JPH0888141A - リードフレーム及びその製造方法 - Google Patents
リードフレーム及びその製造方法Info
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- JPH0888141A JPH0888141A JP6248676A JP24867694A JPH0888141A JP H0888141 A JPH0888141 A JP H0888141A JP 6248676 A JP6248676 A JP 6248676A JP 24867694 A JP24867694 A JP 24867694A JP H0888141 A JPH0888141 A JP H0888141A
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- Japan
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- lead frame
- electronic component
- solder plating
- plating layer
- pretreatment
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電子部品と基板とのはんだ付け性、及び電子
部品素子とリードフレームとのボンディング性に優れ、
電子部品の電気的特性を十分に引き出すことのできるリ
ードフレーム及びその製造方法を提供することである。 【構成】 リードフレーム3,4を構成する金属地金M
の表面に、有機添加剤を有するはんだめっき層8を形成
し、140〜180℃で0.5〜3時間(160℃・3
時間)の前処理を行う。この前処理によりはんだめっき
層内の有機添加剤があらかじめ揮発してほとんど含有し
ていない状態、はんだめっき層の厚さ・密度が均一な状
態となる。これに、金属接着剤5(銀接着剤51)を介
して電子部品素子2(コンデンサ素子21)を接続す
る。金属接着剤の熱硬化時にはんだめっき層に熱が加わ
っても、有機添加剤の揮発が無いため空隙が発生せず、
リードフレームに電子部品素子が物理的・電気的に良好
な状態で密着固定される。
部品素子とリードフレームとのボンディング性に優れ、
電子部品の電気的特性を十分に引き出すことのできるリ
ードフレーム及びその製造方法を提供することである。 【構成】 リードフレーム3,4を構成する金属地金M
の表面に、有機添加剤を有するはんだめっき層8を形成
し、140〜180℃で0.5〜3時間(160℃・3
時間)の前処理を行う。この前処理によりはんだめっき
層内の有機添加剤があらかじめ揮発してほとんど含有し
ていない状態、はんだめっき層の厚さ・密度が均一な状
態となる。これに、金属接着剤5(銀接着剤51)を介
して電子部品素子2(コンデンサ素子21)を接続す
る。金属接着剤の熱硬化時にはんだめっき層に熱が加わ
っても、有機添加剤の揮発が無いため空隙が発生せず、
リードフレームに電子部品素子が物理的・電気的に良好
な状態で密着固定される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子部品用のリードフ
レームとその製造方法に関する。
レームとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子部品は、金属からなるリー
ドフレームを介して基板に装着されて使用される。この
リードフレームは、電子部品の電極と基板とを接続する
ための外部配線手段として設けられるものである。これ
は、リードフレームの脚部となる部分に、あらかじめ打
ち抜きなどにより多数のスリットを形成する。そして、
電子部品素子を接続すると、スリットに挟まれた細い金
属部分が1本ずつのリード線となる。
ドフレームを介して基板に装着されて使用される。この
リードフレームは、電子部品の電極と基板とを接続する
ための外部配線手段として設けられるものである。これ
は、リードフレームの脚部となる部分に、あらかじめ打
ち抜きなどにより多数のスリットを形成する。そして、
電子部品素子を接続すると、スリットに挟まれた細い金
属部分が1本ずつのリード線となる。
【0003】このようなリードフレームに電子部品素子
を接続する際には、一般に銀や銅などの金属接着剤を使
用して、密着固定されている。ここで、電子部品は、リ
ードフレームと基板の固定(はんだ付け性)が確実であ
ることと共に、電子部品素子の電極とリードフレームと
の結線(ボンディング性)が正確である必要がある。こ
のため、リードフレームと基板とのはんだ付け性、及び
電子部品素子の電極とリードフレームとのボンディング
性を確保する手段として、リードフレームには、予めは
んだめっきが施されている。
を接続する際には、一般に銀や銅などの金属接着剤を使
用して、密着固定されている。ここで、電子部品は、リ
ードフレームと基板の固定(はんだ付け性)が確実であ
ることと共に、電子部品素子の電極とリードフレームと
の結線(ボンディング性)が正確である必要がある。こ
のため、リードフレームと基板とのはんだ付け性、及び
電子部品素子の電極とリードフレームとのボンディング
性を確保する手段として、リードフレームには、予めは
んだめっきが施されている。
【0004】はんだめっきは、一般に電解めっき法によ
り行われる。この電解めっき法では、はんだめっき液
に、アミン系芳香族エステル誘導体または界面活性剤な
どの有機添加剤が添加されて使用される。この有機添加
剤は、通常はんだめっきを施したリードフレームの表層
(はんだめっき層)内に200〜1000ppm取り込
まれることが判明している。
り行われる。この電解めっき法では、はんだめっき液
に、アミン系芳香族エステル誘導体または界面活性剤な
どの有機添加剤が添加されて使用される。この有機添加
剤は、通常はんだめっきを施したリードフレームの表層
(はんだめっき層)内に200〜1000ppm取り込
まれることが判明している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
リードフレームでは、次のような問題が発生している。
すなわち、リードフレームに電子部品素子を接続する際
には、前記金属接着剤を熱硬化させることにより行って
いる。このため、150〜200℃・2時間の加熱が行
われる。
