガスに励起光を照射して、光励起気相成長法によっ
て前記成膜対象面上に窒化シリコン膜を得る窒化シリコ
ン膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近来、ポリシリコンTFTが大型の液晶
パネルを実現するものとして注目されている。このよう
なポリシリコンTFTは、そのゲート部にゲート絶縁膜
を備えて構成されるものであり、このゲート絶縁膜を低
温プロセス(450℃以下)から得ることが、製品品質
のうえで一つの重要な技術的課題である。さて、ポリシ
リコンTFTにおいて、そのゲート絶縁膜を低温で実現
する方法としては、以下の二つの方法が知られている。
第1の方法は、ECR−CVD法を使用して酸化シリコ
ン膜(SiO2)を得る方法である。この方法では比較
的低温で界面準位密度の少ない良好なゲート絶縁膜を得
ることができる。第2の方法は、本願が対応する光CV
D法により窒化シリコン膜(SiN)を得る方法であ
る。この方法にあっては、低圧水銀ランプによる光CV
D法を用いて窒化シリコン膜を形成し、酸化シリコンよ
り比誘電率Erが大きいものが得られる。従って、この
方法では液晶パネルの高開口率化を実現できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の従来技術
にあっては、それぞれ、以下のような問題点があった。 1 ECR−CVD法により酸化シリコン膜を得る方法 この方法にあっては、ステップカバレッジ(段差被覆
性)が悪く、大面積化が困難である。また、原料ガスの
イオン化により、基板へのダメージの発生もある。さら
に、酸化シリコンは比誘電率Erが小さいため、ゲート
絶縁膜形成時に同時に形成される補助容量部の面積が大
きくなり、液晶パネルの開口率が小さくなり、画面が暗
くなる。 2 低圧水銀ランプによる光CVD法により窒化シリコ
ン膜を得る方法 この方法は、光化学反応を起こされるのに必要な真空紫
外線領域の光源としてランプを用いる方法であるが、パ
ワー的に充分な堆積速度を得るには不足しており、その
成膜速度が小さい。 従って、本発明の目的は、ステップカバレッジに優れ、
比誘電率Erが高く、例えば液晶パネルとして使用する
場合に大面積化が可能で、且つ、製品ダメージの少ない
低温成膜の可能な窒化シリコン膜を、高速に形成するこ
とができる窒化シリコン膜の形成方法を提供することに
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の請求項1に係わる本願の光励起気相成長法によって成
膜対象面上に窒化シリコン膜を得る窒化シリコン膜の形
成方法の特徴手段は、シリコン源ガス、窒素源ガスの両
者を含む原料ガスとともに、ハロゲンを含有するハロゲ
ン源ガスを成膜対象面上に導いて成膜をおこなうことに
ある。請求項1に係わる窒化シリコン膜の形成方法にお
いて、前記シリコン源ガスがシランで、前記窒素源ガス
がアンモニアであり、前記ハロゲン源ガスがジクロルシ
ランであることが好ましい。これが、請求項2に係わる
窒化シリコン膜の形成方法の特徴手段である。請求項1
に係わる窒化シリコン膜の形成方法において、前記シリ
コン源ガスと前記ハロゲン源ガスとが、ともにジクロル
シランであり、前記窒素源ガスがアンモニアであること
が好ましい。これが、請求項3に係わる窒化シリコン膜
の形成方法の特徴手段である。請求項1、2または3に
係わる窒化シリコン膜の形成方法において、前記励起光
が、エキシマレーザー又はエキシマランプから照射され
る紫外光であることが好ましい。これが、請求項4に係
わる窒化シリコン膜の形成方法の特徴手段である。請求
項1、2または3に係わる窒化シリコン膜の形成方法に
おいて、前記励起光が、ArFエキシマレーザーから照
射される紫外光であることが好ましい。これが、請求項
5に係わる窒化シリコン膜の形成方法の特徴手段であ
