JPH0885187A - ラミネート金属板及びその製造方法 - Google Patents

ラミネート金属板及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0885187A
JPH0885187A JP6224378A JP22437894A JPH0885187A JP H0885187 A JPH0885187 A JP H0885187A JP 6224378 A JP6224378 A JP 6224378A JP 22437894 A JP22437894 A JP 22437894A JP H0885187 A JPH0885187 A JP H0885187A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
resin
metal plate
polyvinylidene fluoride
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6224378A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahito Otsu
孝仁 大津
Makoto Kaga
眞 加賀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP6224378A priority Critical patent/JPH0885187A/ja
Publication of JPH0885187A publication Critical patent/JPH0885187A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属板上に接着層を介してポリフッ化ビニリ
デンフィルムをラミネートした金属板であって、より簡
易な工程で製造でき、かつ接着性及び防錆性に優れたラ
ミネート金属板を得る。 【構成】 接着層として、プライマー樹脂100重量部
に対し熱可塑性アクリル樹脂を5〜50重量部配合した
樹脂組成物を用いることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属板上に接着層を介
してポリフッ化ビニリデンフィルムをラミネートした金
属板及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリフッ化ビニリデンフィルムをラミネ
ートしたラミネート金属板は、油や酸、アルカリに対す
る耐汚染性、及び耐熱性等において優れていることから
注目されつつある。しかしながら、ポリフッ化ビニリデ
ンは、難接着性であるため、金属板への接着性を改善す
る目的で、フィルム表面をコロナ放電したり、あるいは
化学処理により表面を改質して接着させている。
【0003】しかしながら、このような方法のみでは十
分な接着性が得られず、種々の接着性改善の方法が提案
されている。特開平2−63732号公報では、ポリフ
ッ化ビニリデンのフィルムに、ポリフッ化ビニリデンの
ジメチルホルミアミド溶液を塗布した後、ポリフッ化ビ
ニリデン粉末を吹き付け、火炎処理し、冷却後に多孔性
のポリフッ化ビニリデン層を被覆し、この処理表面の上
にポリエステル樹脂を流し、次にガラス繊維マット層及
びポリエステル層を順次貼り合わせた後、このポリエス
テル層を接着層として基材の上に接着している。
【0004】特開平6−47874号公報では、ポリフ
ッ化ビニリデンフィルムの片面に接着剤を介してガラス
クロスやナイロン66などからなる編織物を接着し、こ
の上にアクリル樹脂層などを溶融して形成した後、接着
剤層を介して基材上に接着している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法では、接着性の向上は認められるものの未だ不十
分であり、また製造工程において工程数が多く複雑であ
るという問題がある。また複数の接着剤層を用いるた
め、厚みが厚くなり、厚みの薄いラミネート金属板を製
造することができないという問題があった。
【0006】本発明の目的は、より簡易な工程で製造で
き、接着性及び防錆性に優れたポリフッ化ビニリデンフ
ィルムをラミネートしたラミネート金属板及びその製造
方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のラミネート金属
板は、金属板上に接着層を介してポリフッ化ビニリデン
フィルムをラミネートした金属板であり、プライマー樹
脂100重量部に対し熱可塑性アクリル樹脂を5〜50
重量部配合した樹脂組成物を接着層として用いることを
特徴としている。
【0008】ポリフッ化ビニリデンフィルム 本発明ではポリフッ化ビニリデンフィルムとして、ポリ
フッ化ビニリデン樹脂そのもののフィルムを用いること
が可能となる。またポリフッ化ビニリデン樹脂に熱可塑
性アクリルホモポリマーもしくはコポリマーをブレンド
したフィルムを用いることもできる。ポリフッ化ビニリ
デン樹脂と熱可塑性アクリルポリマーのブレンド比とし
ては、特に限定されるものではなく、例えばポリフッ化
ビニリデン樹脂100重量部に対しアクリル樹脂100
