JPH088205A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法

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JPH088205A
JPH088205A JP13698294A JP13698294A JPH088205A JP H088205 A JPH088205 A JP H088205A JP 13698294 A JP13698294 A JP 13698294A JP 13698294 A JP13698294 A JP 13698294A JP H088205 A JPH088205 A JP H088205A
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JP
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metal
semiconductor
film
dopant
manufacturing
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JP13698294A
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English (en)
Inventor
Tetsuhisa Yoshida
哲久 吉田
Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
Takashi Hirao
孝 平尾
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属/半導体界面の抵抗が小さく、特性の良
好な半導体素子を、生産性よく作製することができる半
導体素子の製造方法を提供する。 【構成】 石英やガラス等の基板1上に、予めP或いは
B等のドーパントとなる不純物を10モル%以下の濃度
で混ぜたTi,Mo,W等の金属薄膜2を真空蒸着法や
スパッタ法等により形成する。次いで金属薄膜2上に、
減圧CVD法等によって半導体膜として多結晶シリコン
薄膜3を形成する。HeやAr等の不活性ガスや窒素雰
囲気中で800℃で熱処理を行い、ドーパント元素を多
結晶シリコン薄膜3中に拡散させてp型又はn型のドー
ピング層4を形成すると共に、金属の珪素化物層5も形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体工業における半
導体素子の製造方法に関するものであり、特に太陽電池
等の半導体素子などへの適用に有用な半導体素子の製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の半導体素子の製造においては、ド
ーパントとなる元素を半導体からなる基体あるいは薄膜
中に、気相から熱的に拡散させた後に電極などを形成す
るための金属膜を堆積する方法や、ドーパントとなる元
素をイオン注入によって半導体に打ち込んだ後に熱処理
し金属膜を堆積する方法があった。
【0003】この従来法のうちの一例を図4を用いて説
明する。図4は従来技術に係る半導体素子の製造方法の
工程概略図である。図4において、18は多結晶シリコ
ン基板などからなる半導体基板,19は例えば燐(P)
などからなるドーパント元素の高濃度層,20はドーピ
ング層,21は電極などのための金属薄膜を示してい
る。通常かかる金属薄膜は所望の電極形状や回路に応じ
てパターン状に加工されるのが一般的である。
【0004】図4に示した従来法は、半導体基板18
[図4の(a)参照]に、ドーパントとなる元素を気相
から熱的に拡散させることによってドーピング層20が
形成されると同時にそのドーピング層20の上側にはド
ーパント元素の高濃度層19が形成される[図4の
(b)参照]。次いで弗硝酸その他の適宜のエッチング
液でドーパント元素の高濃度層19を除去した後[図4
の(c)参照]、その上に金属薄膜21を堆積する[図
4の(d)参照]方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で、図4に
示した様なドーパントとなる元素を気相から熱的に拡散
させた後に金属膜を堆積する方法は、表面付近にドーパ
ント元素の高濃度層19が形成されるため、表面付近の
