JPH0882901A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JPH0882901A
JPH0882901A JP6216084A JP21608494A JPH0882901A JP H0882901 A JPH0882901 A JP H0882901A JP 6216084 A JP6216084 A JP 6216084A JP 21608494 A JP21608494 A JP 21608494A JP H0882901 A JPH0882901 A JP H0882901A
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JP
Japan
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silver halide
fixing
processing
sensitive material
liquid
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JP6216084A
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English (en)
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Kazuya Tsukada
和也 塚田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中型又は小型自現機による45秒以下の迅速処
理において、センシトメトリー性能を劣化する事無くオ
イルスラッジを改善した、ハロゲン化銀写真感光材料の
処理方法の提供。 【構成】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層の感
光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料
を自動現像機により現像、定着、水洗処理する方法にお
いて現像工程の液外処理時間/(液中処理時間+液外処
理時間)比が0.20〜0.30であり、及び/又は定着工程の
液外処理時間/(液中処理時間+液外処理時間)比が0.
23〜0.33であり、かつ全工程の処理時間がDry to Dry45
秒以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法に関し、詳しくは中型又は小型自動
現像機に適するハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、患者数が多くX線写真の処理枚数
及び消費量が多い大規模病院向けに迅速型の大型な自動
現像機(以後自現機ともいう)が普及してきた。一方、
市場の要望として例えば中規模・小規模病院では狭いス
ペースの中で作業可能な様に自動現像機の省スペース
化、又は中型・小型機の迅速化が望まれている。自動現
像機を小型化しようとすると自ずから現像処理槽、定着
処理槽の容積が小さくなるため処理槽内の搬送に使用さ
れる現像及び定着ラックが小型化及び簡易化される。例
えば大型自現機ではラックのローラー構成に余裕がある
ためローラー配置を千鳥にしたり、処理槽底部で大きい
反転ローラーを設けたり、ローラー数が多い等の特徴が
あるが中型・小型の場合搬送ローラー数が減り、ローラ
ー配置も千鳥が減り対抗型が増える等の特徴を持つ。
【0003】又、小型化に際しラック構成の工夫以外に
現像工程中の現像液中から定着液に浸漬する迄の液外時
間、定着工程中の定着液中から水洗液に浸漬する迄の液
外時間の割合が処理槽容積が減少(パス長が短くなる)
分だけ高くなるという特徴をもつ。
【0004】一方、オイルスラッジは感材から処理液中
に溶出したオイル(界面活性剤類,不溶成分)がローラ
ー及び処理感材に付着・転写し未現像・未定着処理部分
跡を処理済みフィルムに残したり、不溶成分が付着した
まま残る故障と考えられている。迅速処理した場合には
ローラーによるしごきが激しくなるために不溶成分が溶
出しやすくなる、ローラーへの衝突力が強く感材からは
がれ易いなどの現象からオイルスラッジには好ましく無
い処理である。一方、処理速度が遅い場合でも液中での
溶出時間が長くなる、液中で不溶成分を拾い易く成る等
の不都合が生じる。
【0005】また、現像液補充量、定着液補充量に関し