重量部以上のものでもよい。
【0009】ブレンドする熱可塑性アクリルホモポリマ
ー、コポリマーとしては、アクリルモノマーの1種もし
くは2種以上を重合して得られるホモポリマーまたはコ
ポリマーを挙げることができる。アクリルモノマーとし
ては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチ
ルアクリレート、メチルメタアクリレート、エチルメタ
アクリレート、ブチルメタアクリレート、スチレンなど
一般的なアクリルモノマーを用いることができる。より
好ましくは、メチルメタクリレート単独、あるいはメチ
ルメタクリレートと上記モノマーとのコポリマーが用い
られる。
【0010】ここでいうブレンドとは、ポリフッ化ビニ
リデン樹脂とアクリル樹脂とを単純に混合したもの、あ
るいは、ポリフッ化ビニリデン樹脂とアクリル樹脂とを
共押出しで樹脂成分を熱によって強制融着させたものを
包含する。
【0011】またポリフッ化ビニリデンフィルムの溶融
温度としては、150℃以上が好ましい。溶融温度がこ
れより低いと、耐熱性が低下する場合がある。またポリ
フッ化ビニリデンフィルムの厚みは、ラミネート金属板
の用途により適宜設定されるが、一般には10μm以上
のものが好ましい。フィルムの厚みがこれより薄いと、
耐摩耗性及び傷付性に劣る場合がある。また、フィルム
の接着面には、コロナ放電処理や金属ナトリウムなどに
よる化学処理で表面酸化改質を施してもよい。
【0012】金属板 本発明に用いられる金属板は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、鉄板、ステンレス鋼板、または冷延鋼
板に、亜鉛もしくはニッケルメッキを施した鋼板を用い
ることができる。また、これらの鋼板にクロメート処理
もしくは燐酸亜鉛処理を施した鋼板を用いることができ
る。
【0013】接着層 本発明における接着層は、プライマー樹脂100重量部
に対し熱可塑性アクリル樹脂を5〜50重量部配合した
樹脂組成物から形成される。熱可塑性アクリル樹脂の配
合量が少ないと、ポリフッ化ビニリデンフィルムとの接
着性を十分に向上させることができず、熱可塑性アクリ
ル樹脂の配合量が多すぎると、耐熱性が低下し、接着力
が低下する。
【0014】接着層の膜厚としては、1〜40μmが好
ましく、さらに好ましくは5〜10μmである。膜厚が
薄すぎると、接着力が低下し、膜厚が厚すぎると、凝集
力が低下し、フィルムとしての接着力が低下する傾向に
ある。
【0015】本発明に用いるプライマー樹脂としては、
例えば、フェノキシ樹脂に硬化剤としてメラミン樹脂ま
たはブロックイソシアネートプレポリマーを配合した樹
脂を挙げることができる。
【0016】フェノキシ樹脂は、ビスフェノールAとエ
ピクロルヒドリンより構成される高分子量のポリヒドロ
キシポリエーテルであり、本発明で用いるフェノキシ樹
脂の一例としては、4−4′−ビスヒドロキシフェニル
アルカンのジグリシジルエーテル重合体を挙げることが
でき、重量平均分子量としては3万以上の樹脂が好まし
い。メラミン樹脂の具体例としては、メラミンのイミノ
基にメトキシ化またはブトキシ化した樹脂を挙げること
ができ、重合度としては1〜3のものが好ましい。
【0017】ブロックイソシアネートプレポリマーの具
体例としては、ポリエーテルポリオールもしくはポリエ
ステルポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネート
(HDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ま
たは4−4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等を
重合させたプレポリマーのイソシアネート基を、アルキ
ルアルコール、フェノール性アルコール、MEKオキシ
ム、ε−カプロラクタム、もしくはアセト酢酸エチル等
でブロック化したブロックイソシアネートプレポリマー
を挙げることができる。
【0018】プライマー樹脂に対するメラミン樹脂また
はブロックイソシアネートプレポリマーの配合量は、プ
ライマー樹脂100重量部に対し、1〜30重量部であ
ることが好ましい。メラミン樹脂及びブロックイソシア
ネートプレポリマーの配合量が少なすぎると、耐水性及
び耐熱性が劣化する傾向にあり、配合量が多い場合には
可撓性が低下する傾向にある。
【0019】本発明において、上記プライマー樹脂と配
合して用いられる熱可塑性アクリル樹脂としては、アク
リルモノマーの1種もしくは2種以上を重合して得られ
るホモポリマーまたはコポリマーを挙げることができ
る。アクリルモノマーとしては、メチルアクリレート、
エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタ
アクリレート、エチルメタアクリレート、ブチルメタア
クリレート、スチレンなど一般的なアクリルモノマーを
用いることができる。より好ましくは、メチルメタクリ
レート単独、あるいはメチルメタクリレートと上記モノ
マーとのコポリマーが用いられる。
【0020】本発明において用いられる熱可塑性アクリ
