JPH0732920Y2 - 車両の暖機装置 - Google Patents

車両の暖機装置

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JPH0732920Y2
JPH0732920Y2 JP1988089354U JP8935488U JPH0732920Y2 JP H0732920 Y2 JPH0732920 Y2 JP H0732920Y2 JP 1988089354 U JP1988089354 U JP 1988089354U JP 8935488 U JP8935488 U JP 8935488U JP H0732920 Y2 JPH0732920 Y2 JP H0732920Y2
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brake valve
exhaust gas
exhaust pipe
exhaust brake
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雄二 和知
啓介 森本
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自動車機器株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 a.産業上の利用分野 本考案は、断面円形の内周面を有するエンジンの排気管
の軸心から偏倚した位置に回動軸を配設すると共に、前
記回動軸を中心に回動する楕円形状の排気ブレーキバル
ブを前記排気管内に配置して暖機バルブとして使用する
ようにした車両の暖機装置に関するものである。
b.従来の技術とその課題 従来、車両に装備されている排気ブレーキシステムは、
エンジンの排気管に開閉自在な排気ブレーキバルブを配
設し、この排気ブレーキバルブにてエンジンの排気管を
閉鎖して、排気管内の排気ガス圧力を高め、エンジンを
コンプレッサとして作動させることにより、エンジンブ
レーキ力を更に増大し、効果的に作用させるものであ
る。
一方、近年では、ディーゼルエンジンが省エネ政策に対
応して、予燃焼室式または渦流室式から、熱効率の良好
な直接噴射方式に移行してきた。
上述の直噴式ディーゼルエンジンは、燃料の噴射ノズル
をシリンダヘッドに設け、このシリンダヘッドとピスト
ン頂部の間に燃焼室を形成して、シリンダー内に燃料を
直接噴射させるものであり、熱効率がよいため排気ガス
の温度が低く、冷却水への熱移動量が少ないので、暖機
性能は悪化する。
よって、寒冷時には暖機運転に長時間を費やすこととな
り、車室内の暖房による快適性を保持するのが困難であ
った。
そこで最近では、排気管の途中に開閉自在な絞り弁を配
設し、この絞り弁により排気系に一時的に一定の絞りを
与え、排気管内部に排気ガス圧力を発生させ、アクセル
を踏み込んで多量の燃料を燃焼室に供給し、燃焼室内に
多量の熱エネルギーを発散せしめて寒冷始動時の暖機運
転を促進させることが試みられている。
このようなものとして、例えば特公昭50-6915号公報に
示す如く、排気ブレーキを暖機促進用にも兼用して使用
するようにしたものがあるが、かかる構成では暖機運転
中にアクセルペダルを踏み込みエンジン回転数を上昇さ
せると、回転数が比較的低い段階で排気ガス圧力が異常
に高まってエンジンコントロールに支障をきたし、エン
ジンストップ等につながるため(第9図における破線を
参照)、暖機運転はアイドリング時のみしか行なうこと
ができなかった。従って、車両を走行させると効率の良
い暖機運転が得られず、現実的な解決手段とはなりえな
い。
なお、排気ブレーキバルブを暖機バルブとして使用する
場合には、排気ブレーキバルブ作動用アクチュエータの
作用力をエンジンの排気ガス圧力とバランスさせるため
