JPH088265Y2 - 車両の暖機装置 - Google Patents

車両の暖機装置

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JPH088265Y2
JPH088265Y2 JP1988035137U JP3513788U JPH088265Y2 JP H088265 Y2 JPH088265 Y2 JP H088265Y2 JP 1988035137 U JP1988035137 U JP 1988035137U JP 3513788 U JP3513788 U JP 3513788U JP H088265 Y2 JPH088265 Y2 JP H088265Y2
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brake valve
compression spring
exhaust
valve
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一郎 柳川
雄二 和知
弘久 原
成史 安原
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Description

【考案の詳細な説明】 a. 産業上の利用分野 本考案は、エンジンの排気管内に配設された排気ブレ
ーキバルブを暖機バルブとして使用するようにした車両
の暖機装置に関するものである。
b. 従来の技術とその課題 従来、車両に装備されている排気ブレーキシステム
は、エンジンの排気管に開閉自在な排気ブレーキバルブ
を配設し、この排気ブレーキバルブにてエンジンの排気
管を閉鎖して、排気管内の排気ガス圧力、即ち機関背圧
を高め、エンジンをコンプレッサとして作動させること
により、エンジンブレーキ力を更に増大し、効果的に作
用させるものである。
一方、近年では、ディーゼルエンジンが省エネ政策に
対応して、予燃焼室式または渦流室式から、熱効率の良
好な直接噴射方式に移行してきた。
上述の直噴式ディーゼルエンジンは、燃料の噴射ノズ
ルをシリンダヘッドに設け、このシリンダヘッドとピス
トン頂部の間に燃焼室を形成して、シリンダー内に燃料
を直接噴射させるものであり、、熱効率がよいため排気
ガスの温度が低く、冷却水への熱移動量が少ないので、
暖機性能は悪化する。
よって、寒冷時には暖機運転に長時間を費やすことと
なり、車室内の暖房による快適性を保持するのが困難で
あった。
そこで最近では、排気管の途中に開閉自在な絞り弁を
配設し、この絞り弁により排気系に一時的に一定の絞り
を与え、排気管内部に機関背圧を発生させ、多量の燃料
を燃焼室に供給するよう燃料噴射装置を作動させるとと
もに、燃焼室内に高温の不完全燃焼ガスを残留させ、燃
焼室内を燃料が自己着火し易い状態に保持し、燃料の良
好な燃焼により燃焼室内に多量の熱エネルギーを発散せ
しめて寒冷始動時の暖機運転を促進させることが試みら
れている。
このようなものとして、例えば特公昭50-6915号公報
に示す如く、排気ブレーキを暖機促進用にも兼用して使
用するようにしたものがあるが、かかる構成では暖機運
転中にアクセルペダルを踏み込みエンジン回転数を上昇
させると、回転数が比較的低い段階で排気ガス圧が異常
に高まってエンジンコントロールに支障をきたし、エン
ジンストップ等につながるため(第5図における破線を
参照)、暖機運転はアイドリング時のみしか行なうこと
ができなかった。従って、暖機が完了しなければ車両を
走行させることができず、現実的な解決手段とはなりえ
ない。
なお、特公昭62-39673号公報に示す如く排気ブレーキ
バルブを暖機バルブとして使用する場合には、排気ブレ
ーキバルブ作動用アクチュエータの作用力をエンジンの
背圧とバランスさせるために、アクチュエータ作動用の
バキューム圧(負圧)を一定圧力に調整する減圧機構を
設ければよいのであるが、この場合には、装置が高価な
ものとなってしまう不都合があった。
また、暖機運転装置を排気ブレーキシステムとは別個
に装備して、車両走行時でも暖機運転を可能にしたもの
が提案されているが、かかる構成では、各々の作動バル
ブやこのバルブを開閉させるアクチュエータ、その他の
