JPH10141076A - エンジンブレーキ装置 - Google Patents

エンジンブレーキ装置

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JPH10141076A
JPH10141076A JP8302147A JP30214796A JPH10141076A JP H10141076 A JPH10141076 A JP H10141076A JP 8302147 A JP8302147 A JP 8302147A JP 30214796 A JP30214796 A JP 30214796A JP H10141076 A JPH10141076 A JP H10141076A
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JP
Japan
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engine
opening
rotation speed
θvg
value
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JP8302147A
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English (en)
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Seiji Okada
誠二 岡田
Takashi Takahashi
孝 高橋
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Supercharger (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 過給機の有効利用化によりエンジンブレーキ
力の向上を図るとともに過給機の耐久性を好適に維持可
能なエンジンブレーキ装置を提供する。 【解決手段】 内燃エンジンからの排ガスにより駆動さ
れる排気タービン及び該排気タービンへの排ガス導入口
の断面積を開度調節により変更可能な可変ノズルを有し
た過給機と、内燃エンジンの圧縮上死点近傍で排気を行
うことにより圧縮圧を開放可能な圧縮圧開放型エンジン
補助ブレーキとを備え、さらに、エンジン回転速度を検
出するエンジン回転速度検出手段と、圧縮圧開放型エン
ジン補助ブレーキの作動に連動して(θACC≦θ0)可変
ノズルの開度θVGを所定開度(θVG=3)より小さい制
動用開度領域(θVG<3)の開度に変更するとともに、
該開度θVGをエンジン回転速度Neに応じて制動用開度
領域内で複数段階(θVG=1,2)に調節する制御手段と
を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンブレーキ
装置に係り、詳しくは、過給機を利用して圧縮圧開放型
エンジン補助ブレーキの効果を高める技術に関する。
【0002】
【関連する背景技術】トラックやバス等の大型の車両で
は、車両重量が大きいことに起因して車両自体の慣性力
が大きく、制動時において大きな制動力を必要とする。
従って、このような大型の車両にあっては、車輪に設け
られた通常のサービスブレーキ装置(ドラムブレーキ装
置、ディスクブレーキ装置等)だけでは充分な制動力が
得られないことから、通常は、エンジンブレーキの補助
装置である圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ等の補助
ブレーキ装置が併せて採用される傾向にある。
【0003】圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキは、内
燃エンジンの燃焼室に吸気された空気を燃焼室内で燃料
供給なく圧縮してピストンに負の仕事をさせ、その後こ
の圧縮された空気をピストンの圧縮上死点近傍で強制的
に排気バルブを開放して燃焼なく排気させ、これにより
上記負の仕事を吸収エネルギとして制動力を発生させる
ような構成のものである。
【0004】ところで、このような圧縮圧開放型エンジ
ン補助ブレーキは、燃焼室に吸気される空気量が多く体
積効率が大きい程その制動効果は高いことが知られてい
る。そこで、排気系と吸気系との間に、排ガスの圧力を
用いてタービンを回転させて吸気系の吸気圧(ブースト
圧)を高めるような構成の過給機(ターボチャージャ)
を併せて設けることが考えられている。そしてさらに、
その効果を上げるべく、過給機の排ガス導入口に可変ノ
ズルを設け、この可変ノズルの開度調節を行うことによ
り排ガスの流速を調整してタービン回転速度を調節し、
これにより吸気圧(ブースト圧)を高めて体積効率の向
上を図った装置が実公平3−20511号公報等に開示
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
は、可変ノズルの開度を小さくして可変ノズル間の隙間
を狭くし、これにより吸気圧(ブースト圧)を高めるこ
とは記載されているものの、通常の燃焼時に使用される
可変ノズルの開度範囲との関係についての記載はなく、
現実的には、通常の燃焼時に使用される開度範囲内で可
変ノズルの開度調整を行うようにしていた。
【0006】しかしながら、このような開度範囲内で
は、可変ノズルの開度は燃焼ガスの膨張により比較的高
圧となった排ガスの圧力に適応したものに設定されてお
り、従って、その開度は最小値であってもそれほど小さ
くなく、故に吸入した空気のみが燃焼膨張なくつまり体
積変化なく排出される圧縮圧開放型エンジン補助ブレー
キの使用時においてタービン回転速度が上がらず、エン