高濃度層19を除去しなければならないという課題があ
った。
【0006】また、半導体に対してドーパントとなる元
素を直接イオン注入する方法では、注入による損傷が半
導体に残留するため、注入後の熱処理を行う必要があ
る。この熱処理は通常イオン注入装置から大気に試料を
出して、別の装置内で熱処理を行うため、注入損傷層の
酸化により酸化された層が生じ、この酸化された層を除
去する必要があるためドーピング層の実効的な厚さが減
少するという課題があった。さらにこれら従来技術に共
通して、例えば半導体被膜としてシリコンを用いた場合
には、ドーピング層形成後に金属膜を堆積するため、ド
ーピング層形成雰囲気によってはドーピング層形成の際
にドーピング層が酸化される恐れがあり、また、いずれ
にせよ、ドーピング層形成後に大気中に試料を出して、
別の装置内で金属膜を堆積するので大気中に試料を出し
た際に酸化層が生じ、この酸化された層を除去する必要
があるため同様にドーピング層の実効的な厚さが減少す
るという課題があった。
【0007】本発明は、前記従来法の欠点を解消し、高
濃度の不純物層や酸化層が生じる恐れがなく、半導体膜
と金属膜または金属基板とのコンタクト特性が改善さ
れ、金属/半導体界面の抵抗が小さく、特性の良好な半
導体素子を、生産性よく作製することができる半導体素
子の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】更に後述する本発明の好ましい態様に於い
てはそれぞれ更に次の目的を有する。すなわち本発明の
別の目的は、大気に曝されることなく、ドーピング層の
形成と同時に、金属/ドーピング層界面に低抵抗の金属
の珪素化物を形成させることが可能な半導体素子の製造
方法を提供することにある。
【0009】また、本発明の更に別の目的は、酸化など
の恐れがなくドーパントの半導体被膜への拡散をより完
全なものとし、またドーピング層の活性化がより確実に
達成し得る半導体素子の製造方法を提供することにあ
る。
【0010】また、本発明の更に別の目的は、加熱によ
る膜性能の変化する恐れが少なく比較的コストの安い半
導体素子の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の半導体素子の製造方法に於いては次の様ない
ずれかの手段が用いられる。
【0012】(1)半導体被膜を、前記半導体のドーパ
ントとなる元素を含む金属膜あるいは金属基板上に、前
記金属の融点以下の温度で堆積することを特徴とする半
導体素子の製造方法。
【0013】(2)半導体被膜を、前記半導体のドーパ
ントとなる元素イオンを注入した金属膜あるいは金属基
板上に、前記金属の融点以下の温度で堆積することを特
徴とする半導体素子の製造方法。
【0014】(3)半導体被膜を、金属膜あるいは金属
基板上に堆積した前記半導体のドーパントとなる元素を
含んだ金属膜上に、前記金属膜あるいは金属基板を構成
する金属の融点以下の温度で堆積することを特徴とする
半導体素子の製造方法。
【0015】(4)前記(1)項〜(3)項のいずれか
に記載された本発明の半導体素子の製造方法において
は、半導体被膜がその主たる構成元素がシリコンからな
る半導体被膜であり、半導体被膜に接する金属膜あるい
金属基板を構成する金属が珪素化物を形成し得る金属で
あり、前記金属の珪素化物を形成する温度以上で前記半
導体被膜を堆積することが好ましい。
【0016】(5)前記(1)項〜(3)項のいずれか
に記載された本発明の半導体素子の製造方法において
は、半導体被膜形成後に加熱処理することが好ましい。
(6)前記(4)項に記載された本発明の半導体素子の
製造方法においては、主たる構成元素がシリコンからな
る半導体被膜が、多結晶シリコンからなる半導体被膜で
あることが好ましい。
【0017】(7)前記(1)項〜(3)項のいずれか
に記載された本発明の半導体素子の製造方法において
は、半導体被膜が、多結晶シリコンからなる半導体被膜
であることが好ましい。
【0018】
【作用】半導体被膜を、ドーパントとなる元素を含む金
属膜や金属基板上、あるいはドーパントとなる元素イオ
ンを注入した金属膜や金属基板上、あるいは金属膜や金
属基板上に堆積したドーパントとなる元素を含んだ金属
膜上に、前記金属の融点以下の温度で堆積するという手
段を用いることにより、金属とドーピング層界面付近に