に、アクチュエータ作動用のバキューム圧(負圧)を一
定圧力に調整する減圧機構を設ければよいのであるが、
この場合には、装置が高価なものとなってしまう不都合
があった。
また、暖機運転装置を排気ブレーキシステムとは別個に
装備して、車両走行時でも暖機運転を可能にしたものが
提案されているが、かかる構成では、各々の作動バルブ
やこのバルブを開閉させるアクチュエータ、その他のコ
ントロール装置を各々別個独立に設けなければならず、
部品点数が多くなり、排気系がより複雑になるという欠
点があった。
また、排気ブレーキシステムは操作せず、吸入側の空気
を絞ることによって、エンジンに負荷を与えて暖機す
る、いわゆる吸気シャッター方式のものも提案されてい
るが、本方式では吸入側を絞るため、燃料と空気との比
率のバランスがくずれて燃料過多となり、着火性能が悪
化するという問題があった。
そこで、上述の如き種々の問題点を解決しかつ走行暖機
を得るための手段としては、第11図に示すように楕円形
状の排気ブレーキバルブ44の回動軸43を断面円形の内周
面5aを有する排気管5の軸心Xから偏倚した位置に配設
すると共に、この排気ブレーキバルブ44を図外のスプリ
ングにて閉方向に常時附勢するように構成することが考
えられる。このような構成を採れば、排気ブレーキバル
ブ44のうち回動軸43の一方側と他方側とのそれぞれに作
用する圧力に差を生じることとなり、その圧力差の大き
さに応じて排気ブレーキバルブ44が上述のスプリングの
附勢力に抗して回動軸43を中心に開方向に自動的に回動
される。その結果、排気ブレーキバルブ44はエンジンの
排気ガス圧力の大きさに応じて開弁されると共に、その
開度が自動制御されて排気ガス圧力が常に一定となるよ
うに当該圧力が放出(リリーフ)され、排気ガス圧力の
異常な上昇が抑えられることとなる。
c.考案が解決しようとする課題 しかしながら、上述の如き構成の暖機装置にあっては、
排気ブレーキバルブ附勢用スプリングとして或る程度の
大きさのばね定数のものを用いる必要があるため、排気
ガス圧力が暖機に必要な圧力以上に上昇してしまい、エ
ンジンに悪影響(エンジンストップ等)を与えるおそれ
がある。なお、このような不都合を回避するためには、
排気ブレーキバルブ附勢用スプリングのばね定数を小さ
くすればよいものの、そのためにはスプリングのセット
時における全長を長くする必要があり、装置の大型化を
招来するといった問題を生じる。
また、排気管5の加工に際しては、排気ブレーキバルブ
44の回動軸43が排気管5の軸心Xから偏倚(オフセッ
ト)した位置にあるため、第10図に示す如く排気管5の
円筒状内周面5aに楕円形状の排気ブレーキバルブ44の逃
げ部50a,50bを形成する必要があり、従って排気管5の
加工が非常に面倒である。
なお、楕円形状の排気ブレーキバルブ44の回動軸43を上
述のように偏倚させた構造にする場合に逃げ部50a,50b
を排気管5の円筒状内周面5aに形成する必要があるの
は、次の理由からである。すなわち、排気ブレーキバル
ブ44の回動軸43を排気管5の軸心に直交(偏倚なし)す
るように配設した場合(第12図における一点鎖線参照)
には、前記回動軸43が排気管5の円筒状内周面5aの最大
径部に位置するため、排気ブレーキバルブ44と排気管5
との間の干渉(当接)は生じない。
しかし、前記回動軸43を排気管5の軸心Xから偏倚した
位置(オフセットtあり)に配置した場合には、第12図
において楕円形状の排気ブレーキバルブ44の斜線βで示
す部分が、排気管5の円筒状内周面5aとの間に干渉(当
接)を生じることとなる。さらに詳述すれば、排気ブレ
ーキバルブ44の外側部の最大幅部分(楕円の短軸部分)
が回動する際に、この部分の径が排気管5の円筒状内周
面5aの内で直径部分よりも狭い部分を通ることとなるた
めに干渉を生じるのである。
従って、排気ブレーキバルブ44の回動軸43を上述のよう