リードフレームでは、次のような問題が発生している。
すなわち、リードフレームに電子部品素子を接続する際
には、前記金属接着剤を熱硬化させることにより行って
いる。このため、150〜200℃・2時間の加熱が行
われる。
【0006】このような加熱により、前記はんだめっき
層内の有機添加剤が気化し、これがはんだめっき層内か
ら揮発する。このように有機添加剤が揮発すると、はん
だめっき層の厚み・密度が不均一となり、リードフレー
ムと金属接着剤との間に空隙ができることにもなる。こ
のような空隙があると、リードフレームと電子部品素子
との物理的及び電気的な接続が悪化し、はんだ付け性及
びボンディング性が低下することになる。これでは、電
子部品素子の持つ本来の電気的特性を十分に引き出すこ
とができなくなる。
層内の有機添加剤が気化し、これがはんだめっき層内か
ら揮発する。このように有機添加剤が揮発すると、はん
だめっき層の厚み・密度が不均一となり、リードフレー
ムと金属接着剤との間に空隙ができることにもなる。こ
のような空隙があると、リードフレームと電子部品素子
との物理的及び電気的な接続が悪化し、はんだ付け性及
びボンディング性が低下することになる。これでは、電
子部品素子の持つ本来の電気的特性を十分に引き出すこ
とができなくなる。
【0007】さらに、電子部品に設けられたリードフレ
ームを基板に装着する際には、リフローソルダリング法
などによりはんだ付けを行っている。この際には、23
0〜260℃の熱が加えられることになる。これでは、
はんだめっき層内から有機添加剤の揮発をさらに促すこ
とになり、空隙が拡大することにもなる。これでは、リ
ードフレームと電子部品素子とが接続不良状態となり、
電子部品の不良品発生率の増加にもつながることにな
る。
ームを基板に装着する際には、リフローソルダリング法
などによりはんだ付けを行っている。この際には、23
0〜260℃の熱が加えられることになる。これでは、
はんだめっき層内から有機添加剤の揮発をさらに促すこ
とになり、空隙が拡大することにもなる。これでは、リ
ードフレームと電子部品素子とが接続不良状態となり、
電子部品の不良品発生率の増加にもつながることにな
る。
【0008】本発明は、以上のような従来技術の問題を
解決するために提案されものであり、その第1の目的
は、リードフレームと基板とのはんだ付け性、及び電子
部品素子の電極とリードフレームとのボンディング性に
優れ、電子部品の電気的特性を十分に引き出すことので
きるリードフレームを提供することである。第2の目的
は、前記のはんだ付け性及びボンディング性に優れ、電
子部品の電気的特性を十分に引き出すことのできるリー
ドフレームの製造方法を提供することである。第3の目
的は、前処理により確実に有機添加剤を揮発させること
のできるリードフレームの製造方法を提供することであ
る。第4の目的は、前処理によりはんだめっき層から有
機添加剤を揮発させる場合に、はんだめっき層を溶融す
ることや表面を酸化させることなく、有機添加剤を確実
に揮発させることのできるリードフレームの製造方法を
提供することである。
解決するために提案されものであり、その第1の目的
は、リードフレームと基板とのはんだ付け性、及び電子
部品素子の電極とリードフレームとのボンディング性に
優れ、電子部品の電気的特性を十分に引き出すことので
きるリードフレームを提供することである。第2の目的
は、前記のはんだ付け性及びボンディング性に優れ、電
子部品の電気的特性を十分に引き出すことのできるリー
ドフレームの製造方法を提供することである。第3の目
的は、前処理により確実に有機添加剤を揮発させること
のできるリードフレームの製造方法を提供することであ
る。第4の目的は、前処理によりはんだめっき層から有
機添加剤を揮発させる場合に、はんだめっき層を溶融す
ることや表面を酸化させることなく、有機添加剤を確実
に揮発させることのできるリードフレームの製造方法を
提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような従来技術の
問題点を解決するために、請求項1記載の発明は、金属
地金の表面に、有機添加剤を有するはんだめっきにより
はんだめっき層が形成され、そのはんだめっき層上に金
属接着剤を介して電子部品素子が接続されるリードフレ
ームにおいて、前記はんだめっき層は、その内部の有機
添加剤の含有量が10ppm以下であることを特徴とす
る。
問題点を解決するために、請求項1記載の発明は、金属
地金の表面に、有機添加剤を有するはんだめっきにより
はんだめっき層が形成され、そのはんだめっき層上に金
属接着剤を介して電子部品素子が接続されるリードフレ
ームにおいて、前記はんだめっき層は、その内部の有機
添加剤の含有量が10ppm以下であることを特徴とす
る。
【0010】請求項2記載の発明は、金属地金の表面
に、有機添加剤を有するはんだめっきを施してはんだめ
っき層を形成し、そのはんだめっき層上に金属接着剤を
介して電子部品素子を接続するリードフレームの製造方
法において、前記はんだめっき層形成後に加熱による前
処理を行い、この後、電子部品素子を接続することを特
徴とする。
に、有機添加剤を有するはんだめっきを施してはんだめ
っき層を形成し、そのはんだめっき層上に金属接着剤を
介して電子部品素子を接続するリードフレームの製造方
法において、前記はんだめっき層形成後に加熱による前
処理を行い、この後、電子部品素子を接続することを特
徴とする。
【0011】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
前処理の温度は、有機添加剤の沸点以上で、且つはんだ
めっきの融点以下であることを特徴とする。
前処理の温度は、有機添加剤の沸点以上で、且つはんだ
めっきの融点以下であることを特徴とする。
【0012】請求項4記載の発明では、請求項2記載の
前処理は、140〜180℃で0.5〜3時間の加熱に
よることを特徴とする。
前処理は、140〜180℃で0.5〜3時間の加熱に
よることを特徴とする。
【0013】
【作用】以上の構成を有する本発明の作用は、以下の通
りである。すなわち、請求項1記載の発明においては、
はんだめっき層内の有機添加剤の含有量が10ppm以
下であることにより、電子部品素子を金属接着剤を介し
て接続する時に、金属接着剤を熱硬化させるための加熱
