JPH088237B2 - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JPH088237B2
JPH088237B2 JP62257200A JP25720087A JPH088237B2 JP H088237 B2 JPH088237 B2 JP H088237B2 JP 62257200 A JP62257200 A JP 62257200A JP 25720087 A JP25720087 A JP 25720087A JP H088237 B2 JPH088237 B2 JP H088237B2
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etched
high frequency
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博宣 川原
勝義 工藤
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豊 掛樋
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/18Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer the devices having semiconductor bodies comprising elements of Group IV of the Periodic System or AIIIBV compounds with or without impurities, e.g. doping materials
    • H01L21/30Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26
    • H01L21/302Treatment of semiconductor bodies using processes or apparatus not provided for in groups H01L21/20 - H01L21/26 to change their surface-physical characteristics or shape, e.g. etching, polishing, cutting
    • H01L21/306Chemical or electrical treatment, e.g. electrolytic etching
    • H01L21/3065Plasma etching; Reactive-ion etching
    • H01L21/30655Plasma etching; Reactive-ion etching comprising alternated and repeated etching and passivation steps, e.g. Bosch process

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプラズマ処理方法および装置に係り、特にエ
ッチングと堆積とを交互に行なって処理を行なうものに
好適なプラズマ処理方法および装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕 半導体素子の微細化が進むにつれて、回路パターンの
寸法加工精度や低ダメージ加工法がますます重要な技術
課題となってきている。特にサブミクロン領域の素子に
おいては、チップ面積の制約から、素子構造が立体化し
てきている。このため加工寸法幅に比べて加工深さの
比、即ち、アスペクト比の大きい膜種を寸法精度良く加
工することが要求されている。
このような要求を解決する従来技術としては、日本国
公開特許公報60−50923号公報に記載のようなものがあ
る。これは、SiやPoly−Siのエッチングの場合におい
て、エッチングガスとしてエッチング作用に寄与するSF
6ガスと窒化硅素の保護膜の形成作用に寄与するN2ガス
とその他のガスを混合して用い、エッチング処理中に処
理ガスの組成、濃度を周期的に変化させる。これによ
り、エッチング工程と窒化硅素の保護膜を形成する工程
とを交互にくり返して、高速でかつ寸法精度の良いエッ
チングを行なうようにしている。
一方、電極に印加する電圧を変化させるものとして
は、日本国公告特許公報昭61−41132号、日本国公開特
許公報昭61−13625号等が挙げられる。これら従来技術
は試料に印加する電圧を変化させて、プラズマ処理を行
なうようにしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術の前者はプラズマのガス組成や濃度を変
化させてエッチング処理を行なうようにしているため、
その都度プラズマの状態が変化することになる。このた
め、ガス組成や濃度を変化させた時、前回のプラズマ状
態から新しいプラズマ状態になる。即ち、残存するイオ
ンやラジカルを速かに排気する必要がある。しかし、処
理容器にはある程度の内容積があるためプラズマ状態の
切り替わり時間が掛かり、全体の処理時間が長くなると
いう問題がある。また、これを少しでも改善しようとす
れば、排気時間を短縮するために排気装置が大型化す
る。また同時に、処理時と切り替え時の排気量をそれぞ
れに制御する必要が生じ、そのための装置や制御技術が
複雑になってしまう。
また、後者はプラズマ中のイオンの入射エネルギを制
御し、単にエッチングレートや選択比等のプラズマ特性
を向上させるものである。
本発明の第1の目的は、処理ガスの切り替えを行うこ
となく、エッチング工程と成膜工程とを交互に行わせ、
プラズマ処理時間を短縮するとともに、ポリシリコンに
対し高アスペクト比のエッチングを行うことのできるプ
ラズマ処理方法を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、処理ガスの切り替えを
行うことなく、エッチング工程と成膜工程とを交互に行
わせ、プラズマ処理時間を短縮するとともに、アルミニ
ウムに対し高アスペクト比のエッチングを行うことので
きるプラズマ処理方法を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕 本発明者らは種々実験を重ねることにより初めて本発
明に関する見地を得た。それは、次のような内容であ
る。試料の被エッチング材と反応する成分と堆積膜を形
成する成分とを有する、ある種の成分ガスを所定のプラ
ズマ条件下でプラズマ化する。このプラズマ中のイオン
に加速電圧を付与し、該イオンを試料に入射させるよう
にして試料を処理する。このとき、この加速電圧を変化
させると、被処理物との反応によりエッチング作用が優
位に生じる電圧と堆積作用が優位に生じる電圧とがある
ことが分かつた。また、この電圧にはエッチング作用と
堆積作用とが釣り合う電位があることが分かった。以
下、この釣り合う電位を「臨界電位」と呼ぶ。
すなわち、本発明は、ポリシリコンを被エッチング材
とし、前記被エッチング材をエッチング処理する処理ガ
スとしてC4F8とSF8またはC4F8とNF3との混合ガスを用
い、前記混合ガスを減圧下でプラズマ化し、前記被エッ
チング材に向けて前記プラズマ中のイオンを加速させる
加速電圧を、臨界電位を境にして前記被エッチング材に
対しエッチング作用が生じる電圧と堆積作用が生じる電
圧とに前記臨界電位をはさんで変化させ、前記被エッチ
ング材に対してエッチング作用と堆積作用とを交互に生
じさせることにより、達成される。
また、アルミニウムを被エッチング材とし、前記被エ
ッチング材をエッチング処理する処理ガスとしてC4F8