る。さらに、請求項1〜5のいずれか1項に係わる窒化
シリコン膜の形成方法において、前記成膜対象面が、ガ
ラス基板上に光励起気相成長法によって形成されるポリ
シリコン膜であり、前記ポリシリコン膜の形成工程と前
記窒化シリコン膜の形成工程とを、成膜チャンバー内の
真空状態を維持した状態で連続的に行うことが好まし
い。これが、請求項6に係わる窒化シリコン膜の形成方
法の特徴手段である。そして、その作用・効果は次の通
りである。
【0005】
【作用】請求項1に係わる窒化シリコン膜の形成方法に
ついて以下説明する。この方法にあっては、成膜に光励
起気相成長法が採用されるとともに、窒化シリコン膜を
形成するの基本的な材料であるシリコン源ガス及び窒素
源ガスの他に、ハロゲン源ガスが供給される。成膜にあ
たっては、励起光によって、これらのガスが励起されて
成膜が進む。さて、発明者らは、上記のようにハロゲン
源ガスが介在した状態で窒化シリコンの成膜をおこなう
と、成膜温度が低下できること、成膜速度が上昇するこ
と、さらに段差被覆性が良好で、界面準位密度が低く、
比誘電率が高いものが得られることを、見出した。例え
ば、シランとアンモニアから窒化シリコン膜を形成する
場合に、ジクロルシランをこれらのガスに添加すると、
界面準位密度が2×1011から1×1011cm-2eV-1
に向上する。さらに比誘電率Erに関しては、同様に
5.1から5.7に向上する。これは、ハロゲンラジカ
ルを伴って成膜を進める場合は、このラジカルによる成
膜対象面上に於ける不純物のエッチング効果や、成膜中
にSiN膜中に取り込まれる不純物がエッチングされる
ため、良質の界面、良質の膜が形成されるものと考えら
れる。従って、この方法は非常に有用である。請求項2
に係わる窒化シリコン膜の形成方法にあっては、シラン
とアンモニアの組み合わせに加えて、ジクロルシランを
添加供給することにより、上記の様な特性を有する窒化
シリコン膜を、入手容易且つ一般的な材料を使用して、
形成できる。請求項3に係わる窒化シリコン膜の形成方
法にあっては、シリコン源ガスとハロゲン源ガスとして
共通のジクロルシランを使用し、このジクロルシランと
アンモニアの組み合わせに加えて成膜を進めることがで
きる。従って、成膜チャンバー内に供給されるガスの種
類を減少させることが可能となり、供給ガス量の制御が
簡単となり、安定した成膜をおこないやすくなる。請求
項4に係わる窒化シリコン膜の形成方法にあっては、励
起光の照射源としてエキシマレーザーもしくはエキシマ
ランプを使用する。従って、この場合は、これらの光源
から波長が安定するとともに、比較的大きなエネルギー
の励起光を安定して得て、成膜をおこなうことができ
る。請求項5に係わる窒化シリコン膜の形成方法にあっ
ては、励起光の照射源としてArFエキシマレーザーを
使用する。この場合は、波長が安定するとともに、大き
なエネルギーの励起光を安定して得て、原料ガスおよび
ハロゲン源ガスの励起を有効に進めて、比較的高い成膜
速度で成膜をおこなうことができる。例えば50Å/m
in以上の高成膜速度が実現できる。請求項6に係わる
窒化シリコン膜の形成方法にあっては、例えばポリシリ
コンTFTのチャネルとして使用できるポリシリコン膜
を形成した後、このポリシリコン膜の上にゲート絶縁膜
として使用できる窒化シリコン膜を形成する場合におい
て、両者の成膜工程を連続した真空状態でおこなうこと
となるため、界面が大気に曝されることなく、良質の界
面が形成できる。従って、例えば、ポリシリコンTFT
として使用する場合は、その特性が向上する。
【0006】
【発明の効果】従って、請求項1に係わる窒化シリコン
膜の形成方法を採用する場合は、成膜速度、ステップカ
バレッジ、比誘電率Er、界面準位密度等のいずれの点
においても良好な窒化シリコン膜を得ることができる方
法が得られた。請求項2に係わる窒化シリコン膜の形成