コントロール装置を各々別個独立に設けなければなら
ず、部品点数が多くなり、排気系がより複雑になるとい
う欠点があった。
また、排気ブレーキシステムは操作せず、吸入側の空
気を絞ることによって、エンジンに負荷を与えて暖機す
る、いわゆる吸気シャッター方式のものも提案されてい
るが、本方式では吸入側を絞るため、燃料と空気との比
率のバランスがくずれて燃料過多となり、着火性能が悪
化するという問題があった。
本考案は、上述の如き種々の問題点に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、極めて簡単な構成でかつ安
価なものでありながら、アイドリング時のみならず車両
走行時においても暖機運転が可能な暖機装置を提供する
ことにある。
c. 課題を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本考案では、エンジン
の排気管内に配設された排気ブレーキバルブを暖機バル
ブとして使用するようにした車両の暖機装置において、
前記排気ブレーキバルブの回動軸を前記排気管の軸心か
ら偏倚した位置に配設すると共に、排気ブレーキバルブ
作動用アクチュエータの出力ロッドに連動し、かつ、前
記排気ブレーキバルブの回動軸に対して回動自在に取付
けられたプレートと、一端が前記プレートに係着された
圧縮スプリングの他端との間に、前記排気ブレーキバル
ブの回動軸と一緒に回動されるように前記回動軸に一体
に結合された回動レバーの一部分であってかつ前記回動
軸から離れた前記回動レバーの先端部分を挟み込み、こ
れにより前記圧縮スプリングの附勢力にて前記回動レバ
ーの先端部分を挟持して前記圧縮スプリング附勢力が前
記回動軸にこじり力として作用しないように構成し、暖
機運転時に、前記排気ブレーキバルブが前記アクチュエ
ータにて閉弁方向に作動されるのに応じて前記排気ブレ
ーキバルブが前記圧縮スプリングのプリセット力にて前
記排気管内で略全閉位置に強制的に回動附勢され、前記
圧縮スプリングのプリセット力を超えるトルクが前記排
気ブレーキバルブに作用したときにはじめて前記排気ブ
レーキバルブが前記回動軸を中心に開弁方向に回動され
るように構成する一方、前記出力ロッドに螺着されたナ
ットとハウジングの上壁とから成る出力ロッド移動阻止
用のストッパ機構を設け、前記ナットが前記ハウジング
の上壁に当接した状態の下では前記アクチュエータの出
力が前記出力ロッドを介して前記排気ブレーキバルブの
回動軸にこじり力として伝達されないように構成してい
る。
以下、本考案の一実施例に付き第1図〜第5図を参照
して詳細に説明する。
第1図は本考案に係る暖機装置の構成を示す概念図で
あり、同図において、1は噴射ノズル2を有する燃料直
接噴射式のディーゼルエンジン、3は吸気管、4は吸気
バルブ、5は排気管、6は排気バルブである。
また、第1図において、7は排気ブレーキ用回路、8
は暖機用回路であり、9は電源、10はメインスイッチ、
11はアクセルスイッチ、12はクラッチスイッチ、13は上
記排気ブレーキ用回路7と暖機用回路8の切換スイッチ
である。
排気ブレーキ用回路7は、電源9からメインスイッチ
10,アクセルスイッチ11,クラッチスイッチ12及び切換ス
イッチ13を介してソレノイドバルブ15に接続され、暖機
用回路8は、電源9からメインスイッチ10,切換スイッ
チ13及び水温検知スイッチ16を介して前記ソレノイドバ
ルブ15に接続されている。また、切換スイッチ13とソレ
ノイドバルブ15との間、及び水温検知スイッチ16とソレ
ノイドバルブ15との間にランプ14,17がそれぞれ配設さ
れている。
なお、前記アクセルスイッチ11及びクラッチスイッチ
12は、図示しないアクセルぺダル及びクラッチぺダルを
解放した状態で各々閉成されるようになっており、また
前記水温検知スイッチ16は、図示しないエンジン冷却系
の冷却水の水温が例えば80℃の設定値以下ならオン状態
となり、該設定値以上ではオフ状態になるように設定さ
れている。
上述のソレノイドバルブ15には、三本の管路19,20,21
が配設されており、ソレノイド(図示せず)が非励磁状
態のときは管路19が閉鎖されて管路20と管路21とが互い
に連通され、ソレノイドが励磁状態になると、管路20が
