JP3098390B2 - 車両用リターダ - Google Patents

車両用リターダ

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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用リターダに係り、
とくにエンジンの圧縮開放または排気管の閉塞によって
制動力を発生させるようにした車両用リターダに関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載されており、パワーラインを
介して駆動輪を駆動するための内燃機関から成るエンジ
ンの制動能力を高めるために、圧縮開放型リターダある
いはエキゾーストブレーキ式リターダが用いられてい
る。
【0003】圧縮開放型リターダは、エンジンへの燃料
の供給を停止するとともに、ピストンが上死点に達する
のにほぼ同期して排気弁を開いて圧縮された空気を解放
するようにしたものである。このときにエンジンは空気
ポンプとして作動し、このポンプを構成するエンジンが
車両の運動エネルギによって駆動されるために、エンジ
ンに対して外から加えられる圧縮仕事を吸収することに
なり、エンジンが制動力を生ずる。
【0004】エンジンの排気管を閉塞するエキゾースト
ブレーキは、エンジンへの燃料の供給を停止するととも
に、排気管の途中に設けられているエキゾーストブレー
キバルブを閉じることによって作動されるようになって
おり、エキゾーストブレーキバルブを閉じるとエンジン
の排気系が閉塞され、エンジンの抵抗力が増大するよう
になる。従ってエキゾーストブレーキバルブを閉じるこ
とによりエンジンブレーキの制動力が高まることにな
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような圧縮開放型
リターダやエキゾーストブレーキ式リターダを装備した
ディーゼルエンジンにおいて、上記のようなリターダの
作動時に燃料噴射が行なわれると排気温度が上昇し、排
気バルブに不具合を生ずる可能性がある。また制動時に
おける燃料の噴射によってシリンダ内で不完全燃焼が行
なわれるために、排気ガス中に黒煙や白煙を生じ、これ
らが排気ガスとともに排出される可能性がある。
【0006】そこで従来は図8に示すように、エンジン
の回転数を回転センサによって検出するとともに、エン
ジンの回転数が所定の回転数Noよりも高い場合にのみ
しか圧縮開放型リターダ、あるいはエキゾーストブレー
キ式リターダを作動させないようにしていた。
【0007】このように従来のリターダの制御は、エン
ジンの回転数のみによる制御であって、必ずしも無噴射
状態と対応していなかった。図9に示すように、エンジ
ンの回転数に対する燃料噴射ポンプのコントロールラッ
クの位置特性のグラフにおいて、アイドル状態のラック
特性よりも上側の領域であって、コントロールラックの
無噴射位置よりも上側の領域においては燃料の噴射が行
なわれる。従って図8に示すようにエンジンの回転数が
Noよりも高い領域で制動動作が行なわれるようにする
と、図9に示す斜線の領域、すなわちエンジンの回転数
がNoよりも高い領域で、アイドル状態のラック特性よ
りも上側の領域で、しかもコントロールラックの無噴射
位置よりも上側の領域においては、制動時に燃料の噴射
が行なわれる可能性がある。この場合に上記のような不
具合をもたらすことになる。
【0008】またエンジンの回転数がNoよりも高いか
低いかの判断のみによって制動を行なうようにした場合
には、回転センサの故障等によって制御用コンピュータ
がエンジンの回転数を認識できなくなった場合にはリタ
ーダのシステムを停止せざるを得ないという問題があっ
た。
【0009】本発明はこのような問題点に鑑みてなされ
たものであって、圧縮開放型リターダあるいはエキゾー
ストブレーキ式リターダが燃料の無噴射状態でのみしか
作動しないようにし、あるいはまたエンジンの回転数を
検出する回転センサが故障した場合においても、上記の
リターダの制御が継続され得るようにした車両用リター
ダを提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、エンジンの圧
縮開放または排気管の閉塞によって制動力を発生させる
ようにした車両用リターダにおいて、エンジンの回転数
を回転検出手段によって検出するとともに、上記エンジ
ンに対して燃料を噴射する燃料噴射ポンプのコントロー
ルラックの位置を位置検出手段によって検出するように
し、エンジンの回転数が所定の値以上であってしかもコ
ントロールラックの位置が増量側に所定のストローク以
内しか移動していない場合にのみ上記の制動動作を行な
うようにしたものであって、それ以外の場合には制動動
