JPH0878798A - 回路基板 - Google Patents

回路基板

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JPH0878798A
JPH0878798A JP20958794A JP20958794A JPH0878798A JP H0878798 A JPH0878798 A JP H0878798A JP 20958794 A JP20958794 A JP 20958794A JP 20958794 A JP20958794 A JP 20958794A JP H0878798 A JPH0878798 A JP H0878798A
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卓 伊藤
Yasushi Iijima
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真 古林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高周波ノイズを確実に吸収できる高周波吸収
回路基板を提供する。 【構成】 導体層1、2と、絶縁層3とを含んでいる。
導体層1、2は、絶縁層3を間に挟んでその両側に設け
られている。絶縁層3は、強磁性金属粉と絶縁樹脂とを
混合した複合材料でなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回路基板に関し、更に
詳しくは、高周波ノイズ成分を吸収によって減衰させる
回路基板に係る。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子回路における高調波等の高
周波ノイズ成分を除去するためには、LC回路からなる
低域通過型フィルタを用いる。従来の一般的な低域通過
型フィルタは、インピーダンスの整合と、不整合との間
の周波数特性の差を利用し、高周波のノイズ成分を反射
させることにより、必要なフィルタ特性を得ている。
【0003】しかし、反射型の低域通過型フィルタで
は、反射された高周波のノイズ成分がフィルタの前段に
戻され、例えば、回路中で予期しない発振を引き起すこ
とがある。吸収型の低域通過型フィルタは高周波のノイ
ズ成分を吸収するタイプのフィルタであり、反射型の低
域通過型フィルタに見られる上記欠点を改善する。
【0004】吸収型の低域通過型フィルタは既に提案さ
れている。例えばフェライトを用いたものがその一例で
あり、具体的にはフェライトビーズなどが既に広く用い
られている。
【0005】別の吸収型低域通過型フィルタとして、高
域側で吸収作用のある非磁性材料と、フェライトとを組
み合わせ、高周波側でも吸収による信号除去を行なう試
みも報告されている。Schlicke が IEEE Spectrum 5
9-68 1967において提案したEMIフィルタや、Bogar
がProc.of IEEE 67 159-163 1979 において提案した低
域通過型EMIフィルタがその例である。これらの先行
技術においては、同軸型フィルタの絶縁物の一部を、フ
ェライトと誘電体とを積層することによって構成してあ
る。また、Fiallo は、ペンシルバニア州立大学博士論
文 1993 において、フェライトと誘電体を組み合わせた
マイクロストリップ構造のフィルタを提案している。
【0006】しかし、いずれの場合においても、本来の
機能発現とは無関係なノイズ除去用素子を新たに追加す
る必要がある。
【0007】プリント基板自体にシールド機能を持た
せ、高周波ノイズ成分の回路外への輻射を抑えるととも
に、回路外からの高周波ノイズ成分の進入を防止する試
みもなされている。Electronic Parts Catalog'92
社団法人日本電子機械工業会部品運営委員会編の第1
55頁に記載された電磁波シールドプリント配線板がそ
の例である。この場合は、基板をシールド層で囲う必要
があり、構造が複雑となり、任意の回路に対応すること
が困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高周
波ノイズを確実に吸収できる回路基板を提供することで
ある。
【0009】本発明のもう一つの課題は、1GHz以上
の高周波ノイズを確実に吸収できる回路基板を提供する
ことである。
【0010】本発明の更にもう一つの課題は、簡素な構