ル樹脂のTgとしては、25℃〜105℃が好ましい。
Tgが低すぎると、耐熱性が劣る傾向にあり、Tgが高
すぎると、接着性が劣る傾向にある。
【0021】プライマー樹脂のより好ましい配合例で
は、重量平均分子量約40000のフェノキシ樹脂と、
重合度1〜3のメトキシ化メラミン樹脂とを配合しプラ
イマー樹脂を調製する。
【0022】本発明における接着層には、必要に応じて
防錆顔料を配合することができる。このような防錆顔料
の配合により、接着層に防錆塗料としての機能を付与す
ることができ、金属板の防錆性を向上させることができ
る。防錆顔料の配合料としては、例えばプライマー樹脂
100重量部に対し、1〜50重量部配合することが好
ましく、さらに好ましくは3〜30重量部である。また
防錆顔料としては、ストロンチウムクロメート、カルシ
ウムクロメート、ジンククロメート等のクロメート系顔
料、リン酸アルミ系顔料、鉛系顔料、リンバナジウム系
顔料などを挙げることができる。
【0023】また、本発明における接着層には、必要に
応じて、タルク、カオリン、クレーなどの体質顔料や、
酸化チタンなどの着色顔料を添加することができる。本
発明における接着層またはポリフッ化ビニリデン中に
は、必要に応じて紫外線吸収剤や酸化防止剤等の添加剤
を添加することかできる。
【0024】本発明の製造方法は、プライマー樹脂10
0重量部に対し熱可塑性アクリル樹脂5〜50重量部を
配合した樹脂組成物からなる接着層を金属板上に形成す
る工程と、接着層上にポリフッ化ビニリデンフィルムを
ラミネートする工程とを備えている。
【0025】本発明の製造方法の第1の実施態様におい
ては、上記接着層を金属板上に塗布して形成する工程
と、接着層を180〜300℃に加熱する工程と、加熱
した接着層の上にポリフッ化ビニリデンフィルムを貼り
合わせ接着する工程とを備えている。
【0026】本発明の製造方法の第2の実施態様におい
ては、上記接着層を金属板上に塗布して形成する工程
と、接着層を100〜150℃に加熱し乾燥する工程
と、乾燥後の接着層の上にポリフッ化ビニリデンフィル
ムを貼り合わせる工程と、ポリフッ化ビニリデンフィル
ムを貼り合わせた接着層を180〜300℃に加熱しポ
リフッ化ビニリデンフィルムを接着する工程とを備えて
いる。
【0027】
【発明の作用効果】本発明のラミネート金属板では、プ
ライマー樹脂に所定量の熱可塑性アクリル樹脂を配合し
た樹脂組成物からなる接着層により金属板上にポリフッ
化ビニリデンフィルムがラミネートされている。本発明
において、ポリフッ化ビニリデンフィルムとの接着性が
向上する詳細な理由については明らかではないが、おそ
らく接着層中の熱可塑性アクリル樹脂とポリフッ化ビニ
リデンフィルムとの相溶性により、界面の境界がなくな
るような物理的接着が発現し、より強固な接着力を得る
ことができるものと思われる。
【0028】本発明に従えば、接着層を介して金属板上
にポリフッ化ビニリデンフィルムがラミネートされる単
純な構造でラミネート金属板が構成されている。従っ
て、その製造工程を従来よりも簡易な方法にすることが
できる。
【0029】本発明の製造方法は、上記本発明のラミネ
ート金属板を製造することができる方法であり、簡易な
工程で、接着性に優れたラミネート金属板を製造するこ
とができる。
【0030】本発明の製造方法の第1の実施態様では、
接着層を金属板上に塗布して形成した後、接着層を18
0〜300℃、好ましくは200〜260℃に加熱し、
この加熱状態おいて接着層の上にポリフッ化ビニリデン
フィルムを貼り合わせ接着している。この加熱により、
ポリフッ化ビニリデンフィルムのTg以上に加熱された
状態で、接着層の上に接着される。接着後はすぐに冷却
される。
【0031】第1の実施態様において、ポリフッ化ビニ
リデンフィルムをラミネートし冷却した後、さらに18
0〜300℃、好ましくは200〜260℃に再度加熱
して焼き付けてもよい。第1の実施態様では、接着層の
乾燥及び硬化による接着を同時に行うことができる。
【0032】本発明の製造方法の第2の実施態様では、
金属板上に接着層を塗布して形成した後、接着層を10
0〜150℃に加熱し乾燥する。この温度では、接着層
は完全な硬化状態とならず、硬化前の状態である。接着
層を乾燥した後、接着層の上にポリフッ化ビニリデンを
貼り合わせ、再び180〜300℃、好ましくは200
〜260℃に加熱し、この状態で接着層とポリフッ化ビ
ニリデンフィルムを接着する。接着後はすぐに冷却され
る。
【0033】
【実施例】実施例1 基材としてのクロメート処理鋼板の上に、プライマー樹
脂100重量部に対し、熱可塑性アクリル樹脂を表1に
示す割合で配合した樹脂組成物をバーコータで塗布し
た。塗布量は、乾燥後の膜厚が10μmになるように塗
布した。プライマー樹脂及び熱可塑性アクリル樹脂とし
ては以下のものを用いた。
【0034】・プライマー樹脂 フェノキシ樹脂:東都化成社製、商品名フェノトートY
P−40(重量平均分子量40000、Tg100℃、
OH価0.35mgKOH/g)50重量部。 メラミン樹脂:三井サイテック社製、商品名サイメル7
12(メチロール/イミノ基,イミノ基型、重合度1.