作を行なわないようにしたものである。
【0011】
【作用】エンジンの回転数が所定の値以上であってコン
トロールラックの位置が増量側に所定のストローク以内
しか移動されていない場合にのみしか車両用リターダが
作動されなくなる。
【0012】
【実施例】図1は第1の実施例に係る車両用リターダを
備えるディーセルエンジン10を示すものであって、こ
のディーゼルエンジン10のシリンダブロックの側面側
には燃料噴射ポンプ11が付設されている。燃料噴射ポ
ンプ11のカムシャフト12にはタイマ13が取付けら
れており、このタイマ13によってカムシャフト12の
位相角を調整することにより、燃料噴射ポンプ11の噴
射のタイミングを調整するようにしている。
【0013】燃料噴射ポンプ11の後側には電子ガバナ
14が取付けられている。電子ガバナ14はアクチュエ
ータ15を具備し、このアクチュエータ15によってコ
ントロールラック16を前後方向に移動させ、これによ
って1回に噴射される燃料の供給量を調整するようにし
ている。
【0014】上記電子ガバナ14のアクチュエータ15
はコンピュータから成る電子制御装置20によって制御
されるようになっている。この電子制御装置20の入力
側にはアクセルペダル21の踏込み量を検出するアクセ
ルセンサ22、エンジン10の前面側に取付けられてお
りかつこのエンジン10の回転数を検出するエンジン回
転センサ23、燃料噴射ポンプ11のコントロールラッ
ク16の位置を検出するラック位置センサ24、および
運転手が操作するリターダスイッチ25がそれぞれ接続
されている。そして電子制御装置20は電子ガバナ14
のアクチュエータ15に制御信号を供給し、これによっ
てコントロールラック16の位置を調整するようにして
いる。
【0015】次にこのエンジン10の各シリンダに設け
られている圧縮開放型リターダについて説明する。図2
に示すように、シリンダ29内にはピストン30が摺動
可能に保持されるとともに、ピストン30はピストンピ
ン31を介してコンロッド32の上端に連結されてい
る。なおコンロッド32の他端側はクランクシャフトに
連結されている。
【0016】シリンダ29の上部はシリンダヘッド33
によって閉塞されるとともに、シリンダヘッド33には
排気ポート34が設けられている。そして各シリンダは
2つの排気バルブ35、36を備え、これらのバルブ3
5、36によって排気ポート34の開閉を行なうように
している。排気バルブ35、36はロッカアーム37に
よって押圧子38を介して開閉が制御されるようになっ
ている。
【0017】さらにこのエンジンは油圧シリンダ42を
備え、そのピストンロッド43が上記押圧子38を貫通
して一方の排気バルブ36の上端を押圧するようになっ
ている。油圧シリンダ42はロッカアーム37による開
弁動作とは独立に排気バルブ36を開放するようになっ
ており、とくにピストン30がほぼ上死点に達するのに
同期して排気バルブ36を開いて圧縮開放型リターダに
よる制動動作を行なうようになっている。
【0018】とくにこの圧縮開放型リターダは、エンジ
のあるシリンダ29のピストン30が空気を圧縮して上
死点に達するのにほぼ同期して開弁運動を行なう他のシ
リンダのロッカアーム37と連結されているプッシュロ
ッド39の運動を利用して排気弁36を開放し、制動動
作を得るようにしている。すなわちマスタシリンダ59
を設け、このシリンダ59のピストン60を他のプッシ
ュロッド39によって突上げるようにするとともに、こ
のマスタシリンダ59を油圧シリンダ42と接続するよ
うにしている。
【0019】上記マスタシリンダ59および油圧シリン
ダ42へはともに切換え弁44およびコントロールバル
ブ61を通して油圧ポンプ62によって比較的低い圧力
の油圧を供給するようにしている。なおコントロールバ
ルブ61は一方向弁と開閉弁の機能を有し、切換え弁4
4側から油圧シリンダ42側へのオイルの流れのみを許
容するとともに、油圧ポンプ62側の圧力が低下すると
閉止するようになっている。また油圧ポンプ62の吐出
側にはリリーフバルブ63が接続されており、このリリ
ーフバルブ63によって吐出圧を安定な圧力に保持する
ようにしている。
【0020】以上のような構成において、電子制御装置
20はアクセルペダル21の踏込み量をアクセルセンサ
22から読込むとともに、エンジン10の回転数を回転
センサ23によって読込むようにし、これらの情報を基
にして電子ガバナ14のアクチュエータ15の制御を行
ない、コントロールラック16を移動させることにより
1回に噴射される燃料の噴射量の調整を行なう。なおこ
のときの噴射のタイミングがタイマ13によって制御さ
れる。
【0021】各シリンダ内に噴射された燃料は図2に示