処理が行われても、はんだめっき層内から有機添加剤が
揮発することが無く、空隙は発生しない。したがって、
はんだめっき層の厚み・密度が均一な状態でリードフレ
ームに電子部品素子を接続できるため、リードフレーム
と電子部品素子との物理的・電気的な接続性が良好とな
る。
りである。すなわち、請求項1記載の発明においては、
はんだめっき層内の有機添加剤の含有量が10ppm以
下であることにより、電子部品素子を金属接着剤を介し
て接続する時に、金属接着剤を熱硬化させるための加熱
処理が行われても、はんだめっき層内から有機添加剤が
揮発することが無く、空隙は発生しない。したがって、
はんだめっき層の厚み・密度が均一な状態でリードフレ
ームに電子部品素子を接続できるため、リードフレーム
と電子部品素子との物理的・電気的な接続性が良好とな
る。
【0014】請求項2記載の発明では、はんだめっき層
形成後に、加熱による前処理を行うことにより、はんだ
めっき層内の有機添加剤が揮発する。これにより、はん
だめっき層内には有機添加剤が含有されていない状態と
なる。これは、金属接着剤を熱硬化させてリードフレー
ムに電子部品素子を接続する際に、はんだめっき層に熱
が加わっても有機添加剤の揮発が無いため、空隙の発生
はなく、はんだめっき層の厚み・密度を均一な状態に維
持できる。したがって、このリードフレームは、電子部
品素子をはんだ付け性及びボンディング性に優れた状態
で接続でき、電子部品の電気的特性を引き出すことがで
きる。
形成後に、加熱による前処理を行うことにより、はんだ
めっき層内の有機添加剤が揮発する。これにより、はん
だめっき層内には有機添加剤が含有されていない状態と
なる。これは、金属接着剤を熱硬化させてリードフレー
ムに電子部品素子を接続する際に、はんだめっき層に熱
が加わっても有機添加剤の揮発が無いため、空隙の発生
はなく、はんだめっき層の厚み・密度を均一な状態に維
持できる。したがって、このリードフレームは、電子部
品素子をはんだ付け性及びボンディング性に優れた状態
で接続でき、電子部品の電気的特性を引き出すことがで
きる。
【0015】請求項3記載の発明では、前処理の温度に
ついて、温度範囲の下限値を有機添加剤の沸点以上とす
ることにより、有機添加剤を確実に揮発させることがで
きる。また、上限値をはんだめっきの融点以下とするこ
とにより、はんだめっきが溶融して、めっきムラが発生
することがない。したがって、はんだめっき層内の有機
添加剤を確実に揮発させ、且つはんだめっき層を均一な
状態に維持することができる。
ついて、温度範囲の下限値を有機添加剤の沸点以上とす
ることにより、有機添加剤を確実に揮発させることがで
きる。また、上限値をはんだめっきの融点以下とするこ
とにより、はんだめっきが溶融して、めっきムラが発生
することがない。したがって、はんだめっき層内の有機
添加剤を確実に揮発させ、且つはんだめっき層を均一な
状態に維持することができる。
【0016】請求項4記載の発明では、前処理につい
て、一般的な有機添加剤の沸点となる140℃以上で、
一般的なはんだめっきの融点である180℃以下とする
ことにより、有機添加剤が容易に揮発し、且つはんだめ
っき層が溶融することは無い。また、この温度範囲でも
0.5時間より短時間では、有機添加剤が十分に揮発し
ないため、最低0.5時間の加熱は必要である。さら
に、この温度範囲でも、加熱時間が3時間より長くなる
と、はんだめっき層の表面の酸化が始まるため、最長で
も3時間とする必要がある。したがって、温度範囲と加
熱時間範囲を決めることにより、はんだめっき層から有
機添加剤を揮発させて、電子部品の電気的特性を十分に
引き出することができる。
て、一般的な有機添加剤の沸点となる140℃以上で、
一般的なはんだめっきの融点である180℃以下とする
ことにより、有機添加剤が容易に揮発し、且つはんだめ
っき層が溶融することは無い。また、この温度範囲でも
0.5時間より短時間では、有機添加剤が十分に揮発し
ないため、最低0.5時間の加熱は必要である。さら
に、この温度範囲でも、加熱時間が3時間より長くなる
と、はんだめっき層の表面の酸化が始まるため、最長で
も3時間とする必要がある。したがって、温度範囲と加
熱時間範囲を決めることにより、はんだめっき層から有
機添加剤を揮発させて、電子部品の電気的特性を十分に
引き出することができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明によるリードフレーム及びその
製造方法の一実施例について、図面に基づき具体的に説
明する。なお、図1は本実施例のリードフレームに電子
部品素子が接続された状態を示す説明図である。また、
図2は、本実施例のリードフレームの形成方法を順を追
って説明した模式図、図3は図2により得られたリード
フレームに金属接着剤を施した状態を示す模式図、図4
は図3のリードフレームに電子部品素子を接続した状態
を示す模式図である。
製造方法の一実施例について、図面に基づき具体的に説
明する。なお、図1は本実施例のリードフレームに電子
部品素子が接続された状態を示す説明図である。また、
図2は、本実施例のリードフレームの形成方法を順を追
って説明した模式図、図3は図2により得られたリード
フレームに金属接着剤を施した状態を示す模式図、図4
は図3のリードフレームに電子部品素子を接続した状態
を示す模式図である。
【0018】まず、図2(A)に示すように、それぞれ
電子部品の陽極側と陰極側との接続部3a,4aを有す
る陽極及び陰極のリードフレーム3,4を、金属地金M
により構成する。その表面に、図2(B)に示すよう
に、ニッケルなどにより下地めっき7を施す。この下地
めっき7上に、図2(C)に示すように、電解めっき法
などによりはんだめっきを施し、はんだめっき層8を形
成する。はんだめっき液は、アミン系芳香族エステル誘
導体または界面活性剤などの有機添加剤が添加されてい
るものである。このはんだめっき層8を設けたリードフ
レームについて、図2(D)に示すように、140〜1
80℃で0.5〜3時間の加熱による前処理を行う。
電子部品の陽極側と陰極側との接続部3a,4aを有す
る陽極及び陰極のリードフレーム3,4を、金属地金M
により構成する。その表面に、図2(B)に示すよう
に、ニッケルなどにより下地めっき7を施す。この下地
めっき7上に、図2(C)に示すように、電解めっき法