Cl2との混合ガスを用い、前記混合ガスを減圧下でラズ
マ化し、前記被エッチング材に向けて前記プラズマ中の
イオンを加速させる加速電圧を、臨界電位を境にして前
記被エッチング材に対しエッチング作用が生じる電圧と
堆積作用が生じる電圧とに前記臨界電位をはさんで変化
させ、前記被エッチング材に対してエッチング作用と堆
積作用とを交互に生じさせることにより、達成される。
〔作用〕
ポリシリコンを被エッチング材とし、被エッチング材
をエッチング処理する処理ガスとしてC4F8とSF6またはC
4F8とNF3との混合ガスを用い、また、アルミニウムを被
エッチング材とし、被エッチング材をエッチング処理す
る処理ガスとしてC4F8とCl2との混合ガスを用い、これ
ら混合ガスを減圧下でプラズマ化し、すなわち、被エッ
チング材と反応する成分および堆積膜を形成する成分を
有するとともに臨界電位を有するエッチング処理ガスで
ある混合ガスを減圧下でプラズマ化し、被エッチング材
に向けてプラズマ中のイオンを加速させる加速電圧を臨
界電位を挟んで変化させる。このとき、プラズマ中に
は、エッチャントとしての反応性イオン種とフリーラジ
カル種および堆積膜を形成する膜形成種が存在する。加
速電圧が臨界電圧よりも大きいときには、被エッチング
し材に対しプラズマ中の反応性イオン種が入射されると
ともに、被エッチング材表面または近傍に存在するフリ
ーラジカル種にプラズマ中のイオンが衝突しフリーラジ
カル種がエネルギを受け、これら反応性イオン種および
フリーラジカル種がエッチング材と反応し反応生成物を
形成して被エッチング材をエッチング除去するエッチン
グ作用が優位に生じる。加速電圧が臨界電圧よりも小さ
いときには、エッチング作用を生じる反応性イオン種お
よびフリーラジカル種がプラズマ中に存在しても被エッ
チング材に対して入射されず、エッチング作用が激減
し、被エッチング材に対しては堆積作用が優位に生じ
る。これにより、処理ガスの切り替えを行うことなく、
エッチング工程と成膜工程とを交互に行なうことによ
り、プラズマ時間を短縮することができ、また、高アス
ペクト比の被エッチング材を寸法制度良く加工すること
が可能となる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の一実施例を第1図から第6図により説
明する。
第1図は、ECR放電を利用したマイクロ波プラズマ処
理装置を示し、この場合、エッチング装置である。真空
処理容器4の上開口部には石英からなる放電管1が設け
てある。真空処理容器4の下部には図示しない真空排気
装置につなげられた排気部3が設けてある。真空処理容
器4内には、上部に試料であるウエハ6を載置する試料
台5aを有する電極5が設けてある。放電管1内の試料台
5a上部には放電空間7が形成される。
放電管1の上部には、放電管1を囲んで導被管9が設
けてある。導被管9の端部には、この場合、2.45GHTzの
マイクロ波を発信するマグネトロン8が設けてある。放
電管1の外周部には導波管9を介して電磁コイル10が設
けてある。
真空処理容器4の側部には、放電空間7にエッチング
ガスを供給するためのガス導入部2が設けてある。ガス
導入部2にはマスフローコントローラ18を介して図示し
ないガス源がつなげてある。
電極5の外周には、電極5と絶縁され、一端が試料台
5aの周辺近傍に位置し、他端が接地されたケース電極11
が設けてある。電極5には、マッチングボックス12を介
して接続した。この場合、13.56MHzの高周波を発振する
高周波源13と、ローパスフィルタ14を介して接続した直
流電源15とがつなげてある。高周波数電源13および直流
電源15の他端はそれぞれ接地してある。直流電源15に出
力電圧制御装置16が接続してあり、出力電圧制御装置16
には出力波形制御装置17が接続してある。なお、マッチ
ングボックス12は、この場合、コンデンサカップリング
で構成してある。ローパスフィルタ14は高周波数電源13
からの高周波電圧をしゃ断するものである。
マスフローコントローラ18は、図示しないガス源から
のエッチングガスを所定流量に制御し、エッチングガス
を放電空間内に送り込む。放電空間7内は、図示しない
排気装置によって減圧排気され、所定圧力に保持され
る。
この場合、放電空間7内に導入したエッチングガスを
プラズマ化する手段は、マグネトロン8と電磁コイル10
とから成る。放電空間7内のエッチングガスはマグネト
ロン8と電磁コイル10とによって与えられる電磁界の作
用によるECR放電によってプラズマ化される。
また、この場合、プラズマ中のイオンにウエハ6への
入射エネルギを付与する手段、すなわち、この場合、試
料台5aに加速電圧を生じさせる手段は、高周波電源13と
直流電源15とから成る。ウエハ6を載置する試料台5aに
は、高周波電源13による高周波電圧と、直流電源15によ
る直流電圧とが印加される。試料台5aにコンデンサカッ
プリングで構成されたマッチングボックス12を介して高
周波数電圧を印加することにより、試料台5aには高周波
電圧が直流的に浮遊して与えられ、直流バイアス電圧が
生じる。この直流バイアス電圧によってプラズマ中のイ
オンが試料台5a側、すなわち、ウエハ6側に引き込まれ
る。また、試料台5aに直流電圧を印加することにより、
試料台5aに生じた直流バイアス電圧の値が調整される。
この直流バイアス電圧が、この場合、イオンを加速させ
る加速電圧となる。
さらに、この場合、試料台5aに生じさせた加圧電圧の
値を臨界電位をはさんで切り替える手段は、出力電圧制
御装置16と出力波形制装置17とから成る。出力電圧制御
装置16は直流電源15の直流電圧値を制御する。出力波形
制御装置17は出力電圧制御装置16が制御する直流電圧値
の変化させるタイミングを制御する。このタイミング
は、この場合、周期的に制御される。
また、ウエハ6は、この場合、Si基板上に配線形成材
料であるポリシリコン層を被着形成したものである。本
エッチング装置は、エッチングガスとして、この場合、
六フッ化イオウ(SF6)とトリクロロトリフロロエタン
(C2Cl3F3:商品名フロン−113)との混合ガスを用い、
ウエハ6のポリシリコン層をエッチングするものであ
る。
次に、上記のように構成されたエッチング装置によ
り、前記エッチングガスの両成分、すなわち、SF6とC2C
l3F3とについてそれぞれ同一のプラズマ形成条件下(マ
イクロ波電力:400W、ガス流量、70SCCM、圧力:0.01Tor
r、高周波電力:100W)でガスをプラズマ化し、試料台5a
に印加する直流バイアス電圧を変化させた場合の実験に
ついて、第2図により説明する。
第2図のグラフは、縦軸の上方にエッチング速度をと
り、下方に堆積速度をとって、横軸に直流バイアス電圧
をとる。
第2図より明らかなように、SF6は直流バイアス電圧
の大きさにかかわらず常にエッチング現象を生じ、直流
バイアス電圧が大になるほどエッチング速度も大きくな
る。これは、SF6がプラズマ中ではSとFの成分に分か
れ、反応性イオン種およびフリーラジカル種であるFの
成分のFイオンおよびFラジカルがエッチャントとなっ
て、直流バイアス電圧の有無にかかわらず被エッチング
材であるポリシリコンと接触して反応し、SiF4なる揮発
性の反応生成物が形成され試料から除去されるためで、
直流バイアス電圧を大きくすると試料表面のFイオンの
みならず、プラズマ中のFイオンが試料に入射されて、
Fイオンとの反応が増大するとともに、試料表面近傍に
位置するFラジカルにFイオンが衝突してFラジカルと
ポリシリコンとの接触が多くなって、エッチング速度が
大きくなるものである。
一方、C2Cl3F3は、直流バイアス電圧が小さい範囲で
は堆積現象が生じ、直流バイアス電圧が大きい範囲では