すピストン30によって圧縮された吸気の熱によって自
然着火され、これによってシリンダ内において混合気の
燃焼が行なわれ、このエンジン10が出力を生ずる。燃
焼の後にロッカアーム37によって押圧子38を介して
一対の排気バルブ35、36をそれぞれ開放することに
よって、排気ガスが排気ポート34を通して排出され
る。
【0022】次に圧縮開放型リターダの動作を説明す
る。非制動時にはコンピュータ20によって切換え弁4
4がリザーバ側に切換えられており、他のシリンダのプ
ッシュロッド39によってピストン60が突上げられて
マスタシリンダ59に油圧が立上がっても、この油圧は
コントロールバルブ61および切換え弁44を介してリ
ザーバ側に逃げるようになり、油圧シリンダ42には油
圧が加わらず、このために排気バルブ36がピストン3
0が上死点に達するのに同期して開かれることがない。
【0023】これに対して運転手がリターダスイッチ2
5を操作すると、電子制御装置20のコンピュータがこ
のリターダを作動させる条件が成立しているかどうかの
判断を行なう。そして条件が成立している場合には、電
子制御装置20によって切換え弁44を油圧ポンプ62
側に切換える。従って油圧ポンプ62を通してマスタシ
リンダ59と油圧シリンダ42とにそれぞれリリーフバ
ルブ63で設定される圧力が加えられることになる。こ
の圧力は比較的低い安定な圧力であって、油圧シリンダ
42を作動されることがない。
【0024】そしてシリンダ29のピストン30が上死
点に達するのに同期して、このエンジンの他のシリンダ
のロッカアーム37と連結されているプッシュロッド3
9の運動によってピストン60が突上げられ、マスタシ
リンダ59が急激な油圧を発生する。この油圧が油圧シ
リンダ42に供給され、そのピストンロッド43が押出
され、排気バルブ36のみが開かれる。これによって圧
縮開放の制動動作が行なわれる。すなわちピストン30
によって圧縮された空気が排気バルブ36とバルブシー
トとの間の隙間を通って排気ポート34側に排出される
ことになり、このときにシリンダ29が行なうポンプ作
用によって外部からなされる仕事を吸収することにな
り、制動力が発生する。
【0025】なおプッシュロッド39が下降し、マスタ
シリンダ59のピストン60が復動すると油圧シリンダ
42内のオイルがマスタシリンダ59へ流動し、油圧シ
リンダ42のピストンロッド43は内蔵するばねの弾性
復元力によって引込まれる。従って排気バルブ36が閉
じて次の圧縮に備えるようになる。
【0026】このような無噴射状態における排気バルブ
36の開閉に伴う圧縮開放による車両用リターダの制動
動作は、図3に示すグラフにおいて、エンジンの回転数
がNo以上であって、しかもコントロールラックの位置
がRo以下の場合にのみ行なわれるようになっており、
それ以外の状態においては圧縮開放による制動動作が行
なわれないようになっている。ここでコントロールラッ
ク位置Roを燃料の噴射量がほぼ0になる無噴射位置に
等しい値に設定することにより、このリターダが作動さ
れる領域において燃料噴射が行なわれなくなる。
【0027】図4はエンジンの回転数Noとコントロー
ルラックの位置Roとアイドリング状態のラック特性と
を示したものである。今アイドリング状態のラック特性
線を図4のように設定し、Rw=Roの直線とNe=N
oの直線との交点よりも上側をアイドリング状態のラッ
ク特性線が通過するように設定する。この場合におい
て、コントロールラック位置がRo以下であってエンジ
ンの回転数がNo以上の場合にのみしか圧縮開放型のリ
ターダが作動されないために、上記のリターダの作動時
に燃料噴射が行なわれることがない。
【0028】図5はこのような圧縮開放型リターダの電
子制御装置20による制動動作を示すフローチャートで
ある。電子制御装置20のコンピュータは運転手がリタ
ーダスイッチ25を投入したかどうかの判断を行なうと
ともに、次にエンジン回転センサ23の出力が正常かど
うかの判断を行なう。すなわちエンジンの回転数が正常
動作時における最大値Nmax よりも小さくしかも正常動
作時における最低回転数Nmin よりも大きい場合に、エ
ンジンの回転数がNo以上かどうかの判断を行ない、次
いでラック位置がRo以下かどうかの判断を行なう。そ
してエンジンの回転数がNo以上であってしかもラック
位置がRo以下の場合にのみ上記圧縮開放型リターダを
作動させる。
【0029】エンジンの回転数がNo以下の場合あるい
はコントロールラックの位置がRo以上の場合にはこの
リターダを作動させないようにしている。
【0030】また上述のエンジンの回転数の検出におい
て、異常と判断された場合、すなわちエンジンの回転数
が正常動作時の最大値Nmax 以上であるかエンジンの回