などによりはんだめっきを施し、はんだめっき層8を形
成する。はんだめっき液は、アミン系芳香族エステル誘
導体または界面活性剤などの有機添加剤が添加されてい
るものである。このはんだめっき層8を設けたリードフ
レームについて、図2(D)に示すように、140〜1
80℃で0.5〜3時間の加熱による前処理を行う。
【0019】この前処理後、図3及び図4に示すよう
に、陰極リードフレーム4の接続部4aに銀や銅などの
金属接着剤5を塗布し、電子部品素子2底面の銀被膜
(図示せず)を接続する。また、電子部品素子2の陽極
リード線1を陽極側のリードフレーム3に溶接1aなど
により接続する。そして、電子部品素子2の接続された
リードフレーム3,4について、150〜200℃・2
時間の加熱処理を行い、金属接着剤5を熱硬化させて、
電子部品素子2をリードフレーム3,4に密着固定させ
る。
に、陰極リードフレーム4の接続部4aに銀や銅などの
金属接着剤5を塗布し、電子部品素子2底面の銀被膜
(図示せず)を接続する。また、電子部品素子2の陽極
リード線1を陽極側のリードフレーム3に溶接1aなど
により接続する。そして、電子部品素子2の接続された
リードフレーム3,4について、150〜200℃・2
時間の加熱処理を行い、金属接着剤5を熱硬化させて、
電子部品素子2をリードフレーム3,4に密着固定させ
る。
【0020】このように電子部品素子2の接続されたリ
ードフレーム3,4は、図1に示すように、リードフレ
ーム3,4上の電子部品素子2を樹脂外装6などにより
封止して、端子形状・リードの成形など仕上げ加工を行
い、電子部品として形成する。この電子部品は、はんだ
付けなどにより基板に装着される。
ードフレーム3,4は、図1に示すように、リードフレ
ーム3,4上の電子部品素子2を樹脂外装6などにより
封止して、端子形状・リードの成形など仕上げ加工を行
い、電子部品として形成する。この電子部品は、はんだ
付けなどにより基板に装着される。
【0021】以上のように構成される本実施例のリード
フレームにおいて、はんだめっき層8内の有機添加剤
は、加熱による前処理を行うことにより揮発させること
ができる。この前処理作業は、有機添加剤及びはんだめ
っきの性状に基づき行う。すなわち、アミン系芳香族エ
ステル誘導体又は界面活性剤などの有機添加剤は、14
0℃より低い温度ではほとんど揮発しない。また、14
0〜180℃でも、0.5時間より短い加熱時間では揮
発が十分ではない。一方、はんだめっき層8は、180
℃以上で溶融し始める。また、140〜180℃でも、
加熱時間が3時間より長くなるとはんだめっき層8の表
面の酸化が始まる。はんだめっき層8表面が酸化すると
表面抵抗が増加して、電子部品本来の電気的特性が十分
に引き出せなくなってしまう。
フレームにおいて、はんだめっき層8内の有機添加剤
は、加熱による前処理を行うことにより揮発させること
ができる。この前処理作業は、有機添加剤及びはんだめ
っきの性状に基づき行う。すなわち、アミン系芳香族エ
ステル誘導体又は界面活性剤などの有機添加剤は、14
0℃より低い温度ではほとんど揮発しない。また、14
0〜180℃でも、0.5時間より短い加熱時間では揮
発が十分ではない。一方、はんだめっき層8は、180
℃以上で溶融し始める。また、140〜180℃でも、
加熱時間が3時間より長くなるとはんだめっき層8の表
面の酸化が始まる。はんだめっき層8表面が酸化すると
表面抵抗が増加して、電子部品本来の電気的特性が十分
に引き出せなくなってしまう。
【0022】したがって、本実施例では、はんだめっき
層8を形成したリードフレーム3,4に、前処理として
140〜180℃で0.5〜3時間の加熱を行うことに
より、はんだめっき層8の溶融によるめっきムラが発生
することなく、はんだめっき層8内の有機添加剤を10
ppm以下となるように十分に揮発させることができ
る。
層8を形成したリードフレーム3,4に、前処理として
140〜180℃で0.5〜3時間の加熱を行うことに
より、はんだめっき層8の溶融によるめっきムラが発生
することなく、はんだめっき層8内の有機添加剤を10
ppm以下となるように十分に揮発させることができ
る。
【0023】このように、あらかじめ有機添加剤を揮発
させて、はんだめっき層8内の有機添加剤の含有量を1
0ppm以下としたリードフレーム3,4に、電子部品
素子2が接続されることになる。したがって、この陰極
側のリードフレーム4に金属接着剤5を介して電子部品
素子2を接続する際に、金属接着剤5を熱硬化させるた
めの150〜200℃・2時間の加熱処理を行っても、
リードフレーム4のはんだめっき層8内からは、有機添
加剤の揮発はほとんど起こらず、はんだめっき層8は、
厚み・密度ともに均一な状態を保持する。これにより、
リードフレーム4と金属接着剤5との間に空隙は発生せ
ず、リードフレーム3,4と電子部品素子2との物理的
・電気的な接続性は、高い状態で維持することができ
る。
させて、はんだめっき層8内の有機添加剤の含有量を1
0ppm以下としたリードフレーム3,4に、電子部品
素子2が接続されることになる。したがって、この陰極
側のリードフレーム4に金属接着剤5を介して電子部品
素子2を接続する際に、金属接着剤5を熱硬化させるた
めの150〜200℃・2時間の加熱処理を行っても、
リードフレーム4のはんだめっき層8内からは、有機添
加剤の揮発はほとんど起こらず、はんだめっき層8は、
厚み・密度ともに均一な状態を保持する。これにより、
リードフレーム4と金属接着剤5との間に空隙は発生せ
ず、リードフレーム3,4と電子部品素子2との物理的
・電気的な接続性は、高い状態で維持することができ
る。
【0024】しかも、本実施例のリードフレーム3,4
に電子部品素子2を接続して電子部品として形成し、こ
れをはんだ付けにより基板に装着する時にも、230〜
260℃の加熱処理が行われるが、この際にも有機添加
剤の揮発は起こらない。このため、リードフレーム3,
4と電子部品素子2とが接続不良となることは無く、電
子部品の不良品発生率を低下させることができる。
に電子部品素子2を接続して電子部品として形成し、こ
れをはんだ付けにより基板に装着する時にも、230〜
260℃の加熱処理が行われるが、この際にも有機添加
剤の揮発は起こらない。このため、リードフレーム3,
4と電子部品素子2とが接続不良となることは無く、電