ジンブレーキの効果はあまり大きくなかった。
【0007】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、過給機の有効利用化
によりエンジンブレーキ力の向上を図るとともに過給機
の耐久性を好適に維持可能なエンジンブレーキ装置を提
供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、内燃エンジンからの排ガスに
より駆動される排気タービン及び該排気タービンへの排
ガス導入口の断面積を開度調節により変更可能な可変ノ
ズルを有した過給機と、前記内燃エンジンの圧縮上死点
近傍で排気を行うことにより圧縮圧を開放可能な圧縮圧
開放型エンジン補助ブレーキと、エンジン回転速度を検
出するエンジン回転速度検出手段と、前記圧縮圧開放型
エンジン補助ブレーキの作動に連動して前記可変ノズル
の開度を所定開度より小さい制動用開度領域の開度に変
更するとともに、該開度を前記エンジン回転速度に応じ
て前記制動用開度領域内で複数段階に調節する制御手段
とを備えることを特徴としている。
【0009】従って、圧縮圧開放型エンジン補助ブレー
キが作動するときには、通常燃料が供給されず燃焼によ
る膨張なく排気が行われるために排気流量・排気圧とも
に小さいが、可変ノズルの開度が所定開度より小さい制
動用開度領域の開度に変更されることにより、少量の排
ガスによってもタービン回転速度が高速回転し、故に過
給効果が高まって体積効率が向上し、圧縮圧開放型エン
ジン補助ブレーキによるエンジンブレーキの効果が極め
て向上する。
【0010】また、可変ノズルの開度はエンジン回転速
度に応じて制動用開度領域内で複数段階に調節されるの
で、タービン回転速度が適正なものに維持可能とされ、
制動性が向上するとともにタービン回転速度の過回転に
よる過給機の故障等が防止可能とされる。また、請求項
2の発明では、前記制御手段は、前記可変ノズルの開度
を前記エンジン回転速度の上昇に伴い前記制動用開度領
域内で小側から大側に移行させることを特徴としてい
る。
【0011】従って、過給機のタービン回転速度はエン
ジン回転速度の上昇に伴って速くなるが、この上昇に応
じて可変ノズルの開度は制動用開度領域内において小側
から大側に移行するので、タービン回転速度は過回転と
なることなく限界回転速度を超えないようにされ、過給
機の故障等が確実に防止され、過給機の耐久性が好適に
維持される。
【0012】また、請求項3の発明では、さらに、前記
内燃エンジンの負荷状態を検出し出力するエンジン負荷
検出手段を有し、前記圧縮圧開放型エンジン補助ブレー
キは、前記エンジン負荷検出手段の出力が所定負荷以下
のとき作動することを特徴としている。従って、圧縮圧
開放型エンジン補助ブレーキは、エンジン負荷検出手段
の出力が所定負荷以下のとき、つまり燃料供給が停止さ
れたときにおいて運転者に制動の意思があるとみなして
好適に作動開始され、同時に可変ノズルの開度が所定開
度より小さい制動用開度領域の開度に変更される。これ
により、エンジンブレーキが運転者の意思に応じて適正
且つレスポンスよく開始可能とされる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態としての実施例を詳細に説明する。図1を参
照すると、車両に搭載され、本発明に係るエンジンブレ
ーキ装置を含むOHV式ディーゼルエンジン(以下、単
にエンジンという)1の概略構成図が示されている。
【0014】同図に示すように、エンジン本体2の内部
に形成されたシリンダ4内にはシリンダ4に沿って上下
に摺動するピストン6が介装されており、このピストン
6の上部には、シリンダヘッド8との間に燃焼室10が
形成されている。そして、シリンダヘッド8の一側に
は、吸気管12の一端が接続されており、吸気管12内
部の吸気通路14と燃焼室10とが図示しない吸気バル
ブを介して連通可能とされている。また、シリンダヘッ
ド8の吸気管12の接続側とは異なる側からは排気管1
6が延びており、排気管16内部の排気通路18と燃焼
室10とが一対の排気バルブ20,22を介して連通可
能とされている。
【0015】排気バルブ20は、頭部がバルブブリッジ
24と当接しており、一方排気バルブ22の頭部は、バ
ルブブリッジ24を摺動自在に貫通し且つバルブブリッ
ジ24と一体にして下降可能なプッシュロッド48の底
面と当接している。そして、バルブブリッジ24の中央
上部にはロッカアーム26の先端が当接しており、ロッ
カアーム26の後端にはエンジン1のクランクシャフト
(図示せず)と連動して回転するカムシャフトのカム
(共に図示せず)によって上下動するプッシュロッド2
8の上端が当接している。従って、プッシュロッド28
がエンジン1のクランクシャフトの回転に応じて上下動
すると、ロッカアーム26がロッカシャフト27回りに
揺動し、これにより、一対の排気バルブ20,22がバ
ルブブリッジ24を介して開閉弁するようにされてい
る。なお、ここでは、吸気バルブについては示していな
いが、吸気バルブについても同様の作動をする。
【0016】また、図1中には図示していないが、シリ
ンダヘッド8には燃焼室10に臨んで燃料噴射弁が設け
られており、この燃料噴射弁は燃料噴射ポンプに接続さ
れている。エンジン1の上部には、圧縮圧開放型エンジ
ン補助ブレーキ装置30が設けられている。この圧縮圧
開放型エンジン補助ブレーキ装置30は、制動時におい
て、燃焼室10内に吸気した空気を燃焼室10内で燃料
供給なく圧縮することでピストン6に負の仕事をさせ、
その後圧縮上死点近傍で排気バルブ22のみを開弁させ
て圧縮空気を強制的に排気させ、これにより上記負の仕
事を吸収エネルギとして制動力を発生させる構成のエン