閉鎖されて管路19と管路21とが互いに連通されるように
なっている。なお、管路19は、第1図に示すようにバキ
ュームポンプなどの真空源23に連絡されている。
また、第1図に示すように、ソレノイドバルブ15の管
路21は、アクチュエータ27に連絡されている。このアク
チュエータ27のハウジング30内は、第2図に示すよう
に、圧力感応可動部材としてのダイヤフラム31により負
圧室32と大気圧室33に画成されており、負圧室32は前記
管路25と連通され、大気圧室33は通気孔34を介して大気
に連通している。また、ダイヤフラム31のリテーナ35
と、ハウジング30との間に圧縮スプリング36が介装され
ており、ダイヤフラム31,リテーナ35と一体に連動する
出力ロッド37が圧縮スプリング36により第2図において
下方へ常時附勢されている。
また、第2図及び第3図に明示する如く、上述の出力
ロッド37の下端にはクレビス39がナット40にて回動自在
に枢着されており、このクレビス39の自由端側の箇所に
は、プレート42に植設されたピン41が相対的に回動自在
の状態で貫通されている。従って、プレート42は出力ロ
ッド37に連動するように構成されている。一方、プレー
ト42には回動軸43がほぼ直交状態で回転自在に貫通配置
されており、この回動軸43に排気ブレーキバルブ44がボ
ルト45にて一体に固定されている。さらに、前記回動軸
43には回動レバー46が嵌着され、この嵌合レバー46は回
動軸43と一緒に回動されるようになっている。なお、上
述の回動軸43の軸心Oは、第1図に明示する如く、排気
管5の軸心Xとは交わらない位置、すなわち、軸心Xか
ら偏倚した位置に配置されている。
また、上述のプレート42には第3図に示すように支持
ピン47が垂直状に立設され、この支持ピン47にジョイン
イト部材48aが係着されている。そして、このジョイン
ト部材48aと、前記回動レバー46に固着されたスプリン
グガイド48bとの間に圧縮スプリング49が架設されてい
る。かくして、プレート42の屈曲片部42aと、一端がプ
レート42に係着された圧縮スプリング49の他端との間
に、排気ブレーキバルブ44の回動軸43と一緒に回動され
る回動レバー46の先端部分46a(回動レバー46のうち回
動軸43の結合箇所から離れた一部分)が挟み込まれて挟
持されている(第3図参照)。このため、通常時は、ス
プリングガイド48bが第3図及び第4図に示すように圧
縮スプリング49の附勢力にて前記プレート42の屈曲片部
42aに当接され、屈曲片部42aのストッパ作用にて回動レ
バー46,回転軸43の矢印A方向への回動が阻止されてい
る。そして、後述の暖機運転時には前記圧縮スプリング
49の附勢力がプリセット力として排気ブレーキバルブ44
に作用し、このプリセット力により排気ブレーキバルブ
44が略全閉位置に強制的に回動附勢されるようになって
いる。
しかして、排気ブレーキバルブ44は圧縮スプリング49
の附勢力にて第1図及び第3図において矢印A方向(排
気管5を閉鎖する方向)に常時附勢されており、アクチ
ュエータ27の出力ロッド37が伸長位置に配置されると排
気ブレーキバルブ44が第1図において実線で示す如く全
開位置に回動され、逆に収縮位置に配置されると排気ブ
レーキバルブ44が第1図において二点鎖線で示す如く略
全閉位置(全閉位置に近い位置)に回動されるようにな
っている。
さらに、出力ロッド37の収縮方向への移動を所定量に
阻止し、排気ブレーキバルブ44の排気管5との間隙を所
定量にするために、出力ロッド37に直接的に螺着された
調整ナット40とハウジングの上壁50とから成る出力ロッ
ド移動阻止用のストッパ機構が設けられており、このス
トッパ機構にて出力ロッド37が移動阻止された状態の下
ではアクチュエータ27の出力がそれ以上出力ロッド37を
介して排気ブレーキバルブ44の回動軸43にこじり力とし
て伝達されないようになっている。一方、プレート42の
第3図における矢印B方向への回動はストッパピン52に
て阻止されるように構成されている。
次に、上述の如く構成された暖機装置の作用に付き説
明する。
排気ブレーキ非作動時 まず、排気ブレーキ非作動時には、切換スイッチ13の
端子13a,13bの何れの側も閉成されず第1図に示す如く