高濃度の不純物元素が含まれないため、従来技術を用い
た場合の様な高濃度の不純物層の除去工程が不要とな
る。また、金属膜や金属基板と半導体被膜とを堆積した
状態で、ドーパント元素の拡散・活性化が行われること
になるので、金属/ドーピング層界面が大気に曝され
ず、酸化された層が生じることがなく、良好なコンタク
ト特性を維持することができる。また、金属の融点以下
の温度で堆積されるので前記金属膜や金属基板が所望の
電極形状や回路になどに応じたパターン加工がされてい
てもかかるパターンを崩す恐れがない。
【0019】また、上記のほかに前記(1)項に記載し
た半導体素子の製造方法の場合には半導体のドーパント
となる元素を含む金属膜あるいは金属基板上に前記金属
の融点以下の温度で半導体被膜を堆積する方法であるの
で、構成が簡単で製造が極めて容易な半導体素子の製造
方法を提供できる。
【0020】また、上記のほかに前記(2)項に記載し
た半導体素子の製造方法の場合には、金属膜あるいは金
属基板に半導体のドーパントとなる元素イオンをイオン
注入するので、金属膜あるいは金属基板に含ませるドー
パントとなる元素の量を高精度でコントロールすること
ができ、不必要な過剰の不純物(ドーパント)を少なく
することができ、金属膜あるいは金属基板と半導体被膜
との間の電気的抵抗の増大を少なくする事が可能となり
良好なコンタクト特性を有する半導体素子の製造方法を
提供できる。
【0021】また、上記のほかに前記(3)項に記載し
た半導体素子の製造方法の場合には、金属膜あるいは金
属基板が実質上ドーパントを含まない金属膜あるいは金
属基板とドーパントを含む金属膜との復数層に分離され
ているので、不純物であるドーパントを含む金属膜は電
極などとして必要な厚さに以上にすることを考慮する必
要がなく、ドーパント供給に必要な最低限の厚さにする
など、不純物の入った金属膜の厚さを薄くすることがで
きるので、抵抗が大きくならず半導体膜と電極金属との
コンタクト特性をより良好にすることができる。
【0022】また、半導体被膜がその主たる構成元素が
シリコンからなる半導体被膜であり、半導体被膜に接す
る金属膜あるい金属基板を構成する金属が珪素化物を形
成し得る金属であり、前記金属の珪素化物を形成する温
度以上で前記半導体被膜を堆積する本発明の好ましい態
様とすることにより、半導体被膜の堆積条件や熱処理条
件を設定することによって、大気に曝されることなく、
ドーピング層の形成と同時に、金属/ドーピング層界面
に低抵抗の金属の珪素化物を形成させることができ好ま
しい。
【0023】また、半導体被膜形成後に加熱処理する本
発明の好ましい態様とすることにより、金属/ドーピン
グ層界面が大気に曝されずに加熱処理されるので、酸化
された層が生じることがなく、良好なコンタクト特性を
維持したまま、ドーパントの半導体被膜への拡散をより
完全なものとし、またドーピング層の活性化がより確実
に達成でき好ましい。
【0024】また、半導体被膜が、多結晶シリコンから
なる半導体被膜である本発明の好ましい態様とすること
により、多結晶シリコンからなる半導体被膜はシリコン
以外の半導体に比べて耐熱性に優れているので、熱によ
り組成が変化する恐れが少なく、単結晶シリコンからな
る半導体被膜に比べて製造が容易でコストを安くするこ
とができ、アモルファスシリコン半導体被膜に比べて加
熱による膜性能の変化する恐れも少なく好ましい。
【0025】
【実施例】以下図面を用い本発明の第1実施例について
さらに詳しく説明する。図1は本発明に係る半導体素子
の製造方法に係る一実施例の工程概略図を示すものであ
る。石英やガラス等の基板1上に、予めP或いはB等の
ドーパントとなる不純物を10モル%以下(通常10〜
1モル%程度)の濃度で混ぜたTi、MoあるいはW等
の金属薄膜2を真空蒸着法やスパッタ法等により形成す
る[図1(a)]。一例として、スパッタリング法によ
り金属としてTiを用い、ドーパント元素としてBを5
モル%含有させたターゲットを用いて金属薄膜2(膜厚
100nm)の形成を行った。なお基板として、予めP
或いはB等の不純物を10%モル以下の濃度(通常10
〜1モル%程度)で混ぜた金属基板を用いてもよい。こ
こでドーパント元素を含んだ金属薄膜2の形成にスパッ
タリング法を用いる場合、前述したようにあらかじめド
ーパント元素を含有させた金属からなる単一のターゲッ