ジンブレーキの補助装置である。以下、この圧縮圧開放
型エンジン補助ブレーキ装置30について説明する。
【0017】圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置3
0のケーシング32内にはオイル通路34が設けられて
おり、ケーシング32の一端には、オイル通路34への
オイルの供給とオイル通路34からのオイルの排出とを
切換える電磁式のスプール弁36を介して油圧ユニット
(図示せず)が接続されている。電磁式のスプール弁3
6は、電子制御ユニット(ECU)90に接続されてお
り、ECU90からの駆動信号に応じて作動するように
されている。つまり、スプール弁36のスプール37が
図示する側に切換えられると、オイル通路34に油圧ユ
ニットから高圧オイルが供給され、一方、スプール37
が図示しない側に切換えられると、オイル通路34のオ
イルが油圧ユニット側に排出される。
【0018】そして、ケーシング32の略中央部には、
オイル通路34と垂直に交わるようにしてシリンダ部4
0が形成されており、このシリンダ部40には、スレイ
ブピストン42がシリンダ部40に沿い摺動自在に介装
されている。図中符号44はスレイブピストン42のガ
イドピンであり、また、符号46はスレイブピストン4
2を原位置(図示の位置)に付勢するためのコイルスプ
リングである。
【0019】同図に示すように、スレイブピストン42
の先端は、上記プッシュロッド48の頭部に当接してい
る。従って、スレイブピストン42がオイル通路34内
の高圧オイルによってコイルスプリング46に抗して押
されると、プッシュロッド48はバルブブリッジ24の
作動なく単独で下降し、排気バルブ22のみが開閉弁さ
れることになる。
【0020】即ち、制動時において、ピストン6の圧縮
上死点近傍でECU90から駆動信号がスプール弁36
に供給されると、高圧オイルの圧力によってスレイブピ
ストン42が押されて排気バルブ22が開弁することに
なり、故に圧縮された燃焼室10内の空気が排気通路1
8に排出され、上記圧縮時の負の仕事が吸収エネルギと
されて制動力が発生することになる。これにより、エン
ジンブレーキが良好に補助される。
【0021】また、シリンダ部40と上記スプール弁3
6との間のオイル通路34の部分には、コントロールバ
ルブ50が設けられている。このコントロールバルブ5
0は、オイル通路34に供給された高圧オイルの圧力を
所定圧以下に調節するものであり、これにより、オイル
通路34内圧が過大とならず圧縮圧開放型エンジン補助
ブレーキ装置30の故障等が防止される。なお、コント
ロールバルブ50の構成は公知であり、ここでは説明を
省略する。
【0022】さらに、ケーシング32の他端には、シリ
ンダ部52がオイル通路34の延長として形成されてお
り、シリンダ部52内にはマスターピストン52がシリ
ンダ部52に沿って摺動自在に介装されている。そし
て、このマスターピストン52の先端は、上記ロッカア
ーム26の後端の上記プッシュロッド28の当接する側
と反対側の面と当接している。従って、マスターピスト
ン52は、プッシュロッド28の上下動に応じてシリン
ダ部52内を往復動し、プッシュロッド28の上昇によ
り排気バルブ20,22が開弁するときには、上昇して
オイル通路34のオイルを介してスレイブピストン42
を押し下げ、排気バルブ22の下降を補助する。なお、
図中符号56はマスターピストン52を常時ロッカアー
ム26側に付勢しておく板状スプリングである。
【0023】また、同図に示すように、上記吸気管12
と排気管16とは接近して配設されており、その接近し
た部分にはVG(Variable Geometry)ターボチャージ
ャ(過給機)60が設けられている。このVGターボチ
ャージャ60は、基本的には通常のターボチャージャと
同様に、ハウジング62の内部に連結シャフト64によ
り同期回転可能に連結されたタービン(排気タービン)
66とコンプレッサ68とを備えて構成されている。従
って、排気通路18内を図中矢印方向に流れる排ガスに
よりタービン66が回転させられると、連結シャフト6
4を介してコンプレッサ68が同期回転し、これにより
吸気通路14内の空気が圧縮されて燃焼室10内に過給
されるようにされている。
【0024】そして、このVGターボチャージャ60に
は、さらにタービン66の外周を取り巻くようにして複
数の可動ベーン72を有した可変ノズルユニット(可変
ノズル)70が設けられている。この可変ノズルユニッ
ト70は可変ノズルアクチュエータ74に接続されてお
り、このアクチュエータ74はECU90に電気的に接
続されている。
【0025】ここで、図2を参照すると、VGターボチ
ャージャ60の排気通路18側、即ちタービン66側の
部分の拡大詳細図が示されており、以下図2に基づきV
Gターボチャージャ60の構成についてより詳しく説明
する。同図に示すように、複数の可動ベーン72はター
ビン66の外周を囲むようにして等間隔に配列されてお
り、各可動ベーン72は、ハウジング62に回転自在に
支持されたピン76を介してそれぞれリンク部材78の
一端に結合されている。一方、タービン66近傍の連結
シャフト64周りには、ハウジング62に支持され且つ
連結シャフト64周りに回転可能にしてサークルプレー
ト80が設けられている。そして、このサークルプレー
ト80には、各可動ベーン72に対応するようにこれら
と同一間隔を有して同一数量の突起82がリンク部材7
8側に臨んで立設されており、これら突起82はそれぞ
れ対応するリンク部材78の他端の切欠き79に摺動自
在に挿入されている。
【0026】また、サークルプレート80の外周端に