中立状態となされ、管路19と管路21はソレノイドバルブ
15にて遮断される。このため、真空源23からの負圧流体
がアクチュエータ27の負圧室32内に導入されないので、
ダイヤフラム31は圧縮スプリング36の附勢力にて第2図
において下方に附勢され、出力ロッド37が伸長位置に配
置される。これに応じて、プレート42は、前記出力ロッ
ド37,クレビス39及びピン41から成る連動機構の動作に
より第3図において矢印B方向に回動されてストッパピ
ン52に係合した位置に配置せしめられる。一方、回動レ
バー46は圧縮スプリング49の附勢力にて第3図に示す回
動位置のままに保持されているため、出力ロッド37が伸
長されると回動レバー46がプレート42の屈曲片部42aに
より押されて回動附勢され、回動軸43が第1図及び第3
図において矢印C方向に回転される。これに伴って、排
気ブレーキバルブ44が回動軸43と共に同方向に回動さ
れ、排気管5が第1図において実線で示すように排気ブ
レーキバルブ44にて全開状態、すなわち排気ブレーキ解
除状態となる。
排気ブレーキ作動時 エンジン始動と同時にメインスイッチ10が閉成された
状態の下で、切換スイッチ13を排気ブレーキ側13aに接
続すると、排気ブレーキ用回路7が作動態勢に入る。こ
こで、アクセルぺダル及びクラッチぺダルを解放状態に
すると、アクセルスイッチ11及びクラッチスイッチ12が
各々閉成され、ランプ14が点灯して排気ブレーキ用回路
7が作動状態になった旨を運転者に知らせる。
同時にソレノイドバルブ15が励磁状態となり、管路19
と管路21が互いに連通される。このため、真空源23から
の負圧が管路19,21を順次介して、アクチュエータ27の
負圧室32内に導入されるため、大気圧室33内の大気圧と
の差圧により、ダイヤフラム31,出力ロッド37が第6図
及び第7図に示す位置に作動される。すなわち、これら
両部材31,37は、圧縮スプリング36の附勢力に抗して、
ナット40がハウジングの上壁50に当接するまで収縮方向
に移動される。これに伴い、回動レバー46及び回動軸43
が一緒に回転されて排気ブレーキバルブ44が第3図にお
いて矢印A方向に回動され、その結果、排気管5が第1
図において二点鎖線で示す如く略全閉状態となる。
よって、排気管5内の排気ガス圧力、即ちエンジン背
圧が上昇し、エンジン1がコンプレッサとして作用して
車両の制動が効果的になされる。
この際、アクチュエータ27の出力はナット40とハウジ
ングの上壁50とのストッパ作用(第6図及び第7図参
照)にて回動軸43に伝達されないので、アクチュエータ
27の出力伝達により回動軸43に歪を発生することはな
い。
暖機運転時 車両を運転している時に暖機運転を行なう場合には、
切換スイッチ13を暖機用回路側13bに接続する。この際
には、エンジン冷却水の水温は設定値以下であるため水
温検知スイッチ16は閉成されており、ランプ17が点灯し
て暖機用回路8が作動状態に入ったことを運転者に報知
する。
暖機運転時には、排気ブレーキバルブ44が略全閉位置
に配置され、暖機運転初期階段では排気ブレーキバルブ
44は前記圧縮スプリング49のプリセット力にて略全閉位
置に強制的に維持される。
暖機促進状態の下で車両を走行運転すると、エンジン
1の回転数が上昇した際に排気管5内の背圧が上昇す
る。この背圧は排気ブレーキバルブ44に作用するとこと
なるが、既述の如く排気ブレーキバルブ44の回転中心す
なわち回動軸43の配設位置が排気管5の軸心Xより偏倚
(バルブ44の長手方向の中心から偏倚)しているため、
排気ブレーキバルブ44のうち回動軸43一方側と他方側そ
れぞれに作用する圧力に差を生じ、その圧力差の大きさ
に応じたトルク(開弁方向への回動力)が排気ブレーキ
バルブ49に作用する。しかし、この排気ブレーキバルブ
44には圧縮スプリング49からのプリセット力が付与され
ているため、直ちに開弁方向へ回動されず、当該トルク
がプリセット力を超えてはじめて回動軸43を中心とする
開弁方向(第1図矢印C方向)への回動がなされて排気
ガス圧力のリリーフが開始される(当該トルクがプリセ
ット力を超えない期間は略全閉状態を保持)。しかし
て、排気ブレーキバルブ44はエンジン1の背圧の大きさ