40、比重1.10)2重量部。 着色顔料:石原産業社製、商品名チタンCR−91、1
8重量部。 体質顔料:丸尾カルシウム社製、商品名クレー1号、3
重量部。 溶剤:MIBK14重量部+アノン13重量部。
【0035】・熱可塑性アクリル樹脂 MMA(メチルメタクリレート)/EMA(エチルメタ
クリレート)のコポリマー(重量平均分子量4200
0、Tg55℃、酸価0mgKOH/g)
【0036】上記樹脂組成物を塗布し接着層を形成した
後、250℃の温度に到達するまで1分間加熱した後、
速やかに接着剤層の上にポリフッ化ビニリデンフィルム
を貼り合わせ接着した。接着後すぐに冷却した。
【0037】ポリフッ化ビニリデンフィルムとしては、
商品名DX−14(デン化社製、ポリフッ化ビニリデン
樹脂100重量部にポリメチルメタクリレート20重量
部をブレンドしたもの、膜厚30μm)を用いた。
【0038】以上のようにして得られたラミネート金属
板について、接着性を評価するため、20℃におけるエ
リクセン評価試験(RTエリクセン)を行った。ポリフ
ッ化ビニリデンフィルム及び接着剤からなる層を有する
金属板に、図2に示すように5mm幅で縦方向及び横方
向に十字形状にカット線を入れ、この部分を、JISK
5400の8.2エリクセン値測定方法に準じ、図1
に示すように7mm押し出した。図1及び図2に示すよ
うに、押し出し高さを1.4mmのピッチで5段階に区
分し、図2に示すように頂点の部分からコーティング膜
を剥離してゆき、どの区分の地点でフィルムが破壊(材
料破壊)するかにより評価した。
【0039】また、低温接着性について評価するため、
5℃におけるエリクセン評価試験を行った。試験温度を
5℃とする以外は、上記RTエリクセン評価試験と同様
にして行った。評価試験結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、アクリル樹脂を
5〜50重量部配合した場合において、優れた接着性を
発現していることがわかる。
【0042】実施例2 実施例1で用いたプライマー樹脂100重量部に、実施
例1で用いた熱可塑性アクリル樹脂20重量部を配合し
たものを接着層として、接着層を塗布した後加熱する温
度を変化させ、加熱温度の影響について検討した。接着
性はRTエリクセンにより評価した。評価結果を表2に
示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2から明らかなように、ラミネートの際
の加熱温度が180〜300℃において優れた接着性を
発現していることがわかる。
【0045】実施例3実施例2で用いた組成の接着層
を、塗布量を変えて塗布し、塗布量の影響につ いて検討した。その他の条件は実施例1と同様にして行
った。評価結果を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】表3から明らかなように、接着層の塗布量
が1〜40μmにおいて、優れた接着性が発現されるこ
とがわかる。
【0048】実施例4 図3は、本発明に従うラミネート金属板の構成を説明す
るための概略断面図である。図3に示すように、金属板
1上にプライマー樹脂とアクリル樹脂をブレンドした接
着層2を設け、この接着層2の上にポリフッ化ビニリデ
ンフィルム3をラミネートしている。
【0049】実施例1におけるアクリル樹脂配合量20
重量部のものを用い、図3に示すような本発明に従うラ
ミネート金属板を作製し、図4に示すようなものと比較
した。図4は、比較例のラミネート金属板を示してお
り、ここでは、金属板1の上にプライマー樹脂からなる
接着層4を設け、ポリフッ化ビニリデンフィルム3の接
着面側に実施例1においてプライマー樹脂とブレンドし
た熱可塑性アクリル樹脂を塗布しアクリル樹脂層5を形
成している。このような状態で実施例1と同条件で加熱
しラミネートさせた。
【0050】得られた各々のラミネート金属板について
エリクセンを評価した結果、実施例4のRTエリクセン
は4であり、5℃エリクセンは5であったのに対し、比
較例のRTエリクセンは0であり、5℃エリクセンは0
であった。
【0051】このことからも明らかなように、本発明に
おいてプライマー樹脂に配合される熱可塑性アクリル樹
脂を別の接着層として用いてもほとんど接着性向上の効
果が現れず、本発明のようにプライマー樹脂中に熱可塑
性アクリル樹脂をブレンドすることにより、接着性が向
上することがわかる。
【0052】実施例5 ポリフッ化ビニリデンフィルムとして、熱可塑性アクリ
ルポリマーをブレンドしていない、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂そのものからなるフィルム(膜厚30μm)を用
い、実施例1で用いたプライマー樹脂100重量部に、