は、上記アクチュエータ74のロッド75が連結されて
いる。従って、ECU90から駆動信号がアクチュエー
タ74に供給されると、サークルプレート80が連結シ
ャフト64周りで回動する。これにより、突起82が切
欠き79内で摺動しながらリンク部材78を周方向で押
すことになり、故にリンク部材78がピン76の軸周り
にピン76と一体に回動し、これに伴い各可動ベーン7
2がやはりピン76の軸周りに同角度だけ回動する。そ
して、このように各可動ベーン72が回動すると、可動
ベーン72のベーン開度θVGが変更されることになり、
各可動ベーン72間の隙間(ノズル開度)が変更され
る。
【0027】ここでは、ベーン開度θVGは、予め各可動
ベーン72間の隙間の大きさに対応付けられた段階値
(値1〜8の整数)で示される。図4を参照すると、可
動ベーン72の実際の状態とベーン開度θVGの段階値
(値1〜8)との関係が示されており、同図に示すよう
に、ベーン開度θVGの段階値はその数値が最大値(例え
ば、値8)のときが各可動ベーン72間の隙間が最も大
きい状態、即ち定常状態を示す(一点鎖線で示す)。そ
して、段階値が小さくされるにつれて各可動ベーン72
間の隙間は小さくなり、数値が最小値(例えば、値1)
のときが各可動ベーン72間の隙間が最も小さい状態を
示している(実線で示す)。なお、同図から明らかなよ
うに、各可動ベーン72間の隙間(ノズル開度)は段階
値が最小値(例えば、値1)となっても閉塞することは
なく、排ガスは各可動ベーン72間を流通可能とされて
いる。同図中、破線はベーン開度θVGが値2の場合の可
動ベーン72の状態を示しており、二点鎖線はベーン開
度θVGが値3の場合の可動ベーン72の状態を示してい
る。
【0028】このように各可動ベーン72間の隙間が変
更されることにより、可変ノズルユニット70を経てタ
ービン66に吹き付けられる排ガスの流速が多段階に調
節可能とされ、排ガスの流量に拘わらずタービン66の
回転速度NTを変えることが可能とされている。つま
り、燃料供給量が少量でエンジン1の回転速度Neが小
さく、故に排ガスの流量が少ない場合であっても、アク
チュエータ74によって各可動ベーン72間の隙間を小
さく調整することでタービン66の回転速度NTを比較
的高速にできる。これにより吸気通路14内の空気をコ
ンプレッサ68で良好に圧縮し吸気系のブースト圧を上
げて過給効果を高めることができるのである。
【0029】また、後述するように、ベーン開度θVGを
小さくして各可動ベーン72間の隙間を小さく絞り調整
することで、制動時、VGターボチャージャ60を排気
ブレーキとして機能させたり、吸入空気の過給圧を高め
て上記圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置30によ
るエンジンブレーキ作用を増強させたりすることができ
る。
【0030】図3を参照すると、ECU90の入出力関
係がブロック図として示されている。同図に示すよう
に、ECU90の入力側には、アクセルペダル100の
踏込量、即ち燃料供給量に対応するアクセル開度θACC
を検出するアクセル開度センサ(エンジン負荷検出手
段)102、VGターボチャージャ60のコンプレッサ
68下流に設けられ(図1参照)、ブースト圧を検出す
るブースト圧センサ104、切換操作部材106の操作
により補助ブレーキ、つまり上記圧縮圧開放型エンジン
補助ブレーキ装置30等の作動制御のオン・オフ及びそ
のモード切換え(#1or#2)を行う補助ブレーキスイ
ッチ(補助ブレーキSW)108、エンジン1の回転速
度Neを検出するエンジン回転センサ(エンジン回転速
度検出手段)110等が接続されている。一方、ECU
90の出力側には、上述したように、圧縮圧開放型エン
ジン補助ブレーキ装置30のスプール弁36、VGター
ボチャージャ60の可変ノズルアクチュエータ74等が
接続されている。
【0031】以下、上記のように構成されたエンジン1
の作用を本発明に係るエンジンブレーキ装置の作用を中
心に説明する。図5を参照すると、過給機の制御ルーチ
ン、即ちベーン開度θVGの切換制御ルーチン(制御手
段)のフローチャートが示されており、以下図5に沿っ
て説明する。
【0032】先ず、ステップS10では、上記補助ブレ
ーキSW108がオン状態とされているか否かを判別す
る。このステップS10の判別結果が偽(No)の場合
には、運転者に補助ブレーキを使用する意思がないと判
定でき、この場合には何もせずに当該ルーチンを抜け
る。つまり、この場合には、アクセルペダル100を戻
しても圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置30によ
るエンジンブレーキやVGターボチャージャ60による
排気ブレーキ等の補助ブレーキは一切働かず、制動は通
常のサービスブレーキ(図示せず)のみよって実施され
る。
【0033】ここで、図6を参照すると、補助ブレーキ
SW108がオフ状態、即ち補助ブレーキを使用しない
場合におけるエンジン回転速度Neとアクセル開度θACC
に応じたベーン開度θVG(値1〜8)のマップが示され
ており、ステップS10の判別結果が偽の場合には、当
該図6のマップに基づいてVGターボチャージャ60の
可動ベーン72は作動させられる。
【0034】同図によれば、アクセル開度θACCが所定
値(所定負荷)θ0よりも充分大きく、燃料供給がされ
ている場合には、ベーン開度θVGはエンジン回転速度N
eに応じて値3(所定開度)から値8の範囲(複数段
階)で適正に切換えられる。そして、エンジン回転速度
Neが小さいほどベーン開度θVGは小さくされ、これに
より、エンジン1が低負荷状態で排ガスの流量が小さい