トを用いることが好ましいが、金属のターゲットとドー
パント元素の供給源である不純物のターゲットを別々に
して、2つのターゲットを用いて薄膜形成を行ってもよ
い。また単一ターゲットを用いる場合には、ターゲット
は金属のみで構成し、スパッタを行う雰囲気中にドーパ
ント元素を含んだガスを混ぜてもよい。
【0026】形成した金属薄膜2上に、減圧CVD法等
によって半導体膜として多結晶シリコン薄膜3を形成す
る[図1(b)]。本実施例のように減圧CVD法を用
いる場合には、堆積時の温度は600〜1000℃程度
の温度が用いられるがここでは610℃とし膜厚は5μ
m堆積させた。また、プラズマCVD法やスパッタ法等
により、400℃〜600℃程度で非晶質、あるいは微
結晶シリコン薄膜を形成し、後の加熱処理で結晶化させ
てもよい。半導体被膜(多結晶シリコン薄膜)の堆積時
の温度によって、ドーパント元素が多結晶シリコン薄膜
3中に拡散してドーピング層を形成してドーパント元素
が活性化されている場合には特に必要ないが、ドーピン
グ層の形成をより十分なものとする必要がある場合やド
ーパント元素の活性化をより十分なものとする必要があ
る場合にはには、この後に密閉容器内で試料(基板1)
の温度を調節して、HeやAr等の不活性ガスや窒素雰
囲気中で熱処理を行い、ドーパント元素を多結晶シリコ
ン薄膜3中に拡散させてドーピング層4(この例ではp
型のドーピング層となる)を形成する[図1(c)]。
本実施例では、Ar雰囲気中で試料温度を800℃と
し、拡散を行った。このときの熱処理温度は限定される
ものではなく、ドーパント元素が活性化する温度以上で
あり、かつ堆積した金属膜の融点もしくは多結晶シリコ
ン基板の融点よりも低い温度であることから、600℃
〜1200℃の温度範囲が好ましい。また本実施例のよ
うに、半導体材料がシリコンであり、金属が珪素化物を
形成する材料である場合には、金属の珪素化物を形成す
る温度以上であることが好ましい。従って本実施例で
は、TiSi2 が形成される温度が600℃以上である
ことから、ドーピング層の形成時に金属(Ti)とドー
ピング層(Si)の界面に約15μΩ・ cmと低抵抗の
珪素化物(TiSi2 )層5が形成される。なお、金属
としてMoを用いた場合には525℃以上、Wを用いた
場合には650℃以上などとして珪素化物層を形成する
ことが好ましい。
【0027】以上の様な方法により、図1(c)に示す
ような、金属薄膜2の形成とドーピング層4の形成、さ
らに金属の珪素化物層5の形成を同時、或は連続して行
うことができ、しかもドーピング層4や金属の珪素化物
層5は金属薄膜2と多結晶シリコン薄膜3の間に挟まれ
た境界面で形成されるため、直接大気などにさらされる
ことがなく、酸化される恐れがない。従って、生産性よ
く、特性の優れた半導体素子を提供できる。
【0028】次に本発明の第2実施例についてさらに詳
しく説明する。図2は本発明に係る半導体素子の製造方
法に係る別の一実施例の工程概略図を示すものである。
石英やガラス等の基板6上に、Ti,Mo,W等の金属
薄膜7を真空蒸着法やスパッタ法等により形成する[図
2(a)]。なお基板として金属基板を用いる場合には
金属薄膜7を形成しなくてもよい。この後にBあるいは
P等のドーパント元素イオン8を注入する[図2
(b)]。一例として、スパッタリング法により室温で
Ti(膜厚:200nm)の金属薄膜7の形成を行った
後に、エネルギー:30keVのP+ イオンを1015cm
-2、注入した。
【0029】以上の処理を経た金属薄膜7上に、減圧C
VD法等によって半導体被膜として膜厚10μmの多結
晶シリコン薄膜9を形成した。密閉容器内で試料(基板
6)の温度を調節し、HeやAr等の不活性ガスや窒素
雰囲気中で熱処理を行い、ドーパント元素を多結晶シリ
コン薄膜9中に拡散させてドーピング層10を形成する
[図2(c)]。本実施例では、Ar雰囲気中で試料温
度を800℃として拡散を行った。このときの熱処理温
度は前記の温度に限定されるものではなく、ドーパント
元素が活性化する温度以上であり、かつ堆積した金属薄
膜の融点もしくは多結晶シリコン基板の融点よりも低い
温度であることから、600℃〜1200℃の温度範囲
が好ましい。また本実施例のように、半導体材料がシリ
コンであり、金属が珪素化物を形成する材料である場合
には、金属の珪素化物を形成する温度以上であることが