実施例1で用いた熱可塑性アクリル樹脂20重量部を配
合したものを接着層として、加熱温度及び接着層の塗布
量等その他の条件は実施例1と同様にして、ラミネート
金属板を作製し、接着性を評価した。その結果RTエリ
クセンは5であり、5℃エリクセンは5であった。
【0053】比較として、プライマー樹脂に熱可塑性ア
クリル樹脂をブレンドせずに接着層を形成し、その他は
上記実施例と同様にして、ラミネート金属板を作製し
た。このものについて接着性を評価した結果、RTエリ
クセンは0であり、5℃エリクセンは0であった。
【0054】以上のことから明らかなように、本発明に
従いプライマー樹脂に熱可塑性アクリル樹脂を配合し接
着層として用いることにより、ポリフッ化ビニリデン樹
脂そのものからなる、すなわち熱可塑性アクリルポリマ
ー等をブレンドしていないポリフッ化ビニリデンフィル
ムに対しても優れた接着性を得られるようになることが
わかる。
【0055】実施例6 実施例1で用いたプライマー樹脂100重量部に、実施
例1で用いた熱可塑性アクリル樹脂20重量部を配合
し、さらに防錆顔料としてのストロンチウムクロメート
(商品名:ストロンチウムクロメートN、菊池色素社
製)を、表4に示す配合割合で添加し分散させた後、リ
ン酸亜鉛系処理鋼板にバーコータを用いて塗布量が10
μmとなるように塗布した後、220℃で1分間焼き付
け、その後実施例1と同様にしてポリフッ化ビニリデン
フィルムを貼り合わせラミネートした。
【0056】以上のようにして得られたラミネート金属
板について、RTエリクセン評価を行うとともに、JI
S K 5400 9.1耐塩水噴霧性試験に準拠し
て、耐塩水噴霧性を評価した。評価結果を表4に示す。
【0057】
【表4】
【0058】なお、耐塩水噴霧性において、錆発生の長
さが10mm以下の場合を良好と判断した。表4から明
らかなように、ストロンチウムクロメートの添加量が1
〜50重量部の場合に耐塩水噴霧性及びRTエリクセン
評価で良好な結果を示しており、さらに5〜20重量部
の範囲で一層良好な結果が得られている。
【0059】実施例7 実施例1で用いたプライマー樹脂100重量部に、実施
例1で用いた熱可塑性アクリル樹脂20重量部を配合し
たものを接着層として、実施例1と同様にクロメート処
理鋼板に塗布量が10μmとなるように塗布した。塗布
後125℃で2分間乾燥した後に放冷した。乾燥した接
着層の上に、実施例1と同様のポリフッ化ビニリデンフ
ィルムを貼り合わせた後、250℃に加熱し、ポリフッ
化ビニリデンフィルムを接着しラミネートした。得られ
たラミネート金属板についてRTエリクセン評価を行っ
た結果、RTエリクセンは5であった。
【0060】実施例8 実施例1で用いたプライマー樹脂において、硬化剤とし
てのメラミン樹脂の代わりに、ブロックイソシアネート
プレポリマーを用いた。ブロックイソシアネートプレポ
リマーとしては、商品名コロネート2513(日本ポリ
ウレタン社製、ブロック剤=アセトン酢酸エチル、固形
分80%、有効NCO含有率10.2%)を、フェノキ
シ樹脂50重量部に対し3重量部用いその他の配合は実
施例1と同様にして接着層を形成した。形成した接着層
を表5に示す所定の温度に1分間加熱した後、速やかに
接着剤層の上に実施例1と同様のポリフッ化ビニリデン
フィルムを貼り合わせ接着した。接着後すぐに冷却し
た。
【0061】以上のようにして得られたラミネート金属
板について、接着性を評価するためRTエリクセン評価
試験を行った。得られた結果を表5に示す。
【0062】
【表5】
【0063】表5から明らかなように、ラミネートの際
の加熱温度が180〜300℃において優れた接着性が
得られている。
【図面の簡単な説明】
【図1】エリクセン値の測定方法を説明するための側面
図。
【図2】エリクセン値の測定方法を説明するための平面
図。
【図3】本発明に従う実施例4のラミネート金属板の構
成を説明するための概略断面図。
【図4】比較例のラミネート基板の構成を説明するため
の概略断面図。
【符号の説明】 1…金属板 2…接着層 3…ポリフッ化ビニリデンフィルム 4…接着層 5…アクリル樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08J 5/12 CEW // C09D 5/00 PPF C09J 5/00 JGP C08L 27:16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属板上に接着層を介してポリフッ化ビ
    ニリデンフィルムをラミネートした金属板であって、 プライマー樹脂100重量部に対し熱可塑性アクリル樹
    脂を5〜50重量部配合した樹脂組成物を前記接着層に
    用いることを特徴とするラミネート金属板。