場合でも過給効率が高められるようにされている。ここ
に、所定値θ0は、アクセルペダル100を戻して燃料
供給が停止されるアクセル開度θACCを意味しており、
0値近傍とされる。なお、所定値θ0を値0としていな
いのはアクセルペダル100の遊び等を考慮したためで
ある。
【0035】また、アクセル開度θACCが所定値θ0近傍
或いはこれより小で燃料供給が停止され、且つエンジン
回転速度Neが所定値Ne0(例えば、アイドル回転速
度)よりも大のときにはベーン開度θVGは最大値8とさ
れる。このように車両が高速走行状態でエンジン回転速
度Neが大きいときにアクセル開度θACCが小さく燃料供
給が停止させられるような場合には、運転者に加速走行
の意思はなく運転者は惰力走行を望んでいるとみなすこ
とができる。従って、この場合にはベーン開度θVGを値
8と大きくして不必要に過給を行わず、また補助ブレー
キも働かないようにするのである。
【0036】一方、エンジン回転速度Neが所定値Ne0
(例えば、アイドル回転速度)以下のときには、ベーン
開度θVGは値3と小さくされる。通常エンジン回転速度
Neが所定値Ne0(例えば、アイドル回転速度)以下と
なったときには、アクセル開度θACCが所定値θ0近傍或
いはこれ未満であってもアイドル回転用の燃料供給が開
始されるようにされている。故に、ここではベーン開度
θVGを値3として過給効果を高め、アイドル回転用の燃
料による燃焼効率を向上させてエンジンストールを防止
するのである。
【0037】ところで、上記のように燃料供給が行われ
ている場合においては、ベーン開度θVGの最低値を値1
や値2と小さくせず値3(所定開度)に留めている。こ
れは、ベーン開度θVGを値1や値2とすると、たとえア
イドル回転用の少量の燃料供給であっても燃焼ガスが膨
張して排ガスの圧力が上昇することに起因している。つ
まり、ベーン開度θVGが値1や値2のように極めて小さ
いと、各可動ベーン72間の隙間が小さいために(図4
参照)、可動ベーン72の受ける排ガスの圧力が大きく
なり、また排ガスの流速が極めて高速となりタービン6
6が限界回転速度NTMAXに達してVGターボチャージャ
60の故障の要因となる虞があるためである。
【0038】一方、ステップS10の判別結果が真(Y
es)で、補助ブレーキSW108がオン状態、つまり
圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置30が作動可能
状態にあり且つVGターボチャージャ60を排気ブレー
キとして機能させることが可能である場合には、次にス
テップS12に進み、補助ブレーキSW108の切換位
置、即ち切換モードがモード#1であるか否かを判別す
る。
【0039】ステップS12の判別結果が偽の場合に
は、補助ブレーキSW108の切換モードはモード#1
ではなくモード#2であり、この場合にはエンジン回転
速度Neとアクセル開度θACCに対するベーン開度θVGの
マップとして図7のマップが選択される。そして、ステ
ップS14において、アクセル開度θACCが上記所定値
θ0以下であるか否かを判別する。判別結果が偽でアク
セル開度θACCが所定値θ0より大きい場合には、何もせ
ずに当該ルーチンを抜け、この場合には、ベーン開度θ
VGは図7のマップに基づき上記図6のマップと同様にエ
ンジン回転速度Neに応じて段階値3〜8の間で制御さ
れる。一方、ステップS14の判別結果が真でアクセル
開度θACCが所定値θ0以下、即ち、運転者に加速走行の
意思がなく燃料供給が停止されたと判定できる場合に
は、次にステップS16に進む。
【0040】ステップS16では、エンジン回転速度N
eが上記所定値Ne0(例えば、アイドル回転速度)以上
であるか否かを判別する。判別結果が真でエンジン回転
速度Neが所定値Ne0以上である場合には、次にステッ
プS18に進む。ステップS18では、エンジン回転速
度Neが所定値Ne1(例えば、1900rpm)以上である
か否かを判別する。判別結果が偽でエンジン回転速度N
eが所定値Ne1より小さい場合には、次にステップS2
0に進み、図7のマップに基づきベーン開度θVGを値1
とする。一方、判別結果が真でエンジン回転速度Neが
所定値Ne1(例えば、1900rpm)以上である場合に
は、次にステップS22に進み、図7のマップに基づき
ベーン開度θVGを値2とする。
【0041】つまり、補助ブレーキSW108の切換モ
ードがモード#2でエンジン回転速度Neが上記所定値
Ne0以上、且つアクセル開度θACCが所定値θ0以下で燃
料供給が停止されているときには、圧縮圧開放型エンジ
ン補助ブレーキ装置30が作動状態とされるとともに、
エンジン回転速度Neに応じて、ベーン開度θVGはアク
セル開度θACCが所定値θ0より大であるときの最小のベ
ーン開度θVG(値3、所定開度)よりも小さい値1また
は値2(制動用開度領域)とされる。
【0042】従って、アクセル開度θACCが所定値θ0以
下で燃料供給がないときには吸入空気が燃焼なくそのま
ま排出されるために排ガスの流量・圧力ともに小さいの
であるが、このようにベーン開θVGを値1または値2と
極めて小さくすることで、排気通路を絞ってVGターボ
チャージャ60の排気ブレーキ機能を好適に高めること
ができ、また、タービン66の回転速度NTを速めるこ
とで過給効率を高めて圧縮圧開放型エンジン補助ブレー
キ装置30のエンジンブレーキ作用を増強させることが
できる。即ち、補助ブレーキ機能を極めて良好に発揮さ
せることが可能となる。
【0043】図9を参照すると、燃焼がない場合の燃焼
室10の容積と圧力、即ち筒内容積VCと筒内圧力PCと
の関係が示されており、同図中一点鎖線がベーン開度θ
