JP2014179528A - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 VLD構造を有する半導体素子において、VLD層における高濃度の不純物領域の存在により、半導体素子の降伏電圧が低下する。
【解決手段】 第1導電型の半導体基板2の主表面の一部に第2導電型の不純物の導入により形成された主電流の導通を担う活性領域と、この活性領域を囲む終端領域に活性領域に接続して第2導電型の不純物の選択的な導入及び拡散熱処理によりゆるやかな接合形状に形成されたVLD構造を有する半導体素子の製造方法において、半導体基板2の主表面に、終端領域上において複数の開口3aを有し、活性領域側から順次その開口寸法が小さくなっていくドーピングマスク3を形成する工程と、ドーピングマスク3の開口3aを通して第2導電型の不純物を半導体基板2内に導入しVLD層4を形成する工程と、ドーピングマスク3の開口3aを通してVLD層4の表面の一部を除去する工程とを含むことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ダイオード、パワーMOSFET、IGBT等の高耐圧のプレーナ型半導体素子を有する半導体素子の製造方法に係り、それらの半導体素子において、高い降伏電圧を維持するための終端構造の製造方法の改良に関するものである。
一般にダイオード、パワーMOSFET、IGBT等の高耐圧のプレーナ型半導体素子は、主電流を通電する活性領域と、その活性領域を取り囲んで高い降伏電圧を維持するための終端領域とから構成されるが、その終端領域の構造として、VLD(Variation of Lateral Doping)と呼ばれる終端構造が、例えば特許文献1に開示されている。
このVLD構造とは、半導体素子の終端領域において、活性領域との境界から遠ざかるほど主面からの深さが浅くなり、且つ半導体基板とは反対導電型の不純物濃度が低くなっていくVLD層を有する構造である。このような構造を実現するために、特許文献1では、半導体素子の終端領域上に、活性領域側から開口寸法を徐々に減少させたドーピングマスクを形成し、このドーピングマスクを介して所定の不純物イオンを注入及び拡散している。
このようにすることにより、一方の導電型の半導体基板とその半導体基板中に形成された反対導電型のVLD層との境界に形成されたpn接合の曲率半径を大きくすることができると共に、該pn接合の両側に発生する空乏層のVLD層内への伸長を促進するため、高い降伏電圧を有するpn接合を形成することができる。
特公平6−3799号公報 (第1図)
しかしながら、特許文献1の第1図に開示されているような終端構造を有する半導体素子製造方法では、半導体素子の終端領域上に形成されたドーピングマスクの開口を様々な寸法にする必要があるが、このドーピングマスクを介して所定の不純物イオンを注入及び拡散させた場合、ドーピングマスクの開口寸法を大きくした箇所では、その開口部の中央付近に対応する半導体基板の表面近傍に高濃度の不純物領域が形成され、電圧の印加とともに半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合から延びてくる空乏層がこの高濃度の不純物領域に到達し、ここで空乏層の延びが阻止されることにより、このpn接合の降伏電圧が低下するという問題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、その目的は、ドーピングマスクの開口寸法を大きくした箇所に形成される半導体基板の表面近傍の高濃度の不純物領域を除去することで、pn接合の降伏電圧が低下を抑制することである。
上記課題を解決するため、この発明に係る半導体素子の製造方法は、そのひとつの局面においては、第1導電型の半導体基板の中央に形成され主電流の導通を担う活性領域と、この活性領域の周囲を取り囲む終端領域と、前記終端領域において前記活性領域に接続して第2導電型の不純物の選択的な導入及び拡散熱処理によりゆるやかな接合形状に形成されたVLD構造を有する半導体素子の製造方法において、(a)前記半導体基板の主表面に、前記終端領域上において複数の開口を有し、前記活性領域側から順次その開口寸法が小さくなっていくドーピングマスクを形成する工程と、(b)前記ドーピングマスクの開口を通して第2導電型の