子部品の不良品発生率を低下させることができる。
【0025】次に、以上のような本実施例によるリード
フレームに関し、従来のリードフレームとの特性比較に
よる作用効果を説明する。なお、電子部品素子としてタ
ンタル固体電解コンデンサ素子を使用し、これを本実施
例によるリードフレームに設けて得られたチップ型タン
タル固体電解コンデンサ(本発明品P)と、従来技術に
よるリードフレームに設けて得られたチップ型タンタル
固体電解コンデンサ(従来品Q)を製造して、これらの
インピーダンス特性と接続不良率とを調べて比較する。
ここで、リードフレームの形成方法及びこれにより得ら
れたチップ型タンタル固体電解コンデンサに関しては、
前記図1〜図4を使用して説明し、具体的な材料及び条
件は( )内に示す。
フレームに関し、従来のリードフレームとの特性比較に
よる作用効果を説明する。なお、電子部品素子としてタ
ンタル固体電解コンデンサ素子を使用し、これを本実施
例によるリードフレームに設けて得られたチップ型タン
タル固体電解コンデンサ(本発明品P)と、従来技術に
よるリードフレームに設けて得られたチップ型タンタル
固体電解コンデンサ(従来品Q)を製造して、これらの
インピーダンス特性と接続不良率とを調べて比較する。
ここで、リードフレームの形成方法及びこれにより得ら
れたチップ型タンタル固体電解コンデンサに関しては、
前記図1〜図4を使用して説明し、具体的な材料及び条
件は( )内に示す。
【0026】まず、電子部品であるタンタル固体電解コ
ンデンサを製造する。これは、10mgのタンタル粉末
を、陽極リード線となるタンタル線と共にプレス成形
し、1400℃で焼結して、タンタル焼結体からなるコ
ンデンサ素子2とする。このコンデンサ素子2につい
て、リン酸中で所定の直流電圧(60V)を加えて陽極
を酸化させて、酸化タンタルからなる誘電体酸化皮膜を
生成する。この酸化皮膜の設けられたコンデンサ素子2
1は、硝酸マンガン液に浸漬して含浸し、これを270
℃で焼成分解させ、酸化皮膜上に、二酸化マンガン層を
形成する。この二酸化マンガン層の形成操作は、完全を
期すため7回繰り返して行う。なお、これらの操作によ
り損傷を受けた酸化皮膜は、リン酸中で再化成すること
により補修する。さらに、酸化皮膜上に二酸化マンガン
層の形成されたコンデンサ素子21には、二酸化マンガ
ン層の表面にカーボン・銀皮膜を形成する。この後、陽
極リード線1を陽極リードフレーム3に溶接1aすると
共に、陰極リードフレーム4とコンデンサ素子21の銀
皮膜とを銀接着剤51により接続する。これをモールド
成形して、樹脂外装6を施し、リードフレーム3,4を
折り曲げ加工し、最後にエージング加工を行い、定格1
6V・2.2μF、厚さ1.1mm、幅2.1mm、高
さ1.1mmのタンタル固体電解コンデンサを得る。
ンデンサを製造する。これは、10mgのタンタル粉末
を、陽極リード線となるタンタル線と共にプレス成形
し、1400℃で焼結して、タンタル焼結体からなるコ
ンデンサ素子2とする。このコンデンサ素子2につい
て、リン酸中で所定の直流電圧(60V)を加えて陽極
を酸化させて、酸化タンタルからなる誘電体酸化皮膜を
生成する。この酸化皮膜の設けられたコンデンサ素子2
1は、硝酸マンガン液に浸漬して含浸し、これを270
℃で焼成分解させ、酸化皮膜上に、二酸化マンガン層を
形成する。この二酸化マンガン層の形成操作は、完全を
期すため7回繰り返して行う。なお、これらの操作によ
り損傷を受けた酸化皮膜は、リン酸中で再化成すること
により補修する。さらに、酸化皮膜上に二酸化マンガン
層の形成されたコンデンサ素子21には、二酸化マンガ
ン層の表面にカーボン・銀皮膜を形成する。この後、陽
極リード線1を陽極リードフレーム3に溶接1aすると
共に、陰極リードフレーム4とコンデンサ素子21の銀
皮膜とを銀接着剤51により接続する。これをモールド
成形して、樹脂外装6を施し、リードフレーム3,4を
折り曲げ加工し、最後にエージング加工を行い、定格1
6V・2.2μF、厚さ1.1mm、幅2.1mm、高
さ1.1mmのタンタル固体電解コンデンサを得る。
【0027】前述のリードフレーム3,4について、そ
の形成方法について述べる。リードフレーム3,4の金
属地金Mとして、厚さが100μmとなる洋白(銅合
金)を使用し、一対のリードフレームを形成する。これ
らは、タンタル固体電解コンデンサ素子の陽極リード線
との接続部(1.5mm×2.2mm)3aの設けられ
た陽極リードフレーム3と、タンタル固体電解コンデン
サ素子2の接続部4aの設けられた陰極リードフレーム
4である。そして、これらのリードフレーム3,4の金
属地金M表面に、ニッケルにより厚さが0.3μmとな
る下地めっき7を施す。この下地めっき7上に、有機添
加剤であるアミン系芳香族エステル誘導体の添加された
はんだめっき液により、はんだめっきを施す。これによ
りリードフレーム3,4の金属地金上に、厚さが5μm
のはんだめっき層8が形成される。なお、このはんだめ
っき層8の内部には、アミン系芳香族エステル誘導体が
500ppm含有されていることが確かめられた。
の形成方法について述べる。リードフレーム3,4の金
属地金Mとして、厚さが100μmとなる洋白(銅合
金)を使用し、一対のリードフレームを形成する。これ
らは、タンタル固体電解コンデンサ素子の陽極リード線
との接続部(1.5mm×2.2mm)3aの設けられ
た陽極リードフレーム3と、タンタル固体電解コンデン
サ素子2の接続部4aの設けられた陰極リードフレーム
4である。そして、これらのリードフレーム3,4の金
属地金M表面に、ニッケルにより厚さが0.3μmとな
る下地めっき7を施す。この下地めっき7上に、有機添
加剤であるアミン系芳香族エステル誘導体の添加された
はんだめっき液により、はんだめっきを施す。これによ
りリードフレーム3,4の金属地金上に、厚さが5μm
のはんだめっき層8が形成される。なお、このはんだめ
っき層8の内部には、アミン系芳香族エステル誘導体が
500ppm含有されていることが確かめられた。
【0028】このようなリードフレーム3,4は、タン
タル固体電解コンデンサ素子21を接続する前に、加熱
による前処理を行い、はんだめっき層内のアミン系芳香
族エステル誘導体を揮発させる。これは、160℃の高
温中で、2時間の加熱を行う。この前処理により、はん
だめっき層8内のアミン系芳香族エステル誘導体は4.