VGを値8とした場合を、二点鎖線が値3とした場合を、
破線が値2とした場合を、実線が値1とした場合をそれ
ぞれ示している。そして、同図では、各線で囲まれた符
号EEXで示す範囲がVGターボチャージャ60の排気ブ
レーキとしての作用による吸収エネルギ量を示し、符号
EPで示す範囲が圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装
置30のエンジンブレーキの作用による吸収エネルギ量
を示している。
【0044】同図から明らかなように、ベーン開度θVG
の値が小さいほど各線で囲まれる範囲、即ち排気ブレー
キの作用による吸収エネルギ量EEX、エンジンブレーキ
の作用による吸収エネルギ量EPは共に大きくされてお
り、故に、上記モード#2の場合のようにベーン開度θ
VGが値1または値2と極めて小さくされると、排気ブレ
ーキ及びエンジンブレーキの効果は非常に大きなものと
なるのである。
【0045】また、ここでは、エンジン回転速度Neが
所定値Ne1(例えば、1900rpm)であるときにベー
ン開度θVGを値1(小側)から値2(大側)に切換えて
いるが(複数段階に調節)、これは、所定値Ne1(例え
ば、1900rpm)以上においてもベーン開度θVGが値
1と小さくされたままであると、燃焼による膨張がなく
てもタービン66の回転速度NTが上記限界回転速度NT
MAXに達してVGターボチャージャ60の故障の要因と
なることがあり、このような事態を未然に防止するため
である。またタービン66の回転速度NTをエンジン回
転速度Neに拘わらず略一定に保持するためである。
【0046】ステップS16の判別結果が偽でエンジン
回転速度Neが上記所定値Ne0よりも小さい場合には、
次にステップS24に進み、図7のマップに基づき可動
ベーン72のベーン開度θVGを値3とする。つまり、エ
ンジン回転速度Neが所定値Ne0よりも小さい場合に
は、上述したようにアイドル回転用の燃料供給が行われ
ており、従って、この場合には上記図6のマップと同様
にしてベーン開度θVGを値3とし燃焼効率を向上させて
エンジンストールを防止する。
【0047】一方、ステップS12の判別結果が真、つ
まり、補助ブレーキSW108の切換モードがモード#
1である場合には、エンジン回転速度Neとアクセル開
度θACCに対するベーン開度θVGのマップとして図8の
マップが選択される。そして、ステップS26におい
て、アクセル開度θACCが上記所定値θ0以下であるか否
かを判別する。判別結果が偽でアクセル開度θACCが上
記所定値θ0より大きい場合には、何もせずに当該ルー
チンを抜け、この場合には、ベーン開度θVGは図8のマ
ップに基づき上記図6,7の両マップと同様にエンジン
回転速度Neに応じて段階値3〜8の間で制御される。
一方、ステップS26の判別結果が真でアクセル開度θ
ACCが所定値θ0以下、即ち、運転者に加速走行の意思が
なく燃料供給が停止されたと判定できる場合には、次に
ステップS28に進む。
【0048】ステップS28では、エンジン回転速度N
eが上記所定値Ne0以上であるか否かを判別する。判別
結果が真でエンジン回転速度Neが上記所定値Ne0以上
である場合には、次にステップS30に進む。ステップ
S30では、上記同様にエンジン回転速度Neが所定値
Ne1(例えば、1900rpm)以上であるか否かを判別
する。判別結果が真でエンジン回転速度Neが所定値Ne
1以上である場合には、次にステップS24に進み、図
8のマップに基づきベーン開度θVGを値3とする。一
方、ステップS30の判別結果が偽でエンジン回転速度
Neが所定値Ne1より小さい場合には、次にステップS
32に進み、図8のマップに基づきベーン開度θVGを値
2とする。
【0049】つまり、補助ブレーキSW108の切換モ
ードがモード#1でエンジン回転速度Neが上記所定値
Ne0以上、且つアクセル開度θACCが所定値θ0以下で燃
料供給が停止されているときには、圧縮圧開放型エンジ
ン補助ブレーキ装置30が作動状態とされるとともに、
エンジン回転速度Neに応じてベーン開度θVGが値2ま
たは値3とされ、上記モード#2の場合と同様にVGタ
ーボチャージャ60が排気ブレーキとして機能し、ま
た、過給効率が高められて圧縮圧開放型エンジン補助ブ
レーキ装置30のエンジンブレーキ作用が増強される。
【0050】なお、このモード#1の場合にあっては、
モード#2の場合よりもベーン開度θVGが緩和されてい
るため補助ブレーキの効果が小さく抑えられているが、
これは、運転者の便宜とVGターボチャージャ60の耐
久性を考慮したものである。つまり、積載物等の重量や
降坂路の勾配等に応じて補助ブレーキの効き具合を選択
可能にしてドライバビリティを向上させ、またモード#
2を特に必要とするとき以外はモード#1を使用するこ
とでタービン66の回転速度NTを低く抑えてVGター
ボチャージャ60の故障等を低減するのである。
【0051】また、エンジン回転速度Neが所定値Ne1
(例えば、1900rpm)であるときにベーン開度θVG
を値2から値3に切換えているが(複数段階に調節)、
これは主としてタービン66の回転速度NTをエンジン
回転速度Neに拘わらず略一定に保持するためである。
上記ステップS28の判別結果が偽でエンジン回転速度
Neが上記所定値Ne0よりも小さい場合には、次にステ
ップS24に進み、図8のマップに基づきベーン開度θ
VGを上記同様に値3とする。つまり、エンジン回転速度
Neが所定値Ne0よりも小さく、上述したようにアイド
ル回転用の燃料供給が行われているときには、上記図
6,7のマップと同様にベーン開度θVGを値3として燃
焼効率を向上させエンジンストールを防止する。