好ましい。従って本実施例では、TiSi2 が形成され
る温度が600℃以上であることから、ドーピング層の
形成時に金属(Ti)とドーピング層(Si)の界面に
低抵抗の珪素化物(TiSi2 )層11が形成される。
以上の様な方法により、図2(c)に示すような、金属
薄膜7の形成とドーピング層10の形成、さらに金属の
珪素化物層11の形成を同時、或は連続して行うことが
できる。しかもドーピング層10や金属の珪素化物層1
1は金属薄膜7と多結晶シリコン薄膜9の間に挟まれた
境界面で形成されるため、直接大気などにさらされるこ
とがなく、酸化される恐れがない。従って、生産性よ
く、特性の優れた半導体素子を提供できる。また、ドー
パント元素イオン8をイオン注入で注入しているので、
金属膜あるいは金属基板に含ませるドーパントとなる元
素の量を高精度でコントロールすることができ、不必要
な過剰の不純物(ドーパント)を少なくすることができ
る。従って金属膜あるいは金属基板と半導体被膜との間
の電気的抵抗の増大を少なくする事が可能となり良好な
コンタクト特性を有する半導体素子が製造できる。
【0030】次に、本発明の第3実施例についてさらに
詳しく説明する。図3は本発明に係る半導体素子の製造
方法に係る更に別の一実施例の工程概略図を示すもので
ある。
【0031】石英やガラス等の基板12[図3(a)]
上に、真空蒸着法やスパッタリング法等によって金属薄
膜13(ここでは膜厚100nmのTiとした。)及び
リンなどのドーパント元素を含んだ金属薄膜14(ここ
ではリン含有量5モル%の膜厚10nmのTiとし
た。)を形成する[図3(b)]。なお基板として金属
基板を用いた場合には、金属薄膜13を形成しなくても
よい。この後にドーパント元素を含んだ金属膜14上
に、減圧CVD法等によって半導体被膜となる多結晶シ
リコン薄膜15を形成する[図3(c)]。本実施例の
ように減圧CVD法を用いる場合には、堆積時の温度は
600〜1000℃の範囲の温度が適用されるが、ここ
では700℃とし堆積膜厚を10μmとした。なお多結
晶シリコン薄膜の堆積時の温度によっては、密閉容器内
で試料(基板12)の温度を調節し、HeやAr等の不
活性ガスや窒素雰囲気中で熱処理を行い、リンなどのド
ーパント元素を含んだ金属膜14からドーパント元素を
多結晶シリコン薄膜15中に拡散させてn型のドーピン
グ層16を形成する[図3(c)]。本実施例では、A
r雰囲気中で試料温度を800℃とし、拡散を行った。
このときの熱処理温度は前述の温度のみに限定されるも
のではなく、ドーパント元素が活性化する温度以上であ
り、また堆積した金属膜の融点もしくは多結晶シリコン
薄膜の融点よりも低い温度であることから、600℃〜
1200℃の温度範囲が好ましい。なお、多結晶シリコ
ン薄膜の形成温度や方法により、この熱処理を省略でき
る。また本実施例のように、半導体材料がシリコンであ
り、金属が珪素化物を形成する材料である場合には、金
属の珪素化物を形成する温度以上であることが好まし
い。従って本実施例では、TiSi2 が形成される温度
が600℃以上であることから、多結晶シリコン薄膜の
形成時及びドーピング層の形成時に金属(Ti)とドー
ピング層(Si)の界面に低抵抗の珪素化物(TiSi
2 )層17が形成される。以上の様な方法により、図3
(c)に示すような、金属薄膜11の形成とドーピング
層16の形成、さらに低抵抗の珪素化物層17の形成を
同時、或は連続して行うことができる。しかもドーピン
グ層16や金属の珪素化物層17は金属薄膜13と多結
晶シリコン薄膜15の間に挟まれた境界面で形成される
ため、直接大気などにさらされることがなく、酸化され
る恐れがない。従って生産性よく、特性の優れた半導体
素子を提供できる。しかも金属膜あるいは金属基板が実
質上ドーパントを含まない金属薄膜13あるいは金属基
板と、ドーパントを含む金属膜14との復数層に分離さ
れているので、不純物であるドーパントを含む金属薄膜
14は電極などとして必要な厚さに以上にすることを考
慮する必要がなく、ドーパント供給に必要な最低限の厚
さにするなど、不純物の入った金属薄膜14の厚さを薄
くすることができるので、抵抗が大きくならず半導体膜
と電極金属とのコンタクト特性をより良好にすることが
できる。
【0032】なお、本発明に於いて堆積手段としては原
料を気体もしくは液体状で供給し、加熱などの適宜の手
