JPH0878327A - 半導体ウエハ - Google Patents
半導体ウエハInfo
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- JPH0878327A JPH0878327A JP21260394A JP21260394A JPH0878327A JP H0878327 A JPH0878327 A JP H0878327A JP 21260394 A JP21260394 A JP 21260394A JP 21260394 A JP21260394 A JP 21260394A JP H0878327 A JPH0878327 A JP H0878327A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 長時間の保管や輸送、また製造工程中の熱や
プラズマダメージによっても劣化しにくい半導体ウエハ
を提供する。 【構成】 半導体装置の基体となる多層構造の最上層の
上に、半導体装置の最終構造には不要の、半導体キャッ
プ層を構成する、たとえば、HBTの基体となる半絶縁
性GaAs基板1上にn+ GaAs埋め込みコレクタ層
2、n,p型GaAsコレクタ層3、4、p+ 型AlG
aAsベース層5、n型AlGaAsエミッタ層6、
7、n+ 型InGaAsエミッタコンタクト層8、9、
10、からなる多層構造の基体の上にHBTの最終構造
とは無関係のInPキャップ層11を同一反応管、チャ
ンバー中で連続的にエピタキシャル成長した構造を有す
る。
プラズマダメージによっても劣化しにくい半導体ウエハ
を提供する。 【構成】 半導体装置の基体となる多層構造の最上層の
上に、半導体装置の最終構造には不要の、半導体キャッ
プ層を構成する、たとえば、HBTの基体となる半絶縁
性GaAs基板1上にn+ GaAs埋め込みコレクタ層
2、n,p型GaAsコレクタ層3、4、p+ 型AlG
aAsベース層5、n型AlGaAsエミッタ層6、
7、n+ 型InGaAsエミッタコンタクト層8、9、
10、からなる多層構造の基体の上にHBTの最終構造
とは無関係のInPキャップ層11を同一反応管、チャ
ンバー中で連続的にエピタキシャル成長した構造を有す
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置を形成する
基体となる、多層構造を有したエピタキシャル成長ウエ
ハに関わる。
基体となる、多層構造を有したエピタキシャル成長ウエ
ハに関わる。
【0002】
【従来の技術】共鳴トンネル素子などの量子効果素子、
ヘテロ接合バイポーラートランジスタ(HBT)、ある
いはヘテロ接合FET(HEMT)等の半導体装置は半
導体基板上に種々の半導体層をエピタキシャル成長した
ウエハを用いて作製される。GaAs、InPのような
2元系、InGaAsのような3元系、InGaAsP
のような4元系、さらにはInAlGaAsPのような
5元系のように様々な化合物半導体の多層構造のエピタ
キシャル成長ウエハがこれらの半導体装置の半導体基体
として用いられている。しかしこれらの化合物半導体層
の表面は多くの場合熱やプラズマダメージに弱く、半導
体装置の製作工程中にしばしば用いられる熱CVDやプ
ラズマCVDなどによって容易に劣化して本来の性質が
損なわれやすいと言う問題があった。また保管している
間に空気中の酸素などによって酸化されやすいという問
題、あるいは一旦表面が汚染した場合Siプロセスで用
いられるいわゆるSH処理のような有効な有機物除去方
法がなく、表面層を劣化させること無く汚染除去するこ
とがむずかしいなどの問題があった。
ヘテロ接合バイポーラートランジスタ(HBT)、ある
いはヘテロ接合FET(HEMT)等の半導体装置は半
導体基板上に種々の半導体層をエピタキシャル成長した
ウエハを用いて作製される。GaAs、InPのような
2元系、InGaAsのような3元系、InGaAsP
のような4元系、さらにはInAlGaAsPのような
5元系のように様々な化合物半導体の多層構造のエピタ
キシャル成長ウエハがこれらの半導体装置の半導体基体
として用いられている。しかしこれらの化合物半導体層
の表面は多くの場合熱やプラズマダメージに弱く、半導
体装置の製作工程中にしばしば用いられる熱CVDやプ
ラズマCVDなどによって容易に劣化して本来の性質が
損なわれやすいと言う問題があった。また保管している
間に空気中の酸素などによって酸化されやすいという問
題、あるいは一旦表面が汚染した場合Siプロセスで用
いられるいわゆるSH処理のような有効な有機物除去方
法がなく、表面層を劣化させること無く汚染除去するこ
とがむずかしいなどの問題があった。
【0003】上に述べた従来の技術の問題をHBTを例
にさらに詳しく説明する。HBTは、通常のホモ接合バ
イポーラトランジスタにくらべてベース濃度を高くする
ことができ、特にエミッタ幅を縮小してベース抵抗を下
げることができ、またベース/コレクタ幅を縮小してベ
ース/コレクタ間容量を下げることができるため高速動
作素子として注目されている。しかしながらHBTでは
微細化によるエミッタ電極等のコンタクト面積の縮小が
コンタクト抵抗の増大を招き、その結果期待通りの高速
化が計られないという問題があり、J.Vac.Sc
i.Technol.,19(3)1981 pp.6
26〜627には、エミッタコンタクト抵抗を低減する
ために、図6に示すようにバンドギャップの狭いInG
aAs層を高濃度にドーピングしてエミッタ領域の上部
にエピタキシャル成長し、コンタクト層とするこによ
り、エミッタ電極金属との間のバリアハイトを実質的に
ほとんど無くす技術が記載されている。この技術を用い
たHBTのウエハ構造の一例を図7に示す。図7におい
て半絶縁性GaAs基板1上に埋め込みn+ 型GaAs
サブコレクタ層2、n型GaAsコレクタ層31、p+
型GaAsベース層51、n型AlGaAsエミッタ層
6、n+ 型Alx Ga1-x Asグレーディッド層7、n
+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層9、n+ 型I
n0.5 Ga0.5 Asコンタクト層10が下から順に積層
されている。
にさらに詳しく説明する。HBTは、通常のホモ接合バ
イポーラトランジスタにくらべてベース濃度を高くする