エッチング現象を生じている。これは、C2Cl3F3がプラ
ズマ中ではC,ClおよびFの成分に分かれ、これらの成分
がCの重合物または(CFx)n,CxFy,CClxFy,CxClyの反応
生成物なる堆積物を形成するとともに、残りのClおよび
Fの成分がエッチャントとして存在するためで、エッチ
ャントとしてのFの成分は前述したようにポリシリコン
と反応してFiF4なる揮発性の反応生成物を形成し、エッ
チャントとしてのClの成分は同様に反応性イオン種およ
びフリーラジカル種の形でポリシリコンと反応してSiCl
4なる揮発性の反応生成物を形成する。ここで、直流バ
イアス電圧の有無にかかわらず、プラズマ中においては
膜形成種とエッチャントがそれぞれ存在し、直流バイア
ス電圧のプラズマへの作用中はプラズマ中で形成される
堆積物が試料表面へ付着するとともに、試料へのプラズ
マ中のイオンの入射とが同時に起こる。直流バイアス電
圧が小さい範囲では、試料へのプラズマ中のイオンの入
射が少なくなり、試料の被エッチング材表面への堆積物
の付着が生じて被エッチング材表面とプラズマ中のエッ
チャントとの接触ができなくなり、堆積現象が生じる。
直流バイアス電圧が大きい範囲では、試料へのプラズマ
中のイオンの入射が多くなり、試料の被エッチング材表
面への堆積物の付着が生じても、被エッチング材表面へ
エッチャントとしての反応性イオンが入射され、被エッ
チング材表面をエッチング除去するとともに、堆積物に
も衝突して堆積物にエネルギを与え、堆積物を反応前の
状態に分解したりして、堆積物の付着を防ぎながらエッ
チングを進める、エッチング作用が生じる。なお、この
際、試料表面近傍のエッチャントであるフリーラジカル
に対してエッチャントである反応性イオンおよび膜形成
種のイオンの一部がフリーラジカルに衝突してエネルギ
を与え被エッチング材との反応を促進させるように作用
する。
また、C2Cl3F3はその丁度境界に堆積もエッチングも
生じない臨界電圧(V0)を有していることが分かる。な
お、この臨界電位とは、所定のプラズマ条件下でガスを
プラズマ化し、直流バイアス電圧を変化させた場合に、
堆積現象と反応性エッチングによるエッチング現象とが
逆転する電位を意味し、本発明者による実験によって初
めて見出されたものである。
このことは次のことを示している。C2Cl3F3をプラズ
マ化したときには堆積作用とエッチング作用とが併発し
ている。このとき、試料台5aに印加する直流バイアス電
圧が臨界電圧により小さい場合には堆積作用が優位に作
用する。また、試料台5aに印加する直流バイアス電圧を
臨界電位よりも小さい範囲内で増大させた場合には、直
流バイアス電圧の増大に伴ってプラズマ中のイオンが加
速され、エッチング作用が徐々に強くなり堆積作用の優
位性が徐々に衰える。直流バイアス電圧が臨界電位を越
えて増大する場合には、さらにプラズマ中のイオンが加
速され堆積作用よりもエッチング作用が優位に作用し、
そのエッチング作用は次第に強くなる。また、直流バイ
アス電圧が臨界電位と等しい場合には堆積作用とエッチ
ング作用とが釣り合った状態にある。
また、前記の臨界電位を有さないSF6と、臨界電位を
有したC2Cl3F3との混合ガス(1:9)を用いて、同様の実
験を行なった。この結果は、第2図の破線で示すような
曲線となった。この破線の曲線から明らかなように、こ
の混合ガスには臨界電位V0′が存在し、臨界電位V0′よ
り小さい電流バイアス電圧では堆積作用が優位に生じ、
臨界電位V0′より大きい直流バイアス電圧ではエッチン
グ作用が優位に生じている。しかも、この混合ガスを用
いた場合には、前記C2Cl3F3を単独で用いたときよりも
エッチング速度が直流バイアス電圧に大きく依存したこ
とが分かる。これにより、この混合ガスをエッチング速
度のバイアス電圧依存性の高いエッチャントとして利用
可能なことが分かった。
次に、このような特性を持った混合ガスを用いてエッ
チング処理を行なう場合について、第2図から第6図に
ついて説明する。
まず、混合ガスを臨界電位V0′よりも大きいバイアス
電圧値V1′で、アスペクト比の高いポリシリコン膜をエ
ッチングしたときには、第4図に示すように、アンダー
カットCが大きくなり、寸法精度を確保することができ
ない。ここで、19はホトレジストで、20はポリシリコン
で、21はSi基板である。
そこで、第3図に示すように、直流的に浮遊した高周
波電圧に重ねる直流電圧を出力電圧制御装置16と出力波
形制御装置17とによって制御し、直流バイアス電圧をt1
秒間は混合ガスの臨界電位V0′より大きいV1(負電位)
とし、t2秒間は臨界電位V0′より小さいV2(負電位)と
して、周期的に変化させるようにした。
時間t1秒間は直流バイアス電圧値が大きいので、プラ
ズマ中のイオンをウエハ6側に加速しながらエッチング
を行なうことができる。これにより、比較的異方性のエ
ッチングを行なえる。しかし、フリーラジカルの影響も
あり、第5図に示すように若干のアンダーカットC0が生
じる。このアンダーカットC0の大きさは垂直方向のエッ
チング量dの略1/5〜1/10であった。時間t1はアンダー
カットC0が許容値を越えない範囲内に設定する。
時間t2秒間は直流バイアス電圧値が臨界電位V0′より
小さいので、堆積を生じさせることができる。これによ
り、エッチングの進行は停止し、ウエハ6全面にプラズ
マ重合物が堆積を始め、ポリシリコン20のパターン側壁
面に保護膜が形成される。
保護膜が形成された後は、再び大きな直流バイアス電
圧V1を試料台5aに与え、エッチングを行なう。この大き
な直流バイアス電圧V1によって加速されたプラズマ中の
イオンはウエハ6に対し垂直に入射する。これにより、
ホトレンジスト19によって形成されたポリシリコン20の
パターン底部に堆積した保護膜は、イオンのスパッタ作
用によって速かに除去され、ポリシリコン20のパターン
底部が露出してエッチングが進行する。また、ポリシリ
コン20のパターン側壁面に堆積した保護膜は、物理的エ
ネルギの極めて小さいフリーラジカルのアタックを受け
て、フリーラジカルと保護膜の組成成分との化学反応に
よって徐々に除去される。そこで、保護膜を堆積させる
時間t2は、時間t1間エッチング作用が行なわれても、ポ
リシリコン20のパターン側壁面に堆積した保護膜が残存
するように設定する。なお、このように設定した時間
t1,t2はあらかじめ出力波形制御装置17に記憶させてお
いて、自動的に切り替えるようにしてある。
このようにして、エッチンク工程と堆積工程、すなわ
ち、成膜工程とを交互に繰り返すことによって、第6図
に示すような高アスペクト比のポリシリコン膜を寸法精
度良く加工することが可能となった。
なお、第2図に示すように大きな直流バイアス電圧V1
の値は、試料へのイオンのチャーチアップを防止するた
めに、高周波電圧の全振幅値Vppの1/2より小さくしてあ
る。これは、高いエッチング速度を得て、なおかつ試料
に形成された素子にダメージを与えないでエッチングを
行なうには、高周波電圧に重ねる直流電圧の大きさに制
約があるからである。
すなわち、直流バイアス電圧値(負の電位)を高周波
電圧の全振幅値Vppの1/2より大きくすると、試料は常に
負の電位になり、試料表面に正イオンのみが引き寄せら
れて帯電する。これにより、ついにはプラズマ中の正イ
オン(反応性イオン)が反溌して試料に到達しなくな
る。この結果、試料のエッチング速度が著しく低下する
こととなる。また、この時の帯電電位が大きいと、試料
に形成された素子のゲート部の劣化や破壊を起こす原因
となるからである。
このため、本実施例では高周波電圧の全振幅値Vppの1
/2より小さい負の直流電圧を試料台5aに印加し、高周波
電圧の波形の一部が正電位となって残こるようにし、こ