造を有し、任意の回路に対応し得る回路基板を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題解決のた
め、本発明に係る回路基板は、少なくとも2つの導体層
と、絶縁層とを含む。前記導体層は、前記絶縁層を間に
挟んでその両側に設けられている。前記絶縁層は、強磁
性金属粉と絶縁樹脂とを混合した複合材料で構成されて
いる。
【0012】前記導体層は、一方がアース用導体として
用いられ、他方が信号線用導体として用いられる。実際
の使用状態では、前記導体層の他方が信号線用導体とし
てパターンニングされる。
【0013】好ましくは、前記絶縁層は、1GHz以上
のノイズ成分に対して吸収特性を示す。そのような吸収
特性を示す前記強磁性金属粉の例は鉄である。前記強磁
性金属粉は、その粒径が0.01μmから100μmの
範囲にあることが好ましい。好ましい前記強磁性金属粉
の含有量は、30vol%から70vol%の範囲であ
る。前記強磁性金属粉と共に用いられる前記絶縁樹脂の
好ましい例は、エポキシ、フェノールまたはゴムの少な
くとも一種である。
【0014】
【作用】本発明に係る回路基板において、導体層が絶縁
層を間に挟んでその両側に設けられている。従って、導
体層の一方をアース用導体として用い、他方を信号線用
導体として用いることができる。実際の使用状態では、
導体層は、一方がアース用導体としてパターンニングさ
れ、他方が信号線用導体としてパターンニングされ、回
路基板として使用に供される。
【0015】絶縁層は、強磁性金属粉と絶縁樹脂とを混
合した複合材料でなるから、導体層を必要な回路パター
ンとなるようにパターンニングし、回路部品を実装した
状態で、信号線を通る周波数信号に含まれる高周波ノイ
ズ成分を、絶縁層の吸収作用によって確実に吸収でき
る。具体的には、1GHz以上の高周波帯域において吸
収作用(高域阻止)を生じ、それ以下の周波数帯域に属
する周波数信号は通過(低域通過)させる。また、20
GHz程度の周波数までインピーダンスをほぼ一定にす
ることができ、反射を−10dB程度にすることができ
る。従って、本発明に係る回路基板は、1GHz以上の
高周波ノイズに晒される回路に用いるのに適している。
【0016】しかも、高周波成分を吸収する絶縁層が強
磁性金属粉と絶縁樹脂とを混合した複合材料でなり、こ
の絶縁層に、アース導体と、信号線とを設けた構造であ
るから、構造がきわめて簡素化される。また、任意の回
路にも容易に対応できる。
【0017】本発明に係る回路基板の低域通過及び高域
阻止の機構は次の通りである。
【0018】伝送路において、その反射利得S11(ω)と
透過利得S21(ω)は、素子の反射率をΓ、透過率をTと
すると以下の式で表される。
【0019】S11(ω)=(1ーT2 )Γ/(1ーT2 Γ2) S21(ω)=(1ーΓ2)T/(1ーT2 Γ2) Γ={(μeffeff )1/2 ーZo }/{(μeffeff )1/2 +Zo
} T=exp{-iω(εeffμeff)1/2x} と表される。ここで、εeffは材料の複素実効誘電率、
μeffは材料の複素実効透磁率である。複素実効誘電率
εeff及び複素実効透磁率μeffは、実際には材料の複素
誘電率と複素透磁率に形状の因子を加味したものであ
る。Zo は回路の特性インピーダンスである。プリント
基板において信号線を形成する場合、その線路幅を適宜
決めることによって、その線路の特性インピーダンスZ
o を決めることができる。
【0020】まず、高周波領域で吸収を起こすために
は、透過率Tがゼロに近くなければならない。その条件
は(εeffμeff )が虚数、または実数でマイナスにな
ることである。つまり、εeff、μeff のどちらかまたは
両方の虚数成分が存在し、しかもその値が大きいほど伝
送線での吸収が大きいことになる。言い換えれば、材料
の損失角(tan δ)が高周波で大きくなることである。
【0021】また、全周波数にわたって反射を小さくす
る(S11を小さくする)ためには反射率Γがゼロに近く
なければならない。従って、(μeffeff1/2は全
周波数を通して特性インピーダンスZo に近くなる必要
がある。
【0022】フェライト等による吸収現象の場合、一般
的には2GHz程度で虚数成分がゼロとなり、透過率T
が高域で1に近づき、結果として、低域通過効果が得ら
れなくなる。
【0023】一方、本発明において用いられる複合材料
は1GHz程度から吸収が顕著となり、20GHz以上
でも吸収があり、また、誘電的吸収も伴なっている。従