方法を採用する場合は、従来手法に対して、比較的入手
容易且つ一般的な材料であるジクロルシランを追加供給
するだけの構成で、良好な窒化シリコン膜を得ることが
できる方法が得られた。請求項3に係わる窒化シリコン
膜の形成方法を採用する場合は、成膜チャンバー内に供
給すべきガス種を減らせて成膜を行えるようになった。
請求項4に係わる窒化シリコン膜の形成方法を採用する
場合は、光励起気相成長法で成膜をおこなうにあたり、
これを安定しておこなえる。請求項5に係わる窒化シリ
コン膜の形成方法を採用する場合は、光励起気相成長法
を実施するにあたり、これを安定して高速でおこなえ
る。請求項6に係わる窒化シリコン膜の形成方法を採用
する場合は、ポリシリコン膜と窒化シリコン膜との関係
において、その界面状態が良好なものを得ることが可能
となった。
【0007】
【実施例】本願の実施例を図面に基づいて説明する。図
1には、本願の窒化シリコン膜の形成方法が使用される
光CVD装置1の構成を示している。装置1は、励起用
の紫外レーザー光2を成膜チャンバー3内に照射するA
rFエキシマレーザー4(照射光波長193nm)と、
成膜対象の基板5を保持可能な基板保持台6を内部に備
えた成膜チャンバー3と、この成膜チャンバー3内のガ
スを吸引可能な真空ポンプ7等を備えて構成されてい
る。前記成膜チャンバー3には、前述の紫外レーザー光
2をチャンバー3内に透過させる入射窓3aを備えると
ともに、これを外部に導く出射窓3bを備えている。さ
らに、同図に示すように、成膜チャンバー3の天井面中
央には、成膜時に成膜材料となる原料ガスを導入するガ
ス導入路8が備えられている。一方、基板保持台6の下
方部位には、真空ポンプ7を備えた排気機構9が備えら
れており、成膜チャンバー3内を所定の真空状態に維持
可能な構成が採用されている。この基板保持台6には加
熱機構10が備えられている。又、前述の成膜チャンバ
ー3内で入射窓3aの近傍には、不活性ガスとしての窒
素ガスを導いて、この窓部3aに生成物が形成されるの
を防止する構成が取られている。前記原料ガスとして
は、図示する例においては、シランとアンモニアがそれ
にあたる。さらに、本願にあっては、成膜時にハロゲン
ラジカルを供給できるハロゲン源ガスとしてのジクロル
シランが供給されるように構成されている。そして、窒
素ガスが希釈・搬送用のガスとして使用される。前述の
ArFエキシマレーザー4から照射される励起用の紫外
レーザー光2は入射窓3aの手前に配設される光学系1
1により、図1において表裏方向に幅を有するシート状
の励起光光線束に成形され、基板保持台6の上部に導か
れる。従って、この励起光光線束は、上方から基板を覆
うように導入され、この部位に導かれる。そして、前記
原料ガスさらにはハロゲン源ガスを励起分解して、基板
上に所定の膜を形成することができる。前記ArFエキ
シマレーザー4には、これに必要なガス(Arガス、F
2/Heガス、Neガス、Heガス)を供給するための
ガス供給機構12が備えられている。
【0008】成膜時には、真空ポンプ7を働かせて成膜
チャンバー3内を所定の真空度に保つとともに、前記A
rFエキシマレーザー4から励起光を基板上方に照射し
た状態で、原料ガス、本願特有のハロゲン源ガスを基板
近傍に導いて成膜をおこなう。先に説明したように、図
2に示すように、ポリシリコンTFTのゲート絶縁膜を
成膜する場合にあっては、ガラス基板5上に予め形成さ
れているチャネルとなるポリシリコン膜5a上に、ゲー
ト絶縁膜としてなる窒化シリコン膜5bを形成すること
となる。図2において5cはAlソース電極、5dはI
TOドレイン電極、5eはゲートである。このポリシリ
コン膜5aの形成にあたっては、ジシラン、ハロゲン化
モノシラン(例えば塩化シラン)、さらに水素をポリシ
リコンに対する原料ガスとしてガラス基板面上に供給