て、最近環境保全の立場、95年に実施される処理廃液海
洋投棄禁止を踏まえて廃液処理負荷軽減、廃液減のため
に超低補充化が進んでいる。補充量低減は処理液の処理
剤成分、感材からの溶出成分が濃厚化するためにオイル
スラッジは発生しやすい。
【0006】更に、超低補充化に伴う酸化を抑制するた
めに保恒剤例えば亜硫酸イオンが多量に添加された場合
も現像液中の塩濃度が高くなり溶解性が落ちオイルスラ
ッジは発生しやすくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な中
型又は小型自現機による45秒以下の迅速処理において、
センシトメトリー性能を劣化する事無くオイルスラッジ
を改善した、ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法の提
供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、支
持体上の一方の側に、少なくとも1層の感光性ハロゲン
化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光材料を自動現像機
により現像、定着、水洗処理する方法において現像工程
の液外処理時間/(液中処理時間+液外処理時間)比が
0.20〜0.30であり、及び/又は定着工程の液外処理時間
/(液中処理時間+液外処理時間)比が0.23〜0.33であ
り、かつ全工程の処理時間がDry to Dry45秒以下である
ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法
により達成される。現像及び/又は定着の補充量が200m
l/m2以下である場合、又は現像液中の亜硫酸イオン濃
度が0.45mol/L以上である場合は更に好ましい。
【0009】以下、本発明を詳述する。
【0010】本発明において、現像工程とは感光材料の
先端が、挿入口を経た以降の現像液突入から定着液突入
迄を指す。定着工程とは感光材料の先端が、定着液突入
から水洗水突入迄を指す。
【0011】本発明において現像工程の液外処理時間/
(液中処理時間+液外処理時間)比は0.20〜0.30である
が、0.20未満であれば本発明のオイルスラッジ改善効果
に乏しく0.30より高いとセンシトメトリー性能を保てな
くなる。好ましくは、0.22〜0.27である。
【0012】定着工程の液外処理時間/(液中処理時間
+液外処理時間)比は0.23〜0.33であるが0.23未満であ
ればオイルスラッジ改善に乏しく0.33より高い場合定着
ムラ、乾燥不良・ムラの発生がある。好ましくは、0.25
〜0.30である。
【0013】本発明の自動現像機は、液外部に次工程へ
の液の持ち込みを減少するための現像−定着のワタリラ
ック、定着−水洗のワタリを設けても良い。
【0014】本発明の自動現像機は、現像工程、定着工
程どちらか一方の工程だけでも本発明の規定でオイルス
ラッジ改善が見られるが両工程共に本発明の規定である
ほうがより改善効果が大きい。
【0015】本発明に係るハロゲン化銀感光材料の現像
処理方法は、現像、定着、水洗及び乾燥の工程を含む自
動現像機で処理されるとき、現像から乾燥までの工程全
処理時間は45秒以下で本発明の効果が発揮されるが30秒
以下でも良い。即ち、感光材料の先端が現像液に浸漬さ
れ始める時点から、処理工程を経て、同先端が乾燥ゾー
ンを出てくるまでの時間(いわゆる Dry to Dry の時
間)が45秒以内であることである。
【0016】現像工程及び定着工程の液外部は熱を奪う
様な風の対流が少なくそれぞれの現像温度、定着温度付
近に温度が保たれることが好ましい。液外ローラーにヒ
ートローラーを使っても良いし、液外部だけに温調を設
けても良い。
【0017】現像液及び定着液の補充量に関しては200m
l/m2以下が好ましいが200〜65ml/m2がより好ましい。
65ml/m2より低いと液の蒸発量と感材による液持ち出し
量より少ないことと、センシトメトリー性能、定着性が
厳しいため好ましくない。
【0018】現像液中の亜硫酸イオン量は0.45mol/L
以上が好ましいが0.65mol/L以下がより好ましい。0.6
5mol/Lより多いと銀スラッジが発生しやすくなり、減
感も伴い好ましくない。
【0019】水洗水に関しては水洗量2.5L/分以上が
好ましいが付着成分の洗い出しという観点からいくと4.