って、フェライト材料と違って、透過率Tは高周波まで
ゼロに近くなる。
【0024】一般的に、誘電率ε、透磁率μの実数成分
は、吸収のある領域では周波数とともに減少する。この
ため、吸収がある場合、回路基板の特性インピーダンス
Zoは周波数とともに変化し、結果として、反射率Γが
増加し、反射が顕著になる。
【0025】しかし、本発明において用いられる複合材
料の場合は、周波数の増加とともに透磁率の著しい減少
を伴うけれども、これと同時に誘電率も小さくなり、そ
の分だけインピーダンスの変化が少なくなるように寄与
して、結果として反射が少なくなる。このため、1GH
z以上の高周波領域で高域阻止作用を発揮する回路基板
が実現できる。また、信号線の線幅を適宜決めることに
よってその線路の特性インピーダンスを決めることがで
き、しかも、その周波数依存性を比較的小さくできるの
で、反射の少ない回路基板を得ることができる。
【0026】本発明において、強磁性金属粉の好ましい
例は、鉄粉である。鉄の他、ニッケルまたはコバルト等
の他の強磁性金属粉を用いることもできる。これらの強
磁性金属粉は、単独で用いてもよいし、併用してもよ
い。強磁性金属粉と混合する絶縁樹脂は、特に種類は問
わないが、フェノール系、エポキシ系、ゴム系またはテ
フロン系で良好な特性が得られることを確認している。
これらの絶縁樹脂は、単独で用いることもできるし、併
用することもできる。
【0027】強磁性金属粉として、鉄を用いる場合、粒
径は0.01μmから100μmの範囲が望ましく、ま
た、含有量は、30vol %から70vol %の範囲が好ま
しい。強磁性金属粉の粒径が0.01μmよりも小さい
と、充分な吸収作用が得られないばかりでなく、絶縁樹
脂と充分に混練することができず、特性の揃った均質な
回路基板を得ることが困難になる。一方、強磁性金属粉
の粒径が100μmよりも大きい場合は、絶縁基板の表
面が荒れ、良好な電極が形成できなくなる。また、粒径
が大きくなり、実用上扱いにくくなる。強磁性金属粉の
粒径のより好ましい範囲は0.1μmから10μmであ
る。
【0028】強磁性金属粉の含有量が30vol %よりも
少ないと、充分な減衰が得られない。また、強磁性金属
粉の含有量が70vol %よりも多くなると、樹脂と均一
混合することが困難になり、また、電極間の絶縁抵抗の
著しい劣化を招く。強磁性金属粉の含有量のより好まし
い組成範囲は、50vol %から63vol %である。
【0029】
【実施例】図1は本発明に係る回路基板の側面図であ
る。本発明に係る回路基板は、少なくとも2つの導体層
1、2と、絶縁層3とを含んでいる。導体層1、2は、
絶縁層3を間に挟んでその両側に設けられている。従っ
て、例えば導体層1をアース用導体として用い、導体層
2を信号線用導体として用いることができる。実際の使
用状態では、導体層2は信号線用導体としてパターンニ
ングされ、回路基板としての使用に供される。導体層
1、2は回路基板の導体パターン形成用として従来より
周知の材料、代表的には、銅を主成分とするものを用い
ることができる。
【0030】絶縁層3は、強磁性金属粉と絶縁樹脂とを
混合した複合材料でなる。強磁性金属粉は、鉄でなる。
出発原料が比較的粒径の大きい粉体の場合は、数種類の
市販の鉄粉をメッシュでふるい分け、また粒径の小さい
場合は有機金属間化合物から合成した球状の鉄を用いる
ことができる。この鉄はカーボニル鉄として知られ、本
発明では、これらを用いて0.01μmから100μm
にかけて様々な粒径を選択できる。一方、これと同時に
用いる絶縁樹脂は、フェノール系、エポキシ系、ゴム系
またはテフロン系から選ばれた一種である。
【0031】図2は本発明に係る回路基板の更に別の実
施例を示す側面図である。この実施例では、絶縁層3を
間に挟んでその両側に導体層1、2を設けると共に、導
体層1の上に別の絶縁層4を設け、この絶縁層4の上に
導電層5を設けた多層構造の回路基板を示している。絶
縁層4は上記した複合材料で構成することが望ましい
が、他の周知の絶縁材料によって構成することもでき
る。
【0032】次に本発明に係る回路基板について、その
製造方法及びそれによって得られた試料の特性について
述べる。まず、強磁性金属粉と絶縁樹脂をそれぞれ混合
し、プレス処理によって、長さL1が100mm、幅W1
が100mm、厚みH10.635mm の板状の試料を形
成した。次に、この試料に適当な熱処理を施して絶縁樹
脂を硬化させ絶縁層3を得た。更に、この絶縁層3の両