し、上述のArFエキシマレーザー4からの紫外レーザ
ー光を励起光として、光励起気相成長法でこれを形成す
るのが、低温かつ安価なポリシリコン膜の形成に有効で
ある。さて、本願にあっては、このような手法で基板5
上に形成されているポリシリコン膜5a上に、ゲート絶
縁膜としての窒化シリコン膜5bが形成される。ポリシ
リコン膜5aの形成及び窒化シリコン膜5bの形成にあ
っては、これらがともに、ArFエキシマレーザーから
照射される紫外レーザー光を使用して行えるため、本願
にあっては、ポリシリコン膜5aの形成工程と窒化シリ
コン膜5bの形成工程とを、成膜チャンバー内の真空状
態を維持した状態で連続的に行う。このような手法を採
用すると、ポリシリコンと窒化シリコンの界面が大気に
曝されることなく影響を受けないため、良質の界面を形
成でき、ポリシリコンTFTの特性が向上する。
【0009】以下、窒化シリコン膜のゲート絶縁膜への
適応性を評価するためにシリコン基板上に窒化シリコン
膜を形成する工程について説明する。成膜チャンバー3
内は、真空ポンプ7の働きによって所定の真空状態に保
たれるとともに、ArFエキシマレーザー4から励起光
が、基板上方位置13に照射される。そして、シラン、
ジクロルシラン、アンモニアが所定の流量比で成膜チャ
ンバー3内の基板5上に導かれる。ここで、基板5及び
その基板近傍は、基板保持台6内に備えられている加熱
機構10により、所定の成膜温度に保たれる。窒素ガス
は、搬送・希釈の役割を果たす。
【0010】成膜条件の概略を以下に箇条書きする。
【表1】 基板 n−Si 成膜温度 250〜550℃ 成膜チャンバー内圧 1〜10Torr ガス流量 シラン 1 〜10ccm ジクロルシラン 1 〜20ccm アンモニア 10 〜200ccm 窒素 500〜2000ccm レーザー ArF(193nm)
【0011】以下、上記のようにして形成される窒化シ
リコン膜の特性を従来方法と比較して説明する。 (1) 成膜温度 本願の手法にあっては、窒化シリコン膜の成膜は、25
0℃〜550℃の温度範囲でおこなうことができる。こ
れは、先に説明した低圧水銀ランプを使用する場合(こ
の方法では成膜温度は500℃程度である)と比較する
と、かなり低いものとなっている。従って、基板、基板
上に形成されている膜へのダメージが低い状態で成膜を
行える利点があることが判る。 (2) 成膜速度 本願の手法にあっては、窒化シリコン膜の成膜を、50
Å/min以上でおこなうことができる。これは、先に
説明した低圧水銀ランプを使用する場合(この方法では
成膜速度は20〜30Å/minである)と比較して、
かなり早い。従って、生産効率を向上させることができ
る。 (3) 段差被覆性 この手法によると段差被覆性は、例えばECR−CVD
法に比べてかなり良い。さて、本願の方法により得られ
る窒化シリコン膜と、同一の原料ガスを使用し、ハロゲ
ンガスを含まないで成膜をおこなった場合に得られる窒
化シリコン膜との特性の関係を、以下図面とともに説明
する。図3に成膜温度と比誘電率との関係を、図4に本
願方法で得られる窒化シリコン膜のC−V特性を、図5
に従来方法で得られる窒化シリコン膜のC−V特性を、
さらに、図6に成膜温度とFT−IRによる結合状態と
の関係を示した。これらの図(図3、図4、図5、図
6)において、本願の方法により得られた結果を黒印で
示し、従来の方法のもの(同一の原料ガスのみを使用
し、ハロゲンを使用しないもの)を中抜きの白印で示し
ている。そして、SiH4/SiH2Cl2/NH3で符号
されるものが本願の結果であり、SiH4/NH3で符号
されるものがハロゲンを使用しない場合の結果である。 (4) 比誘電率 本願のハロゲンラジカルを介在させた状態での成膜と、
ハロゲンラジカルが無い場合での成膜の結果を成膜温度
とともに、図3に示した。ここで、黒印は本願の方法に