0L/分がより好ましい。
【0020】自動現像機については大型自現機において
も本発明の効果が若干発揮されるが液外比率が高く本発
明の規定に合う中型、小型自現機においてより高い効果
が発揮される。
【0021】本発明の現像液での現像時間は5〜30秒
で、好ましくは6〜20秒である。現像温度は25〜50℃が
好ましく、30〜40℃がより好ましい。
【0022】定着温度及び時間は約20〜50℃で6〜20秒
が好ましく、30〜40℃で6〜15秒がより好ましい。
【0023】乾燥時間は、通常35〜100℃好ましくは40
〜80℃の熱風を吹きつけたり、遠赤外線による加熱手段
が設けられた乾燥ゾーンが、自動現像機に設置されてい
てもよい。
【0024】又、自動現像機には前記現像、定着、水洗
の各工程の間に、感光材料に水又は定着能を持たない酸
性溶液のリンス液を付与する機構を備えた自動現像機
(特開平3-264953号)を用いてもよい。さらに自動現像
機には、現像液や定着液を調液できる装置を内蔵してい
てもよい。
【0025】本発明の現像液には、現像剤として1,4-ジ
ヒドロキシベンゼン類或は必要に応じてp-アミノフェノ
ール系化合物及び又はピラゾリドン系化合物を含有する
ことがベースとなる。
【0026】1,4-ジヒドロキシベンゼン類としてはハイ
ドロキノン、クロロハイドロキノン、ブロムハイドロキ
ノン、イソプロピルハイドロキノン、メチルハイドロキ
ノン、2,3-ジクロロハイドロキノン、2,5-ジクロロハイ
ドロキノン、2,3-ジブロムハイドロキノン、2,5-ジメチ
ルハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルホン酸塩な
どがあるが特にハイドロキノンが好ましい。p-アミノフ
ェノール系現像主薬としてはN-メチル-p-アミノフェノ
ール、p-アミノフェノール、N-(β-ヒドロキシエチル)-
p-アミノフェノール、N-(4-ヒドロキシフェニル)グリシ
ン、2-メチル-p-アミノフェノール、p-ベンジルアミノ
フェノール等があるが、なかでもN-メチル-p-アミノフ
ェノールが好ましい。
【0027】本発明に用いることができるピラゾリドン
系化合物としては、例えば1-フェニル-3-ピラゾリド
ン、1-フェニル-4,4-ジメチル-3-ピラゾリドン、1-フ
ェニル-4-エチル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-5-メチ
ル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-4-メチル-3-ピラゾリ
ドン、1-フェニル-4-メチル-4-ヒドロキシメチル-3-ピ
ラゾリドン、1-フェニル-4,4-ジヒドロキシメチル-3-ピ
ラゾリドン、1,5-ジフェニル-3-ピラゾリドン、1-p-ト
リル-3-ピラゾリドン、1-フェニル-2-アセチル-4,4-ジ
メチル-3-ピラゾリドン、1-p-ヒドロキシフェニル-4,4-
ジメチル-3-ピラゾリドン、1-(2-ベンゾチアゾリル)-3-
ピラゾリドン、3-アセトキシ-1-フェニル-3-ピラゾリド
ンなどのピラゾリドン系化合物を挙げることができる。
【0028】1,4-ジヒドロキシベンゼンの添加量は、現
像液1l当たり0.01〜0.7モルでよく、0.1〜0.5モルが
好ましい。
【0029】又、p-アミノフェノール系化合物及びピラ
ゾリドン系化合物の添加量は、現像液1l当たり0.0005
〜0.2モルで、0.001〜0.1モルが好ましい。
【0030】本発明の現像液に用いられる亜硫酸塩とし
ては、例えば亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫
酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸ナトリウ
ム、メタ亜硫酸カリウムなどが挙げられる。
【0031】現像液には、鉄イオンに対するキレート安
定度定数が8以上であるキレート剤を含有していてもよ
い。ここで言う鉄イオンとは第2鉄(Fe3+)を意味す
る。
【0032】鉄に対するキレート安定度定数が8以上の
キレート剤としては、有機カルボン酸キレート剤、有機