5ppmまで低下したことが確かめられた。
タル固体電解コンデンサ素子21を接続する前に、加熱
による前処理を行い、はんだめっき層内のアミン系芳香
族エステル誘導体を揮発させる。これは、160℃の高
温中で、2時間の加熱を行う。この前処理により、はん
だめっき層8内のアミン系芳香族エステル誘導体は4.
5ppmまで低下したことが確かめられた。
【0029】前述のように製造されたタンタル固体電解
コンデンサ素子21において、陽極側は、陽極リード線
1を陽極リードフレーム3の接続部3aに溶接1aして
接続する。一方、陰極側は、コンデンサ素子2底面の銀
皮膜(図示せず)を前記の前処理された陰極リードフレ
ーム4の接続部4aに、1mgの銀接着剤51により接
続する。そして、160℃の高温中で1時間の加熱を行
い、銀接着剤51を熱硬化させる。これにより、リード
フレーム3,4にコンデンサ素子21が完全に密着固定
する。この後、トランスファーモールドにより樹脂外装
6を施し、チップ型タンタル固体電解コンデンサ(本発
明品P)を得た。
コンデンサ素子21において、陽極側は、陽極リード線
1を陽極リードフレーム3の接続部3aに溶接1aして
接続する。一方、陰極側は、コンデンサ素子2底面の銀
皮膜(図示せず)を前記の前処理された陰極リードフレ
ーム4の接続部4aに、1mgの銀接着剤51により接
続する。そして、160℃の高温中で1時間の加熱を行
い、銀接着剤51を熱硬化させる。これにより、リード
フレーム3,4にコンデンサ素子21が完全に密着固定
する。この後、トランスファーモールドにより樹脂外装
6を施し、チップ型タンタル固体電解コンデンサ(本発
明品P)を得た。
【0030】一方、従来品Qは、前記の図2(A)〜
(C)と同様に、金属地金Mに下地めっき7,はんだめ
っき層8を形成してリードフレーム3,4を得る。この
後、加熱による前処理は行わずに、前記コンデンサ素子
21の陽極リード線1を陽極リードフレーム3に溶接1
aすると共に、1mgの銀接着剤51により前記タンタ
ル固体電解コンデンサ素子21を陰極リードフレーム4
に接続する。この銀接着剤51を熱硬化させて、リード
フレーム4に前述のタンタル固体電解コンデンサ素子2
1を密着固定する。この後、トランスファーモールドに
より樹脂外装6を施して、チップ型タンタル固体電解コ
ンデンサ(従来品Q)を得た。
(C)と同様に、金属地金Mに下地めっき7,はんだめ
っき層8を形成してリードフレーム3,4を得る。この
後、加熱による前処理は行わずに、前記コンデンサ素子
21の陽極リード線1を陽極リードフレーム3に溶接1
aすると共に、1mgの銀接着剤51により前記タンタ
ル固体電解コンデンサ素子21を陰極リードフレーム4
に接続する。この銀接着剤51を熱硬化させて、リード
フレーム4に前述のタンタル固体電解コンデンサ素子2
1を密着固定する。この後、トランスファーモールドに
より樹脂外装6を施して、チップ型タンタル固体電解コ
ンデンサ(従来品Q)を得た。
【0031】このようにして得られた本発明品Pと従来
品Qの各1000個ずつについて、リフローソルダリン
グ法により260℃・20秒の加熱処理するはんだ付け
によって実装試験を行い、試験前後のインピーダンス
(Ω)と接続不良率(断線率)(%)を調べた。その結
果を次の表1に示す。なお、インピーダンスに関して
は、完全に接続されていない(断線状態)製品以外のも
のを対象とした。また、接続不良率の実装試験後の結果
については、実装試験の前後のものの総和とした。
品Qの各1000個ずつについて、リフローソルダリン
グ法により260℃・20秒の加熱処理するはんだ付け
によって実装試験を行い、試験前後のインピーダンス
(Ω)と接続不良率(断線率)(%)を調べた。その結
果を次の表1に示す。なお、インピーダンスに関して
は、完全に接続されていない(断線状態)製品以外のも
のを対象とした。また、接続不良率の実装試験後の結果
については、実装試験の前後のものの総和とした。
【0032】
【表1】
【0033】表1に示すように、リードフレーム3,4
のはんだめっき層形成後の前処理の有無により、物理的
及び電気的な接続性に大きく違いがでた。すなわち、加
熱による前処理を行った本発明品Pでは、接続不良率は
0であり、断線した不良品は実装試験の前後共に発生し
ていない。しかし、前処理を行わない従来品Qでは、接
続不良率が実装試験前の2.6%から実装試験後の3.