に偏倚させる場合には、排気管5の円筒状内周面5aの所
定箇所に逃げ部50a,50bを設ける必要があるが、このよ
うな逃げ部を形成するための加工作業は極めて面倒で、
しかもコスト高になってしまうといった不具合がある。
本考案は、このような実状を鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、排気ブレーキバルブの回動量が少量で
あっても充分に大きな排気ガス通路面積を得ることがで
きて、エンジン回転数の上昇に伴う排気ガス圧力の上昇
率を小さく抑えることができ、しかも排気管の内周面に
排気ブレーキバルブの逃げ部を加工する必要がないよう
にした車両の暖機装置を提供することある。
d.課題を解決するための手段 上述の目的を達成するために、本考案では、断面円形の
内周面を有するエンジンの排気管の軸心から偏倚した位
置に回動軸を配設すると共に、前記回動軸を中心に回動
する楕円形状の排気ブレーキバルブを前記排気管内に配
置して暖機バルブとして使用するようにした車両の暖機
装置において、前記排気ブレーキバルブにて全閉される
前記排気管の箇所よりも排気ガス下流側の箇所に、前記
排気管の箇所の内径より大きな内径を有する排気ガス逃
げ部を設け、前記排気ブレーキバルブの開方向への回動
時に、前記排気ブレーキバルブと排気ガス逃げ部との間
に排気ガス通路が形成されるように構成している。
以下、本考案の一実施例に付き第1図〜第9図を参照し
て詳細に説明する。
第1図は本考案に係る暖機装置の構成を示す概念図であ
り、同図において、1は噴射ノズル2を有する燃料直接
噴射式のディーゼルエンジン、3は吸気管、4は吸気バ
ルブ、5は断面円形の内周面5aを有する排気管、6は排
気バルブである。
また、第1図において、7は排気ブレーキ用回路、8は
暖機用回路であり、9は電源、10はメインスイッチ、11
はアクセルスイッチ、12はクラッチスイッチ、13は上記
排気ブレーキ用回路7と暖機用回路8の切換スイッチで
ある。
排気ブレーキ用回路7は、電源9からメインスイッチ1
0,アクセルスイッチ11,クラッチスイッチ12及び切換ス
イッチ13を介してソレノイドバルブ15に接続され、暖機
用回路8は、電源9からメインスイッチ10,切換スイッ
チ13及び水温検知スイッチ16を介して前記ソレノイドバ
ルブ15に接続されている。また、切換スイッチ13とソレ
ノイドバルブ15との間、及び水温検知スイッチ16とソレ
ノイドバルブ15との間にランプ14,17がそれぞれ配設さ
れている。
なお、前記アクセルスイッチ11及びクラッチスイッチ12
は、図示しないアクセルペダル及びクラッチペダルを解
放した状態で各々閉成されるようになっており、また前
記水温検知スイッチ16は、図示しないエンジン冷却系の
冷却水の水温が例えば80℃の設定値以下ならオン状態と
なり、該設定値以上ではオフ状態になるように設定され
ている。
上述のソレノイドバルブ15には、三本の管路19,20,21が
配設されており、ソレノイド(図示せず)が非励磁状態
のときは管路19が閉鎖されて管路20と管路21とが互いに
連通され、ソレノイドが励磁状態になると、管路20が閉
鎖されて管路19と管路21とが互いに連通されるようにな
っている。なお、管路19は、第1図に示すようにバキュ
ームポンプなどの真空源23に連絡されている。
また、第1図に示すように、ソレノイドバルブ15の管路
21は、アクチュエータ27に連絡されている。このアクチ
ュエータ27のハウジング30内は、第2図に示すように、
圧力感応可動部材としてのダイヤフラム31により負圧室
32と大気圧室33に画成されており、負圧室32は前記管路
25と連通され、大気圧室33は通気孔34を介して大気に連
通している。また、ダイヤフラム31のリテーナ35と、ハ
ウジング30との間に圧縮スプリング36が介装されてお