リン酸キレート剤、無機リン酸キレート剤或いはポリヒ
ドロキシ化合物などが挙げられる。
【0033】これらの具体例としては例えば、エチレン
ジアミンジオルトヒドロキシフェニル酢酸、トリエチレ
ンテトラミン酢酸、ジアミノプロパン四酢酸、ニトリロ
三酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ジ
ヒドロキシエチルグリシン、エチレンジアミン二酢酸、
エチレンジアミン二プロピオン酸、イミノ二酢酸、ジエ
チレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢
酸、1,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸、トランスシ
クロヘキサンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢
酸、グリコールエーテルアミン四酢酸、エチレンジアミ
ン-N,N,N′,N′-テトラキスメチレンホスホン酸、ニト
リロ-N,N,N-トリメチレンホスホン酸、1-ヒドロキシエ
チリデン-1,1-ジホスホン酸、1,1-ジホスホノエタン-2-
カルボン酸、2-ホスホノブタン-1,2,4-トリカルボン
酸、1-ヒドロキシ-1-ホスホノプロパン-1,2,3-トリカル
ボン酸、カテコール-3,5-ジスルホン酸、ピロリン酸ナ
トリウム、テトラポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリ
ン酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0034】本発明の現像液には、現像処理中に感光材
料中のゼラチンと硬化反応して膜物性を強化する硬膜剤
を含有させてもよい。硬膜剤としては、例えばグルタル
アルデヒド、α-メチルグルタルアルデヒド、β-メチル
グルタルアルデヒド、マレインジアルデヒド、サクシン
ジアルデヒド、メトキシサクシンジアルデヒド、メチル
サクシンジアルデヒド、α-メトキシ-β-エトキシグル
タルアルデヒド、α-n-ブトキシグルタルアルデヒド、
α,α-ジメトキシサクシンジアルデヒド、β-イソプロ
ピルサクシンジアルデヒド、α,α-ジエチルサクシンジ
アルデヒド、ブチルマレインジアルデヒド、又はこれら
の重亜硫酸塩付加物などが用いられる。
【0035】又、上記成分以外に用いられる添加剤とし
ては、臭化ナトリウム、沃化カリウムのごとき現像抑制
剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリ
エチレングリコール、ジメチルホルムアミド、メチルセ
ロソルブ、ヘキシレングリコール、エタノール、メタノ
ールのごとき有機溶剤或は1-フェニル-5-メルカプトテ
トラゾール、2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スル
ホン酸ナトリウム塩等のメルカプト系化合物、5-メチル
ベンツトリアゾール等のベンツトリアゾール系化合物等
のカブリ防止剤を含んでもよく、更に必要に応じて色調
剤、界面活性剤、消泡剤などを含んでもよい。
【0036】現像液のpHは、9.0〜12でよく、好ましく
は9.0〜11.5の範囲である。pHの設定のために用いるア
ルカリ剤又は緩衝剤としては水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ホウ酸、第
三リン酸ナトリウム、第三リン酸カリウムのごときpH
調節剤を含む。
【0037】本発明では定着液として、チオ硫酸ナトリ
ウム、チオ硫酸アンモニウムなどの定着剤を含有した定
着液を用いることができ、このうち定着速度の点でチオ
硫酸アンモニウムが好ましい。これらの定着剤は一般に
は約0.1モル〜6モル/lの量で用いられる。
【0038】定着液には硬膜剤として水溶液アルミニウ
ム塩を含んでいてもよく、さらに塩化アルミニウム、硫
酸アルミニウム、カリ明ばんなどが挙げられる。
【0039】定着液には、リンゴ酸、酒石酸、クエン
酸、グルコン酸或はそれらの誘導体を、単一又は組み合
わせて使用することが出来る。これらの化合物は定着液