に応じて開弁されると共に、その開度が自動制御され、
背圧の異常な上昇が抑えられることとなる。その結果、
車両走行時にアクセルペダルを踏み込んでエンジン回転
数を上昇させるのに伴って背圧(排気ガス圧)が上昇し
ても、排気ブレーキバルブ44の自動開弁により、エンジ
ンストップにつながる背圧の異常上昇を来たすおそれは
ない。
なお、排気ブレーキ作動時には、アクセルは解放され
ており、背圧は異常に高くならないので暖機運転時のよ
うに排気ブレーキバルブ44が圧縮スプリング49の附勢力
に抗して開くことはない。
上述の如き暖機装置によれば、エンジン回転数とエン
ジン背圧との関係は第5図に示す如くになる。すなわ
ち、圧縮スプリング49による回動レバー46の予荷重をF1
とし、背圧上昇時に排気ブレーキバルブ44,回動軸43及
び回動レバー46を介して圧縮スプリング49に作用する回
動力をF2とすると、エンジン回転数が比較的少い領域I
ではF1>F2であるため、エンジン回転数の増大に伴って
エンジン背圧が急激に上昇する。そしてF1=F2となる
と、それ以後の領域IIではF1<F2となるため排気ブレー
キバルブ44が圧縮スプリング49の附勢力に抗して自動的
に開くためエンジン回転数の増大に対するエンジン背圧
の増大の割合が減少せしめられることとなり、通常のエ
ンジン回転数の増大ではエンジンストップを招来する背
圧P0にまで達するおそれがなくなり、従ってアイドリン
グ時のみならず車両走行時にもエンジンストップを生じ
ることなく暖機運転を行なうことができる。さらに、本
実施例では、排気ブレーキバルブ44の回動軸43を既述の
如く偏倚させるようにしたので、次のような利点があ
る。すなわち、エンジン回転数が増大すると、排気ブレ
ーキバルブ44には、排気ガスにより上流側に加わる正圧
力及び下流側に発生する負圧力の両者により、回動軸43
の偏心の度合に応じ回転力が作用して、ロッド37の引張
力Tが増大するので、エンジン回転数の変動に対する応
答性がより良好となる。
また、本実施例では、出力ロッド37に取りつけたナッ
ト40とハウジングの上壁50とから成るストッパ機構を設
けることにより、アクチュエータ27の作動時にその出力
が排気ブレーキバルブ44の回転軸43に回転トルクとして
働かないようにしたので、回転軸43がアクチュエータ27
の出力により歪まされて回転不能になってしまい、暖機
装置として機能しなくなるような事態の発生を未然に防
止できる。
以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考案は既
述の実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的
思想に基いて各種の変形及び変更が可能である。例え
ば、排気ブレーキバルブ44を附勢する手段としては圧縮
スプリング49に限らず、ゴム等の弾性部材やエアスプリ
ング等を用いてもよい。
e. 考案の効果 以上の如く、本考案は、排気ブレーキバルブの回動軸
を排気管の軸心から偏倚した位置に配設すると共に、排
気ブレーキバルブに圧縮スプリングの附勢力をプリセッ
ト力として作用させるようにしたものであるから、エン
ジン回転数の増大に伴いエンジンの背圧(排気ガス圧)
が上昇した際に、その背圧の大きさに応じた程度だけ排
気ブレーキバルブが前記附勢手段の附勢力に抗して自動
的に開状態となり、背圧の異常上昇が抑えられることと
なる。そのため、本考案の暖機運転装置によれば、従来
のようにバキューム圧調整機構(減圧機構)を必要とせ
ず上述の如く附勢手段を付設しただけの極めて簡単な構
成のものでありながら、エンジンのアイドリング時のみ
ならずアクセルを踏み込んでエンジンの回転数を上げて
走行する場合にも暖機運転を行なうことができる。
また、本考案によれば、排気ブレーキバルブの回動軸
と一緒に回動される回動レバーの先端部分を、前記回動
軸に対して回動自在に取付けられたプレートと圧縮スプ
リングとの間に挟み込んで挟持するような特異な構成を
採用しているため、圧縮スプリングの附勢力が回動軸に
こじり力として作用することがなく、従って、円滑かつ
良好な排気圧のリリーフ機能を発揮させることができ
る。
さらに、アクチュエータの作動時にその出力が排気ブ
レーキバルブの回動軸に過大なこじり力として伝達され