  2. 【請求項2】 前記プライマー樹脂が、フェノキシ樹脂
    に、硬化剤としてメラミン樹脂またはブロックイソシア
    ネートプレポリマーを配合した樹脂である請求項1に記
    載のラミネート金属板。
  3. 【請求項3】 前記接着層の膜厚が1〜40μmである
    請求項1または2に記載のラミネート金属板。
  4. 【請求項4】 前記接着層が防錆顔料を含有する請求項
    1〜3のいずれか一項に記載のラミネート金属板。
  5. 【請求項5】 前記金属板が、鉄板、ステンレス鋼板も
    しくは冷延鋼板に、亜鉛もしくはニッケルメッキを施し
    た鋼板、またはこれらの鋼板にクロメート処理もしくは
    燐酸亜鉛処理を施した鋼板である、請求項1〜4のいず
    れか一項に記載のラミネート金属板。
  6. 【請求項6】 プライマー樹脂100重量部に対し、熱
    可塑性アクリル樹脂5〜50重量部を配合した樹脂組成
    物からなる接着層を金属板上に形成する工程と、 前記接着層上にポリフッ化ビニリデンフィルムをラミネ
    ートする工程とを備えるラミネート金属板の製造方法。
  7. 【請求項7】 プライマー樹脂100重量部に対し、熱
    可塑性アクリル樹脂5〜50重量部を配合した樹脂組成
    物からなる接着層を金属板上に塗布して形成する工程
    と、 前記接着層を180〜300℃に加熱する工程と、 前記加熱した接着層の上にポリフッ化ビニリデンフィル
    ムを貼り合わせ接着する工程とを備えるラミネート金属
    板の製造方法。
  8. 【請求項8】 プライマー樹脂100重量部に対し、熱
    可塑性アクリル樹脂5〜50重量部を配合した樹脂組成
    物からなる接着層を金属板上に塗布して形成する工程
    と、 前記接着層を100〜150℃に加熱し乾燥する工程
    と、 前記乾燥後の接着層の上にポリフッ化ビニリデンフィル
    ムを貼り合わせる工程と、 前記ポリフッ化ビニリデンフィルムを貼り合わせた接着
    層を180〜300℃に加熱し、ポリフッ化ビニリデン
    フィルムを接着する工程とを備えるラミネート金属板の
    製造方法。
JP6224378A 1994-09-20 1994-09-20 ラミネート金属板及びその製造方法 Pending JPH0885187A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6224378A JPH0885187A (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ラミネート金属板及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6224378A JPH0885187A (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ラミネート金属板及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0885187A true JPH0885187A (ja) 1996-04-02

Family

ID=16812822

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6224378A Pending JPH0885187A (ja) 1994-09-20 1994-09-20 ラミネート金属板及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0885187A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997027003A1 (en) * 1996-01-22 1997-07-31 Elf Atochem S.A. Method for the adhesion of fluorinated resins to metals
KR100402014B1 (ko) * 1999-11-12 2003-10-17 주식회사 포스코 가공후 밀착성이 우수한 도금강판용 수지피복용액 및 이를이용한 수지피복 강판의 제조방법
KR100482211B1 (ko) * 2000-11-22 2005-04-13 주식회사 포스코 자동차 연료탱크용 수지피복용액 및 이를 이용한수지피복강판의 제조방법
JP2007168184A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Nippon Steel Materials Co Ltd 樹脂被覆ステンレス鋼箔,容器及び2次電池