1l当たり0.001モル以上含有するのが有効で、0.005〜
0.03モルが特に有効である。
【0040】定着液のpHは3.8以上で、好ましくは4.2
〜7.0を有するものが好ましい。定着硬膜或は亜硫酸臭
気などを考慮すると4.3〜4.8がより好ましい。
【0041】本発明に適用されるハロゲン化銀写真感光
材料は、医療用放射線写真材料、印刷製版写真材料、直
接ポジ型写真材料などが挙げられる。
【0042】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤のハ
ロゲン化銀組成は、任意でよく例えば沃臭化銀、塩沃臭
化銀などのハロゲン化銀を用いてもよく、高感度のもの
が得られるという点では沃臭化銀乳剤が挙げられる。
【0043】ハロゲン化粒子としては例えば特開昭59-1
77535号、同61-802237号、同61-132943号、同63-49751
号などに開示されている内部高沃度型単分散粒子が挙げ
られる。結晶の晶癖は立方体、8面体、14面体およびそ
の中間の(111)面と(100)面が任意に混在していてもよ
い。
【0044】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、アスペクト比(粒子径)/(粒子厚み)が2
以上の平板状粒子であってもよい。このような平板状粒
子の利点としては、分光増感効率の向上や画像の粒状性
及び鮮鋭性の改良などが得られるとして例えば英国特許
2,112,157号、米国特許4,414,310号、同4,434,226号な
どで開示されており、乳剤はこれら公報に記載の方法に
より調製することができる。
【0045】ハロゲン化銀写真感光材料に用いられる乳
剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で、各種の写真
用添加剤を用いることができる。このような工程で使用
される化合物としては例えば、リサーチ・ディスクロー
ジャー(RD)No.17643(1978年12月)、同No.18716(1979年1
1月)及び同No.308119(1989年12月)に記載されている各
種の化合物が挙げられる。
【0046】
【実施例】以下、本発明を実施例にて説明する。
【0047】実施例1種乳剤の調製1 60℃、pAg=8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブ
ルジェット法で平均粒径0.3μmの沃化銀2モル%を含む
沃臭化銀の単分散立方晶粒子を調製した。
【0048】得られた反応液を40℃にて花王アトラス社
製デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて
脱塩したのち、ゼラチン水溶液を加えて再分散し種乳剤
を得た。
【0049】EM−1の調製 上述の種乳剤を用い次のように粒子を成長させた。ま
ず、40℃に保たれたゼラチン水溶液に種乳剤を分散し、
さらにアンモニア水と酢酸でpH9.7に調整した。
【0050】この液にアンモニア性硝酸銀イオン水溶液
及び臭化カリウムと沃化カリウムの水溶液をダブルジェ
ット法で添加した。添加中はpAg=7.3、pHを9.7に制御
し、沃化銀含有率35モル%の層を形成した。次にアンモ
ニア性硝酸銀水溶液と臭化カリウム水溶液をダブルジェ
ット法で添加した。目標粒径の95%まではpAg=9.0に保
ち、pHは9.0〜8.0にまで連続的に変化させた。その
後、pAgを11.0に調製しpH8.0に保ちながら目標粒径ま
で成長させた。続いて酢酸でpH=6.0まで下げ、5,5′-
ジクロロ-9-エチル-3,3′-ジ-(3-スルホプロピル)オキ
サカルボシアニンナトリウム塩の無水物(増感色素 GD-
1)を400mg/モルAgX添加し、花王アトラス社製デモール
N水溶液と硫酸マグネシウム水溶液を用いて脱塩した
後、ゼラチン溶液を加えて再分散した。
【0051】この方法により平均沃化銀含有率2.0モル
の頂点が丸みを帯びた14面体で平均粒径0.65μm、変動
係数(δ/r)がそれぞれ0.16の単分散沃臭化銀乳剤を
得た。これをEM−1とした。
【0052】種乳剤の調製2 40℃で激しく撹拌した過酸化水素処理ゼラチンを含む0.