り、ダイヤフラム31,リテーナ35と一体に連動する出力
ロッド37が圧縮スプリング36により第2図において下方
へ常時附勢されている。
また、第2図及び第3図に明示する如く、上述の出力ロ
ッド37の下端にはクレビス39がナット40にて回動自在に
枢着されており、このクレビス39の自由端側の箇所に
は、プレート42に植設されたピン41が相対的に回動自在
の状態で貫通されている。一方、プレート42には回動軸
43がほぼ直交状態で回動自在に貫通配置されており、こ
の回動軸43に楕円形状の排気ブレーキバルブ44がボルト
45にて一体に固定されている。さらに、前記回動軸43に
は回動レバー46が嵌着され、この嵌合レバー46は回動軸
43と一緒に回動されるようになっている。なお、上述の
回動軸43の軸心Oは、第1図及び第7図に明示する如
く、排気管5の軸心Xとは交わらない位置、すなわち、
軸心Xから偏倚した位置に配置されている。
一方、排気管5は例えば3つの管状部材を一直線に連結
して成るものであって、この内周面5aは前記排気ブレー
キバルブ44の直径よりもやや小さい直径の円筒面に形成
されており、第1図及び第7図に示すように上述の排気
ブレーキバルブが斜めに少し傾いた状態の下で排気管5
の中空部が全閉されるようになっている。
さらに、排気管5のうち排気ブレーキバルブ44が収納配
置される箇所の近傍には上述の円筒状内周面5aよりも大
径の部分が設けられている。すなわち、排気ブレーキバ
ルブ44にて全閉される排気管5の箇所よりも排気ガス下
流側の近傍箇所に、排気ガス下流側に向かうにしたがっ
て徐々に大径となる円錐台形状の排気ガス逃げ部5bが形
成されている。この排気ガス逃げ部5bは、第5図及び第
6図に示すように、排気管5の内周面5aの軸心Xと同軸
をなしてはおらず、その軸心Yは前記軸心Xに対して回
動軸43の側に角度Θだけ傾斜している。しかして、排気
管5の内周面5aと排気ガス逃げ部5bとの境線Zは、第7
図に示すように全閉状態に回動された排気ブレーキバル
ブ44にほぼ対応するように構成されている。
また、上述のプレート42には第3図に示すように支持ピ
ン47が垂直状に立設され、この支持ピン47にジョイント
部材48aが係着されている。そして、このジョイント部
材48aと、前記回動レバー46に固着されたスプリングガ
イド48bとの間に圧縮スプリング49が架設されている。
このため、通常時は、スプリングガイド48bが第3図及
び第4図に示すように圧縮スプリング49の附勢力にて前
記プレート42の屈曲片部42aに当接され、屈曲片部42aの
ストッパ作用にて回動レバー46,ひいては回転軸43の矢
印A方向への回動が阻止されている。
しかして、排気ブレーキバルブ44は圧縮スプリング49の
附勢力にて第1図及び第3図において矢印A方向(排気
管5を閉鎖する方向)に常時附勢されており、アクチュ
エータ27の出力ロッド37が伸長位置に配置されると排気
ブレーキバルブ44が第1図において二点鎖線で示す如く
全開位置に回動され、逆に収縮位置に配置されると排気
ブレーキバルブ44が第1図において実線で示す如く全閉
位置に回動されるようになっている。
さらに、出力ロッド37の収縮方向への移動を所定量に阻
止し、排気ブレーキバルブ44の排気管5との間隙を所定
量にするために、出力ロッド37に取付けられた調節ナッ
ト40とハウジングの上壁50とから成るストッパ機構が設
けられており、このストッパ機構にて出力ロッド37が移
動阻止された状態の下ではアクチュエータ27の出力がそ
れ以上出力ロッド37を介して排気ブレーキバルブ44の回
動軸43に伝達されないようになっている。一方、プレー
ト42の第3図における矢印B方向への回動はストッパピ
ン52にて阻止されるように構成されている。
次に、上述の如く構成された暖機装置の作用に付き説明
する。