WO2014103569A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 住友金属鉱山株式会社 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1997027003A1 (en) * 1996-01-22 1997-07-31 Elf Atochem S.A. Method for the adhesion of fluorinated resins to metals
KR100402014B1 (ko) * 1999-11-12 2003-10-17 주식회사 포스코 가공후 밀착성이 우수한 도금강판용 수지피복용액 및 이를이용한 수지피복 강판의 제조방법
KR100482211B1 (ko) * 2000-11-22 2005-04-13 주식회사 포스코 자동차 연료탱크용 수지피복용액 및 이를 이용한수지피복강판의 제조방법
JP2007168184A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Nippon Steel Materials Co Ltd 樹脂被覆ステンレス鋼箔,容器及び2次電池
WO2014103569A1 (ja) * 2012-12-25 2014-07-03 住友金属鉱山株式会社 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子
KR20150100621A (ko) * 2012-12-25 2015-09-02 스미토모 긴조쿠 고잔 가부시키가이샤 도전성 접착제 조성물 및 그것을 사용한 전자 소자
JPWO2014103569A1 (ja) * 2012-12-25 2017-01-12 住友金属鉱山株式会社 導電性接着剤組成物及びそれを用いた電子素子

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5688598A (en) Non-blistering thick film coating compositions and method for providing non-blistering thick film coatings on metal surfaces
DE60126884T2 (de) Laminat mit abziehbarer Oberschicht und Verfahren zum Abziehen der Oberschicht vom Laminat
KR102128461B1 (ko) 기능성 필름, 및 이를 이용한 라미네이트 강판 및 그 제조 방법
DE3607385A1 (de) Beschichtungszusammensetzung und verfahren zur bildung einer mehrschichtigen beschichtung
JPH0885187A (ja) ラミネート金属板及びその製造方法
JP3223413B2 (ja) 接着性に優れた塗装鋼板
JP3503383B2 (ja) プレコート鋼板とその製造方法
JP3343842B2 (ja) 接着剤との接着性および耐パウダリング性に優れたアルカリ可溶型樹脂皮膜被覆亜鉛系めっき鋼板
JP3204070B2 (ja) 成形加工後に最終塗装を施して使用される成形加工性に優れたプレコート鋼板
JPH01146965A (ja) フッ素樹脂塗料用プライマー組成物
JP4652534B2 (ja) ポリオレフィン樹脂シートラミネート金属板
JP2525405B2 (ja) 接着剤組成物
EP0719844A1 (en) PVC-free coil-coated steel having excellent cut-side corrosion resistance
JPS61236868A (ja) プレコ−ト用粉体塗料組成物
JPH09143423A (ja) 金属板用塗料組成物及びそれを用いた樹脂被覆金属板とその製造方法
JP3082387B2 (ja) フッ素樹脂フィルムラミネート金属板
JP2004067716A (ja) 塗装用樹脂組成物及びこれを用いた樹脂塗装金属板
JPH09109325A (ja) フッ素樹脂系フィルムラミネート鋼板
JPH09100443A (ja) 自動車用塗料組成物
JP6753992B2 (ja) 上層側接着層用組成物及び下層側接着層用組成物
JP3146338B2 (ja) 接着性を有する有機被覆金属板およびその製造方法
JP2017154325A (ja) 意匠金属板及びその製造方法
JP2005169648A (ja) ウレタン塗装金属板及びその製造方法
JP2004067851A (ja) 接着剤用樹脂組成物、フッ素樹脂フィルム組成物並びにこれらを用いたフッ素樹脂フィルムラミネート金属板
JP2023137591A (ja) 化粧シート及び金属化粧部材