段で所定の物体上に目的物質の固体被膜を形成し得る方
法であれば、本発明の目的が達成し得る限り、前述した
実施例で例示した方法のみに限定されるものではない。
【0033】また、金属膜ないしは金属基板の金属とし
てはTi、Mo、W、Cr、Pt、Al、Auなどが挙
げられるが、特に半導体材料としてシリコンを用いた場
合に低抵抗の珪素化物が形成できると言う観点からはT
i、Mo、Wなどが好ましい。また、前述した金属膜あ
るいは金属基板が実質上ドーパントを含まない金属膜あ
るいは金属基板とドーパントを含む金属膜との復数層に
分離されている態様の場合の実質上ドーパントを含まな
い金属基板としては更に安価なステンレスなどを用いる
ことも可能であり、よりコストを削減することも可能で
ある。
【0034】
【発明の効果】本発明の半導体素子の製造方法において
は、半導体被膜を、ドーパントとなる元素を含む金属膜
や金属基板上、あるいはドーパントとなる元素イオンを
注入した金属膜や金属基板上、あるいは金属膜や金属基
板上に堆積したドーパントとなる元素を含んだ金属膜上
に、前記金属の融点以下の温度で堆積するという手段を
用いることにより、金属とドーピング層界面付近に高濃
度の不純物元素が含まれないため、従来技術を用いた場
合の様な高濃度の不純物層の除去工程が不要となる。ま
た、金属膜や金属基板と半導体被膜とを堆積した状態
で、拡散・活性化を行うため、金属/ドーピング層界面
が大気に曝されず、酸化層が生じる恐れがなく、酸化層
の除去工程が不要となり、良好なコンタクト特性を維持
することができる。従って本発明により、生産性よく、
特性の優れた薄膜素子を作製することができる半導体素
子の製造方法を提供することができる。
【0035】また、第1の本発明の半導体素子の製造方
法の発明の場合には、上記の効果に加えて更に、構成が
簡単で製造が極めて容易な半導体素子の製造方法を提供
できる。
【0036】また、第2の本発明の半導体素子の製造方
法の発明の場合には、上記の効果に加えて更に、金属膜
あるいは金属基板に含ませるドーパントとなる元素の量
を高精度でコントロールすることができ、不必要な過剰
の不純物(ドーパント)を少なくすることができ、金属
膜あるいは金属基板と半導体被膜との間の電気的抵抗の
増大を少なくする事が可能となり良好なコンタクト特性
を有する半導体素子の製造方法を提供できる。
【0037】また、第3の本発明の半導体素子の製造方
法の発明の場合には、上記の効果に加えて更に、金属膜
あるいは金属基板が実質上ドーパントを含まない金属膜
あるいは金属基板とドーパントを含む金属膜との復数層
に分離されているので、不純物であるドーパントを含む
金属膜は電極などとして必要な厚さに以上にすることを
考慮する必要がなく、ドーパント供給に必要な最低限の
厚さにするなど、不純物の入った金属膜の厚さを薄くす
ることができるので、抵抗が大きくならず半導体膜と電
極金属とのコンタクト特性をより良好にすることが可能
な半導体素子の製造方法を提供できる。
【0038】また、半導体被膜がその主たる構成元素が
シリコンからなる半導体被膜であり、半導体被膜に接す
る金属膜あるい金属基板を構成する金属が珪素化物を形
成し得る金属であり、前記金属の珪素化物を形成する温
度以上で前記半導体被膜を堆積する本発明の好ましい態
様とすることにより、半導体被膜の堆積条件や熱処理条
件を設定することによって、大気に曝されることなく、
ドーピング層の形成と同時に、金属/ドーピング層界面
に低抵抗の金属の珪素化物を形成させることが可能な半
導体素子の製造方法を提供することができる。
【0039】また、半導体被膜形成後に加熱処理する本
発明の好ましい態様とすることにより、良好な半導体被
膜と金属膜あるいは金属基板とのコンタクト特性を維持
したまま、ドーパントの半導体被膜への拡散をより完全
なものとし、またドーピング層の活性化がより確実に達
成することが可能な半導体素子の製造方法を提供するこ
とができる。
【0040】また、半導体被膜が、多結晶シリコンから
なる半導体被膜である本発明の好ましい態様とすること
により、多結晶シリコンからなる半導体被膜はシリコン
以外の半導体に比べて耐熱性に優れているので、熱によ
り組成が変化する恐れが少なく、単結晶シリコンからな
る半導体被膜に比べて製造が容易でコストを安くするこ
とができ、アモルファスシリコン半導体被膜に比べて加