の正電位部分でプラズマ中の電子を引き込んで、試料に
帯電した正イオンを中和するようにしている。
さらに、このチャージアップの問題を解決するために
は、日本国公告特許公報昭56−37311号に詳述されてい
るように、高周波電圧の発信周波数を約100KHz以上にす
る必要がある。発信周波数の上限については特に制約は
ないが、一般に市販されている発振器を利用するとすれ
ば、27MHz程度までの発振周波数が適切である。
以上、本一実施例によれば、高周波電圧13によって電
極5に高周波電圧を印加し、これによって試料台5aに生
じた直流バイアス電圧に直流電源15からの直流電圧を重
ね、この直流電圧を重ねた直流バイアス電圧を出力電圧
制御装置16および出力波形制御装置17によって臨界電圧
をはさんで変化させることで、放電空間7部に発生させ
たプラズマを変化させることなく、すなわち、ガスを切
り替えて供給することなく、ウエハ6に対しエッチング
と堆積、すなわち、成膜とを交互に行なわせることがで
きるので、ガス種を切り替えてエッチングと堆積とを交
互に行なわせて試料をエッチングする従来の技術に比べ
て、ガスの入れ替え時間が無くなり、少なくともガスの
入れ替え時間が無くなった分だけ処理時間が短縮される
という効果がある。例えば、本一実施例と同程度の容積
(20,000cm3)の真空処理容器で、排気容量500/secの
排気装置を用い、真空処理容器内に70SCCMのガスを供給
し、圧力を0.01Torrに維持させた状態から、ガス種を切
り替えて前記のような状態にするまでに要する時間は、
およそ10秒程度となり、ガス種の切り替え回数が多くな
るに従い上記効果は大きくなる。また、言い換えれば、
従来のようにガスの切り替えを高速で行なう必要がない
ので、排気装置を小型化できる。また、ガス種の切り替
えによる圧力制御や切り替え制御がなくなるので装置や
制御技術が簡単になる。
また、出力電圧制御装置16を制御して臨界電位より大
なる直流バイアス電圧を試料台5aに与えることによりウ
エハ6はエッチングされ、また、臨界電位より小なる直
流バイアス電圧を試料台5aに与えることによりウエハ6
に保護膜を堆積させることができ、さらに、出力波形制
御装置17を制御して臨界電位をはさんで直流バイアス電
圧の値を変えるタイミングを交互に切り替えるので、ウ
エハ6のエッチング側面を保護膜で保護しながら段階的
にエッチングでき、パターン寸法幅に比べて深さあるい
は高さの高い被エッチング材を加工することができる。
また、ECR放電を利用したマイクロ波プラズマによる
処理としているので、10-2Torr台の低い圧力下でプラズ
マを発生させることができ、プラズマ中のイオンを小さ
い加速電圧でウエハ6に引き込むことができるので、ダ
メージの少ない異方性エッチングができ、微細パターン
の被エッチング材を加工することができる。これによ
り、上記効果と合わせて、微細パターンでかつアスペク
ト比の大きい被エッチング材を加工することができる。
さらに、出力波形制御装置によりエッチング作用との
切り替え時期を、エッチング時は被エッチング材のアン
ダーカットが許容値内に入るように時間設定し、堆積時
は次のエッチング処理を行なう間エッチング側面の保護
膜が残るだけの膜厚を成膜できる時間としているので、
寸法精度の良い加工を行なうことができる。
また、電磁界の作用を利用したプラズマ発生手段と、
高周波電圧および直流電圧により与えられる直流バイア
ス電圧付与手段、すなわち、加速電圧付与手段とは独立
しているので、直流バイアス電圧を変化させてもプラズ
マの発生状態、すなわち、プラズマ中の電子、イオンお
よびフリーラジカルの状態は変化せず、発行強度が安定
した状態でエッチングを行なうことができ、発行分光法
によるエッチングの終点判定が容易に行なえる。
また、試料台5aに高周波電源13を接続し高周波電圧を
印加して、直流電源15の直流電圧を制御し直流バイアス
電圧を高周波電源13から発生する高周波電圧の全振幅の
1/2以下にしているので、絶縁材または絶縁膜を有した
試料であっても試料に電荷が蓄積されず、エッチング速
度の低下や素子のゲート部の劣化または破壊のないエッ
チングを行なうことができる。また、本一実施例のエッ
チング方法によって下層にMOSゲートを有する素子構造
の試料をエッチングした場合にも、ゲート部の耐圧劣化
や破壊といったダメージは発生しなかった。
なお、本一実施例のようにマイクロ波を利用したECR
方式で放電させるマイクロ波プラズマ処理装置において
は、一般にイオンシース幅は0.1mm程度である。このイ
オンシースをイオンが通過するに要する時間(ti)は、
イオンの種類によって多少異なるが、一般に1〜4×10
-7秒程度である。これに対し、工業用として通常用いら
れている13.56MHzの高周波の電圧波形の半サイクル時間
(t RF)は3.7×10-8秒である。このため、13.56MHzの
高周波電圧においては、イオンはイオンシースを通加し
て追従することができない。したがって、本一実施例の
ように負の直流バイアス電圧を発生させることによって
イオンを加速させることができる。
このような直流バイアス電圧を利用する方法は、特に
Siや金属膜のように電極5と導通のとれる材料を処理す
る場合に有効である。このような直流バイアス電圧を利
用する方法が有効となるのは、高周波の電圧波形の半サ
イクル時間t RFとイオンのイオンシース通過時間t iと
が t RF<t i の関係にある場合であるから、高周波電源13の周波数の
下限は2MHz(t RF=2.5×10-7秒)程度であり、これよ
り周波数が低いと、交流電圧波形にもイオンが追従して
加速されるので、直流電源15によって電極5に直流電圧
を重ねて印加する効果が薄れてしまう。
なお、試料が導電性のものである場合には、本一実施
例の高周波電源13を除いて、直流電源15だけで制御した
プラズマ処理装置としても良い。
次に、本発明の第2の実施例を第7図および第8図に
より説明する。
第7図において第1図と同符号のものは同一部材を示
す。本図が第1図と異なる点は、加速電圧付与手段とし
て、この場合、周波数385KHzの高周波電源23だけを用い
ている点である。高周波電源23はマッチングボックス22
を介して電極5に接続してある。マッチングボックス22
は、この場合、回路の一端が接地してあり、電極5が直
接的に接地電位となるようにしてある。高周波電源23に
は出力電圧制御手段24が接続してある。
出力電圧制御手段24は、高周波電源23から出力する高
周波電圧の波形を第8図に示すように、時間t3の間は高
周波電圧の全振幅をV3となるように制御し、次の時間t4
の間は高周波電圧の全振幅をV4となるように制御する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置によりSi基板上に50nm程度の薄い酸化膜
を介してポリシリコン、ホトレジストを順次積層した構
成のウエハ6aについて、前記一実施例と同様の条件でポ
リシリコンのエッチング速度と高周波電源23の出力電
圧、すなわち、加速電圧との関係を調べたところ、前記
第2図と同様の傾向が生じた。
すなわち、高周波電源23による周波数2MHz以下(この
場合、385KHz)の高周波電圧を試料台5aに印加し、交流
電圧波形にイオンが充分に追従するようにし、交流電圧
の強さ、すなわち、交流電圧の全振幅を変化させること
によって、前記一実施例と同様にエッチング作用が優位
に作用したり、堆積作用が優位に作用したり、またエッ
チングと堆積とのどちらも進行しない状態が表われた。
したがって、出力電圧制御手段24によって高周波電源
23の出力電圧を第8図に示すように制御し、時間t3の間