ないように、出力ロッドにストッパ機構(例えば、実施
例で示したナット40及びハウジングの上壁50)を設ける
ようにしたので、簡単な構成でありながらアクチュエー
タの出力にて回動軸が歪まされて回動不能となり暖機装
置として機能しなくなるような事態の発生を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第5図は本考案の一実施例を説明するためのも
のであって、第1図は暖機装置の概略構成図、第2図は
排気ブレーキ非作動時におけるアクチュエータ及び排気
ブレーキバルブの状態を示す断面図、第3図は第2図に
おけるIII−III線矢視図、第4図は第3図におけるIV−
IV線断面図、第5図はエンジン回転数とエンジン背圧と
の関係を示す特性図、第6図は排気ブレーキ作動時にお
けるアクチュエータ及び排気ブレーキバルブの状態を示
す断面図、第7図は第6図におけるVII−VII線矢視図で
ある。 1……燃料直接噴射式のディーゼルエンジン、3……吸
気管、5……排気管、27……アクチュエータ、37……出
力ロッド、40……ストッパ機構を構成するナット、42…
…プレート、43……回動軸、44……排気ブレーキバル
ブ、46……回動レバー、46a……先端部分、49……附勢
部材としての圧縮スプリング、X……排気管の軸心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 原 弘久 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内 (72)考案者 安原 成史 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (72)考案者 武田 英之 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内 (56)参考文献 特開 昭57−126530(JP,A) 特開 昭56−104126(JP,A) 実開 昭58−42339(JP,U) 実開 昭60−167136(JP,U)

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの排気管内に配設された排気ブレ
    ーキバルブを暖機バルブとして使用するようにした車両
    の暖機装置において、前記排気ブレーキバルブの回動軸
    を前記排気管の軸心から偏倚した位置に配設すると共
    に、排気ブレーキバルブ作動用アクチュエータの出力ロ
    ッドに連動し、かつ、前記排気ブレーキバルブの回動軸
    に対して回動自在に取付けられたプレートと、一端が前
    記プレートに係着された圧縮スプリングの他端との間
    に、前記排気ブレーキバルブの回動軸と一緒に回動され
    るように前記回動軸に一体に結合された回動レバーの一
    部分であってかつ前記回動軸から離れた前記回動レバー
    の先端部分を挟み込み、これにより前記圧縮スプリング
    の附勢力にて前記回動レバーの先端部分を挟持して前記
    圧縮スプリングの附勢力が前記回動軸にこじり力として
    作用しないように構成し、暖機運転時に、前記排気ブレ
    ーキバルブが前記アクチュエータにて閉弁方向に作動さ
    れるのに応じて前記排気ブレーキバルブが前記圧縮スプ
    リングのプリセット力にて前記排気管内で略全閉位置に
    強制的に回動附勢され、前記圧縮スプリングのプリセッ
    ト力を超えるトルクが前記排気ブレーキバルブに作用し
    たときにはじめて前記排気ブレーキバルブが前記回動軸
    を中心に開弁方向に回動されるように構成する一方、前
    記出力ロッドに螺着されたナットとハウジングの上壁と
    から成る出力ロッド移動阻止用のストッパ機構を設け、
    前記ナットが前記ハウジングの上壁に当接した状態の下
    では前記アクチュエータの出力が前記出力ロッドを介し
    て前記排気ブレーキバルブの回動軸にこじり力として伝
    達されないように構成したことを特徴とする車両の暖機
    装置。
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