よるものを、白印は本願と同様な光励起気相成長法(A
rFエキシマレーザー励起光を使用するもの)により、
ハロゲンガスを添加することなしに成膜したものを示し
ている。図から判明するように、いずれの温度において
も、本願方法によるものの方が比誘電率が高く、良好な
結果が得られていることがわかる。従って、TFT液晶
パネルの大開口率化に貢献することができる。 (5) C−V特性 本願のハロゲンラジカルを介在させた状態での成膜と、
ハロゲンラジカルが無い場合での成膜の結果を、成膜温
度とともに、図4、図5に示した。図4は本願の結果で
あり、図5は、先に比誘電率の項で説明した光励起気相
成長法(ArFエキシマレーザー励起光を使用するも
の)により、ハロゲンガスを添加することなしに成膜し
たものを示している。両図において、同一成膜温度のも
のを比較すると、図4のもののほうがC−V曲線の立ち
上がりが急峻になっており、界面準位密度が減少したこ
とを示している。本願の手法を取る場合は、350℃成
膜において、ICTS法による界面準位密度が1×10
11cm-2eV-1と良好な値である。一方、ハロゲンの介
在が無い場合は、350℃成膜において、ICTS法に
よる界面準位密度が2×1011cm-2eV-1であり、品
質的に劣ることが判る。さらに、本願の手法を取る場合
においては、図4から判明するように、成膜温度が上昇
するに従って、フラットバンド電圧がシフトする。従っ
て、本方法を採用する場合は、成膜温度を400℃以下
に設定して、成膜をおこなうことが好ましい。この場合
は、フラットバンド電圧のシフトが少ないものを得るこ
とができる。
【0012】(6) 各元素の結合状態 本願のハロゲンラジカルを介在させた状態での成膜と、
ハロゲンラジカルが無い場合での成膜の結果を、成膜温
度とともに、図6に示した。黒印と白印の分類は先の通
りであり、各記号と元素間の関係を図内に示した。縦軸
は、FI−IRスペクトルから得られるSiNピーク結
合強度にて、正規化した結合強度である。図から、Si
−O、Si−H、N−Hの結合強度が、夫々について、
ハロゲンラジカルを介在させるもの(黒印)と、ハロゲ
ンラジカルを介在させないもの(白印)とで、Si−
O、Si−Hについて前者のほうが結合が弱く、N−H
に関して前者のもののほうが強く良好な特性を示してい
ることが判る。上記したように、本願のようなハロゲン
ラジカルの介在を伴って成膜を進める場合は、このラジ
カルによる成膜対象面(Si面)上に於ける不純物のエ
ッチング効果や、成膜中にSiN膜中に取り込まれる不
純物がエッチングされるため、良質の界面、良質の膜が
形成されるものと考えられる。
【0013】〔別実施例〕本願の別実施例について以下
説明する。 (イ) 上記の実施例においては、シリコン源ガスとし
て、モノシランを使用したが、ジシランの他、任意のシ
ラン系ガスをシリコン源ガスとして使用することができ
る。 (ロ) 上記の実施例においては、窒素源ガスとして、
アンモニアを使用したが、ヒドラジン、酸化二窒素(N
2O)等を、窒素源ガスとして使用することができる。 (ハ) 上記の実施例においては、ハロゲン源ガスとし
て、ジクロルシランを使用したが、この他、テトラクロ
ルシラン、トリクロルシラン、テトラフロオロシラン、
トリフロオロシラン、ジフルオロシラン、塩素、フッ
素、塩化水素、フッ化水素等も使用することができる。
ここで、ジクロルシランを使用する場合は、比較的安全
で材料が安価である利点がある。 (ニ) 上記の実施例においては、励起光として、Ar
Fエキシマレーザーを使用したが、このレーザーの他、
2エキシマレーザー等も使用することが可能であると
ともに、エキシマランプを使用することもできる。 (ホ) さらに、上記の実施例においては、ポリシリコ
ンTFTのゲート絶縁膜として、本願手法により得られ
る窒化シリコン膜を形成する例を示したが、窒化シリコ