不純物を前記半導体基板内に導入しVLD層を形成する工程と、(c)前記ドーピングマスクの開口を通して前記VLD層の表面の一部を除去する工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、この発明に係る半導体素子の製造方法は、その他の局面においては、第1導電型の半導体基板の中央に形成され主電流の導通を担う活性領域と、この活性領域の周囲を取り囲む終端領域と、前記終端領域において前記活性領域に接続して第2導電型の不純物の選択的な導入及び拡散熱処理によりゆるやかな接合形状に形成されたVLD構造を有する半導体素子の製造方法において、(a)前記半導体基板の主表面に、前記終端領域上において複数の開口を有し、前記活性領域側から順次その開口寸法が小さくなっていくドーピングマスクを形成する工程と、(b)前記ドーピングマスクの開口を通して第2導電型の不純物を前記半導体基板内に導入しVLD層を形成する工程と、(c)前記ドーピングマスクの開口を通して前記VLD層に前記VLD層の導電型を反転させない程度の量の第1導電型の不純物を導入する工程とを含むことを特徴とする。
上記のような構成としたため、本発明に係る半導体素子の製造方法によれば、高濃度の不純物領域が実質的に除去されたVLD層を備えた半導体素子を製造できるので、高濃度の不純物領域の存在による半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態2に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。 図3における局所酸化膜6の形状を拡大して示した断面図である。 本発明の実施の形態4に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。なお、この半導体素子1は中央の活性領域1aと、その活性領域1aの周囲を取り囲む終端領域1bのから構成されるが、説明の便宜上、本断面図においては半導体素子の活性領域1aの一部及び終端領域1bについてのみ図示している。本実施の形態の説明において、半導体素子1はダイオードであるが、パワーMOSFET、IGBT等の他の高耐圧のプレーナ型半導体素子の場合でも同様である。以下図1に基づき本実施の形態に係る半導体素子の製造方法について説明する。
まず、図1(a)に示されるように、半導体基板としてのn型のシリコン基板2の主表面上にドーピングマスクとしての無機質膜3を形成する。本実施の形態の場合、無機質膜3はシリコン酸化膜であるが、他の無機質膜であっても良い。本実施の形態の場合、活性領域1aにおけるシリコン基板2上では、無機質膜3は全て開口されているが、半導体素子1が他の高耐圧のプレーナ型半導体素子の場合には、所定の設計ルールに基づき適切な開口が設定されているか、あるいは全く開口が設定されていない場合もある。終端領域1bにおけるシリコン基板1上では、無機質膜2は複数の離散的な開口3aを有し、活性領域1a側から順次その開口寸法が小さくなっている。
このような無機質膜3は、公知の方法により形成することができる。例えば、シリコン基板2に熱酸化により一様なシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜を形成し、公知の写真製版技術により所定のパターンをこのフォトレジスト膜に転写し、しかる後に転写されたフォトレジスト膜をマスクとしてシリコン酸化膜をドライエッチング等でエッチングし所定の開口3aを形成し、その後フォトレジスト膜を除去すればよい。
次に、図1(b)に示されるように、ドーピングマスクとしての無機質膜3の開口3aを通してp型の不純物をシリコン基板2内に導入し、p型の導電型を有するVLD層4を形成する。より詳細には、p型の不純物として硼素をシリコン基板2の表面近傍にイオン注入し、引き続き無機質膜3を残したまま該シリコン基板2を熱処理することにより、注入されたp型の不純物をシリコン基板2に拡散させ、終端領域1bにおいて所望の形状のVLD層4を形成する。開口3aの中央付近に対応するVLD層4の表面近傍には、拡散されずに残ったp型の不純物により高濃度の不純物領域4aが形成される。本実施の形態においては、このとき活性領域1aにおいてアノード層5が同時に形成されるが、活性領域1aにおけるシリコン基板2上に全く開口が設定されていない場合には、工程を追加してアノード層5を別途形成しても良い。