排気ブレーキ非作動時 まず、排気ブレーキ非作動時には、切換スイッチ13の端
子13a,13bの何れの側も閉成されず第1図に示す如く中
立状態となされ、管路19と管路21はソレノイドバルブ15
にて遮断される。このため、真空源23からの負圧流体が
アクチュエータ27の負圧室32内に導入されないので、ダ
イヤフラム31は圧縮スプリング36の附勢力にて第1図に
おいて下方に附勢され、出力ロッド37が伸長位置に配置
される。これに応じて、プレート42は、前記出力ロッド
37,クレビス39及びピン41から成る連動機構の動作によ
り第3図において矢印B方向に回動されてストッパピン
52に係合した位置に配置せしめられる。一方、回動レバ
ー46は圧縮スプリング49の附勢力にて第3図に示す回動
位置のままに保持されているため、出力ロッド37が伸長
されると回動レバー46がプレート42の屈曲片部42aによ
り押されて回動附勢され、回動軸43が第1図及び第3図
において矢印C方向に回転される。これに伴って、排気
ブレーキバルブ44が回動軸43と共に同方向に回動され、
排気管5が第1図において仮想線で示すように排気ブレ
ーキバルブ44にて全開状態、すなわち排気ブレーキ解除
状態となる。
排気ブレーキ作動時 エンジン始動と同時にメインスイッチ10が閉成された状
態の下で、切換スイッチ13を排気ブレーキ側13aに接続
すると、排気ブレーキ用回路7が作動態勢に入る。ここ
で、アクセルペダル及びクラッチペダルを解放状態にす
ると、アクセルスイッチ11及びクラッチスイッチ12が各
々閉成され、ランプ14が点灯して排気ブレーキ用回路7
が作動状態になった旨を運転者に知らせる。
同時にソレノイドバルブ15が励磁状態となり、管路19と
管路21が互いに連通される。このため、真空源23からの
負圧が管路19,21を順次介して、アクチュエータ27の負
圧室32内に導入されるため、大気圧室32内の大気圧との
差圧により、ダイヤフラム31,出力ロッド37が圧縮スプ
リング36の附勢力に抗して、ナット40がハウジングの上
壁50に当接するまで収縮方向に移動される。これに伴
い、回動レバー46及び回動軸43が一緒に回転されて排気
ブレーキバルブ44が第3図において矢印A方向に回動さ
れ、その結果、排気管5が第1図において実線で示す如
く全閉状態となる。
よって、排気管5内の排気ガス圧力、即ちエンジン排気
ガス圧力が上昇し、エンジン1がコンプレッサとして作
用して車両の制動が効果的になされる。
この際、アクチュエータ27の出力はナット40とハウジン
グの上壁50とのストッパ作用にて回動軸43に伝達されな
いので、アクチュエータ27の出力伝達により回動軸43に
歪を発生することはない。
暖機運転時 車両を運転している時に暖機運転を行なう場合には、切
換スイッチ13を暖機用回路側13bに接続する。この際に
は、エンジン冷却水の水温は設定値以下であるため水温
検知スイッチ16は閉成されており、ランプ17が点灯して
暖機用回路8が作動状態に入ったことを運転者に報知す
る。
暖機促進状態の下で車両を走行運転すると、エンジン1
の回転数が上昇した際に排気管5内の排気ガス圧力が上
昇する。この排気ガス圧力は排気ブレーキバルブ44に作
用することとなるが、既述の如く排気ブレーキバルブ44
の回転中心すなわち回動軸43の配設位置が排気管5の軸
心Xより偏倚(バルブ44の長手方向の中心から偏倚)し
ているため、排気ブレーキバルブ44のうち回動軸43の一
方側と他方側にそれぞれに作用する圧力に差を生じ、そ
の圧力差の大きさに応じて排気ブレーキバルブ44が圧縮
スプリング49の附勢力に抗して回動軸43を中心に第1図
において矢印C方向に回動されることとなる。しかし
て、排気ブレーキバルブ44はエンジン1の排気ガス圧力
の大きさに応じて開弁されると共に、その開度が自動制
御される。この際、本例においては排気管5に円錐台形