ことができ、特にエミッタ幅を縮小してベース抵抗を下
げることができ、またベース/コレクタ幅を縮小してベ
ース/コレクタ間容量を下げることができるため高速動
作素子として注目されている。しかしながらHBTでは
微細化によるエミッタ電極等のコンタクト面積の縮小が
コンタクト抵抗の増大を招き、その結果期待通りの高速
化が計られないという問題があり、J.Vac.Sc
i.Technol.,19(3)1981 pp.6
26〜627には、エミッタコンタクト抵抗を低減する
ために、図6に示すようにバンドギャップの狭いInG
aAs層を高濃度にドーピングしてエミッタ領域の上部
にエピタキシャル成長し、コンタクト層とするこによ
り、エミッタ電極金属との間のバリアハイトを実質的に
ほとんど無くす技術が記載されている。この技術を用い
たHBTのウエハ構造の一例を図7に示す。図7におい
て半絶縁性GaAs基板1上に埋め込みn+ 型GaAs
サブコレクタ層2、n型GaAsコレクタ層31、p+
型GaAsベース層51、n型AlGaAsエミッタ層
6、n+ 型Alx Ga1-x Asグレーディッド層7、n
+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層9、n+ 型I
n0.5 Ga0.5 Asコンタクト層10が下から順に積層
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、発明者
らが行った種々の実験によれば図7の最上層のInGa
As層10が熱やプラズマダメージ等によって容易に劣
化してしまうという問題が明らかになった。通常HBT
製造工程では、SiO2 膜やSi3 N4 膜のような種々
の絶縁膜をエピタキシャル成長膜の表面に形成する必要
があり、その際熱CVDやプラズマCVDを用いること
が多い、たとえばSiO2 膜の熱VCDではエピタキシ
ャルウエハを350℃〜400℃に加熱する必要がある
がこの時の熱により、あるいはプラズマCVDにおいて
はプラズマダメージによって、コンタクト形成前にコン
タクト層であるInGaAs層10の表面が劣化してし
まうため、低抵抗エミッタコンタクトを歩留まり良く形
成することが難しいと言う問題があった。コンタクト形
成前に表面のダメージ層をエッチングによって除去する
ことが考えられるが、薄いInGaAsコンタクト層1
0のなかのダメージ層の深さを正確に見積もってその層
だけを除去するのは極めて困難である。あらかじめその
分を見込んでInGaAsコンタクト層10を厚くすれ
ば良いが、その場合でもエッチング深さを正確に見積も
らなけばその後のプロセス、とくにベースコンタクト形
成のためエッチングの精度が低下してしまう。結局余分
のInGaAsコンタクト層を成長することは製造工程
を複雑化し、余分の熱工程を増大することになりプロセ
ス設計上は好ましくないことである。
らが行った種々の実験によれば図7の最上層のInGa
As層10が熱やプラズマダメージ等によって容易に劣
化してしまうという問題が明らかになった。通常HBT
製造工程では、SiO2 膜やSi3 N4 膜のような種々
の絶縁膜をエピタキシャル成長膜の表面に形成する必要
があり、その際熱CVDやプラズマCVDを用いること
が多い、たとえばSiO2 膜の熱VCDではエピタキシ
ャルウエハを350℃〜400℃に加熱する必要がある
がこの時の熱により、あるいはプラズマCVDにおいて
はプラズマダメージによって、コンタクト形成前にコン
タクト層であるInGaAs層10の表面が劣化してし
まうため、低抵抗エミッタコンタクトを歩留まり良く形
成することが難しいと言う問題があった。コンタクト形
成前に表面のダメージ層をエッチングによって除去する
ことが考えられるが、薄いInGaAsコンタクト層1
0のなかのダメージ層の深さを正確に見積もってその層
だけを除去するのは極めて困難である。あらかじめその
分を見込んでInGaAsコンタクト層10を厚くすれ
ば良いが、その場合でもエッチング深さを正確に見積も
らなけばその後のプロセス、とくにベースコンタクト形
成のためエッチングの精度が低下してしまう。結局余分
のInGaAsコンタクト層を成長することは製造工程
を複雑化し、余分の熱工程を増大することになりプロセ
ス設計上は好ましくないことである。
【0005】また、上に述べたプロセス上の問題以外で
も、エピタキシャル成長ウエハをすぐに加工せずに保管
しておいたり、輸送する場合、InGaAs層の表面汚
染や酸化などが避けられず、表面の品質が劣化し、低抵
抗のエミッタコンタクトを歩留まり良く形成することが
難しくなるという問題があった。これを避けるために、
たとえば超高真空チャンバー内に保管し、輸送するとい
う方法が考えられているが、その場合保管や輸送のため
に極めて多額のコストがかかるという問題があった。ま
た10-8Pa程度の超高真空中でも半導体ウエハの表面
に自然酸化膜が形成されるという事実を考慮すれば、超
高真空チャンバー内における保管輸送というのは、実際
上メリットは少ないという問題があった。
も、エピタキシャル成長ウエハをすぐに加工せずに保管
しておいたり、輸送する場合、InGaAs層の表面汚
染や酸化などが避けられず、表面の品質が劣化し、低抵
抗のエミッタコンタクトを歩留まり良く形成することが
難しくなるという問題があった。これを避けるために、
たとえば超高真空チャンバー内に保管し、輸送するとい
う方法が考えられているが、その場合保管や輸送のため
に極めて多額のコストがかかるという問題があった。ま
た10-8Pa程度の超高真空中でも半導体ウエハの表面
に自然酸化膜が形成されるという事実を考慮すれば、超
高真空チャンバー内における保管輸送というのは、実際
上メリットは少ないという問題があった。
【0006】またこれらの問題はHBTに限らず、HE
MTや量子効果素子、あるいは半導体レーザー等種々の
半導体装置の半導体基体となるエピタキシャルウエハ共
通の問題点であった。
MTや量子効果素子、あるいは半導体レーザー等種々の
半導体装置の半導体基体となるエピタキシャルウエハ共
通の問題点であった。
【0007】本発明は以上の点を鑑みてなされたもの
で、半導体装置製造プロセス中のダメージや保管、輸送
中の酸化や汚染からエピタキシャル層表面を保護するこ
とを可能にする半導体ウエハの新規な構造を提供するこ
とを目的とする。
で、半導体装置製造プロセス中のダメージや保管、輸送
