JPH088473Y2 - 腕時計 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は電池駆動の腕時計にかかわる。

［従来の技術および考案が解決しようとする課題］ 腕時計にはぜんまい駆動のものと、電池駆動のものが
あるが現在電池駆動のものは腕時計全体の半分以上を占
めている。

これらの電池駆動の腕時計は通常ボタン電池や薄型の
乾電池を使用しているが、これらの電池は腕時計の時計
部分のケース内に設けられた所定の電池収納部に収納さ
れており、電池交換には技術を要して、しかも電池厚の
分だけ時計部分が厚くなっており、薄型化、軽量化に限
界があった。さらに電池としてペーパー電池を使用し、
時計の薄型化軽量化を図ったものもあるが（実開昭58−
88185号公報）、この場合も電池はバンド部分に設けた
収納部の出入れによって交換しなければならず、電池交
換は細かい作業を要し、しかもバンド部分にこのような
電池収納部を設けるためバンドの製造も容易ではない。
さらに通常の電池は液モレ等のおそれがある。

本考案は上記従来の問題点を解決するためになされた
もので、腕時計の電池収納スペースを全く不要とし、且
つ腕時計を非常に薄く軽量とし、しかも安全性の高い腕
時計を提供することを目的とする。又、バンドの製造が
容易で安価に構成できる腕時計を提供することを目的と
する。

さらに、電池交換に技術を必要とせず使用者でも極め
て簡単に交換することができる腕時計を提供することを
目的とする。

［課題を解決するための手段］ このような目的を達成する本考案の腕時計は、電池駆
動の腕時計であって、バンドと時計部分とから成り、且
つ前記バンドが駆動電源であるペーパー電池と絶縁性封
止剤とを積層して成るものである。

［実施例］ 以下、本考案を図面の実施例に基き説明する。

第１図は本考案に係る腕時計の斜視図を示すもので、
時計部分１とバンド２とから成り、時計部分１は第２図
に示すように公知の電池駆動の電子回路基板11及び表示
部12がケース10内に収納されたものでその表示部12は液
晶デジタル表示、針によるアナログ表示等、特に限定さ
れるものではない。この時計部分１はケース10内に電池
を有していないので非常に薄くすることができる。又、
バンド２を兼ねたペーパー電池と接続するための端子1
3、14がケース10の下面10a、バンド２と接する面に設け
られる。

一方、バンド２に用いられるペーパー電池としては、
薄いフィルム状の可撓性のあるいわゆるペーパー電池が
用いられるが好適には特願昭62−286922（特開平１−13
0473）に記載されるペーパー電池を用いる。

このペーパー電池は、第３図に示すように絶縁体上４
に正極の集電層５、正極の活物質層６、高分子固体電解
質７及び金属薄膜層８を順次積層して成るもので必要な
電圧を得るために更に適当な枚数を重ねて使用される。
このようにこのペーパー電池は、高分子固体電解質を使
用しているので、液モレがなく且つフィルム状であるた
め、カッター、ハサミなどで自由な形状にカットして使
うことができ、しかも非常に安全性が高い。本考案に係
る腕時計のバンド２は第４図に示すように所定のバンド
型の形状にカットしたペーパー電池20、21を同種の形状
の絶縁性のフレキシブルな封止材22、23、24と積層し、
一体化したもので、中間の封止材23はペーパー電池20、
21を直列に接続するために適当な開口部23aを有する。
封止材22、23、24は紙、プラスチックフィルム等絶縁性
材料のものが用いられ種々のデザインを印刷、型押し、
転写等で施すことが可能であり、さらに消費者が自由に
デザインを施すことも可能である。

たとえば封止材の色を変えることによっても自由なデ
ザインが可能である。

ペーパー電池20、21は例えば負極である金属薄膜層が
下側になるように積層し、且つ下側のペーパー電池21の
中央付近の一部を上層の封止材22上に折り曲げ、負極側
の端子Ａとする。又、上層の封止材22の中央付近は、こ
の端子Ａの位置に並列して切欠部22aが設けられ、上側
のペーパー電池20の正極がこの切欠部22aを通して正極
側の端子Ｂとなる（第５図）。

これら端子Ａ及びＢに前述の時計部分１の端子13、14
がそれぞれ対応し接続される。

このように構成されるペーパー電池20、21及び封止材
22、23、24を第４図の如く積層し、必要に応じ適当な接
着剤により貼着することにより、バンド２は容易に製造
することができる。

なお、電極の取り出し方法についてはその他導電性の
接着材を使用する方法や銅箔テープなどによる方法など
様々な方法が考えられるが、特に限定されるものではな
い。

次に、時計部分１とバンド２との接続方法は導電性の
接着材を使用する、時計側に適当な係止部材（フックな
ど）やバンド２を通し保持する溝などを設けるなどの方
法があるがデザインに応じ適宜選択することができる。

又、バンド２を腕に固定するためにバンド２の端部に
はマジックテープ３、フック、マグネット等が設けられ
る。

このような構成において、本考案の腕時計は腕時計部
分１をその端子13、14がバンド２側の端子Ａ、Ｂと接続
するようにフック等で固定することにより簡単に組み立
てることができ、又、電池交換をする場合にはバンド２
を取り外し交換すればよいので、従来の電池交換に比し
てその作業も極めて容易である。

尚、本考案の腕時計は本実施例に限定されるものでは
なく、ペーパー電池は１枚でも好適であり、電極の取り
出し方法、時計部分１とバンド２との固定方法、時計部
分の構成等適宜変更できるのはいうまでもない。

［考案の効果］ 本考案は腕時計のバンドをペーパー電池とし、その電
池収納スペースを不要としたので、腕時計全体を非常に
薄く、軽量とすることができ、しかも製造が容易であ
る。

また、本考案の腕時計のバンドに使用するペーパー電
池は、高分子固体電解質を使用しているため液モレがな
く、従って安全性が高く、また自在にカットして使うこ
とができるので腕時計のバンドとしての形を自由に作成
できる。

さらに、バンドの封止材にあらかじめ印刷などを施し
ておけば、さまざまなデザインが作成でき、しかも電池
交換としては、使用済みになったバンドを新しいバンド
と交換すればよく、再び腕時計として使用できる。

以上のように本考案の腕時計は産業上極めて価値が高
いものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る腕時計の斜視図、第２図（ａ）
（ｂ）は同腕時計の時計部分の上下の斜視図、第３図は
同腕時計に適用されるペーパー電池の断面図、第４図及
び第５図はそれぞれ同腕時計のバンドの分解斜視図、全
体斜視図である。 １……時計部分 ２……バンド 20、21……ペーパー電池

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バンドと時計部分とから成る電池駆動の腕
   時計において、前記バンドは、絶縁体上に正極の集電
   層、正極の活物質層、高分子固体電解質及び金属薄膜層
   を順次積層して成るペーパー電池を前記バンドの形状に
   カットしたものを少なくとも１枚と、前記ペーパー電池
   の両面に積層される前記バンドの形状のフレキシブルな
   絶縁封止材とから成ることを特徴とする腕時計。