は臨界電位よりも大きい高周波電圧V3を電極5に印加
し、ポリシリコンのエッチングを行なう。次に、時間t4
の間は臨界電位よりも小さい高周波電圧V4電極5に印加
し、ウエハ6aの表面(エッチング側面も含む。)に保護
膜を形成する。この両工程を順次繰り返すことによっ
て、前記一実施例と同様に高アスペクト比の被エッチン
グ材を寸法精度良く加工することができる。なお、エッ
チング時間t3および堆積時間t4は前記一実施例で述べた
エッチング時間t1および堆積時間t2と同様にして設定す
れば良い。
以上、本第2の実施例によれば、周波数MHz以下の高
周波電圧の出力電圧を臨界電位をはさんで変化させるこ
とで、ガスを切り替えて供給することなく、エッチング
工程と堆積工程とを交互に行なわせることができるの
で、前記一実施例と同様に処理時間を短縮することがで
きるという効果がある。
また、前記一実施例と同様にマイクロ波プラズマによ
る処理とし、出力電圧制御手段24によってエッチング時
と堆積時との時間を制御して、ウエハ6aのエッチング側
面を保護膜で保護しながら段階的にエッチングするの
で、微細パターンでかつパター寸法幅に比べて深さある
いは高さの高い被エッチング膜を寸法精度良く加工する
ことができる。
また、前記一実施例と同様にプラズマの発生状態が変
化せず、発行強度が安定した状態でエッチングが行える
ので、エッチングの終点判定が容易に行える。
さらに、イオンを加速させる電圧を周波数2MHz以下の
高周波電圧の負電圧領域で与えているので、負の電圧領
域で加速されてウエハ6aの表面に干き寄せられてウエハ
6aに帯電した正イオンは、次の正の電圧領域においてウ
エハ6a表面に引き込まれた電子によって中和することが
でき、ウエハ6aに形成された絶縁材の絶縁破壊等を防止
することができる。したがって、SiO2やSi3N4のような
絶縁材を有する試料をエッチング処理するのに好適であ
る。なお、この場合、電極5−ウエハ6a−プラズマ間
で、一種のコンデンサが形成される訳であるから、高周
波電圧の周波数が低すぎると、ウエハ6aに電荷が蓄積さ
れ過ぎてイオンの加速が抑制され、エッチング速度が著
しく低下するという、いわゆるチャージアップ現象を生
じる。このチャージアップ現象を防止する限界の周波数
は、絶縁膜の種類と膜厚とによって左右されるが、半導
体装置の場合の実用値は、日本国公告特許公報昭56−37
311号詳述されているように、100KHz程度である。
次に、本発明の第3の実施例を第9積および第10図に
より説明する。
第9図において第7図と同符号のものは同一部材を示
す。本図が第7図と異なる点は、加速電圧付与手段とし
て、この場合、周波数385KHzの高周波電源23と交流波形
発生器26とを用いている点である。高周波電源23は合成
器25を介して電極5に接続してある。合成器25にはまた
交流波形発生器26が接続してある。交流波形発生器26に
は出力波形制御手段27が接続してある。
合成器25は、高周波電源23から出力する高周波電圧の
波形を第10図に示すように、交流波形発生器26から出力
した波形28に沿って変化させる。出力波形制御手段27は
交流波形発生器26から出力する波形28の周期および振幅
を調整する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記第2の実施例と同様の条件
でエッチング処理を行なわせれば、前記第2の実施例と
同様にエッチング工程と堆積工程とを交互に繰り返しな
がら段階的にエッチング処理を行なうことができる。
すなわち、第10図に示すように、臨界電位V0′より大
きい負の電圧波形のときの時間t5の間はエッチング作用
が優位に生じ、臨界電位V0′より小さい負の電圧波形の
ときの時間t6の間は堆積作用が優位に生じる。
なお、エッチングの生じる時間t5および堆積の生じる
時間t6を調整する場合には、出力波形制御手段27によっ
て交流波形発生器26から出力する波形28の周期を変える
ことで簡単に行なえる。また、エッチング工程のエッチ
ング速度を速める場合には、出力波形制御手段27によっ
て交流波形発生器26から出力する波形28の振幅を変える
ことで簡単に行なえる。ただし、正確にエッチング速
度、エッチング時間および堆積時間を調整しようとすれ
ば、出力波形制御手段27によって波形28の振幅および周
期を同時に調整する必要がある。
以上、本第3の実施例によれば、前記第2の実施例と
同様の効果を得ることができる。
なお、本第3の実施例の場合、エッチングと堆積との
繰り替わりは徐々に進行する。
次に、本発明の第4の実施例を第11図および第12図に
より説明する。
第11図において第1図と同符号のものは同一部材を示
す。本図が第1図と異なる点は、試料台5bが接地されて
いる点と、ウエハ6と放電空間7との間にグリッド電極
29を設けている点である。グリッド電極29には直流電源
15が接続してあり、直流電源15には出力電圧制御装置16
を接続し、出力電圧制御装置16には出力波形制御装置17
が接続してある。
この場合、イオンをウエハ6の方向に加速させる手段
は、グリッド電極29に負の直流電圧を印加する直流電源
15である。直流電源15から出力する負の直流電圧、すな
わち、加速電圧を臨界電位をはさんで変化させる手段
は、出力電圧制御装置16と出力波形制御装置17とから成
り、これらの制御は前記一実施例と同様で第12図に示す
ように時間t1の間は電圧V1に制御し、時間t2の間は電圧
V2に制御する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記一実施例と同様の条件で放
電空間7内にプラズマを発生させ、直流電源15によりグ
リッド電極29に負の直流電圧を印加する。これにより、
プラズマ中のイオンがグリッド電極29側に加速され、グ
リッド電極29を通過したイオンがウエハ6に達して、ウ
エハ6の被エッチング材をエッチングする。
このとき、出力電圧制御装置16と出力波形制御装置17
とによって、臨界電位より大きい加速電圧V1を直流電源
15から時間t1秒間出力させる。これにより、時間t1秒間
の間はエッチング作用が優位に生じ、ウエハ6がエッチ
ングされる。次に、臨界電位より小さい加速電圧V2を直
流電源15から時間t2秒間出力させる。これにより、時間
t2秒間は堆積作用が優位に生じ、ウエハ6の表面(エッ
チング側面も含む。)に保護膜が形成される。これらの
工程を順次繰り返すことにより、前記一実施例と同様に
ウエハ6の被エッチング材を段階的にエッチングするこ
とができる。
以上、本第4の実施例によれば、グリッド電極29に加
速電圧を印加し、加速電圧を臨界電位をはさんで変化さ
せることで、ガスを切り替えて供給することなく、エッ
チング工程と堆積工程とを交互に行なわせることができ
るので、前記一実施例と同様に処理時間を短縮すること
ができるという効果がある。
また、前記一実施例と同様にマイクロ波プラズマによ
る処理とし、出力電圧制御装置16および出力波形制御装
置17とによってエッチング工程時と堆積工程時との時間
を制御して、ウエハ6のエッチング側面を保護膜で保護
しながら段階的にエッチングするので、微細パターンで
かつパターン寸法幅に比べて深さあるい高さの高い被エ
ッチング材を寸法精度良く加工することができる。
また、前記一実施例と同様にプラズマの発生状態が変
化せず、発行強度が安定した状態でエッチングを行なう
ことができるので、エッチングの終点判定が容易に行え
る。
なお、本第4の実施例ではグリッド電極29に直流電圧
を印加しているので、試料としては導電性のあるもので
なければならないが、グリッド電極29に前記第1,第2ま
たは第3の実施例のような電源の接続をすれば絶縁性の
試料も処理することができる。