中の酸化や汚染からエピタキシャル層表面を保護するこ
とを可能にする半導体ウエハの新規な構造を提供するこ
とを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、半導体基体の保護膜
形成のために新たな熱的ダメージ、プラズマダメージ、
あるいは酸化膜形成、汚染ということを生じることな
く、安定、無欠陥、清浄な半導体基体と保護膜との界面
を有した半導体ウエハを提供することである。
形成のために新たな熱的ダメージ、プラズマダメージ、
あるいは酸化膜形成、汚染ということを生じることな
く、安定、無欠陥、清浄な半導体基体と保護膜との界面
を有した半導体ウエハを提供することである。
【0009】本発明のさらに別の目的は、超高速デバイ
ス等に要求される、良好な金属・半導体接合が実現でき
る、半導体基体最上層の安定かつ有効な保護膜を有した
半導体ウエハを提供することである。すなわち、金属半
導体接合に最も重要な半導体基体の最上層の酸化、化学
量論的組成のずれ、欠陥を防止しうる半導体ウエハを提
供することである。
ス等に要求される、良好な金属・半導体接合が実現でき
る、半導体基体最上層の安定かつ有効な保護膜を有した
半導体ウエハを提供することである。すなわち、金属半
導体接合に最も重要な半導体基体の最上層の酸化、化学
量論的組成のずれ、欠陥を防止しうる半導体ウエハを提
供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の半導体ウエハは、図1に示すように多層構
造1,2,3……10,11のエピタキシャル成長ウエ
ハであって、多層構造の最上層11は、この最上層11
の直下のエピタキシャル成長層10とはエッチングレー
トが異なる半導体キャップ層11であり、エピタキシャ
ル成長層10以下の多層構造1,2,……10からなる
半導体基体を半導体装置の構成要素とし、半導体キャッ
プ層11は図5に示すように最終的な半導体装置の構造
とは関係のない層であることを第1の特徴とする。多層
構造とは不純物濃度、P型かn型かといった導電型、G
aAs、InP、AlGaAs、InGaAs等あるい
はこれらの超格子等といった材料のうち少なく共一つが
異なる層が、半導体基板1の上に少なく共1層以上積層
された構造をいう。
に、本発明の半導体ウエハは、図1に示すように多層構
造1,2,3……10,11のエピタキシャル成長ウエ
ハであって、多層構造の最上層11は、この最上層11
の直下のエピタキシャル成長層10とはエッチングレー
トが異なる半導体キャップ層11であり、エピタキシャ
ル成長層10以下の多層構造1,2,……10からなる
半導体基体を半導体装置の構成要素とし、半導体キャッ
プ層11は図5に示すように最終的な半導体装置の構造
とは関係のない層であることを第1の特徴とする。多層
構造とは不純物濃度、P型かn型かといった導電型、G
aAs、InP、AlGaAs、InGaAs等あるい
はこれらの超格子等といった材料のうち少なく共一つが
異なる層が、半導体基板1の上に少なく共1層以上積層
された構造をいう。
【0011】本発明の第2の特徴は、半導体装置の構成
要素となる半導体基体を構成する多層構造1,2,……
10と、この半導体基体の上に形成される半導体キャッ
プ層11とが、同一成長槽中で、大気に晒されること
く、連続してエピタキシャル成長されることである。
要素となる半導体基体を構成する多層構造1,2,……
10と、この半導体基体の上に形成される半導体キャッ
プ層11とが、同一成長槽中で、大気に晒されること
く、連続してエピタキシャル成長されることである。
【0012】本発明の第3の特徴は、図1に示すよう
に、半導体基体1,2,……10の最上層はInx Ga
1-x As(0<x≦1)であり、半導体キャップ層11
はInPであることである。Inx Ga1-x Asは組成
xが連続的に変化するグレーディッド層でもよいし、I
nAsとGaAsとからなる超格子構造でもよいし、x
=0.5の下層とx=1.0の上層とから成る2層構造
等の多層膜でもよい。
に、半導体基体1,2,……10の最上層はInx Ga
1-x As(0<x≦1)であり、半導体キャップ層11
はInPであることである。Inx Ga1-x Asは組成
xが連続的に変化するグレーディッド層でもよいし、I
nAsとGaAsとからなる超格子構造でもよいし、x
=0.5の下層とx=1.0の上層とから成る2層構造
等の多層膜でもよい。
【0013】本発明の第4の特徴は、半導体基体の最上
層10はオーミックコンタクト形成用のコンタクト層で
あり、半導体キャップ層11が除去された後、半導体基
体の最上層10の上には図5に示すようにTi/Pt/
An等の金属電極16が形成されるべく構成されている
ことである。
層10はオーミックコンタクト形成用のコンタクト層で
あり、半導体キャップ層11が除去された後、半導体基
体の最上層10の上には図5に示すようにTi/Pt/
An等の金属電極16が形成されるべく構成されている
ことである。
【0014】
【作用】本発明の第1の特徴の半導体ウエハによれば、
半導体装置の構成要素となる半導体基体の最上層の上部
に、半導体装置の最終構造とは全く関係のない、半導体
キャップ層を形成しているので、半導体装置製造工程中
あるいは輸送、保管等における熱的ダメージ、プラズマ
ダメージ、酸化、重金属汚染、有機物汚染等から完全に
保護することができる。しかも半導体キャップ層は半導
体基体の最上層とはエッチングレートが異なる材料とな
るように選ばれているので、半導体装置製造工程中で必
要に応じて半導体キャップ層が容易に除去できる。選択
エッチングはドライエッチングでもウェットエッチング
でもよい。つまり、従来の半導体製造プロセスでSiO
2 膜やSi3 N4 膜を用いて保護膜としていたのを半導
体キャップ層を保護膜としていると考えることも可能で
あるが、SiO2 膜、Si3N4 膜形成の場合のように
半導体基体の最上層表面に熱的ダメージ、プラズマダメ
ージを与えることなく形成できるのである。
半導体装置の構成要素となる半導体基体の最上層の上部
に、半導体装置の最終構造とは全く関係のない、半導体
キャップ層を形成しているので、半導体装置製造工程中
あるいは輸送、保管等における熱的ダメージ、プラズマ
ダメージ、酸化、重金属汚染、有機物汚染等から完全に
保護することができる。しかも半導体キャップ層は半導