面に市販の接着剤付銅箔を張り、プレス処理を施し、積
層銅張板を得た。
【0033】次に、フォトエッチング工程等を経て、図
3に示すように、絶縁層3の両面に張られた銅箔をパタ
ーンニングし、アース導体1及び信号線2を形成した。
信号線2は、低周波領域で特性インピーダンスが50Ω
になるように、線路幅W2及び線路長L2が決定され
る。実施例では、複合材料の比透磁率及び比誘電率を考
慮して、線路幅W2が0.5mm〜1.0mm、線路長L2
が10mmの直線状パターンとした。信号線2は、銅箔を
エッチングによって形成した。アース導体1及び信号線
2は、他に真空蒸着によっても形成できる。
【0034】上記回路基板の特性は、絶縁層3を構成す
る複合材料の伝送特性S11、S21により評価した。比較材
料として、フィルターで一般的に用いられるNiZnフェラ
イトを用いる。
【0035】回路基板の評価にはネットワークアナライ
ザーHP8720C(ヒューレット.アンド.パッカード社
製)と測定ジグHP83040(ヒューレット.アンド.パッ
カード社製)を用いた。さらに、素材の複素誘電率、複
素透磁率の測定は、1GHzまでは平行平板コンデンサ
ー及びトロイダルコアを形成し、インピーダンスアナラ
イザーHP4291A(ヒューレット.アンド.パッカード社
製)で測定し、1GHz以上はトロイダルコアをエアラ
イジングに挿入し、ソフトウエアHP85071A(ヒューレッ
ト.アンド.パッカード社製)を用いネットワークアナ
ライザHP8720C(ヒューレット.アンド.パッカード社
製)で測定した。
【0036】図4は鉄ーフェノール樹脂の複合材料(鉄
60vol %、粒径2μm)の複素透磁率特性を示す図、
図5は同じく鉄ーフェノール樹脂複合材料(鉄60vol
%、粒径2μm)の複素誘電率特性を示す図である。図
6及び図7は従来のNiZnフェライトについての複素透磁
率特性及び複素誘電率特性をそれぞれ示している。図に
おいて、横軸に周波数をとり、縦軸に比透磁率μまたは
比誘電率εと、損失角δとをそれぞれとってある。
【0037】鉄ーフェノール樹脂複合材料の場合、GH
z領域で、透磁率の損失角δ(図4)及び誘電率の損失
角δ(図5)が増大し、それが高周波領域まで持続して
いる。このため、高周波領域で吸収を起こすための条件
である「損失角δが高周波領域で高くなる」ことが満た
される。また、比透磁率μは損失角δが増大するにつれ
て小さくなっている(図4)。比誘電率εも徐々に減少
していくことが分かる(図5)。このため、反射を小さ
くするための条件である「(μeff/εeff1/2は全
周波数を通して特性インピーダンスZo に近くなる」こ
とも満たされる。
【0038】一方、NiZnフェライトの場合は、図6に示
すように、透磁率に伴う損失角δは1GHz程度で大き
な値をとり、それよりも高い周波数領域ではほとんどゼ
ロになる。これに伴って、比透磁率μもGHz領域で著
しく減少し、1に近づいていく。また、図7に示すよう
に、比誘電率εは僅かに減少の傾向が見られる程度で、
これに伴う損失角δの変化はごく僅かである。従って、
絶縁基板をNiZnフェライトで構成した場合は、GHz領
域では高周波ノイズを吸収できず、通過させる場合があ
る。
【0039】図8は鉄ーフェノール樹脂複合材料(鉄6
0vol %、粒径2μm、図4及び図5の試料)を用いた
場合の伝送特性を示す図である。図示したように、透過
特性S21においては、1GHz程度から減衰が顕著にな
り、測定上限の20GHzまでこの減衰が継続し、高周
波ノイズを吸収できることが分かる。反射特性S11にお
いては、10GHz程度までは−10dB程度の減衰が
あり、充分に反射が抑制されていることが分かる。
【0040】図9は従来のNiZnフェライトを用いた場合
の伝送特性を示す図である。透過特性S21においては、
1GHz程度に減衰が見られるものの、それよりも高い
周波数では再び減衰が少なくなり、高周波ノイズを吸収
することができない。
【0041】図10は強磁性金属粉として鉄を用い、そ
の粒径及び含有量を変えて得られた試料番号1〜38の
各々の素子について、その伝送特性の評価結果をまとめ
て示す図である。伝送特性S11、S12は、通過域の周波数
を100MHz、阻止域の周波数を5GHzとして、そ
の各々の場合の伝送特性S11、S21の利得で評価した。絶
縁樹脂はフェノール、エポキシ、ゴム系のものを適宜使
用した。
【0042】粒径が0.01μmから100μmの範囲