転数が正常動作時の最小値Nmin 以下の場合には、コン
ピュータは回転センサ23が故障であると判断し、この
場合にはコントロールラック16の位置のみの判断によ
ってリターダのON・OFFの制御を行なう。すなわち
コントロールラックがRo以下の場合にのみリターダを
作動させ、Ro以上の場合にはリターダを作動させない
ようにしている。
【0031】このような制御を行なうことによって、制
御用コンピュータ20がエンジン10の回転数の認識が
できなくなった場合、すなわち回転センサ23あるいは
それに付属する系統の故障の場合においても、このリタ
ーダのシステムを停止することなく制御を継続できるよ
うになる。
【0032】次に第2の実施例を図6によって説明す
る。この実施例においては、通常の運転時に排気動作を
行なう排気バルブ36の他に、制動専用の排気バルブ5
0をエンジンの各シリンダに設けるようにしたものであ
って、ピストン30が上死点に達するのに同期して排気
バルブ50のみを油圧シリンダ42によって開放させる
ようにし、これによってこのエンジン10をポンプとし
て使用し、制動力を発生させるようにしている。
【0033】しかもここでは制動用の排気バルブ50の
開放を行なうために、排気弁36の開閉動作を行なうた
めの排気カム47を用いるようにしている。すなわち排
気カムに対してカム角で90°手前で作動するようにマ
スタシリンダ46を配し、このマスタシリンダ46を切
換え弁44を介して油圧シリンダ42に接続するように
している。なお排気カム47はタペット48およびロッ
カアーム39を介してロッカアーム37と連結されるよ
うになっている。
【0034】以上のような構成において、非制動時にお
いてはコンピュータ20によって切換え弁44がリザー
バ51側に切換えられる。従って排気カム47がマスタ
シリンダ46のピストンロッドを間欠的に押圧してこの
マスタシリンダ46によって油圧を立上げても、この油
圧がリザーバ51側に逃げるようになり、油圧シリンダ
42に油圧が加わることがない。従って非制動時におい
ては油圧シリンダ42による制動用の排気バルブ50の
開閉動作が行なわれることがなく、排気バルブ50は閉
じた状態を維持し、排気バルブ36による通常の排気動
作のみが行なわれる。
【0035】これに対して運転手がリターダスイッチ2
5を投入すると、電子制御装置20が制動のための条件
であって、エンジンの回転数およびコントロールラック
の位置が第1の実施例と同様の条件、すなわち図3に示
すONの領域にあるかどうかの判断を行なうとともに、
条件が成立する場合にのみ電子制御装置20が切換え弁
44を油圧シリンダ42側に切換える。
【0036】排気カム47の軸受け部から逆止弁を介し
てマスタシリンダ46の中にエンジンの潤滑オイルが供
給されているために、排気カム47によってマスタシリ
ンダ46のピストンを間欠的に突上げると、マスタシリ
ンダ46で立上がったオイルが切換え弁44を通して油
圧シリンダ42に加えられる。従って油圧シリンダ42
のピストンロッド43が押出され、制動用排気バルブ5
0が間欠的に開かれることになる。制動用排気バルブ5
0の閉鎖動作はコンピュータ20によって切換え弁44
を制御し、この切換え弁44をリザーバ側に切換えるこ
とによって達成される。
【0037】このようにリターダに専用の排気バルブ5
0を開いて圧縮開放型リターダを作動させるようにした
車両において、燃料噴射ポンプ11によって燃料が噴射
されている状態においては、コンピュータ20の制御に
よってこの排気バルブ50を開放されないようにし、こ
のリターダの作動時における燃料噴射にともなう不具合
を未然に防止することが可能になる。
【0038】次に第3の実施例を図7によって説明す
る。この実施例は排気管54の途中の位置にエキゾース
トブレーキバルブ55を回動可能に取付け、このバルブ
55の支軸に固着されているレバー56をエアシリンダ
57によって開閉制御するようにしたものである。なお
エアシリンダ57は切換え弁44を介してエアタンク5
8と接続されるようになっている。
【0039】すなわちここではエキゾーストブレーキか
ら成るリターダに関するものである。そしてエアシリン
ダ57の制御が第1の実施例と同様に、図5に示すフロ
ーチャートに基いてコンピュータを備える電子制御装置
20によって行なわれるようになっている。
【0040】運転手がエキゾーストブレーキスイッチ2
5を投入すると、電子制御装置20が制動のための条
件、すなわちエンジンの回転数およびコントロールラッ
クの位置が図3に示すONの領域にあるかどうかの判断
を行なうとともに、条件が成立する場合にのみ電子制御
装置20が切換え弁44を切換え、圧縮空気をエアシリ
ンダ57に供給することによって、エキゾーストブレー