次に、本発明の第5の実施例を第13図により説明す
る。
第13図において第1図と同符号は同一部材を示す。本
図が第1図と異なる点は、本図の装置が真空処理容器30
の中に上部電極34と下部電極33とを有する平行平板式の
RIE装置であり、プラズマ発生手段として平行平板型の
電極33,34を用い、電極33に高周波電圧(この場合、周
波数13.5MHz)を印加する高周波電源13aを接続している
点である。
真空処理容器30の側部にはガス導入部31が設けてあ
り、前記一実施例と同様に図示しないガス源がつなげて
ある。真空処理容器30の下部には図示しない真空排気装
置につなげられた排気部32が設けてある。真空処理容器
30内の下部には上面にウエハ6を載置する下部電極33が
設けてあり、真空処理容器30内の上部には下部電極33に
対向して配置した上部電極34が設けてある。上部電極34
は接地してある。下部電極33は絶縁材を介して真空処理
容器30に取り付けてあり、下部電極33には前記一実施例
と同様にマッチングボックス12を介して接続した高周波
電源13aと、ローパスフィルタ14を介して接続した直流
電源15とがつなげてある。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記一実施例と同様にガス導入
部31を介して下部電極33と上部電極34との間に形成した
放電空間35にエッチングガスを供給する。これとともに
図示しない真空排気装置により真空処理容器30内を所定
の圧力に減圧排気する。この状態において高周波電源13
aによって、下部電極33に13.56MHzの高周波電圧を印加
する。これにより、放電空間35部にグロー放電が生じ
て、エッチングガスがプラズマ化される。
この状態で既に前記一実施例と同様にプラズマ中のイ
オンをウエハ6側に加速する直流バイアス電圧が下部電
極33に発生している。この直流バイアス電圧を直流電源
15により前記一実施例と同様に、臨界電位をはさんで変
化させる。これにより、前記一実施例と同様にエッチン
グ工程と堆積工程とを交互に繰り返して、ウエハ6の被
エッチング材を段階的にエッチングできる。
以上、本第5の実施例によれば、直流電源15によって
直流バイアス電圧を臨界電位をはさんで変化させること
で、ガスを切り替えて供給することなく、エッチング工
程と堆積工程とを交互に行なわせることができるので、
前記一実施例と同様に処理時間を短縮することができ
る。
また、高周波電源13aを用いて電極33と34との間の放
電空間35に安定したプラズマを発生させることができ、
直流電源15により直流バイアス電圧を変化させてもプラ
ズマの発生状態は変化することがないので、前記一実施
例と同様にエッチングの終点判定が容易に行なえる。
また、以下前記一実施例と同様に高アスペクト比の被
エッチング材を寸法精度良く加工でき、また導電性材、
絶縁材を問わず加工できる。
次に、本発明の第6の実施例を第14図により説明す
る。
第14図において第7図および第13図と同符号は同一部
材を示す、本図が第13図と異なる点は、プラズマを発生
させる手段として周波数2MHz以下(この場合、385KHz)
の高周波電源23aを用いている点と、イオンを加速させ
る手段として、同じく周波数2MHz以下の高周波電源23a
を用いて共用している点である。高周波電源23aは、第
7図と同様にマッチングボックス22を介して下部電極33
に接続してある。マッチングボックス22の回路の一端は
接地してあり、下部電極33が直流的に接地電位となるよ
うにしてある。高周波電源23aには出力電圧制御手段24
が接続してある。
出力電圧制御手段24の制御内容は前記第2の実施例と
同様であり、説明は省略する。また、ウエハ6aは前記第
2の実施例と同じく絶縁材を有したものである。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記第5の実施例と同様に放電
空間35にエッチングガスを供給し、真空処理容器30内を
所定の圧力に減圧排気する。この状態において高周波電
源23aによって下部電極33に385KHzの高周波電圧を印加
し、放電空間35にグロー放電を生じさせて、エッチング
ガスをプラズマ化させる。
このとき、出力電圧制御手段24によって、第2の実施
例と同様に高周波電源23aから出力する高周波電圧を臨
界電位をはさんで変化させる。これにより、前記第2の
実施例と同様にエッチング工程と堆積工程とを交互に繰
り返して、ウエハ6aの被エッチング材を段階的にエッチ
ングできる。
以上、本第6の実施例によれば、周波数2MHz以下の高
周波数電圧を臨界電位をはさんで変化させているので、
エッチングガスを切り替えて供給することなく、エッチ
ング工程と堆積工程とを交互に行なわせることができ、
前記第2の実施例と同様に処理時間を短縮することがで
きる。
また、以下前記第2の実施例と同様に高アスペクト比
の被エッチング材を寸法精度良く加工できる。また、試
料としては絶縁材を有するものに好適である。なお、こ
の場合は、プラズマ発生手段でもある周波数2MHz以下の
高周波電圧を変化させているので、プラズマの発生状態
がエッチング工程時と堆積工程時とで異なる。このた
め、発光分光法を用いてエッチング終点判定を行なうと
きは、エッチングが生じているときの発光強度だけを入
力して判定を行なう必要がある。
次に、本発明の第7の実施例を第15図により説明す
る。
第15図において第9図および第14図と同符号は同一部
材を示す。本図が第14図と異なる点は、イオンを加速さ
せる手段でもある周波数2MHz以下(この場合、385KHz)
の高周波電源23aの高周波電圧を臨界電位をはさんで変
化させる手段として交流波形発生器26を用いている点で
ある。高周波電源23aは、第9図と同様に合成器25を介
して下部電極33に接続してある。合成器25にはまた交流
波形発生器26が接続してある。交流波形発生器26には出
力波形制御手段27が接続してある。
合成器25、交流波形発生器26および出力波形制御手段
27の制御内容は前記第3の実施例と同様であり、説明は
省略する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記第6の実施例と同様に放電
空間35にエッチングガスを供給し、真空処理容器30内を
所定の圧力に減圧排気する。この状態において、前記第
3の実施例のように、すなわち、第10図のように制御さ
れた高周波電圧を下部電極33に印加し、放電空間35部に
ブロー放電を生じさせて、エッチングガスをプラズマ化
させる。
これにより、高周波電圧が臨界電位よりも大きい時は
ウエハ6aに対しエッチング作用が優位に生じ、高周波電
位よりも小さい時はウエハ6aの表面(エッチング側面も
含む)に保護膜の堆積作用が優位に生じる。このエッチ
ング工程と堆積工程とが交互に行なわれ、ウエハ6aの被
エッチング材が段階的にエッチングされる。
以上、本第7の実施例によれば、前記第6の実施例と
同様にエッチングガスを切り替えて供給することなく、
エッチング工程と堆積工程とを交互に行なわせることが
できるので、処理時間を短縮することができる。
なお、この場合は、プラズマ発生手段でもある高周波
電圧が常に変化しているので、プラズマの発生状態が一
定しない。このため、エッチング処理の条件設定が難し
いという問題がある。
次に、本発明の第8の実施例を第16図および第17図に
より説明する。
第16図において第13図と同符号は同一部材を示す。本
図が第13図と異なる点は、プラズマ発生手段である、こ
の場合、周波数13.56MHzの高周波数電源13aの出力電圧
を制御可能にして、イオンを臨界電位をはさんで変化さ
せる手段を兼用させている点である。高周波電源13aは