05Nの臭化カリウム水溶液に硝酸銀水溶液と過酸化水素
処理ゼラチンを含む等モルの臭化カリウム水溶液をダブ
ルジェット法で添加し、1.5分後から30分間かけて25℃
まで液温度を下げてから硝酸銀1モル当たり80ミリリッ
トルのアンモニア水(28%)を加え5分間撹拌を続け
た。
【0053】その後、酢酸にてpHを6.0に合わせ、花王
アトラス社製デモールN水溶液と硫酸マグネシウム水溶
液を用いて脱塩した後、ゼラチン水溶液を加えて再分散
した。得られた種乳剤は、平均粒径0.23μm、変動係数
0.28の球型粒子だった。
【0054】EM−2及びEM−3の調製 上述の種乳剤を用い、次のように粒子を成長させた。75
℃で激しく撹拌したオセインゼラチンとプロピルオキシ
・ポリエチレンオキシジサクシネート・ジナトリウム塩を
含む水溶液に臭化カリウムと沃化カリウムの水溶液及び
硝酸銀水溶液をダブルジェット法で添加した。この間p
H=5.8、pAg=9.0に保った。添加終了後、pHを6.0に
合わせ、GD-1を400mg/モルAgX添加した。
【0055】さらに40℃にて花王アトラス社製デモール
N水溶液を用いて脱塩した後、ゼラチン水溶液を加えて
再分散した。この方法によりpAgと沃化カリウムを変化
させて平均沃化銀含有率1.5モル%で投影面積直径0.96
μm、変動係数0.25、アスペクト比(投影面積直径/粒
子の厚さ)4.5、8.0の平板状沃臭化銀乳剤を得た。これ
らをそれぞれEM−2、EM−3、とした。
【0056】Lx−1の合成 500mlの3つ口フラスコに、純水385mlを入れ、窒素ガス
で脱酸素を行う。その後、イソノニルアクリレート30
g、シクロヘキシルアクリレート60g、グリシジルメタ
クリレート10gを添加し、開始剤として過硫酸アンモニ
ウムを13.8gを加え、更に、下記分散界面活性剤(1)
及び(2)を加え、95℃で6時間反応を続ける。反応終
了後、40℃に冷却し、5%NaOH水溶液でpH6.0に中和し
て粗製ポリマーラテックスの白色結晶を得た。この白色
結晶をワットマン濾過してポリマーラテックスLx−1
を得た。粒径は180nmで固形分量は20%であった。
【0057】
【化1】
【0058】試料の調製 得られた乳剤EM−1〜EM−3それぞれに55℃にて G
D-1 と、5,5′-ジ-(ブトキシカルボニル)-1,1′-ジエチ
ル-3,3′-ジ-(4-スルホブチル)ベンゾイミダゾロカルボ
シアニンナトリウム塩の無水物を(200:1の重量比)
ハロゲン化銀1モル当たりEM−1は600mg、EM−
2、EM−3は500mg添加した。
【0059】10分後、塩化金酸、チオ硫酸ナトリウム、
チオシアン酸アンモニウムを加えて化学熟成を行った。
熟成終了15分前に、沃化カリウムをハロゲン化銀1モル
当たり200mg添加し、その後4-ヒドロキシ-6-メチル-1,
3,3a,7-テトラザインデンをハロゲン化銀1モル当たり
3×10-2モル加え、ゼラチンを70g含む水溶液に分散し
た。熟成済みの3種類の乳剤をそれぞれEM−I〜EM
−IIIとした。これら乳剤のそれぞれに対し次の添加剤
を加えた。添加量はハロゲン化銀1モル当たりの量で示
す。
【0060】 1,1-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロメタン 70mg t-ブチルカテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン-無水マレイン酸共重合体 2.5g ニトロフェニル-トリフェニルホスホニウムクロリド 50mg 1,3-ジヒドロキシベンゼン-4-スルホン酸アンモニウム 4.0g 2-メルカプトベンツイミダゾール-5-スルホン酸ナトリウム 15mg 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 10mg トリメチロールプロパン 10g C4H9OCH2CH(CH)CH2N(CH2COOH)2 1g 上記記載のラテックス(LX−1) 表1記載量
【0061】
【化2】
【0062】さらに下記に示す染料乳化分散液1.2gを
加え乳剤塗布液とした。
【0063】染料乳化分散液の調製法 下記の染料10kgをトリクレジルホスフェート28リットル
と酢酸エチル85リットルからなる溶媒に55℃で溶解し
た。これをオイル系溶媒と称する。一方アニオン界面活