体基体の最上層とはエッチングレートが異なる材料とな
るように選ばれているので、半導体装置製造工程中で必
要に応じて半導体キャップ層が容易に除去できる。選択
エッチングはドライエッチングでもウェットエッチング
でもよい。つまり、従来の半導体製造プロセスでSiO
2 膜やSi3 N4 膜を用いて保護膜としていたのを半導
体キャップ層を保護膜としていると考えることも可能で
あるが、SiO2 膜、Si3N4 膜形成の場合のように
半導体基体の最上層表面に熱的ダメージ、プラズマダメ
ージを与えることなく形成できるのである。
【0015】本発明の第2の特徴によれは、同一チャン
バー中、あるいは同一反応管中といった同一成長槽中で
大気、特に酸素に晒されることなく、連続して、半導体
基体の最上層の上に半導体キャップ層が形成されるの
で、半導体基体と半導体キャップ層の界面には酸化膜が
形成されず、また汚染からも有効に保護される。
バー中、あるいは同一反応管中といった同一成長槽中で
大気、特に酸素に晒されることなく、連続して、半導体
基体の最上層の上に半導体キャップ層が形成されるの
で、半導体基体と半導体キャップ層の界面には酸化膜が
形成されず、また汚染からも有効に保護される。
【0016】本発明の第3の特徴によれば、半導体基体
の最上層をInx Ga1-x As(0<x≦1)として、
半導体キャップ層をInPとしているので、格子整合が
容易で、また熱的膨張係数も近い値とすることが可能で
あり、半導体製造装置製造工程中の機械的歪、熱的歪に
も安定であり、熱的歪によりInP層がひび割れを生じ
ることもない。またInx Ga1-x As層の表面に新た
な欠陥を発生させることもない。Inx Ga1-x Asの
表面に酸化膜が形成されず、表面の化学量論的組成も保
つことができるので、その後の工程、たとえば、Inx
Ga1-x Asと金属との接合形成にも、Inx Ga1-x
As本来の特性を生かすことが可能となる。
の最上層をInx Ga1-x As(0<x≦1)として、
半導体キャップ層をInPとしているので、格子整合が
容易で、また熱的膨張係数も近い値とすることが可能で
あり、半導体製造装置製造工程中の機械的歪、熱的歪に
も安定であり、熱的歪によりInP層がひび割れを生じ
ることもない。またInx Ga1-x As層の表面に新た
な欠陥を発生させることもない。Inx Ga1-x Asの
表面に酸化膜が形成されず、表面の化学量論的組成も保
つことができるので、その後の工程、たとえば、Inx
Ga1-x Asと金属との接合形成にも、Inx Ga1-x
As本来の特性を生かすことが可能となる。
【0017】本発明の第4の特徴によれば、オーミック
コンタクト形成用のコンタクト層となる半導体基体の表
面が、酸化、熱的ダメージ、プラズマダメージ、汚染、
化学量論的組成のずれ等から有効に保護されるので、良
好なオーミックコンタクト、すなわち極めてコンタクト
抵抗の低い金属・半導体接合を得ることができる。
コンタクト形成用のコンタクト層となる半導体基体の表
面が、酸化、熱的ダメージ、プラズマダメージ、汚染、
化学量論的組成のずれ等から有効に保護されるので、良
好なオーミックコンタクト、すなわち極めてコンタクト
抵抗の低い金属・半導体接合を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0019】図1は、本発明の第一の実施例に係る積層
半導体ウエハの断面図を示し、AlGaAs/GaAs
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を作製す
る基体となるものである。
半導体ウエハの断面図を示し、AlGaAs/GaAs
ヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)を作製す
る基体となるものである。
【0020】図1のウエハは半絶縁性GaAs基板1上
に厚さ0.5μmの埋め込みn+ 型GaAsサブコレク
タ層2、厚さ0.35μmでキャリア密度1017cm-3
のn型GaAs第一コレクタ層3、厚さ0.15μmで
キャリア密度8×1016cm-3のp- 型GaAs第二コ
レクタ層4、厚さ0.1μmでキャリア密度5×1019
cm-3のp+ 型Alx Ga1-x Asグレーディドベース
層5、厚さ0.05μmでキャリア密度5×1017cm
-3のn型Al0.25Ga0.75Asエミッタ層6、厚さ0.
03μmでキャリア密度2×1018cm-3のn+ 型Al
x Ga1-x Asグレーディッド層7、厚さ0.1μmで
キャリア密度5×1018cm-3のn+ 型GaAs層8、
厚さ0.05μmでキャリア密度2×1019cm-3のn
+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層9、厚さ0.
05μmでキャリア密度2×1019cm-3のn+ 型In
0.53Ga0.47Asコンタクト層10、最後に厚み0.2
μmのInPキャップ層11が下から順に積層されてい
る。グレーディッドベース層5はAlの組成xを0から
0.1の範囲で順に増加しており、グレーディッド層9
はInの組成xを0から0.53まで順に増加させてい
る。エピタキシャル成長の方法はCBE法、MOCVD
法、MBE法、ALE(Atomic Layer E
pitaxy)法、あるいはMLE(Molecula
r Layer Epitaxy)法等を用いればよ
い。
に厚さ0.5μmの埋め込みn+ 型GaAsサブコレク
タ層2、厚さ0.35μmでキャリア密度1017cm-3
のn型GaAs第一コレクタ層3、厚さ0.15μmで
キャリア密度8×1016cm-3のp- 型GaAs第二コ
レクタ層4、厚さ0.1μmでキャリア密度5×1019
cm-3のp+ 型Alx Ga1-x Asグレーディドベース
層5、厚さ0.05μmでキャリア密度5×1017cm
-3のn型Al0.25Ga0.75Asエミッタ層6、厚さ0.
03μmでキャリア密度2×1018cm-3のn+ 型Al
x Ga1-x Asグレーディッド層7、厚さ0.1μmで
キャリア密度5×1018cm-3のn+ 型GaAs層8、
厚さ0.05μmでキャリア密度2×1019cm-3のn
+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層9、厚さ0.