次に、図1(c)に示されるように、残しておいた無機質膜3の開口3aを通してシリコン基板2をエッチングし、VLD層4の表面の一部に形成された高濃度の不純物領域4aを除去する。本実施の形態においては、0.2μm程度シリコン基板2をウエットエッチングしている。先の熱処理工程においてVLD層4の表面に薄い酸化膜が形成されて開口3aがふさがった場合は、必要に応じて薄い酸化膜を除去する工程を付加してもよい。また、本工程においてアノード層5の表面のエッチングを防止したければ、必要に応じてアノード層5の表面をマスクする工程を付加してもよい。
高濃度の不純物領域4aの除去はシリコン基板2の熱酸化処理によって行っても良い。熱酸化処理により形成されるシリコン酸化膜(熱酸化膜)においては、シリコンは母材から供給されるため、シリコン基板2の表面のシリコン原子は一定量シリコン酸化膜に組み込まれシリコン基板2から除去される。この場合は、形成されるシリコン酸化膜の膜厚が0.5μm程度以上であれば、高濃度の不純物領域4aは除去される。
最後に、図1(d)に示されるように、無機質膜3を除去して本実施の形態に係るVLD層4が完成する。無機質膜3をパシベーション膜として利用する場合は、この工程を省略することも可能である。
本実施の形態に係る半導体素子の製造方法によれば、高濃度の不純物領域4aが除去されたVLD層4を備えた半導体素子を製造できるので、高濃度の不純物領域4aの存在による半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果を奏する。
<実施の形態2>
実施の形態1に係る半導体素子の製造方法により形成されたVLD層4には、高濃度の不純物領域4aが除去された後に残る角部4bが存在する。電圧の印加とともに半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合から延びてくる空乏層がこのような角部4bに達すると、この角部4bにおいて電界集中を引き起こし、pn接合の降伏電圧の低下の虞が出てくるため、角部4bのラウンド化が必要となる。実施の形態2に係る半導体素子の製造方法はこの目的のための発明であり、以下図2に基づき本実施の形態に係る半導体素子の製造方法について説明する。
シリコン基板2にVLD層4を形成し、VLD層4の表面の一部に形成された高濃度の不純物領域4a及び無機質膜3を除去するまでの工程(図2(a)〜(d))は、実施の形態1に係る半導体素子の製造方法と同様なので説明を省略する。
図2(e)に示されるように、前工程に引き続き、シリコン基板2の熱酸化処理を行い、シリコン基板2の表面に一様な厚みのシリコン酸化膜を形成した後、このシリコン酸化膜を除去する。熱酸化処理により形成されるシリコン酸化膜(熱酸化膜)においては、シリコンは母材から供給されるため、シリコン基板2の表面のシリコン原子は一定量シリコン酸化膜に組み込まれシリコン基板2から除去される。シリコン基板2の表面に角部4bが存在する場合には、この角部4bは垂直方向と水平方向の両方から熱酸化処理を受けるため、より多くのシリコン原子が除去されることとなり、角部4bはラウンド化される。熱酸化膜をパシベーション膜として利用する場合は、このシリコン酸化膜の除去の工程を省略することも可能である。
本実施の形態に係る半導体素子の製造方法によれば、高濃度の不純物領域4aが除去されたVLD層4を備えた半導体素子を製造できるので、高濃度の不純物領域4aの存在による半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果を奏する。さらには、高濃度の不純物領域4aの除去のより形成された角部4bがラウンド化されるため、角部4bでの電界集中による上記pn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、さらに高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果をも奏する。
<実施の形態3>