状の排気ガス逃げ部5bを設けるようにしたので、この逃
げ部5bを設けていない場合に比べて、第7図において符
号αで示される領域分だけ排気ガス通路面積が大きくな
り(第8図参照)、排気ガス圧力の異常な上昇がより効
果的に抑えられることとなる。なお、本例によれば、既
述のように円錐台形状の排気ガス逃げ部5bの軸心Yを傾
けて排気ブレーキバルブ44の長辺側の先端に対応する排
気ガス逃げ部5bの傾斜角を大きくしてあるので、第9図
に示すようにより大きな排気ガス通路面積を確保でき、
有利である。その結果、車両走行時にアクセルペダルを
踏み込んでエンジン回転数を上昇させるのに伴って排気
ガス圧力が上昇しても、排気ブレーキバルブ44の自動開
弁により、エンジンストップにつながる排気ガス圧力の
異常上昇を来たすおそれがなくなる。
上述の如き暖機装置によれば、エンジン回転数とエンジ
ン排気ガス圧力との関係は第9図において実線で示す如
くになる。すなわち、圧縮スプリング49による回動レバ
ー46の予荷重をF1とし、排気ガス圧力上昇時に排気ブレ
ーキバルブ44,回動軸43及び回動レバー46を介して圧縮
スプリング49に作用する回動力をF2とすると、エンジン
回転数が比較的少い領域IではF1>F2であるため、エン
ジン回転数の増大に伴ってエンジン排気ガス圧力が急激
に上昇する。そしてF1=F2となると、それ以後の領域II
ではF1<F2となるため排気ブレーキバルブ44が圧縮スプ
リング49の附勢力に抗して自動的に開くためエンジン回
転数の増大に対するエンジン排気ガス圧力の増大の割合
が第9図において実線で示す如く減少せしめられる(な
お、第9図においてβ点は開弁開始時点である。)。
従って、排気ブレーキバルブ44を自動開弁させるような
構造を採らない場合には第9図において破線で示すよう
に比較的低いエンジン回転数r1でエンジンストップを招
来する排気ガス圧力P0にまで達してしまうが、自動開弁
構造を採れば、r1よりも大きなエンジン回転数r2になる
までエンジンストップを招来することがなくなる。さら
に、自動開弁機構に加えて上述の排気ガス逃げ部5bを設
けることにより、より大きな排気ガス通路面積を得るこ
とができるので第9図において実線で示すように通常の
エンジン回転数の増大ではエンジンストップを招来する
排気ガス圧力P0にまで達するおそれがなくなり、従って
アイドリング時のみならず車両走行時にもエンジンスト
ップを生じることなく暖機運転を行なうことができる。
さらに、本実施例では、排気ブレーキバルブ44の回動軸
43を既述の如く偏倚させるようにしたので、次のような
利点がある。すなわち、エンジン回転数が増大すると、
排気ブレーキバルブ44には、排気ガスにより上流側に加
わる高圧力及び下流側に発生する低圧力の両者により、
回動軸43の偏心の度合に応じ回転力が作用して、エンジ
ン回転数に応じた排気ガス圧力が得られる。
また、本実施例では、出力ロッド37に取りつけたナット
40とハウジングの上壁50とから成るストッパ機構を設け
ることにより、アクチュエータ27の作動時にその出力が
排気ブレーキバルブ44の回転軸43に回転トルクとして働
かないようにしたので、回転軸43がアクチュエータ27の
出力により歪まされて回転不能になってしまい、暖機装
置として機能しなくなるような事態の発生を未然に防止
できる。
また、従来では排気ブレーキバルブ44と排気管5との干
渉を避けるために、排気管5の内周面5aに第10図に示す
如き一対のバルブ逃げ部50a,50bを形成するようにして
いたが、本実施例によれば、円錐台形状の排ガス逃げ部
5bが上述のバルブ逃げ部としての役目を果すため、特別
に面倒な逃げ加工を施す必要がなく、排気管の製造が容
易である。
以上、本考案の一実施例に付き述べたが、本考案は既述
の実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的思