05μmでキャリア密度2×1019cm-3のn+ 型In
0.53Ga0.47Asコンタクト層10、最後に厚み0.2
μmのInPキャップ層11が下から順に積層されてい
る。グレーディッドベース層5はAlの組成xを0から
0.1の範囲で順に増加しており、グレーディッド層9
はInの組成xを0から0.53まで順に増加させてい
る。エピタキシャル成長の方法はCBE法、MOCVD
法、MBE法、ALE(Atomic Layer E
pitaxy)法、あるいはMLE(Molecula
r Layer Epitaxy)法等を用いればよ
い。
【0021】たとえばCBE法で成長する場合、圧力
1.3×10-3Paにおいて、基板温度520℃で、T
EG(トリエチルガリウム)とAsH3 (アルシン)を
導入しGaAs層2,3,4,8を成長し、TEG、T
MAAl(トリメチルアミンアラン)とAsH3 により
AlGaAs層5,6,7を成長し、基板温度480°
〜520℃でTMIn(トリメチルインジウム)、TE
GとAsH3 でInGaAs層9,10を成長し、TM
InとPH3 (フォスフィン)でInP層11を同一チ
ャンバー中で連続的に成長すればよい。AsH3 のかわ
りにTBA(ターシャリー・ブチル・アルシン((C4
H9 )AsH2 ))、PH3 のかわりにTBP(ターシ
ャリー・ブルチン・フォスフィン((C4 H9 )P
H2 ))を用いてもよい。p形のドーパントガスとして
はTMG,CBr4あるいはCCl4 等を用いCをドープ
するか、固体のBeソースを用いてもよい。n形のドー
パントガスとしてはSiH4 (モノシラン)、Si2 H
6 (ジシラン)、あるいはDESe(ジエチルセレ
ン)、DETe(ジエチルテルル)等を用いればよい。
またCBE法に用いるソースガスを交互導入し、半導体
基板上の交換表面反応を用いればMLE法となる。たと
えば基板温度480℃、圧力6×10-4Pa、において
TEGを4秒導入、3秒真空排気、AsH3 を20秒導
入、その後3秒真空排気のガス導入1サイクルでGaA
s1分子層が成長できるので、MLE法によれば図1の
積層ウエハは分子層単位の精度を有した構造となる。図
1のウエハはHBTを製造する場合にはn+ In0.53G
a0.47Asコンタクト装置10まで使うのであり、その
上のInP層11は半導体装置HBTの構造には必要が
ない層であり、n+ In0.53Ga0.47Asコンタクト層
10の表面を保護をするための層である。n+ In0.53
Ga0.47Asコンタクト層10はInP層11で覆われ
ているため、長期間の保存や輸送に際してもInP層が
劣化するだけで、下地のIn0.53Ga0.47Asコンタク
ト層10は全く良好な表面状態を保つことができる。ま
た、InP層11は、半導体装置製造工程中のマスク材
として、従来SiO2膜やSi3 N4 膜がはたしていた
役割をはたすことも可能である。
1.3×10-3Paにおいて、基板温度520℃で、T
EG(トリエチルガリウム)とAsH3 (アルシン)を
導入しGaAs層2,3,4,8を成長し、TEG、T
MAAl(トリメチルアミンアラン)とAsH3 により
AlGaAs層5,6,7を成長し、基板温度480°
〜520℃でTMIn(トリメチルインジウム)、TE
GとAsH3 でInGaAs層9,10を成長し、TM
InとPH3 (フォスフィン)でInP層11を同一チ
ャンバー中で連続的に成長すればよい。AsH3 のかわ
りにTBA(ターシャリー・ブチル・アルシン((C4
H9 )AsH2 ))、PH3 のかわりにTBP(ターシ
ャリー・ブルチン・フォスフィン((C4 H9 )P
H2 ))を用いてもよい。p形のドーパントガスとして
はTMG,CBr4あるいはCCl4 等を用いCをドープ
するか、固体のBeソースを用いてもよい。n形のドー
パントガスとしてはSiH4 (モノシラン)、Si2 H
6 (ジシラン)、あるいはDESe(ジエチルセレ
ン)、DETe(ジエチルテルル)等を用いればよい。
またCBE法に用いるソースガスを交互導入し、半導体
基板上の交換表面反応を用いればMLE法となる。たと
えば基板温度480℃、圧力6×10-4Pa、において
TEGを4秒導入、3秒真空排気、AsH3 を20秒導
入、その後3秒真空排気のガス導入1サイクルでGaA
s1分子層が成長できるので、MLE法によれば図1の
積層ウエハは分子層単位の精度を有した構造となる。図
1のウエハはHBTを製造する場合にはn+ In0.53G
a0.47Asコンタクト装置10まで使うのであり、その
上のInP層11は半導体装置HBTの構造には必要が
ない層であり、n+ In0.53Ga0.47Asコンタクト層
10の表面を保護をするための層である。n+ In0.53
Ga0.47Asコンタクト層10はInP層11で覆われ
ているため、長期間の保存や輸送に際してもInP層が
劣化するだけで、下地のIn0.53Ga0.47Asコンタク
ト層10は全く良好な表面状態を保つことができる。ま
た、InP層11は、半導体装置製造工程中のマスク材
として、従来SiO2膜やSi3 N4 膜がはたしていた
役割をはたすことも可能である。
【0022】次に図1に示した本発明の実施例のウエハ
をもとにHBTを製作する場合の製造工程を図2〜図5
をもとに説明し、InP層11の役割を示す。まず図2
に示すように、このウエハ上にフォトレジスト12でベ
ース電極取り出し用のU溝エッチングのためのマスクパ
ターンを形成し、それを用いてInP層11とInGa
As層10,9、n+ GaAs層8,AlGaAs層6
をRIE法あるいはECRイオンエッチ法によりベース
層5が露出するまでエッチングしU溝51を形成する。
この後フォトレジストマスクをつけた状態でさらにウエ
ットエッチングによってU溝51の側壁の半導体層を僅
かにサイドエッチングする。このサイドエッチングの量
でベース電極とエミッタ領域の分離が決まる。サイドエ
ッチング量の最適値はエピ膜の構成や膜質あるいはパタ
ーンサイズその他に依存するが、たとえば0.1μm程
度行なえばよい。ここでは主なエッチング手段としてド
ライエッチングを用いたが、ウエットエッチングのみで
も可能である。続いてベース電極用にTi/Pt/Au
をウエハ全面に蒸着し、その後フォトレジスト12を除
去する、いわゆるリフトオフ法によってベース電極13
をU溝51の底部に形成する。さらに、ベース電極とエ
ミッタ電極の絶縁層を形成するため、基板表面全体にポ
リイミド樹脂のプレポリマー溶液をスピンコート法によ
り塗布し、このポリイミド樹脂の熱硬化温度(350
℃)まで段階的に加熱して図3に示すようにポリイミド