コンデンサ36およびマッチングボックス12を順次介して
下部電極33に接続してある。高周波電源13aには出力電
圧制御手段24が接続してある。
出力電圧制御手段24は高周波電源13aから出力する高
周波電圧の波形を第17図に示すように、時間t7の間は直
流成分のバイアス電圧がV9となるように高周波電圧の全
振幅をV7に制御し、次の時間t8の間は直流成分のバイア
ス電圧がV10となるように高周波電圧の全振幅をV8に制
御する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記第5の実施例と同様に放電
空間35にエッチングガスを供給し、真空処理容器30内を
所定の圧力に減圧排気する。この状態において、高周波
電源13aによって下部電極33に高周波電圧を印加する。
これによって、放電空間35部でエッチングガスがプラズ
マ化される。
このとき、第17図に示すように出力電圧制御手段24に
よって時間t7の間は高周波電源13aから出力する高周波
電圧の全振幅をV7に制御する。これにより、試料電極33
には臨界電位よりも大きい直流成分のバイアス電圧が生
じ、ウエハ6の被エッチング材がエッチングされる。次
の時間t8の間は高周波電源13aから出力する高周波電圧
の全振幅をV8に制御する。これにより試料電極33には臨
界電位よりも小さい直流成分のバイアス電圧が生じ、ウ
エハ6の表面(エッチング側面も含む)に保護膜が堆積
される。このエッチング工程と堆積工程とを交互に行な
うことにより、ウエハ6の被エッチング材が段階的にエ
ッチングされる。
以上、本第8の実施例によれば、前記第5の実施例と
同様にエッチングガスを切り替えて供給することなく、
エッチング工程と堆積工程とを交互に行なわせることが
できるので、処理時間を短縮することができる。
また、出力電圧制御手段24によって高周波電源13aの
出力電圧を制御して、試料電極33に生じる直流バイアス
電圧を臨界電圧をはさんで交互に変化させることによ
り、エッチング工程と堆積工程とを交互に行なえるの
で、前記第5の実施例と同様にパターン寸法幅に比べて
深さあるいは高さの高い被エッチング膜を寸法精度良く
加工することができる。
また、高周波電圧を制御しても高周波電圧の一部は正
の電圧域を有しているので、前記第5の実施例と同様に
ウエハ6に電荷が蓄積されず、エッチング速度の低下や
素子のゲート部の劣化または破壊のないエッチングを行
なうことができる。
なお、この場合は、前記第6の実施例と同様にエッチ
ング工程時と堆積工程時とでプラズマの発生状態が変わ
るので、発光分光法を用いてエッチング終点判定を行な
うときには、エッチングが生じているときの発光強度だ
けを入力して判定する必要がある。
次に、本発明の第9の実施例を第18図により説明す
る。
第18図において第11図および第13図と同符号は同一部
材を示す。第18図が第13図と異なる点は、イオンを加速
させる手段として、第11図と同様にウエハ6と放電空間
35との間にグリッド電極を用けている点である。グリッ
ド電極29には直流電源15が接続してあり、直流電源15に
は出力電圧制御装置16を接続し、出力電圧制御装置16に
は出力波形制御装置17が接続してある。
直流電源15、出力電圧制御装置16および出力波形制御
装置17の制御内容は、前記第4の実施例と同様であり、
説明は省略する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、前記第5の実施例と同様に放電
空間35にエッチングガスを供給し、真空処理容器30内を
所定の圧力に減圧排気する。この状態において、高周波
電源13aによって下部電極33に高周波電圧を印加する。
これにより、放電空間35にブロー放電が生じてエッチン
グガスがプラズマ化される。
この状態で、前記第4の実施例と同様に直流電源35に
よってグリッド電極29に負の直流電圧を印加する。これ
により、プラズマ中のイオンがグリッド電極側に加速さ
れ、グリッド電極29を通過したイオンがウエハ6に達し
て、ウエハ6の被エッチング材をエッチングする。
このとき、前記第4の実施例と同様に出力電圧制御装
置16と出力波形制御装置17とによって、グリッド電極29
に印加する加速電圧を臨界電位をはさんで変化させる。
これにより、加速電圧が臨界電位より大きいときは、ウ
エハ6に対してエッチング作用が優位に生じる。加速電
圧が臨界電位より小さいときは、ウエハ6の表面(エッ
チング側面も含む。)に保護膜を形成する堆積作用が優
位に生じる。このエッチング工程と堆積工程とを交互に
行なうことにより、ウエハ6の被エッチング材が段階的
にエッチングされる。
以上、本第9の実施例によれば、グリッド電極29に印
加した加速電圧を臨界電位をはさんで変化させること
で、ガスを切り替えて供給することなく、エッチング工
程と堆積工程とを交互に行なわせることができるので、
前記第5の実施例と同様に処理時間を短縮することがで
きる。
また、前記第5の実施例と同様にウエハ6のエッチン
グ側面を保護膜で保護しながら段階的にエッチングでき
るので、パターン寸法幅に比べて深さあるいは高さの高
い被エッチング材を寸法精度良く加工することができ
る。
また、前記第5の実施例と同様にプラズマの発生状態
が変化せず、発光強度が安定した状態でエッチングでき
るので、エッチングの終点判定が容易に行なえる。
次に、本発明の第10の実施例を第19図により説明す
る。
第19図において第13図と同符号は同一部材を示す。本
図が第13図と異なる点は、プラズマ発生手段として、真
空処理容器30外に放電管37を設け、放電管37の外周にコ
イル38を巻き付けて、コイル38に高周波電源39を接続し
た構成としている点である。
下部電極33には、第13図と同様に高周波電源13aと直
流電源15とによる直流バイアス付与手段、すなわち、イ
オンの加速手段が設けてある。これらプラズマ発生手段
と直流バイアス付与手段とは、それぞれに独立してその
出力を制御することができる。高周波電源39は、例え
ば、周波数80KHz〜13.56MHzの高周波電極を出力するも
のである。直流バイアス付与手段の制御内容は前記第5
の実施例と同様であり、説明は省略する。
上記のように構成したプラズマ処理装置、この場合、
エッチング装置により、図示しないガス源からガス導入
部31aを介して放電管37にエッチングガスを供給し、図
示しない排気装置により真空処理容器30内および放電管
37内を所定圧力に源圧排気する。この状態で、高周波電
源39によってコイル38に高周波電圧を印加する。これに
より、放電管37内のエッチングガスがプラズマ化され、
プラズマは真空処理容器30の空間35a部に導入される。
このとき、マッチングボックス12を介して高周波電源
13aによって下部電極33に高周波電圧を印加する。これ
により、下部電極33に印加された高周波電圧は、前記第
5の実施例のように直流的に浮遊し、直流バイアス電圧
を有する。この高周波電圧とともに、直流電源15によっ
て下部電極33に直流電圧を重ね、直流バイアス電圧を制
御する。
直流バイアス電圧を出力電圧制御装置16と出力波形制
御装置17とによって、前記第5の実施例のように制御す
る。これにより、エッチング工程と堆積工程とが交互に
行なわれ、ウエハ6の被エッチング材が段階的にエッチ
ングされる。
以上、本第10の実施例によれば、前記第5の実施例と
同様の効果を得ることができる。
また、本第10の実施例によれば、高周波電源13aの高
周波電圧を高めることなく、放電管37内で高密度のプラ
ズマを発生できるので、前記第5の実施例に比べ、低ダ
メージで拘束のエッチングを行なうことができる。
以上、これら第1から第10の実施例に基づいて本発明