2%と増加している。
のはんだめっき層形成後の前処理の有無により、物理的
及び電気的な接続性に大きく違いがでた。すなわち、加
熱による前処理を行った本発明品Pでは、接続不良率は
0であり、断線した不良品は実装試験の前後共に発生し
ていない。しかし、前処理を行わない従来品Qでは、接
続不良率が実装試験前の2.6%から実装試験後の3.
2%と増加している。
【0034】また、インピーダンスに関しても、前処理
を行った本発明品Pでは、実装試験の前後で変化はみら
れず、1000個の値のばらつきも小さい。しかし、前
処理を行わない従来品Qでは、1000個の値のばらつ
きが大きく、最低値は本発明品Pと変わらないが、最高
値では実装試験前でも本発明品Pに比べ約10倍となる
高い値である。しかも、実装試験後はさらにその2倍の
値となっている。また、平均値も本発明品Pに比べ、大
きい値となっている。したがって、本発明品Pは従来品
Qに比べ、物理的にも電気的にも接続性が良好となって
いることが判明した。
を行った本発明品Pでは、実装試験の前後で変化はみら
れず、1000個の値のばらつきも小さい。しかし、前
処理を行わない従来品Qでは、1000個の値のばらつ
きが大きく、最低値は本発明品Pと変わらないが、最高
値では実装試験前でも本発明品Pに比べ約10倍となる
高い値である。しかも、実装試験後はさらにその2倍の
値となっている。また、平均値も本発明品Pに比べ、大
きい値となっている。したがって、本発明品Pは従来品
Qに比べ、物理的にも電気的にも接続性が良好となって
いることが判明した。
【0035】上記の結果が示すように、本発明品Pで
は、リードフレームのはんだめっき層8形成後に、アミ
ン系芳香族エステル誘導体の沸点よりも高温で、且つは
んだめっきの融点よりも低温となる160℃で2時間の
前処理を行うことにより、はんだめっき層内のアミン系
芳香族エステル誘導体が、500ppmから4.5pp
mまで低下している。このため、このリードフレームに
金属接着剤を介してタンタル固体電解コンデンサ素子を
接続し、金属接着剤を熱硬化させても、この時の加熱に
より揮発するアミン系芳香族エステル誘導体は極めて少
ない。したがって、リードフレーム4と銀接着剤51と
の間には、空隙の発生はほとんど無いことがわかる。さ
らに、製品の基板への装着時に、リフローソルダリング
法により260℃・20秒の加熱によるはんだ付けを行
っても、コンデンサ素子21とリードフレーム3,4と
の間に物理的・電気的な接続不良は、ほとんど発生しな
いことがわかる。
は、リードフレームのはんだめっき層8形成後に、アミ
ン系芳香族エステル誘導体の沸点よりも高温で、且つは
んだめっきの融点よりも低温となる160℃で2時間の
前処理を行うことにより、はんだめっき層内のアミン系
芳香族エステル誘導体が、500ppmから4.5pp
mまで低下している。このため、このリードフレームに
金属接着剤を介してタンタル固体電解コンデンサ素子を
接続し、金属接着剤を熱硬化させても、この時の加熱に
より揮発するアミン系芳香族エステル誘導体は極めて少
ない。したがって、リードフレーム4と銀接着剤51と
の間には、空隙の発生はほとんど無いことがわかる。さ
らに、製品の基板への装着時に、リフローソルダリング
法により260℃・20秒の加熱によるはんだ付けを行
っても、コンデンサ素子21とリードフレーム3,4と
の間に物理的・電気的な接続不良は、ほとんど発生しな
いことがわかる。
【0036】以上の試験結果からもわかるように、本実
施例によれば、リードフレームは、はんだめっき層の形
成後、加熱による前処理を行うことにより、アミン系芳
香族エステル誘導体又は界面活性剤などの有機添加剤が
揮発する。したがって、この後、リードフレームに金属
接着剤を介して電子部品素子を接続するため、金属接着
剤に加熱処理を行っても、リードフレームと金属接着剤
との間に空隙は発生せず、リードフレームと電子部品素
子との物理的・電気的な接続性は、高い状態で維持する
ことができる。このように、本実施例では、リードフレ
ームに電子部品素子を接続する前に、加熱による前処理
を行うことにより、はんだ付け性及びボンディング性が
良好なリードフレームが得られる。そして、このリード
フレームでは、接続する電子部品素子について、その電
気的特性を十分に引き出すことが可能となる。
施例によれば、リードフレームは、はんだめっき層の形
成後、加熱による前処理を行うことにより、アミン系芳
香族エステル誘導体又は界面活性剤などの有機添加剤が
揮発する。したがって、この後、リードフレームに金属
接着剤を介して電子部品素子を接続するため、金属接着
剤に加熱処理を行っても、リードフレームと金属接着剤
との間に空隙は発生せず、リードフレームと電子部品素
子との物理的・電気的な接続性は、高い状態で維持する
ことができる。このように、本実施例では、リードフレ
ームに電子部品素子を接続する前に、加熱による前処理
を行うことにより、はんだ付け性及びボンディング性が
良好なリードフレームが得られる。そして、このリード
フレームでは、接続する電子部品素子について、その電
気的特性を十分に引き出すことが可能となる。
【0037】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではなく、電子部品素子やリードフレームの具体
的な形状や接続方法は適宜変更可能である。例えば、リ
ードフレームに接続されて得られる電子部品は、上述の
構成のタンタル固体電解コンデンサに限定されず、他の
コンデンサやバリスタ、又は半導体などの電子部品の場
合でも、同様にリードフレームにその素子を接続するこ
とにより得ることができる。この場合も、リードフレー
ムと電子部品素子との物理的・電気的な接続性は、高い
状態で維持することができる。
るものではなく、電子部品素子やリードフレームの具体
的な形状や接続方法は適宜変更可能である。例えば、リ
ードフレームに接続されて得られる電子部品は、上述の
構成のタンタル固体電解コンデンサに限定されず、他の
コンデンサやバリスタ、又は半導体などの電子部品の場
合でも、同様にリードフレームにその素子を接続するこ
とにより得ることができる。この場合も、リードフレー
ムと電子部品素子との物理的・電気的な接続性は、高い
状態で維持することができる。
【0038】また、リードフレームの構成及び形状は、
接続する電子部品素子に応じて適宜変更可能である。例
えば、構成材料である金属地金は、洋白以外の黄銅、り