樹脂14を形成する。次にCF4 /H2 を用いたたRI
E法等により、InP層11が露出するまでポリイミド
樹脂14をエッチバックし、U溝51内のベース電極1
3上のみにポリイミド樹脂15を残す。次に図4に示す
ようにフォトレジスト12とポリイミド樹脂15をマス
クとしてInP層11をHCI系のエッチャントを用い
てエッチングし、図4に示すようにInGaAsエミッ
タコンタクト層10を露出させる。HCl系のエッチャ
ントによりInGaAsはほとんどエッチングされない
ので選択比∞に近い選択エッチングが可能である。フォ
トレジスト12は次のエミッタ電極をリフトオフ法によ
って形成する場合のマスクとしても機能し、ポリイミド
樹脂15はベース電極とエミッタ電極との層間絶縁膜と
なる。ドライエッチングによってもInPとInGaA
sは選択エッチング可能である。このように、選択エッ
チングによりInGaAsエミッタコンタクト層10を
露出させた後、フォトレジスト12を残したままTi/
Pt/Auを真空蒸着し、その後フォトレジスト12を
除去するリフトオフ法を行ない図5に示すようにエミッ
タ電極16のパターンを形成する。エミッタ電極16は
ポリイミド樹脂の上まで広がっており、フォトリソグラ
フィの合わせ余裕を軽減しつつ、エミッタコンタクト面
積を最大にできる。ついでプロトンイオン注入で素子間
分離領域17を形成し、最後にサブコレクタ層2をウエ
ットエッチングによって露出させAuGe/Ni/Ti
/Pt/Auを蒸着後、リフトオフ法を用いてパターニ
ングし、さらに370℃程度の熱処理によりアロイを行
うことにより図5に示すようなコレクタ電極18を形成
する。
をもとにHBTを製作する場合の製造工程を図2〜図5
をもとに説明し、InP層11の役割を示す。まず図2
に示すように、このウエハ上にフォトレジスト12でベ
ース電極取り出し用のU溝エッチングのためのマスクパ
ターンを形成し、それを用いてInP層11とInGa
As層10,9、n+ GaAs層8,AlGaAs層6
をRIE法あるいはECRイオンエッチ法によりベース
層5が露出するまでエッチングしU溝51を形成する。
この後フォトレジストマスクをつけた状態でさらにウエ
ットエッチングによってU溝51の側壁の半導体層を僅
かにサイドエッチングする。このサイドエッチングの量
でベース電極とエミッタ領域の分離が決まる。サイドエ
ッチング量の最適値はエピ膜の構成や膜質あるいはパタ
ーンサイズその他に依存するが、たとえば0.1μm程
度行なえばよい。ここでは主なエッチング手段としてド
ライエッチングを用いたが、ウエットエッチングのみで
も可能である。続いてベース電極用にTi/Pt/Au
をウエハ全面に蒸着し、その後フォトレジスト12を除
去する、いわゆるリフトオフ法によってベース電極13
をU溝51の底部に形成する。さらに、ベース電極とエ
ミッタ電極の絶縁層を形成するため、基板表面全体にポ
リイミド樹脂のプレポリマー溶液をスピンコート法によ
り塗布し、このポリイミド樹脂の熱硬化温度(350
℃)まで段階的に加熱して図3に示すようにポリイミド
樹脂14を形成する。次にCF4 /H2 を用いたたRI
E法等により、InP層11が露出するまでポリイミド
樹脂14をエッチバックし、U溝51内のベース電極1
3上のみにポリイミド樹脂15を残す。次に図4に示す
ようにフォトレジスト12とポリイミド樹脂15をマス
クとしてInP層11をHCI系のエッチャントを用い
てエッチングし、図4に示すようにInGaAsエミッ
タコンタクト層10を露出させる。HCl系のエッチャ
ントによりInGaAsはほとんどエッチングされない
ので選択比∞に近い選択エッチングが可能である。フォ
トレジスト12は次のエミッタ電極をリフトオフ法によ
って形成する場合のマスクとしても機能し、ポリイミド
樹脂15はベース電極とエミッタ電極との層間絶縁膜と
なる。ドライエッチングによってもInPとInGaA
sは選択エッチング可能である。このように、選択エッ
チングによりInGaAsエミッタコンタクト層10を
露出させた後、フォトレジスト12を残したままTi/
Pt/Auを真空蒸着し、その後フォトレジスト12を
除去するリフトオフ法を行ない図5に示すようにエミッ
タ電極16のパターンを形成する。エミッタ電極16は
ポリイミド樹脂の上まで広がっており、フォトリソグラ
フィの合わせ余裕を軽減しつつ、エミッタコンタクト面
積を最大にできる。ついでプロトンイオン注入で素子間
分離領域17を形成し、最後にサブコレクタ層2をウエ
ットエッチングによって露出させAuGe/Ni/Ti
/Pt/Auを蒸着後、リフトオフ法を用いてパターニ
ングし、さらに370℃程度の熱処理によりアロイを行
うことにより図5に示すようなコレクタ電極18を形成
する。
【0023】図2〜図5に示した工程ではInGaAs
エミッタコンタクト層10は金属電極形成直前までIn
P層11で覆われており、酸化やプラズマダメージとい
った劣化原因からも保護されている。またInPはIn
GaAs層と格子整合させることもできるのでInGa
As層に悪影響を及ぼすこともない。さらに、InPと
InGaAsはウエットエッチングでもドライエッチン
グでも選択エッチングが可能であり、コンタクト形成直
前に容易にInGaAs表面を露出させることが可能で
ある。したがって、Ti/Pt/Auエミッタ電極11
6と、ノンアロイ、もしくは、分子層オーダーの極めて
薄い合金層を形成した状態で、1×10-7Ω−cm2 以
下のコンタクト抵抗が得られた。エミッタのコンタクト
抵抗はウエハ内で極めて均一性が良く、ウエハ間のバラ
ツキも小さいものであった。
エミッタコンタクト層10は金属電極形成直前までIn
P層11で覆われており、酸化やプラズマダメージとい
った劣化原因からも保護されている。またInPはIn
GaAs層と格子整合させることもできるのでInGa
As層に悪影響を及ぼすこともない。さらに、InPと
InGaAsはウエットエッチングでもドライエッチン
グでも選択エッチングが可能であり、コンタクト形成直
前に容易にInGaAs表面を露出させることが可能で
ある。したがって、Ti/Pt/Auエミッタ電極11
6と、ノンアロイ、もしくは、分子層オーダーの極めて
薄い合金層を形成した状態で、1×10-7Ω−cm2 以
下のコンタクト抵抗が得られた。エミッタのコンタクト
抵抗はウエハ内で極めて均一性が良く、ウエハ間のバラ
ツキも小さいものであった。
【0024】ちなみに、この結果得られたHBTのfT
=150GHz ,fmax =200GHz であった。
=150GHz ,fmax =200GHz であった。