【0052】ここで図10を参照すると、上記ベーン開
度θVGの切換制御ルーチンに基づく制御結果、即ち、エ
ンジン回転速度Neが上記所定値Ne0以上、且つアクセ
ル開度θACCが所定値θ0以下で燃料供給が停止されてい
るときにおける、エンジン回転速度Neとタービン66
の回転速度NTとの関係、並びにエンジン回転速度Neと
補助ブレーキの吸収エネルギとの関係、つまりエンジン
回転速度Neに対する上記排気ブレーキの吸収エネルギ
EEXとエンジンブレーキの吸収エネルギEPとの和(EE
X+EP)の関係が示されている。同図中において、破線
がモード#1の場合を示し、実線がモード#2の場合を
示している。また、一点鎖線は補助ブレーキSW108
がオフ状態の場合を示している。
【0053】同図に示すように、補助ブレーキSW10
8がオフ状態(一点鎖線)の場合には、ベーン開度θVG
は最大値8のままに保持され(図6参照)、エンジン回
転速度Neの全般に亘ってタービン66の回転速度NTは
小さく且つ変化少なく、故に吸収エネルギも小さいもの
とされている。一方、モード#2(実線)の場合には、
エンジン回転速度Neが所定値Ne0から所定値Ne1(例
えば、1900rpm)の間では、ベーン開度θVGは値1
とされてタービン66の回転速度NTは速くされてお
り、故に吸収エネルギも非常に大きなものとされてい
る。そして、エンジン回転速度Neが所定値Ne1(例え
ば、1900rpm)を超えると、ベーン開度θVGは値2
とされ(図7参照)、タービン66の回転速度NTは限
界回転速度NTMAX(斜線域)に達しないようにされなが
ら吸収エネルギは大きい状態のまま好適に略一定に保持
される。
【0054】従って、例えば、積載物等の重量が重く、
また降坂路の勾配が大きいような場合に当該モード#2
を選択すれば、強力でレスポンスのよい制動力を発生さ
せることが可能となり、車両の走行安全性が向上する。
また、モード#1(破線)の場合には、モード#2の場
合に比べてタービン66の回転速度NTは小さくされて
おり、吸収エネルギも小さくなっている。しかしなが
ら、この場合の吸収エネルギも、アクセル開度θACCが
所定値θ0より大であるときのベーン開度θVG(値3)
である場合(二点鎖線で示す)よりは大きなものとされ
ている。従って、当該モード#1の場合であっても充分
な制動力が発揮される。
【0055】以上、説明したように、本発明のエンジン
ブレーキ装置では、制動時においてVGターボチャージ
ャ60の可動ベーン72のベーン開度θVGを車両の加速
走行時の最小のベーン開度θVG(値3)よりも小さく値
1、値2(制動用開度領域)とすることを可能にしてい
る。従って、VGターボチャージャ60を加速走行時の
過給機として良好に機能させながら、排気ブレーキとし
て極めて良好に機能させることができ、また同時に過給
効果を高めて圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置3
0のエンジンブレーキ作用をさらに向上させることが可
能である。故に、補助ブレーキによる制動を強力でレス
ポンスのよいものにできる。
【0056】また、本発明のエンジンブレーキ装置で
は、モード#2が選択された場合にあっては、VGター
ボチャージャ60のタービン66の回転速度NTが限界
回転速度NTMAXとならないようベーン開度θVGをエンジ
ン回転速度Neに応じて値1から値2に切換え、モード
#1が選択された場合にあっては値2から値3に切換え
るようにしている。従って、タービン66の過回転によ
る故障等を防止してVGターボチャージャ60の耐久性
を好適に維持するとともに、タービン66の回転速度N
T及び吸収エネルギを略一定に保持してエンジン回転速
度Neに応じた適正な制動力を得ることができる。
【0057】なお、上記実施例では、補助ブレーキSW
108の切換モードをモード#1,モード#2として2
モード間で選択可能としたが、切換モードはベーン開度
θVGに値1または値2(制動用開度領域)を使用するモ
ード#2のみであってもよい。また、ここでは、補助ブ
レーキ使用時、各モードにおいて、ベーン開度θVGをエ
ンジン回転速度Neに応じて値1及び値2、或いは値2
及び値3の2段階で切換えるようにしたが、これに限ら
れず、ベーン開度θVGを例えば値1、値2(制動用開度
領域)を含めて3段階(値1,2,3の3段階)または
それ以上の複数段階で切換えるようにしてもよい。これ
により、タービン66の回転速度NT及び吸収エネルギ
がエンジン回転速度Neに応じてより一層きめ細かく略
一定となるよう制御され且つ回転速度NTが確実に限界
回転速度NTMAXより小さく維持され、より適正な制動力
が得られるとともにVGターボチャージャ60の耐久性
がさらに好適に維持される。
【0058】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明の
請求項1のエンジンブレーキ装置によれば、圧縮圧開放
型エンジン補助ブレーキが作動するときには、通常燃料
が供給されず燃焼による膨張なく排気が行われるために
排気流量・排気圧ともに小さいのであるが、可変ノズル
の開度を所定開度より小さい制動用開度領域の開度に変
更することにより、少量の排ガスによってもタービン回
転速度を高速回転させるようにでき、故に過給効果を高
めて体積効率を向上させ、圧縮圧開放型エンジン補助ブ
レーキによるエンジンブレーキの効果を極めて向上させ
ることができる。
【0059】さらに、可変ノズルの開度はエンジン回転
速度に応じて制動用開度領域内で複数段階に調節される
ので、タービン回転速度を適正なものに維持でき、制動
性を向上させるとともにタービン回転速度の過回転によ