図3は本発明の実施の形態3に係る半導体素子の製造方法を模式的に示す断面図である。なお、この半導体素子1は中央の活性領域1aと、その活性領域1aの周囲を取り囲む終端領域1bのから構成されるが、説明の便宜上、本断面図においては半導体素子の活性領域1aの一部及び終端領域1bについてのみ図示している。本実施の形態の説明において、半導体素子1はダイオードであるが、パワーMOSFET、IGBT等の他の高耐圧のプレーナ型半導体素子の場合でも同様である。以下図3に基づき本実施の形態に係る半導体素子の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示されるように、半導体基板としてのn型のシリコン基板2の主表面上にドーピングマスクとしての無機質膜3を形成する。本実施の形態の場合、無機質膜3はシリコン窒化膜である。本実施の形態の場合、活性領域1aにおけるシリコン基板2上では、無機質膜3は全て開口されているが、半導体素子1が他の高耐圧のプレーナ型半導体素子の場合には、所定の設計ルールに基づき適切な開口が設定されている。終端領域1bにおけるシリコン基板2上では、無機質膜2は複数の離散的な開口3aを有し、活性領域1a側から順次その開口寸法が小さくなっている。
このような無機質膜3は、公知の方法により形成することができる。例えば、シリコン基板2上にCVDにより一様なシリコン窒化膜を堆積し、このシリコン窒化膜上にフォトレジスト膜を形成し、公知の写真製版技術により所定のパターンをこのフォトレジスト膜に転写し、しかる後に転写されたフォトレジスト膜をマスクとしてシリコン窒化膜をドライエッチング等でエッチングし所定の開口3aを形成し、その後フォトレジスト膜を除去すればよい。シリコン基板に対する応力緩和を目的として、シリコン窒化膜とシリコン基板との間に、薄い酸化膜を介在させる場合もある。
次に、図3(b)に示されるように、ドーピングマスクとしての無機質膜3の開口3aを通してp型の不純物をシリコン基板2内に導入し、p型の導電型を有するVLD層4を形成する。より詳細には、p型の不純物として硼素をシリコン基板2の表面近傍にイオン注入し、引き続き無機質膜3を残したまま該シリコン基板2を熱処理することにより、注入されたp型の不純物をシリコン基板2に拡散させ、終端領域1bにおいて所望の形状のVLD層4を形成する。開口3aの中央付近に対応するVLD層4の表面近傍には、拡散されずに残ったp型の不純物により高濃度の不純物領域4aが形成される。本実施の形態においては、このとき活性領域1aにおいてアノード層5が同時に形成されるが、活性領域1aにおけるシリコン基板2上に全く開口が設定されていない場合には、工程を追加してアノード層5を別途形成しても良い。
次に、図3(c)に示されるように、シリコン基板2の熱酸化処理を行うことにより、VLD層4の表面の一部に形成された高濃度の不純物領域4aを除去する。前述したように、熱酸化処理によりシリコン基板2の表面のシリコン原子は一定量シリコン酸化膜に組み込まれシリコン基板2から除去される。本実施の形態においては、シリコン基板2の表面は部分的にシリコン窒化膜からなる無機質膜3で覆われているため、無機質膜3の下では外部から酸素が供給されず、無機質膜3の開口3aに露出したシリコン基板2の表面のみに局所酸化膜6が形成される。この場合は、形成される局所酸化膜6の膜厚が0.5μm程度以上であれば、高濃度の不純物領域4aは除去される。
図4はこの局所酸化膜6の形状を拡大して示した断面図である。図4に分かるように、熱酸化処理により形成された局所酸化膜6はシリコン基板2(VLD層4)を侵食し、VLD層4の表面の一部に形成された高濃度の不純物領域4aを除去している。図4からもう1つ分かることは、無機質膜3に下にあたかも楔を打ち込んだように局所酸化膜6の一部6aが侵入していることである。この一部6aはその形状からバーズビーク(鳥のくちばし)と呼ばれており、外部からの酸素が開口3aから無機質膜3の下に拡散することによって生じる。このバーズビーク6aにより、同時に角部4bはラウンド化される。
最後に、図3(d)に示されるように、無機質膜3及び局所酸化膜6を除去して本実施の形態に係るVLD層が完成する。無機質膜3又は局所酸化膜6をパシベーション膜として利用する場合は、この工程を省略することも可能である。