【0025】図1〜図5ではInPキャップ層11との
格子整合を考えエミッタコンタクト層10をIn0.53G
a0.47Asとしたが、キャップ層との格子整合は必ずし
も必要ではなく、Inの組成を増してもよい。たとえば
In0.65Ga0.35Asの場合は、エミッタのコンタクト
抵抗は5×10-8Ω−cm2 以下であった。エミッタコ
ンタクト層10はInAsとGaAsとの超格子構造と
し、その上にInPキャップ層11とした構造としても
よく、エミッタコンタクト層10をグレーディッド層と
して最上部の20−30nmをInAsとしてもよい。
いずれにしてもInPキャップ層11で表面を保護する
ことによりエミッタコンタクト層10の表面の酸化や汚
染が有効に防止され、良好なオーミックコンタクトが実
現できる。なお、エミッタ電極16はTi/Pt/Au
に限る必要はなく、エミッタコンタクト層11をInA
sとし、その上にWSi2 を形成してもよく、TiWS
ix /Au電極、Ni/W電極、NiInW電極、Ni
(Si)InW電極、Ni/Ni−In/Ni/W電極
としてもよい。
格子整合を考えエミッタコンタクト層10をIn0.53G
a0.47Asとしたが、キャップ層との格子整合は必ずし
も必要ではなく、Inの組成を増してもよい。たとえば
In0.65Ga0.35Asの場合は、エミッタのコンタクト
抵抗は5×10-8Ω−cm2 以下であった。エミッタコ
ンタクト層10はInAsとGaAsとの超格子構造と
し、その上にInPキャップ層11とした構造としても
よく、エミッタコンタクト層10をグレーディッド層と
して最上部の20−30nmをInAsとしてもよい。
いずれにしてもInPキャップ層11で表面を保護する
ことによりエミッタコンタクト層10の表面の酸化や汚
染が有効に防止され、良好なオーミックコンタクトが実
現できる。なお、エミッタ電極16はTi/Pt/Au
に限る必要はなく、エミッタコンタクト層11をInA
sとし、その上にWSi2 を形成してもよく、TiWS
ix /Au電極、Ni/W電極、NiInW電極、Ni
(Si)InW電極、Ni/Ni−In/Ni/W電極
としてもよい。
【0026】オーミック電極を形成する場合の重要な問
題は電極の金属と半導体との界面の酸化膜であるが、I
nPキャップ層11を形成することにより酸化が有効に
防止され、極めて良好なオーミックコンタクトが得られ
る。
題は電極の金属と半導体との界面の酸化膜であるが、I
nPキャップ層11を形成することにより酸化が有効に
防止され、極めて良好なオーミックコンタクトが得られ
る。
【0027】図1〜図5ではAlGaAs/GaAsH
BTについて説明したが、本発明は図1に示したエピ構
造以外でも有効である。また、他の材料を用いた場合、
たとえばInGaP/GaAs系、InP/InGaA
s系やInP/InGaAsP系あるいはその変形など
でも同様に適用可能である。たとえばH3 PO4 :HC
l系のウエットエッチを用いればInGaAsPに対し
てInPの選択エッチが可能である。エピウエハの構造
は同一反応管、あるいは同一チャンバー中で連続的に成
長できる材料の組み合わせでよく、しかも最上部のキャ
ップ層と、その下地の半導体層のエッチングレートの選
択比の大きな組み合わせなら何でもよい。さらにInP
キャップ層の上にさらにSiO2 膜やSi3 N4 膜を形
成してもよい。さらに本実施例に示したHBT製造工程
はほんの1例であって、このプロセスに限ること無く、
種々のプロセスで有効であり、HBTの構造もpnp
型、反転型(コレクタトップ型)としてもよいことはも
ちろんである。さらに半導体装置はHBTに限ること無
くHEMT、SISFET、MESFET、量子効果素
子あるいは半導体レーザー等、種々の半導体装置のため
のウエハにも適用可能であることはいうまでもない。
BTについて説明したが、本発明は図1に示したエピ構
造以外でも有効である。また、他の材料を用いた場合、
たとえばInGaP/GaAs系、InP/InGaA
s系やInP/InGaAsP系あるいはその変形など
でも同様に適用可能である。たとえばH3 PO4 :HC
l系のウエットエッチを用いればInGaAsPに対し
てInPの選択エッチが可能である。エピウエハの構造
は同一反応管、あるいは同一チャンバー中で連続的に成
長できる材料の組み合わせでよく、しかも最上部のキャ
ップ層と、その下地の半導体層のエッチングレートの選
択比の大きな組み合わせなら何でもよい。さらにInP
キャップ層の上にさらにSiO2 膜やSi3 N4 膜を形
成してもよい。さらに本実施例に示したHBT製造工程
はほんの1例であって、このプロセスに限ること無く、
種々のプロセスで有効であり、HBTの構造もpnp
型、反転型(コレクタトップ型)としてもよいことはも
ちろんである。さらに半導体装置はHBTに限ること無
くHEMT、SISFET、MESFET、量子効果素
子あるいは半導体レーザー等、種々の半導体装置のため
のウエハにも適用可能であることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、半導体装置の半導体基
体となる多層構造の最上層の上に、大気に触れることな
く、連続して、キャップ層となる別の半導体層を形成し
ているので、半導体装置として重要な最上層表面に酸化
物や汚染物が形成されることがない。特にサブミリ波デ
バイスやテラヘルツデバイスのような超高速半導体装置
においてはコンタクト抵抗を減らすために金属電極と半
導体層界面の酸化膜の問題が重要であるが、本発明によ
れば、界面には酸化膜は形成されず、きわめて良好なオ
ーミックコンタクトが実現できる。
体となる多層構造の最上層の上に、大気に触れることな
く、連続して、キャップ層となる別の半導体層を形成し
ているので、半導体装置として重要な最上層表面に酸化
物や汚染物が形成されることがない。特にサブミリ波デ
バイスやテラヘルツデバイスのような超高速半導体装置
においてはコンタクト抵抗を減らすために金属電極と半
導体層界面の酸化膜の問題が重要であるが、本発明によ
れば、界面には酸化膜は形成されず、きわめて良好なオ
ーミックコンタクトが実現できる。
【0029】本発明によれば、メタライゼーション工程
直前まで、半導体装置の半導体基体となる最上層表面が
他の半導体層で覆われているので、製造工程中の熱的ダ
メージによる欠陥の発生、あるいは加熱による化合物半
導体の化学量論的組成のずれや、表面の荒れが有効に防
止できる。
直前まで、半導体装置の半導体基体となる最上層表面が
他の半導体層で覆われているので、製造工程中の熱的ダ
メージによる欠陥の発生、あるいは加熱による化合物半