ン膜は絶縁膜として良好な特性を備えることとできるた
め、任意の用途の絶縁膜として採用することができる。
即ち、低温での絶縁膜形成が要求されるガリウム砒素、
インジウムリン系の化合物半導体用絶縁膜として、利用
する場合も有効である。この絶縁膜が形成される成膜対
象面がシリコン系であるものが、上記の実施例で示した
ように特に好ましい。 (ヘ) さらに、上記の実施例においては、シリコン源
ガスとハロゲン源ガスとを、別種のガス(シランとジク
ロルシラン)を組み合わせ構成したが、例えばジクロル
シランは、その自体がシリコンとハロゲンである塩素を
有するため、これ単独で、窒素源ガスとを組み合わせて
成膜をおこなうことも可能である。即ちこの場合は、シ
リコン源ガスと前記ハロゲン源ガスとが、共通のガスで
あり、これと窒素源ガスを組み合わせて成膜をおこな
う。この場合は、装置系を簡略化することができる。
【0014】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザーCVD装置の構成を示す図
【図2】ポリシリコンTFTのゲート部の成膜構成の簡
略図
【図3】成膜温度と比誘電率との関係を示す図
【図4】本願方法で得られる窒化シリコン膜のC−V特
性を示す図
【図5】従来方法で得られる窒化シリコン膜のC−V特
性を示す図
【図6】成膜温度とFT−IRによる結合状態との関係
を示す図
【符号の説明】
3 成膜チャンバー 4 ArFエキシマレーザー 5a ポリシリコン膜 5b 窒化シリコン膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコンを含有するシリコン源ガスと窒
    素を含有する窒素源ガスとを成膜対象面上に導き、前記
    成膜対象面上にある前記両ガスを含む原料ガスに励起光
    を照射して、光励起気相成長法によって前記成膜対象面
    上に窒化シリコン膜(5b)を得る窒化シリコン膜の形
    成方法であって、前記原料ガスとともに、ハロゲンを含
    有するハロゲン源ガスを前記成膜対象面上に導いて成膜
    をおこなう窒化シリコン膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン源ガスがシランで、前記窒
    素源ガスがアンモニアであり、前記ハロゲン源ガスがジ
    クロルシランである請求項1記載の窒化シリコン膜の形
    成方法。
  3. 【請求項3】 前記シリコン源ガスと前記ハロゲン源ガ
    スとが、ともにジクロルシランであり、前記窒素源ガス
    がアンモニアである請求項1記載の窒化シリコン膜の形
    成方法。
  4. 【請求項4】 前記励起光が、エキシマレーザー又はエ
    キシマランプから照射される紫外光である請求項1、2
    又は3記載の窒化シリコン膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記励起光が、ArFエキシマレーザー
    (4)から照射される紫外光である請求項1、2又は3
    記載の窒化シリコン膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記成膜対象面が、ガラス基板上に光励
    起気相成長法によって形成されるポリシリコン膜(5
    a)の表面であり、前記ポリシリコン膜(5a)の形成
    工程と前記窒化シリコン膜(5b)の形成工程とを、成
    膜チャンバー(3)内の真空状態を維持した状態で連続
    的に行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の窒化シリ
    コン膜の形成方法。
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