想に基いて各種の変形及び変更が可能である。例えば、
既述の実施例では排気管5内の排気ガス逃げ部5bを円錐
台形状部としたが、これに限らず、排気管5の内周面5a
よりも実質的に内径が大きくなるような形状(断面コ字
状のリング溝等)であればどのような形状であってもよ
い。
e.考案の効果 以上の如く、本考案は、排気ブレーキバルブにて全閉さ
れる排気管の箇所よりも排気ガス下流側の箇所に、排気
管の箇所の内径より大きな内径を有する排気ガス逃げ部
を設け、排気ブレーキバルブの開方向への回動時に、排
気ブレーキバルブと排気ガス逃げ部との間に排気ガス通
路が形成されるように構成したものであるから、排気ブ
レーキバルブの回動角が少なくてもより大きな排気ガス
通路面積を得ることができ、従ってエンジン回転数の上
昇に伴う排気ガス圧力の上昇率が小さく抑えられ、エン
ジンに悪影響(エンジンストップ等)が及ぼされるのを
効果的に防止できる。
さらに、排気ブレーキバルブの排気ガス下流側に大径の
部分(実施例で示した排気ガス逃げ部5b)を設けたこと
により、回動中心が偏倚した位置となされた排気ブレー
キバルブが回動しても、この排気ブレーキバルブと排気
管の内周面との間に干渉(当接)を生じるのを回避でき
るため、排気管の内周面に前記干渉を防ぐための特別な
逃げ加工を施す必要がなくなる。その結果、排気管の製
造が容易となり、ひいては暖機装置のコストダウンを図
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第9図は本考案の一実施例を説明するためのも
のであって、第1図は暖機装置の概略構成図、第2図は
アクチュエータ及びこのアクチュエータにて作動される
排気ブレーキバルブを示す断面図、第3図は第2図にお
けるIII-III線矢視図、第4図は第3図におけるIV-IV線
断面図、第5図は排気管の正面図、第6図は第5図にお
けるVI-VI線断面図、第7図は排気管内の排気ブレーキ
バルブの動作を示す断面図、第8図は排気ブレーキバル
ブの回動角と排気ガス通路面積との関係を示す特性図、
第9図はエンジン回転数とエンジン排気ガス圧力との関
係を示す特性図、第10図及び第11図は従来例を示すもの
であって、第10図は第5図と同様の正面図、第11図は第
7図と同様の断面図、第12図は排気管内において排気ブ
レーキバルブの回動軸が偏倚されている場合と偏倚され
ていない場合とをそれぞれ示す説明図である。 1……燃料直接噴射式のディーゼルエンジン、3……吸
気管、5……排気管、5a……内周面、5b……排気ガス逃
げ部、27……アクチュエータ、37……出力ロッド、42…
…プレート、43……回動軸、43……排気ブレーキバル
ブ、46……回動レバー、49……附勢部材としての圧縮ス
プリング、X……排気管の軸心。Y……円錐台形状の排
気ガス逃げ部の軸心。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面円形の内周面を有するエンジンの排気
    管の軸心から偏倚した位置に回動軸を配設すると共に、
    前記回動軸を中心に回動する楕円形状の排気ブレーキバ
    ルブを前記排気管内に配置して暖機バルブとして使用す
    るようにした車両の暖機装置において、前記排気ブレー
    キバルブにて全閉される前記排気管の箇所よりも排気ガ
    ス下流側の箇所に、前記排気管の箇所の内径より大きな
    内径を有する排気ガス逃げ部を設け、前記排気ブレーキ
    バルブの開方向への回動時に、前記排気ブレーキバルブ
    と排気ガス逃げ部との間に排気ガス通路が形成されるよ
    うに構成したことを特徴とする車両の暖機装置。
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