熱による膜性能の変化する恐れも少ない特性の優れた半
導体素子を作成する事が可能な半導体素子の製造方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半導体素子の製造方法に係る一実
施例の工程概略図。
【図2】本発明に係る半導体素子の製造方法に係る別の
一実施例の工程概略図。
【図3】本発明に係る半導体素子の製造方法に係る更に
別の一実施例の工程概略図。
【図4】従来技術に係る半導体素子の製造方法の工程概
略図。
【符号の説明】
1 基板 2 ドーパント元素を含んだ金属薄膜 3 多結晶シリコン薄膜 4 ドーピング層 5 珪素化物層 6 基板 7 金属薄膜 8 ドーパント元素イオン 9 多結晶シリコン薄膜 10 ドーピング層 11 珪素化物層 12 基板 13 金属薄膜 14 ドーパント元素を含んだ金属薄膜 15 多結晶シリコン薄膜 16 ドーピング層 17 珪素化物層 18 半導体基板 19 ドーパント元素の高濃度層 20 ドーピング層 21 金属薄膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体被膜を、前記半導体のドーパント
    となる元素を含む金属膜あるいは金属基板上に、前記金
    属の融点以下の温度で堆積することを特徴とする半導体
    素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 半導体被膜を、前記半導体のドーパント
    となる元素イオンを注入した金属膜あるいは金属基板上
    に、前記金属の融点以下の温度で堆積することを特徴と
    する半導体素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 半導体被膜を、金属膜あるいは金属基板
    上に堆積した前記半導体のドーパントとなる元素を含ん
    だ金属膜上に、前記金属膜あるいは金属基板を構成する
    金属の融点以下の温度で堆積することを特徴とする半導
    体素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 半導体被膜がその主たる構成元素がシリ
    コンからなる半導体被膜であり、半導体被膜に接する金
    属膜あるい金属基板を構成する金属が珪素化物を形成し
    得る金属であり、前記金属の珪素化物を形成する温度以
    上で前記半導体被膜を堆積する請求項1〜3のいずれか
    に記載の半導体素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 半導体被膜形成後に加熱処理することか
    らなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体素子の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 主たる構成元素がシリコンからなる半導
    体被膜が、多結晶シリコンからなる半導体被膜である請
    求項4に記載の半導体素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 半導体被膜が、多結晶シリコンからなる
    半導体被膜である請求項1〜3のいずれかに記載の半導
    体素子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006111804A1 (ja) * 2005-03-28 2006-10-26 Kanagawa Academy Of Science And Technology 半導体製造方法及び半導体装置
JP2008153619A (ja) * 2006-11-24 2008-07-03 Showa Denko Kk Iii族窒化物化合物半導体発光素子の製造装置、iii族窒化物化合物半導体発光素子の製造方法、及びiii族窒化物化合物半導体発光素子、並びにランプ
JP2014179528A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Mitsubishi Electric Corp 半導体素子の製造方法

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