る過給機の故障等を好適に防止することができる。ま
た、請求項2のエンジンブレーキ装置によれば、過給機
のタービン回転速度はエンジン回転速度の上昇に伴って
速くなるが、この上昇に応じて可変ノズルの開度を制動
用開度領域内において小側から大側に移行するようにで
き、故にタービン回転速度が限界回転速度を超えること
がないようにできる。従って、過給機の故障等を確実に
防止して過給機の耐久性を好適に維持できる。
【0060】また、請求項3のエンジンブレーキ装置に
よれば、エンジン負荷検出手段の出力が所定負荷以下の
とき、つまり燃料供給が停止されたときにおいて運転者
に制動の意思があるとみなして圧縮圧開放型エンジン補
助ブレーキを好適に作動開始でき、同時に可変ノズルの
開度を所定開度より小さい制動用開度領域の開度に変更
できる。従って、エンジンブレーキを運転者の意思に応
じて適正且つレスポンスよく開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両に搭載され、本発明に係るエンジンブレー
キ装置を含むエンジンの概略構成図である。
【図2】図1中のVGターボチャージャの詳細図であ
る。
【図3】電子制御ユニットの入出力関係を示すブロック
図である。
【図4】VGターボチャージャの可動ベーンの回動範囲
を示し、ベーン開度θVGを説明する図である。
【図5】ベーン開度θVGの切換制御ルーチンを示すフロ
ーチャートである。
【図6】補助ブレーキSWがオフ状態の場合のエンジン
回転速度Neとアクセル開度θACCに応じたベーン開度θ
VGのマップである。
【図7】補助ブレーキSWが切換モード#2の場合のエ
ンジン回転速度Neとアクセル開度θACCに応じたベーン
開度θVGのマップである。
【図8】補助ブレーキSWが切換モード#1の場合のエ
ンジン回転速度Neとアクセル開度θACCに応じたベーン
開度θVGのマップである。
【図9】燃焼がない場合の筒内容積VCと筒内圧力PCと
の関係を示す図であって、ベーン開度θVGに応じた補助
ブレーキの吸収エネルギを示す図である。
【図10】図5の切換制御ルーチンによる制御結果を示
す図であって、エンジン回転速度Neとタービンの回転
速度NTとの関係、及びエンジン回転速度Neと補助ブレ
ーキの吸収エネルギとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 エンジン 4 シリンダ 6 ピストン 10 燃焼室 12 吸気管 14 吸気通路 16 排気管 18 排気通路 20 排気バルブ 22 排気バルブ 30 圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキ装置 60 VGターボチャージャ(過給機) 66 タービン(排気タービン) 68 コンプレッサ 70 可変ノズルユニット(可変ノズル) 72 可動ベーン(可変ノズル) 74 可変ノズルアクチュエータ 90 電子制御ユニット(ECU) 100 アクセルペダル 102 アクセル開度センサ(エンジン負荷検出手段) 108 補助ブレーキスイッチ 110 エンジン回転センサ(エンジン回転速度検出手
段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃エンジンからの排ガスにより駆動さ
    れる排気タービン及び該排気タービンへの排ガス導入口
    の断面積を開度調節により変更可能な可変ノズルを有し
    た過給機と、 前記内燃エンジンの圧縮上死点近傍で排気を行うことに
    より圧縮圧を開放可能な圧縮圧開放型エンジン補助ブレ
    ーキと、 エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段
    と、 前記圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキの作動に連動し
    て前記可変ノズルの開度を所定開度より小さい制動用開
    度領域の開度に変更するとともに、該開度を前記エンジ
    ン回転速度に応じて前記制動用開度領域内で複数段階に
    調節する制御手段と、 を備えることを特徴とするエンジンブレーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記可変ノズルの開度
    を前記エンジン回転速度の上昇に伴い前記制動用開度領
    域内で小側から大側に移行させることを特徴とする、請
    求項1記載のエンジンブレーキ装置。
  3. 【請求項3】 さらに、前記内燃エンジンの負荷状態を
    検出し出力するエンジン負荷検出手段を有し、 前記圧縮圧開放型エンジン補助ブレーキは、前記エンジ
    ン負荷検出手段の出力が所定負荷以下のとき作動するこ
    とを特徴とする、請求項1または2記載のエンジンブレ
    ーキ装置。
JP8302147A 1996-11-13 1996-11-13 エンジンブレーキ装置 Pending JPH10141076A (ja)

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DE19750331A DE19750331A1 (de) 1996-11-13 1997-11-13 Hilfsbremssystem
KR1019970059685A KR100289774B1 (ko) 1996-11-13 1997-11-13 보조브레이크장치

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Cited By (6)

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