本実施の形態に係る半導体素子の製造方法によれば、高濃度の不純物領域4aが除去されたVLD層4を備えた半導体素子を製造できるので、高濃度の不純物領域4aの存在による半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果を奏する。さらには、高濃度の不純物領域4aの除去のより形成された角部4bがラウンド化されるため、角部4bでの電界集中による上記pn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、さらに高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果をも奏する。さらには、高濃度の不純物領域4aの除去と角部4bがラウンド化が同一工程で実施できるため、製造工程の簡素化という効果をも奏する。
<実施の形態4>
実施の形態1に係る半導体素子の製造方法においては、高濃度の不純物領域4aをエッチングによりシリコン基板2から除去していたが、不純物領域4aを除去しなくとも、本実施の形態に開示された半導体素子の製造方法よっても同様な効果が得られる。以下図5に基づき本実施の形態に係る半導体素子の製造方法について説明する。
まず、図5(a)に示されるように、半導体基板としてのn型のシリコン基板2の主表面上にドーピングマスクとしての無機質膜3を形成する。本実施の形態の場合、無機質膜3はシリコン酸化膜であるが、他の無機質膜であっても良い。本実施の形態の場合、活性領域1aにおけるシリコン基板2上では、無機質膜3は全て開口されているが、半導体素子1が他の高耐圧のプレーナ型半導体素子の場合には、所定の設計ルールに基づき適切な開口が設定されているか、あるいは全く開口が設定されていない場合もある。終端領域1bにおけるシリコン基板1上では、無機質膜2は複数の離散的な開口3aを有し、活性領域1a側から順次その開口寸法が小さくなっている。
このような無機質膜3は、公知の方法により形成することができる。例えば、シリコン基板2に熱酸化により一様なシリコン酸化膜を形成し、このシリコン酸化膜上にフォトレジスト膜を形成し、公知の写真製版技術により所定のパターンをこのフォトレジスト膜に転写し、しかる後に転写されたフォトレジスト膜をマスクとしてシリコン酸化膜をドライエッチング等でエッチングし所定の開口3aを形成し、その後フォトレジスト膜を除去すればよい。
次に、図5(b)に示されるように、ドーピングマスクとしての無機質膜3の開口3aを通してp型の不純物をシリコン基板2内に導入し、p型の導電型を有するVLD層4を形成する。より詳細には、p型の不純物として硼素をシリコン基板2の表面近傍にイオン注入し、引き続き無機質膜3を残したまま該シリコン基板2を熱処理することにより、注入されたp型の不純物をシリコン基板2に拡散させ、終端領域1bにおいて所望の形状のVLD層4を形成する。開口3aの中央付近に対応するVLD層4の表面近傍には、拡散されずに残ったp型の不純物により高濃度の不純物領域4aが形成される。本実施の形態においては、このとき活性領域1aにおいてアノード層5が同時に形成されるが、活性領域1aにおけるシリコン基板2上に全く開口が設定されていない場合には、工程を追加してアノード層5を別途形成しても良い。
次に、図5(c)に示されるように、残しておいた無機質膜3の開口3aを通して、VLD層4とは反対の導電型であるn型の不純物をシリコン基板2内に形成されたVLD層4に導入する。より詳細には、n型の不純物として燐をシリコン基板2の表面近傍にイオン注入し、引き続き該シリコン基板2を熱処理することにより、注入されたn型の不純物をVLD層4内に拡散させる。このとき、n型の不純物の注入量を、VLD層4の導電型を反転させない程度の量に抑えておく。これはカウンタードープと呼ばれる手法である。
このようなカウンタードープを行うことにより、VLD層4の表面の一部に形成された高濃度の不純物領域4aのp型の不純物が、新たに導入されたn型の不純物によりキャンセルされるため、実質的に不純物領域4aは消滅することになる。このため、電圧の印加とともに半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合から延びてくる空乏層は不純物領域4aに衝突することはなく、このpn接合の降伏電圧が低下することはない。なお、本工程においてアノード層5の表面のカウンタードープを防止したければ、必要に応じてアノード層5の表面をマスクする工程を付加してもよい。