導体の化学量論的組成のずれや、表面の荒れが有効に防
止できる。
【0030】さらに、本発明によれば、半導体装置の半
導体基体となる最上層の表面が、他の半導体層に覆われ
ているので、製造工程中のプラズマによるダメージ、イ
オン等の荷電粒子によるダメージから有効に保護され
る。
導体基体となる最上層の表面が、他の半導体層に覆われ
ているので、製造工程中のプラズマによるダメージ、イ
オン等の荷電粒子によるダメージから有効に保護され
る。
【0031】さらに本発明によれば、長時間の保管や、
輸送、とりわけ高温多湿の雰囲気での輸送に対しても劣
化が生じず、また表面が汚染されない高品質な半導体ウ
エハを得ることこができる。
輸送、とりわけ高温多湿の雰囲気での輸送に対しても劣
化が生じず、また表面が汚染されない高品質な半導体ウ
エハを得ることこができる。
【図1】本発明の一実施例によるトランジスタのウエハ
構造を示す断面図。
構造を示す断面図。
【図2】図1のウエハを用いたHBTの製造工程を示す
断面図。
断面図。
【図3】図1のウエハを用いたHBTの製造工程を示す
断面図。
断面図。
【図4】図1のウエハを用いたHBTの製造工程を示す
断面図。
断面図。
【図5】図1のウエハを用いたHBTの製造工程を示す
断面図。
断面図。
【図6】従来例のHBTのエミッタコンタクト部のエネ
ルギーバンド図。
ルギーバンド図。
【図7】従来例のHBTのウエハ構造図。
1 半絶縁性GaAs基板 2 n+ 型GaAs埋め込みサブコレクタ 3 n型GaAs第一コレクタ 4 p型GaAs第二コレクタ 5 p+ 型Alx Ga1-x Asベース(x:0→0.
1) 6 n+ 型Al0.25Ga0.75Asエミッタ 7 n+ 型Alx Ga1-x As(x:0.25→0) 8 n+ 型GaAs 9 n+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層 10 n+ 型In0.53Ga0.47Asエミッタコンタクト
層 11 InPキャップ層 12 フォトレジスト 13 ベース電極 14,15 ポリイミド樹脂 16 エミッタ電極 17 素子分離領域 18 コレクタ電極 31 n型GaAsコレクタ 51 p+ 型GaAsベース
1) 6 n+ 型Al0.25Ga0.75Asエミッタ 7 n+ 型Alx Ga1-x As(x:0.25→0) 8 n+ 型GaAs 9 n+ 型Inx Ga1-x Asグレーディッド層 10 n+ 型In0.53Ga0.47Asエミッタコンタクト
層 11 InPキャップ層 12 フォトレジスト 13 ベース電極 14,15 ポリイミド樹脂 16 エミッタ電極 17 素子分離領域 18 コレクタ電極 31 n型GaAsコレクタ 51 p+ 型GaAsベース
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/73 29/778 21/338 29/812 H01S 3/18 9171−4M H01L 29/80 H
Claims (4)
- 【請求項1】 不純物密度、導電型、材料のうち少なく
共一つが異なる半導体層の多層構造からなるエピタキシ
ャル成長ウエハであって、該多層構造の最上層は、該最
上層の直下のエピタキシャル成長層とはエッチングレー
トが異なる材料からなる半導体キャツプ層であり、該最
上層の直下のエピタキシャル成長層以下の多層構造から
成る半導体基体を半導体装置の構成要素とすることを特
徴とするる半導体ウエハ。 - 【請求項2】 前記半導体基体と前記半導体キャップ層
は同一成長槽中で大気に晒されることなく、連続してエ
ピタキシャル成長されたことを特徴とする請求項1記載
の半導体ウエハ。 - 【請求項3】 前記半導体基体の最上層はInx Ga
1-x As(0<x≦1)であり、前記半導体キャップ層
はInPであることを特徴とする請求項1又は2記載の
半導体ウエハ。 - 【請求項4】 前記半導体基体の最上層はオーミックコ
ンタクト形成用のコンタクト層であることを特徴とする
請求項1又は2記載の半導体ウエハ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21260394A JPH0878327A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 半導体ウエハ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21260394A JPH0878327A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 半導体ウエハ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0878327A true JPH0878327A (ja) | 1996-03-22 |
Family
ID=16625432
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21260394A Pending JPH0878327A (ja) | 1994-09-06 | 1994-09-06 | 半導体ウエハ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0878327A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289835A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-04 | Toshiba Corp | 高周波パワーアンプ装置 |
JP2016219796A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | キヤノン株式会社 | 素子、これを有する発振器及び情報取得装置 |
-
1994
- 1994-09-06 JP JP21260394A patent/JPH0878327A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002289835A (ja) * | 2001-03-28 | 2002-10-04 | Toshiba Corp | 高周波パワーアンプ装置 |
JP2016219796A (ja) * | 2015-05-22 | 2016-12-22 | キヤノン株式会社 | 素子、これを有する発振器及び情報取得装置 |
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