にある鉄粉を、含有量30vol %から70vol %の範囲
で含む試料番号2〜13、17〜23、29〜35は、
透過利得S21が通過域周波数100MHzで−0.2d
Bまたは−0.3dB、阻止域周波数5GHzで−28
dB〜45dBであり、通過域周波数100MHzでの
減衰が小さく、阻止域周波数5GHzでの減衰が大きく
なっている。また、反射利得S11は通過域周波数100
MHzで−22dBから−26dBの範囲、阻止域周波
数5GHzで−9dBから−12dBの範囲である。絶
縁抵抗も109Ω以上であり、絶縁性の問題は生じな
い。
【0043】これに対して、粒径0.005μmの鉄粉
を用いた試料番号1、粒径200μmの鉄粉を用いた試
料番号14、鉄粉の含有量が30vol %から70vol %
の範囲にない試料番号15、16、24〜28、36〜
38は、通過域周波数100MHz及び阻止域周波数5
GHzにおける透過利得S21または反射利得S11の何れか
において、劣化が認められる。従って、粒径が0.01
μmから100μmの範囲の鉄粉を30vol %から70
vol %の範囲で含むことが好ましい。また、絶縁樹脂の
種類による特性上の優劣は殆ど認められない。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
のような効果を得ることができる。 (a)高周波ノイズを確実に吸収し得る回路基板を提供
できる。 (b)1GHz以上の高周波ノイズを確実に吸収し得る
回路基板を提供できる。 (c)簡素な構造を有し、任意の回路に対応し得る回路
基板を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る回路基板の側面図である。
【図2】本発明に係る回路基板の他の実施例を示す側面
図である。
【図3】本発明に係る回路基板の斜視図である。
【図4】鉄ーフェノール樹脂複合材料の周波数ー複素透
磁率特性を示す図である。
【図5】鉄ーフェノール樹脂複合材料の周波数−複素誘
電率特性を示す図である。
【図6】従来のNiZnフェライトについての周波数−複素
透磁率特性を示す図である。
【図7】従来のNiZnフェライトについての周波数−複素
誘電率特性を示す図である。
【図8】鉄ーフェノール樹脂複合材料を用いた場合の伝
送特性を示す図である。
【図9】従来のNiZn系フェライトを用いた場合の伝送特
性を示す図である。
【図10】各々の回路基板についての伝送特性の評価結
果をまとめて示す図である。
【符号の説明】
1 導体層 2 導体層 3 絶縁層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 康 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 古林 真 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 倉橋 孝秀 東京都中央区日本橋1丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2つの導体層と、絶縁層とを
    含む回路基板であって、 前記導体層は、前記絶縁層を間に挟んでその両側に設け
    られており、 前記絶縁層は、強磁性金属粉と絶縁樹脂とを混合した複
    合材料で構成されている回路基板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の回路基板であって、 前記導体層は、一方がアース用導体として用いられ、他
    方が信号線用導体として用いられる回路基板。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の回路基板であって、 前記強磁性金属粉は、その粒径が0.01μmから10
    0μmの範囲にある回路基板。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の回路基板であって、 前記絶縁層は、前記強磁性金属粉の含有量が30vol %
    から70vol %の範囲にある回路基板。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の回路基板であって、 前記絶縁樹脂は、エポキシ系、フェノール系、ゴム系ま
    たはテフロン系の少なくとも一種である回路基板。
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