最後に、図5(d)に示されるように、無機質膜3を除去して本実施の形態に係るVLD層が完成する。無機質膜3をパシベーション膜として利用する場合は、この工程を省略することも可能である。
本実施の形態に係る半導体素子の製造方法によれば、高濃度の不純物領域4aが実質的に除去されたVLD層4を備えた半導体素子を製造できるので、高濃度の不純物領域4aの存在による半導体基板とVLD層との境界に形成されたpn接合の降伏電圧の低下の虞がなく、高い降伏電圧を有する半導体素子が製造できるという効果を奏する。また、実施の形態1に係る導体素子の製造方法のように角部4bが形成されないので、角部4bをラウンド化させる工程を省略でき、製造工程の簡素化という効果も奏する。
なお、以上の実施の形態の説明においては、半導体素子がダイオードである場合を示したが、これに限定されるものではなく、例えば、パワーMOSFETやIGBTなどでもよい。半導体基板はシリコン基板であったが、他の半導体材料、例えば炭化珪素であってもよい。また、以上の実施の形態の説明においては、n型のシリコン基板にp型の不純物を拡散させ、VLD層及びアノード層を形成するような半導体素子について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、上記導電型を逆にした半導体素子についても本発明が適用できることは言うまでもないことである。
この発明に係る半導体素子の製造方法によって製造された半導体素子は、電気自動車や電車等のモータ制御機器を制御する半導体装置に適用することにより、その機器の電力変換効率の向上に寄与することができる。
1 半導体素子
1a 活性領域
1b 終端領域
2 シリコン基板
3 無機質膜
3a 開口
4 VLD層
4a 高濃度の不純物領域
5 アノード層
6 局所酸化膜
6a バーズビーク

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体基板の中央に形成され主電流の導通を担う活性領域と、この活性領域の周囲を取り囲む終端領域と、前記終端領域において前記活性領域に接続して第2導電型の不純物の選択的な導入及び拡散熱処理によりゆるやかな接合形状に形成されたVLD構造を有する半導体素子の製造方法において、
    (a)前記半導体基板の主表面に、前記終端領域上において複数の開口を有し、前記活性領域側から順次その開口寸法が小さくなっていくドーピングマスクを形成する工程と、
    (b)前記ドーピングマスクの開口を通して第2導電型の不純物を前記半導体基板内に導入しVLD層を形成する工程と、
    (c)前記ドーピングマスクの開口を通して前記VLD層の表面の一部を除去する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記工程(c)の後、
    (d)前記半導体基板から前記ドーピングマスクを除去し、その後前記半導体基板を熱酸化処理し、前記半導体基板の主表面上に熱酸化膜を形成する工程、
    を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
  3. 前記工程(a)において、ドーピングマスクは窒化膜であり、
    前記工程(c)において、前記VLD層の表面一部の除去は前記半導体基板の熱酸化処理によってなされること、
    を特徴とする請求項1記載の半導体素子の製造方法。
  4. 第1導電型の半導体基板の中央に形成され主電流の導通を担う活性領域と、この活性領域の周囲を取り囲む終端領域と、前記終端領域において前記活性領域に接続して第2導電型の不純物の選択的な導入及び拡散熱処理によりゆるやかな接合形状に形成されたVLD構造を有する半導体素子の製造方法において、
    (a)前記半導体基板の主表面に、前記終端領域上において複数の開口を有し、前記活性領域側から順次その開口寸法が小さくなっていくドーピングマスクを形成する工程と、
    (b)前記ドーピングマスクの開口を通して第2導電型の不純物を前記半導体基板内に導入しVLD層を形成する工程と、
    (c)前記ドーピングマスクの開口を通して前記VLD層に前記VLD層の導電型を反転させない程度の量の第1導電型の不純物を導入する工程と、
    を含むことを特徴とする半導体素子の製造方法。
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