キバルブ55によって排気管54を閉塞し、制動動作を
達成するようにしている。
【0041】従ってこの実施例においても、燃料噴射ポ
ンプ11によって燃料が噴射されている状態においは、
エキゾーストバルブ55から成るリターダが作動するこ
とがなく、制動時の燃料噴射に伴う不具合を未然に防止
することができる。よって上記実施例と同様の作用効果
を奏することが可能になる。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明は、エンジンの回転
数が所定の値以上であってコントロールラックの位置が
増量側に所定のストローク以内しか移動していない場合
にのみ圧縮開放または排気管の閉塞によって制動力を発
生させるようにしたものである。
【0043】従って本発明によれば、エンジンの回転数
の検出とともに、とくにコントロールラックの位置の検
出に連動してリターダの作動を制御することにより、燃
料の噴射が行なわれている状態における制動動作を防止
することが可能になり、これによって排気温度の上昇、
バルブ異常等の不具合を防止するとともに、排気ガス中
に黒煙あるいは白煙が排出することが防止されるように
なる。
【0044】またエンジンの回転数を検出する回転検出
手段が故障した場合においても、コントロールラックの
位置の検出のみによって制御を継続することが可能にな
り、このために回転検出手段の故障に伴うシステムの停
止を未然に防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の車両用リターダを備えるエンジ
ンの側面図である。
【図2】リターダを示すシリンダの縦断面図である。
【図3】制動動作可能な領域を示すグラフである。
【図4】制動動作可能な領域とラック特性線との関係を
示すグラフである。
【図5】リターダの制御動作を示すフローチャートであ
る。
【図6】第2の実施例の車両用リターダの要部縦断面図
である。
【図7】第3の実施例の車両用リターダの要部縦断面図
である。
【図8】従来のリターダの制動可能領域を示すグラフで
ある。
【図9】従来のリターダの制動可能領域とラック特性線
との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
10 ディーゼルエンジン 11 燃料噴射ポンプ 12 カムシャフト 13 タイマ 14 電子ガバナ 15 アクチュエータ 16 コントロールラック 20 電子制御装置 21 アクセルペダル 22 アクセルセンサ 23 エンジン回転センサ 24 ラック位置センサ 25 リターダスイッチ 29 シリンダ 30 ピストン 31 ピストンピン 32 コンロッド 33 シリンダヘッド 34 排気ポート 35、36 排気バルブ 37 ロッカアーム 38 押圧子 39 プッシュロッド 42 油圧シリンダ 43 ピストンロッド 44 切換え弁 46 マスタシリンダ 47 排気カム 48 タペット 50 排気バルブ 51 リザーバ 52 リリーフバルブ 54 排気管 55 エキゾーストブレーキバルブ 56 レバー 57 エアシリンダ 58 エアタンク 59 マスタシリンダ 60 ピストン 61 コントロールバルブ 62 油圧ポンプ 63 リリーフバルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−195827(JP,A) 特開 平5−222959(JP,A) 実開 昭58−82447(JP,U) 実開 平1−93339(JP,U) 実開 平4−134640(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 13/04 F02D 9/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの圧縮開放または排気管の閉塞に
    よって制動力を発生させるようにした車両用リターダに
    おいて、 エンジンの回転数を検出する手段と、 燃料噴射ポンプのコントロールラックの位置を検出する
    手段と、 排気弁またはエキゾーストブレーキバルブの開閉を制御
    する制御手段と、 をそれぞれ具備し、 エンジンの所定の回転数とコントロールラックの所定の
    位置との組合わせをコントロールラックのアイドル状態
    のラック特性線よりも低負荷側において設定し、 エンジンの回転数が前記所定の値以上であってしかもコ
    ントロールラックの位置が増量側に前記所定の位置に対
    応するストローク以内しか移動していない場合にのみ作
    動させるようにしたことを特徴とする車両用リターダ。
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