ん青銅、ベリリウム銅、丹銅、又はカドミウム銅などの
銅合金や、ニッケル合金などの金属を使用することがで
き、同様の効果を得ることができる。さらに、金属接着
剤は、銀接着剤に限定されず、銅、金、すず、又はロジ
ウムなどの他の金属に適宜変更可能である。
接続する電子部品素子に応じて適宜変更可能である。例
えば、構成材料である金属地金は、洋白以外の黄銅、り
ん青銅、ベリリウム銅、丹銅、又はカドミウム銅などの
銅合金や、ニッケル合金などの金属を使用することがで
き、同様の効果を得ることができる。さらに、金属接着
剤は、銀接着剤に限定されず、銅、金、すず、又はロジ
ウムなどの他の金属に適宜変更可能である。
【0039】さらに、前加熱処理の温度は、はんだめっ
き液に添加される有機添加剤の沸点よりも高い温度であ
り、且つはんだめっきの融点よりも低い温度であれば適
宜変更可能である。したがって、温度範囲は140〜1
80℃に限定されず、有機添加剤及びはんだめっきの組
成に応じて適宜変更可能である。
き液に添加される有機添加剤の沸点よりも高い温度であ
り、且つはんだめっきの融点よりも低い温度であれば適
宜変更可能である。したがって、温度範囲は140〜1
80℃に限定されず、有機添加剤及びはんだめっきの組
成に応じて適宜変更可能である。
【0040】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、電
子部品素子と接続して使用されるリードフレームに関し
て、表面にはんだめっき層の設けられたリードフレーム
は、電子部品素子と接続する前に、加熱による前処理を
行っておくことにより、はんだめっき層内の有機添加剤
を揮発させておくことができる。これにより、リードフ
レームと電子部品素子とを金属接着剤の熱硬化により接
続する際に、リードフレームに熱が加わっても、はんだ
めっき層から有機添加剤が揮発することはない。したが
って、本発明では、リードフレームにはんだめっき層を
設け、加熱による前処理を行うことにより、電子部品素
子や基板とリードフレームとの接続性、及び電子部品と
リードフレームとのボンディング性に優れ、電子部品の
電気的特性を十分に引き出すことのできるリードフレー
ム及びその製造方法を提供することができる。
子部品素子と接続して使用されるリードフレームに関し
て、表面にはんだめっき層の設けられたリードフレーム
は、電子部品素子と接続する前に、加熱による前処理を
行っておくことにより、はんだめっき層内の有機添加剤
を揮発させておくことができる。これにより、リードフ
レームと電子部品素子とを金属接着剤の熱硬化により接
続する際に、リードフレームに熱が加わっても、はんだ
めっき層から有機添加剤が揮発することはない。したが
って、本発明では、リードフレームにはんだめっき層を
設け、加熱による前処理を行うことにより、電子部品素
子や基板とリードフレームとの接続性、及び電子部品と
リードフレームとのボンディング性に優れ、電子部品の
電気的特性を十分に引き出すことのできるリードフレー
ム及びその製造方法を提供することができる。
【図1】本発明の一実施例であるリードフレームに、電
子部品素子を設けて電子部品とした状態を示す斜視図。
子部品素子を設けて電子部品とした状態を示す斜視図。
【図2】実施例のリードフレームの形成方法を順を追っ
て説明した模式図。
て説明した模式図。
【図3】図2により得られたリードフレームに金属接着
剤を施した状態を示す模式図。
剤を施した状態を示す模式図。
【図4】図3のリードフレームに電子部品素子を接続し
た状態を示す模式図。
た状態を示す模式図。
1 … 陽極リード線 2 … 電子部品素子 21… コンデンサ素子 3 … 陽極リードフレーム 4 … 陰極リードフレーム 5 … 金属接着剤 51… 銀接着剤 6 … 樹脂外装 7 … 下地めっき 8 … はんだめっき層 M … 金属地金
Claims (4)
- 【請求項1】 金属地金の表面に、有機添加剤を有する
はんだめっきによりはんだめっき層が形成され、そのは
んだめっき層上に金属接着剤を介して電子部品素子が接
続されるリードフレームにおいて、 前記はんだめっき層は、その内部の有機添加剤の含有量
が10ppm以下であることを特徴とするリードフレー
ム。 - 【請求項2】 金属地金の表面に、有機添加剤を有する
はんだめっきを施してはんだめっき層を形成し、そのは
んだめっき層上に金属接着剤を介して電子部品素子を接
続するリードフレームの製造方法において、 前記はんだめっき層形成後に加熱による前処理を行い、
この後、電子部品素子を接続することを特徴とするリー
ドフレームの製造方法。 - 【請求項3】 前記前処理の温度は、有機添加剤の沸点
以上で、且つはんだめっきの融点以下であることを特徴
とする請求項2記載のリードフレームの製造方法。 - 【請求項4】 前記前処理は、140〜180℃で0.
5〜3時間の加熱によることを特徴とする請求項2記載
のリードフレームの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6248676A JPH0888141A (ja) | 1994-09-17 | 1994-09-17 | リードフレーム及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6248676A JPH0888141A (ja) | 1994-09-17 | 1994-09-17 | リードフレーム及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0888141A true JPH0888141A (ja) | 1996-04-02 |
Family
ID=17181684
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6248676A Pending JPH0888141A (ja) | 1994-09-17 | 1994-09-17 | リードフレーム及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0888141A (ja) |
-
1994
- 1994-09-17 JP JP6248676A patent/JPH0888141A/ja active Pending
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