を説明したが、本発明の構成はこれら実施例に限定され
るものではなく、プラズマ発生手段と加速電圧付与手
段、および加速電圧付与手段同士は種々組み合わせ可能
であることはいうまでもない。
また、本実施例ではポリシリコンのエッチングガスと
して、臨界電位を有しないSF6と、臨界電位を有するC2C
l3F3との混合ガスを使用した例を示したが、臨界電位を
有する性質のガスであれば、他の組み合わせでも良いこ
とはいうまでもない。例えば、臨界電位を有しないSF6
と、臨界電位を有するC2Cl4F2(商品名:フロン114)、
CCl4、またはC4F8等との組み合わせや、SF6の代わりにN
F3を使用した組み合わせでも同様に行なえる。
また、エッチングガスの混合成分を二つに限るもので
はなく、少くとも一成分が臨界電位を有するものであれ
ば、三成分以上から成るものであっても良い。また全成
分が臨界電位を有するガスの組み合わせ、もしくは単独
ガスであっても良い。
また、本実施例ではポリシリコンのエッチングの例を
示したが、Al配線膜のエッチングにも適用可能である。
この場合、エッチングガスとしては、臨界電位を有しな
い純粋なエッチャントとしての塩素ガス(Cl2)と、エ
ッチャントとしてのCl成分および膜形成種の一部として
作用するC成分から成り臨界電位を有するCCl4との混合
ガス、さらに被エッチング材の表面の酸化膜を高速エッ
チングするためのBCl3を加えた混合ガスを用いれば良
い。この場合、AlCl3なる揮発性の反応生成物が生成さ
れて被エッチング材のエッチングが行われ、Cの重合物
またはCxClyの反応生成物が堆積物として生成され、保
護膜を形成する。また、臨界電位を有するCCl4の代わり
にCF4,C2F6,C4F8またはSiCl4等を用いても良い。
なお、第2図において、具体的数値を示さなかった
が、エッチング速度または堆積速度、および臨界電位
は、エッチングガスの種類、ガス圧およびプラズマ発生
手段の出力等によって相対的に定まるものである。
また、本実施例ではエッチング処理中の加速電圧の印
加パターンは同じであったが、最終的なエッチングの終
了時には臨界電位よりも大きい範囲内で加速電圧を小さ
くする制御を行なわせることにより、エッチングダメー
ジをさらに減少できる。
また、本実施例では加速電圧を臨界電位をはさんで変
化させる時期を、あらかじめ設定した時間で自動的に切
り替えるようにしているが、各段階でのエッチング状態
および堆積状態を検出し、該それぞれの検出値が所定の
設定値になった時点で自動的に切り替えるようにしても
良い。また、切り替え回数が少ない処理の場合には手動
で切り替えるようにしても良い。なお、これら加速電圧
を設定する場合には、加速電圧を検出し、該検出した値
を表示させて、調整する値をみながら所定の値に設定す
れば良い。
さらに、本実施例ではエッチングを行なう場合につい
て述べたが、エッチング工程と堆積工程すなわち、成膜
工程との時間の割合を逆転させ、全体として成膜を行な
わせる場合にも適用可能である。この場合は、成膜とエ
ッチングとを交互に行なうことにより、平滑な膜を成膜
することができる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、臨界電位を有する混合ガスをプラズ
マ化し、イオンの加速電圧を臨界電圧をはさんで変化さ
せることで、ガスの切り替えを行うことなくエッチング
工程と成膜工程とを交互に生じさせることができるの
で、プラズマ処理時間を短縮することができるととも
に、ポリシリコンおよびアルミニウムに対し高アスペク
トのエッチングを行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例であるプラズマ処理装置を示
す構成図、第2図は処理ガスにおけるバイアス電圧とエ
ッチング速度または堆積速度との関係を示す線図、第3
図は第1図の装置による加速電圧の印加パターン図、第
4図はバイアス電圧を変えない場合のエッチング状態を
示す図、第5図および第6図は本発明によるエッチング
状態を示す図、第7図は本発明の第2の実施例であるプ
ラズマ処理装置を示す構成図、第8図は第7図の装置に
よる加速電圧の印加パターン図、第9図は本発明の第3
の実施例であるプラズマ処理装置を示す構成図、第10図
は第9図の装置による加速電圧の印加パターン図、第11
図は本発明の第4の実施例であるプラズマ処理装置を示
す構成図、第12図は第11図の装置による加速電圧の印加
パターン図、第13図は本発明の第5の実施例であるプラ
ズマ処理装置を示す構成図、第14図は本発明の第6の実
施例であるプラズマ処理装置を示す構成図、第15図は本
発明の第7の実施例であるプラズマ処理装置を示す構成
図、第16図は本発明の第8の実施例であるプラズマ処理
装置を示す構成図、第17図は第16図の装置による加速電
圧の印加パターン図、第18図は本発明の第9の実施例で
あるプラズマ処理装置を示す構成図、第19図は本発明の
第10の実施例であるプラズマ処理装置を示す図である。 1……放電管、5……電極、6,6a……ウエハ、8……マ
グネトロン、10……電磁コイル、12……マッチングボッ
クス、13,13a……高周波電源、15……直流電源、16……
出力電圧制御装置、17……出力波形制御装置、22……マ
ッチングボックス、23,23a……高周波電源、24……出力
電圧制御手段、25……合成器、26……交流波形発生器、
27……出力波形制御手段、29……グリッド電極、30……
真空処理容器、33,34……電極、36……コンデンサ、37
……放電管、38……コイル、39……高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広部 嘉道 神奈川県秦野市堀山下1番地 株式会社日 立製作所神奈川工場内 (72)発明者 掛樋 豊 茨城県土浦市神立町52番地 株式会社日立 製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 昭63−54728(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシリコンを被エッチング材とし、前記
    被エッチング材をエッチング処理する処理ガスとしてC4
    F8とSF6またはC4F8とNF3との混合ガスを用い、前記混合
    ガスを減圧下でプラズマ化し、前記被エッチング材に向
    けて前記プラズマ中のイオンを加速させる加速電圧を、
    臨界電位を境にして前記被エッチング材に対しエッチン
    グ作用が生じる電圧と堆積作用が生じる電圧とに前記臨
    界電位をはさんで変化させ、前記被エッチング材に対し
    てエッチング作用と堆積作用とを交互に生じさせながら
    高アスペクト比のエッチングを行うことを特徴とするプ
    ラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】アルミニウムを被エッチング材とし、前記
    被エッチング材をエッチング処理する処理ガスとしてC4
    F8とCl2との混合ガスを用い、前記混合ガスを減圧下で
    プラズマ化し、前記被エッチング材に向けて前記プラズ
    マ中のイオンを加速させる加速電圧を、臨界電位を境に
    して前記被エッチング材に対しエッチング作用が生じる
    電圧と堆積作用が生じる電圧とに前記臨界電位をはさん
    で変化させ、前記被エッチング材に対してエッチング作
    用と堆積作用とを交互に生じさせながら高アスペクト比
    のエッチングを行うことを特徴とするプラズマ処理方
    法。
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