性剤(AS)を1.35kgを含む9.3%ゼラチン水溶液を水
系溶媒と称する。
【0064】次にオイル系溶剤と水系溶剤を分散釜に入
れ、液温を40℃に保ちながら分散した。得られた分散液
にフェノールと1,1′-ジメチロール-1-ブロム-1-ニトロ
メタンの適量を加え、水にて240kgに仕上げた。
【0065】
【化3】
【0066】また保護層に用いた添加剤は次の通りであ
る。添加量は塗布液1リットル当たりの量で示す。
【0067】保護層用塗布液 石灰処理イナートゼラチン 68g 酸処理ゼラチン 2g ナトリウム-i-アミル-n-デシルスルホサクシネート 0.3g ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径5.0μmのマット剤) 1.1g 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径3.0μmのマット剤) 0.5g ルドックスAM(デュポン社製コロイドシリカ) 30g C12H25CONH(CH2CH2O)5H 2.0g グリオキザール40%水溶液(硬膜剤)及び(CH2=CHSO2CH2)2O(硬膜剤) (重量比3:1の混合物) 表1記載の硬膜度を与える量
【0068】
【化4】
【0069】尚、乳剤層は片面当り銀換算値で2.25g/
m2、ゼラチン付量として2.1g/m2、保護層はゼラチン
付量として1.10g/m2となるように2台のスライドホッ
パー型コーターで毎分90mのスピードで、グリシジルメ
タクリレート−メチルアクリレート-ブチルメタクリレ
ート共重合体(50:10:40wt%)を濃度が10wt%に成る
ように希釈して得た共重合体水性分散液を下引き液とし
て塗設した175μmのポリエチレンテレフタレートベース
上に乳剤層、保護層を両面同時塗布し、2分15秒で乾燥
して表1記載の試料を得た。
【0070】
【表1】
【0071】現像処理剤、定着処理剤の調製 現像液 (12L仕上げ) <Aパート> 素材名 量(g) 純水 2940 亜硫酸カリウム 表2記載量 ジエチレントリアミン5酢酸 120 5-メチルベンツトリアゾール 1.62 1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール 0.25 5-ニトロベンツイミダゾール 0.55 4-ヒドロキシメチル-4-メチル-1-フェニル-3-ピラゾリドン 86 ハイドロキノン 390 ジエチレングリコール 550 重炭酸ナトリウム 150 ホウ酸 40 純水 仕上げ6000ml <Bパート> 素材名 量(g) 酢酸(90%) 70 5-ニトロインダゾール 1.2 N-アセチル-D,L-ペニシラミン 1.8 グルタルアルデヒド(50%) 78 定着液 素材名 量(g) チオ硫酸アンモニウム(70wt/vol%) 2750 チオ硫酸ナトリウム 250 亜硫酸ナトリウム 300 酢酸ナトリウム 220 酢酸(90%) 240 ホウ酸 72 酒石酸 36 硫酸アルミニウム 42 純水 仕上げ4800ml 現像用スターター 素材名 量(g) 酢酸(90%) 195 臭化カリウム 225 5-メチルベンツトリアゾール 1.5 化合物:HO−(C2H4)−S−(C2H4)−OH 1.5 化合物:CH3(C3H6NHCONHC2H4SC2H5)2 0.5 純水 1Lに仕上げ 上記、現像液A剤、B剤、定着原液は原液用の一体型ボ
トルに封入される。自現機はケミカルミキサーを内蔵及
び現像工程、定着工程の液外、液中パス長が可変できる
様(処理槽容積可変、処理ラック・液外ラックの改造)
に改造したSRX-251、SRX-101(両自現機共コニカ(株)
製)を用いる。上記一体ボトルは挿入口へ入れた後自動
的に原液が調液部に供給され水で所定容積(12l)に仕
上げられる。このとき現像液はpH10.56、定着液はpH
4.60に各々KOH、硫酸で調整する。現像液、定着液はケ
ミカルミキサー部から処理槽部へと母液供給により注が
れる。現像液1Lに対し前記のスターターを20ml添加し
た後KOH、若しくは酢酸を用いてpH10.30に調整し現像
開始使用液とした。
【0072】定着に関してはケミカルミキサー部で作成
した液を定着補充液及び開始使用液とした。
【0073】上記改造自現機を用いて表2記載の如く処
理時間、補充量を可変して現像温度35℃、定着温度33
℃、水洗水18℃で毎分4.0L/分供給、乾燥温度55℃で
処理を行った。
【0074】<センシトメトリーの評価>得られたフィ
ルム試料Aを蛍光増感紙KO-250(コニカ(株)製)で挟
み、管電圧90kvp、電流20mA、時間0.05秒の条件でX線
照射を行い距離方法においてセンシトメトリーカーブを
作成し感度を求めた。感度の値はカブリ+1.0の濃度を
得るのに必要なX線量の逆数として求めた。
【0075】γ値としてカブリ+0.25〜カブリ+2.0の
濃度範囲において濃度差を濃度を得るに必要な露光量の
対数値差で割った値である傾きとして表した。結果は表
2に示す。
【0076】<オイルスラッジ性の評価>得られた硬膜
剤量の多い(3%NaOH溶液で60℃のメルティングタイム
が30分)感材B(大角サイズ)をランニングフィルムと
して用いて濃度0.9に成るように露光し、1000枚連続処
理を行った。ランニング処理後、6時間放置し感材A
(四つ切りサイズ)の未露光フィルムを10枚処理した。
この未露光の処理済みフィルム10枚を観察し目視5段階
評価した。
【0077】10枚平均の評価結果を表2に示した。
【0078】5:全くオイルスラッジは見られない。
【0079】4:フィルム処理後端1センチ範囲内にだ
け僅かにスラッジが発生している。幅5センチで2箇所
程度。
【0080】3:ローラーのピッチ状のスラッジが部分
的かつ薄く観察される。2のランクの1/10の発生程度。
【0081】2:ローラーのピッチに沿った筋状のオイ
ルスラッジがフィルム全面に観察される。
【0082】1:フィルム全面に渡ってオイルスラッジ
が観察される。5センチ*5センチの範囲内に20箇所以
上。
【0083】<残留銀の測定>前記作成した試料B−
I、B−II、B−IIIを未露光のまま現像処理して残留
銀評価用の試料とした。評価は硫化ナトリウムの2.6×1
0-3モル/l水溶液を残留銀評価液として上記の評価用
フィルム上に1滴滴下し、3分放置後、液をよく拭きと
って常温常湿下で15時間放置した。その後、PDA-65型濃
度計(コニカ(株)製)を用いて評価液を滴下した部分
と、しない部分のブルー光の透過濃度を測定し、その差
を残留銀の程度とした。表2中の価が大きいほど処理後
のフィルム中に残留銀が多いことを表す。
【0084】
【表2】
【0085】表2から明らかなように、45秒以下の迅速
処理に処理工程中の液外比を規定した本発明の構成によ
りセンシトメトリー特性を維持したままオイルスラッジ
の発生に大きな改善効果があることが解る。
【0086】更にスラッジの発生しやすい低補充処理,
亜硫酸イオン濃度が高い処理液使用においても本発明の
構成で幅として大きな改善効果があることが分かる。
【0087】
【発明の効果】本発明により、中型又は小型自現機によ
る45秒以下の迅速処理において、センシトメトリー性能
を劣化する事無くオイルスラッジを改善した、ハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法を提供できる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上の一方の側に、少なくとも1層
    の感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀感光
    材料を自動現像機により現像、定着、水洗処理する方法
    において現像工程の液外処理時間/(液中処理時間+液
    外処理時間)比が0.20〜0.30であり、及び/又は定着工
    程の液外処理時間/(液中処理時間+液外処理時間)比
    が0.23〜0.33であり、かつ全工程の処理時間がDry to D
    ry45秒以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感
    光材料の処理方法。
  2. 【請求項2】 現像及び/又は定着の補充量が200ml/m
    2以下であることを特徴とする請求項1記載のハロゲン
    化銀写真感光材料の処理方法。
  3. 【請求項3】 現像液中の亜硫酸イオン濃度が0.45mol
    /L以上であることを特徴とする請求項2又は3記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
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